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1954-04-28 第19回国会 衆議院 通商産業委員会 第41号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年四月二十八日(水曜日)     午前十一時十九分開議  出席委員    委員長 大西 禎夫君    理事 小平 久雄君 理事 中村 幸八君    理事 福田  一君 理事 山手 滿男君    理事 加藤 鐐造君       小川 平二君    小金 義照君       始関 伊平君    田中 龍夫君       村上  勇君    笹本 一雄君       長谷川四郎君    柳原 三郎君       加藤 清二君    伊藤卯四郎君       中崎  敏君    川上 貫一君  出席国務大臣         通商産業大臣  愛知 揆一君  出席政府委員         通商産業事務官         (大臣官房長) 岩武 照彦君         通商産業事務官         (重工業局長) 徳永 久次君  委員外出席者         通商産業事務官         (重工業局車両         課長)     馬郡  巖君         専  門  員 谷崎  明君         専  門  員 越田 清七君     ————————————— 四月二十八日  委員井手以誠君辞任につき、その補欠として齋  木重一君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  自転車競技法等臨時特例に関する法律案(大  西禎夫君外十六名提出、衆法第二四号)     —————————————
  2. 大西禎夫

    大西委員長 これより会議を開きます。  本日は、昨日の理事会申合せによりまして、まず自転車競技法等臨時特例に関する法律案を議題といたします。質疑の通告がありますのでこれを許します。柳原三郎君。
  3. 柳原三郎

    柳原委員 私は簡単に、主としてこの法律の第二条の問題について質問をいたします。  この二条の法文を読みますときに、競輪施行者の納める納入金受入れとか、あるいは機械工業振興に必要な融資のための銀行その他の金融機関に関する資金の貸付、機械工業振興目的とする事業に対する補助金の交付、その他機械工業振興をはかるために必要な業務等、相当広汎にわたる業務を、自転車振興会連合会主務大臣すなわち通産大臣の定める計画及び指示従つて業務を行つて行く、こういうことになつておりますが、また第二条の四項を見ますと、前項の業務商工組合中央金庫主務大臣の定める計画及び指示従つて委託業務を行う、こういうことになつております。これを要約すると、自転車振興会連合会というものは中間に浮いて参りまして、結論として主務大臣計画及び指示従つて中央金庫というものが業務を行つて行くということになります。その業務は先ほど言いましたように、納入金受入れからいろいろな事業を行つて行くのであります。そういうときに主務大臣はその納入金事業等運用について何か諮問機関を設けて、それと相談しつつこれを運営して行く気があるかどうか、そういう点についてお答えを願いたいと思います。
  4. 福田一

    福田(一)委員 ただいまの御質問は、場合によつては、法律通つた場合において政府としてそういう諮問機関をつくるような意向があるかというふうにもとれますが、御質問趣旨はおそらくそういう意味ではないと思います。何かこれの運営にあたつては特に諮問機関のようなものを設ける意思法案の中に出ておらないので、それはどういうふうになつておるかという御質問かと存じますので、お答えを申し上げてみます。  この点につきましては、ただいま御質問がございましたように、この法案中小機械工業の設備の近代化機械生産技術の向上でありますとか、あるいは機械輸出の増進でありますとか、その他機械工業振興をはかるということが大きな目的になつておりまして、必ずしも自転車だけを対象にいたしましてこの法案が立案されておらないのであります。従いまして振興会に金が入りますけれども、実際の実務商工中金が行いまして、さらにまたこれを通産省が監督するというやり方になつておるわけであります。しかしそのようにいたしますと、何か中金あたりがかつてなことをしてしまうような疑義が生ずるのでありまして、そういう点は御心配の通りでございますので、これにつきましては、通産省関係官庁職員及び学識経験者をもつて組織いたします協議会をつくる予定に相なつておるのであります。そうして資金運用についてはこの協議会意見を尊重いたしましてこれが運用をはかつて行くつもりでございます。協議会メンバーとしては、関係官庁職員、たとえば通産省重工業局長工業技術院長運輸省船舶局長大蔵省主計局長、それから関係業界代表といたしましては、自転車自動車造船関連工業一般関連機械工業から代表者を選び、また一般学識経験者事務取扱者等々、さらにまた施行者代表者等を加えまして、そうして完全な、役所だけのものの考え方でなくて、公正な第三者の意見も加えまして、十分その目的を達成するような一つの公正なる協議会をつくつて行く、かように考えておるわけでございます。あるいは御質問趣旨と若干それておつたかしれませんが、もしおわかりでなければまたお答えいたします。
  5. 長谷川四郎

    長谷川(四)委員 今おつしやつた中には議員という言葉が入らなかつたけれども、おそらくは議員はそのメンバーの中にはお加えにならぬのじやないかと思いますけれども、念のためにお聞きしておきます。なぜ私が議員を入れてはならないと言うかというと、これは申し上げるまでもないから省略いたしますが、議員は絶対その中に加えるべきでないという考えでございます。しからば議員考えておること、また一番議員に反映したものをどういうふうにその中に含まして行くかというような点も考え得られるわけでございまして、そういう場合に、どういう議員がどういうようなことを考えて望んでおるかというようなことを一番よく知つておるのは専門員であろうと考えます。従いまして衆議院、参議院の専門員を加えていただくことがすなわちわれわれの意思表明するものであると、こういうふうに考えるが、あなたのお考えはどうでありますか伺つてみましよう。
  6. 福田一

    福田(一)委員 私たち議員の方を委員にしなければならないということを考えてこの法律案提案はいたしておりません。それからただいまのお説の点でございますが、衆参両院専門員をその運営協議会委員に任命してはということにつきましては、いろいろの関係もございますので十分慎重に研究をさしていただきたい、かように考えます。
  7. 長谷川四郎

    長谷川(四)委員 研究というお言葉ですが、これは明らかにあなたがお答えになつてさしつかえないと思うのです。われわれ議員考え方、すなわち通産委員会なら通産委員会メンバー考えております考え方を反映させなければならない、こういうようなことから申し上げるのであります。ですから私は冒頭に議員たるものは絶対にこの中に加えてはならないと申したのであります。しかしながら専門員にその意思のあるところは反映さして行く、こういうことだから私は当然入れてもいいのではないか、こう考えるのでありまして、これはわれわれが提案したことになつておりますので質問もどうかと思いますけれども、気づきましたので申し上げるのでありますが、ぜひともこれを加えるべきだという考え方でございます。どうかお加えくださるようにはつきりと御答弁をお願いいたします。
  8. 福田一

    福田(一)委員 長谷川先生は、衆議院の議運の委員もなすつていらつしやるので、議会運営については非常な専門家であらせられるのでありますから、私がここでそういうことを御答弁を申し上げてはかえつて失礼にあたるかも存じませんけれども、衆議院専門員というものは、われわれのためにすべての問題につきまして専門的なる知識を連絡あるいは供給させるというような意味があるのではないかと思います。そういう人たちがはたしてこういうような協議会委員になられた場合に、特殊の何か利害関係代表するようなことになるのがいいかどうか、もちろん専門員の方はたいへんりつぱなお方でありますから、個人的にはこういうものの中に入つていただいて働いていただけば非常に効果があろうかとは存じますけれども、しかしその場合において、専門員資格をお持ちになりながらこういうところに入られることが議会関係上どうなるか、こういうふうなことも考えましたので、実はもう少し勉強さしていただきたい、かように申し上げたのであります。
  9. 柳原三郎

    柳原委員 この法案に関連いたしまして、中小企業金融公庫の中に、昭和二十八年度分として自転車産業振興費から四億円が出資されておりますが、その四億円の運営状況とか、また回収金の今後の措置等について質問があるのでありますが、これは大臣か政務次官に聞くのが妥当と思いますので、この質問を留保いたしまして私はこれでやめます。
  10. 大西禎夫

    大西委員長 大臣がもう少ししたら来るそうでありますから、そのときにお答えするようにいたします。  次に中崎敏君。
  11. 中崎敏

    中崎委員 実は先日来のごたごたといいますかで、社会党の方では各委員会における審議については、不信任案が通過するまでの見通しとして、諸般の事情を慎重に検討しながらやつて行くという考え方でおつた。ところがちようどそうしておつたときに、この委員会が開かれておつたようで、この自転車競技法に関する提案説明をされたというのですが、まだ寡聞にして私その説明を聞いていないのです。そこでたいへん恐縮でありますが、この法案についての説明を一応お聞きして、そうして検討して行きたいと思うのです。
  12. 福田一

    福田(一)委員 ちようど仰せ通りのような事情がございまして、私が提案理由説明申し上げましたときには、御出席の方も少かつたのでございますから、あらためて重ねてその骨子だけをひとつ御説明申し上げまして、御理解を願いたいと存じます。  本法案は、実は今回の予算関係政府の処置によりまして——従来は競輪によつて得られました国家納入されております金のうちから、四億円ほどのものが自転車産業振興のために融資されておつたのであります。ところがそれが今回はできなくなるような状況になつて参りました。しかし競輪自転車という関係は、切り離しては全然考えることはできないのでありまして、自転車産業振興目的競輪法ができたことは御承知通りでございます。しかし今回は地方へ大体そのラインが行くということにはなつておりますけれども、一時にこれを打切つてしまいますことはいかがであろう、また自転車のみでございません。中小機械工業技術近代化とか、その他先ほど申し上げましたようないろいろのこともございますので、こういうものも含めて、この競輪というものによつて国が何かの利益を得るとか、一般人たちもそれによつて利益を得るような道を講じてはどうかという考え方からいたしまして、実はこの臨時立法をいたすような経過になつたわけでございます。そこでその場合にどういうふうにやるかということにつきましては、長い間案を練りまして、今回提出いたしましたのも第六次案で、ずいぶん、六回も案を練り直したようなことになつておりますが、この法案を提出いたしますにあたりまして私たちが一番心配いたしましたことは、何といつて競輪というのは一種のばくちであります。日本ではばくちというのはみんな非常にいやがるのであります。ばくちの関係のような法律案、それには必ず何かの利益がつきまとつておるのではないかというようなことがよく言われるのでありますが、私たちはそういう意味で、この金を取扱う場合においては、いやしくも一銭一厘といえども間違いがないように、世間から疑惑を受けないような方法を講じなければならない。こういう意味合いで、この法案をつくるときには特に慎重を期したわけであります。そこでいろいろ考えてみまして、結局自転車振興会連合会に金を一時納入をさせることにいたしました。しかし振興会がその金を使うということにいたしまして、そこにいろいろの問題が起きては困るということでありますから、そこで、今まで金を取扱わせておりまして、あまりそういう弊害が認められませんでした商工中金にその金を全部渡してしまう。でありますからして、この自転車振興会には金が入つて来るけれども、一億円入つて来れば、その入つて来た一億円はそのまま商工中金へ行つてしまいます。そこで商工中金ではその金を、特別会計のようなものをつくらせまして、一般の預金とは別にいたさせます。そうしてそれを先ほど御質問がございましたが、通産省にできます協議会運用方針に基きまして、通産大臣がこのような運用をしたらよろしかろうという一つ細目をきめて、その細目従つて全部支出をいたすということに——もちろんこれは当然報告その他の義務を負わしているわけでありますけれども、そういうふうにいたしておきましたならば、間違いがないのではなかろうか。あわせてわれわれが考えておりますところの自転車産業振興でありますとか、中小機械工業振興ができるのではないか、こういうような観点に立つてこの法案が一応立案されておるわけでございます。これにつきましては、実は自転車のみではございません、モーターボートあるいは小型自動車というようなものも含めることにいたしましたことは、御承知のごとくこれらは性質上おのおの別個の法律をもつて立案されて制定はされておりますけれども、同種類のもので、同じような性格を帯びているものでございますので、そういう意味合いでこれをこの法案のうちに含めることにいたしたわけでございます。  なおその他、私の説明は不十分な点がございますので、御理解願えないことも多分にあるかと存じますが、そのような点につきましては御質問をお願いいたしたいと思います。
  13. 中崎敏

    中崎委員 商工中金が事実上金出納をするということでありますが、一面においては補助金を出すような場合と、一面においては金を貸す、融資をするという場合とに大体わかれると思うのですが、これは性格的に違うと思うのです。単なる融資ということになればこれは開銀だろうと、普通の銀行だろうと、そのほかの政府金融機関であろうと、これは一つ方針従つて出して行くのですからいいのですが、補助金を出すという場合においては、一面政府出納である、国家的性格を持つたものであるというふうに考えるわけです。それを中金においてするということになればおかしいことになるのではないか。これはむしろ日本銀行というふうな政府の直接の金融機関においてすべきものだというふうに考えられるのでありますが、この点いかがですか。
  14. 福田一

    福田(一)委員 たいへんけつこうな御質問でありまして、この法案のうちでも、もし一つ疑義がありといたしますならば、今中崎委員の御質問なつたところがある意味で言つたら一番問題になるべきものかと存ずるのであります。しかし商工中金というものにつきましては、これは法律上も国の金を預かります以外の、その他の融資等につきましては、これを代行することができるという規定があります。しかし今申されましたように補助金支出するような事務まで取扱つていいかどうかということになりますと、これは若干疑義を生ずるわけであります。もちろんこれは国がつくつた機関であり、公の機関ではございますけれども、その点については御説のような疑義が生ずるわけでありますが、しかし私たちといたしましては、御承知のようにこれも一年間の臨時立法でございます。     〔委員長退席中村(幸)委員代理着席〕  この金が商工中金へ入りまして運用されました場合におきましても、もし一年たちますとその金は一応全部国のものになるということが、この法律においてきめてあるのでありまして、長きにわたつて商工中金をしてこのような事務取扱わせることは私はいかがなものであろうかと考えたのでありますけれども、法の目的といたしまするところを実現する道として、ただいま考え得る道といたしましては、まず商工中金あたりを利用するのが一番無難ではなかろうかという見地に立ちまして、実はこの商工中金事務を委託させるといいますか、運営させる、こういうことにいたしたわけでございまして、この点はひとつその意味で御了承を願いたいと存じます。
  15. 中崎敏

    中崎委員 商工中金をして国家的性格を持つた金の使途をやらせておるという先例か何かあるのですか、ことにこれに類するような業務商工中金がやつておるというふうな先例があるかどうか。
  16. 福田一

    福田(一)委員 たとえば信用保険事務取扱のようなものは商工中金がいたしております。
  17. 中崎敏

    中崎委員 次に、協議会ができるというようなことになつておるようですが、その協議会性格諮問機関であるのかあるいは決議機関であるのか、その性格をひとつお聞きします。
  18. 福田一

    福田(一)委員 諮問機関でございます。
  19. 中崎敏

    中崎委員 どうもまだ法案内容を見てないので、質問の要点がどの程度どうしていいかはつきりしないのですが、その協議会構成はどういうふうになるか。たとえばどういうふうなものをもつて充てるとか、あるいはさらにもう少し掘り下げて言えば、どういうような者を何名程度どういうようにするかというふうな、その構成についてはどういうことになつておるか。
  20. 福田一

    福田(一)委員 その点については大綱は先ほど柳原委員お答えをいたしましたので、ただいま幸いここに政府委員が出て参りましたので政府委員からお答え願います。
  21. 徳永久次

    徳永政府委員 私ども今考えておりますのは、この入ります金の性質とそれから金の使い方という面から考えまして、いわば性質と申しますのは予算ではございませんが、予算的な意味合い考えてしかるべきでなかろうかというようなことも考えまして、関係官庁職員といたしまして、大蔵省主計局長、それから通産省重工業局長、それから運輸省船舶局長技術関係といたしましては、工業技術院院長関係官庁職員からそれだけの者を入れておいた方がいいんじやなかろうかと考えておるわけであります。それから使いまする使途等にからみまして、関係業界代表といたしまして、自転車産業界自動車産業界造船関連工業業界、それから一般工業業界代表者を、それぞれの業界等もございますのでその代表者委員になつていただいたらどうだろうか、それにあわせまして第三者的な意味一般学識経験者といたしまして経済学者かあるいは機械工業技術者人たちを一両名お入れ願つたらどうか、それにさらに御承知のように連合会が名儀人になつております、いわば金主でございますので、各自転車小型自動車モーターボート連合会、それから実務を扱いまする商工組合中央金庫、それにこれの実際上金を出します関係になります施行者、それくらいの顔ぶれにいたしたらよいのではないかというふうに考えておるのであります。
  22. 中崎敏

    中崎委員 この協議会自転車振興会連合会ですか、中央会ですか、それとの業務執行上における関連性というものは一体どういうふうになるのですか。言いかえますと、自転車振興会の勘定を通すということにはなつておるけれども、これはただロボツトだけであつて通す一つ機関にすぎない、実際の仕事といいますか、重要事項に関する審議というものは協議会をもつて単にそれだけでやるということになるかどうか、そこの関連性はどういうふうに……。
  23. 福田一

    福田(一)委員 あるいは政府委員の方がよいかと思いますが、私からお答え申し上げます。その前に一言申し上げておきますが、御承知のようにこれは議員立法でございまして、われわれがいろいろ知恵をしぼつて考え法案でございます。従いまして皆様方の御意見で非常によい御意見がございますならば、私ども決してこれをあえて固執するものではないのでありまして、その点ひとつまず御了承を願つておきたいと存じますが、御質問趣旨は、自転車振興会というものは単なる通り抜けの金を受入れ機関であつて、しかもそれを通り抜けて行くだけで何も関係がない、そうしてその金というものは、この協議会が中心になつて、そうして商工中金が実際の事務を代行して行く、こういうふうな形になるかどうか、こういう御質問かと思うのでありますが、お説の通りなのであります。お考え通りにわれわれは考えておるのでありまして、大体通産省からこの協議会に対しまして、どういうふうに運営をはかつてつたらよいかということを諮問をいたします。その諮問に基いて、この諮問を尊重して通産大臣商工中金——結局は自転車振興会ということになりますけれども、事務商工中金がやつておりますから、通産大臣協議会意見をいれてつくつた方針に基いてこの金を運営をいたして行く、こういう形に相なると存ずるのであります。
  24. 中崎敏

    中崎委員 振興会というものは単なる通り抜け機関にすぎないということになるわけですが、これに対する責任は一体どういうことになりますか。
  25. 福田一

    福田(一)委員 通り抜け機関でございますから、はなはだお言葉を返すようなことになつて恐れ入りますが、通り抜け機関としての責任ががあることに相なるわけであります。
  26. 中村幸八

    中村(幸)委員長代理 速記をとめて。     〔速記中止〕     〔中村(幸)委員長代理退席委員長着席
  27. 大西禎夫

    大西委員長 速記を始めて。
  28. 中崎敏

    中崎委員 ただいま自転車振興会連合会に対する処罰規定内容について質問を続けておるわけでありますが、この法案内容によつて振興会責任者に対してどういう責任を新しく負わそうとしておるのでありますか、その内容説明をお伺いしたい。
  29. 徳永久次

    徳永政府委員 内容によりますると、連合会はそれぞれ商工中金に委託しなければならないということになつておるわけであります。従いまして形式的に納入金支出の主体としての責任を持つておりますけれども、実質的には商工中金事務をやるわけであります。しかして条文に出ておりますように、主務大臣の定める計画及び指示従つて万事やらなければならぬということになつておりますので、形式的にも実質的にも振興会連合会主務大臣の定める計画及び指示従つておりますれば免責される、商工中金もそれに従つて善良な管理者としてやつておれば免責されるというふうに考えるべきものではないかと思うわけであります。ただ計画及び指示に従わない、善良な管理者の注意に従つてやらないという悪意で動き得る余地が観念的に考え得るわけでありますから、そういう際のことも考えまして、形式的に通り抜けになつておるような連合会罰則規定を設けておいたわけでございます。
  30. 中崎敏

    中崎委員 元来この振興会は、そうした国家的な事務を委任されている性格を持つたものでもなければ、現在の機構、構成から見て、必ずしもこうした国家的重要事務を委託するだけの資格のあるものとも考えていないのであります。言いかえますと、きわめて不適当だと考えておりますが、これは一応私の意見として申し上げておきます。  次に今度はこの振興会に対して国家的事務を委託し、一つ責任を持たせておりますが、これに対して、政府としては、どういう報酬というか対価というか、どういう措置を講ぜられるお考えであるか。
  31. 福田一

    福田(一)委員 お説の通り、これは国家機関としてつくられておるものではございません。自転車振興会は、自転車振興を目標にしてお互いが集まつてつくつているものでございます。しかしそういうような国家的な目的を持つておらない団体であつたとしても、国家がそれを必要とするような場合におきまして、そういうことがよいか悪いかということをわれわれが議会におきまして議論をいたしまして、それよりほかに方法がない、それが適当な方法である、こういうような結論が出たといたしますならば、それに一つ義務を負わせ、あるいは責任を負わせたといたしましても、これはわれわれが社会生活をいたし、あるいは集団生活をいたしておりまする建前からしましては、そういうことが起つたからこれはいけないことだ、不法なことである、間違つたことだということにはならないと思います。しかしお説のごとく、これが適当かどうかということは、これは十分研究をいたさなければならない問題でございますが、私たちといたしましては、この点についても十分研究もし、いろいろくふうをこらしたのであります。ほかに適当なるこれを収納する機関がございましたならば、これにさせる方がいいのではないかということで、いろいろ考えてみたのでありますけれども、他に適当な方法がございません。またそれならばそういうものをつくつてはでうかというようなことにつきましても、種々検討をいたして参りました。すなわちその例といたしましては、一つの公社のごときものをつくりまして、そこにその金を収納いたしまして、そうしてその公社が通産大臣指示に従いまして、その責任においてこれを運用いたして行く、支出をいたして行くというような方法考えたわけでございますが、しかし御承知のごとくこれは一年間の臨時立法でございます。将来このような形式が適当であるかどうかということについて、早急に結論を得ることは早いじやないかということが一つ、もう一つは、そういう公社をつくるというようなことにいたしますと、経費も若干はかかりますし、またそのようなものをつくつておる途中におきまして、せつかく金が入つて来たのに、すぐ運営ができないということになつては、この法律を立案いたしました趣旨にも反するのではないか、反するといいまするか、十分に所期の目的を達することができないのではないかというようなことも勘案をいたしまして、実はこの自転車振興会に金を一応受入れさせ、そして商工中金をしてその代理としてこれを運営させるのが、まず今の状況下においては一番手取り早くて、しかも法律趣旨を実現するにいい方法てはないか、かように考えましたので、そのように規定を設けた次第でございます。
  32. 中崎敏

    中崎委員 私の質問はもう一つあるんですが、例の振興会に対していろいろやつかいな仕事を委託させておるのだが、これに対して報酬といいますか、待遇といいますか、それはどういうふうに考えておりますか。
  33. 福田一

    福田(一)委員 連合会に対しましてそういうような義務を負わせ、責任を負わせるということであれば、何らかの報酬を考えておるのかという御質問でございますが、私たちといたしましては、義務は若干負わせることにはなりますけれども、しかし連合会自体は一応通り抜けて行くのでありまして、その間において通産大臣指示に反するようなことをしたり、あるいは罰則規定に反するようなことをしない限りにおいては、そういうようなことはほとんど考えられない、またこの事務自体が非常に簡単なことでございますので、あえてこれに報酬を与えるまでのことは考慮しないでもいいのじやないか、こういうふうに考えましたので、この連合会には報酬を与えるということは考えておりません。但し商工中金につきましては、事務費は見てやらなければなるまい、このように考えております。
  34. 中崎敏

    中崎委員 実質的にどうであろうと、通産大臣の方で決定した方針従つて、金の収支もやる事務といいますか、さらに自分のところではどういうふうに命令を受けて、どういうふうにに振興されておるかということを少くとも責任をもつて見守るだけの責任があると思う。そればかりではなく、いずれにしたところで、そういう大きな法律的な立場から責任を負わされているのは事実なんてす。だからもしこれに対して何らの報酬も考えていないというなら、義務だけ負わせて、振興会の方では迷惑だ、こんなことはやつてもらいたくないというふうな気持を持つのは当然だと思う。それでも押しつけて、お前としてやれというふうなことを、法律においてもこれを規定するだけの立場が持てるかどうかとさえ私は疑問を持つのであります。その点についてもう一度釈明願いたい。
  35. 福田一

    福田(一)委員 この法案を立案するにあたりましては、一応関係の方たちの御意見も伺つたわけでありますが、ただいま私が了承いたしておりまする範囲内におきましては、自転車振興連合会の方では、報酬その他の点についての御希望なりあるいは御要求なりというようなものはなかつたよう考えておるのであります。しかしこれらの点については、私があえてここで答弁をいたしましても、当事者ではございませんので、場合によつて関係者から御意見を聞いていただいた方があるいはいいのではないか。従つてさし出がましいことではありますが、一応聴聞会のようなものもやつてみてさしつかえないのじやないか、かように考えておるわけでございます。
  36. 中崎敏

    中崎委員 次に資料の要求ですが、今日まで自転車振興のためにはこうした国家の金が相当使われておるわけです。その中で融資に関する予算が年々相当とられておりますが、これが実際においてどういうふうに運用されておるか。どの金融機関を通して、そうしてどういうふうに貸し付けられ、それがどういうふうに効果を来しておるかということを資料をもつてひとつ御提出願いたいと思う。これはきよう上がるわけではないだろうから、この次にまた引続いて質問するとして、資料として一応提出を願つておきます。  もう一つ、約六億円程度予算をもつてこの二十九年度にこうした措置をとられるように予定されておると思うのでありますが、その内容について、今見たところ数字が私の手元に届いてないのだが、それをひとつ示してもらいたい。
  37. 福田一

    福田(一)委員 前段の資料は、多分委員のお手元に届いておるかと思います。自転車振興費の概要というものがございますが、その中にございますので、一応お目を通していただきたいと存じます。なお大体六億円の収入を予定し、それをどういうふうに使うかというようなことにつきましては、政府委員から答弁させたいと思います。
  38. 徳永久次

    徳永政府委員 収入の概算といたしまして、競輪関係から六億二千二百万円程度、オート・レース関係から千八百万円、モーターボート関係から一億七百万円、雑収入といたしまして五百万円、合計七億五千二百万円程度の収入を一応予想いたしておるわけであります。その支出といたしまして、これは今後、先ほど来問題になつておりました審議会に御相談申し上げて、そこて御批判を仰ぐわけでございますが、私どもが概略こんな見当と考えておりますところを申し上げますると、自転車産業に三億円を予定し、そのうち半分程度が従来の輸出振興関係と見まして、残りの半分一億五千万円程度が従来の融資に相当する分というふうに考えておるわけであります。その次に自動車産業につきまして二千五百万円程度、これはオート・レースの上りはオート・レースに関係の深いところにというような気分で、数字を見積つて見ておるわけであります。それからその次に第三の項目といたしまして、中小機械工業の設備近代化関係に二億六千万円程度を充てたらいかがかと考えておるわけであります。その次に造船関連工業の貸付金といたしまして一億。これは先ほど収入の方で申し上げましたモーター・ボート競走の関係で一億七百万程度収入がございまして、それをモーター・ボートと縁の深いと申しますか、造船関連工業の方にまわすというような意味で、一億という数字が出て来たわけであります。それから次の項目といたしまして、技術研究の向上ということで、研究機関等に出しますものとして一応五千万程度考えておるわけであります。  以上が実態的な問題でございますが、あと事務取扱費とか予備費などといたしまして、千七百万円程度考えまして、合計七億五千二百万というものを、審議会に御相談願つて最終的にきめるのでありますけれども、今のところ、これが目見当として考えておるアイテムであります。
  39. 中崎敏

    中崎委員 この際通産大臣にちよつとお聞きしておきたいのですが、今回こうした臨時の法案提案されました趣旨は、何かのずれがあつたのじやないかと思うのです。一箇年間の暫定的な法案として出されなければならなかつたことは、何か一兆円予算のわく内における予算措置をするというようなことも考えられ、また一面において地方財政とのからみ合い等についてのそうした問題から、やむを得ずこうした措置をとらなければならなくなつたと思うのであります。これはもう済んだこと、だから一応やむを得ないとして、来年度においては、やはりこうした割切れないような形において法案がまた処理されなければならないようなはめになるのかどうか。来年度における一つ方針、見通しについてお示しを願いたいと思います。
  40. 愛知揆一

    ○愛知国務大臣 ただいまのお尋ねでございますが、これはいろいろの見方なりあるいは御議論があると思います。しかし政府といたしましては、自転車関係の従来の制度を改善した方がよろしいということで、予算あるいは地方財政の関係等についても、予算案作成のときに先般御審議を願い、成立いたしました予算案として提出をいたしまして、これが成立をしたわけでございます。しかし同時に、それに関連いたしまして、ただいまも発議者からるる御説明がございましたような趣旨において、臨時に一年間の立法といたしましてこういう法律案ができることになりましたのは、政府側といたしましてもまことにけつこうなことでありまして、政府が直接競輪関係その他からの車券の売上金の一部を直接国庫の歳入面に予算として取上げるということよりは、かようなかつこうになりました方が、むしろその目的達成上有効適切ではなかろうかと私は考えるわけでございます。  それから一年間の臨時立法についてでございますが、私どもは今日の状態におきまして、発議者からこういうふうな臨時的な立法にせられましたことはけつこうなことだと思うのであります。明年度におきましては、今後一年間の景況等を見ましてから、政府としてのこれに対する考え方をそのときに別途慎重に検討させていただきたいと考えます。
  41. 中崎敏

    中崎委員 腰だめ的に試みてみるのだということではどうも納得が行かないと思うのです。言いかえますと、今年は多少の手違いもあつてこういうふうに措置せざるを得なくなつた。これは地方財政に行くというようなことにはつきりなつておるのか、あるいはただ宙ぶらりんにこれだけの金が浮いておるのか、われわれにはよくわからないのですが、いずれにしても自転車振興のためにある程度の金は使う、さらにもう少し広げて、中小機械工業全般の進展のためにこの金を使うのだ、こういう考え方にはわれわれも賛成なのです。ただその措置として、一定の政府予算の中に含まれて、そうしてこの金が有効適切に——目的としてはそのものに使われていいのです。ただ金の取上げ方、出し方が自転車振興会というような、いわゆる私生児みたいなものに大きな役割を果させなければならぬような不自然な姿でなしに、ほんとうに堂々と公社なら公社をつくり、あるいは政府が自分の手で取上げるなら取上げて、その金を日本銀行なら日本銀行を通じて正規に堂々とやるのが私は正しい姿だと思うのです。これが腰だめ的に、この機構がいいか悪いかやつてみるというのでなしに、やむを得ない事情によつてこういう措置をするのだ——来年からは根本的に考え方をかえて、あるいはもつと簡単にして行くのか、あるいはまたそうでなしに、公社なら公社をつくつて、そうして相当長い期間それによつて運用するというように、腰をすえて行くのか、そこらの考え方をひとつお聞きしておきたいと思うのです。
  42. 愛知揆一

    ○愛知国務大臣 これは補助金等整理に関する法律におきましても、いろいろの経緯から御承知のように一年間の臨時立法になつておりますので、それとの歩調も合せたと承知をいたしております。  それからもつと堂々とやつたらどうかというお話でございましたが、これは先ほど来御指摘のようないろいろな事情がございましたので、率直に申しますと、ほんとうに臨時の一年間の措置ということになつております。従つてこの際としては、先ほど申しましたように政府側としてもやむを得ない、むしろけつこうなやり方だと思いますが、ただいま御指摘のような点につきましては、この立法に政府側としても刺戟を受けまして、今後一年間の間におきまして、あるいは公社ということもとくと研究をいたしてみたいと思つております。そうして補助金等整理の法律の方の一年間の期限が切れた場合にどうするかということもにらみ合せまして、措置をいたしたいと考えております。
  43. 中崎敏

    中崎委員 いろいろな資料などを出しておられるのですが、ことに過去の融資に対する明細がどの程度の分野になつておるのか、言いかえれば、一口の金額はどの程度のものがどういうようになつておるか、あるいはその金がどういうふうに使われておるのか、その明細がありますか。たとえば大口なら大口については、どういう先に貸してあるのか。自転車の製造メーカーであるのか、あるいは中間のデイーラーであるのか、そうしたもの等についても、何らか詳細な資料がほしいと思いますが、出ておりますか。
  44. 福田一

    福田(一)委員 承知いたしました。
  45. 中崎敏

    中崎委員 それでは資料をいただいた上でさらに質疑をすることを保留して、私はきようはこれで終ります。
  46. 大西禎夫

  47. 柳原三郎

    柳原委員 大臣は参議院の関係で急いでおられるようでありますので、ごく簡単に質問をいたします。昭和二十八年度におきまして、中小企業金融公庫へ、当然自転車産業振興のために使われなければならない四億円というものが公庫の出資金の百三十億の中に吸収されてしまつたのであります。詳しい事情は、あなたがまだ大臣でなかつたとき、岡野さんのときのできごとでありますので、よく御存じでないかもしれませんが、百三十億の公庫資金の中に、四億の振興費として別途支出されなければならないものが入つてしまつたのであります。そのとき相当問題にしたのでありますが、結局のところは、百三十億の公庫資金の中で、四億というものは自転車産業融資のひもつきであるということにして了承したわけであります。そして、二十八年度に四億の金がそれぞれの方面へ融資されて行つた従つて二十九年度以降におきましてこれの回収金ができて来るわけであります。その回収金というものは、自転車競技法自転車産業振興のためにという、そういう立法の趣旨からかんがみても、また去年公庫の方でもつて四億含んでしまつたときのいきさつから考えても、将来これは当然自転車産業に環元されて行くべきものであると思いますが、それについて大臣はどのように考えておられれるかということを承つておきたいのであります。
  48. 愛知揆一

    ○愛知国務大臣 昭和二十八年度の中小企業金融公庫に対する出資の場合に、御指摘のように自転車産業振興費四億円が吸収された。この経緯は、私も当時大蔵省におりましてよく承知いたしております。そこで本年の三月三十一日現在におきまして実際の状況はどうなつているかということを調べてみたのでありますが、設備資金におきまして二億七千百五十万円、運転資金一億二千九百五十万円、件数におきましてはそれぞれ百六件、五十五件、合計百六十一件という貸出しになつております。これから、御指摘の通り回収金が起るわけでございますが、この回収金につきましては、四億円の吸収されたときの経緯からいたしまして、私も当然御指摘の通り考えるべきものと考えます。ただいまその御趣旨に沿うて処理いたすように、中小企業庁その他関係事務当局間におきまして具体的な打合せを進行中でございます。
  49. 大西禎夫

    大西委員長 本日はこの程度にして散会いたします。  次会は明後三十日午後一時より開会し、硫安関係法案及び航空関係法案その他について審議いたす予定であります。     午後零時二十四分散会