○岩武
政府委員 先日の
委員会におきまして齋木
委員から御質問がありましたアルコール
関係の未納金の処理の問題並びに最近におきます米材の輸入割当の問題につきまして、当日はなはだ残念でございましたが、手元に資料がございませんで、即座に御答弁申し上げて御疑念を解く機会を得ませんでしたので、はなはだ残念に思
つておりましたが、幸に本日機会を得ましたので、委細御答弁いたしまして御了解を得たいと思
つております。
まず最初の米材の方でございますが、これは御案内のように、当初輸入
関係は自動
承認制に
なつておりまして、だれでも申請すれば輸入の
承認が得られて、輸入手配ができるという建前に
なつておりましたが、この年が始まりましてからずつと輸入の申請が殺到いたしまして、輸入が相当ありましたので、二月四日に自動
承認制を停止しております。当時大体六百七十六万ドル
程度、石数にしまして約六十七万石
程度かと思いますが入
つております。その後
承認制を停止しておりましたが、いろいろ輸入の要望もございますので、かたがた
国内の木材の需給
関係が昨年の風水害等の
関係もございまして、相当高騰して参りましたので、需給緩和の一策にもと存じまして、三月の中旬は月割当制によりまして、一部の輸入を
行つたわけでございます。これが御指摘に相なりました問題のケースでございます。この輸入の総額は百七十万ドル、石数にして約十七万石見当かと存じております。この方式は自動
承認制の際においては、
外貨の申請が非常にあ
つて困りますので、
資金割当制によ
つてやることにいたしました。ところが通常の
資金割当は、御
承知のように最終の需要家に割当をしておりますが、最終の木材を消費する需要家ということが重要な条件ということに
なつておりますけれ
ども、この場合非常に需要家の範囲が多岐多端でございますので、そういうことをいたしますと、かえ
つて不公平に相なりますので、一応輸入業者に割当をいたしたのでございます。その基準は昨年の一月から十二月までに、当時の
承認制のもとで行
つておりました輸入の実績によりまして、按分したわけでございます。その結果大体三十社に割当がきまつたわけでございます。この割当の方式につきましては、林野庁の係官とも相談いたしまして決定したものでございます。先日の御質問におきまして木材の輸入実績のないものに割当てられたのではないかという御質問でございましたが、これは先日も申し上げましたが、米材の輸入は戦後一時とだえておつた。戦争中もそうでございますが、その間にいろいろ商社の栄枯盛衰等もございまして、しかもかわつた形に
なつて参
つておりますのと、戦後価格の
関係で米材が割高になりまして、なかなか
国内に輸入して需要に供するというようなことがむずかしか
つたのでございまして、それがこの両三年来運賃の低下を主因といたしまして、片一方
国内におきまする木材価格の高騰等ともからみまして、特殊の大きな用材あるいは一般用材等も、ある
程度輸入して引合う段階に相なりましたので、だんだん自動
承認制の施行に伴いまして、輸入商社が扱
つて来たという段階でございます。従いまして、戦前から扱
つていた商社が、あるいはその間におきまして、企業の合併、整理あるいは栄枯盛衰等の
関係もありまして、戦後扱
つていなか
つたのもあるかと存じます。また両三年来の自動
承認制の実施の結果、ある
程度扱
つて参りましたものが実績を持ちまして、今回の割当の中に入
つておるということには
なつておると思います。いずれにしても商品の入着の状況がそういうふうな経過をたど
つておりますので、あるいは木材問屋といつた形のもので、この輸入を申請しなかつたものも相当あるかと存じております。やはりそういうふうな
事情で、あるいは見なれない商社が入
つておるということもあるかと存じております。
それから次にアルコールの問題でございますが、これは当
委員会の皆さん方、御
承知のような状況でございまして、一昨年六月にアルコール工業並びに生産業の両者の経理を強制監査いたしましたところが、相当額の不良債権が発見されたのであります。この実態等はすでに御
承知と存じますので詳細は省略いたしますが、その後のこの措置につきまして最近のこともございますので御報告し、御了承を得たいと思います。
この両社にわたりまして不良債権あるいは一部におきましては業務上正当な範囲に属しない金の動きもあつた結果、国庫に対します納付金が延滞して参つたわけでございますが、それを強制
検査の結果発見いたしまして、まず第一になすべきことは、そういうふうな経理状況を公認していた
会社幹部に対する責任の追究の問題でございまして、これはすでに一部は刑事事件にも
なつております。
通産省としましては人事刷新をはかりますために、御質問に御指摘がありましたが、
通産省出身の人に首脳者をお願いいたしまして、アルコール工業の方の久保喜六氏並びに酒精産業の立花俊一氏にそれぞれ社長に就任していただきまして重役陣等を一新いたしまして、再建に邁進していただくことに相
なつたわけでございます。その際に、法規上特殊な監督の立場に立
つておるわけではございませんが、
会社首脳部と契約いたしまして、
会社の経理あるいは帳簿等に対します監査あるいは
予算実施状況の随時監督等のことを申し入れ、その了承を得ておるわけでございます。この内容の債権につきましては、まず経費の節減ということで、これは両社とも人件費あるいは一般経費等につきましてそれぞれ二割ないし三割の節減をはかり、かつ
会社の支出につきまして厳重な
予算統制を実施させまして、あらかじめ立てました
予算に基いて経費の支出を行
つて、その結果を役所に報告させるという建前をと
つております。この
予算統制の実施の結果も大体今申しましたような
程度に人件費並びに一般経費の節約をはか
つておるようであります。
それから最後に、問題は不良債権の保全と、もう
一つは国庫に対します延滞金の納入の問題であります。初めの方の不良債券の回収につきましては、いろいろな不良債券があるわけでございまして、
先ほど申し上げましたように、中には必ずしも正当な業務の範囲内に属しない
資金の動きもあつたようでございますが、それらにつきましては、それぞれ相手方の実情を調べてみますと、いろいろ支払い能力その他におきまして困難な問題もございますが、これに
担保をつけさす、あるいは訴訟を起して回収をはかるという措置を講じたいと思
つております。現に訴訟事件も一、二起しております。それから国庫に対します延滞金の納入の問題がございますが、これにつきましてはいろいろ
関係方面、ことに会計監査に当ります官庁の方とも連絡いたしました結果、まず債務額を確定いたして、それからそれに対する延滞利息算を含めて何年の
計画で、どういうふうに納入さすか、それに対する確保の
方法はどうするかという問題がありまして、この
方法としましては、まず国におきまして債務名義をもちまして執行力を持たせることが債権確保の上から必要と存じまして、裁判上の和解というふうなことにいたしまして、先月の二十五日に両社とも国との間に裁判上の和解契約が成立したわけでございます。その内容は、アルコール工業の方は実は債務額の二億四千五百万円のうち、この三月十五日に第一回支払いを千八百五十万円余いたしましたので、残金の二億二千六百九十万日余につきまして、これを昭和三十年以降三十六年まで七箇
年間に、三千六百万円ずつ分割納付せしめる。同時にこの和解契約成立前の延滞利息千九百万円並びに和解成立後の利息四千百万円について、もう一年ほど延ばしまして、三十七年の三月二十五日までに分割納付せしめるというふうな契約が成立いたしたわけであります。また酒精産業の方は債務額が比較的少額でございまして、五千七百五十万円でございましたが、これも第一回の納付を七百五十万円ほど三月十五日にいたしましたので、残金の四千九百九十九万円につきまして昭和三十年から三十二年までの三箇
年間に分割納付させる。なお和解成立前の延滞利息並びに和解後の利息につきまして、同じく三十二年の三月二十五日までに全額完済せしめるというふうな和解契約を成立させまして、これを債務名義として国において執行力を持
つて納付せしめるというふうな予定に
なつております。御報告が遅れましたが、そういう内容におきまして、国の債権の保全並びに両
会社の貸出先のといいますか、両
会社が債権者たる相手方の債権債務の
関係の保全に努めておるような次第であります。大体最近の傾向は、
先ほど申し上げましたように第一回納付金もそれぞれいたしましたように、
予算の監査を厳重にいたしまして、この国庫の不当な損失をできるだけ短期に補償いたしますように努力いたしておる次第でございます。以上遅ればせながら御報告申し上げます。