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加藤(鐐造)
委員 大体予定の時間か来たようでありますし、
外貨並びに
貿易上の問題が、取上げられて質問されておるようでございますから、私はきようは、個々の問題を取上げて質問いたすことは後日に譲りたいと思います。ただ先ほど来永井、中崎両
委員から、
日本の
貿易政策の根本問題についていろいろ質問がございました。これに対する
通産大臣の御
答弁は、私のお聞きしたところでは、従来と何ら前進しておらないように思うのでございます。ただ
大臣が非常に苦慮しておられることは御
答弁の節々にうかがえますが、現在の
金融財政上の
措置だけで、
貿易上の非常な逆調を転換させることはできない段階に来ておるという点は、
大臣も認められておるように伺いました。私は多少議論になると思いますが、これは結局私の希望
意見としてお聞き願う以外に、現段階においては
方法はないかと思うのでございます。私
どもは従来吉田内閣の産業
政策を見て参りまして、その一番
中心であります
通産省における産業
政策というものが、まつたくおざなりであつたという点に今日の行詰まりがあると思います。今多少とも
日本の産業経済に通じておられる
大臣が
通産大臣として来ておられて、私はこの
大臣に期待するところが大きい。これはおせじでも何でもない。この大きな問題は、単にいわゆる属僚政治では今日の苦境を切り扱けては行けないということを感じますがゆえに、私はあなたがこの際——自由党の
政策もあることでございましようけれも、やはりこの苦境を転換するために、あなたが先ほど来いろいろの憂ついて
考えるところがあるとおつしやいましたその
考えをひ
とつできてるだけ早く出してや
つていただきたいという点に大きな期待をかけておるのでございます。先般来の御
答弁では、結局期待はずれに終るのではないかということを
考えざるを得ないのでございます。たとえば
外貨の
予算を二十億に圧縮しなければならないということも先般私が指摘したところでございます。
日本の産業規模と消費水準を維持して行こうとするならば、今の自由経済のもとにおいては
外貨予算は二十三億ドルを要するのではないかと
考えるのでございますが、これが二十一億四千万ドルという数字で一応打出されておる。それをさらにわずかな期間に二十億ドルに圧縮しなければならぬということになりますと、一体この一億四千万ドルというものはどこで圧縮するかという問題になります。この重要な産業の原料の点において圧縮するのか、あるいは生活消費物資の点において圧縮するのかという問題でございます。原料の点において圧縮しますれば、
日本の産業規模は今のような行き方では著しく縮小せざるを得ないものになります。また消費物資の点において圧縮すれば、生活水準を切下げなければならないということになるわけでございます。私
どもは今の吉田内閣の
経済政策を見ておりますと、消費水準を著しく圧縮して、ある
程度国民の犠牲において国民の苦境を切抜けて立て直そうという
考えがはつきりと現われておると思うのでございます。たとえば端的に先般来問題にな
つておる砂糖の問題を取上げてみますと、ここで
外貨を圧縮いたしますれば、もうそういうことをちよつと漏らしただけで砂糖の
価格は著しく暴騰する。そういう場合に砂糖をあたかもぜいたく品のように
考えて、この際国民は砂糖をそんなにぜいたくに食わなくてもいいじやないか、こういうようなことを言う人が出て来るのでございます。この砂糖の
輸入が圧縮された場合にどこに一番そのしわが寄るかと申しますれば、やはり直接大衆の消費の面に寄
つて参ります。こういうようなことを
考えますと、先般来あなたが言
つておられるところの
金融の面だけで一体操作ができるのかどうか。先ほど来他の諸君もこの点を質問しておられましたけれ
ども、なお足りないところは行政
措置によ
つて何とかや
つて行く、こういうことで逃げておられます。この行政
措置というものが一体どこまでやられるのか、またこれをこの困難な中にやろうといたしますならば、規正を法的処置において行つたよりもかえ
つて大きな弊害が出て参ると思う。この点は先ほど中崎君も質問しておられました。また
石油の問題をとらえて
考えてみます。
石油の
輸入を減らさなければならないということになりますと、先般行政
措置によ
つてその足りなく
なつたものを何とか必要なところに流すようにするとおつしやいました。しかし私はそれは今言つたような理由でできないと
考える。たとえば一番しわ寄せされるのは、私は農業用の
石油ではないかと
考えます。そういうことを
考えますると、この際
大臣にひ
とつお
考え願いたいことは、今までの
政策から大きな前進あるいは大転換をしてもらわなければ、
日本の経済はいたずらに国民に犠牲をし、い、そして
生産の面においても大
企業が
中心とな
つて小
企業がその犠牲にならなければならないということになると思うのでございますが、この点先ほど永井
委員の質問に対してでありましたか、従来のいわゆる規正方式でなく
日本的なものをひ
とつ考えようという御
答弁でございました。一体
日本的なものとは何か。私は結局こうした状態においてとり得る
方法は、
生産の面において、あるいは消費の面において、必要なる規正をする以外にないと思いますが、その規正をする場合に、
日本の実情に応じてやるということは当然でございます。ドイツのものをそのまま借りて来る、イギリスのものをそのまま借りて来るということでなくして、
日本の実情に応じていわゆる
日本的なやり方をする。これはあなたがおつしやるまでもなく当然だ。従来あまりにも
外国の借り物をそのまま使
つて来たためにいろいろな弊害が起り、また国民がそれに懲りておるということで、今日あつものに懲りてなますを吹くというような状態にな
つておりますが、私はつづまるところはやはりある
程度の規正をする以外にはないと
考えております。そこで
大臣はそういう点を全然
考えられないのか、あるいはある段階に来ればそれを
考えなければいけないと
考えておられるのか、その一点だけを私はお伺いしておきたいと思うのでございます。