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川上委員 それはおかしい答弁だと思うのであります。
通産大臣は、吉田内閣は今国民の信望と支持を得ておる。しかもこの大多数は労働者、農民、市民でありますから、これは言うまでもない。見解の相違だというようなことは言えぬと思う。現にきのうの東京新聞に、前閣僚を含む議員十名、これが造船疑獄の捜査の面に浮んでおる。その中には前閣僚も含まれており云々と書いてある。これはもう慢性にな
つておるから何ともないのかもしれませんけれ
ども、堂々と新聞がこう書いておるのです。きのうの毎日新聞には、閣僚には時間の余裕を与えておるけれ
ども、この事件を切開すれば内閣の命取りにもなると言われておるが、政界の大物か疑獄線上にクローズ・アツプされる日は迫
つている、こう書いてあるのです。政治に対する道義がまるで麻痺しておる人間にと
つては大新聞がこのようなことを書いても平気か知りませんけれ
ども、国民にと
つては、これは簡単なことではないと思うのです。石井運輸
大臣は現に逮捕せられておるところの飯野海運の社長と中川の宴会に出席したことがあるということを去る二十四日に国会に言うておられる。(「わか
つておることじやないか」と呼ぶ者あり)これが国民の信望を得る基礎になるのかどうか。また犬養法務
大臣は、山下の横田社長が逮捕せられる三日前に赤坂の料理屋で会うておるということを自分で言
つておるのです。しかも犬養さんと山下の社長とは懇意な間柄であると聞いておる。あさ
つて送られるというような、大疑獄事件が出ておるときに待合の席で会うて、正月でおめでとうございますと
言つたというようなことを一体国民が
信用するのかどうか。しやしませんと私は思う。佐竹メモは
大臣とおぼしき名前が出ておるが、これはなかなか正確にどんどん伝えておるじやありませんか。森脇メモについては
自由党の田中
委員長が内閣の命取りとなると言うたばかりではない。緒方副総理が、森脇メモは内閣の命取りになるかもしれぬばかりでなしに、与党の不
利益になるから発表を差控えるようにと
言つたということが新聞に伝えられておるのです。これは国民がみな知
つておるのです。わか
つておることじやないかと
自由党が言われるくらい知れておる。全部知
つておるのです。通商行政の根本に関しまして、今日汚職の根本にな
つておる造船会社の顧問に大蔵
大臣、大野国務
大臣、山県前
大臣がな
つておるということを知
つておる。私は逮捕状の問題ではないと思うのです。だから東京新聞にもこう書いてある。道義地に落ちた、閣僚に汚点がつこうがつくまいが、吉田内閣は辞職はしまいという人さえあると書いてある。国民は現内閣をもはや
一つも
信用しておらぬと思います。これが国民の常識だと思うのです。
通産大臣は、どこまでも国民は
信用していると言張りますか。これははつきりと言うておいてもらいたいと思う。今後の重大な問題でありますから、国務
大臣としての
通産大臣、
日本の
貿易産業の全責任者である
通産大臣は、国民がこのような状態に対して吉田内閣を支持しているのであるとはつきり言えるのなら、ここで言うておいてもらいたい。