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1954-06-04 第19回国会 衆議院 地方行政委員会 第73号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年六月四日(金曜日)     午後三時四十九分開議  出席委員    委員長 中井 一夫君    理事 加藤 精三君 理事 佐藤 親弘君    理事 灘尾 弘吉君 理事 吉田 重延君    理事 鈴木 幹雄君       生田 宏一君    尾関 義一君       熊谷 憲一君    高木 松吉君       田渕 光一君    保岡 武久君       床次 徳二君    松永  東君  出席政府委員         検     事         (刑事局長)  井本 台吉君  委員外出席者         総理府事務官         (自治省財政部         財政課長)   柴田  護君         専  門  員 長橋 茂男君     ————————————— 六月二日  委員石村英雄辞任につき、その補欠として辻  原弘市君が議長指名委員に選任された。 同月三日  委員辻原弘市君辞任につき、その補欠として石  村英雄君が議長指名委員に選任された。 同月四日  委員山中貞則君、山本友一君及び前尾繁三郎君  辞任につき、その補欠として田渕光一君、高木  松吉君及び尾関義一君が議長指名委員に選  任された。 同日  委員尾関義一君、高木松吉君及び田渕光一君辞  任につき、その補欠として前尾繁三郎君、山本  友一君及び山中貞則君が議長指名委員に選  任された。 六月三日  地方自治法の一部を改正する法律案門司亮君  外七名提出、第十六回国会衆法第七七号)  地方財政再建整備法案床次徳二君外五名提出、  第十六回国会衆法第八七号)  地方自治及び地方財政に関する件  警察及び消防に関する件 の閉会中審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  地方財政再建整備法案床次徳二君外三名提出、  第十六回国会衆法第八七号)  質屋営業法改正に関する件     —————————————
  2. 中井一夫

    中井委員長 これより会議を開きます。  まず質屋営業法の一部を改正する法律案につきまして調査を進めることにいたしたいと思います。これが御質疑につきましては通告がありますから、それを許可いたします。佐藤親弘君。
  3. 佐藤親弘

    佐藤(親)委員 質屋営業法の一部を改正する法律案について簡単に、二、三でありますが、質問申し上げます。  昨晩のような議会否認状態が継続されて、従つて法案参議院に送りましたところがすべて停滞して、今日議会というものができた趣旨を没却するような事態を現出しているのであります。さような状態のときに質屋営業法の一部改正参議院に送つてあります。この改正については特に質屋というものは御承知のように普通の金貸業に対する特例であります。長い間月利によつてつてつた。これは五百年も前からとつてつたというような状況であつて、これを日の計算によつてとることにすると、非常に罰則適用を受けて困つてしまう。それはすなわち盗品を扱うことによつて物を取返されて元がなくなつてしまう。また品触れと称して、物を点検されて、これもまた盗品の一部だというので、後になつて取返されるというような状態があるのであります。ついては大蔵委員会の方では質屋営業法に対する一部改正について、本会議でやはりこの法案は通つております。けれどもしかし地方行政の方におけるこの種の一部改正について参議院に送つております法律部分が通らないままに過ぎるのではないかと思うのであります。かようなことがあつたときそれこそ質屋当身が困るばかりでなく、質に入れる人が困る。困る者の多くできるほど世の中が悪くなる。そういう意味においてこのような状態ができた場合における質屋営業法の一部を改正する法律案は、今後次の臨時議会でかりに法律が通るような状態になる時期までの間、政府はどのような処置をもつて臨んでくださるかという点についてお尋ねいたします。
  4. 井本台吉

    井本政府委員 質屋営業法改正法律を私ども成立を期待しておるのでございますが、何らかの事情によりまして、もしこれが成立しないというようなことになりますると、全体の関係から質屋関係者には非常にお気の毒な事情になると考えるのでございます。私どもといたしましてはこの出資受入預り金及び金利等取締に関する法律案附則におきまして施行期日政令で定めるということになつております。その政令で定める期間が六箇月以内ということになつておりますので、これを最大限度に活用いたしますと十二月ころまで延びるわけでございます。従つてその間に臨時国会でもあればそのとき片づきますし、通常国会まで行きましても何とかこの政令施行と同じ限度において定めて行きたいというように考えている次第でございます。
  5. 佐藤親弘

    佐藤(親)委員 念のため伺つておきますが、そういうお答えがありますと、結論は、次の臨時国会または通常国会の間までは、この附則適用については、これらを適用する前に、従来の規則を適用して処理して行くという趣旨に承つてよろしいということになりますかどうか。すなわち臨時国会でこの法律が通らないでこのまま経過する、そうしますと施行期日が六箇月になつておるというお答えであつたから、もしこの六箇月という期間の間に行えばよいのだということになれば、質屋は従来の方法で取扱つて行くより方法がない。こういうふうに承つてよろしいのですか。
  6. 井本台吉

    井本政府委員 この出資受入預り金及び金利等取締に関する法律金利に関する部分が当然施行になつていないわけでありますから、お尋ね通り、従来通りでさしつかえないと私どもは考えております。
  7. 加藤精三

    加藤(精)委員 この附則第一の六箇月以内に政令が出ない場合、この質屋営業法の公布がない場合、議決されなかつた場合、従来の質屋法案のは第五条の違反になりますか。
  8. 井本台吉

    井本政府委員 質屋営業取締法の特別の法律が制定されなければ、金利取締り規定は全般的に適用になりまして、質屋は例外になつておりません
  9. 中井一夫

    中井委員長 今の問題に関連いたしまして、もし質屋にも同じく一般金融業者に対する取締り規定適用されるということになると、先ほども局長お話通り、いかにも質屋営業者に対して苛酷な結果になります。質屋営業法改正しようという政府なり、またこれを承認して参議院へ送つた衆議院意思にももとることになるのであります。従つて臨時議会もしくは次の通常国会質屋に対する特例法が確定成立するまで、この取締りにつき政府としては相当の手心を加えられてしかるべきではないかと思うのであります。その趣旨は先ほどの局長お話においてもうかがわれるのでありますが、その点につき政府意思が、取締りの実際に当る末端にまで届かないことは残念でありますから、その点につきこの際政府の親心のあるところを明らかにしておかれることが必要かと思います。御意見をお伺いいたします。
  10. 井本台吉

    井本政府委員 私ども法律を執行する立場におりますので、法案が通らなければこれはどうもこのまま適用するわけに参りません従つてどうも公式にお尋ねがありますれば、これは金利制限に違反しておるものを、このまま見のがすというわけには参らないのであります。従いまして御趣旨の点はよく考えまして、できるだけ早くこの質屋の方の法律が通るように、それから一般的な金利制限法律はおそく施行するようにいたしまして、何とかこの間の食い違いであるとか、あるいは不公平な取扱い等について、さような非難を受けないように十分努力したい、かように考える次第であります。
  11. 加藤精三

    加藤(精)委員 関連して。出資受入預り金及び金利等取締に関する法律案の問題と関連して、質屋営業法の一部を改正する法律案の生れるまでのいきさつについて、いろいろ考えさせられることがありますので、これは主として立法のイニシアチーヴをとるのが、どうも各省というようなことは考えられないことであるけれども政府提案でもございますし、法務省が主になつて主張されたものか、それとも大蔵省が主になつて主張されたものかということが第一点。それから第二点は、両方ともやみ金融取締りが、こういうような方法でなければできないということをお考えになつて政府の立案かどうか、その二つの点をちよつと後日の参考のために聞いておきたいと思います。
  12. 井本台吉

    井本政府委員 この法律提案者大蔵省法務省となつております通り提案の経過におきましては何回も会合いたしまして、結局かような法律がよろしいという結論に達しましたので、どちらが主になつて主張したかということも、私今はつきり記憶しておらないのです。要するに金利が従来非常に高過ぎる、そこである程度の限度をつくると、その限度一ぱいまで金利が上つてしまうというようなことで、全般的に低金利政策をどうしても遂行して行かなければならない立場にあるということで、かような結論に達したと私は考えております。これは私どもとにかく従来物価統制令等におきましても、ある程度高金利は処分して来たのでございますが、これは罰則をきめますと、高い罰則限度にまでどんどん金利が上つてしまうということで、さようなことを非常に心配したのであります。
  13. 中井一夫

    中井委員長 次には地方財政再建整備法案を議題とし、質疑を行いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 中井一夫

    中井委員長 御異議なしと認め、さように決定いたします。加藤精三君。
  15. 加藤精三

    加藤(精)委員 地方財政再建整備法案に関する大蔵省意見の概要の4にあります具体的整備計画樹立でありますが、これの監督権関係自治庁大蔵省でどう考えておられるか、それたけ承りたいと思います。
  16. 柴田護

    柴田説明員 お答えいたします。大蔵省考え方は、再建整備団体に対しましては、やはり国が資金的な援助をするのでありますので、それにつきましては再建整備計画樹立からすべてについて、金を貸しておるという立場において、やはり一々タッチをしたいというのが、大蔵省の気持でございますが、自治庁といたしましては、地方団体全体の再建整備計画については、基本方針について大蔵省と打合わすことはもとより必要と考えておりますが、細部につきましては自治庁におまかせ願いたい。ほかの官庁がことごとに小さな団体の一々についてさような容喙をするということは、現在の地方団体現状から見ましても、かえつて地方団体にとつて迷惑ではないか、かように考えております。
  17. 床次徳二

    床次委員 ただいまの質問に関連してお尋ねしたいのですが、大蔵省は本委員会でもつて審議しておりました整備計画に対して、相当強い反対があるやに伺つたのでありますが、検討した結果、この意見というものがここに提示されたようなものかと思うのです。しかし内容的に調べてみますと、そう根本的に強い反対があつたとは思われない。なお今後折衝いたしましたならば、小委員会修正案というものに相当近寄り得るものと思つておるのであります。何分再建整備は非常に急ぐ仕事でありますので、できるだけすみやかなる時期において、その成立を必要とすると思うのでありますが、この大蔵省案について自治庁で検討されました結果、全面的にどういうふうに思われるか、たとえば3の起債許可につきましては、今意見の発表があつたのでありますが、その他の事項につきましてどの程度のことを考えておるか、伺いたいのであります。
  18. 柴田護

    柴田説明員 地方財政状況から申し上げますと、昭和二十八年度においてどのくらい赤字が出るであろうかということが、一番重要な問題かと思いますが、実は遺憾ながらその点は今調査中でございまして、自治庁では一応三百六十億というように考えておりますが、公募債消化状況等によつては、まだふえて参るかもしれないのであります。いずれにいたしましても、昭和二十九年度地方財政計画におきましては、地方団体に対しましても相当峻厳な財政計画の実行を要請しておりますので、かような状況から申し上げますと、二十九年度中に、できるだけすみやかな機会再建整備に着手せしめるように持つてつていただくことが、時期として一番いいのではないかというように自治庁としては考えておるわけであります。それからこの大蔵省意見に対する見解でございますが、現在の地方財政赤字原因につきまして、実は私たち大蔵省考え方懸隔があるのでございまして、私たちは実は地方財政の現在の赤字内容は、地方団体自体財政運営の不始末と申しますか、そういう観点から生じたものももちろんあると考えるのでございますが、国の財政措置不足あるいは一応の財政措置をいたしましても、国の負担地方団体に転嫁しておる、そのために生じたというようなものもあると考えるのであります。現在赤字を出しております団体のその赤字を分析して参りますならば、たとえば災害復旧工事補助金を出します場合、これが清算払いになります関係上、地方団体立てかえ支弁をしておる。それがその年度におきましては赤字として現われて来ておる。もちろんそれは後年度におきまして解消する問題でありますが、認承のない工事につきましても、その年度において立てかえておりますので、その年度におきまして赤字になつておる、こういうものもあるのでありまして、またその国の補助金の交付が遅れましたために工事を急がなければならない、そのために一時借入れをする、そのために利子を払わなければならないというような状況から生ずるものもあるのであります。そこでさような状況を考えますならば、現在本委員会で審議されております再建整備法案内容赤字団体に対しましては、もとよりその財政運営に対しまして、相当きびしい条件をしいるけれども政府は低利の金を貸すということが、両者責任において生じたところの赤字を、両者が共同して埋めて行くという考え方からいたしまして、非常に妥当ではないかと考えるのであります。そういう点から言いますと、この大蔵省が考えております、「赤字地方債は、政府資金及び民間資金によつて引き受けるものとし、政府資金による場合は通常金利により、民間資金の場合は、政府資金金利との差額の利子補給を行うものとする」ということは、むずかしい問題じやないかというように考えるのであります。それからいま一点は、現在でも金融機関地方財政に対します考え方からいたしまして、民間資金による赤字地方債の引受けということは、およそ考えられないことじやないか、かようなことをかりに想定いたしましても、ちようど現在公募価につきまして、非常に地方団体が苦労いたしておりますのと同じような結果が出て来るのじやないか、そして結局は民間資金というものを再建整備資金としてあてにするということは、間違いであるというように私たちは考えております。  それから再建整備計画の承認と、地方債許可についてでありますが、先ほどちよつとお答え申し上げましたように、国におきましても地方団体財政再建という問題は、重大関心のあることでございますし、もとより大蔵省重大関心をお持ちになることは当然であると考えますが、その再建整備を行つて行きます過程におきましては、やはり基本方針については両者が緊密な打合せをするけれども、その細目までも打合せをするということは、両者両方でタッチして行くということは、地方団体にとつては迷惑だというように考えております。現在地方債発行手続基本方針だけを打合せて、細目自治庁が専管するということになつておりますけれども、技術の点におきましても、その点は非常に問題である。そういう観点からいたしますと、ここのところはよほどはつきりしておいていただかなければ、将来禍根を残すというふうに考えるのであります。大蔵省自体も、再建整備必要性はもとよりでありますが、ただ現在資金が十分でございませんので、その辺一番大きな難色を示しておるのであります。いま一つは、根本的には赤字を生じた原因ということに対しまして、私たち見解大蔵省見解とは違う。その辺のところをもう少し解きほごして行きませんと、円満な解決は見出しがたい。なおまた折衝しておりますけれども、現在においてはさような状態でございます。
  19. 加藤精三

    加藤(精)委員 今の政府責任による赤字の問題に関連いたしまして、補助金が予定より遅れて来た場合とか、あるいは立てかえ工事利子とか、そういう問題は、期限がきわめて少いだろうと思いますけれども、それは事務的に計算ができますかどうかという問題が一つ。それから補助金額なんかの関係をその中に考えておられるかということが一つ。それから第三番目に思い切つた赤字が出る可能性が最近の地方財政で出て来ました。というのは町村合併であります。町村合併で何よりも困るのは庁舎でございますので、相率いて全国で合併町村庁舎をつくろうとしておりますが、これは合併促進法において特にこういう場合には起債を優先的に認めるということになつておるのに、起債の総金額がちつともふえていない、政府がうそをついたことになる、それは政府責任赤字となるのかどうか。その金額がおびただしい赤字金額になると私は思うのでありますが、それは国の原因によるものとして算定されるべき性質のものであるかどうか、それだけお尋ねいたします。
  20. 柴田護

    柴田説明員 御質問の第一点でありますが、地方財政法規定によりますと、補助負担金というのは大体経費の支出が遅れないように交付するということを、たしか十八条でございましたか十九条でございましたかうたつております。現にその方針従つて——必ずしも全般的にうまく行つておりませんが、逐次その方針通りに行われておるようになりつつあります。計算をやろうと思えばできると思いますが、ただ何分たくさんの種類にわたります補助金でございますので、その計算した結果をまとめて幾らになるかといつたようなことは、急には実は困難ではないかというように考えております。  それから補助単価の問題は、やはりこれは現実にできないような単価でもつて、これを補助をするということ自身が、私たち赤字原因をつくつておるように考えております。地方制度調査会の答申におきましても、補助単価の寡少あるいは不足分といつたようなものをもつて赤字原因として指摘しておるのであります。  それから第二点の起債でございますが、お説のように町村合併の進展に伴いまして、庁舎起債の申請は非常に多く出て参つております。ただこれも御指摘のように本年度地方債のわくは少いのでございまして、その間事務当局といたしましては非常に苦慮いたしておるのでありますけれども、その少いうちにおきましても、できるだけ町村合併に関連する地方債につきましては、優先的に取扱います方針のもとに現在査定事務を進めて参つております。それがもしできなかつた場合においては、政府責任による赤字だという御質問でございますが、これは必ずしも一概にはそうは言えないのじやないか。全然認めないということになるならば、これはもとより政府責任でございましようけれども、少くとも努力をしておるのでありまして、それがすべてそのまま政府責任による赤字となつて現われて来るということは、私は言えないのじやないかというように考えます。
  21. 床次徳二

    床次委員 最近大蔵省においては、地方財務局長を集めて、地方財政状況報告せしめておるということが新聞に出おる。いろいろと地方実情報告されておりまするが、地方団体の窮迫の度は昨年に比べて非常にはなはだしくなつておるということにつきましては、各地の各局長ことごとくそういう意見を述べております。しかしその原因の観察につきましては、自治庁の見ておるところとなお相当開きがある。この点に関しましては自治庁としましても十分に事柄の徹底を求めるとか、あるいは同じ問題に対して両者共同研究をしまして、なるべく早くこの赤字対策に対する共通の結論を得ることが、将来の問題の解決になるので、財務局長意見等に関して、自治庁としてすでに聞いておられるところがありまするならば、局長会議話題に対して、自治庁からも意見を聞きたいと思うのであります。  なおもう一点要果しておきたいことは、地方財政の問題は結局節約という問題も考えなければならないということが、話題になつておるのでありまするが、節約の問題に関しましては、ある一定限度以上積極的に進めますには、どうしたつて機構の縮小という問題になるのじやないか。これは同時に自治法の問題にも触れて来るのでありますが、節約緊縮を徹底的に行いますために、自治法改正が望ましかつたのが、遂に今回においては取上げられずにおる。非常に片手落ちであるとも言われるわけであります。この点に関しましても、政府としていかように考えておられるか。この際その準備の有無を伺つておきたいと思います。  なおいずれにいたしましても、この窮乏地方団体に対しましては、あるいは融資の問題と申しますか、地方銀行からの借入金にしましても、そろそろ困つて来るものが出て来るように見るのであります。こういう問題に対して、当局としてはいかように考えておられるか。この機会に伺つておきたい。  なお最後に要望しておきますことは、でき得る限り早い機会におきまして、再建整備が具体化するように、両省の間におきましてもひとつ話を進めてもらいたい。そうして適当な機会にと申しますか、来るべき一番早い機会におきまして、これが立法化し得るだけの措置をひとつつくつておかれたいと思うのであります。いつまでも両省意見懸隔によりまして、この問題が遷延して行くということは、私ははなはだ遺憾に思うのでありまして、この点至急調整に努められるよう、特にこの機会に要望しておきます。
  22. 柴田護

    柴田説明員 大蔵省財務局長会議におかれまする地方財政話題は、各局長がそれぞれ所管しております地域の地方団体財政状況につきまして、発言をいたしておるようでございます。私たち実はその会議の席に連なつたわけでもございませんので、どういう発言がありましたか直接聞いたわけではございませんが、新聞等によつて承知しておりますところでは、なお若干事実と相違しておるところもあるようでございます。現に私たちのところへ参ります地方団体事務当局者は、ああいう発言があつたけれども、あれは間違いであると、はつきり指摘しておるようであります。もとより正確な情報を報告しておられるようであります。現在私たちはなお二十八年度の決算につきまして、各地方団体報告を求めておりまして、近くまとまると思いますが、その報告を検討し、また機会をつかまえまして実情調査いたしまして、赤字現状赤字原因を分析して行くつもりでございます。  なお非常な赤字を出しております団体におきましては、御指摘のように融資に非常に困つておる団体もございます。さような団体につきましては直接自治庁があつせんの労をとりまして、大蔵関係資金当局に、具体的にお互いに話合つて再建計画立てて、そして融資をしていただくようにあつせんをいたしております。将来も個々の団体につきましても、そのようなお世話を申し上げて行く半面、地方団体全体につきましても、昭和二十九年度地方財政につきましては制度改正趣旨を徹底いたしますとともに、節約緊縮財政と申しますか、財政の規模の合理化等につきまして、遺憾のないよう措置をするようにという趣旨の指示をいたし、具体的に指導して参りたい、かように考えております。
  23. 加藤精三

    加藤(精)委員 資料の提供をお願いしたい。それは、今のわが国の地方財政で、財政需要に対して財政収入が具体的に一番少いのが大都市の水道だと思うのでありますが、そういう場合に飲料水に事欠くところや、それから大火が起つても火が消せないという危険状態にさらされておるところを第一位から第十位くらいまで、われわれ地方行政委員行政視察の前に、ちよつと知らせていただきたい。それが一つと、第二はそれと同じように、火急な財政破綻直前になつてつてどうしようもない、立てかえしようにも市中銀行が絶対貸さぬ。協同組合の金ももう借り尽したというような極端にひどい例を、県で五つくらいと、市で五つくらいと、町村で五つくらいを示していただいて、われらの視察の参考にさしていただきたい。それはできるだけ早く、視察に行く人ばかりでなくてもいいですから、全部の委員の宿舎か何かに届けていただきたい、それをお願いいたします。
  24. 中井一夫

    中井委員長 なお今の加藤委員の御発言について、私からもちよつと申し上げておきますが、この国会が終りましたら、本委員会委員諸君は三班にわかれて各地に視察に出られます。ついてはその視察につき、特に注意すべき問題、また自治庁として自治庁以外の手から調べてでももらいたいと思うような点がありましたら、一日も早くその資料を添えて、委員の各位にお出しを願いたいと思います。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後四時二十五分散会