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1954-04-05 第19回国会 衆議院 地方行政委員会 第38号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十九年四月五日(月曜日) 午後二時十二分
開議
出席委員
委員長
中井
一夫君
理事
加藤
精三君
理事
佐藤
親弘君
理事
灘尾
弘吉君
理事
吉田 重延君
理事
鈴木
幹雄君
理事
西村 力弥君
理事
門司 亮君 生田 宏一君 木村 武雄君
三池
信君 床次 徳二君 橋本 清吉君
石村
英雄
君 北山
愛郎
君
大石ヨシエ
君
出席国務大臣
国 務 大 臣
塚田十一郎
君
出席政府委員
法制局次長
林 修三君
自治政務次官
青木 正君
自治庁次長
鈴木
俊一君
総理府事務官
(
自治庁財政部
長) 後藤 博君
委員外
の
出席者
総理府事務官
(
自治庁財政部
財政課長
)
柴田
護君
総理府技官
(
経済審議庁計
画部総合開発
第 二
課長
) 奥田 亨君
大蔵事務官
(
主計官
)
鳩山威一郎
君 専 門 員 有松 昇君 専 門 員 長橋 茂男君 ――
―――――――――――
四月三日
委員尾関義一
君及び
石村英雄
君
辞任
につき、そ の
補欠
として
三池信
君及び
勝間田清一
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月五日
委員勝間田清一
君
辞任
につき、その
補欠
として
石村英雄
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 ――
―――――――――――
四月三日
選挙違反
の
連座制強化
に関する
請願
(
山口シヅ
エ君
紹介
)(第四一六五号)
地方税法
の一部
改正
に関する
請願外
一件(小笠
公韶君紹介
)(第四一六六号)
貨物自動車運送事業
に対する
事業税
の
外形標準
課税廃止
に関する
請願
(
中村清
君
紹介
)(第四 一六七号)
営業用トラック
に対する
自動車税軽減
に関する
請願
(
中村清
君
紹介
)(第四一六八号)
クリーニング業
に対する
地方税軽減
に関する請 願(
青柳一郎
君
紹介
)(第四一六九号) 同(
井出一太郎
君
紹介
)(第四一七〇号) 同(
加藤
高藏君
紹介
)(第四一七一号) 同(
池田清志
君
紹介
)(第四一七二号) 同(
石村英雄
君
紹介
)(第四一七三号) 同(
古屋貞雄
君
紹介
)(第四一七四号) 同(
三宅正一
君
紹介
)(第四二〇八号) 同(
伊藤好道
君
紹介
)(第四二〇九号) 同(
今澄勇
君
紹介
)(第四二三九号) 同(
田中彰治
君
紹介
)(第四二四〇号) 同(
北れい吉
君
紹介
)(第四二四一号) 同(
三浦一雄
君
紹介
)(第四二四二号) 同(
喜多壯一郎
君
紹介
)(第四二六五号) 同(
椎熊三郎
君
紹介
)(第四二六六号)
古書籍業
に対する
事業税免除
に関する
請願
(長
谷川保
君
紹介
)(第四一七五号)
都市警察存置
に関する
請願
(
大矢省三
君
紹介
) (第四二〇五号)
町村合併促進関係法規
の
改正
に関する
請願
(鈴
木義男
君
紹介
)(第四二〇六号) 同(
助川良平
君
紹介
)(第四二〇七号) 同(
粟山博
君
紹介
)(第四二三八号) 同(
佐藤善一郎
君
紹介
)(第四二六四号)
乗合自動車税軽減
に関する
請願
(
高橋圓三郎
君
紹介
)(第四二三六号)
乗合自動車事業税
の
外形標準課税廃止
に関する
請願
(
高橋圓三郎
君
紹介
)(第四二三七号) の審査を本
委員会
に付託された。 同月一日
地方財政確立
に関する
陳情書
(第二五八五号)
地方財政再建整備法
の
制定
に関する
陳情書
(第二五八六号)
営業用トラック
に対する
自動車税
の据置き並び に
外形標準課税
に関する
陳情書
(第 二五八七号)
バス
に対する
自動車税
の
軽減
に関する
陳情書
(第二五八八号) 同(第二五八九号)
バス企業
における
外形標準課税廃止
の
陳情書
(第二五九〇号) 同(第二五九一号)
市町村自治体警察制度廃止反対
の
陳情書
(第二五九二号) 同(第二五九三 号) 同 (第二五九四号) 同(第二五 九五号)
小型自動車税
並びに
軽自動車税
の
町村移譲
に関 する
陳情書
(第二六一九号)
町村合併
に伴う起債の
わく拡大
並びにその確保 等に関する
陳情書
(第二六二〇号)
警察制度
の改革に関する
陳情書
(第二六二一号)
市町村自治体警察制度廃止反対
の
陳情書
(第二六二二号) 同(第二六二三 号)
地方税法改正要綱
に関する
陳情書
(第二六五〇号)
地方税制改正
に関する
陳情書
(第二六五一号) 同(第二六五二号)
市町村自治体警察制度廃止反対
の
陳情書
(第二六五三号) 同(第二六五四 号) を本
委員会
に送付された。 ――
―――――――――――
本日の会議に付した事件
地方財政平衡交付金法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第九二号)
地方財政法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一〇五号) ――
―――――――――――
中井一夫
1
○
中井委員長
これより開会をいたします。
ニユース映画
を非課税にしてもらいたいという
陳情
につきまして、
大石
さんからその
陳情
をこの際聞きたいとの御発議がありましたけれども、これはすでに各
関係者
から
陳情書
を提出されたそうであります。これを各議員に配付することによ
つて陳情
を省略したいと思います。さようどうぞ御承知を願います。 それじや今の
ニユース映画
の方から持
つて
来られた
陳情書
を各
委員
に配付してください。 —————————————
中井一夫
2
○
中井委員長
これより
地方財政平衡交付金法
の一部を
改正
する
法律案
及び
地方財政法
の一部を
改正
する
法律案
を一括して議題といたします。両案につきましてはすでに
提案理由
の
説明
を
政府
より聴取いたしておりますが、さらにこれが
補足説明
を
政府
より聴取いたすことといたします。
柴田財政課長
。
柴田護
3
○
柴田説明員
地方財政平衡交付金法
の一部を
改正
する
法律案
並びに
地方財政法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、逐条的に御
説明
申し上げます。便宜上お配り申し上げております
新旧対照表
をごらん願いたいと思います。
新旧対照表
に従いまして御
説明
さしていただきたいと思います。
地方財政平衡交付金法
の一部を
改正
する
法律案
でございますが、最初に
地方財政平衡交付金法
の題名を
地方交付税法
と改めております。これは
地方財政平衡交付金法
の
基本理念
に立脚しながら、その
地方団体
の
調整財源
としての
地方交付税
の持
つて
おります
性格
より
地方団体
の
独立財源
としての
性格
を強くするというのが、この
改正
の
一つ
の
根本目標
でございますので、それに従いまして
地方財政平衡交付金
という名称を全部
地方交付税
に改めたのであります。それに従いまして
法律
の名前を
地方交付税法
に改めました。 第一条は、
法律
の目的でありますが、「
地方自治
の本旨の実現に資するために
地方団体
に対し適当な
財源
を供与し、も
つて
その
独立性
を」というところの「
地方団体
に対し適当な
財源
を供与し、」という
文句
を削除いたしております。これは
地方交付税
が
地方団体共有
の
地方財源
であるという
趣旨
にかんがみまして、
地方団体
に国から何か
財源
をやるんだという感じが、既存の
条文
を踏襲いたしますと残
つて
参りますので、その
部分
を落しまして、
地方団体
の
独立財源
だという
観念
を強くさすために、「適当な
財源
を供与し、」という
条文
を削
つたの
であります。 第二条は、
地方交付税
の
意義
を掲げております。その第一号に
地方交付税
の
意義
としまして「第六条の
規定
により
算定
した
所得税
、
法人税
及び
酒税
のそれぞれの
一定割合
の額で
地方団体
がひとしくその行うべき
事務
を遂行することができるように国が交付する税をいう。」第六条の
規定
と申しますのは、
あと
で出て参りますが、
所得税
、
法人税
、
酒税
の
一定割合
の額をも
つて
地方交付税
とするという
条文
でございます。それで「
地方団体
がひとしくその行うべき
事務
を遂行することができるように」という
文句
を残しておりますのは、
地方交付税
も
究極
におきましては、
地方団体
が
地方財源
に関して行います
事務
の
最小限度
を保障するんだという
基本観念
を残しておりますので、「ひとしくその行うべき
事務
を遂行することができるように」という
字句
を存置したのであります。第六号は
測定単位
の
規定
でございますが、「
普通交付金
の
総額
を
算定
し、及び配分する」、とあるのを削ります。
地方財政交付金
の場合におきましては、その
総額
の
算定
を
測定単位
の
数値
に、それぞれ
単位費用
を乗じました額を積み上げたものを
総額
として計上しなければならないというのが本来の
総額
のきめ方でありますが、そのきめ方がかわ
つて
来ますので、その
総額
を
算定
する
基礎
として
測定単位
が直接働いて来るのはなく
なつ
て参るわけであります。そこで「
普通交付金
の
総額
を
算定
し」という
条文
を削りまして、「
普通交付税
を交付する」ということにかえたのであります。第七号は、用語の
整理
でありまして、読みかえだけでございます。 第三条は運営の
基本
に関しまする
条文
でございますが、第一項、第二項は、
地方交付税
の
総額
は、当然に
所得税
、
法人税
及び
酒税
の
一定割合
の額としてきま
つて
参りますので、国がどのように
予算
を組むかという
予算
の
組み方
あるいは国が
予算
の成立後におきまして、
数値
の
増加云々
というようなことはまつたく
意義
を失
つて
参りますので、一項、二項を削除したのであります。従いまして旧第三条第三項が第一項に
なつ
て参ります。この旧第三条第三項の初めの
改正
は、「国の
予算
に計上された
交付金
の
総額
」というのは、当然に第六条の
規定
によりまして、自動的に
算定
された
地方交付税
の
総額
になるわけでありまして、またその末尾の「衡平にその
超過額
を補てんすることができるように配分しなければならない。」というのは、
地方財政平衡交付金
の場合におきましては、その
基本財政需要額
と
財政収入額
との
差額そのもの
が
地方財政平衡交付金
の額になるわけであります。
地方交付税
の場合におきましては、
究極
におきましてはその
超過額
を補填することを
目標
といたしておりますので、
都市
によりましてはその
差額
よりもオーバーする場合もありますし、また
都市
によりましては少い場合もあるわけであります。それで「その
超過額
を補てんすることを目途として交付しなければならない。」というふうに、長期的に
財源
を保障するという感覚を出しておるのであります。第四項は
字句
の読みかえであります。 第四条も第五条もともに
交付税
を交付いたしますことによりまする
字句
の
整理
であります。 第六条は
交付税
の
総額
の
規定
であります。「
所得税
、
法人税
及び
酒税
の
収入額
のそれぞれ百分の二十をも
つて
交付税
とする。」
所得税
、
法人税
及び
酒税
の
収入額
のそれぞれ百分の二十であります。従いまして、本来徴収されましたもののそれぞれの百分の二十の額が
交付税
になるわけであります。しかしながら現実問題といたしましては、
予算
にはそのように組むわけには参らないので、第二項で
予算
の
組み方
を書いておるわけであります。「毎
年度分
として交付すべき
交付税
の
総額
は、
当該年度
における
所得税
、
法人税
及び
酒税
の
収入見込額
のそれぞれ百分の二十に相当する額の
合算額
」これが国の
予算
に上げられますと、
所得税
、
法人税
及び
酒税
の
収入見込額
の百分の二十の額でございますから、つまり
収入見込額
の
一定
の額、それに「
当該年度
の前
年度
以前の
年度
における
交付税
で、まだ交付していない額を加算し、又は
当該
前
年度
以前の
年度
において交付すべきであ
つた額
をこえて交付した額を
当該合算額
から減額した額とする。」これは当初
予算
に一応組みました
所得税
、
法人税
、
酒税
の二〇%の額が組まれるわけでありますが、それが決算いたしますと、
年度
によりましてあるいは
自然増収
があつたり、あるいはその
予算額
に
税収入
が至らなかつたというような場合があるわけでありますが、それが
翌々年度
において第一項の
規定
によりまして、当然にそのうちの二〇%の額というものは、
地方税
なのでありまして、
地方団体
の
財源
なのでありますから、
予算
に組まなければならないことになるわけであります。その額のことを後段に書いておるわけであります。従いまして毎
年度分
として
予算
に計上すべき額というものは、その
年度
におきますところの
見込税額
と、それからその以前の
年度
におきまして実際に
収入
された額と
予算額
との
差額
の二〇%の額、これをかげんした額であるということが、ここにうた
つて
あるわけであります。 第六条の二は
交付税
の
種類
でございます。
交付税
の
種類
は、
地方財政平衡交付金
の場合と同じように、
普通交付税
と
特別交付税
になるわけでありますが、
普通交付税
の額と
特別交付税
との額のきめ方は、
交付税
の
総額
が初めからきま
つて
参るわけでありますので、
地方財政平衡交付金
の場合のように、
普通交付税
の額を
基礎
にいたしまして
特別交付税
の額を算出するわけには参らないのであります。そこで大体
現行法
の
平衡交付金
の
普通交付金
と
特別交付金
との比率を参酌いたしまして、
総額
の百分の九十二に相当する額を
普通交付税
とし、
総額
の百分の八に相当する額を
特別交付税
にすることといたしたのであります。 第六条の三は、
特別交付税
の額の
変更等
であります、これは
総額
が自動的にきま
つて
参りますために、
基準財政需要額
と
基準財政収入額
との
差額
につきまして
普通交付税
を
計算
するわけでありますが、その場合にその
差額
の
合算額
と
普通交付税
の
総額
とが合致しない場合ができて参ります。そこでその場合におきましては、もしその
差額
、つまり
現行法
では
財源不足額
という言葉を使
つて
ございますが、
財源不足額
をオーバーして
普通交付税
の
総額
がある場合におきましては、その越えた
部分
は
特別交付税
の中に入れる。もし足らない場合におきましては、まず
交付税
全体の中で
調節
をする。その場合にまず
特別交付税
からその足らない
部分
を補う、但し
特別交付税
は
総額
の百分の六を
限度
として、六になるまでの間は
特別交付税
を食
つて
行くということにいたしまして、できるだけ
交付税
の中におきましてその間の
調節
をして行くという
建前
にしておるわけであります。しかしながらこの
財源不足額
と
交付税
の
総額つまり所得税
、
法人税
、
酒税
の
一定割合
の額とが非常に開いて参つた場合、この場合におきましては、やはり
地方交付税
の
総額
の問題につきまして
検討
を加えなければならないわけでありまして、その場合におきましては、引続きその
財源不足額
の
総額
、つまり第十条第二項の本文の
規定
によ
つて
、各
地方団体
について
算定
した額の
合算額
、これと非常に異
つて
参りました場合においては、まず
地方財政
もしくは
地方行政
に対して
制度
の
改正等
を考える。それからまたは
所得税
、
法人税
及び
酒税
の二〇%という率につきまして
検討
を行う、このようにいたしまして
地方団体
が必要な
事務
を行うために
最小限度
必要とされる
財源
の補償を、なるべく
地方団体自力
でやるということをまず
建前
にいたしまして、
地方財政
の
自律性
を強化するということをねらいとしたのであります。 第七条、第八条、第九条はともに
地方財政平衡交付金
を
地方交付税法
に
変更
いたしましたに伴いましての
字句
の
整理
であります。 それから第十条は各
地方団体
に対して交付いたします
普通交付税
の額の
算定
でございますが、この
算定方法
としては現在の
地方財政平衡交付金
の中の
普通平衡交付金
の
算定方法
を踏襲いたしておりますが、ただその
基準財政需要額
と
基準財政収入額
との
差額
が、
普通交付税
の
総額
に不足いたします場合に、百分の二の額を
限度
といたしまして、
特別交付税
の額を
普通交付税
にまわし、それでもなお足りないという場合におきましては、
基準財政需要額
に按分いたしまして
調整
をいたすことといたしたのであります。この
調整
の
方法
は
現行法
におきます
地方財政平衡交付金
の場合と同じであります。第三項、第四項、第五項ともに
字句
の
整理
であります。第五項の場合は、これは
普通交付金
を
算定
いたしました場合に、その
普通交付金
の
総額
が各
地方団体
に対しまして交付すべき
普通交付金
の
総額
との間の
差額
がありました場合、その
誤差
を
調整
する
規定
でありますが、その場合に
現行法
におきましては余つた場合と不足するときとの
調整規定
を置いておりますが、
地方交付税
の場合には余つた場合は
特別交付税
に入れるという
規定
を前に置いてありますので、足らなかつた場合だけの
調整方法
をここに書いておるわけでございます。「
不足額
は、
当該年度
の
特別交付税
の
総額
の一部をも
つて
充てる」言いかえますならば、まず
普通交付税
の
総額
は
所得税
、
法人税
、
酒税
の百分の二十できま
つて
来るので、そのきま
つて
来た
総額
と、各
地方団体
につきまして
基準財政需要額
と
基準財政収入額
との
差額
を集計いたしました額とが非常に違
つて
来る。その場合において不足する場合におきましては、まず
特別交付税
の一部をも
つて
充てる。つまり
総額
の百分の二を充てる。それでもなお不足いたします場合におきましては、
調整率
を乗じて
調整
する。そこで生じた
誤差
は、この十条の五項の
規定
によりまして、
特別交付税
の一部をも
つて
充てる。結局残りました百分の六の一部をも
つて
充てるということであります。いろいろ
計算
して参ります場合の一番最後の
調整
の
規定
が、十条の第五項であります。 第十二条は
測定単位
の
範囲
及び
費用
の
規定
であります。
経費
の
種類
につきましては、ことしの七月から新しく
府県
に
府県警察
が設けられますのと、従いまして
地方団体
の
道府県
の
経費
の
種類
の中に、新しく
警察費
という費目を設けまして、
測定単位
は
警察職員数
といたしました。と申しますのは、
警察職員数
につきましては、新
警察法案
が
一定
の
基準
を
政令
できめることに
なつ
ておりますが、その
政令
できめましたところの定員を
基礎
にして
計算
いたしますのが、
警察費
の
基準財政需要額
を
計算
いたしますのに、最もよく
経費
の大小を現わすことになりますので、
警察職員数
を
測定単位
にと
つたの
であります。 それから
単位費用
の
計算
の中で
変更
いたしましたのは、別途お
手元
に、
単位費用積算
につきまして
改訂要領
をお配りしてございますが、主として
給与改訂
の平
年度化
に伴いますところの
財政需要
の
変更
と、それから今回の
予算
で
国庫補助金等
につきまして
整理
が行われましたのに伴いまして、
特定財源等
が
変更
して参ります。それによります
変更
、それから
物件費
につきまして若干の手直しをいたしました。お
手元
にお配りいたしておりまする
地方交付税関係参考資料
という刷りものの八ページにその
要領
を掲げてございます。
一つ
は、
給与関係経費
につきまして、べース・アツプの平
年度化
を
計算
に入れたのであります。それから
賃金等
については、国に準じて
統一単価表
によ
つて
計算
いたしました。旅費につきましては、
鉄道運賃
の
改訂
を織り込んでおります。それから
普通庁費
につきましては、
国庫予算
におきますところの
地方ブロック
の
官庁単価
によるほか、
建築単価
、
自動車維持費等
につきましては、いずれも国の
予算単価
を
基礎
にしてきめたのであります。それから
国庫補助負担金
を伴う
経費
につきまして、それぞれ
特定財源
として控除すべき
国庫補助負担金
の率がかわ
つて
参りますので、かわつた率につきまして
計算
をし直しております。言いかえますならば、
補助金等
の
整理
に伴いまして、
地方
の
一般財源
に振りかえられましたものを
積算
の
基礎
に入れたのであります。
廃止補助金
につきましても同様であります。 それから十二条の第二項でございますが、
測定単位
の
数値
の
算定
の
基礎
を明らかにいたしました。これは
測定単位
でそれぞれ
警察職員数
とか、人口とか、道路の面積といつたようなものをそれぞれ使
つて
おりますが、それがどういうものかということの定義を明らかにしたのであります。従来大体
総理府令
できめてお
つたの
でありますが、それを法文の上にこういうふうにあげまして、明確化したのであります。 第十三条は
測定単位
の
数値
の
補正
であります。
補正方法
につきまして、従来は細目まで
法律
では簡単な
規定
がありまして、それに基いて
法律
できめることに
なつ
てお
つたの
でありますが、
昭和
二十八年までは
総理府令
できめてもいいということに
なつ
てお
つたの
であります。今回は元の
趣旨
にもどりまして、
法律
で
規定
し得る
範囲
だけ
法律
で
規定
することにいたしました。 従いまして十三条の一項は、「
法律
で定める
方法
により、」というのを削除いたしまして、その
方法
を四項以下に書いたわけであります。 第二項は
種別補正
の
方法
を明らかにしております。 それから古い第二項、新しい第三項の
改正規定
は、第一項、第二項の
改正
に伴う
整理
であります。 第四項から第五項、第六項、第七項、第八項、これが新しい
規定
であります。第四項は、
測定単位
の
補正係数
の
算定方法
について、
基本原則
を書いております。どういうもので
測定単位
を
補正
して行くかということは、新しい三項、
現行法
の二項にあげておるわけでありまして、四つの
補正事由
があるわけでありますが、その
補正事由
のそれぞれのきめ方を四項以下に書いておるわけであります。この第四項以下において書いておりますのは、大体
現行法
に基きまして、現在
総理府令
できめております
方法
をここにあげておりますが、ただ第四項の但書で「前項第一号から第四号までの
補正
の二以上をあわせて行う場合においては、二以上の
事由
を通じて一の率を定め、又は各
事由ごと
に
算定
した率を連乗して得た率によるものとする、」これは最も顕著な例は、
密度補正
と
段階補正
をあわせ行いました場合に適用することを予想しておるのでございますが、
密度
が非常に低いところで、
段階補正
がきき過ぎて、
密度補正
が十分に働かない場合があります。つまり
密度補正
で上げて、
段階補正
で
係数
が落ち過ぎるというような場合がありまして、不必要に
基準財政需要
を越す場合があるのであります。そういう場合におきましては、
密度補正
に応じまして、
段階補正率
をきめて行くのが適当ではないか。そこで同じような
事由
は、
密度
と
段階
の場合に限らず、いわゆる三号の
態容補正
と
段階補正
というような場合にも起り得ると予想されるのでありますが、そういつた場合を予想して、二以上の
事由
を通じて
一つ
の率をきめる、両方の
係数
をかみ合せて
一つ
の
補正係数
をきめて行くという
方法
を
とつ
ておるのであります。かような
方法
でそういうようなことができる。またその
事由ごと
に
算定
した率を連乗して、出た率を乗じて
補正
をして行くということにしたのであります。四項の第一号が
段階補正
のきめ方でありまして、
段階補正
の
算定
はその「
行政
に要する
経費
の額が
測定単位
の
数値
の増減に応じて逓減又は逓増するものについて行うものとし、
当該補正
に係る
係数
は、超過累退又は
超過累進
の
方法
によ
つて総理府令
で定める率を用いて
算定
した
数値
を
当該率
を用いないで
算定
した
数値
で除して
算定
する。」二号は
密度補正
の
算定
の
方法
を書いております。三号は
態容補正
であります。四号は
寒冷補正
であります。この
算定
の
方法
は
あと
で具体的に例をあげまして御
説明
申し上げたいと思います。 それから第十四条は
基準財政収入額
の
算定方法
でございます。これも
現行法
の
規定
を大体踏襲いたしておりますが、
入場譲与税法
の
制定
に伴いまして、
入場譲与税
の持
つて
おります
性格
は
交付税
と本質上同じでありますので、
基準財政収入額
を
算定
いたします場合に、
基準財政収入
といたしましては
当該地方団体
の
普通交付税
の
総額
と、その
団体
の
入場譲与税
の
収入見込額
の
合算額
を
基準財政収入額
とする。言いかえますならば
府県
につきましては
入場譲与税
というものはまるまる百パーセント控除する。
基準財政需要額
と
基準財政収入額
との
差額
、つまり
交付基準額
を定めます場合には全部が
収入
とみなす。言いかえますならば、
入場譲与税
は
地方交付税
の一部と考えておるわけであります。十四条第二項は
地方税法
の
改正
で
道府県民税
を創設いたしますのに伴いまして、その
所得割
の
基準財政収入額
の
算定方法
を書いております。その二項のまん中どころに「
個人
に対する
道府県民税
の
所得割
については、
所得割
の
課税総額
の
算定
に用いる
標準率
」百分の五であります。「
標準率
とし、
個人
に対する
市町村民税
の
所得割
については、
所得税
額を課税標準として
算定
するものとし、その税率は、百分の十三とする。」これは
道府県民税
の
制定
に伴いましま
市町村民税
の標準税率が落ちて来るわけでありますので、落ちて来た標準税率百分の十三を使うことにいたしております。税法
改正
に伴いまする訂正であります。第三項は
基準財政収入額
の
算定方法
の
基礎
を明らかにいたしております。これも新しい
規定
でありますが、
道府県民税
につきましては均等割につきましては
個人
分は人口、法人及び法人でない財団等は納税義務者数、これを
基礎
にして
算定
をする。
所得割
は前
年度分
の
所得税
額を使う。
法人税
割は現在の法人
事業税
と同じように最近のいわゆる分割法人につきましては「最近の事業
年度
に係る
法人税
割の課税標準」額を使い、その他の法人につきましてはその区域内におきまする前
年度分
の
法人税
額から分割法人にかかる
法人税
額を引いたものを使う。
事業税
につきましては
個人
の行います事業に対する
事業税
は、事業所統計を使いまして、それぞれ
個人
業主の数と、それから
個人
業主の
所得
額を使いまして
算定
いたすことといたしております。これは大体現在や
つて
おります
事業税
の
算定方法
と同じであります。法人の
事業税
につきましても大体現在と同じでありまして、分割法人につきましては最近の
事業税
の課税標準をとる、言いかえますならば実績を
とつ
ておるわけであります。その他の法人分につきましてはその区域の
法人税
の課税の
基礎
と
なつ
た
所得
額をとりまして、それから分割法人の分を引くということにいたしております。不動産取得税は前
年度
中におきまする登録税額並びに前年中の家屋の建築坪数を
基礎
にいたしまして
算定
をいたすことにいたしております。
道府県
タバコ消費税は前
年度
中のタバコ小売売上額を
基礎
とすることにいたしております。遊興飲食税につきましては
個人
と法人にわかちまして、
個人
は飲食店、旅館、貸席の別にそれぞれ前
年度分
の
所得税
の課税の
基礎
と
なつ
た
所得
額を使い、法人につきましても同じように
法人税
の課税の
基礎
と
なつ
た
所得
額を使うことといたしております。
自動車税
は自動車の
種類
別の台数を使います。鉱区税は鉱業法によりまして登録された鉱区の面積を使う。狩猟税は狩猟者法の
規定
によりまして知事が狩猟免許状を下付いたしました者の数を使うことにいたしております。固定資産税は大規模償却資産で
府県
分の固定資産税は
昭和
三十年から働くことに
地方税法
の
改正
案では
なつ
ておりますが、いわゆる大規模償却資産で
一定
のものにつきましては
道府県
に課税権を持たすという
規定
によりまして、
道府県
に固定資産税が徴求されることがあるわけでありますが、その場合の固定資産税の
算定
の
方法
を書いておるわけであります。そこでそれは大規模償却資産につきまして
道府県
が固定資産税を課することができるとされる
当該年度
分の価額の合計額から市町村が課することができる固定資産税の課税標準額を——別途市町村の固定資産税の
算定
で課税標準額の
総額
は出て参るわけでありますから、それから市町村分を引けばいいわけであります。
入場譲与税
は
道府県
の人口を使うことといたしております。
市町村民税
の
基準財政収入額
の
算定方法
も、おおむね
道府県
と同じように現行の
算定
の
方法
を
基礎
にいたしまして
規定
いたしております。
市町村民税
の均等割、
所得割
、
法人税
割は
府県
民税と同様であります。固定資産税の土地は平均価格を使うことにいたしております。但し宅地、田、畑、山林、原野及び塩田以外のものにつきましては、
種類
別の賃貸価格を使うことにいたしております。家屋は一坪当りの平均価格及び床面積を使います。償却資産につきましては自治庁長官または都
道府県
知事が配分いたしますものにつきましては配分価格、船舶につきましては市町村の区域内に定繋港を有する船舶のトン数を使う。その他の償却資産につきましては最近の事業所統計調査の結果による従業者数を使うことといたしております。これも大体今までや
つて
参りましたのを
基礎
にいたしまして、その
方法
を
規定
することにいたしておるのであります。自転車荷車税は
種類
別の台数、タバコ消費税は
道府県
タバコ消費税と同じように前
年度
中のタバコ小売売上額、電気ガス税は前
年度
中に納入され、または納付された電気ガス税、鉱産税は生産量及び山元価格をとる。木材引取税は木材の生産石数及び価格、入湯税は旅館業法によりますホテル及び旅館で、鉱泉浴場を持つもの、またはその客室の畳数によることといたしております。 十五条は
特別交付税
の額の
算定
の
規定
でありますが、実体は
地方財政平衡交付金
の場合の
特別交付金
と同じように、
基準財政需要額
の
算定方法
によ
つて
捕捉されなかつた特別の
財政需要
があること、また
基準財政収入額
のうちで著しく過大に
算定
されて財政
収入
があること、あるいは
交付税
の
算定
期日後に生じた災害等のために特別の
財政需要
があり、あるいは財政
収入
の減少があつたというような特別な事情によ
つて
配ることといたしております。従いまして
条文
といたしましては、
字句
の
整理
をいたしております。 十六条は交付時期であります。これも
基本
的な考え方は
現行法
と同じでありまして、
字句
の
整理
であります。 以下十七条から二十条の三まで、ずつと
交付税
と
交付金
の
字句
の
整理
をいたしております。 それから附則でありますが、附則の第一項は
交付税
の施行並びに適用時期であります。 二項は固定資産税にかかる個々の
財政収入額
の
算定
の
基礎
に関します
条文
でありますが、この
条文
のうちで固定資産税にかかります
部分
は、
地方税法
の
改正
法でも、
昭和
三十
年度
からということに
なつ
ておりますから、
交付税
法におきましても、三十
年度
から適用することにいたしております。 第三項は、
昭和
二十九
年度
におきますところの
所得税
、
法人税
、
酒税
の率の読みかえであります。
昭和
二十九
年度
におきましては、
所得税
及び
法人税
並びに
酒税
の百分の二十というのが、
所得税
及び
法人税
の
収入額
のそれぞれ百分の一九・六六、
酒税
の百分の二十というように使いわけております。
酒税
の百分の二十というのは、
所得税
、
法人税
と
酒税
とは税の
性格
が違いまして、片方は直税でありますが、片方は間税であります。また
地方団体
側からも、酒消費税をつくれといつたような要望等もありますので、
酒税
につきましては、
酒税
に対しまする
交付税
の割合といたしましては百分の二十を原則といたしまして、片方の
所得税
、
法人税
の率をば本
年度
の
地方財政
計画を
基礎
にいたしまして、
地方交付税
額の
総額
を出しましたこれとの比率を求めた結果、一九・六六とな
つたの
であります。 それから第四項は、
単位費用
の
測定単位
の
数値
並びに
単位費用
のところで、
昭和
二十九
年度
におきましては
警察費
につきましては、
道府県
の
警察費
は七月以降九箇月分でありますので、九箇月分の額をここに掲げてあります。また市町村分につきましては、二十九
年度
の七月までは
警察費
があるわけでありますので、本法では警察消防費の
警察費
を全部削除いたしておりますが、
昭和
二十九
年度
におきましては、
警察費
を存置することにいたしております。 それから第五項でありますが、第五項は
基準財政収入
の
算定方法
であります。
法人税
割の
算定方法
につきましては、
当該
法人にかかる最近の事業
年度
にかかる
法人税
割の課税標準、つまり
道府県民税
のうち
法人税
割につきましては最近の
法人税
割の額、つまり
市町村民税
の
法人税
割の額でありますが、この
法人税
割と書きました場合には最近の
法人税
割の額をとるのでありますが、最初の初
年度
におきましては
道府県民税
等におきまして
法人税
割の額がないわけであります。そこで便宜最初の
年度
におきましては、
市町村民税
のうちの
法人税
割の課税標準額をとるということに読みかえておく必要があるのであります。また償却資産につきましても、同じように三百八十九条の
規定
により自治庁長官または都
道府県
知事が価格を決定し、決定した価格を配分するものだということを
規定
いたしております。その場合に、
昭和
二十九
年度
におきましては三百九十一条の
規定
が残るわけでありますが、三百九十一条の
規定
によ
つて
自治庁長官または都
道府県
知事が価格を決定し、決定した価格を配分するものというふうに読みかえておく必要があるのであります。 〔
委員長
退席、
加藤
(精)
委員長
代理着席〕 それから第六項は
普通交付税
の交付の
算定方法
に関する
規定
でありますが、この場合に前
年度
における
当該地方団体
に対する
普通交付税
の額ということに本法は
なつ
ておりますが、
昭和
二十九
年度
におきましては、前
年度
におきましては
平衡交付金
だけがありまして
交付税
がないわけでありますので、
普通交付金
の額というふうに読みかえておくのであります。 この次の七項、十九条の
規定
に関します経過措置は、
地方財政平衡交付金法
の
規定
によりまして
算定
された
普通交付金
の額の
算定
について錯誤がありました場合においては、二十八
年度
以前の
地方財政平衡交付金
における錯誤は、
昭和
二十九
年度
以降において
普通交付税
において措置することができるという、錯誤是正に関しまする
規定
のつなぎの
規定
であります。これを置いておきませんと、錯誤の訂正ができなくなりますので、経過的に読みかえ
規定
を設けておく必要があるのであります。 それから第八項は奄美群島に関します
地方交付税法
の特例であります。これは
地方交付税
は別途
地方交付税
及び
地方
譲与税の特別会計法によ
つて
経理されるわけでありますが、奄美群島に関します
地方交付税
に関しましては、奄美群島善後処理費といたしまして一般会計に一括して計上されておりますので、放置しておきますと、これが
交付税
として適用がなくなるのであります。そこで奄美群島にかかります
地方交付税
につきましては、
政令
で特例を設けまして、一般会計から直接
算定
いたしまして奄美群島にかかる市町村に交付ができるようにいたす必要があるわけであります。つまり言いかえますならば、このまま置いておきますと、奄美群島にかかりまする善後処理費から
地方交付税
にかかりまする特別会計に移すわけでありますが、その移しかえができなくなるのであります。そこで特例を設けまして、移しかえずに一般会計からすぐ出せるようにするために、特例を設けたのであります。 九項は、自治庁設置法の
規定
の
整理
であります。
地方財政平衡交付金
が
地方交付税
にかわりますことに伴いまして、
字句
の
整理
をいたしております。 十項、十一項、十二項、十三項は、
地方税法
、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法、
町村合併
促進法、災害救助法、いずれも
地方財政平衡交付金
が
地方交付税
にかわることによる
字句
の修正であります。 以上が
地方財政平衡交付金法
の一部
改正
の逐条の御
説明
であります。
加藤精三
4
○
加藤
(精)
委員長
代理 引続き
地方財政法
の一部を
改正
する
法律案
の逐条
説明
を願います。
柴田護
5
○
柴田説明員
引続きまして、
地方財政法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、
条文
について御
説明
申し上げます。 これも便宜お
手元
にお配りいたしてあります
新旧対照表
をごらん願いたいと思います。 第四条の二は、
地方
公共
団体
におきます財政運営の
基本原則
として、
年度
間の
財源
の
調整
の
規定
を設けることといたしたのであります。「
地方
公共
団体
は、
当該年度
において
地方交付税法
の定めるところにより交付を受けた
交付税
の額とその
算定
に用いられた
基準財政収入額
との
合算額
が、
当該
交付税
の額の
算定
に用いられた
基準財政需要額
を著しくこえる場合においては、災害その他やむを得ない
事由
がある場合を除き、
当該
超過額
に相当する額の一部を積み立て、又は
地方
債の償還
財源
に充てる等翌
年度
以降における財政の健全な運営に資するための措置を講ずるようにしなければならない。」これは
地方交付税
制度
が設けられますに伴いまして、
地方団体
側から見ますならば、
年度
間におきましては非常に必要額をオーバーいたしまして、一時に
普通交付税
が交付される場合、あるいは
特別交付税
を含めて
交付税
が多く交付される場合もあります。また
交付税
が必要額を満たさない場合も起るわけであります。そこでこの間の
調節
を国の側でやるか、
地方
の側でやるかという問題があるわけでありますが、
地方財政
の自主性という見地から、
地方団体
自体においてその間の
調節
をとるのが望ましいのであります。そこで今回の
地方交付税
にかわります
法律
の
規定
におきましても、そういう場合には
地方団体
が自分で自己の
財源
調節
をやるのだという
建前
で、
制度
改正
を考えておるのであります。それに伴いまして
地方財政法
の一部を
改正
いたしまして、
地方団体
は、非常に多く
地方交付税
が参りました場合においては、不足する場合のことを考えに入れて財政運営をやらなければならぬという、財政運営の原則を
規定
することといたしたのであります。ここで「交付を受けた
交付税
の額とその
算定
に用いられた
基準財政収入額
との
合算額
」と書いてありますのは、いわゆる
一般財源
と称されるものでありまして、「
当該
交付税
の額の
算定
に用いられた
基準財政需要額
」というのは、
一般財源
によ
つて
まかなうべきところの必要
最小限度
の額を
算定
いたしているわけであります。従いまして、
一般財源
の額が
基準財政需要額
を著しく越える場合というのは、
財源
が非常によけい来たという場合であります。この場合におきましては、災害の場合は別でありますが、一般的にその一部を積み立て、あるいは
地方
債の償還
財源
に充てまして、間接的に将来の財政負担を
軽減
するという措置をとることにいたしまして、将来の財政運営の健全性を確保するという措置をとるようにというのが、第四条の二の
趣旨
であります。 第五条は、
地方
債の制限に関する
規定
でありますが、これは
地方税法
の
改正
に伴いまして所要の
規定
の整備をはか
つたの
でありまして、第五号の「普通税の税率がいずれも標準税率以上である
地方
公共
団体
において」云々という
条文
は、いわゆる公共施設並びに公用施設につきましては、標準税率以上を
とつ
ておる場合でなければ、
地方
債を起すことができないというような
規定
でありますが、この場合に従来入場税、鉱区税等いわゆる
一定
税率のものにつきましては除外例を置いてお
つたの
であります。つまり標準税率がないわけでありますので、そのものにつきましてはいずれも税率そのものという
規定
を置いてお
つたの
でありますが、入場税が
入場譲与税
にかわりましたので、これがなくなる、そのかわりに新たにタバコ消費税が加わりますので、タバコ消費税を加えて、
字句
の
整理
をはか
つたの
であります。また
個人
に対する
道府県民税
の
所得割
につきましては、
標準率
を使うというように
字句
の
整理
をいたしております。 第三項の場合は、
道府県民税
の
制定
に伴いまして
市町村民税
のいわゆる第二方式をとりました場合の読みかえ
規定
でありますが、この場合に
道府県民税
ができますので、百分の十八を百分の十三、百分の十を百分の七・五というように
変更
いたしております。これも
地方税法
の
改正
に伴います
字句
の
整理
であります。 第五条の四は、
地方
債に関します商法の準用
規定
であります。これはいわゆる公募債が最近
地方
債の場合に多く
なつ
て参
つて
おりますが、この
地方
債の消化を完全にし、また信用を高めますために、ある程度商法の
規定
を準用しておりますが、社債の
規定
と債券の
規定
を新たに準用いたしまして、三百七条と申しますのは記名社債の移転の
規定
であり、三百十六条というのは社債元利金請求権の時効の
規定
であります。 第十条の
規定
は、負担区分に関する
規定
でありますが、第十条の二十二号の未引揚邦人の調査に要する
経費
は、
地方団体
が負担する義務を負わない
経費
の方に移しました。それから漁業関係の
調整
に要する
経費
、これは従来
地方団体
が負担する義務を負わない
経費
とされておりましたが、これは現在国が全部負担する関係の仕事がほとんどなくなりましたので、国がその一部を負担する
経費
といたしました。そういうことで未引揚邦人の調査に要する
経費
の方は、国の負担する
経費
に持
つて
行つたわけであります。 十条の三は、
条文
の
整理
であります。 十条の四は、あへんの取締に要する
経費
で、これは従来なか
つたの
でありますが、あへんに関します
法律
の
制定
に伴いまして、この
経費
を十条の四に、
地方
公共
団体
が負担する義務を負わない
経費
といたしまして加えることにいたしたのであります。 十一条の二は、
字句
の
整理
であります。 十二条は、
警察制度
の
改正
に伴いまして、
地方
公共
団体
が処理する権限を有しない
事務
を行うために要する
経費
のうち、国家
地方
警察に要する
経費
を警察庁に要する
経費
と振りかえたのであります。 二十六条は、
地方財政平衡交付金
の減額に関します
規定
でありまするが、これも
地方交付税
の
制定
に伴いまして
地方交付税
に改めまして、
字句
の
整理
をいたしております。 それから三十六条でございますが、国がその全部又は一部を負担する法令に基いて実施しなければならない
事務
に要する
経費
に関する特例第十条第七号の二の
規定
、及び同条第八号の
規定
中、母子手帳に関しまする
規定
は、今回の補助金
整理
に関しまする特例法によりまして、当分の間国が負担せずに、全部
地方財源
に振りかえるという
建前
に
なつ
ております。それでそれに歩調を合せまして、第三十六条におきまして、これらの
規定
につきましては、当分の間、適用しないという特例を置きまして整備をはか
つて
いるのであります。 以上が
地方財政法
の一部を
改正
する
法律案
につきましての逐条の御
説明
でございます。
加藤精三
6
○
加藤
(精)
委員長
代理 これより以上二つの法案に対しまする質疑を行います。質疑の通告がありますので、順次これを許します。門司亮君。
門司亮
7
○門司
委員
私は、きようは内容にはほとんど触れませんで、概括的のことについてだけ質問をしておきたいと考えております。 第一番に大臣にお聞きしておきたいと思いますことは、
地方財政平衡交付金法
の一部を
改正
する
法律案
ということに
なつ
ております。そうして案の内容を見てみますると、「
地方財政平衡交付金法
(
昭和
二十五年
法律
第二百十一号)の一部を次のように
改正
する。題名を次のように改める。」として、「
地方交付税法
」と、こう書いてあります。これは一体
地方財政平衡交付金法
と解釈していいのか、あるいは
地方交付税法
と解釈していいのかわれわれは迷うのであります。この点について、大臣は一体どつちがほんとうだとお考えに
なつ
ておるか、その点をひ
とつ
はつきり教えていただきたいと思います。
塚田十一郎
8
○塚田国務大臣 まことにどうも適切なお尋ねで、私もどうお答えしていいかよく考え方がまとまらぬのでありますが、もちろん今度
地方交付税法
になりますから、これは
地方交付税法
、とこういうように御理解願わなければならない性質のものであります。
門司亮
9
○門司
委員
大臣も考え方のまとまらぬと言われるような不見識なものをどうして出されるのです。少くとも国会で審議しようといたしますものであります以上は、やはり
法律
の定義だけははつきりさしておきたい。従
つて
もしこの内容が異
なつ
て参ります場合には、当然題名をかえなければならぬ。題名をかえる場合には、一部
改正
というようなあいまいな文字を使わないで、やはり
地方交付税法
というようにかえてもらいたい。私はその精神にのつ
とつ
て審議がしたいのであります。そういたしませんと、これは一体どつちにどう
なつ
ているのか見当がつかない。
地方財政平衡交付金
の
趣旨
はシヤウプ勧告から来ておるもので、今日の
地方財源
のアンバランスをこれによ
つて
調整
して行こうというところにその
基準
が置かれていたことは間違いがない。ところがこの
地方交付税法
という法に直さなければならなかつた理由はこれと非常に大きな開きがあ
つたの
で、
地方
制度
調査会におきましても財政部会等でしばしば議論が行われた点でありまして、今日の
地方財政
というものは非常にきゆうくつに
なつ
ておる。今の
地方財政平衡交付金
というものは、単に
基準財政需要額
とさらに
収入額
とのアンバランスを埋めるというだけであ
つて
、しかもそれは国の
予算
の都合でいつでも伸縮自在に
なつ
ている。これでは
法律
自体は下からの積み上げ方式で自主性を持たせているが、実質的には自主性を持
つて
おらない。そこで何とか
地方財政
に自主性を持たせることにするには、
昭和
二十四年まであつた配付税的な
性格
を持たすことがよいであろう、そうして
地方財政
の根幹をはつきりさせようというのが、大体この
地方交付税法
の生れて来たゆえんだと私は考えている。そういたしますと、配分の
方法
等についてはやや似たようなことが言えるかと思うのでありますが、しかし実質的にはこれは非常に異
なつ
た
法律
であります。全然別な
法律
の考え方から出ているにもかかわらず、
地方財政平衡交付金法
の一部
改正
であるというようなあいまいな言葉を使われて、しかも今の大臣の御答弁のように、そう書いてあるからそういうように解釈してもらいたいということでは、われわれこれ審議するわけに参りません。法制局にお聞きしておきますが、一体こういう
法律
の取扱いは妥当であるかどうか。
林修三
10
○林
政府
委員
まことに適切な御質問だと思うのであります。私どもといたしまして、今までありました
制度
をかえて新しいものをつくる場合、立法技術をどういう形式でやるかということにつきましては、大体二つの方式があると考えております。
一つ
はその
法律
を廃止、
制定
いたしますことと、
一つ
は
改正
の形でやることであります。その事柄が本質的に、根本的に違う場合には大体廃止、
制定
という形をとられるのが通例である。しかしながら、事柄の相当
部分
その内容が違
つて
お
つて
も、根本的な変革でないような場合には、大体の議論として
改正
という形がとられてもよいものであろう、かように考えておるわけでございます。そこで従来の
地方財政平衡交付金法
を今度新しい
地方交付税法
にすることがはたして根本的な変革かどうかということにつきましては、これは実は自治庁の方からお答えすべきことかと思うのでありますが、私どもは、やはり
制度
としては
地方財政
の
調整
という
制度
であると理解しておるわけでございます。どちらも
地方財政
を
調整
するための
一つ
の
制度
で、ただその
財源
保障の点におきまして、今までの
平衡交付金
法は、形式的には非常に整つた形であるけれども、
財源
保障が足りない。そういう意味で、その
財源
保障を
一つ
の税にリンクして
調整
しよう、こういう御
趣旨
であろうと思うのでありまして、貧弱な
地方
公共
団体
の財政を
調整
するという立場においては本質的にかわ
つて
おらない、こういうようなものではなかろうかと、実は自治庁の御
説明
を伺
つて
考えたのであります。そういう意味におきまして、
改正
という方式もとり得るではなかろうかと考えているわけであります。従来
改正
という形をとります場合、全文
改正
という形と一部
改正
という形がございます。私ども今までこれはまつたく便宜的に考えてお
つたの
でありますが、従来の
法律
の内容を大
部分
形式的にもかえなくてはならない、こういう場合には、大体全文
改正
という形を
とつ
ております。しかし、かりに題名がかわりましても、その
法律
を形式的に一部いじれば済むような場合には、一部
改正
という形式を
とつ
ていることがしばしばございます。こういう形は、
政府
から御提案申し上げました
法律案
にも、あるいは議員の方からお出しになりました
法律案
にもあるのでありまして、昨年の十六国会に、これは議員提案で出ておりますが、特定中小企業の安定に関する臨時措置法の一部を
改正
する
法律案
というのが出たわけでございますが、これは、中小企業の中の特定のものについてある程度カルテルの結成を認めるという臨時措置法であつた。これが
改正
になりまして、題名が中小企業安定法という、まつたくの恒久法にかわりました。また
範囲
も相当広がつたわけであります。こういうような形で題名の
変更
を加えまして御提案に
なつ
て成立しております。また
政府
から出しました法案といたしましても、例を申し上げますと、これは一昨年でございますが公共企業体労働関係
調整
法という
法律
があつたわけでございます。これは御承知のように、いわゆる三公社と申しますが、国鉄、専売公社あるいは電電公社の労働関係を
調整
するための
法律
であつたと思いますが、これにいわゆる
政府
の五現業という特別会計の五つをこの対象に加える。これは内容から申すと相当本質的な
改正
であつたと思うのでありますが、これを加えます際にもやはり一部
改正
の形で実はや
つて
おるわけであります。題名に等という字も加えまして、新しく公共企業体等労働関係
調整
法という題名にいたしました。内容から申しますと、従来の三公社のほかに五現業を加えるという形の
改正
をいたしたわけであります。これは御承知のように、実は適用する
法律
の
規定
ははとんど同じで、ただ適用
範囲
が加わつたという形の点をとらえて、そういう一部
改正
の形で御審議を願つたものであろうと思う。大体そういう考えでございまして、本質的、根本的に
制度
がかわ
つて
しまうという場合は別といたしまして、ある程度従来の
制度
が維持されておるという場合には、必ずしも廃止
制定
にならず、
改正
という形も本質から考えていいのではないか。またその
改正
の措置をとる場合には、その
規定
のかわり方の多い少いによりまして、これは全部
改正
で行くか、あるいは一部
改正
で行くかというようなことは、実は立法技術の問題であろう、大体においてかように考えておる次第であります。
門司亮
11
○門司
委員
今法制局からの御管弁でございますが、先ほど事例に引かれました二法案は、本百質的には、実際の問題としては、そうかわ
つて
いないと私は考えております。この場合に、本質的にもう
一つ
大きくかわ
つて
おると思いますことは、表題が現在ありますものは
地方財政平衡交付金法
と書いてあります。従
つて
これは
地方
の自治体が——
法律
の内容的には積上げ方式に
なつ
ておりまするが、必ずしも
地方
の自治体の力というものがここに加わ
つて
おらない。そこに現在の国家財政の都合によ
つて
伸びも縮みもするというような危険性があるのでありまして、これは
一つ
の
交付金
制度
に
なつ
ておる。ところが今度の場合は
地方交付税法
——税という文字を使
つて
おります。税という文字を使
つて
おります以上は、
地方
の公共
団体
がある程度の課税権があるということが考えられなければならない。いわゆる国に対して当然それだけ
地方
に譲与すべきものであるという、
地方団体
の強力な
一つ
の
基礎
がここに生れておると考える。またこれがこの
法律
を
制定
した
一つ
の大きな原因であつたと考える。従
つて
本質的には
地方
の自治体に対しましては私は非常に大きな相違があると思う。今までのは
交付金
であつたから、
法律
の内容はアンバランスを埋めるということではあつたが、しかし国の財政の都合によ
つて
は、その
交付金
が多くなることもあり、あるいは少くなることもやむを得ぬではないかという解釈が一部に行われたことは事実であつたと思う。ところが今度の場合は、税と書いております以上は、
地方
の公共
団体
は明らかにこの税に対して、それだけのものはせひこちらによこさなければならないという権限が与えられておる。従
つて
案の内容の中には、
所得税
、あるいは酒の消費税であるとか、
法人税
の
一定割合
を
地方
に配付するということが明確に書かれておる。このこと自体は、全文
改正
どころでなくて、ほとんど本質的に趣を異にしていると思う。これは
地方
公共
団体
に
とつ
て非常に重大な問題だと考えておる。こういう重要な内容を持
つて
おりまする配分の
方法
であるとか、あるいは
算定
の
基礎
であるとかいうようなものについては、従来の
平衡交付金
とそうかわりのないような内容は持
つて
おりましても、
法律
自体の
性格
というものは、
地方
の公共
団体
から見て参りますると、これは非常に心強い
一つ
の大きな力を
政府
に対して持
つて
おることであ
つて
、これだけきめられたものは必ず
地方
に出さなければならないということに
なつ
ておる。そういうことから考えて参りますと、これは明らかに全然別個な
法律
であると解釈することが私は正しいと思う。またそうでなければならぬと思う。これについて今の法制局の答弁は二つの例を引かれておりますが、その例は全然違うと思う。そこで聞いておきたいと思いますことは、
交付金
でありまする場合の
性格
と、ここに税法として現われて参りましたときの
性格
の相違でございますが、これについて法制局ではどういうふうに御解釈されているのか、その点を承
つて
おきたいと思います。
林修三
12
○林
政府
委員
その点は私あるいは自治庁からお答えすべきが筋かと存ずるわけでありますが、
昭和
十五年の
改正
のときにも実は配付税という
制度
がございまして、
地方
の
財源
の
一つ
の
調整
のために税という名前の措置がとられたわけでありますが、この税という名前をおとりにな
つたの
は、やはりこれは国税の
一定
のものにリンクして、当然それだけのものを
地方
に配付するという、たとえば国税としてとる税金の一部が
地方
の
財源
になる、こういうところに主として御着目に
なつ
たものではなかろうかと思うのであります。実質的に申せばやはり
一つ
の財政
調整
の措置でございます。
地方
対国の関係で申せば、国で
とつ
た税金を
一定
基準
によ
つて
配分するという点においては、今までの
交付金
の
制度
とやはり本質的な差はないのではなかろうか。
財源
の保障の措置が違うことはおつしやる通りでございますが、配付する、あるいは交付するという点においては、本質的な差がないのじやなかろうか、さように考えておるわけであります。
門司亮
13
○門司
委員
私は今の答弁はちよつと承服しかねるのであります。なるほど配分の方式が違うだけだということならそれだけで済みますが、しかしさつきから私が申し上げておりますように、
地方
の自治体の側から考えて参りますと、
一つ
の課税権とまでは行かなくとも、明らかに課税権にひとしいものがやはり生れて来ていると思う。さつきお話のように、徴収は国税としてするが、しかしその中の
一定割合
というものは
地方
にこれを還元しなければならないということに
なつ
て参りますると、ここに明らかに、課税権は持
つて
おらないが、しかし課税権にひとしい考え方が
地方
に生れて来る。同時に、取上げられた国の
収入
というものが
地方
に義務づけられて、それだけのものがやはり配付されなければならなくなる。従来の
平衡交付金
と
性格
上違いますることは——同じようだとおつしや
つて
おりますが、私から考えて参りますと、これの違いということはどこに出て来ているかと言えば、従来の
地方財政平衡交付金
でありますならば、当初
予算
において大体交付さるべき額がきま
つて
おる。足らなければ
補正
予算
ではつきり額だけはきめておる。ところが三つの税の
一定割合
ということに
なつ
て参りますると、これは額がはつきりしていないのであります。事実上徴税してみなければわからぬのであります。額自体ははつきりしておらない。去年は一千二百五十億くらいのものでありましたが、今年もこれを当初
予算
において
計算
して参りまするならば、あるいはそれと同じような数字が出て来るかもしれない。しかし税の徴収をしてみなければ
一定割合
の数字というものがはつきり出て来ない。ここに同じような形は示しておりましても、実際の取扱いの上には相違が出て来ると私は思う。従
つて
それらの問題が
条文
の中にいろいろ書かれておりますが、
地方財政法
の中にも余裕
財源
その他等については
地方
の自治体が積み立てることができるといようなことに
なつ
ておると思うが、これは明らかに従来の
交付金
と
性格
が画然と異
なつ
ておるから、これでは財政法も修正しなければいけないような形に
なつ
て生れて来ていると思う。そうすると今の御答弁で、同じようなものであるから、税と書こうと
交付金
と書こうと同じようなことだということになると、これは少し考え方が違いはせぬか。もしそういうお考え方ならば、これははつきり
交付金
にしておいた方がまだいい。
地方
においてはどれくらい来るかわからぬ
一定
の割合というよりも、むしろはつきりした数字で出した方がいいかもしれない。同じ義務づけるなら、はつきりした
総額
で
政府
に義務づけるか、あるいは税の徴収額で義務づけるかということの二つのうちのどつちをとるかということになると、今の法制局のような御答弁なら、私はむしろ
総額
で
政府
に義務づけておいた方があるいは安心かもしれないと思う。従
つて
どうも今の御答弁だけでは私ども納得がしがたいのであります。さらに聞いておきたいと思いますることは、ここできめられた
一定割合
というものは国が必ず
地方
に配付しなければならない義務があると私は考えます。また
地方団体
はこれを要求することができると考えるのだが、そういう解釈で間違いないかどうか。
林修三
14
○林
政府
委員
この
改正
案の内容を拝見いたしますと、
交付税
の
総額
は
所得税
、
法人税
、
酒税
の百分の二十ということが一応はつきりきま
つて
おります。従いまして国としてはそういうものを
交付税
の
財源
として計上し配付すべき
建前
にた
つて
おると思います。ただこの六条の第二項で見ますと、やはりこれを一応の見込みで
交付税
というものが
予算
に計上されて、その額が出て行くということに実際は相なると思います。それで過不足があれば翌
年度
以降で
調整
するという
建前
に
なつ
ております。また六条の三の二項を見ますと、その年によ
つて
地方財源
とか国の財政、ことに
地方財政
の点において
制度
の
改正
とかいろいろの関係があれば、その率をかえるということも書いてございます。それ以外はこの率がかわらないという意味においては、もちろんその
年度
においてこれら三つの税でとりましたものは、一応
地方
に配付する
建前
でありましようが、その配付します
年度
は
予算
できま
つて
おるのであります。その
年度
が次の
年度
になるかあるいは
翌々年度
になるかは別といたしまして、こういうことに相なる
建前
に
なつ
ておると考えるわけでございます。
門司亮
15
○門司
委員
私の聞いておりますのはそういうことではありません。税とはつきり書いておりますから、
地方
の公共
団体
はこの額を請求——と言うと、少し言葉が過ぎるかもしれませんが、要求して、
地方
に配付してもらうことができる。あるいは国はそれを必ずやらなければならない。これは決算額と
予算額
との間に、国の税金の開きが相当ありますので、従
つて
当初
予算
で見積
つた額
だけでは、必ずしも決算額と同じようなものは出て来ない。そこに当初
予算
との間の伸び縮みが多少出て来る。そこで当初
予算
にはある
一定
の数字が出ておりましても、決算額において必ずそれをオーバーすると私は思う。そのオーバーした分については、これは当然
地方
の公共
団体
に配付しなければならない。私は、税とここに書いた以上は当然そうならなければならないと思います。
交付金
の場合はそうでないかもしれない。必要なだけ配付すればいいのでありますから、それ以上のものは出す必要がないと思いますが、ここに税という字を書いて、
地方
にそれだけ安心感を与えるというか、権限を与える形に
なつ
ております以上は、決算額か来たものが当然配付さるべきであると考えるが、自治庁は大蔵省に向
つて
それを要求することができるかどうかということであります。
塚田十一郎
16
○塚田国務大臣 御指摘の通りだと思います。また
法律
もそのように
なつ
ておると思いますが、ただ最初からの御疑問の点は、実は部内での審議の経過を申し上げますと、私も門司
委員
の考えと同じような考え方で、相当長い間
事務
当局との間で話合いをしたわけであります。しかし結局において私が、なるほどそういう考え方に立つならばやむを得ないかなという考え方で、まだ十分な了解点には行かなか
つたの
ですが、一応この行き方で行こうということにな
つたの
は、法制局側の意見もあ
つたの
でありますが、実は私もこの
地方財政平衡交付金法
というものをじつと読んでみておりまして、そういう感じがして来たのですが、これは題名から見ると
地方財政平衡交付金
というものの
法律
のように書いてあるわけです。ところが第一条を見ておるとそうではなくて、この第一条をごらんいただくと、
財源
の均衡化をはかるということと
財源
を供与するということ、この二つを目的にして、その手段に財政
平衡交付金
という
制度
を用いるという行き方、これがこの
法律
の
建前
なんであります。そうすると財政
平衡交付金
というものは、この
法律
の第一条が目的としておるものの手段として使われておるのであるからして、この
平衡交付金
が
交付税
というものにかわ
つて
も、この
法律
自体の大きな筋にはかわりがない。ただその用いられる手段が
平衡交付金
であるか
交付税
であるかによ
つて
、非常にかわ
つて
来ることは御指摘の通りだと思います。私も実はこの題名をかえて何べんも読み直してみたのですが、題名をかえてもなるほどこの
法律
の表現の仕方から行くと、そう大して変なところがないなというところから、私も平衡
交付税
法でいいのじやないか、かたがた大
部分
がそのまま使うという形に
なつ
ておるものでありますから、便利な点もあ
つて
、全文
改正
というところへ行かぬでもよいかもしらぬという感じにな
つたの
でありますが、御納得が行くかどうか。私がその考えでこういう判断に到達しました径路はかようなものであります。
門司亮
17
○門司
委員
同僚の質問もありますので、これ以上質問いたしません。いずれ
条文
にわた
つて
はまた
あと
で質問いたしますが、もう
一つ
大臣に伺
つて
はつきりしておきたいと思いますことは、決算額から来るいわゆる
一定割合
というものについては、自治庁は大蔵省に対してそれだけを必ず
地方
に配付できるようにされるものだというふうに、先ほどの御答弁で承つたようでありますが、その通りであるかないかということを、重ねて聞いておきたいと思います。
塚田十一郎
18
○塚田国務大臣 その通りであります。
加藤精三
19
○
加藤
(精)
委員長
代理 床次徳二君。
床次徳二
20
○床次
委員
私はこの
交付税
法の
趣旨
に関連してお尋ねしたいと思います。今度提案せられました
交付税
法は、いわゆる
所得税
、
法人税
あるいは
酒税
の
収入額
の二割が
交付税
として交付せられるのでありますが、これは
予算
上にきめられました
地方財政
計画、あるいは
地方税法
、あるいは
地方
起債というようなものの総合されたものを前提として、提案されておるのではないかと思うのです。従
つて
もしもその前提であります
地方税
、あるいは起債等の処置について相当大きな方針の変化があれば、あるいはこの
交付税
法の内部において修正を加えなければならないものとも思うのでありますが、この点大臣の御意見を伺いたいと思います。
塚田十一郎
21
○塚田国務大臣 大体の構想はその通りに
なつ
ておると思います。そしてまたその結果が、今年の
酒税
の
交付税
の率に現われておるわけであります。しかしそこのところを
基準
にしてスタートはいたしておりますが、一応こういうぐあいにきま
つて
参りました以上は、個々の
部分
は一応固定をいたして参るわけであります。もつとも非常にずれて参りますれば
調整
をしなければりませんので、他の
部分
と
調整
できる
範囲
においては、
調整
して行くことに
なつ
ておるのであります。ところで今年のこの決定の仕方によ
つて
他の
部分
に非常に大きなずれが出て来るということになると、少くとも今年の単
年度
についてはどういうように考えるか。ただ今年の情勢の変化に応じて、すぐに
交付税
の率などをかえるということになると、今年の変化が今年だけの変化であるかどうかということによ
つて
、影響するところが非常にかわ
つて
参るものですから、今年想定しておる税法、起債の変化がそのままこの
交付税
法の
基本
の
部分
にまで影響して来るかどうかは、変化をして来る部面によらなければわからない。こういう関係に
なつ
ております。
床次徳二
22
○床次
委員
大体御
趣旨
はわかりました。しからばお尋ねいたしたいと思いますが、今回の
交付税
法の附則におきましては、特例を設けておりまして、本
年度
におきましては大体百分の十九・六六、来
年度
からはこれが百分の二十というふうに
なつ
ておりまして、わずかな数字ではありますが、明
年度
の変化に対応いたしまして数字をかえておるのであります。かようなこまかい修正と申しますか、訂正を各
年度
において一々やるようでは、ただいま御答弁の税率を固定しておくという御
趣旨
には反するのではないかと思うのでありますが、この点どういう御見解でありますか。
塚田十一郎
23
○塚田国務大臣 今年のこの
法律
ができますれば、この二十という率というものは、こういうこまかい修正の
段階
においては、今後
変更
は全然あり得ないわけであります。今年だけは編成のいきさつから、こういうことに
なつ
ております。
床次徳二
24
○床次
委員
なおこの際参考として承
つて
おきたいのでありますが、今日
地方税法
につきましてはそれそぞれ当
委員会
において審議中であります。場合によりましたならば、相当の異同も生じなければならないかとも思うのでありますが、その一例としても最も著しいものをとりあえず参考に申し上げてみますと、
事業税
におきまして、
個人
の
事業税
の
算定
の場合の
基礎
控除を増率したい、
政府
の案によりましても本
年度
並びに明
年度
との間におきましては、
基礎
控除の額に一万円差をつけておるのであります。この二万円ばかりの差が、やはりただいまお話になりました十九・六六の数字の
一つ
の
基礎
でもあつただろうと思うのでありますが、当
委員会
の今日の空気におきましては、
個人
の
事業税
の
基礎
控除を明
年度
以後におきまして十万円に引上げようという、大ざつぱに申しましてこれでおよそ六十億くらいの
財源
がかわ
つて
参りますが、これだけの
財源
の異同が予想せられる場合におきまして依然として百分の二十を明
年度
以降固執するということは、
地方財政
上非常に無理なことであろうと思う。むしろこの際百分の二十を修正いたしまして、もう少し適当な数字にしておく方が、今日の財政計画あるいは将来の
交付税
に対する方針といたしましては適当であろうと思うのでありますが、この点に関して大臣の御意見を伺いたい。
塚田十一郎
25
○塚田国務大臣 国会側にいろいろ修正の御意見があるということを伺
つて
、当初考えました構想と大分いろいろな点でかわ
つて
参りましたので、弱
つて
おるのでありますが、ただ今お尋ねのような考え方からは、すぐに百分の二十という率をかえるというようには実は参らないと思うのでありまして、私どもとしましては、あの
部分
は一応あそこで固定しておきまして、むしろそういう御修正がありますならば、他の
部分
で彼此相殺して、大きな増減の生じないように操作をして行きたいという考え方を強く持
つて
おるものであります。
床次徳二
26
○床次
委員
明
年度
のことでありますので、これはなかなか困難ではありますが、もしも明
年度
から相当の
財源
が所要であるということが明らかになりますならば、本
年度
のうちにおきましてその対策を講じておくのが適当であろうと考えるのでありまして、大臣は、他の方にも適当なものがあるだろう、その方で
調整
することができるかもしれないというお話でありますが、一例を申し上げますと、タバコ消費税を増徴いたしまして
財源
を確保するという
方法
もあるのであります。その
方法
もよいと思うのでありますが、あるいはタバコ消費税の増率、あるいは
平衡交付金
の増率と申しますか、この率の修正、まあこのいずれかによるのが一番よいのじやないか。六十億ぐらいを節約でも
つて
補填することは、今の
財政需要
の状況から見ますと、困難ではないかというように予想されるのであります。この点、予想の話でありますが、どちらに持
つて
行く方が当局として
事務
的に都合がいいか、御意見が承れれば承りたい。
後藤博
27
○後藤
政府
委員
本
年度
の問題と来
年度
の問題と二つあると思います。本
年度
の場合に非常に大きな穴があきますと、やはり本
年度
の率の問題ということに相なると思います。来
年度
から平
年度
の
計算
をいたします際には、現行税制を
基礎
にした場合の平
年度
計算
でありまして、その場合には
自然増収
を考えておりません。従
つて
自然増収
がどの程度あるかという問題もからんで参りますので、今ここでにわかにどういうようになるのかというふうにおつしやいましても、すぐには結論が出ないのじやないか、かように考えております。
床次徳二
28
○床次
委員
ただいまの問題は、来
年度
の問題であり、将来の仮定の問題でありますから、この程度にしておきますが、この点はしかし当局もよくお考えおきをいただきたい。いずれもう少し具体的に承らなければならぬ場合もあり得るということを留保して先に進みたいと思います。 次の問題は
補正係数
の問題であります。当初
平衡交付金
制度
が実施せられる場合、当
委員会
におきまして私は当局にお尋ねいたしたのでありますが、たとえば寒冷地の問題あるいは積雪度というものが
補正係数
の四号のうちに入
つて
おるのでありますが、これと相並んで、災害、台風というようなものも考慮し得るのではないかということをお尋ねしたのであります。但しその当時災害、台風等に関しましては十分な資料がなか
つたの
でありましてこれは特別
平衡交付金
等において考慮すべきことであろうというところで、今日に至
つて
おつたと思うのであります。しかしその後経済審議庁その他において調査を進めていただきますと、この災害、台風というものの頻度、被害等に関しましては、相当恒久的な
係数
が出ておる。私伺いましたところによりますと、やはりかなりの
部分
までこの
係数
を加味して考慮することが必要である。しかもそれが実際
地方団体
の財政に影響するところが、相当大きいということが明らかに
なつ
ておりまして、しかも関係
府県
等を見て参りますと、これは一種の恒久的な
段階
がやはり見得ると思
つて
おるのであります。自治庁当局も当然この調査というものを御存じに
なつ
ておることと思うのでありますが、今回の
改正
の機会におきましては、このでき上りました調査は、完全ではないかもしれませんが、大体の
係数
が出ておるものにつきまして、これを取入れることについてどういうふうにお考えに
なつ
ておるか、承りたい。
後藤博
29
○後藤
政府
委員
台風が常に来襲いたしまする地帯の
行政
経費
が増高いたしますことはお話の通りであります。私どもといたしましても現在
特別交付金
で措置いたしておるのでありますが、しかしそれを恒久的な
制度
として
補正係数
に入れることは、研究はいたしておりますが、ただ問題は地域をどういうふうに決定いたしますか、それから割高となる
経費
をどういうふうに見るか、こういうところに問題がございまするので、現在のところは一応将来の研究問題として考えておりまして、今度の
補正係数
の中に入れておりません。十分に今後も研究いたしました上で、
補正係数
の
補正事由
としてあげて行きたい、かように考えておる次第であります。
床次徳二
30
○床次
委員
ただいま御答弁をいただきましたが、かりに台風度によるところの
補正係数
とでも申しますか、これを考慮すると考慮しないとでは実は相当の影響がある。
特別交付金
等において考慮いたしましても、なかなかこれは他の
地方
にも影響を与えることでありまして、むしろこの本則の中において考慮すべきものではないかと私どもは考えておるのでありまして、すでに経済審議庁において相当の時日を費しまして大体の結論が出ておりますので、こういう機会にこれをすみやかに採用せられてしかるべきものと私は思
つて
おるのであります。この点に関しましては、適当な機会に、経済審議庁の係官から、その調査いたしました所見を
委員会
において明らかにしていただきたい。同時に、
政府
当局におきましても当然御承知のことだと思うのでありまして、これを御採用になることについて研究をしていただきたい。私の意見から申しますならば、寒冷積雪度等において
係数
が処理せられ、しかも同時に、この寒冷地あるいは特殊な地帯に対しましては、相当特別な
予算
が考慮せられておるのであります。そういうことと比較
検討
してみますと、かなり事実上において不公平ができておるのではないかということがかりに見られますので、せつかくの
政府
の調査でありますので、この
政府
調査をひ
とつ
活用していただくことを、特にこの機会にお願いをしておく次第であります。 それから第三点としてお尋ねいたしたいのは、これは先ほど
課長
からも御
説明
がありましたが、附則におけるところの奄美大島の特例であります。この特例の取扱い方について、あるいは重複してお尋ねすることになるかもしれませんが、もう一回お聞きしたい。一応
平衡交付金
等の
計算
によりまして
交付税
を与えておる、しかもそれぞれ特例法によ
つて
補助金その他を特別に増率する、かように解釈してよろしいのでありましようか。この取扱い特例は
政令
をも
つて
定めるというように
なつ
ておりますが、その取扱いをもう一回重ねて御
説明
をいただきたいと思います。
柴田護
31
○
柴田説明員
先ほどの台風
係数
のことで、ちよつと補足でございますが御
説明
申し上げておきます。今回法案を
制定
いたしますときに、経審の方々とも実は相談したのでありますが、その際、実は私の方からも御依頼をしておきまして、経審で作業を進めてもら
つて
お
つたの
であります。そうして、出て参りました資料を拝見いたしまして、お互いに意見を交換したのでありますが、結局のところ、台風の進路が実は最近非常に移動しております。そこで、台風の地域というものをどういうぐあいにとるかということにつきまして、台風
係数
ならば台風
係数
というものは理論的には成立ち得るのでありますが、現実の
係数
として見ました場合には、なお精査
検討
する必要がある。この際ずいぶん考えたのでありますが、やはり現在の
段階
では無理じやないか、なおもう少し精緻に研究する必要があるということで、割愛せざるを得なかつたというのが実情でございます。 それから奄美大島の問題でございますが、奄美大島につきましては、実は
交付税
を
算定
いたしまする
基礎
になります
係数
がわからないのであります。道路の面積にいたしましても、河川の延長にいたしましても、何もわからない。現在調査の
段階
に
なつ
ている。古い帳簿はございますけれども、それは何年間かの空白によ
つて
わからなく
なつ
ている。そこで、この
交付税
法をまともに適用いたしました場合におきましては、奄美大島に関する
部分
につきましては、県分につきましても、また市町村分につきましても正確な
計算
が出て来ない。県分につきましては全然
係数
が現われて来ないことになります。それで国の
予算
におきましては奄美群島善後処理費といたしまして、一括して二十億きま
つて
おります。それから自治庁所管のものに移すわけでございますが、
交付税
は特別会計に
なつ
ております。一般会計に含まれました善後処理費から直接、特別会計である
交付税
交付金
の方へ移しかえ得ないのであります。そこで一般の
交付金
の
計算
は
交付税
法に従いまして
計算
いたしまして、特別会計から出す。奄美群島にかかります
部分
だけは、善後処理費から、一般会計の自治庁所管に移しかえた
交付金
の科目から別に
算定
して出す、つまり二十八
年度
特別交付税
でや
つて
おりましたのを、そのまま二十九
年度
も踏襲するということでございます。その
方法
といたしまして、
交付税
法をきめてしまいますと、その間の
調節
がとれなくなりますので特例を設けた、こういう考え方であります。
床次徳二
32
○床次
委員
そうしますと、本年に関する限りは
交付税
の特別会計からは奄美大島には出さずに、特別費目の設定してありまする方面から出すということに了解していいわけですね。そうするとここに
一つ
十九億でありますが、特別振興費がありますが、その中に
交付税
に関する限りのものは、一応
計算
は見込んであるのだというふうに解釈していいかという点でありますが、ただこの点につきましてははたしてその程度の
予算
で、適当な振興計画が成り立つかどうかということについては相当な疑問があつたと思うのでございまして、
事務
当局におきましては、この点あるいは数字が少いという感じを持
つて
おられたのではないかと思いますが、これが
予算
の査定を経ておるのであります。
平衡交付金
でありますと特別な査定を受けるということがなくて、
一定
額だけは保証せられるのでありますが、たまたま特別な
経費
で項目が別に
なつ
ておつたばかりに特別な査定を受ける。
平衡交付金
以外のその他の振興費というものが相当はなはだしい影響を受けておるのではないかということも、地元では非常に心配しておるようでありまして、かかる特別なる
予算
の削減と申しますか、節約
予算
の影響を受けておるかおらぬかということについてお尋ねするわけであります。
柴田護
33
○
柴田説明員
少し誤解がおありのようでありますが、奄美群島善後処理費としての二十億の中には、お尋ねの振興費関係のものも
交付金
計画に関するものもぶち込みに
なつ
ております。それから振興費につきましては、おつしやるようなこまかい査定が行われておりますが、
交付税
関係につきましてはかような査定は行われておりません。現在のこの
法律
によります
交付税
の
算定方法
に準ずる
方法
によ
つて
、
算定方法
をきめまして、それに従いまして
算定
するわけであります。
床次徳二
34
○床次
委員
今の御
説明
によりますと、大体
交付税
額というものがきま
つて
おれば、そういうことが一応言える。しかし
交付税
額が確定しておらないときは幾ら入
つて
おるかということが、なかなか明瞭でないのじやないかと思うのでございますが、大体この点内訳として
交付税
額は予想しておられる、その予想された額が前提と
なつ
て、振興費というものが出ておるかという点を伺いたい。
柴田護
35
○
柴田説明員
昭和
二十八
年度
におきまして
地方財政平衡交付金
として、
普通交付金
系統のものと
特別交付金
系統のものと合せまして、確か四億ばかりだつたと思います。その中から
特別交付金
系統のものを除きまして、奄美群島の日本に復帰するために要しました特殊の
財政需要
、それを落しまして、普通
特別交付金
系統のものは、大体平
年度化
いたしますと、十億に満たない額じやないかと思うのでございます。その辺に復帰後第二年目に要します必要な特別
財政需要
額というものを
計算
いたしまして含んでおることになるわけであります。大体その額の細目につきましてはまだ大蔵当局と折衝中でありますが、二十億の奄美群島善後処理費でや
つて
行けるのじやないかと思います。
床次徳二
36
○床次
委員
一応これで質疑を打切りますが、適当なときに経済審議庁の調査しました結果につきまして、
政府
から伺いたいと思います。このことを申し添えておきます。
加藤精三
37
○
加藤
(精)
委員長
代理 北山
愛郎
君。
北山愛郎
38
○北山
委員
私は当面の問題についてお尋ねしたいと思うのですが、実は先週の金曜日でありましたが、当
委員会
の
地方税
小
委員会
におきまして
政府
の方から
年度
の当初における
地方財政
の運転資金がこの四月の初めに困る。そこで
地方財政交付金
の
法律
の成立を待
つて
お
つて
は時間がおそくなるから、暫定的に臨時的な立法によ
つて
地方交付税
交付金
の概算交付をするようにしたいと思うがというようなお話がありまして小
委員会
では皆さんが了承をされたわけであります。ところがその後そういうふうな立法は、技術的になかなかむずかしいというようなお話があつたわけでありますが、それがどういう点でむずかしいのであるか。何でも大蔵省の方で反対されたということでありますが、その間の経緯をこの際お話し願いたいのであります。
後藤博
39
○後藤
政府
委員
概算交付の
法律
の問題でありますが、御存じの通りまだ特別会計ができておりません。従
つて
概算交付をいたしますと、現在の
予算
科目では特別会計の繰入金に
なつ
ておりますので、特別会計を新しくつくらなければなりません。新しい特別会計をつく
つて
、そこに一般会計から入れて交付する、こういうことになるのであります。これは
交付金
の時代でありますと、特別会計
制度
がなか
つたの
で非常に簡単な
法律
で行くのでありますが、特別会計
制度
というものをつくるような
建前
に
なつ
ておりますので、その特別会計の
法律
が通らぬ限りは別の特別会計をつくる必要がある、そういうことで技術的に非常にむずかしい
法律
になるのであります。そういうむずかしい
法律
をつくるよりも、
交付税
を早く議決してもらう方がいいではないか、こういう意見が一方ではございます。その点で
政府
の間で意見がまだまとま
つて
ないのでありますが、われわれはできるだけ早く概算交付ができるような方向に持
つて
行きたい、かように考えて努力しておる次第であります。
北山愛郎
40
○北山
委員
今の点はこの前の小
委員会
でも、さようなお話があ
つたの
でありますから、自治庁としては
法律
的にはこれは可能であるという見方でおやりに
なつ
たと思うのでありまして、私どもも非常に異例な
法律
ではあるけれども、あるいはできないこともなかろうと思うのですが、大蔵省の反対があつたというふうにも聞いておりますので、この際この点についての大蔵省側の御意見を承
つて
おきたい。
鳩山威一郎
41
○鳩山
説明
員 ただいま後藤財政部長から御答弁申し上げましたように、特別会計法を至急に設置いたしませんと金が
予算
上出ない、これは項を動かすことになりますと、
予算
を
補正
することが必要に
なつ
て参るのであります。応急措置として特別会計を設置するということにつきましては、大蔵省としては前例のないことでありますし、そういうことであれば現在御提出してございます特別会計法を、至急あげていただく方が筋ではないか、こう考えております。なお今後いろいろなほかの条件によ
つて
いろいろかわ
つて
来るという面が当然考えられますが、そういつた面は
あと
でこちらの方を
改正
して、その最終的にきまつたところに合わすというようなことが可能ではないかというようなことで考えておる次第でございます。なお大蔵省といたしましても、
地方団体
が
年度
当初非常にお困りになるということは非常に心配いたしておるのであります。これについてこういう場面になりますと、金融的な措置を何とか講ずるというようなことを、まずやらなければいけないのじやないかというように考えておる次第であります。
北山愛郎
42
○北山
委員
ただいまの災例な立法措置でありますから、それなどにつきましても、やはりなお御研究を願いたいと思うのであります。私どももこの
交付税
法を、なるべくすみやかに審議をする
建前
からきようや
つて
おるわけであります。しかし何しろ
地方税法
との関連もありまして、いろいろ難航しておるわけでございますから、それらの点についても遺漏のないような立法的な準備というものを、並行してお進めを願いたいということを要望しておきます。 さらにそれ以外の
年度
当初における
地方財政
に対する臨時的な運転資金の知期融資の問題、この例は今まででも
年度
の初めにはあつたわけでありますが、本年は特に
地方
の金融が引締ま
つて
おるようないろいろな関係があ
つて
、
地方財政
としては
年度
初めは特に苦しいときではなかろうか、かように考えるわけでありますが、これに対する矩期融資についての具体的な準備等がどの程度に進んでおるか、またどの程度に運転資金の融資ができるか。要するに
平衡交付金
等が入つた場合に返還するその間のつなぎとしての短期融資、これをどの程度にお考えに
なつ
ておるか、できるだけ具体的に御
説明
を願いたいと思います。
後藤博
43
○後藤
政府
委員
年度
当初の一時融資の問題でありますが、昨年までは大体三百億程度の繰越金がございましたので、その中で短期融資をいたしまして、大体や
つて
来たのでありますが、本年は御承知の通り国の資金運用部資金、簡保資金等の繰越しが百億ちよつとばかりしかございませんので、実は昨年からその心配をしておるのであります。百億くらいでありますと、非常に不便なところが出て来る可能性もありますし、御存じのような金融の引締めでありますので、私どもといたしましては大蔵省と協議いたしまして、その点遺憾のないようにお願いしたいということはたびたび申しております。現在のところでは、この八日ごろに今月の俸給が出るわけでありますが、俸給が出ますし、一回のところは二十日でございますが、二回のところはさらに二十二、三日ごろ出る、こういうことに相
なつ
ておりまして、できれば第一回の八日に間に合うように
交付税
法をあげていただきたか
つたの
でありますが、これがいろいろな関係で遅れておりますので、次の機会にはどうしてもあげていただいて、そうして現在の短期融資と合せて処理していたたくようにしていただきたい、かように考えております。大蔵省との間ではいろいろ協議いたしまして、これは毎年のことでありますので、私ども別に通牒を出しておりません。大蔵省の資金の還流の状況を見てそうしていろいろ財務局方面に手当をしていただくようにお願いしておる次第であります。
北山愛郎
44
○北山
委員
その短期融資の金額につきましては、一説によるとあるいは百五十億ぐらいになり得るかもしれぬ、現在ではお話のように百億ぐらいしかないが、今後の還流状況を見れば百五十億くらいになるかしれぬというような見通しを開いておるのでありますが、大体今のところではどの程度になるかということ、それから単に資金運用部資金等の金繰りという問題だけでなしに、
地方財政
に対する
政府
の
一つ
の考え方というものが、その根底にあるのではないかというふうに推測されるのであります。と申しますのは最近
地方
の銀行等から
地方団体
が金を借りるというようなこと、それが
地方
の金融の引締めにまた
一つ
の影響を与えておるのでありますから、そこで日本銀行においては
地方団体
が
地方
の市中銀行等から金を借りるということを好まない、何でも自治庁あるいは大蔵省等に申入れをしたというような話も伝わ
つて
おるわけであります。そういう日銀あるいは銀行、金融
団体
等の意向が政策に反映して、そうして
地方
公共
団体
が
年度
の初めにおいて、相当に金繰りが苦しい、台所が苦しいにもかかわらず、
地方団体
にはなるべく金を使わせないようにしようというような気持から、積極的に短期融資の問題を考えてくれないのじやないか。これは邪推かもしれませんが、そういうふうにも考えられる。そこでそういうことがあるかないか、その点も塚田長官あるいは大蔵省の方からもお伺いしたいと思うのですが、以上の二点をお伺いいたします。
後藤博
45
○後藤
政府
委員
第一点の繰越金の額でありますが、これは私はつきりしたことを記憶していないのでありますが、百二、三十億になると私どもは思
つて
おります。百五十億ぐらいになるかもしれませんが、最近の状況を私聞いておりませんので、その点百二、三十億、こういうふうに私は考えております。 それから第二点でありますが、日本銀行が引締めておることは事実であります。しかしこれにはいろいろ事情がありましてこの間
地方
の市中銀行の大会がありまして、私参りましていろいろお願いもいたして来たのでありますが、その際いろいろ御質問もありましたが、
地方
銀行の中で日本銀行からの借入れに待たない銀行と、それから高率適用まで受けておる銀行と二色あります。問題は高率適用を受けておるような銀行でありまして、特殊な地域に問題があるわけでありまして、もちろん全体的に引締めはいたしておりますが、資金の余裕のある銀行と、余裕のない銀行の差が非常にありはしないか、従
つて
われわれの方の公募債の問題も、それから一時融資の問題につきましても、同じような
基準
で判断されては困るということを申し上げたのであります。それから
地方団体
側の
地方財政
需要の問題もからんで参ります。しかし私どもは、二十八年の公募債は、二百三十五億もありまして非常に厖大な公募債でありますので、この消化を非常に憂えてお
つたの
であります。しかし実際問題として三月の終りまでに公募債というものが案外返
つて
来ないのであります。引受けができなかつたという額は非常に少く
なつ
ております。これは
地方
銀行が逆に借り入れたものを日本銀行に持ち込みまして、そうして日本銀行と
地方
銀行との間の問題として、それが大蔵省の方にいろいろ話が出おるということに
なつ
ておるのであります。しかし私ども日銀にも参りまして、いろいろ公募債の消化につきましてはお願いもいたしておりますが、因る困るとはおつしやいますけれども、しかし別に正式なものとして何の意見も聞いていないのであります。私どもは、
地方団体
側も困るのだから、ぜひ引受けてもらいたいという一本やりで、現在お願いいたしておるのであります。
加藤精三
46
○
加藤
(精)
委員長
代理 北山
委員
に申し上げますが、非常に重要なことで、目下
地方団体
の資金の逼迫の事情にかんがみまして、適切な御質問と御応答でありますが、何しろ両
法律案
の成立を相当急がなければならぬ関係がございましてできれば二つの
法律案
の内容について御質疑あらんことを希望いたします。
北山愛郎
47
○北山
委員
今のをもう少し、百三、四十億というのは、もしできればまるまるこの短期融資の方にまわすというお考えであるか。ただそれだけ出て来るのだ、日銀にも頼んでおるのだというようなことでなくてできるだけかき集めてこれくらいの分は貸せる、できたら貸すんだというような方針であるか。どうも非常に抽象的ではつきりしないのです。
後藤博
48
○後藤
政府
委員
四月初めの一時融資は、大体
地方団体
が大
部分
であります。従
つて
大
部分
のものが
地方団体
に私どもはまわるものと考えております。またそういうお願いをいたしております。
加藤精三
49
○
加藤
(精)
委員長
代理
石村英雄
君。
石村英雄
50
○
石村
委員
ちよつとさつきの門司さんの質問に関連いたしまして、法制局の方にお尋ねいたしますが、今度の
平衡交付金
が
交付税
法というようにかわつたり、あるいは入場税が
入場譲与税
というように税という言葉が使
つて
あるのですが、これはわれわれの常識からいうと、税金というものは国民が国あるいは
地方団体
に義務的に納める金というのが常識だと思うのですが、こういうように税という言葉をお使いに
なつ
たことから、
法律
的にどういう差があるかということです。
交付金
あるいは譲与金とするのと、
入場譲与税
ということにし、あるいは
交付税
とする、そこに
法律
的な効果の差がどうあるか、お教え願いたいのです。
林修三
51
○林
政府
委員
これは御承知のように
昭和
十五年の中央
地方
を通ずる税制
改正
の場合に、配付税と還付税というものが実はできておつたわけです。今度の
交付税
あるいは譲与税も、そのときの税という言葉をお使いに
なつ
たお考えに、大体近く
なつ
ておるのではなかろうかと考えるのでありますが、これはもちろんいわゆる普通の国税なり
地方税
のように、国なり
地方
公共
団体
が、一般の国民なり住民に対してかける普通の税とは、どうも性質が大分違うのですが、しかしやはり実は
地方
公共
団体
の独立の
財源
であるという
趣旨
を強調するという御
趣旨
から、
独立財源
というものは、やはり税という名前をつけるのが至当であるという御
趣旨
ではないかと思うのであります。もう
一つ
は先ほどちよつとお答えいたしましたが、国税の
一定
のものについて
一定
の割合でリンクする。従
つて
国全体として考えれば、一応国税として
とつ
たものの一部を
地方
にわける、そういう意味で税という名前がついているのであります。この税という名前がついたから、ただちにこれが普通の国税なり、
地方税
と同じ
性格
になるというものではないと存ずるわけでございます。これはやはり具体的な
法律
の内容に従
つて
、その
性格
は判断されるものと思うわけでございます。結局申しますれば、大体その気持と申しますか、そのニユアンス、こういうところに現われているのではなかろうか、こう考えているわけであります。
加藤精三
52
○
加藤
(精)
委員長
代理 床次
委員
に申し上げますが、経済審議庁から総合開発第二
課長
の奥田
説明
員が参
つて
おりますが、先ほどの……。
床次徳二
53
○床次
委員
簡単にお願いします。
奥田亨
54
○奥田
説明
員 台風度の御
説明
を申し上げます。経緯を申し上げますと、御承知のように特殊土壌の開発保全を考えます
法律
が通
つて
おりまして、その
法律
にかんがみまして特殊土壌対策審議会というのが設けられておるわけですが、この審議会におきまして
平衡交付金
の
算定
をする場合に、特別の
補正
を行
つて
もらいたい。
地方
債の発行額を増してもらいたい。補助事業の補助率を引上げてもらいたい。その他の
方法
につきましては審議会決定ということに
なつ
ておるわけでありますが、その第一項の
平衡交付金
の
算定
に際して、特別の
補正
を行
つて
もらいたいというものを考えます場合の
一つ
の資料といたしまして、中央気象台が作業をし、資料として審議庁の方に送
つて
参
つたの
が、台風度というものでございます。これは審議会の決定ということに
なつ
ておりまして、内容をかいつまんで申し上げますと、大正十五年から
昭和
二十七年までの間に来襲いたしました台風の回数、それからその強度というものを組み合せまして、それがどのような形に分布されておるかというのを指数化して現わしたものであります。内容は印刷物がなくなりまして、お
手元
にお届けするわけには参りませんが、後日でき次第お上げするようにいたしたいと思いますが、かいつまんで申し上げますと、鹿児島、宮崎、高知といつたようなところに来襲の頻度、強度が高い数字が出ておる。だんだん東進し、北進するに従いまして低く
なつ
ておりまして、北海道が一番低く、さらに太平洋と大西洋岸とをわけてみますと、太平洋岸の方が日本海岸に比較いたしまして高い数学を示しておるというような結果に
なつ
ておるのであります。先ほど申し上げましたように、この資料というのは特殊土壌審議会で決定に
なつ
たものでありますが、これをいかように使うかというような点につきましては問題に触れておりませんし、さらに若干の点につきまして補足の資料の整備が必要なところもあるというのが現状であります。ごく簡単でありますが……。
床次徳二
55
○床次
委員
今
説明
員から報告を聞いたのでありますが、できるだけその結論を整備いたしまして、これが
平衡交付金
の配付、
補正係数
等に役立つように研究を続けてもらいたい、なお関係当局に十分打合せられんことを要望いたしまして質問を打切ります。
加藤精三
56
○
加藤
(精)
委員長
代理 他に御質疑はございませんか。なければ散会後ただちに
理事
会を開きますから御参集を願います。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十九分散会