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1954-03-31 第19回国会 衆議院 地方行政委員会 第37号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月三十一日(水曜日)     午前十一時三十四分開議  出席委員    委員長 中井 一夫君    理事 加藤 精三君 理事 佐藤 親弘君    理事 灘尾 弘吉君 理事 吉田 重延君    理事 鈴木 幹雄君 理事 西村 力弥君    理事 門司  亮君       生田 宏一君    尾関 義一君       山本 友一君    川崎 秀二君       床次 徳二君    阿部 五郎君       石村 英雄君    北山 愛郎君       伊瀬幸太郎君    大石ヨシエ君       大矢 省三君    中井徳次郎君       松永  東君  出席国務大臣         国 務 大 臣 犬養  健君         国 務 大 臣 塚田十一郎君  出席政府委員         国家地方警察本         部長官     斎藤  昇君         国家地方警察本         部警視長         (総務部長)  柴田 達夫君         国家地方警察本         部警視長         (刑事部長)  中川 董治君         自治庁次長   鈴木 俊一君         総理府事務官         (自治庁行政部         長)      小林與三次君  委員外出席者         専  門  員 有松  昇君         専  門  員 長橋 茂男君     ————————————— 三月三十日  委員生田宏一君及び木村武雄君辞任につき、そ  の補欠として八木一郎君及び津雲國利君が議長  の指名委員選任された。 同月三十一日  委員津雲國利君、八木一郎君及び藤田義光君辞  任につき、その補欠として木村武雄君、生田宏  一君及び川崎秀二君が議長指名委員選任  された。 同日  理事藤田義光君の補欠として鈴木幹雄君が理事  に当選した。     ————————————— 三月三十日  地方公務員法の一部を改正する法律案内閣提  出第一三〇号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事補欠選任  質屋営業法の一部を改正する法律案内閣提出  第一〇〇号)  地方公務員法の一部を改正する法律案内閣提  出第一三〇号)  町村合併促進に関する件     —————————————
  2. 中井一夫

    中井委員長 これより会議を開きます。  まず去る十三日本委員会に付託されました質屋営業法の一部を改正する法律案議題とし、政府より提案理由説明を聴取いたします。犬養国務大臣
  3. 犬養健

    犬養国務大臣 今回提出いたしました質屋営業法の一部を改正する法律案提出理由及びその内容について御説明いたします。  今回出資受入預り金及び金利等取締に関する法律案を別途提出したのでありますがその第五条において、金銭貸付利息日歩三十銭を越えるものについて罰則を定めたのであります。しかしながら、質屋利息は純利のほかに質物保管料質受手数料等を含んでおりまして、一般の金利と異なる性質を持つております上に、質屋法律によつて各種の防犯上の義務その他特別の義務を課せられており、社会経済上の必要から古来の商慣習として月暦による利息計算方法を広く採用しておりまして、出資受入預り金及び金利等取締に関する法律案日歩計算方式を、刑罰法規適用において全面的に採用いたしますことは不適当であると考えられますので、ここに質屋常業の実態に即するよう特例措置を講ずることとしたのであります。  この法律案の要点は、質屋利息計算方法につきましては、質屋の長年の商慣苦でありますところの暦による月の初めから末日までを一期とする月利計算方法、即ち入質から出質までの期間同一暦月内であるときは一期、二以上の暦月にわたるときはそのわたる月の数を期の数として計算する方法高金利処罰規定適用の場合の最高限度計算方法として認めることといたし、利率につきましては、一期について出資受入預り金及び金利等取締に関する法律案に定める日歩の三十日分を越えないこととしたのであります。  以上が、この法律案提出理由及びその内容概要であります。何とぞ御審議のほどをお願い申し上げます。     —————————————
  4. 中井一夫

    中井委員長 次に昨日付託されました地方公務員法の一部を改正する法律案議題といたします。まず政府よりその提案理由説明を聴取いたします。塚田国務大臣
  5. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 ただいま本委員会に付託されました地方公務員法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  ごのたびの改正は、目下本院で御審議中の国家公務員法及び行政磯関職員定員法改正に照応して、二、三の点について、いわば技術的な改正を加えようとするものであります。  第一には国家公務員法改正に照応するものでありまして、その一は、現在、職員採用又は昇任は、すべて条件付とされているのでありますが、昇任について条件付とすることは実情に沿わないものがありますので、採用の場合のみ条件付とすることに改めたいと存じます。その二は、職員が、その意に反して不利益な処分を受けたと思つたときは、任命権者に対し処分の事由を記載した説明書交付を請求するかとができるのでありますが、説明書交付を請求することができる期間については別段の制限かありませんので、これを改め、処分を受けた日から十五日以内に請求することかできるものといたしたいのであります。  第二は、行政機関職員定員法改正に伴うものでありまして、国家公務員につきましては、今回の人員整理に際して、臨時待命制度採用することを予定しておりますので、地方公務員につきましても、地方公共団体において、人員整理を行おうとする場合においては、同様の方法により得る道を開くことか適当と考えられ、条例で定めるところにより、国家公務員の例に準じて臨時待命制度実施することができることといたしたいのであります。  何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。     —————————————
  6. 中井一夫

    中井委員長 次には理事会申合せによりまして、昨日に引続き町村合併促進に関する問題について調査を進めることといたします。質疑の通告がありますので順次これを許します。中井徳次郎君。
  7. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 昨日に引続きまして町村合併の問題について二、三お尋ねをいたしたいと思うのであります。本日はちようど三月の末日でありまして、きよう全国地方で新しい市がたくさんできるように聞いておりますが、実際の状況を拝見いたしますると、大分どうも窮乏をしたような傾向かありまして、この間から政府当局からもこの点の御答弁もありましたけれども、この点につきまして二、三伺つてみたいと思います。  私ども先国会において町村合併促進法をつくりましたときに、もうこういう情勢であるならば、町村合併よりも全国自治体の最低の單位を郡と市にしてしまつたらどうかというふうな意見も実はあつたのであります。その当時におきましては、そこまではまだ考えておらぬとか、あるいはそれは少し大き過ぎるというようなことでありましたが、現実にはやはり私どもの見通しに近いような傾向がどんどん現れれて来ておるように思うのであります。この間からできる町や村を調べてみますと、人口の面よりも面積などの面におきまして、非常にどうも大きな市が誕生しておるように思うのでありますが、面積について、日本において——これは各地方によつて違うと思いますが、たとえば北海道東北、関東、関西、九州などにおきまして、おのおの事情はあると思いますが、新しくできましたものを含めまして、最も大きな市や村などについて少し例をあげて、北海道においてはどうだ、東北においてはどうだと、十箇所ばかり各地方について御説明が願いたいと思うのであります。     〔委員長退席灘尾委員長代理着席
  8. 小林與三次

    小林(與)政府委員 お尋ねの点でありますが、実は新しくできました市につきましては、お配りいたしておきましたように資料がまとまつておりまして、それぞれの市の面積が書いてあるのでございますが、この市とともに町村自体合併もずいぶん進んでおるのであります。それにつきましては今資料整理中でございまして、実際できました町村のそうした調べができましたら、さつそく報告申し上げたいと思うのであります。市の分は、「市制施行に関する調」として昨日お配り申し上げましたのをごらん願えば大体おわかり願えると思いますが、都道府県と市とそれから人口並びに連檐状況面積施行年月日を一応書いて差上げてございます。北海道は市としては、まだ芦別のほかはできておりませんが、この芦別をごらん願いましても、単独の市政でございましたが、面積八百七十二平方キロ、これは北海道でありますから、スケールかまつた内地と違いまして、市街地はまとまつておりますけれども、その他の区画はきわめて厖大面積を占めておるのであります。それ以外の内地におきましては、地方によつて広狭さまざまありまして、たとえばごらんの通り岩手県に三市ができましたが、その三市も市によつて違いまして、水沢市のごときは大体まとまつておりまして九十四平方キロのもので、それほどのものでありませんが、北上市は百三十九平方キロ、花巻市は三百二十五平方キロ、この花巻市も背後地山間部の村が相当入つておりますので、そういうところの面積がきわめてふえておるのであります。しかし実際人間の集まつておる地域というものはそれほどでないのでありまして、大体この面積で問題になるのは、こうした山間部の人の住んでおらない村か、たまたあ行政区画に入つてつた場合に、えらく面積がふえておる、こういうのが現状でございます。それでありますから今私の方でもさつそく整理いたしまして、新市の面積段階別調べをつくつておりますから、それかできましたならばさつそく報告を申し上げたいと思うのであります。全部が全部大いわけでもありませんので、たとえば福島のごとき例をとりますと、常盤市とか原町市などは四十一ないし七十七平方キロでありますから、面積としてそれほど大きいものとは考えられないのであります。百平方キロふえておる市がかなりありますが、平坦地の市はそれほどでもない、こういうふうに存じておるのでございます。
  9. 伊瀬幸太郎

    伊瀬委員 きのう配付されました町村合併促進状況、あれは合併できた市町村のものですが、私はできない市町村のことが聞きたいですが、たとえば奈良県ですが、本年の一月一日に郡山町を中心としてほか四箇町村合併で大和郡山市の誕生を見た。ところかその隣接に片桐町というのがあるのです、これはどれから判断しても当然今回郡山市と合併しなければならないところなんです。同時にまた地方でも町民は合併を熱望しておるのです。ところがその合併する郡山町を中心とする市がそれを受入れない。なぜ受入れられないかということを私はいろいろ調査しますと、かつてその町において水平運動が盛んであつたというような歴史を持つたところなんで、そういう少数部落のあるようなところとは合併はしたくないということで、今度郡山市に合併されなかつた一つのき大な理由だと思うのです。同時に私もそれに関して県なり地方事務所へいろいろ聞いてみたのですが、県なり地方事務所もそれは極力合併すべきであると勧めたか、受入れられない、こういうような事実があるのです。その他においても県下に相当いわゆる賤視差別が今なお残つてつて町村合併が進められない、こういうような現実でございます。こういうようなことを他府県の方に聞かすと、まことにはずかしい話なんですが、現実にそういうものが残つておるのです。こういうようなことは他府県にあるかないか、またもしありとするならば、こういう問題をどういうふうにスムーズに合併に持つて行けるかということを、ひとつ真剣に考えていただきたいと思うのです。そういう事実が他にもあるかないか、そういうことをひとつ聞かしていただきたいと思います。
  10. 小林與三次

    小林(與)政府委員 今お尋ねのお配りいたしました資料は、実は今まで完了したもの、四月一日で完了する見込みのものだけを集めてお配りいたしたのでございます。そこで今お尋ねの問題で、いろいろの地理的、経済的その他の情勢から考えて、客観的に見れば当然入つた方がいいと言われる行政区画でも、話がただちに進まないというところは、私は現在の段階におきましては、全国的にかなりあると思うのであります。われわれはやはり町村合併は、それぞれの当事者が納得が行つて事が進む方がよいと思つておりまして、何も四月一日を限度とするわけでもありません。これから一、二年の間に、促進法有効期間内に話が円満に進むことを期待しております。そこで今のお話のように、今までの段階では、それぞれの団体が個別的に話合いを進めて、事をきめて来た状況大半でありまして、県主体としての総合的な計画を基礎にして、事を運んでおるという例はむしろ少いのであります。これはわれわれといたしましても、いつも意を用いておるところでありまして、合併は全体の町村が合体として均衡のとれるように町編成されるということが根本でありますので、県が全体的な立場から合併計画というものをつくつて、それに基いて事を運ぶ、その前提である合併計画をすみやかにつくつていただきたいというのが、われわれの希望でありまして、現に合併計画を正式にきめておる県もあります。その他大半の県は目下作成の段階にありまして、そういう計画がうまくでき上りましたならば、お尋ねのような問題も、多少の時日をかせいで、そうして話合いが進めば、私は一般的に言えば解決がつくのではないだろうか、そういう方向にわれわれとしてもできるだけの気を配つて援助も申し上げたい、こういうふうに考えておるのでございます。
  11. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 先ほどの御答弁で、早急に資料を出すというふうなことでありますが、それをひとつ早く出していただきたいと思います。それに関連してお尋ねするわけであるが、たとえば和歌山県におきましては、今度御坊市というものができます。資料によると、これは四百二十一平方キロという厖大なるものになつておるわけであります。四百二十一平方キロといいますと、二十キロ平方、五里四方という非常に大きな市だろうと私は思うのでありまするが、自治庁におかれましては、市を設置するなり、あるいは町村合併の場合に、人口に重点を置かれて、面積についてはどの程度というふうなことの制限がなくして、大体状況によつて判断をしておる、そういうふうに解釈していいのでありますか。
  12. 小林與三次

    小林(與)政府委員 自治庁といたし‘ましては、今お話通り、実は面積については制限を置いておるわけでありませんで、市の場合に、市を形成して行く中心市街地と、それに隣接している人口の聚落の状況と申しますか、その分布の状況と申しますか、そういうものを中心に考えております。そうして一つの町なり、あるいは連帯しておる数町村なりというものを中心にして一応まとまりを持つて、都市的な状態と都市的な発展が予想できる、こういうものを実は頭に入れて事を考えておるのであります。それでその結果、そうしたそれぞれの関係町村背後に大きな森林地帯などを持つておりまして、ずいぶん広い面積を持つておる場合におきましても、それはたいていの場合は人の住んでいない国有林とかなんとかが中心でありまして、その背後地がきわめて広い場合でありましても、都市的な中心に人が集まるというものがあるならば、これはある程度容認してよいのではないか、こういうふうに考えておるのであります。それは今お尋ね和歌山御坊市などもその例の一つでございまして、御坊市を中心にしてたいていの町村人たちが集まつておりますが、その背後が大きく山地か延びているという実例の一つでございます。芦別市なども先ほど申しました一つの例でありまして、芦別市街地はまとまつておりますが、その背後に非常に厖大林野地帯かある、こういうのでございますが、そういう場合には、多少面積が広くてもやむを得ないのじやないかというふうに考えております。
  13. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 そういうふうな考え方で行かれることに私は決して反対するのじやないのでありますが、それで行きますと、きのうも新聞などに書いてありましたが、「新市制八丁目にはくまが出る」という川柳がありました。そういうことがあつてもやむを得ないというふうなことになりますと、私はどうしても市という概念が目下盛んにかわりつつあるというふうに考えざるを得ないのであります。そういう点におきまして、ことに大都市と中小都市の間に、本質的にやはり相当差別を設けて行かなくてはならぬというふうな段階に、現在すでに来ているじやないかと思うのでありまするが、そういう点について、自治庁は一応これで町村合併を盛んに推進をいたしまして、その次に来る段階として、現在の市とか、町とか、村とかいうふうなことについて、一応大きな目から考えるのだというふうな考え方をいたしておられるかどうか、いたしおられるならば、われわれとしては早急これに対してできるだけ早い機会にそういう御意思を表示してもらいたい、私はかように思うのでありますか、この点について鈴木次長の御意見ちよつと伺いたいと思います。
  14. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 ただいま御指摘の点はまことに重大な点でございまして、市町村合併促進状況を見て参りました上で、最後的な結論を出しあいと考えておりますが、考え方方向といたしましては、ただいま実施中の市町村合併の進捗が一応の段階を終わりますれば、どうしても必然府県規模という問題を、どういうふう扱うかということに入らざるを得ないと思うのであります。地方事務所等の中間の機構は、もちろん町村合併後におきましては、その存続の理由を失つて来ると思いまするが、それのみならずやはり府県それ自体について、その規模に考え直さなければならないというふうに考えております。この点につきましては、近く地方制度調査会を再開をしていただきまして、将来の根本的な問題の一つとして十分御審議願つた上で、それらの御意見を拝聴をし、自治庁としても最終的な結論を定めて参りたいと考えております。ただ漠然たる方向といたしましては、府県の廃合ということは、結果的にどうしても必然性を持つて来るであろうというふうに考えております。
  15. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 今の問題は私どもも大体さように考えておりまして、積極的に面積などにあまりこだわらずにやつてもらいたいと思うのであります。これはこの程度にしまして、次にちよつとお尋ねをいたしたいのであります。町村合併促進法によりまして、各府県推進委員会というものがあります。現在進んでおります町村合併状況は、県に置かれました推進委員会の考えておりますことと、大体一致をしているものが多いじやないかと思いますが、その点につきまして、推進委員会意見がまとまらないままに、町村合併を強行したというふうなところが。どれくらいあるか、あるいは現在までにおいてはその間の調整がほとんどできているものであるかどうか、推進委員会と現在進行中の町村合併との間の関係について、現状お話を伺いたいと思います。
  16. 小林與三次

    小林(與)政府委員 実は町村合併促進審議会は各府県にみんなもちろん設けられておりまして、先ほどちよつと申し上げましたが、審議会ではこの合併計画を作成するという段階にあるのが、大半現状でございます。もうすでに正式に決定した県もありますし、それからすでに試案を発表してそれぞれそれに基いて事を運んでいるところもございます。そこで今まで行われました個々合併は、大体審議会で考えております基本方向と一致している場合が大半でございますが、これは何分にも個々実施段階になりますと、一〇〇パーセント計画通りに行つているとは言えない事例もあるように見受けているのでございまして、これは正式に計画がきまつた場合でなければ、その比較ができませんが、私も計画は大体の方向で具体的の問題になれば多少その方向調整修正というものもあり得るのではないかと考えております。いずれにいたしましても、審議会で全般的な立場で大局的な現地の個々方向だけは早くきめていただいて、その方向のもとにこの合併が行われるということを、一番念願いたしているのでございます。全体の計画がまとまつたものが県できまれば、当委員会でもただちに御報告申し上げまして、その計画とそれから個々実施との比較、その他の資料も差上げたいと存じております。
  17. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 今のことで県で一応計画が確定したという県はどれくらいあるのですか。
  18. 小林與三次

    小林(與)政府委員 正式にきめたという報告の参つているのは島根県だけでございます。そのほかはそれぞれの試案をつくつて発表はいたしておりますが、正式の決定という手続はとつておらぬようでございます。
  19. 西村力弥

    西村(力)委員 関連して。私のお聞きしたいのは、市がたくさんできる、あるいはその他の町村合併計画ができる、そういうぐあいになつておりますが、市をつくるには将来市の形態を備えるようにいろいろさまざまな制度とか、さまざまの問題点が台頭して来るでしようが、合併するにあたつて、そういう計画にを策定する場合、ことに市になる場合にいかにしてその市を殷賑たらしめて行くかという、そういう目標をはつきり持つように指導し、かつその報告書なんかにも、それをとることが必要じやないか、かように思いますが、この市は、こういうぐあいに合併して、産業都市としてかくかくの方向発展を期するとか、あるいは観光都市としての発展を期するとか、それはさまざまに一つのめどを持たなければならぬと思います。そういう点についての御指導とか、あるいは今までのそういう申請やら報告やらに対して、話合いの場合にそういう点を聞いておられるかどうか、それをお聞きしたい。
  20. 小林與三次

    小林(與)政府委員 ただいまのお尋ねはしごくごもつともでございまして、われわれが町村合併をやるのも、単に合併のための合併ではないのでありまして、新しい自治体をいかにして経営、建設して行くかという問題が根本でございます。御案内の通りこの促進法にも新町村建設計画というものが、合併計画を進める基本になつておりまして、新しい町村を建設して行く基本方針を定め、その方針のもとに数町村が今後いかなる事業を計画し、施策をやつて行くかということを中心にして事を進めてもらつているのであります。今までたくさん市もできましたが、その市もそれぞれ従来と違いましてきわめてヴアラエテイーに富んでいるわけでありまして、今申し上げました通り観光中心にするものもあれば、商業を中心にするものもあれば、それぞれの特殊の産業中心にして発展して行くものもあれば、住宅都市として発展して行くものもある。そういうようなことでそれぞれ基本建設計画というものを目標に置きまして、そうしてそれを達成するような形で事を考えておるのが全部と申してよいのでありますが、この建設計画の立つていないものは、促進法上の合併促進としていろいろ援助その他を講じないという扱いになつておりますので、みんなそういう方向で事を考えておられます。ただ計画自身が百パーセントいいか悪いか、申分ないかどうかということになれば、これはいろいろ見方もありましようし、それからこういう計画はそれぞれまた具体的に再修正、再調整して行かなければならない面もありますが、基本方向だけは合併前にみな立てていると存じます。
  21. 西村力弥

    西村(力)委員 そういう建設計画をそれぞれ持つわけで、しかしそれは無理にとつてつけたようなことになつているのが多いのじやないかというぐあいに自分は考えるのですが、そういう場合にその判断を含めた指導ということ必はやはり要ではないか。いかに計画りつぱにしても将来都市的形態に行くまでの見込みの立たたいものを文章的に羅列し、ただ机上プラン的にやつたんでは意味がないので、そこまでの指導、この計画は可能性を持つとか持たないとかいう自治庁判断に基く指導というものをやつておられるかどうか。そこまでやらないと、それは計画だから適当にうまく書いて来るのじやないかと思うのですが、その計画通り行かない場合が非常に多くて、それでは結局せつかく統合したものが、将来においてまた分散するというようなことになるのじやないかと思うので、有終の美をつくるためにはやはり初め十分なる指導ということが必要ではないかと思う。その点はどうか。
  22. 小林與三次

    小林(與)政府委員 これはしごくごもつともでございまして、われわれもそれぞれ事を処理するにあたりましては、その計画基本方向というものを常に聞きただし、それにつきまして気のついたことはそれぞれ意見も申しているのであります。またお話のようた具体的な計画は、これはきわめて広範でいろいろな問題にわかれておりまして、細部の問題につきましてはわれわれの方でも、さらにそれぞれ研究いたしまして、各省その他ともこれはきわめて関係の広範な問題なのでせつかく研究をして、なるべく基本方向にたがわず、しかも実現の可能なように着実な方法で運ぶようにできるだけの協力をいたしたい。今後われわれの仕事はむしろそちらの方に力を向けて行きたいと考えているのでございます。
  23. 大石ヨシエ

    ○大石委員 鈴木さんにちよつとお尋ねします。こうしてだんだん市ができるのははなはだけつこうです。ところが地域給というものは一体どうなるのでしよう。今ちよつと私思い浮んだのですが、こうして厖大な市はぐんぐんできる。そうするとこの地域給との関係は一体どうなるのですか。この点どういうふうにあなたはお考えでございますか。これは私は市町村合併する急所と思うのです。それをどういうふう。にお考えですか。ちよつとお教え願いたい。
  24. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 地域給につきましては、現在の制度の上では、促進法の上では特例を認めておりませんから、従つて町村合併をして市になりましても、かりにABCDというような町村が新らしいEという市をつくつた場合に、Aというところだけがたとえば二級である、その他は一級地であるというような場合におきましては、やはりそのままの状態で残るわけです。要するに地域を基礎に押えているものでありますから、行政区画単位になりますならば、当然に変更をせざるを得ないことになるわけでございますが、押え方が地域単位でございますので、従つて合併がありましてもただちに影響を生じて参らないということであります。ただ先ほど来お話が出ておりますように、新らしい市がだんだんと一つの建設の目標に向つて進んで行く結果、市としての一体性がだんだんと進んで来るということになりますと、級地という制度がもしも将来も引続いて残りますならば、その中心の地区にだんだんと調子を合せるように、級地が是正されるというようなことになろうかと思います。
  25. 大石ヨシエ

    ○大石委員 それだつたらこういうふうに解釈してよろしいね。僻地ほどバス代がかかる、東京だつたらきのうも言うように十円で行くところを、いなかに行つたら五十円もとられる、そうして被服費はいなかに住む方が高い、安いものは菜つ葉だけだ。そうすると町村がこうして合併して、地域給が現状のままだつたらこれは弱い者いじめではありませんか。弱い者をいじめるための町村合併といつても私はしかりであると思う。まず町村合併をするならば、その盲点は、すなわちこの急所は地域給の是正にあると思うのです。それをあなたはそういうふうにおのがれになつても、こんな弱い者いじめの町村合併がどこにありますか。地域給というものは現状のままにしておいて、そうして元市であるものは地域給が三級であり五級である、合併した新しいものは無級地のところもある、一級地のところもある、そういうような町村合併がどこにありますか。これを私はまず是正する必要があると思いますが、こういうふうにお考えですか。
  26. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 昨日来の御質問と関連をしてのお尋ねと思いますが、都市と町村とで地域給か違う、級地が違うのみならず、本俸自体が都市の方と農村の方で違う、そういうことは結局農村の方が不当に不利な状況ではないかというような御指摘であつたわけでありますが、このことはやはり農村地帯と都市地帯との物価の状況その他からそういうようなことになつているわけでございまして、都市において高いのは結局それだけ生計費がよけいかかる。また他の同種の事業に従事するような従業者との間の均衡もはからなければならぬ、しかるにそういうものが相当高いというようなところから、都市においては本俸も商い、級地も高いということになつておるわけでありまして、農村の方においては御指摘のように歩いて行かなければならぬから、いろいろな被服費などもかかるということではありますが、反面電車やバスに乗るというような交通費はいらないというわけで、総体的に観察をしますと、やはり都市の方が給与を高くしなければならぬというのが、今の実情であるわけであります。もちろん昔はそういうような地域給というような制度もなかつたわけでございますから、そういうような制度がなくなつて一本になることが、あるいはおつしやるような意味で公平かもしれませんが、今日の段階においてはそこまで参らないわけであります。そこで合併の問題におきましても、合併をしたからと申しましてただちに物価の状況か従来と一変してしまうというものではなくて、同時に町村合併して都市になるならば、ある程度は都市的な生活をして来る、従つて生計費も高くなるというような傾向はあるでありましよう。従つてある時期になれば他との均衡上級地の引上げというような問題も起ろうかと思いますけれども合併後ただちに合併の中核になつておるところが二級地である、まわりが一級地である。従つてすぐにまわりの一級地を三級地にしてしまわなければならないというところまでは行かぬのではないかと思うのであります。今日同じ市の中でもある部分が級地が高く、ある部分がそれよりも低いということもあるわけでございまして、確かにこの点は、一つの市である以上は級地としても同一の条件で指定されるということが、都市の一体性のためにはいいと思いますけれども、今の段階としてどうしてもただちにそこまでしなければならぬということはないのではないかというふうに考えております。
  27. 大石ヨシエ

    ○大石委員 憲法においてひとしく日本の国民は平等です。いなかに住んでおる者は二級地、都会地に住んでおる者は五級地、じや学校の先生でもいなかに住む者ないじやありませんか。先生はみな東京、京都、大きな所へ来てしまう。そうして町村合併する。合併して最も大切な地域給をあなた方なぜにお考えにならないのですか。市民税はとるわ、とるものはとつてやるものはやらぬ。いなかの道は一体どうですか、都会の道はよろしいが、いなかの道は悪くてくつやげたは減る一方であります。非常にいなかの人は困つておる。人材はみな都会へ集まつて来る。まず町村合併する前にこの地域給を改めるべきであります。市民税はどうですか、市民税はとるでしよう。いなかでも市民になつたらやはり市民税をおとりになるでしよう。そうして地域給は不平等である、そんなことでどうしていなかに行く先生がおりますか。これはひとしく平等である。それでまず人事院の総裁に鈴木さんが一度お会いくださいまして、この点をよく御交渉になりまして、平等に地域給を上げるように、あなたは努力なさいますか、どうですか、その返答を聞きたい。
  28. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 御指摘のように、この地域給の制度につきましては、確かにいろいろ問題があるわけでございまして、ごく山間の僻村で、いわゆる無級地というようなところには、その学校の先生になつて行く人が非常に少い。そのために僻地教育の振興法というようなことも、特別に考えなければならぬというようなことも事実でございまするし、また東京とか大阪などでは五級地と四級地というふうにわかれておつては、人事の交流その他の上でやはり困るというようなところから、実際の扱いとしては地方公務員について、また教育公務員などにつきまして、同じ五級地の方式をとつているというようなところもやむを得ずあるのであります。そういうことは確かに御指摘のように級地がありまするために、人事の適切な交流も非常にうまく行かないということがあるのであります。しかし反面、かつてのインフレ時代とは大分違つて参りましたけれども、若干まだ物価の上での開きが——これはそれぞれの統計の調査によりましても、あるわけでございまして、そういうところから今なおやむを得ず、さような級地の制度がとられておると思うのであります。しかし理想といたしましては、さようなものをできるだけなくして行くということでなければなりませんし、また給与自体もさような生活給的な色彩よりも、むしろ職務と責任に応ずる給与という、地方公務員法なり国家公務員法の定めておる原則に従つて、給与制度が確立されなければならぬわけでございまして、そういうようなあかつきになりまするならば、この生活給の趣旨を十分含んだ上でのそういう職務と責任に応ずる給与の体制が成り立ちますならば、かような地域給制度というものはむしろ廃止していいのだと思うのであります。理想といたしましては御指摘のように私どももかようなものを逐次廃止して行くべきだろうと思いますが、ただその廃止の仕方というものを考える場合に、激変を生ぜしめないようにして行かなければならぬという点に、非常にむずかしい問題があるわけでございますし、反面物価の状況というものも考えて行かなければなりませんので、その辺の調査を十分にとりました上で、逐次改正をして行く、あるいは段階を少くして行く、こういうふうに持つて行くべきものだと思うのであります。そういう方向で今後とも努力をするつもりでおります。
  29. 大石ヨシエ

    ○大石委員 しからば鈴木さんにお尋ねしますが、市民税はどうなるのですか。いなかの方で地域給は安い、あるいは無級地である、それが京都市内に入れば市民税はとられる、これは均衡はどういうふうになるのですか、それを教えてちようだい。
  30. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 これは合併をいたしました場合には、市民税にいたしましても税率が前と違うことになるわけであります。A、B、C、Dというような四つの村が一緒になつた場合に、いわゆる町村の所得割としてとつておりましたものが、ある村では第一の方式で行く、ある村では第二の方式で行く、あるいはその税率が若干違うというような場合に、これも理想としてはできるだけ早い時期に、一本の統一された税率になることが望ましいのでありますけれども、実際問題としてはなかなかただちにそうも行かないということで、いわゆる不均一賦課と申しますか、従来の税率をある時期の間残して、ただちに負担の激変か生じないようにする、そういうようなことを実際の合併の扱いにおいてとつているところがあるわけであります。これは促進法でそういう便法が認められているわけでありますけれども、やはり逐次税率上の差別を少くして、最後には市としての一本の税率に持つて行く、こういうような努力を払わなければならぬと思いますが、合併の直後、当初においてはただちにそこまで持つて行かないで、しばらく不均一賦課にすることができるわけであります。
  31. 大石ヨシエ

    ○大石委員 地域給の点を、どうぞ人事院総裁とよく相談してくださいまして、そうしてこの委員会で御発表願いたい。よくわかりましたか、どうぞお願いしますよ。——返事をしてください。うそをつくといかぬから……。
  32. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 この問題は非常に重大な問題でありまして、ただちにこういうふうに解決するという結論の出る問題でございませんので、やはりかすに相当の時日をもつてしていただきたいと考えます。しかし鋭意研究をして、できるだけ早い時期に結論が出ましたら申し上げたいと思います。
  33. 灘尾弘吉

    灘尾委員長代理 中井君。
  34. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 今の地域給の問題ですが、これはこれまで町村合併の行われたところで、すべて非常に大きな問題になつております。これまでの経過は大体半年ないし一年遅れまして新しい市になりますと、地域給はそのままになつておりますが、この際そういうことについて、一応自治庁から一つのルールのような意味において、大きくひとつ申入れをぜひやつていたたきたい、かように考えます。  次に、今度は議会のことでちよつとお尋ねしたいのであります。きのうも北山委員から御質問も、ありましたが、新しい市ができました場合の議会につきましては、従来の町村会議員がそのまま新しい市の議員になることができるという非常に温情的な法案を、われわれはつくつたわけでありますが、しかしこれはあくまで例外的なものでありまして、町村長は全部やめておるわけでありますが、例外的なものとしてわれわれは考えたわけであります。現実にはその例外が普遍化されまして、新しい市において議員が百名もおるというふうなことが全国いたるところに現われておる状況であるように伺つておるのでありますが、この際この問題についても自治庁において、何らか指導をされる意図はないかとうか、この点をちよつと伺つておきたいと思います。
  35. 小林與三次

    小林(與)政府委員 議員の数の問題につきましては、御指摘の通り特に市においては百人を越しておる例も、われわれはしばしば聞いておるのでございます。特にこの促進法の規定はきわめて特例的な規定でありまして、今お話通り原則でない扱いとしてお考えになつたものと存じておりますが、正直申しまして、議員の地位を継続させるという問題が、合併についての大きな事実上の障害になつておりますが、この特例を開かれましたことによつて、その障害が除かれ、百パーセントに近く利用されておるという実情であります。しかしながら数が多くて、だんだん世間の批判その他の問題も強くなるに従いまして、原則通りつておる市町村もかなりあります。逐次そういうものがふえて行くのじやないかと考えております。そういう資料も実は私の方で至急とりまとめて御報告申し上げるつもりでありますが、われわれといたしましてはそれぞれ現地の人たちが住民一般の輿論なり、そうしたものを基礎にして御判断を願つて、そうして常識的に妥当な解決をせられることを期待いたしておりまして、特に九条の運用は強くやれとかやるなとかいうことまでやつた方かいいのかどうの臨か、実は今そこまでは考えておら状ないのであります。一年間くらい時の期間でもありまするし、現地の況上どうしてもこの規定がなければ円滑に事が運ばないというのなら、これを運用されてもやむを得ぬと、こういう程度考え方で今までもおるのでありまして、そういう気持で臨んで行きたいとは思いますが、特に今ただちにこれを強く扱えというほどのことを言うべきかどうか、なお研究いたしたいと思います。
  36. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 今の御答弁でありますが、それは町村合併のすべり出しのときには、ああいう法案も非常に効果かあつたと思うのであります。現在の日本の態勢は、輿論からいつても何からいつても、これに大いに賛成をしておるわけでありますが、私はもうすべり出した以上はそこまで遠慮する必要がないというふうな気持を持つております。従つてまだそういう面について強い意思表示をする段階に至つておらないというような御答弁については、私ちよつと納得はできないのであります。こういう点についてはつきりとした意思表示をされる段階に来ておると考えます。  これはちよつと無理だとは思うのですが、この点に関連いたしまして伺つてみたいと思います。昨日今回の町村合併の法案について、多少の改正をする必要かあるという点から、改正点について説明を受けたわけでありますか、その中で教育委員会委員の継続その他に関連をいたしまして、委員会委員の互選によつて、新しい教育委員会をつくることも考えておるというふうなお話であつたと思うのでありまするが、この考え方町村議会に順次押し広めて考えて行くこと、すなわち百名にもなるのじや困るから、一つの村から、十六名であれば四人に一人とか、五人に一人とか互選をするという考え方、これができるものであるかどうか、私どもむずかしいようにも思うのですが、研究しておればお話を願いたい。
  37. 小林與三次

    小林(與)政府委員 ただいまの問題点は、実はこの促進法をつくつたときにも、われわれいろいろ考えたのでありますが、この促進法は御案内の通りそのまま継続する場合と、定数の二倍だけ増し得る場合とつくりまして、その場合に今言う互選か何かで従来の人はそのまま残す方法がないかということも研究いたしたのでございます。ただこれにつきましては憲法に、町村の議会の議員は公選とするという明文があるものですから、その憲法の解釈上いろいろ問題がありまして、あの当時少し問題点があるというふうな結論になりまして、一応こういう形で促進法がまとまつたように存じておるのでございます。
  38. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 そういたしますと、憲法上疑義があるということですか、教育委員会においてはかまわないというふうな考え方についての論拠があつたら聞かしていただきたい。
  39. 小林與三次

    小林(與)政府委員 御承知の通り教育委員会も現在公選された委員でございますから、似たような問題がありはせぬか、これもわれわれは一応研究はいたしておるのでございます。たた現在の憲法では、明文をもつて書いておりますのは、地方公共団体の長と議会の議員、これは明記しておりますので、憲法上当然に直接公選という線を動かすわけには行かない、しかしながら教育委員会委員は、教育委員会法によつて、特にああいう選挙の制度をとつておるわけでございますから、これはなお憲法の上からいえば、町村の議会の議員あたりと違つた扱いも可能ではないだろうか、そういうふうに考えておるのであります。これにつきましては、なお法制局その他で研究してもらうつもりでありますが、われわれといたしましては大体さしつかえないのではないか、こういうふうに存じております。
  40. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 今の御答弁だと、教育委員会法を今度皆さんの御意思のように改めるということになりますと、町村合併促進法改正するよりも、教育委員会法を改めるというのが大筋のように思うのであるが、その辺についてお聞かせ願いたい。
  41. 小林與三次

    小林(與)政府委員 これは教肴委員会法の基本原則そのものをどうこうするという問題ではなしに、町村合併に伴つて現にある教育委員の選挙をどうするか、こういう問題はあくまでも町村合併の特例として考えていいのではないか。そこで御案内の通り現在の町村合併促進法は、いろいろ他の法律の特例も入つておりますので、その特例の一つとして今の問題も扱い得るのではないか、個々の原則はもちろんかえるべき筋合いのものでもない、こういうふうに考えております。
  42. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 次にちよつとお尋ねしたいのは、町村合併におきまして、県会の選挙区がかわるというふうな非常な問題が起りまして、その点について昨年暮れ、この合併法案の改正をいたしまして、従来通りの選挙区でもいいというふうなことになつたように伺つておるのでありますが、この県会の選挙区につきまして、すでに何らかの手を打つた府県があるかどうかお聞かせ願いたい。
  43. 小林與三次

    小林(與)政府委員 これは各県でも実は大分問題にしておられまして、この三月の県会でこれを取上げるか取上げぬかということが、大分議論にたつてつたように聞いております。そこでまだ正確な情報は得ておりませんが、たしか一、二の県は一般的に、従前の例によるというふうな条例を出しておるのではないかと思つてこおります。これも実は今調べておりまして、わかつたらすぐ御報告申し上げます。ただ全体といたしまして、全体の合併計画がはつきりきまつておらぬ県が多いわけでありますから、全体がおちつく先を見きわめてからきめようというのが、大半の県のようであります。
  44. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 先ほどからお尋ねしておると、たいていどうもまだ資料が十分整つておらぬというのが多いのでございます。もちろん進行途中でございますから、要求するのが無理かもしれませんが、しかしこれは少くとも重要法案であります。三月三十一日現在において、私どもがこれまで、お尋ねしたようなことについての資料は、早急に整えていただきたい、かように思います。そこで時間か迫つてはなはだ恐縮なんですが、あと二、三点お尋ねしたいのであります。これらは国の補助が出るというようなことで、合併促進法案についてはそういう国庫の助成は各条文にあります。しかしそれには全部予算の範囲内というようなわくがあるわけでありますが、これは二十九年度において、大体どれくらいの補助を見込まれておるか、またあの法案の審議のときに、私はこの町村合併促進法案に関する経費については、自治庁はこれを一本にして要求すべし、建設省、農林省といろふうにわかれては、とつづていこんな問題は解決したいということを予言的に要望し、また申し上げておいたわけでありますが、現在この合併促進に関する国庫の助成の状況についてどういう計画であり、過去においてどうであつたか、これをひとつお話願いたいと思います。
  45. 小林與三次

    小林(與)政府委員 ただいまお話の国庫の助成の問題は、おそらくそれぞれの各事業費について全般的な助成の問題が中心になるだろうと存ずるのであります。それと個々の具体的の町村合併に伴う善後措置に直接必要な経費の助成と二本ありまして、直接必要なのは自治庁で全部まとめて、善後措置費として補助をやつておるのは、前年度の補正予算でお認め願つた線のままで、来年度も引続きやる方針で予算が決まつておるのであります。
  46. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 全額は幾らでしたか。
  47. 小林與三次

    小林(與)政府委員 これは来年度は総額で十九億であります。それで一府県が大体平均三百万、それから個々合併した一関係昨村が四十万、そのほかになお特別平衡交付金で少し考えまして、一市町村平均六十万程度は確保いたしたい、こういうふうに考えております。それからその他各省の、つまり水道とか消防とか病院とか道路といつたような、それぞれの事業についての補助につきましては、今お話通り合併後のものを特に認めるかという問題で、いろいろ御議論になつてつた点もあろうと思うのでございますが、現在ではそれぞれの事業費のうちにおいて運用上きまつた予算を配る場合に、合併町村を最優先的に扱う、そういう方針で各省にも御協力を願つておるのでありまして、各省も基本的な方針といたしましては、われわれの考え方に同調していただいて、事を進めていただくという考えであるわけであります。われわれ自治庁といたしましては、特に起債がその問題の中心でありますが、起債の最重点として、この合併計画中心に仕事を進める、こういう方針で進んでおるのでございます。
  48. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 今の御答弁でございますが、一府県に三百万円、一町村に四十万円、そんな金で町村合併ができておるところは全国どこにもありません。おそらくこれの十倍はいつておるだろうと思うのであります。この問題は話が出ましたときには、行政上のいろいろな措置、それから社会情勢の変化に伴う日本現状にあつてということではありましたが、裏をかえしますと、これは日本のいわゆる内政の非常に大きな行政整理であつたと思うのであります。これが完成しますと、大体これが完成しますと、大体四百億程度の節約になるということが言われておつたわけであります。従つてそういうものを推進いたしますのに、わずか十九億円ばかりの予算ではとうていいけない。このことについては自治庁の皆さんの政府部内における微力を、はしなくも暴露しているように思うのでありまして、こういうようなことではとうていいけない。もつと大きくこの問題を取上げて、少くともこの十倍くらい要求して通してもらいたい、これは強く要望する次第であります。こんな内政の重要問題を、ほんとうに軽く金額的に扱つておられるということにつきまして、私どもは実は今の内閣のやり方が全然納得できません。このことを大きな声で叫んでおきたいと思うのであります。  最後にちよつと具体的な問題についてお尋ねをいたしたいのですが、埼玉県の飯能におきましては、町村合併の問題について、先般来非常にもめているように伺いますが、この現状伺つておきたいと思います。
  49. 小林與三次

    小林(與)政府委員 埼玉県の飯能の問題は、われわれも多少聞いているのでございますが、御承知の通り飯能につきましては、かつて飯能の分村問題で、天下の耳目を衝動したような事件も起つておりまして、飯能の一部の分村騒ぎとというものが、引続いて大きな問題で推移して来ておつたのであります。それは元加治地区というのでございますが、その飯能が昨年一市制を施行することにたりまして、その際飯能の分村派の人たちと、市全体の立場、県その他の意向とあわせ考えまして、将来元加治地区が合理的な地区で、適正な規模でまとまり得るものならば、将来分村を考えてもいいという協定が、その当時当事者の間にできておつたのでございます。それが最近その協定の線に沿うて、隣接しておる東金子という村と合併の話が進みまして、それぞれの関係市町村会において議決も了したのであります。それが県会におきましても、全会一致でその線で議決され、知事の方でもそれに基いて処分をしたのでございます。その知事が処分を——その下加治は今まで分村騒ぎが非常に多かつたのでありますが、今度その分村地区の一部の人たちが、従前通り飯能にとどまるべきだ、そういう意味の意向を表明せられまして、その一部の人たちがそうした意味の運動を続けておられたことを聞いておるのであります。しかしながら大半は、そうした従来長い経緯があつて、分村がそういう形で当事者の間に、うまく関係市町村会できまり、知事の方でも議会の議決を経て、処分をした、その処分実施が、たしかもう効力が四月一日からか発生する、こういう状況でございます。
  50. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 今の説明は、私どもか聞いておるのと、実は大分違うように思うのであります。飯能市ができまするときには、無理に知事が調停案をつくりまして、とにかく市にするためには人口三万にしなければならぬ、そのために下加治町といいますか村といいますか、それを無理やりに一応合併して、そうして将来また分離をしてもよろしい、その点は今あなたの言われたのと同じであります。ところが実際はその下加治町の住民の大半は、合併を希望しておりまして、分離をちつとも希望しておらぬ。たまたま二、三の有力な者が町の対立によつて無理に分離をするというような形であります。それが非常に財界の有力者でありまして、暴力をもつてそれを強行しようとしておる。従つて住民投票にしようということになると、住民投票になれば、分離は成功しない、そのまま合併が成立するので、住民投票はできないというふうなことを、知事が宣言をしたということを私どもは聞いておるのであります。しかもその分離をしないというと、反対派は、分離をしないような状況であるならば、おれたちは税金の滞納をやるというふうな、どうも非常に暴力的な行動に出ておる。しかもそれが一部の有力者の手によつて行われておる。そういう点において非常にすなおな自治体の姿と大分かけ離れて、暴力的なものが横行しておるように、私ども伺つておるのであります。知事の調停案も見せてもらいましたが一項と二項はまるで逆なことを言つておる。項においては合併を大いに促進する。できたら二項においてほかの村を合併するから、その下加治村とはまた分離してもいいというような調停案になつておるように聞いておるのであります。この点は国家的な見地から見ても、大きな意味においてどうも非常に醜態な解決案のように、私は伺つておるのであります。自治庁におかれては、もう少し住民本位のすなおな線を、この飯能市の場合に出していただきたい。暴力を恐れて、議会も何回もリコール問題が成立し、最近当選した市会議員さんなどは、どこにおる人かわからぬような人までおるというふうなことを言うております。しかしその点については私は実情を知りませんから、そのような侮辱的な言辞を信用して伺つたわけではないのでありますけれども、大分もんで相当双方疲れ切つておるというような現状であるように伺つておるのであります。こういう状況になつて参りますと、大分うんで来ておるようにも伺いましたので、政府におかれてももういいかげんにぎれいな仲裁案を出されるべ段階にあるように聞きとれました。この点はきようは大臣かお見えになりませんから保留をいたしておきますが、先ほど申し上げました国の補助の点と、今のような問題、さらにまた先ほど同僚の伊瀬委員から御質問がありました奈良県の郡山市の付近の部落の問題、こういう問題は今こそはつきりと解決をいたしておきませんと、災いをいつまでも残すという形になると思います。部落問題につきましては、私どもも非常に体験を持つておりますので特に申し上げるわけでありますが、どうぞそういう点においてこの際はつきりとした態度をぜひとも出していただきたい、これを要望いたしまして、私午前中の質問を終ります。
  51. 佐藤親弘

    ○佐藤(親)委員 私は小林部長にお伺いいたしますが、地方自治法の第八条の第一項第一号と第二号の関係についてちよつとひとつ。それはたとえば例を示しますと、一つの町が人口が一万五千ある、そこへあと四箇町村が、一番先の村が三箇村くつつくといつてそれで合併する、そうすると人口三万以上になり第一号に該当する。ところがその中心部は第二号の「全戸数の六割以上である」という点が完成していない、この鳩合に、基本町村と周囲の町村と一緒になつて市を形成したい、こういう場合に第一項第二号の「全戸数の六割以上であること」という要件を満たさないでも市としての規模とすることかできるかどうか、この一点であります。
  52. 小林與三次

    小林(與)政府委員 今のお尋ねの点は、一項の要件とともに三項の要件が充足されておらなければできないのでございます。ただ二項は一項と違いまして、市街地を形成しておる戸数が六割以上と書いてふりますので、市街地の形成をどう見るかという判断の問題があると思いますが、法律上の要件としては、その点もみなあわせて具備しておらなければならぬことになります。
  53. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 先ほどからいろいろ伺いましたが、委員長一つお願いがあります。大分資料も整つておりませんし、この問題は非常に重要でありますので、本会期中に町村合併の問題についてはわが地方行政委員会でも実情調査をぜひともやりたい、かように思います。これを委員長に要望しておきます。
  54. 灘尾弘吉

    灘尾委員長代理 承つておきます。暫時休憩いたします。午後は本会議終了後再開するものと御承知おきを願います。     午後零時四十九分休憩      ————◇—————     午後七時二分開議
  55. 中井一夫

    中井委員長 再開いたします。  この際理事補欠選任についてお諮りいたします。すなわち委員異動に伴い理事が一名欠員となつておりますので、その補欠選挙を行いたいと思いますか、これは投票の手続を省略して、委員長より指名するに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 中井一夫

    中井委員長 異議なしと認め、鈴木幹雄君を理事指名いたします。本日はこれをもつて散会いたします。     午後七時三分散会