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1954-03-19 第19回国会 衆議院 地方行政委員会 第32号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月十九日(金曜日)     午後一時五十五分開議  出席委員    委員長 中井 一夫君    理事 加藤 精三君 理事 佐藤 親弘君    理事 灘尾 弘吉君 理事 吉田 重延君    理事 藤田 義光君 理事 西村 力弥君    理事 門司  亮君       生田 宏一君    尾関 義一君       前尾繁三郎君    床次 徳二君       橋本 清吉君    石村 英雄君       北山 愛郎君    伊瀬幸太郎君       大石ヨシエ君    大矢 省三君       松永  東君  出席国務大臣         国 務 大 臣 塚田十一郎君  出席政府委員         自治政務次官  青木  正君         自治庁次長   鈴木 俊一君         総理府事務官         (自治庁税務部         長)      奧野 誠亮君  委員外出席者         専  門  員 有松  昇君         専  門  員 長橋 茂男君     ――――――――――――― 三月十六日  委員尾関義一君及び大西正道辞任につき、そ  の補欠として金光庸夫君及び大矢省三君が議長  の指名委員に選任された。 同月十七日  委員金光庸夫辞任につき、その補欠として尾  関義一君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 三月十六日  地方税法の一部改正反対に関する請願菊川忠  雄君紹介)(第三五〇九号)  乗合自動車事業税外形標準課税廃止に関する  請願中居英太郎紹介)(第三五一〇号)  同(大西禎夫紹介)(第三六〇七号)  乗合自動車税軽減に関する請願中居英太郎君  紹介)(第三五一一号)  同(大西禎夫紹介)(第三六〇八号)  警察法改正に関する請願帆足計紹介)(第  三五一二号)  同(山口丈太郎紹介)(第三五一三号)  市町村自治体警察維持に関する請願(萩元たけ  子君紹介)(第三五一四号)  貨物自動車運送事業に対する事業税外形標準  課税廃止に関する請願外六件(中嶋太郎君紹  介)(第三五五九号)  営業用トラックに対する自動車税軽減に関する  請願外六件(中嶋太郎紹介)(第三五六〇  号)  遊興飲食税市町村還元に関する請願大西禎  夫君紹介)(第三五九九号)  同(小枝一雄紹介)(第三六〇〇号)  同(小高熹郎君紹介)(第三六〇一号)  同(小川平二紹介)(第三六〇二号)  同外一件(山田彌一紹介)(第三六〇三号)  同(黒金泰美紹介)(第三六〇四号)  同(河原田稼吉君紹介)(第三六〇五号)  同(武田信之助紹介)(第三六〇六号) の審査を本委員会に付託された。 同月十五日  国並びに県機関等建設費に対する町村の寄附  負担金の全廃に関する陳情書  (第  一八一五号)  地方自治擁護に関する陳情書  (第一八一六号)  地方財政力強化に関する陳情書  (第一八一七号)  市町村自治体警察制度廃止反対陳情書  (第一八一八号)  同(第一八一九  号)  警察制度改革に関する陳情書  (第一八二  〇号)  同外一件  (第一八二一号)  同外四件  (第一八二二号)  同(第  一八二三号)  同(第一八二四  号)  公務負傷による警防団員並び死没警防団員の  遺族に対する援護の陳情書  (第一八二五号)  消防施設強化促進法に基く国庫補助額増額に  関する陳情書  (第一  八二六号)  地方自治制度維持確立に関する陳情書  (第一八七八号)  地方財政力強化に関する陳情書  (第一八七九号)  昭和二十八年度の赤字処理対策に関する陳情書  (第一八八〇  号)  自動車税台帳課税に関する陳情書  (第一八八一号)  町村合併促進に関する陳情書  (第一八八二号)  市町村自治体警察制度廃止反対陳情書  (第一八八三号)  同(第一八八四  号)  同(第一八八五  号)  同(第一八八六  号)  警察制度改革に関する陳情書  (第一八八七号)  同  (第一八八八号)  同  (第一八八九号)  同(第一八九  〇号)  同  (第一八九一号)  同  (第一八九二号)  同  (第一八九三号)  同  (第一八九四号)  同  (第一八九五号)  同  (第一八九六号)  同  (第一八九七号)  同(第  一八九八号)  同(  第一八九九号)  同外三件  (第一九〇〇号)  同(第一九〇一号)  消防施設強化促進法に基く国庫補助費増額の陳  情書  (第一九〇二号)  議会制度擁護と機能の高揚に関する陳情書  (第一九〇三号)  道路整備費財源等に関する臨時措置法の完全  実施と同法による県費負担分全額起債に関す  る陳情書(第一九  〇六号)  同月十七日  地方財政確立に関する陳情書  (第一九八三号)  地方財政制度改革に関する陳情書  (第一九八四号)  団体が行う発電施設に対する固定資産税賦課に  関する陳情書  (第一九八五号)  自動車運送事業の税制に関する陳情書  (第一九八六号)  市町村自治体警察制度廃止反対陳情書  (第一九八七号)  同  (第一九  八八号)  同(第一九八九号)  同  (第一九九〇号)  警察制度改革に関する陳情書  (第一九九  一号)  同  (第一九九二号)  同  (第一九九三号)  同  (第一九九四号)  同外一件  (第一九九五号)  同外一件  (第一九九六号)  同  (第一九九七号)  同  (第一九九八号)  消防施設強化促進法に基く国庫補助額増額に  関する陳情書  (第一九九九号)  消防機構改革に関する陳情書  (第二〇  〇〇号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  小委員会設置に関する件  国会議員選挙等執行経費基準に関する法  律の一部を改正する法律案内閣提出第八七号)  地方税法の一部を改正する法律案内閣提出第  五六号)     ―――――――――――――
  2. 中井一夫

    中井委員長 これより会議を開きます。  まず去る三月八日本委員会に付託されました国会議員選挙等執行経費基準に関する法律の一部を改正する法律案議題とし、政府よりその提案理由説明を聴取いたします。塚田国務大臣
  3. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 ただいま議題となりました国会議員選挙等執行経費基準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由並びに内容概略を御説明申し上げます。  国会議員選挙等執行経費基準に関する法律は、国会議員選挙最高裁判所裁判官国民審査及び日本国憲法第九十五条の規定による一の地方公共団体のみに適用される特別法の制定に関する住民投票について、国が負担する経費都道府県及び市町村に交付いたします経費基準を定め、もつて、その適正かつ円滑な執行を確保する目的をもつて昭和二十五年に施行されたものであります。この法律は、現在までに二回にわたり改正されておりますが、その後におきまして、国家公務員給与基準が改訂され、物価も変動いたしましたのみならず、この法律施行経験にかんがみて、実情に即しない点も認められますので、ここに改正を必要とするに至つた次第であります。  改正内容について申し上げますと、第一点は、投票立会人開票立会人及び選挙立会人に支給いたします費用弁償額が低額に過ぎますので、この額を引上げようとするものであります。  第二点は、国家公務員給与基準が従来一万二千八百二十円でありましたのが今年一月一日から一万五千四百八十円に改訂されたのに伴い、都道府県及び市区町村職員に支給されます超過勤務手当の額を改訂いたそうとするものであります。また薪炭費単価を国の予算単価まで引上げるとともに選挙公報用紙単価を国の予算単価まで引下げ、さらに立会演説会実施状況にかんがみ、マイク借上料を積算の基礎に加える等の措置をとることによりまして、基準額を適正にしようとす出るものであります。  第三点は、選挙が十一月一日から翌年三月三十一日までの間に行われる場合におきましては、それぞれ燃料費を加算するよう規定されているのでありますが、御承知ように、北海道の区域にあつては、他の都道府県区域に比較いたしまして寒気もきびしく、かつ長期にわたる状況でありますので、実際に即するよう燃料費支給期間を一箇月延長するとともに、その加算額を若干増額ようとするものであります。  第四点は、公職選挙法施行令第五十五条第二項に規定されております一定の船舶、指定病院監獄または代用監獄及び少年院の長が不在者投票管理者となつて行う不在者投票に要する経費基準額につきまして、新たに規定を設けようとするものであります。  以上申し上げました諸点のほか、なお、自治庁長官大蔵大臣との協議がととのつた場合においては、百分の五を越える調整費を交付することができることとする等、若干の規定整備をはかろうとするものであります。  以上がこの法律案提出いたしました理由及び内容概略であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願い申し上げます。
  4. 中井一夫

    中井委員長 本案につきましての質疑は、時期を見てこれをいたすことにいたします。
  5. 西村力弥

    西村(力)委員 きようの朝日新聞を見ますと、自治法改正案要綱次官会議提出された、こういうことになつておりますが、この新聞記事は何もこれを唯一のものとするわけじやないのですけれども、その理由説明というか、その事情説明の中に、「現在衆議院審議中の警察法案地方税関係法案審議がのびることをも警戒している。」こういうことが書いてある。これは明らかにあまり作為的に見えるのです。私たちとしては地方税法案審議するにしましても、警察法審議するにしましても、自治体事務なり、あるいは性格に相当影響づけるこの自治法改正というものが、どんな姿にまとまるかということとこれは並行して考えなければならない問題である、こう考えられるそれでこの自治法、の改正をいつ議会提案なさるおつもりか、そういう予定についてお伺いしたいのです。むしろ本委員会としては、自治法によつて自治体のあり方というものをきちんときめてから、警察法税法などを推進しなければ、誤りを犯すのじやないかという考えを持つておる。それについて大臣の御答弁をお伺いしたい。
  6. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 実は自治法改正は延びのびになつおりまして、まことに恐縮をしておるわけでありますけれどもほんとうのところ、まだ最終決定のものができないのであります。ただ本日の閣議におきましては、今国会に大体出す予定のものを各省がみな出せ、それからもし法律案ができておらないものは要綱でもいいから出せ、こういうことになつてつたわけであります。そこでいろいろな事情を検討して、自治庁としてはこれは今国会にどうしても出さなければならない法律改正である、こういうよう考えましたので、要綱を出さなければならない状態なつたわけでありますが、その要綱を出すにいたしましても、実は相当問題点がたくさんありますので、まあ内部的な話でまことに恐縮でありますが、党との折衝もまだ重要な点が残つており、また内閣といたしましても各省間との調整もまだほとんどついておりません。まだ内部で議論を闘わしておる段階でありますので、要綱を出すにいたしましても、未決定部分が非常に多いので弱つたのでありますが、ごく総括的なものとして、実はきよう出そう、こういう考え方をしておつたのであります。そういう考え方で準備をいたしましてきのう次官会議に出してみましたが、しかし閣議には結局出すまでの段取りに行かなかつたのであります。それで他の大体のものは、閣議には一応要綱の形できようは出ておりますけれども従つてその段階までも行かないよう進行状況になつておる、こういうように御了承を願いたい。しかしとにかくこれは出さなければならないという考え方で、極力構想を練つておるのでありますが、至要な問題点がほとんどまだ議論が十分に尽されておらないので、まことに恐縮をいたしておるのでありますけれども、できるだけ早く成案を得て国会提出をして、御審議をいただきたいと考えておりますが、今のところまだいつというように日までは、はつきり申し上げる状態のところまでは参つておらぬわけであります。
  7. 西村力弥

    西村(力)委員 そうすると政府は、今国会において成立させるために、そういう意図を持つて提案する場合には、提案を最低何日限りくらいに考えていられるか。
  8. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 自治庁関係法律案提出をいたします予定にいたしておりますものは、ただいま御質疑がございました地方自治法改正案と、市町村職員共済組合法案あるいは地方公務員法案等数件ございますが、これもできるだけ早い機会に提案いたす予定で用意いたしておりますけれども、ただいま大臣が申し上げましたような、各省間との調整が残つておりますほかに、立法の技術的な調整をしております法制局の方も、実は非常に各省法律案が山積いたしておりまして、なかなかその審査も終らない状況でございます。しかし国会の方の会期も限られておることでございますので、できるだけ至急に取運んで御審議をいただくようにいたしたいと考えておりますが、やはりまだいつ提案できるということを、はつきり申し上げる段階に至つていないのでございます。
  9. 西村力弥

    西村(力)委員 私は衆参両院を通じて、会期がきまつている範囲内において慎重審議して上げてもらおう、こういう考え政府提案するとすれば、何日以降の提案は、これはちよつと無理だ、大体その法案を最終的に国会提出する期限はこれ以後はだめだというような、一つのめどを持つてつていなければならないのじやないかと思うのです。ただ誠心誠意努力中であるということだけではなく、これ以後はだめだという期日が確かにあるはずだと思いますので、それをどの辺に置かれているか、これは政府として御答弁を願いたい。
  10. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 政府といたしましても、今国会に御審議を願う法律案は、できるだけ早く提案せよということを、ことに衆議院議院運営委員会の方から内閣官房長官の方に強い申入れがあつたそうでございます。それで実は昨日の次官会議におきましては、今国会にどうしても提案をしなければならない法律案各省から提案をせよ、法律案がきまつていないものは要綱を出せ、要綱がまとまつていないものは件名だけでも出せ、こういうようなことがございまして、その趣旨従つて昨日の次官会議各省から提案ようという法律案を出したわけであります。それで内閣とされましては、さらに議院と交渉をせられまして、それらの法律案をいつまでに出すならば、大体御審議を終了していただけるかという最後の話合いをせられまして、その結果ただいま御指摘ようないつまでという期限が、はつきり確信がつく時期がきまると思うのでございますが、さようなことで提出期限を明確にいたしましたならば、それはもうその時期に間に合うよう政府としてはあらゆる努力をして、その期限を確守するようにいたしたいとういふうに考えておりますので、今の段階として今いつまでということに、実はまだはつきりきまつていないのでございます。その点たいへん遺憾でございますが、さような経緯でございますので御了承いただきたいと思います。
  11. 門司亮

    門司委員 今の御答弁ですが、一体自治庁はどうするつもりなんです。今税法を上げるといつたつて、結局行政関係がきまらなければなかなか上げにくいでしよう。きよう新聞にあつたよう改革をされるというなら、それを先に出してもらわなければ、この税法をこのまま上げるわけには行きはしませんよ。これは御承知よう権限委譲その他が出て来ますと、おのずから都市の性格がかわつて来ましようし、府県の形もかわつて来ましよう。それに対する財源をどうするかということを考えなければならない。われわれはこれからこの法律案によつて、各党もおそらく修正を考えるだろうと思う、府県市町村との財政調整をどうするかということになると思いますけれども、それの参考資料にも法律案を一応出してもらわなければ、これはどうにもならないのです。一体政府は、ほんとうに真剣に考えているのですかいないのですか。
  12. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 これはほんとうに真剣に考えておるのでありまして、ぜひこの国会に御提案申し上げて御決定をいただきたいと考えておるのであります。ただ先ほど申し上げましたように、いろいろな事情で遅れおるのでございますが、しかし御審議の過程において、この自治法改正考えられておるいろいろな問題点審議なさる上において必要であるということは、私どもも十分考えられますので、もしこういうような形で御了承が得られますならば、今きまつております頃項目くらいのものをお出し申し上げて、それの個々についての考え方——こういう考え方である、こういう点はどうも問題点と思つておるというようなことを御説明申し上げて、御審議参考に資するというようなことにでもして、ひとつ御審議を進めていただければ非常にありがたいので、私どももまだ決定できない問題点がたくさんありますので提案までに至らないわけであります。
  13. 加藤精三

    加藤(精)委員 せつかく門司さんからの御意見でありますが、なまこみたように、うにみたように、くらげみたようにまだ固まらないものの要綱をもらつて、それを審議参考にするということは、与党の部内でも十分意見が一致しないのですから、これらの審議にも相当長時間を要しますので、なるべくならばそういうものなしに審議を進めていただきたいと私たち考えております。
  14. 門司亮

    門司委員 せつかく加藤さんからの御意見ですが、出すのならやはりそれに基いて、われわれの考えが織り込まれなければならない。大体政府も不見識です。この前に要求したのです。大臣はすぐ出すと言つて、このごろになつて出さないという。新聞の伝えるところによると、どうも警察法審議その他にじやまになるというのが、今大臣の言われた諸般の事情というのかもしれない。もしいろいろの事情があつたとしたら、きまつておると思う。(「わかつておれば、いいじやないか」、と呼ぶ者あり)それではまるつきり権威も何もない、国会ペテンにかけることになる。それでは私は承知できない。いつごろはつきり出せますか。
  15. 北山愛郎

    北山委員 ただいまのことは、地方制度に関するいろんなもの、税法その他をわれわれが審議する際に必要であるということばかりでなく、小さい問題だけれども地方教育委員会教育長助役が兼任するということを許されるのは、三月三十一日までだと了解しておる。そうするとそれまでに改正なり何なりの法的措置をしなければ四月一日以降はどうなるのだ。これは絶対命令だと思うのです。単に政治方針の問題ではなくて、それの立法措置の問題があるのではないか。だから今月ももうあと十日くらいしか残つておらない。この際にいつ出すか出さないかでなくて、出さなければならない、そういう一小部分の問題だけを考えても。だからしてそれをどういうふうにするかということは、早急にきめなければならないのではないかと思うのですが、この点はどうお考えになつておるか。  それからもう一つは、これはせんだつて自治庁の方から非公式にお話を聞いておるのですが、町村合併促進法改正法律案も出したい、そして四月一日から実施したいといつたようお話がございましたが、これもお出しになるかどうか、これもあわせて伺つておきたい。
  16. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 最初のお話の問題につきましては、私どもといたしましても研究をいたしておりまして、今文部省協議中でございます。従つてその措置については、地方自治法改正法律案の中に織り込んで提案をいたしたいというふうに考えております。  それから第二点の町村合併促進関係のことは、自治庁といたしまして、今日までの経験にかんがみまして、地方からいろいろ意見が出て参つておりますので、さよう意見をとりまとめて、当地方行政委員会並びに参議院地方行政委員会の方に提出をいたしまして、ひとつ国会立法として御検討をいただきたいというふうに考えておるのであります。その関係刷りものもたしか近く差上げることができるかと考えておるのであります。それでできるだけ急いでおりますが、何分先ほど来申し上げますよう各省との折衝その他が残つておりますので、だんだんと遅れて行つて恐縮でございますが、さよう事情を御了承いただきたいと思います。
  17. 北山愛郎

    北山委員 そうしますとただいまの点、四月一日にどうしても実施しなければならないという問題については、少くともそれに町間に合うよう法律案提案されると考えていいわけですね。
  18. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 それが最も望ましいことでございまして、そういうようなふうにできるだけいたしたいと考えておりますが、何分文部省等との関係もございますので、あるいは若干時期がずれるようなことになることがあるかも存じませんが、その点は実は昨年の改正の際にも同様な事情があつたのでありますが、だからといつてことしもいいということは申し上げませんけれども、御指摘ようなふうになるように、できるだけ努力いたしたいと思つております。
  19. 北山愛郎

    北山委員 ただ今のところでは、とにかく十分の時間があるわけです。ですから三月三十一日で失効するいわゆる助役兼任地方教育委員会教育長、これはもしもその法律立法措置をしなければ、四月一日以降は幽霊になつてしまう。そう考えてもいいわけですね。そういうことがわかつておりながら、措置をしないということは、これは政府並びに国会の責任です。まだその措置をとり得る十分の時間があると思うので、少くともその点については措置をしていただかなければならない。昨年の例とか何とかいうことは、これは悪い先例でありまして、そういう先例をたてにとるわけにはいかないと思う。
  20. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 できるだけ御趣旨に沿うよう努力いたしたいと存じます。
  21. 加藤精三

    加藤(精)委員 各派申合せによる理事会を開くために暫時休憩していただきたいと思います。
  22. 中井一夫

    中井委員長 各派理事がおられないようですが……。
  23. 加藤精三

    加藤(精)委員 委託を受けておりますから大丈夫です。
  24. 中井一夫

    中井委員長 それではきわめてわずかの時間休憩をして、理事会を開きます。     午後二時十七分休憩      ————◇—————     午後二時二十一分開議
  25. 中井一夫

    中井委員長 会議を再開いたします。  これより地方税法の一部を改正する法律案議題とし、質疑を続行いたします。本日は改正要綱、税目第四不動産取得税より、質疑をお進めくださることをお願いいたします。
  26. 北山愛郎

    北山委員 それでは不動産取得税についてお伺いをしますが、この前に話が出ましたけれども、今度の不動産一得税というのは、ある意味では固定資産税の前払いといいますか、前取りというか、そういう性格のものであるというようお話であつたわけであります。従つて固定資産税の前取りということになると、固定資産税市町村がとる、不動産取得税の方は道府県がとるというようぐあいに二つにわけてしまうことは、税の体系からいつても、あるいは徴税の実際の事務上からいいましても、適当でないのじやないか、こういうふうに思われるわけであります。従つてこれを、体系を整えるために道府県税となつておる不動産収得税市町村に移して、固定資産税との見合いにして、両方をにらみ合せて市町村が適宜これをとるというような形にしてはどうかという考え方もあるわけであります。この点についてひとつ自治庁のお考えを承りたい。
  27. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 不動産取得税を創設いたしましたことにつきましては、先般来申し上げますように、不動産取得が行われます際、いわば比較的負担のしやすい時期に、不動産についての税を払つてもらう、そういう意味では、固定資産税の前取りというような形にもなるわけであります。これを府県に置くか市町村に置くかということについては、いろいろ研究をいたしたのであります。あるいは当初は国というよう意見も一方にあつたのでございます。しかしこれは従来の沿革、性格等から考えまして、やはり地方税とするのが適当であろうというようなことになつたのであります。府県市町村いずれに置くかという点につきましては、お話よう固定資産税との関連だけから申しますと、あるいは市町村がするということも一案かと存じます。しかし考え方といたしましては、やはり地方税体系全体を勘案いたしまして、府県市町村との間の財源配分の調整、ことに今回は偏在をある程度是正するというようなことも考えたわけでございまして、例の償却資産の固定資産税のうち大規模なものについては府県に課税権を譲与するというようなことも考えておるわけでございまして、それらとの関連から申しますと、かような税が府県にできましても、必ずしも無関係のことでないと思うのであります。のみならず固定資産の評価につきましては、時価ということになつておりまする関係で、市町村間の評価が若干不均衡であるという非難も一面にあるわけであります。もとより最近の平均価格の指示によりまして、ある程度これは是正されて来ておりますけれども、この不動産取得税の課税標準といたしましては、固定資産課税台帳に登録されておりますものにつきましては、原則として台帳価格をとる。     〔委員長退席、加藤(精)委員長代理着席〕  しかし新築のものでございますとか、あるいは台帳価格がないというようなもの、誤つておるというようなものについては、自治庁の指示いたしまする評価基準従つて知事が価格を定めて課税する、それを市町村の方に通知をいたして、市町村もそれに基いて固定資産の評価をいたす、こういうようなことにいたしておりまするので、府県知事にかような権限を認めまする結果といたしまして、やはり固定資産の評価がある程度均衡が保たれるようになると思うのであります。そういうような点をいろいろ勘案いたしまして、今回府県にこの不動産取得税を配分する、こういう案になつた次第であります。
  28. 北山愛郎

    北山委員 そうしますと、かりにこれを市町村に移した場合の困る点、そういう点は今お話なつた以外にはないと了解してよろしゆうございますか。それ以外の何か支障がある——もちろん四十四億幾らのものを道府県から市町村に移すという結果にはなつて参りますが、それ以外に何か市町村にやつては非常に困るのだというような特殊な理由がございますか。
  29. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 それを市町村に置いてはぐあいの悪い点があるかということについての重ねてのお尋ねでございますが、不動産の売買と申しますか、不動産取得の事実がやはり都市、ことに大都市においてその機会が多いわけでございます。従つて財源の公平なる配分という点から参りますと、市町村にこれを与えるということにいたしまするならば、大都市に偏在するということがやはり相当多いのではないかと思われるのであります。そういうようなことも考えまして府県に置くということにいたしたわけであります。
  30. 北山愛郎

    北山委員 それからこまかい点でございますが、たとえば災害等で失つた家屋を、今度新築、改築するというような場合には、常識からいつても減免されるということに考えられるのですが、そういうことができるかどうか。それはどういうよう規定に基いてできるのかという点をお示し願いたいのであります。
  31. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 ただいまの点は第百十一条の三十一に不動産取得税の減免という規定を置いておりまして、「天災その他特別の事情がある場合において不動産収得税の減免を必要とすると認める者その他持別の事情がある者に限り、当該道府県議会の議決を経て、不動産取得税を減免することができる。」こうなつております。これは六条の一般規定と同じ建前でございます。
  32. 北山愛郎

    北山委員 次にこの前建設委員会との合同審査の場合に、建設委員の方々からいろいろな意見が述べられたわけでありますが、その中で公共団体がやつております公営住宅をそれに入つている居住者に売渡すような場合には不動産取得税をかけるのは酷ではないかというような御意見もあり、私どもももつともだと思つているのですが、そのような場合に不動産取得税は免除するというようなことはできないかどうか。これは御承知よう市町村あるいは府県におきまして公営住宅をやつているわけで、原則としては居住者に一時金では無理でありますから、大体年賦とかそういうことで売渡しているわけであります。これは一面からいえば市町村公共団体の方の都合からいつても、いつまでも住宅を自分で持つているということの方が不利でございますから、居住者に勧めて買わせているという事情が相当多いと思うのであります。そういうふうな事情でございますので、そういうような際に不動産取得税を、買う方の居住者にかけるというふうなことは、常識的に考えて無理かと思いますので、そういう場合にはこの不動産取得税はとらない方がいいじやないかと思われるのでございますが、そういうよう措置がこの改正法でもつてできるかどうか。あるいはできなければ、そういうものを置くのが適当かどうかお考えを承りたいのであります。
  33. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 一般庶民の利用に供しまする公営住宅でありまして、最初から国費で建設する能力がないので、むしろ地方団体がこれを建設した後に、時期を見て借主に売却する、こういう場合にはこの法律規定に入つていますように、新築住宅の場合の軽減措置に該当する性質のものじやないだろうかというふうな感じを持つのであります。おつしやいますようなものにつきまして、地方団体が持つております住宅でありましても非常に区々でございます。いわゆる庶民住宅でございました場合には、むしろそのような方一向に持つて行かれるのではないかというふうに思うのであります。ただ法律規定いたしまする場合には、全国一律に適用されるものでなければなりませんので、きわめて厳格な種類のものにつきまして明確な規定を置いているわけであります。これ以下のものにつきましては、やはりその地方団体が適宜に条例で減免措置を活用して行く。ある場合には条例でなしに条例の委任に基いて、府県知事の権限によつてそれらの軽減措置を行う、というふうな幅のある措置をとつて行くよりいたし方がないのではないか。こういうよう考え方を持つております。お考え趣旨とはまつたく同感でございます。
  34. 北山愛郎

    北山委員 そうするとただいまの点につきましては、この改正法のもとで、各地方団体がそれぞれ条例等の規定によつてもやり得る、こう了解していいかどうかを、もう一ぺん確かめておくということと、もう一つこれも先だつての合同審査の場合に、いろいろお話が出たのでありますが、例の耐火建築であります。耐火構造の住宅建築の場合におきまして、やはり一般の日本の住宅政策上火災に強い建物をできるだけふやして行く、というような基本的な方針というものはやはり正しいのではなかろうか。こう思われるので、ございまして、その際にはここに書いてありまする一戸につき百万円という基礎控除、これは木造の場合としまして、耐火構造の場合には若干これに幅をつけて百五十万というふうに少し控除額を高めた方がいいのではなかろうか。これももつともな御意見だと拝聴したのですが、かりに百五十万円にした場合には、一体どれくらいこの税の歳入面でもつて影響を受けるかというような点についてのお見込みをひとつ承りたい。
  35. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 前段の御質問につきましては、私たちもこの改正法のもとにおいてできると考えております。またそういうような方向に運営を持つて行きたいと考えているのであります。  第二の問題につきましては、実は立案にあたりましてもいろいろ考えたのであります。その際に一体たとえば防火建築地帯といいましても、丸の内のあたりに建つて行く建物につきまして、どんどんそういうよう軽減措置をとることがはたして適当かどうであろうか、こういうような疑問を持つてつたのでありまして、やはりその税法で特別な施策を推進するということについては限度があるのではないだろうか、こういうような結論に達したのであります。やはり担税力というものを中心にして課税をして行くわけなんでありまして、防火建築につきましても、種々なものがある、それは全部取入れて来ることが、かえつてある場合においては税の本質を無視し過ぎるという場合も生じて参りますので、明確に国がこの建築については推進をはかつているんだという線が出されたものだけを、税法上拾い上げて行こう。こういうふうな考え方を持つたわけでありまして、そのことが百十一条の十四第三項であり、さらに別途の住宅金融公庫法の改正法案の中に盛られておりまするところの住宅金融公庫が防火建築地帯の防火建築について貸し付けました場合には、木造よりも非木造にする結果建築費が多くなるから、その場合の差額の二分の一に、今申し上げました百十一条の十四の三項と類似をした軽減措置規定を織り込むというようなことにいたしたわけであります。
  36. 北山愛郎

    北山委員 ただいまの後段の方のお答えは、これも一般のすべての建築でなくして、住宅というような制限を設けておれば、何と言いますかその弊害というものは十分防げるのではないか、このようにも感ぜられるわけであります。  次に標準税率の問題でありますが、税率は百分の三、この標準を越えて課する場合におきましては、あらかじめ自治庁長官に届出るものとすると書いてあります。これはどうも制限を越えて賦課する場合に、単にあらかじめ届出ればよろしいというのでははなはだ危険じやないかと思うわけであります。これはすでにこの前の公聴会におきましても、井藤教授だつたと思いますが、このよう固定資産税とは別に不動産取得税という新税を設けるということは、やはり増税の原因をつくるものであるというような危険性を指摘されているわけであります。従いまして私どもはこれが増税にならないためには、やはり標準を越えて課税をしようという場合に相当な制限をしなければならないじやないか。この改正法案の原案のようにただあらかじめ自治庁長官に届出ればよろしいというのでは、その制限が何らの制限もないということになりますので、その点についてもつと制限を設けたらいいんじやないか、かよう考えるわけであります。ことにこの不動産取得税は、御承知ように戦争と並行してたしか戦争のちよつと前に、この税が設けられまして、当初は同じように百分の三だつた。それがだんだん率がふえて行つて、結局百分の二十まで上つたわけであります。こういうような経済を見ましても、今政府が再軍備をやろうとしておる、それのスタートにおいて百分の三をもつて始め、最後にはやはり同じように百分の二十まで上つて行くかもしれないというようなことも考えられるわけでありまして、私どもはこの増税という点について非常に危険を感ずるのでございますが、ひとつこの制限規定というものを強化するようなお考えはないか、その方が適当ではないか、かよう考えるのですが、いかがですか。
  37. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 私たち立案にあたりましては、やはりこれらの税は地方税である、この地方税法がそのまま国民に働きふけて行くのではなしに、この地方税法をもとにして、府県議会なり庁町村議会なりの議決を経て、当該府県なり庁町村なりの税制がつくられる、それが国民に働きかけて行くものだ、こういう建前にあるものでありまするので、できる限り標準的な税率の規定にとどめたい、こういう考え方を根本に持つているわけであります。これが戦前でありました場合には、常に増税をしようとする場合に政府の許可を受けなければならない、こういう制度をとつてつたわけでありますけれども、こういうような封建的な監督の制度というものは、民主的な空気を助長するゆえんではないというので、極度に戒めておるわけであります。     〔加藤(精)委員長代理退席、委員長着席〕 ことにそれでは適当な制限方法も考えられぬのではないか、こういうお考えもあろうかと思うのでありますけれども、増税というのはやはり府県議会なり市町村議会なりの決議を経なければならないものであります。その際に強い抵抗もありましようし、なかなか簡単にやれるものではないじやないか、こういうよう考え方を持つているものであります。しかしあえてやろうといたします場合には、自治庁長官に届出なければならない。その場合は自治庁長官から勧告なり助言の機会もございますので、そういうことがありました場合には、さらに地方団体議会で相当な問題になつて来るのではないだろうかというよう考え方をいたしているわけであります。現にたとえば遊興飲食税につきましては標準税率のかけつぱなしであります。しかしながらこれは御承知ように、税率を上げるということは実際問題としてどこもやつておりません。また事業税や特別所得税につきましては、標準税率をかえましてこれを議会へ出そうという場合には、同時に自治庁長官に届出なければならない、こういたしておるわけでございますが、全国で一割程度の増税をいたしておりますところが一県、二割程度の増税をしておりますところも一県、全都道府県のうちで二県だけが遺憾ながら増税をしております。これは府県財政がここまで窮迫しておりますことを考えました場合には、多少増税に財源を求めてもいいのではないかということも考えられないわけではありませんけれども、この事態は容易ならざることを事実において示しているのではないだろうかというよう考え方を持つております。しかしお考え趣旨には賛成なんでありまして、そういう気持でこれらの税務行政の運営に努力して行きたいと思つております。
  38. 中井一夫

  39. 西村力弥

    西村(力)委員 私はこの不動産収得税府県税になろうとも、あるいは市町村税になろうとも、いずれにしましても、これを創設しなければならなかつたという積極的な理由、これは府県の財政が窮迫したから何とか税源を求めて、結局これにおちついたということになるのではないかと思うのですが、それだけではやはりうまくない。何だかそこに積極的な意義がなければならぬのではないかと思うのです。すなわち土地の異動を防止するとか、あるいは戦後非常に窮迫している建築住宅関係——庶民の住宅がほとんど進捗せず、顧慮せられずにいるのに、大きな料飲店とかそのほか会社、銀行等の事務所、そういうものだけがどんどん建築される、そういうものを抑制し、かつ国民全体の利益になるようなぐあいに、税法上においてその政策的な意味考えるとか、何らかそこに意義がなければならぬのじやないかと私は思うのです。それについて基本的な考え方をお聞かせ願いたい。
  40. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 不動産取得税をなぜ創設したかというお話でございますが、この点は不動産取得税の、何といいますか、先ほど申し上げましたように、不動産取得というような時期、要するに不動産の売買というような時期は、比較的担税力のある時期であつて、さような流通の機会をとらえて、一種の固定資産税の前取りをしておくということの方が、実際十五年間にわたつて見ますならば年々〇・二%だけ固定資産税をよけい払うべきものを、この負担能力の比較的多い機会に一どきに払つてもらうというわけであつて、そういうふうに長期にわたつてこれを計算いたしますならば、特にそういう意味では増税にならない、通じて見ればそういうことも言えるのではないかというようなところから、これを創設をすることはどうだろうかということを考えたわけであります。また同時に、御承知のごとく不動産取得税につきましては、性格として地方税に適するよう性格なりと考えて、また不動産取得税は、かつてシヤウプ改革の前まであつたわけでありまして、シヤウプ改革によつて廃止されました理由は、これは固定資産税に統合するというよう考え方であつたわけでありますが、今申しましたように実際の負担の点から申しますと、むしろ一面固定資産税の税率を下げて、不動産取得税を別に創設する方が、納める方から見ればいい点があるのではないかというようなことも考えたのであります。これが第二点と申すことができようかと思うのであります。  なおこの不動産取得税の創設につきましては、最近大きなビルがやや必要以上にできるのではないかとか、あるいはキャバレーとかいうような、いわゆる不急と申しますか、不要と申しますか、ああいうよう建築もどんどんできるのではないか、そういうようなものをある程度こういう見地から抑制できないかというよう意見があつたわけでございまして、そういうような面も若干考慮いたしまして、もちろんそれが主たる理由ではございませんけれども、そういうような面も考慮いたしまして、これを創設することにいたしたわけであります。かたがたこれによつて都道府県、要するに地方の税源、自主的な財源を若干でも増加することができますならば、それによつて地方自治の進展に一歩を進めるものであろうというふうに考えたわけでありまして、それらが本税を創設いたそうという理由でございます。
  41. 西村力弥

    西村(力)委員 担税能力という点からこの税を創設されたということでございますが、しからばその免税点の問題でございますが、百万円ぐらいの免税点では、ほんとうになけなしの金をはたいてどうやらこうやら自分の家をつくつたという勤労者、一般の人々は、百万円程度だけで限つてその担税力とマッチするかどうか、それからまたこの前の建設委員会との連合審査会では、一億の建築ということを例にとられましたが、そういう場合なんかにおいては、担税能力というものを基礎とするならば、もつと税率を上げるということも考えられるべきではないか、こう思うのです。百万円の免税点だとすれば、大体どのくらいの家族が住み得る、そして安住できる住宅ができると認められるか、そういう点からいつて、もつと免税点というか控除額というものを引上げるということが妥当と考えられないか、また累進的な税率を考えることはできないか、そういう点についてお伺いいたします。
  42. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 この前の建設委員会との連合会で一億円の建築を例に出したものですから、西村さんからまでひやかされてしまつて、いささか面くらつたのでありますが、あのときの議論は、たとえばビルデイングならビルデイングを建てる場合に、不動産収得税があるために耐火構造にしないで木造にする場合があるのではないか、こういうように聞いたものですから、かりに一億円としても三百万円程度の税負担ではないか、かように申し上げたつもりであります。これは別にいたしまして、新築住宅の場合に、百万円未満の部分については課税しないことに定めた根拠は何か、こういう御質問だと思います。御承知ように住宅金融公庫が建築資金を貸し出す場合に、坪当り建築費の基準にとつておりますのは三万三千円であります。かりに三十坪といたしますと九十九万円になるわけであります。実際問題といたしまして、たびたび申し上げますように、百万円投じて建築したからといつて、すぐ百万円に売れて行くわけでございませんので、課税標準にとります適正な時価というものは、大体この七割見当ぐらいになるわけであります。そうしますと、かりに三万三千円建築にかかるとしますと、四十坪までぐらいのものは課税されない。大体三十坪前後のものが課税されないなら、それでいいのではないか。大体庶民住宅というものを目標にして非課税の限度をきめたわけであります。なお累進税率を採用しないのか、こういう趣旨お話もございました。いろいろな税金を個人に集約して課税いたします場合には、その個人の生活費その他のものも考慮いたしまして、あとどのよう負担能力があるか、こういうことになつて参るわけであります。所得税でありますと、人税といたしまして、その人のあらゆる所得あらゆる収入を一人の人にまず集約いたしまして、それからさらにその人の生活費としてどうしても引かなければならないものは幾らあるか、そうして残りのものから税を払つてもらう、従つて所得の高に応じて累進税率を採用するということが可能になつて来ますけれども、個々の行為なり個々の物件なりに着目して、課税をいたして参りますものにつきましては、そういう人的事情を考慮することが困難になつて参るわけであります。またそういうことでありますと、なかなか課税ができなくなつて来るのではないかというふうに思うわけでありまして、物税の普通一般の理論に従いまして税率を採用する。あと人的事情を考慮するのは、収入をすべて個人に集約した上で考えます人税において行つて行くよりいたし方ないのではないか、かよう考えているわけであります。
  43. 西村力弥

    西村(力)委員 この不動産取得税都道府県が算定し、あるいはそれを徴税する場合に、市町村がどれだけの事務をやらなければならないか、それに対するバツク・ペイというか、そういうものはどう考えられているか。これも相当市町村側としては懸命に調査しても、その税は全部府県にとられて行く、そうなれば市町村間の不均衡ということも、これは顕著に現われる危険も予想せられる、これに対して府県知事が助言するということになつておりますが、そういう点から言うても、いろいろめんどうな事務があるのではないかと思われる。どれだけの事務があり、それに対する考え方があるか。
  44. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 不動産取得税の申告は、すべて市町村を通じて府県知事に行うということにいたしております。その申告書を受取りました場合には、市町村長は、固定資産課税台帳に登録されております価格がございます場合には、この価格を書き込んでおかなければなりません。固定資産課税台帳に登録されておりませんものでありました場合には、市町村長の意見、もつぱら評価の問題でございますが、この意見をつけて府県知事に送らなければならないことになつております。この事務市町村としては加わるわけであります。反面府県といたしましては、新しいものでありました場合には、みずから評価の責任を負わなければなりませんし、この評価がきまりますと、これを市町村長に通知いたしまして、市町村長はこれを固定資産課税台帳に登録いたしまして、これを基礎に固定資産税を徴収して行くわけであります。従いまして一面あるいは市町村事務が加わりますが、他面には府県市町村固定資産税の評価その他に対しまして協力して行くということにもなつて参ると思うのでありましてどちらにどうということでなしに、むしろ協力関係が打立てられて行くのではないかというふうに思つております。特に費用の増大を来すよう市町村事務の増大は考えていないのであります。
  45. 床次徳二

    ○床次委員 不動産取得税並びに固定資産税に関連して質問したいのですが、従来固定資産の評価等につきましては、特に関係の深いもの、これは償却資産等におきましては政府は相当適正な価格において、実情に合うように運用して来られたと思うのですが、しかし今日問題となりますのは、倉庫業のごとき、しきりに陳情が参りますが、かかる固定資産を中心とするものでありまして、しかもその評価に関しましては特に考慮がないということは、他のものとの均衡上どうかという点を疑われるのであります。この点に対する政府意見を聞きたい。なお不動産取得税におきましても、倉庫業のごときものは、最も強くこの影響を受けることになると思うのであります。あるいは不均衡を生ずることはないかと思いますが、この点について意見を伺いたいのであります。
  46. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 倉庫業の固定資産税負担が重いということは、強く倉庫業界から意見を述べられておりまして、われわれといたしましても苦慮いたしておる問題でございます。ただ昭和二十五年の改正で、従来の家屋税の負担が一躍二倍半ぐらいになり、また倉庫業というものがもつぱらその家屋を主体にして運営されるものでありますので、両者の関係から特に固定資産税負担が重くなつていると思います。しかしながら倉庫も大体家屋でございますので、類似の家屋と同じよう考え方で評価して行くよりいたし方ないのじやないか、そういう関係から、従来家屋並の評価をして行つているわけであります。しかし今お話になりましたように、償却資産とも考えられるのではないか。償却資産と考えられるから、減価償却の計算を基礎にした評価方法もあり得るじやないかという御指摘だろうと思うのでありまして、私たちも多少そういう問題も研究すべきじやないかというふうに考えておりまして、今後なおそういう問題につきまして研究して参りたいと思つております。
  47. 床次徳二

    ○床次委員 ただいま答弁によりまして政府趣旨はわかつたのでありますが、ただその評価方法を適正に考えるということは、実はこれは法律の面に出ずして、政令以下の扱いになつて来るのではないか。今日一面におきまして、固定資産税あるいは不動産取得税等があります場合に、いわゆる適正な評価という方法におきまして、これが是正されるということは、はたして法律の取扱いとして適正であるかどうかということについて、やはり考える余地があると思うのであります。先年来すでに取扱つておりましたところの、たとえば船舶の資産税のごときものもその適例であつたわけでありますが、やはりできるだけ法定をしておきまして、その処置について、疑問を少くしておくことの方がよろしいということを強く考えますので、この点やはり政府のお考えおきをいただきたいと思います。  それから前にもどりますが、事業税について一言質問してよろしゆうございますか。
  48. 中井一夫

    中井委員長 どうぞお進めください。
  49. 床次徳二

    ○床次委員 事業税につきまして簡単に一言お尋ねしたいと思います。昨日も公述人から事業税に関しましてお話があつたと思いますが、その中におきまして、新しい政府事業税に対する取扱い、すなわち課税標準の調査におきまして、所得税におけるところの材料をそのまま使いまして、事務の簡捷なり納税者の便宜に資するという趣旨が入つておるのでありますが、かかる処置をとることによりまして、相当事業税が増税になるのではないかという議論が出ておるのでありまして、具体的の課税されました実例を見て参りますと、そのおそれが非常に多く見えるのであります。これに対してどういうふうな考えを持たれるか、別の観点から見ますと、これは自家労力を控除するという問題にも関連して来るかと思いますが、この機会に政府意見を承つておきたいと思います。
  50. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 所得税の所得を基礎にして事業税の課税標準をきめるという考え方は、これは申すまでもなく、御案内のごとく税制調査会なりあるいは地方制度調査会なりの考え方の線に従つて処理いたしたわけでございます。これはもちろんかようにいたしますことの結果として、反面の利益といたしましては納税者側が国税と地方税と二度にわたつていろいろの調査を受ける煩を省くことが主たるねらいであり、反面徴税事務の簡素化ということで、行政の簡素化にも資するという点を考えたわけでございますが、御指摘ように、そういうことにいたしますことの結果として、あるいは事業税の所得の計算が非常にからいものになりはしないかという意見が若干一部の人たちにあることは、私ども承知いたしておるのであります。ただ国税のさような算定の基礎に乗つかることになりますならば、その国税の算定の基礎に対する批判がもし不正確でありますならばなお強くなり、これをさらに合理化する努力が払われることになろうと思いますし、また国税の算定の基礎につきまして不服がありますような場合には、地方の国税当局からその上級の官省に対して審査の請求をする道も開いてございますので、ある程度の調整は可能であると思うのであります。しかしながら実際問題といたしましては、国税の方で控除失格になりますようなものについて、いわゆる零細な事業者につきまして一番多くの問題があろうかと思うのであります。それは結局府県が自主的に決定をする建前に立つわけでありますし、それらから考えまして行政の簡素化と申しますか、徴税上の煩を省くという見地から今回のよう措置をとつたのであります。その結果もし事業税負担が総体において重いということになり、その点に対する御非難ということになりますならば、今回は御承知のごとく税率を三分の一も減じたわけでございますが、この点はすでに御指摘がごさいましたごとく自家労力の控除という思想を生かしましたものを、何らか将来考えられないかということになろうかと思いますが、私どもも今後の問題として十分研究をして参りたいと思つておるのであります。
  51. 石村英雄

    ○石村委員 事業税のことでちよつとお尋ねします。事業税の請負業なんですが、これがはなはだはつきりしないのです。請負業にはいろんなものが入つております。この間、印刷銅版工の職人といつたらいいかと思うのですが、そういう方に偶然会つていろいろお話してみましたら、そういう方に事業税が、しかも請負業として一種がかかつておるということです。ところでその後四、五日たつて、今度は印刷基本技術団体というところからさらにお話を聞いたのですが、それによると印刷の図案家とか銅版の彫刻家あるいは木版の工芸家、あるいは版下の——これなんか職人といつた方がいいと思うのですが、こうした芸術家と申しますか、工芸家と申しますか、あるいは職人と申すような人たち事業税がかかる。しかも請負業として第一種がかかつておるということです。地方の徴税当局者の意見では、君たちにそうした請負業としてかけるのは非常に無理だと思うのだが、はつきりした規定がないものだから請負業に入れるよりほかしようがないということだそうです。もちろんこうした工芸家を集めあるいは職人の方を集めて企業的にやつている場合には、事業税をかけるということがいわれるかもしれませんが、個々のそうした工芸家——中でも木版なんかは指定文化財としての補助までもらつておるのに、画かきさんにかけると同じようなことになつておるそうですが、こうした個々の技能的な芸術家と申しますか、工芸家と申しますか、そうした人にまで事業税をおかけになるのは不当ではないか、かりにかけるとしても第一種は無理ではないかと考えるのですが、自治庁としてはどういう御判断でありましようか。
  52. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 お話の中で一つは課税範囲として適当であるかどうかという問題、第二は非常に零細なものについてまで課税をして行くような今の税務行政の運営はどんなものだろうか、この二つを言われておるように思います。最初の課税範囲の問題といたしましては、文士などにつきましては事業税を課さないような建前にいたして参つておりますので、その辺一体どのような範囲に属するかということは、さらによく研究した上で考えてみたいと思います。ただお説についてとやかく言うのではございませんけれども、全体としての考え方といたしましては、何らかの価値を生み出しておる、要するにそこに国民所得を生み出しておると申しますか、事業が行われておると申しますか、そういう場合にその相手方への経費の転嫁をねらつておるのでありますが、府県経費を分担してもらう、しかしそれらの事業から給与をもらつておる人たちには、経営者に課税して行くのだから課さないのだ、すでに事業を行つておるものに課税をして行くのだ、だから給与をもらつておるものには課さないのだ、こういう考え方に立つておるのであります。しかし非常に零細なものは除くという考え方で運営して参つておるわけでありますけれども、とかく賃金生活者の面についてまで課税をして行くようなきらいがありますので、御指摘ような非難がたびたび起きておるのだろう思います。先般来御意見のありました、主として質金を主体に行つておりますようなものは、課税をしないような運営方向に持つて行きたいと思います。  御指摘になりました銅版の問題につきましては、ちよつと実態をつかみかねますのでお答えしにくいのでありますけれども、非常に賃金収入的なものであります場合には、そういう業態に限りませず自家労力を主体としておりますものにつきましては、課税をしないような線を出しておる際でありますので、そのような方向で考えてみたいと思います。ただよく実態をのみ込みにくい点もありますので、将来研究した上でお答えさせていただきたいと思います。
  53. 石村英雄

    ○石村委員 大体お考えはわかりましたが、実際に地方の徴税当局はこうしたものを請負——大工さん、左官屋さんというような職人にも事業税がかかつておるようでありますが、この人たちにも事業税をかけるのが適当であると言う人と、そうでないと言う人とはもちろんあるので、こうした技術家的な方々にはなるべくかけないような指導を、はつきりした通達なり何なりで出していただきたい。
  54. 大矢省三

    大矢委員 この不動産取得税についてお伺いいたしたい。特に戦災を受けた大都市の復興が遅々として進まない大きな原因は、土地の値上りでございます。もちろん買占めもあろうし、それをまた分割するというようないろいろな関係で多く税金にとられるために、どうしても土地が上つて来る。特に土地の値上りの割合が非常な急速度になつておるために、どうも復興に支障を来す。いろいろな関係で今日でも家主が引合わないので、ひとり地方団体とか公共団体並びに住宅公団その他で建築をしておるのですが、やはり地代が高いからどうしても勢い家賃が高くなる。従つてこの不動産取得税を、今までも四つも五つもいろいろな名目でかけておる。その上にまたこういうふうなことになりますと、一層高くなつて行く、復興を阻害するような結果になる、こういうことで、一般もこれは非常に憂慮しておるが、その点は心配ないのでございますか。
  55. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 大都市におきまして、土地の値上りが相当なものであつて、そのために住宅の建設が阻害されておるというような点から、土地の収得につきまして不動産取得税をかけることは、さらにその阻害を強めるのではないかというような御心配でございますが、さような面も若干あろうかと思いますので、今回の案におきましては、御承知のごとく土地を取得いたしましてから一年以内に住宅を新築するというようなものにつきましては、申告がございます場合においては、あるいは徴収を猶予する、そうして一年以内に現実に住宅の新築がありましたならば、徴収を減免する、こういうよう措置を講じておるわけでございますが、しかし反面この大都市等におきまする土地の売買につきましては、さような、ほんとうに住宅建築のために必要であるという意味における土地の取得のほかに、やはり一種の財産投資というような見地で土地を購入し、あるいはさらに投機的な意味において土地の売買をするというような面もあるわけでございますので、本案といたしましては、今申し上げましたように、一年以内に土地の上に家屋を新築するという場合について特例の措置を講じたのであります。そういう結果といたしまして、若干なりとも土地等に対する騰貴を抑制するということの結果から、そういう面では値上りについてむしろマイナスの影響もあるいはありはしないかということを考えておるわけであります。
  56. 中井一夫

  57. 門司亮

    門司委員 私はこの税法とは違うのですが、実はこれで不動産取得税はずつと逐条やれらたというお話ですが、われわれまだ少し聞きたいところもあります。一応これで県税関係が終ることになるわけですので、この機会に聞いておきたいと思いますことは、今度の税法改正で非常に問題になつておる遊興飲食税について、手をつけなかつたのはどういう理由なのか、その点をひとつはつきりしておいてもらいたい。
  58. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 遊興飲食税につきましては御指摘ようにいろいろ各方面からの御意見もございまして、政府としましては、当初は国税移管というような案も調査会の答申にございましたよう関係から、いろいろな方面からこれを検討いたしたのでありますが、結局するところ入場税の移管ということのいわば折衷的な措置になつたのでございますが、それとの関連におきまして、やはり一番大きな問題は、入場税の税率を今回若干下げた、遊興飲食税の税率を下げることはどうかというような点が一つの問題になつたのであります。ただ入場税につきましては、従来一般の入場につきましては五割、その他は二割というような建前であつたわけでございますが、遊興飲食税につきましては、御承知ように二割、一割というような税率になつておりまして、その辺の税率をさらに下げるかどうかは、この際は考えないでいいのではないか、耐乏生活といいますか、そういうような見地から、その点はそのまますえ置くということにいたしたのであります。もちろん一〇〇%という税率も一つあるわけでございますが、その点は今申し上げました後段のよう趣旨がなお強く考えられまして、そのままにすえ置くことにいたしたのであります。その他の点につましても、いろいろな意見があることは承知いたしておつたのでございますけれども、一応全体といたしまして、今回は特に調整をいたさないという最後の結論になりまして、かような案を提出いたした次第であります。
  59. 門司亮

    門司委員 私のさらに聞きたいと思いますことは、これだけの税法改正をやるならば、私は当然手をつけらるべきじやなかつたかと考える。それの一つの大きな理由としては、国税に移管した場合は、大蔵省は税率を下げてもいいということをはつきり言つてつた。そういたしますと、この税法改正にあたつても、やはり当然これは改正を要求さるべきものであつたと私は考えておる。どうもこれが改正されないということは私はおかしいと思うのです。大蔵省は国税に移啓すれば税率を下げることができると言うのだが、一体自治庁地方にこれを持つてつておけば税率は下げられないのですか。大蔵省は下げることができるということをはつきり言つて、国税に移管すると言つておる。このまますえ置く場合には、自治庁は税率をかえるわけには行かぬというのだが、一体それだけ自治庁考え方が弱いのかどうか、ここは非常に大きな問題であります。いわゆる国家権力においてとれば、税率を半分に下げても今の税相当額がとれるということになると、現在の遊興飲食税というものの徴税は、きわめてずさんだと言うと怒られるかもしれないが、いいかげんなものだと言うことができると思うのです。この点に対する自治庁考え方はどうなんですか。
  60. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 遊興飲食税につきましては、門司さんも御案内のごとく、戦時中奢侈禁止というよう趣旨から、禁止的な非常に高率の課税であつたわけでございますが、それがだんだんと税率も下り、また府県もことに禁止的な高率の税におきましては、徴収に非常な困難を感じておつたわけでございますけれども、その後だんだんと経験を積んで参りまして、逐次今改善の遂にあるわけでございます。従つてような税は、国税の徴税機構をもつて徴税いたしますのと、地方の徴税機構をもつて徴税いたしますのとにおきましては、国税の方は、なるほどただちに所得税とかあるいは法人税の所得の基礎によつて査定をするというようなことがすぐ結びつくわけでございますから、その上に徴収が強化できるという論も国税方面ではあるわけでございますが、しかし現行の遊興飲食税規定の中におきましても、さような所得金額によることができるという規定がすでに置かれておるわけでございますし、地方の徴税当局といたしましては、今後さらに努力を重ねて行けば、決して国税に劣らないようなものにできると思うのであります。今までむしろだんだん悪くなつておるのならば、いろいろこの点の批判もあろう患いまするが、逐次徴収の実績は私どもは改善しておると思うのであります。税率の点につきましては、これは御指摘ように、私ども他に適当なるかわり財源を与えられますならば、これを引下げることについては何らやぶさかでないのであります。私どもといたしましては、入場税と遊興飲食税との税率間の均衡はございますが、しかし国税に移管して税率を下げ得るものならば、これは地方税においても税率を下げて、同額程度のものは徴税できるであろうというふうに思つております。思つておりますが、今回の全体の財源措置の問題といたしましては、遺憾ながらこの点の税率を下げるというところまでの財源措置ができないような結果になつておりますので、先ほど申し上げましたよう答弁をいたした次第でございます。
  61. 門司亮

    門司委員 今の答弁は非常に詭弁じやないか。下げるということの自信がないのじやないか。下げて徴収ができるだけの自信がないというのがほんとうじやないか。財政計画上の問題でなくて、大蔵省は半分くらいに下げても税総収入額においては大してかわりがないということをはつきり言い切つておるのである。そうしますと、今の財政計画上ということになると、この税率で行けば財政計画に考えられた税総額の倍くらいはとれなければならぬようになつて来る。私はおかしいと思うのですがね。そういう財政計画上こうなつたというのじやなくて、自治庁としては、大蔵省の言うように税率を半分に下げたのでは、所定の税収入があげられないということで、自信がないのじやないですか。自信があるならば、大蔵省に負けないように下げたらいい。財政計画に何らさしつかえない、税収入の総額に何もかわりがなければ、下げた方が私はいいと思う。この辺の事情をもう少しはつきりわかりやすく正直に言つてくれませんか。
  62. 加藤精三

    加藤(精)委員 関連。門司先生はこれまた百も千も御承知の上御質問なんで、まつたく驚くのでありますが、各県庁の税務課長等からお聞きになつてみればはつきりわかるのでありますが、税率を下げて所定の税額を上げるなんということは、事実上各県ともできない。ことに御承知のごとく財政貧弱県におきましては、実質上の減税をしたいという親心は十二分にあるのにかかわらず、どうしても相当の税額は上げなければならぬ。地方税の問題のほんとうの苦しみ、矛盾はそこにあることは万々御承知なのであります。これはわれわれ地方財政確保の上からも、税率を引下げますと、それは決して増収にはならないのでありまして、これはまあある程度われわれ課税的なことは表面は見えないのでありますけれども、財政の極度に貧弱している府県におきましては、そういう傾向があるのでありまして、税率を下げた場合には、割当も下げよということを必ず言つて来るのでありまして、その点大蔵省当局は地方税事務等については、まつたくしろうとでございますので、そういうしろうとの議論を相手にして、この専門家の地方行政委員会で論ずることはないのじやないかという感じがいたしますが、自治庁当局の御意見はどうですか、お聞きしたい。
  63. 門司亮

    門司委員 今のせつかくの御意見ですけれども、大蔵省当局がしろうとだというなら、あぶなくて税金をまかしておけない。(「地方税についてはしろうとだ」と呼ぶ者あり)地方税といつても、国税といいますか国の財政に非常に大きな関係を持つているのであつて、大蔵当局がしろうとだというなら、私は自治庁はなおしろうとだと思う。それで私の聞いておりますのは、もう一つつつ込んで聞いてみますと今度の税制改正では新しい税がたくさん掲げられておる。いわゆる新税は悪税だといえばみな悪税なんだが、その議論は別にして、固定資産税においてもあるいは事業税においてもすべての税率は下つておるのであります。ことに入場税は、大蔵省の案を見てみますと、大体現行法の半分くらいに下つておるのである。ひとりこの遊興飲食税のみが取残されておるということであります。私は税法改正をされようとするならば、新しい税種目をこしらえたという答弁の文句からいつても、これらの税率はやはり是正さるべきでなかつたか。この点についてどうしてこれだけが是正ができなかつたか。これは私は自治庁の怠慢ではないかと思うのです。(「政治力だよ」と呼ぶ者あり)怠慢だということが政治力なら政治力と考えてもいいのだが、とにかく大蔵省はさつき言いましたように、国に移管する場合は引下げるということははつきり言い切つてつて、これが国に移管できなかつたからといつて自治庁は下げ得なかつたということになれば、私はいかにも自治庁の怠慢を責めらるべきだと思うが、今からでもこれを是正するお考えはありませんか。
  64. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 遊興飲食税の税率をなぜ下げなかつたかという点についての重ねてのお尋ねでございますが、それは大蔵事務当局云々のお言葉がありましたが、大蔵事務当局として一部にはそういう御指摘よう意見があつたことは事実であります。しかし大蔵省の意見としてこれを引下げよという意見は、最終的にまとまつたものではない、一部の意見であります。そういう意見がありました。私どももまたさような税率を下げるということはいかがかとも考えたのであります。考えたのでありますが、しかし政府として最終的にきまりましたことは、やはり今日のデフレ予算下において、むしろかような消費をある程度抑制をするというような見地で、これをさらに税率を下げるということについては、若干疑義を持つておるというような一面の意見もあつたわけでございまして、さようなむしろ耐乏生活というよう趣旨から、これを場合によれば引上げるというよう意見もなかつたわけではありません。結局これを現状にすえ置くということになつたのであります。なお実際の問題といたしましても、先ほど申し上げましたように、入場税の税率との均衡から見ますると、入場税の方がむしろ均衡的には非常に高い五〇%というような税率をとつておるのでありまして、これを今回一番多いところを約二%程度引下げる。すなわち五十円から百五十円のクラスのところをたしか二割程度引下げる税率にいたしておりますが、それと比較いたしまするならば、現在の二〇%、一〇%という税率はそう高いものではない。むしろ比較すればどちらかといえば遊興飲食税の方が低いとも思われるのであります。そういうようなことをも考えまして、今回は一応税率をすえ置くということにいたしたのであります。しかしなお遊興飲食税につきましては、先般もいろいろ御意見がございましたし、私どもといたしましても、将来の問題としては十分この点も考えて参りたいと思う次第であります。
  65. 門司亮

    門司委員 そういう政治的答弁では私は困ると思うのです。耐乏生活云々だからと政治的にこれをもつて行くのは間違つている。これはデフレ政策の関係と違うと私は思う。大衆の持つている購買力をいかにして政府が取上げるか、インフレのときはそういう考え方ができますけれども、デフレのときはそういうことはいかぬと思います。やはり大衆に購買力を持たしておくことが必要である。インフレのときはどんどん税金の形で取上げてしまうということは一応考えられるが、私はそういう点はそういう政治的な答弁でごまかそうと思つても無理だと思う。率直にそういう意思はないのだということと、それからもう一つは入場税の考え方をここに持つて来られても、これも私は迷惑だと思います。入場税が高いか安いかということは、入場税自身の問題として考えるべきことであつて、ほかの税金と何ら関係はない。遊興飲食税との間に何ら関係はないわけです。もしさつきの次長の答弁ようだとすると、われわれは税制全般ついて、もう一ぺん考え直さなければならない。非常に大きな矛盾は、さつきも言つた通りこれらの税率が現実に下つているではありませんか。入場税も税率を下げている。耐乏生活をやかましく言うならば、今のようなたとえば入場税について、入場料が一回二百円、三百円、そういう高いところは上げたらいい。つじつまが合わんじやないですか。変な政治的な答弁をしておつて、入場税はどんなぜいたくなものでも下げるが、遊興飲食税はどんな不合理があつても下げないというりくつはこれは成り立たないと思う。そういう詭弁の答弁をされたら、いつまでもきまりのつくまで質問をしなければならない。気がつかなかつたというのなら気がつかなかつたでいいのだ。耐乏生活をしいるために遊興飲食税を上げておくことがよかつたというのならぜいたくな歌舞伎なんというのをどうして下げるのです。こんなものを五百円も千円も払つて大衆は見に行けない。こんな高級なものは上げたらいい。そういうものは下げているではありませんか。そういうつじつまの合わぬ答弁をしておつては、いつまでたつてもこれはきまりがつかぬのですよ。もう一回聞いておくが、歌舞伎とかそういうぜいたくなもので、庶民階級の行けないようなものの税率を下げたというのは一体どういうわけか、どうしてそう下げなければなりませんか。
  66. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 たびたびの御質問でございますが、先ほど来申し上げますように、これは戦時中入場税、遊興飲食税は御承知ように非常に高率になつたわけであります。その前にさか上りますと、入場税は一〇%でありまして、遊興飲食税も芸者の花代は二〇%で、その他は一〇%という大体同じ率をとつてつたわけであります。ところが戦後入場税の方は一番高いのは二〇〇まで行つておりますし、現在も非常に高くなつているのであります。ところが遊興飲食税の方はやはり一番高いのは三〇〇ぐらいまで行つており、カフエーとかバー等は一二〇というところまで行つてつたわけでありますが、それがその後逐次ほとんど隔年あるいは年々税率が下げられて参つたわけでございまして、遊興飲食税は先ほども申しましたように、今日ではすでに二〇%、一〇%になつて芸者の花代だけが一〇〇%、こういうことになつておるわけでありますが、入場税の方は依然として今日まで五〇%ということになつて来ておるわけでありまして、これは戦時中以前の、両方とも大体一〇%という均衡から申しましても、今回の入場税の税率を引下げたということは、両者の権衡を考えますならば、これはむしろ当然の措置と思うのであります。歌舞伎の点についてなぜ下げないか、こういうことは確かに御意見だと存じますけれども、従来歌舞伎についてだけ税率を特別にするというよう措置は、戦時中といえども講じていなかつたわけでございまして、その点御見解は御見解と思いますが、特にその点についての引下げを考えていないのであります。  それから耐乏生活云々の点についてもいろいろ御意見がございましたが、私どもも税率を下げることについては反対ではございません。この点は大蔵当局との間においてもさような見解が、われわれの方にもあつたということは、さつき申し上げた通りであります。しかし政府として最後の案として提案をいたします際の考え方といたしましては、先ほど申し上げましたようなことになつたのであります。
  67. 床次徳二

    ○床次委員 ちよつと関連して——ただいま遊興飲食税並びに入場税に関して質疑があつたのでありますが、今日入場税を地方税から国税に移管される政府案が出ておる。これが大蔵委員会審議中のことは御承知の通りでありますが、これに対しまして、大蔵委員会審議の模様がいまだわかりませんので、何とも批判の余地はありませんが、聞くところによりますと、この政府提案の入場税を若干軽減いたしまして、そうして国税移管を実現しようという動きも見えておるかのように聞くのであります。ただいまの政府委員門司委員との質疑を聞いておりまして、この点非常に疑問になつたのであります。もしも大蔵委員会におきまして、入場税を非常に減率いたしましてこれを国税移管にする、なるほどそれによりましてあるいは一部の反対論を緩和することはできるかとも思いますが、同時に地方財政は相当赤字が出るのではないか、これはただいまの問答によりましてもわかります通りです。大蔵省の力をもちまして十分に取立てることができればまた別でありますけれども、どうもそういうようなことも困難なところがあるのではないか。地方財政に及ぼす影響が相当あるのでありまして、これに対して地方財政当局としてはどういうふうに考えておられるか、この点は特に塚田国務大臣から答弁をいただきたいと思います。これは適当な機会でよろしゆうございます。地方財政全般からいえば影響のあることでありますので、大蔵委員会がさようなことをいたしまする場合におきましては、いかよう考えられるか、この点適当なときに明らかにしていただきたいということをお願いしておきます。
  68. 中井一夫

    中井委員長 今の床次委員の御発言は、入場税の問題については事重大だから、大臣が直接よく考え答弁をするように、こういう御希望なんですね。——それでは今の点は大臣に伝えられ、大臣より明日にでも御答弁なるように希望しておきます。
  69. 門司亮

    門司委員 私が聞いておるのは、やはり今の床次さんの心配のようなことがあるのです。結局この遊興飲食税を下げられなかつたということは、大蔵当局との意見の相違があるのです。むしろこれは入場税があのままの姿でこつちに返つて来た場合、あるいは大蔵委員会が否決した場合、これはどうしてもまた修正を出さなければならぬが、その場合には大蔵案でいいのですか。これは入場税に限つてです。その点はつきり答弁してください。
  70. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 さようなことがありますかどうか、それは別の問題でございますが、地方税として存置するということでありますならば、税率の軽減という措置をやはり同様にとるべきであろうと思いまするし、あるいは従来課税しておりましたものもそのまま、地方税でございますから課税をするというような建前になろうかと思います。しかしこの点は事非常に重大でございますから、明日特に御質疑がございますならば、床次委員に対する大臣答弁の際に、あわせて大臣からの正式のお答えを申し上げることにいたしたいと思います。
  71. 西村力弥

    西村(力)委員 ただいま次長のお話では遊興飲食税を現行にとどめた理由として、デフレ予算というものを強行する、その効果を求める、こういう意味をもつてやられたということでありますが、私はその立場は立場として肯定しましても、そういう立場をとるならば、これは必要不可欠なものはかえつて軽減するのが、ほんとうの政策であると思う。デフレ期になつて、そうして購買力が減退し、ふところが淋しくなつても、やむを得ず飲食するもの、あるいはやむを得ず宿泊するもの、そういう必要な絶対的な経費に対しては、むしろ軽減してこそ、ほんとうにデフレ下における政策としての主張が通ると思う。そういう立場に立つて全然考慮されなかつたかどうか。これは現在の政府の政策としてデフレだから、強硬にしかばねを越えて行くというよう状態から、そういうことを考慮せずにやつたのではないかと思われるが、ほんとうに国民のことを考える政治であるならば、そういう点について相当に論議されたのではないかと思う。遊興飲食税のすえ置きということに対して、私の懸念するようなことが起らなかつたかどうか。
  72. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 耐乏生活の見地から申しますと、むしろこれは税率を引上げるというような、ことにこの中の奢侈的な面のような消費につきましては引上げるというようなことになろうかと思うのでございますが、しかし今日の段階において、そこまで考えることはいかがかということで、結局現行の通りで行こうということになつたわけであります。
  73. 西村力弥

    西村(力)委員 そうじやない。私が言うのは、奢侈的な方面は引上げようという考え方も一応成立つだろうが、奢侈でなく、デフレ予算を強行され、国民がそういう状態に追い込まれて行つて、それでもなおかつこういう飲食税の対象になる支出をやむを得ずしなければならぬものを軽減しなければならぬ部面がある。そういうものはむしろふところが淋しくなる国民であればあるほど、そういう税率を下げてやつてこそ、デフレ予算を強行する一つの政治の方向ではないか。そういう論議はなかつたか。奢侈的な部面を上げるということ、その点も一応考えられるが、反対側の立場については考慮がなかつたかというのであります。
  74. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 ただいま西村委員の最初に仰せになりましたことでありますが、どうも申されておりますことがはつきりわかりかねましたので、あるいは間違つておりましたら御訂正願いたいと思いますが、デフレ下の耐乏生活というような見地から、先ほど申しましたように奢侈的な性格のあるものについて、ある程度税率を上げるということは、一つの案として考えられたわけでございますが、反面そうでないようなものについては税率を引下げるべきだ、こういう議論がなかつたかというようお話かと思いますが、それは先ほども申し上げましたように、遊興飲食税の税率を引下げるということは、私ども事務当局の一部においても考えたことはあるのであります。それはそういうようなデフレ下と申しますよりも、先ほど申し上げましたように入場税、遊興飲食税が、いわゆる平和時の平静な状態においてはどの程度の税率であつたかと申しますと、いずれも一〇%というような税率であつたわけでありまして、そういうようなこともいろいろ考え合せて、さらに下げる余地はないかということを検討したのであります。ただそれが入場税の五〇%というものとにらみ合せて参りますと、遊興飲食税をさらにこの際下げるということについてはどうであろうかということで、結局現状すえ置きというようなことになつたということを申し上げた次第であります。
  75. 石村英雄

    ○石村委員 耐乏生活というお話ですが、耐乏生活もけつこうだと思うのですけれども、旅行をしたらまさか橋の下で寝ろというような耐乏生活であつてはならないと思う。ただいまの御答弁が正直なほんとうのお考えから出たのだとかりにいたしますと、現在の遊興飲食税がどのようにとられておるかという事実を、自治庁は御存じないのではないかと思います。むしろ現在は奢侈的なものの方から税金がとられないで、そうでないところからとられているという事実です。自治庁では中川とか長谷川がどのくらいの遊興飲食税を納めているかお調べになつたかどうか知りませんが、私は山口ですが、山口には温泉がありまして、やはり奢侈的なところがあるわけです。そこの主人がせんだつて来まして、東京で、自分の店と同じ程度の店——くろうとが見ればすぐわかるらしいのですが、そこで遊興飲食税についていろいろ話をした。そうしたら五万円だと言うので、五万円なら東京も山口も同じ程度だと思つたというのですが、さらによく話をしてみたら、東京の五万円は一年間に五万円で、山口の業者が納めるのは一箇月に五万円、このように違つておるわけなんです。税率を下げるというよう考え方もあるでしようが、税率はかりに下げなくても免税点を引上げて、ほんとうに単なる宿泊とか、単に夕飯を家庭で食べると同じように食べるというのまで税金を一割もとる——この国会でも議員食堂でわれわれが飯を食うのでも、たいてい五十円以上ですが、食べる連中から一割飲食税を納めているということを考えている連中はいない。幾ら納めているか全然自分では知らない。そういうふうに、遊興飲食税法律できめられたようなとり方には、もうなつていないという事実、これは遊興飲食税に無理な点があるからそうしたことになつている。これをほんとうの姿に直せば、あの規定通りに、ほんとうに奢侈的なものからとれて行くのじやないか。それをむしろ奢侈的でないものからとつておるということから、こんなへんてこなことになつているのだと思う。自治庁の方、ほんとうにさつきの答弁は正直な答弁なんですか、ただわれわれをごまかすための答弁なんですか。
  76. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 先ほど来申し上げましたことは、事実に基いて説明を申し上げたのでございまして、決してさような意図のものではございません。
  77. 大石ヨシエ

    ○大石委員 私奥野さんに聞きたいのです。私がお願いして全国の税務課長を呼んでいただきましたが、遊興飲食税について、あれは一体その結果どういうような話合いになつたでしようか、聞かせてください。
  78. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 全国の税務課長会議におきまして、今後の遊興飲食税等の取扱いについて、私の持つております個人的な考え方を話してみました。しかし大多数の税務課長は私の考え方に反対でありましたが、今後なおさらに研究をしまして、そうしてできる限り早い機会に自治庁としての考え方も伝えたい、こういうことを言つたわけでありまして、なお内部におきましてどういう線を打出して行くかということについて相談をいたしております。いましばらく猶予していただくようにお願いしたいと思います。
  79. 大石ヨシエ

    ○大石委員 それでは奥野さんの考え方ですね、どういうふうに考えていられるか、それをちよつと聞かしてください。
  80. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 要するに経済情勢がだんだんかわつて参りますと、それに応じましていろいろな税務行政のあり方もかえて行くべきだろうと思います。要するにすつきりした線に持つて行きたい、こういう考え方を持つておるわけであります。
  81. 大石ヨシエ

    ○大石委員 すつきりした方向に持つて行きたいというが、すつきりしたとは抽象的ですが、それはどういうことを意味するものでしようか。
  82. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 いずれ自治庁としてはつきり態度をきめます場合には、御報告させていただきたいと思つております。
  83. 大石ヨシエ

    ○大石委員 それでは赤線区域に対する問題、それから旅館組合に対する問題、一般大衆飲食店に対する問題、これらについてあなたはどういうふうな見解をお持ちでございますか。
  84. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 個人的の考え方段階におきます問題をいろいろお話いたしますことは、かえつて誤解を招くのじやないだろうかというようにおそれておるわけであります。しかし重ねてのお話でありますので端的にお話させていただきますと、たとえば飲食を提供しないような場所におきます売淫行為を遊興飲食税の対象にとらえて行くことはいかがなものであろうか、あるいはまた委託加工の名目をもつてするすしの販売に対しまして遊興飲食税を課して行くということもいかがなものであろうか、こういうような気持を持つておるわけであります。何分今まで運営しておりましたこととは百八十度かわつたやり方の考え方を述べるものでありますので、非常に強い反対を受けるわけであります。しかしながらこれらの問題につきましては、なおよい方法があるのじやないかというよう考え方を持ちまして、どのような具体的の政策、方向を打出して行くかということについて、内部でなお相談いたしておる最中であります。
  85. 大石ヨシエ

    ○大石委員 この委員会で私がたびたび申しておりますこの赤線区域に人頭割で遊興飲食税をかけるということは公娼制度を認めることである。また一方では婦人代議士が売春禁止法を出そうとしておる。この点御承知でございますね。  それから旅館組合の問題ですが、この旅館というものは、つまり私たちが宿泊するところです。遊興飲食するところではございません。それであるのに、遊興飲食税が課税されておる。これは非常に不当であると私は思つております。それからたとえて言うと、一品五十円のものに対しては非課税になつている。それなら私たちがそうした飲食店にものを食べに行つて、とにかく百五十円のものを食べてもまあまあとにかく五十円ということにして非課税にしてしまつたらどうなる、こういうふうな税金というものは悪税である。これをどういうふうにしたらほんとうによく税金がとれますか、あなたのお考えを聞かしていただきたい。
  86. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 私ども考え方は先ほど申し上げたことでおわかりいただけることと思うのであります。今の御趣旨をよく検討いたしまして、できるだけ早い機会に結論を出しまして、お気持に沿うような方向に持つて行きたいと存じます。
  87. 大石ヨシエ

    ○大石委員 今舞鶴から料理屋の人が参りましたが、その人はどういうことを言うておるか、芸者を呼んでそうしてそこで散財してもらうのははなはだよい、ところがその花代というものは払つても、代金は会社でも何でもただちに払つてくれない、結局自分たちが血税でもつてつておるよう状態である、それに今日舞鶴の全部の料理屋は差押さえを食つてつて今営業ができないよう状態で、きよう陳情に上りました、こういうようなことで、ほんとう遊興飲食税というものでなしに、もつと国家に確実にとれるような課説方法は、あなたはそういうことが専門ですから、ございませんでしようか、もつと確実にごまかせない方法、それをちよつとあなたの私見を聞かしていただきたい。
  88. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 お話ように、奢侈的なところに対しましては強く収入を一上げて行くよう努力をして行かなければならないと思いますが、何といいましても、遊興飲食行為を的確に把握するということは、かなり困難でございますので、根本的には特別徴収義務者に徴収に協力して行くという気持が生まれて来なければなりませんし、そういうことはやはりまた特別徴収義務者がお互いに同じような歩調で、そういう方向に努力して行くということでありませんければ、自由競争を建前としておる以上は困難ではないかというふうに思つておるわけであります。税務行政で改めるべきところは改めながら、特別徴収義務者、要するに料飲業者でありますけれども、これらの協力を強く求めて行けるような方向に努力して参りたいと思つております。
  89. 大石ヨシエ

    ○大石委員 その努力はどういうふうに行つたらよろしいのでしようか。努力とは抽象的である。どういうふうにしたらこの課税が一番よくとれるか。あなたは専門家ですから教えてちようだい。
  90. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 正直に申し上げまして、やはりある程度年月を経過しなければいたし方がないのじやないだろうかというような気持を根本に持つております。今の遊興飲食税状態だけを目しまして、地方では遊興飲食税がうまく行かないのだ、こういうふうな結論を出すのは早過ぎる。しかしまた他にいい方法を講ずれば今からただちに遊興飲食税の税務行政が軌道に乗るというふうに考えることもまた行き過ぎではないだろうか、こういう気持を根本に持つておるわけであります。たびたび申し上げておるような経過からいたしまして、遊興飲食税は今日なお軌道に乗つていない、しかしながら現に軌道に乗りつつあると私は考えておりまして、なお両三年を経過しなければならないのかもしれませんけれども、やはり公平な課税が一面において行われ、他面において納税者がそれらを通じまして、徴税に協力をしてくれるという態度がだんだん強化されて来る、両々相まちまして軌道に乗つて行くのではないだろうかというふうに思つておるわけであります。
  91. 大石ヨシエ

    ○大石委員 そうすると先日の全国の税務課長会議で、ダンス教習所に対する課税方法は、どういうふうに御研究なさいましたでしようか、それをちよつと御報告願いたいと思います。
  92. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 原則として、やはりチケットを売ります場合に、一諸に入場税も徴収して行つてもらう。従つてまたチケットを府県が発行するわけでありまして府県の発行するチケットをできる限り使わしたい、こういうふうな方向に持つて行くわけであります。ただおつしやいます問題は、ほんとうの教習所と、まがいの教習所と二つあるわけでありまして、その限界にありますようなものが、しばしば脱税的なことをやつておるのではないかというふうに思つておるわけであります。
  93. 大石ヨシエ

    ○大石委員 私がここでたびたび申し上げるように、実際教習所といつてもそれはダンスホールになつております。そうしたダンスホールは脱税の方法として、名目を教習所にしているのです。そういうところから税金をおとりになつたからいかがでしようか。ここで再三再四申し上げてもあなた方は頑として応じられぬ。そうして旅館とか大衆食堂に非常に過重な遊興飲食税を課しておる。これは一体、あなた方はどういうふうなお考えでございますか。現に教習所と言うておるのは、実際は教習所でないのです。あれはダンスホールなんです。決して彼らは入場税を払つておりません。脱税しておる。なぜこれを処置なさいませんか。
  94. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 お話ようなところは入場税を課するわけでありまして、府県努力しているわけでございます。今後ともなおそのよう性格もございますので、一層努力するように持つて行きたいと思つておるのでありますけれども、たまたま京都ではいろいろ御意見があるようでありますが、なおこれは注意して行きたいと思つております。
  95. 中井一夫

    中井委員長 どうでしよう、一応その辺で次にお進みくださらぬと、あなたはそのことばかりを繰返されておるわけですから……。
  96. 大石ヨシエ

    ○大石委員 わかりました。
  97. 中井一夫

    中井委員長 それでは各位にお諮りいたします。従来は地方税法改正要綱により、その税目別に従つて質疑を進めて参りましたところ、いよいよ府県税に関する問題が最終の段階に参りましたから、今まで御質疑になりました以外の府県税全部につき、あらためてこれを質疑議題として進めて参りたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  98. 中井一夫

    中井委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。すなわち、改正案第四節道府県タバコ消費税、それから第六節自動車税、第七節鉱区税、第八節狩猟者税、第九節道府県法定外普通税、この順序で参りましよう。  まず第四節道府県タバコ浦賀税について御質疑をお始めください。
  99. 門司亮

    門司委員 これは地方制度調査会の答申は百分の三十を大体わけたらどうか、こういう答申を出されておると思います。それがこの案によるとずいぶんややこしい勘定をしていて、百十五分の幾らというような妙な勘定になつておりますが、これは地方制度調査会の答申案をどうしてとらなかつたのですか。大して私は違いがないと思うのだが、そのとらなかつた理由をひとつ聞かせていただきたい。
  100. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 地方制度調査会の答申では、御指摘ように、タバコ消費税を道府県百分の十、市町村百分の二十ということになつてつたのでありますが、これは反面、入場税、遊興飲食税、両税を国税に移管するというようなことと見合つて、さような答申があつたわけでございます。今回遊興飲食税地方税のままこれをすえ置くというようなことになりましたこととも若干関連をいたし、また総体の財政計画の上から考えまして、道府県市町村合せますと、おおむね百分の三十になりました調査会の答申に対しまして、百十五分の十五ということで、半分には達しませんが、大体さような形になつたのであります。百十五分の十五といたしましたのは、税込みと申しますか、タバコの小売値段はかえないという考え方からでありまして、現にたとえばピース四十円というものの中には、地方に参ります分のタバコ消費税の分が含まれておる、こういう計算上の便宜からさようなことをいたしたわけであります。
  101. 門司亮

    門司委員 それから地方財政調整をするということになると、この税金は従価税よりもむしろ従量税の方がよかつたのではないかと考えられるのです。これを従価税にしたという理由を伺いたい。
  102. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 これは従量税にいたしますと、たとえば売上げ金額をタバコの本数で割りまして、一本について幾ら、こういうことになるわけでございます。そうなりますと、若干分散の傾向になるわけでありますが、やはりさような売上げの総額を売上げの数量で割つて出すということになりますと、専売公社の方におきましても、販売金額ははつきりいたしておりますが、本数の点になりますと、むしろ計算も非常にめんどうになつて来る。もちろん計算をすればはつきりいたすわけでございますけれども、金額の方を基礎として経理をいたしておりますから、どうしてもその辺の本数を出すということは、なかなかめんどうになるという面もございまして、専売公社の方の徴税手続の方面から申しますならば、ぜひ従価主義にしてもらいたいという希望が非常に強かつたのであります。それから、反面地方税として、消費税という見地から申しますならば、消費された金額それ自体を課税の標準にしてとるという方が、筋が合うわけであります。ただそういうふうにいたしますと、若干財源偏在という問題になるわけでありますが、その関係は今回の財政計画において十億程度のことでございますが、それを見込んでおりますので、むしろ徴税の際にいろいろ紛淆を来さない、また消費税の本質に合うような形の従価主義をとつた方がいいということで、従価主義をとることにいたしたのであります。
  103. 門司亮

    門司委員 十億を見込んでおるというのは何ですか。私は今初めて聞いたのですが、どこで十億見込んでいるのですか。
  104. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 これは地方財政計画の中で、いわゆる超過団体の超過財源と申しますか、これを今回の地方財政計画では十五億見込んでおるのでございますが、それは警察制度改正でありますとか、各種の税の配分、要するに今回のこの地方税法改正の結果、超過団体財源がどういうふうになるか、また反面ベース・アップによつて財政需要が増して参りますと、それだけ超過財源も少くなつて参るわけでありますが、そういうものを、彼此計算をいたしました結果、本年の財政計画においては昨年に比して十五億だけいわゆる超過団体の超過財源が増すという財政計画上の計算になつておるのでありますが、その中に、財政計画の一環として超過財源にどういう影響を及ぼすかという場合に、タバコ消費税については十億の数字を入れて総体計算をしている、こういうことでございます。
  105. 門司亮

    門司委員 そうしますと、よくわからないのですが、実質的に十億を入れるというわけじやないのですね。財政計画上の問題であつて、結局事実上はどうなるかわからぬ、こういうことに考えざるを得ないのですが、どうなるのですか。
  106. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 超過団体の超過財源の中で、タバコ消費税をやるために十億だけふえる、従つてもしそれをふやさないようにすれば、たとえば従量主義にいたしますと、その十億は超過団体以外のところにばらまかれることになりますから、それだけ地方交付税が減るわけでございますが、十億を超過財源として計算をいたしますと、地方交付税の方にその十億だけよけい出さなければならぬという計算になるのであります。そういう意味で、国の財政当局との間にいろいろ折衝がございましたが、結局十億は超過財源として見てもいいということになつて従つてまた国税当局との間におきまして従価主義による、こういうことになつたわけでございまして、これは地方財政の上から申せば、十億だけ従量主義によるよりもよけいもらつた、こういうことになるわけでございます。
  107. 門司亮

    門司委員 今のお話ですが、十億ばかりよけいもらつたと言われるが、財政計画の上ではあるいはそういう意味になるかもしれない。しかし実際的にそうなりますか。これはもう少し検討する余地がこれからもあると思うのだが、問題は財政計画の問題と、それから実際の税収入の面の関係です。今の政府の行き方は、地方財源をできるだけ均等化して行くということで、何でもかんでもむやみやたらに均等化しているが、われわれから見ると、均等化しなくてもいいようなものもある。国の仕事だけを国が見てやれば、あと市町村の固有の仕事というものについては、都市や市町村財源に多少のでこぼこがあつても、ある程度やむを得ないじやないかと考えるのだが、政府はややともすると地方財源をならさなければならぬというようなことをむやみやたらに主張するが、この税目に限つてさつきのよう答弁では実に納得しかねるのです。大体政府の方針はどうなんですか。
  108. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 私どもも根本の考え方としては、何もすき好んで均等化と申しますか、均衡化をはかる必要はないと思うのであります。     〔委員長退席、佐藤(親)委員長代   理着席〕 やはり地方団体でございますから、財源は自主的にこれを与えて、そこにでこぼこが出て来るのはむしろ当然だとも思うのでありますが、これは全体の行政の運営をできるだけ妥当な水準において、計画的な運営ができるように保障しなければならぬという今日の国家全体の要請から、そういう意味で、財源の足らぬところには調整的な財源を交付しなければならぬということになつているわけでありまして、この点はよく御承知の通りのことであるわけでございます。タバコ消費税については、大体入場税等と比較いたしまして、偏在の度合いも二倍から、多くて三倍に達するのがあるかないかの程度でありまして、従つてこれは従価主義でやりましても、そういう均等化といいますか、均衡化という点から申しますと、そう多くのアンバランスは出て来ないのであります。そういう意味で私どもは、それならばやはり地方税の本質にもどつて、従量主義よりも従価主義の方がいい、ことに従量主義にいたしますと、価格の改訂の際には、いつも一本について幾らという基準をきめ直さなければなりませんし、その辺のことでいろいろ問題を起しますので、それよりもむしろぴしつと百十五分の十五ということにいたしておきますれば、そういう点に何ら紛淆もなく、明確であるというふうに考えまして、今回こういうよう措置をとつたわけであります。
  109. 加藤精三

    加藤(精)委員 そのタバコ消費税のことですが、各市町村、各府県の立場から見ますると、従量主義によりますと、この税額を正確に算定し直すまでに相当時間がかかつて、自分の団体の財政収入がどれくらいだか見当がつくまでには相当時間がかかり、補正予算の財源を見出したりしますのに、どうも理事者としてはめんどうだと思うのでありまして、それを交付税等である程度調整してもらいながら、従価主義の方がいいような気がしますが、各地方団体の代表者の意見はどんなものでしようか。
  110. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 御承知ように比較的都市的な地方団体につきましては従価税の場合の方が収入が多いわけであります。反面に農山村におきましては、比較的安いタバコを吸う傾向があります。そういう点においては収入が少いわけであります。そういう意味合いからいたしまして、全国市長会におきましては強く従価税を主張しております。全国町村会におきましては、これは正直に申しまして両論ございますが、従量税の方が多数でございます。
  111. 佐藤親弘

    ○佐藤(親)委員長代理 今鈴木次長は参議院の方に参りました。すぐに帰つて参りますが、その間に奥野税務部長に御質問になる方はありませんか。
  112. 大矢省三

    大矢委員 タバコ消費税について、ここで尋ねるのもどうかと思いますが、今度の消費、税が創設されるに関して、こういう税金をかけるために特別会計の公社としてはピースだけは値上げを、するということを聞いておりますが、今度の値上げによつてどれくらいになるのか、ピース以外は上げないのか、それから今後はどうかということについて伺いたい。
  113. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 御承知ようにピースを五円値上げする法律案国会提出されております。しかしこれは地方税としてタバコ消費税を設けるということとは、まつたく別な見地から行われておる問題でございます。その収入見込額は、たしか四十五億前後でなかつたかというふうに思つております。今後におきましても、タバコ消費税が生れました結果、国から交付すべき地方交付税等の額が、それだけ少くなつてつたわけでありますので、別段このために国庫の歳入が特別に減収を来すというわけではないのであります。
  114. 大矢省三

    大矢委員 結局これは住民の間接負担になつて来るわけです。結局これによけいとられるから、公社の方では足りないから上げる、この結果今度五円上げたということではないでしようけれども、これだけやはり減収になるが、今後ともまた値上げするおそれがあるかどうか。
  115. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 先ほどもちよつと申し上げましたようにタバコ消費税がございませんければ、それだけの額が専売公社から専売益金として国庫の歳入に納められるものと思います。この専売益金が基礎になりまして、従来地方財政平衡交付金等が交付されておつたわけでございます。しかし今回の措置によりまして、専売公社からの専売益金がタバコ消費税の額だけ少くなります。反面これを財源にして、国から交付されます地方財政平衡交付金の額がそれだけ少くて済まされる、こういうことになつて来るわけであります。
  116. 佐藤親弘

    ○佐藤(親)委員長代理 第四節の点に御質問がなければ、第六節に入つてよろしうございますか。——第六節の自動車税について御質疑を続行いたします。
  117. 床次徳二

    ○床次委員 自動車税の問題について一点お尋ねしたいのでありますが、従来本法におきましては、トラツクについては重量、形式を中心として種別を書いてありますが、バスに関しましては定員をもつて区分をいたしておるのであります。しかしこの乗車定員の区分というものが、はたして実情に合うかどうかということについては相当議論があるのでありまして、往々にして貧乏なところと申しますか、設備の悪いところではむしろ定員をふやして無理に乗せておる。ところが余裕のありますところは、定員はむしろ減らして優良なるバスを使つておるという結果になつておるのではないかと思うのです。定員だけでバスを区切ることは、非常に負担の公平を欠くおそれが実際上においてはあるのではないかと思うのであります。この点に対して意見をお聞きしたいと思います。それからまた従来の定員の区分の仕方が実情に合わないという批判も聞いておりますが、この点に関して御意見がありますればこれも承りたいと思います。なおバス、トラツクにつきまして問題となるのは、自家用のバス、これが課税の対象として相当漏れているということが指摘されているのでありますが、この点いかよう考えておられまするか伺いたいと思うのであります。政府の出されました資料等によりましても、どうもこの点が明瞭でないのでありまして、計数的に見ましてもこれは相当漏らされておるのではないか。これはトラツク、バスの問題、両方とも十分この計数に入つておるかどうか、これをまたどう扱うかということについて意見を伺いたい。
  118. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 第一点はトラツクは重量できめる、バスは乗車定員できめていることが必ずしも正確に行かないのではないだろうか、こういうことのようでありますが、御承知ように道路運送車両法に基きまして、自動車は登録をする義務があるわけであります。その登録の際におきましてはトラツクにつきましては重量を、バスにつきましては乗車定員を登録しなければならないということになつております。これに基いておりますので、大体正確に行つておるのではないだろうかというふうに見ております。  第二点といたしまして、それらの定員や重量が実情に合わないのではないか、こういう御意見でございます。それはおそらく従来地方税法にきしめております標準税率、これをどのような規格のトラツクやバスに当てはめるかという点につきまして、重量の軽過ぎるトラツク、定員の少な過ぎるバスについて、税法にきめている標準税率がそのまま適用になつている。しかしながら現在一般化しているトラツクやバスの重量なり定員は、もつと大型のものなのだ、こういう趣旨でなかろうかと思います。この点につきましては今回の改正法におきましては、この標準税率の適用されますトラツクやバスの重量なり定員を、あわせて記載せられておりますので、批判されております問題は解決されて行くことになつているのではないかと思います。  第三に自家用車が課税から漏れているのではないか、こういう御質問のようでございますけれども、御承知ように自動車につきましては車体検査を受けませんければ使用することができませんので、自然また登録も厳格に行われているのじやないか、登録が行われている以上は、課税も正確に捕捉されているのではないか、こういうふうに考えております。
  119. 北山愛郎

    北山委員 自動車税につきましてお伺いしたいのですが、この要綱ように道路運送車両法の一部を改正して、自動車税完納証明書を呈示しない以上は、陸運局長は車体検査をしないものとすること。これは私はなはだしく不当なる規定じやなかろうかと思うのであります。税金を納めなければ車体検査の証明書を出さぬ、検査をしないというようなことは、車体検査ということと、税金を納めるということとはこれは別個の問題でありますからして、それを一緒にして、そうして税金を確実に納入させるために、車体検査を条件にして、その道具に使うというようなことは、これは個人間の商売ではこういうこともよくあるかもしれませんが、少くとも国家の仕事として、このような意地の悪いよう規定をやるべきではないのじやないか。はなはだしく不当な規定であると私は考えるのでございますが、どうしてこういう規定を置いたか。何でもアメリカではこういうことがあるそうでございますが、しかしアメリカのやることは、決していいことばかりでないということは、いろいろな事例があるわけでございまして、こういう悪いことはまねをしないようにしていただきたい。どうしてこういう規定を設けたのか承りたいのであります。
  120. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 実は昔はこのような制度をとつてつたのでありますが、その後これらの車体検査等の行政が、あるいは内務省解体の前後に、運輸省へ行つた結果、連絡がつかなくなつたのかどうか知りませんが、とにかく終戦後この関係が兼ね合いになつたわけであります。今回やはり昔のように両方の行政をできる限り連絡し合いながら、相互にその行政趣旨を全うして行きたい、こういう考え方からこの規定を加えた、こういうことであります。御意見ように車体検査の行政と税務行政とはまつたく別個ではないか、相関連させることは不適当であるという御意見もあろうと思います。しかしまた両方結びつき合いながら、できるだけ税率の引上げも低く抑えられれば、それも適当じやなかろうかというよう考え方ももちまして、全体として五割程度を引上げる。しかしそれらの規定を入れますことによつて、徴税の成績も上つて来るだろう、そういうようなことから、これらの関係におきまして、三億五千万円程度の増収を実は見込んだわけでございます。また鉱区税等につきましては、すでにこのよう関係規定を鉱業法等に挿入いたしております。
  121. 北山愛郎

    北山委員 どうも私は納得が行かないのですが、車体検査というものを確実にやらせるというならば、これはそれの方でやるべきものである。自動車税を納めさせるための措置というものは、別個の措置をやるべきものでございまして、このようなことを条件にして両方をつなぎ合せるということは、国の方の側から見れば都合がよいかもしれませんけれども、こういうことによつて自動車税を納める人たちの受ける印象というものは非常に悪いのではないかと思うのです。税というものはやはり一つの国家なり、あるいは地方団体がやるサービス、それからそれに対する住民の納税義務というものが、根本におきましては一つのモラルといいますか、そこに道義的な関係の上に立つて行かなければ、民主政治というものは成り立たない。単に規定の技術によつて税金のとりいいように、何でも都合のいいようにするという考え方では、また一方から見れば、それをのがれようとすることを奨励することにもなるわけでございまして、国自身がこういうよう立法をするということは、税の基本的なモラルをぶちこわしてしまうんだということを、われわれは非常におそれるものでございます。従つてこの前申し上げたように、入場税等におきましても、いわゆる経費課税であるとか、あるいは保全担保の規定であるとか、そういうよう規定は徴税上なるほど便宜ではあるかもしれないけれども、そういう手段は絶対にとるべきものでない。やはり基本におきましては、納税者の善意というもの、あるいはその自覚した意思によつてやらせるという方向に、税務行政というものが行くように運用されて行かなければならぬという、この点が非常に大事であると思う。従つてどうもただいまの説明では十分納得が行かないのですが、これらの点につきましては、議論になりますから、また別な機会に小委員会等で、ひとつよくお考えをお聞きしたいのであります。  またその他の点につきまして、税率でございますが、今度は揮発油を燃料としないものについては、十割というような大幅に税率を上げておるわけでございます。これは揮発油税との関連があつて、こういうふうな、たとえばバスについては揮発油を燃料とするもの以外のものは、現行二万五千円を年額五万円にしておるというような大幅な値上げをしておるわけでありますが、それは当然揮発油税との関連において、十分な計算的な基礎を持つておいでになると思いますが、それをひとつお示しが願いたいのであります。
  122. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 普通自動車は車体の大きさなどによつて、揮発油の使用量が違うわけでありますけれども、大体それらの消費いたしまする揮発油の量から換算して参りますと、年間に揮発油税だけで十万円から十五万円くらい納めておる計算になります。ところがデイーゼル車等につきましては、これらの揮発油税は全然納めていないわけであります。しかも揮発油税につきまして今回二割程度の増税案が出されておるわけでございますので、十万円ないし十五万円がさらに二割程度ふえたところで、軽油を使つておる車よりも揮発油車の方がよけい税金を負担しているという姿になつておるわけであります。
  123. 佐藤親弘

    ○佐藤(親)委員長代理 自動車の関係について、他に御質疑はございませんか。
  124. 門司亮

    門司委員 さつき北山君から聞いた附則の四十一にある問題ですが、これは附則の四十一にはこういうふうに書いてありますが、さつきの奥野君の答弁では、これは今までやつてつたことで、内務省がなくなつた前後に運輸省にまわつた関係からして忘れられておつたのだろうということだつたのですけれども、しかし忘れられておつたにしても、悪いものなら忘れられておつていい。悪いものを何も思い出してやる必要はないのであつて、その限りにおいては答弁が納得しがたい。だから悪いと考えておるか、いいと考えておるかということであつて、さつき北山君が聞いたのもその点だと思う。大体けしからぬじやないですか。悪いという趣旨の上に立つておるものを、忘れられておつたから思い出してここに書いたというよう答弁では承服できないのですが、一体当局はどう考えておるのか。税の滞納については、ほかにちやんと措置があるのだ。滞納についてはちやんと税の督促もできるし、あるいは延滞金をとることもできるし、差押えもできれば競売もできるということはちやんと税法に書いてある。税法以外の罰則にひとしいようなものを、どうして税法の中で認めるかということです。私はどうしても税法から除外すべきだと思う。その理論をひとつはつきり聞かしておいてもらいたい。忘れておつたものを拾つて来たというようなことではわれわれ納得いきません。
  125. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 お説まことにごもつともでございます。ただ私がそういうことを答えましたのは、北山さんからアメリカ式のまねをするのではないか、こういうふうな御質問にもとれたものでありますので、実は日本でも昔はやつてつたものだ、かよう意味で申しあげたのであります。これはまさしく意見はいろいろあろうかと思うのであります。ただ一番御心配になつておりまする点は、車体検査はどうしても受けなければならぬが、税金が払えない場合があるのではないか、こういうのを一つ落されておる点があろうかと思うのであります。この点につきましては、今御指摘なつた条文をお読みいただきますと、災害その他特別の事由がある場合には滞納しておつても車体検査は受けられるのだという姿にいたしておるわけであります。一体どういう考えを持つておるのかということをおつしやいますと、私たちはむしろ車体検査をするときに、同時に税金も特別徴収をする。陸運局長に自動車税の徴収義務を負わせたいのであります。ところがこの点につきましては運輸省と話合いがつきませんで、まあ中間的なやり方をすることになつておるわけであります。もちろん車体検査を受けたときには必ず税金を徴収しなければならないわけじやないでありましよう。特別な事由があります場合には、今回と同じよう措置が行われていいと思うのでありますが、ある意味においては、納税者にとりまして両方の行政が一緒に行われた方が都合がいいという考え方も立とうかと思うのであります。しかしこれらにつきましては、一応現在のところそのよう考え方で進んで行きたいというふうに思つております。
  126. 門司亮

    門司委員 そんな言い訳が立ちますか。自動車の検査というものは毎年するのではないのだ。あるいはそう簡単にできる問題でもないのだ。私の聞いておるのは、やはり税金は税金としてこれはとるべきだということであつて、税金として処置すべきであるということなんです。今のよう考え方ならば、これを免許税なら免許税に改めればそれでいいのだ。免許税に改めれば、免許を受けるときには必ず税金を納めなければならぬ。免許税に改めれば別ですよ。改めない限りにおいては、税金は税金として処置すべきである。今の奥野君の意見なら、これは免許税に改めた方がいい。免許するときに一年分の税金をとるようにすれば、これは免許料であるから、いやがおうでも車体検査を受けるときには納めなければならぬ。しかも税金である以上は、税金は前に言つたように罰則がくつついている。税金は税金として処置すべきであつて、こういうところにひつかけて無理に税金をとることは、邪道だと思う。奥野君の意見ならこの際はつきも聞いておきたいと思うのは、それならこれを免許税にするようなお考えがあるかどうか。それなら附則の四十一で大体りくつが合うと思うのです。
  127. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 私は道路運送車両法にそういう規定が入つたことによりまして、免許税とは一体何を言うのかという議論になるだろうと思いますが、やはり免許税的な性格を持つて来ている、こういうよう考え方を持つているわけであります。狩猟者税につきましては、実は地方税法の中においては免許税とは書いていないのでありますが、狩猟免許を与えますときに、同時に狩猟者税を証紙によつて納付させるような形をとつているわけであります。普通税と免許税との中間的なものに、今回の改正によつて自動車税はなつて行くのではないか。自動車を使用することは、自動車税を納めない限りにおいては、車体検査を受けない場合と同じようにできなくなるのではなかろうか、こういう性格になつて来たのじやないかと思います。
  128. 北山愛郎

    北山委員 私がこれを問題にするのは、たとえばこの考え方をそのほかに類推して行くと、たとえば住民税を納めないから、子供を学校に入れるのはとめてしまう、こういう考え方になつてしまうのです。車体検査をするということは、単にその自動車の所有者に対して利益を与えて、検査してやるのだというのではなくて、これは交通安全上の一般行政だと思う。だからやはりそれはそれとして別個の立場から検査すべきであつて、ちようど義務教育が別個の立場からやるのと同じなんです。それと税の納入というものとを結びつけるということが、観念上間違つている。どうもそういうふうな徴税の容易さを追うあまり、行政の道具でなくても、何かそこに民主的な原則というものを破つている。これは非常に残念だと思うのです。これをどんどん濫用されて行くと、先ほど言つたようなことになるのです。ですからやはりその原則というのは大事にして行かなければならぬのじやないか。従つて事は小さいかもしれないが、問題の性質としてはよくないことである、かよう考えるわけなんです。もう一ぺんひとつ御意見を伺つておきたいのです。
  129. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 北山さんのおつしやいましたように、これをいろいろな税金にあまり広げ過ぎますと、税という性格を逸脱すると思つております。ただ門司さんがおつしやいましたように、自動率税につきましてこのよう改正を加えることによつて、若干免許税的な性格が出て来ていると思つております。先ほど北山さんも御指摘になりましたように、アメリカでは御承知ように、検査をするときに同時に税を納める、税を納めなければ自動車を使用することができない、こういうような姿において運営されておるわけでありますから、自動車税につきましては、若干そういう姿を持たしてもいいのではないだろうか。もちろんどの範囲にとどめるかということにつきましては、よく慎重に考えて参らなければならないということは、われわれもそういうつもりでおるわけでありまして、そういう態度で当つて参りたいと思つております。
  130. 佐藤親弘

    ○佐藤(親)委員長代理 自動車税の点については、この程度にとどめてよろしゆうございますか。——よろしければ第七節の鉱区税について御質問を続行していただきます。
  131. 門司亮

    門司委員 これは鉱区の問題ですが、ここではちよつと自治庁に聞いてはあるいはわからぬかもしれませんが、これは非常にめんどうな問題が実はあつて、鉱区税については特に市町村考えてもらいたいと思うのだが、実例をあげれば、現在長崎県の佐世保におる駐留軍のキヤンプの中にある水銀鉱の鉱脈の問題です。今から約十年くらい前に願い出した人がある。それについても許可をしておらない。それからそのあと四、五年たつてまた出願した人がある。これにも許可を与えていない。最近になつてまた三度目に出願した人がある。ところがどれを先願にするか、どれを許可していいかわからないから、結局許可をしないということになつて、うやむやになつておる。これは鉱区税として地方税をとろうとすれば、そういうものの整理について、私はどこかの機会で聞きたかつたのだが、これは自治庁としての関係じやないと思います。自治庁は設定されたものについて税金をかければいいのであつて、そういう許可、認可の権限はないと思います。ただ自治庁関係のあるのは……。     〔佐藤(親)委員長代理退席、委員   長着席〕 当該市町村なりあるいは知事なりが通産省に、これは許可すべきだとか、すべきでないとかいうことを、上書きを書いて出すことになつておる。そういうものについて、自治庁として何か促進されるような方法はないのですか。これはもう少し具体的に言いますと、一番最初出たものに対しては長崎県知事が、ここは不適当と認めて、掘つてはいけないという上箋をつけておる。それがそのままになつて十年もおかれておる。そのあとの人の出したのも、やはりそういう上箋がついておる。三番目に出したものについては、当該区域を今使つておる駐留軍では掘つてもいいという同意を与えておる。だから一番最後に出したのが同意書を持つておることになるのだが、前のものがずつと処理していないものだから、結局その処理のしようがないということで、みんなすくんでおつて、鉱区の設定ができずにおる。そういうものについて町村長その他に対して請願があつた場合には、やはり無責任にいつまでもほつておかないで、当該市町村長なり知事なりは、何とかこれを早く処理するような方法はできないものですか。
  132. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 ただいまの御指摘の点は、鉱業権の試掘権の設定あるいは採掘権の設定の問題だと思います。これは御指摘のごとく、直接には通産省の所管する事項でございますが、知事がその許可すべきかどうかについて意見を求められ、あるいは自発的に申し出るような場合には、やはり知事としましては先願、後願の関係もございましようし、はたして先願の際に意見を求められておつたかどうかというようなこともあろうかと思いますので、その辺よく事情を調査いたさなければ、はつきりしたことは申し上げられないと思いますが、具体的な事件について御指摘を願えれば、長崎県の方に照会をいたして、事実を明らかにいたしたいと考えます。
  133. 佐藤親弘

    ○佐藤(親)委員 私今委員長席にかわつてつたので、自分でそこで聞くのはどうかと思つて、聞かずに、今になつて聞くわけでございますが、自動車税関係について一言だけお聞きしたい。というのは、自家用の自動車あるいは自家用のトラツクが一週間なら一週間、仮ナンバーを使つてやることはよろしいが、それを仮ナンバーの名前をもつて、非常に長い間税金を納めないで使つておるという向きがあるのであります。そういう場合における処置方法はいかにしたらよろしいか、どういう方法を持つておりますか、その一点だけ……。
  134. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 法律上は登録されているかいないかということで、課税の範囲がきまるわけではございません。従つて課税しようと思えば課税はできるわけであります。従つて仮運転と言いましようか、そういう場合に、まだ所有者がだれになるか、将来にわたつて所有し続けて行くかどうかということも明確でございませんので、おつしやいますように正式の登録を経ましてから、課税をするという手続をとつております。御指摘ような場合は、実際問題としてはなかなかわからないので、そのまま見のがされているのだろうと思います。もし御指摘よう事情が多いようでしたら、仮免許のものでありましても、その仮免許の期間が非常に長いものがあるから、それらをよく注意をして課税するように、こういうような指導をして参らなければならないと思います。
  135. 中井一夫

    中井委員長 それでは進みまして、第八節狩猟者税に入つてよろしゆうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  136. 中井一夫

    中井委員長 それでは第八節狩猟者税に進みます。
  137. 床次徳二

    ○床次委員 この税金は実は前回の国会におきまして、狩猟を業とする者千八百円、その他三千六百円という二段にわけられたのでありますが、今回再び旧のごとく二千四百円一本になつたのであります。これは国会におきましては、狩猟を業とする者は大体担税力も少いし、また害獣等の繁殖を防止する意味におきましても、業者に対しては軽減する方が適当でないかという趣旨によつて行われたと思うのでありますが、実施後わずかにしてこれを再び元のごとく返そうというのにはいろいろ理由があつたと思いますが、どういう理由があつたか伺いたいのであります。
  138. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 ただいまの御意見ごもつともだと思うのでありまして、先日も実は門司さんから指摘されたのであります。その際にもお答え申し上げたのでありますが、現実にこの前の改正法に基きまして運営して参りましたところが、業とする者と業としない者との範囲が明確でございませんので、非常な混乱が起きたわけでございます。その結果、狩猟者団体との話合いで、狩猟者団体が業者の平均価格で全部引受ける。おそらく会員からそれぞれ平均価格で税をその団体が徴収して納めたのではないかと思いますがそういう無理なやり方をしたところもございます。その結果は、府県側からも、あるいはその他狩猟関係団体からも、一本化してもらいたいという要望を非常に強く申し出て来たわけでございます。その場合におきましても私たちといたしましては、国会修正後まだ一年もたたないのだから、その趣旨に反するよう改正をすべきではないと考えておつたのでありますけれども、なおそういうよう意見が強くなりまする一方、国会議員の方々の間におきましても、相当多数の方々が一本化すべきではないかというよう意見を強く申して出て来られたわけでございます。かたがた狩猟者税を免許税だと観念いたしますならば、一本の税率でよろしいわけでございますし、そういう考え方も立つわけでありますので、あえてこのよう改正案を立案いたしたわけであります。
  139. 床次徳二

    ○床次委員 これに関しましては、従来一本になります前の税法におきましては、やはり業とする者とその他の者があつて、その区分につきましては、相当所得額、納税額等を考慮いたしまして適当にやつてつたのではないか。そういう含みがありましたまま実は改正したのでありますが、実施当局があまりに業とする者の認定の範囲を厳格にするところもあり、また実際の狩猟業者とスポーツとして狩猟をやる者の間に意見の相違があつた、私どもように解しておるのであります。本来から申しますならば、やはり適当な段階をつける方がよいのではないかまあ一応案といたしましては、たとえば住民税等の平均を見まして、担税力のある者とない者との間に差をつけるというような方法がとり得たのではないか。今後そういうことも考慮いたしたいと思いますが、そういう業とする者という区別でなしに、担税力でやるということも可能だと思うのですが、これに対しまして御意見を承りたいと思います。
  140. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 お話ように所得税を幾ら納めているかということによつて段階をつけておつた時代もございます。狩猟ということがものによりましては非常に奢侈度の高い遊びだということが言えるかとも思うのであります。そういう点を考えて参りまするならば、所得段階において区別をいたしますることが穏当だろうと思います。しかし半面また狩猟者税というものを免許税である、どこで免許を受けようと他の道府県に狩猟に出かけて行くことができるのだという性格を強く考えて参りますと、一本の税率が適当だという考え方も妥当かと思うのであります。ただ現在のところでは、まだ戦前のような狩猟の域に回復しておらない際でありますので、どちらかといいますと、税率に差等を設けて参りますことは、この行政の運営あるいは狩猟者団体の内部の問題におきまして困る点が起きて来るのではないかというふうに思つております。もちろん奢侈度を加えるということは非常にけつこうなお考えだと思いますが、ただ時期といたしましては、なお当分一本化された税率の方が、総体的に考えた場合には適当ではなかろうかと考えております。
  141. 門司亮

    門司委員 今の御答弁ですが、狩猟というものの目的は、ただ単にスポーツであるとか、ぜいたくであるとか、業とする者とかいうこと以外に、もう一つ害鳥獣駆除という立場がある。これはたとえばこの辺で言えば山梨県あたりはほとんどそうだと思いますが、百姓が一年鉄砲を撃たずにおいてごらんなさい、いのししやくまがふえて畑を荒らされて困つてしまう。だから鉄砲を撃つという行為は、一面においては害鳥獣駆除という立場があることも考えてやらなければならぬ。従つて農村の一つのそうしたやむを得ざる事態のもとに撃つている鉄砲というものがないわけじやない。そういう面を考えて行けば、税額を一つにする、確定額にするということは誤りだと思う。私の言うことが間違つておると思つたら山梨県へ行つて聞いてもらつてもいいと思うのだが、三千六百円に上げたときに、鉄砲を撃たすことが困難だというので、山梨県では害鳥獣駆除費ということで多少税額を下げたようなことがある。そういうことでもしなければ、百姓がみんな鉄砲を撃たなくなると困るというわけであります。だからそういう面を十分勘案して税額をきめるべきであつて、確定税額であつてはならないということは正しいと思う。どうも自治庁は金持ちから少し要求されてこういうことをきめたらしいが、金持ちの者は三千六百円が二千四百円になれば千二百円助かるし、貧乏人の方は六百円よけい納めるということになつて来るが、これはあまりいい考え方ではないと思う。これはどうなんです。前のように改められる意思がありますか。
  142. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 いろいろ御意見を拝聴いたしましたので、今後十分研究して参りたいと思います。
  143. 中井一夫

    中井委員長 それでは次に進みます。都道府県法定外独立税についての質疑の御進行を願います。
  144. 門司亮

    門司委員 これは質問する前に、法定外独立税はどのくらいありますか、これを調べたものを資料として出してくれませんか。その税額と、府県でどういうものがあるか、府県別にわけてもらつてもけつこうでありますが、資料の中にはつきりしておればそれでいいのであります。
  145. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 地方税に関する参考提出資料の厚いものの百三十六ページ以下にこまかく記載しております。
  146. 門司亮

    門司委員 この法定外独立税の許可の問題ですが、自治庁はどういうところに基準を置いておりますか。たとえば基準財政需要額と基準財政収入額というものが考慮されておるのか。あるいは地方の特殊産業というものが特に考慮されておるのか。これは青森県のりんご税を許可しなかつた例がありますので、一応その基準を聞いておきたいと思います。
  147. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 道府県法定外普通税に例をとりますと、第二百六十一条に原則として法定外普通税の申請がある場合には、こういう事例に該当する場合だけは許可する、しなくてもよろしい、こういう態度をとつておるわけでありまするので、あまりやかましいことを言わないで許可して参りたい。ただここにも書いてありまするように、物の流通に重大なる障害を与えるとか、あるいは他の税金と課税標準を同じくし、かつ住民の負担が著しく過重となる、こういうふうな場合には許可をしないという考え方をとつておるわけであります。
  148. 門司亮

    門司委員 問題は住民の負担関係ですが、私は青森県のりんご税を許可しなかつたときは、住民の著しい負担というよりも、むしろ物の流通に支障があるということでなかつたかと、今記憶しておるのです。これと地方自治体と特殊産業との関連性ですが、地方自治体におきましては、やはり特殊産業というものについては、ある程度慫慂して来ておるということがよく考えられる。これが慫慂しておるから、片方に税金をかけては困るという意見も出て来るのです。ところが実際上の問題としては、やはり地方の公共団体がそれに応分の負担をかける。地方の業者が相当の収益をあげておるということがあれば、私はそのものに独立税というものを十分考えてやるべきではないかというように、実は考えられるのであります。その点についての御見解がもしありましたならばお聞かせ願いたいと思います。
  149. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 わが国のりんご引取税についての法定外普通税は、御承知ように特産品に課税する、独占的な物の流通に対して課税するというものではないだろうか、そうすると各府県がそれぞれ独占的な産物に課税をし始めて流通を阻害するというようないろいろの関係のものも起きて来はせぬだろうかというような懸念もありましたので、非常にもめたわけであります。しかし一定の期限を付して許可したのであります。そのような経過からいたしまして、青森県議会でも非常にもめたわけでありまして、自発的にあとは許可を申請して来ないということになつてつておるわけであります。ただこの法定外普通税について、原則的にどういう考えを持つかということを聞かれましたならば、率直に申しますと、私たちは、できるなら、県も市町村もかなり重要な税目を持つておるのだから、それらの標準税率超過課税に求めるべきではないだろうか、標準税率超過課税に求めることがいろいろな事由で特に困難である、そういう場合には法定外普通税を設けてもいたし方がないじやないだろうかというふうな考え方を持つております。
  150. 門司亮

    門司委員 そうすると平衡交付金といいますか、今度は交付税になるかしらないが、それとの関連性はどうなるか、法定外の独立税が結局基準財政収入額に勘定されるようになりますか、これははずされますか。
  151. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 法定外普通税も標準税率超過課税の分も、どちらも基準財政収入額には算入いたしません。
  152. 床次徳二

    ○床次委員 今度の政府の案によりますと、入場税が国税に移管されますが、第三種の入場税というものが法定外普通税に残ることになります。しかも従来この第三種のものが入場税として取扱われたということに関しましては、業者の負担の均衡その他いろいろ相当の理由があつたのだろうと思います。一例をとりますならば、たとえばパチンコ屋のごときものを見ましても担税力は非常にある。これから徴税してもいいだろう、ただこの徴収が公平でなければならぬということが強く考えられるのでありますが、これが法定外普通税になりますと、相当各府県事情によつて左右されまして、業者間の不均衡も出て来るのではないか、同時にこれが納税成績にも悪い影響を与えて来ると思うのでありまして、入場税の一種、二種が国税に移管しただけでもつて、三種をそのまま法定外普通税にしておくということは、税制上から申しまして非常に悪いことではないだろうかということばかりではなしに、業者自体に対しましても営業を確保する意味から申しますと、非常な脅威を感ずるということを聞いておるのであります。この点に関しまして第三種の問題については、大体いかように法定外普通税を考えられるかどうか、それがなくなつていいものかということに対しまして、政府の所信を伺いたいと思います。当然各府県はかかるものは有力な財源として、法定外普通税を課するだろうと私は思うのでありますが、その場合に生ずる弊害等を考慮して参りますと、いろいろの問題があります。政府のそれに対する所信を伺いたいと思います。
  153. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 パチンコ屋とかゴルフ場あるいはダンスホールといつたようなところのいわゆる第三種の入場税につきましては、今回国税の方で徴収する規定を設けておりませんので、法定外普通税ということになるわけでございますが、法定外普通税として、これは都道府県の中でとりたい、またどうしてもとらなければならぬというところだけが、これは法定外普通税でございますからとるということになるわけでございまするし、その場合において甲の県と乙の県において、若干税率等についても違つて来るということも考えられるわけであります。これはやはり法定外普通税ということになりますならば、先ほど税務部長からも説明いたしましたように、地方交付税の基準財政収入額の算定に際しましては、基準財政収入の中に入らないのであります。従つてこれを一律に同じような税率に押えるというようなことはむしろすべきではない。やはりそれぞれの団体のその税源を必要とする理由、あるいは財政需要というようなものを具体的に判断いたしまして、それに相応する税率で相応するかけ方でありますならば、これは自治庁といたしましては当然に許可しなければならないということになろうと思うのであります。
  154. 北山愛郎

    北山委員 関連。今の入場税の第三極、これは法定外独立税になるというのですが、その場合、府県税になるか、市町村税になるか、これはところによつて自然発生的にどつちでもよろしいというお考えであるのか、少くともこの入場税を政府の方でやつたという場合には、自治庁としては従来の税法との関連を考えて、その残つた第三種のものをどうするか、どうなつて行くかということをお考えになつておられると思うのですが、どういうふうにお考えになつてつたのですか。
  155. 西村力弥

    西村(力)委員 その点私も疑問としておるのですが、そういう議論が出る根拠は、やはり入場税の関係の第三種だけを今回落してしまつたということが、その理由として認められない。あの第三種に入場税をかけることがまつたく不当であるとか、あるいは不可能であるというような、そういうはつきりした理由があれば、こういうことは出ないのでありますが、何としてもそこの理由はつきりできないから、町村でかけても府県でかけてもいい、あるいは府県では当然かけるだろう、こういういろいろな議論が出るだろうと思うのです。そういう点についてはつきりした御見解を承りたい。
  156. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 この第三極の入場税につきましては結局——北山委員のお尋ねになりましたところについて先にお答え申し上げますと、これは府県がとるか市町村がとるかということでございますが、法定外普通税でございますので、従来の沿革から考えて、これは府県がとるであろうというふうに常識的に考えられるわけでございますけれども、もし府県がとらないような場合においては、市町村がとるということも考えられるわけであります。  それからこれを今回の入場税の徴収の対象からはずしてありますことの結果といたしまして、国税の入場税の徴収はどういうふうになるかということでございますが、これは国税当局においては徴税の合理化もいたすし、十分とれるというふうに申しておりますので、私どもよう考えておりますけれども、この第三種は相当有力な財源でもありますので、これをとらないということは他の徴税を相当合理化することが必要になつて来るであろうと思うのであります。国税でそういうふうに徴収をいたさないということになれば、地方といたしましてはおそらく道府県がとるのが大部分でありましようし、大体従来のような方式でとる場合が最も多いのではないかとは察しますが、理論的に申しますと、市町村がとるということも考えられないことはないわけであります。
  157. 北山愛郎

    北山委員 第三種を落したということについて、自治庁がその程度の考え方を持つておるというのでは、私はまことにふしぎに思うのです。ひよつとすると、第三種というものを落すということについて、あらかじめ自治庁は相談を受けておらなかつたのじやないかとすら思われる。そうでなければ、一体パチンコにしろ、麻雀にしろ、このような税は現在まででも相当な税額になるはずでありますし、またとりようによつては映画館等に対する入場税と匹敵をして、地方税として相当とらなければならぬ税金じやないか。それについて府県がとるであろうが、しかしとらない場合は市町村がとるであろうなどというようなお答えでは、少くとも地方税法をつくつてその立法措置をするというような担当の役所としてまことに奇怪にすら思われる。そこで二十八年度なら二十八年度、二十七年度なら二十七年度等において、このような第三種の税額はどのくらいに上つておるかというようなこと、それからまた入場税法提案する際に、自治庁意見を求められて、どういう意見を表示して来たのであるか、この点まことに不明瞭であります。これは今の西村さんの御質問もおそらくその点にあると思いますから、はつきりとお答えを願いたい。そうでないと、逆にこれを考えますと、非常に疑惑を招くとも思う。何となしにこの入場税の国税移管に伴つて、パチンコを故意に意識的に忘れて落したのだ、その陰には何かあるのじやないかといつたようなことすらも考えられるのでありますから、その点をはつきりと明確にしておく必要がある。私は自治庁としての考えを明らかにしてもらいたい。
  158. 西村力弥

    西村(力)委員 私の質問に対して巧妙にそらして答弁されました。今北山君が言つた通り、理由はつきりしないから、当然とるような前提に立つて、法定外の普通税で、あるいは市町村でとるとか、府県でとるとか、そういうふうな議論が出ている。だから結局私としては、政府が落したのには、それだけの根拠があるはずだと思う。今お話を聞きますと、それを落しても所定の税額を徴収する自信があるから落したのだということを無理に言つていられるが、結局するところ、何もわからない、理由がないというぐあいに私は受取る。そういう点を理由がないならないとはつきり言つてもらいたい。
  159. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 第三種入場税につきまして、どういう経緯でかようなことになつたかというお尋ねでございますが、これは入場税の一種、二種、三極、要するに総体を税源として配分をいたします場合においては、一括して考慮するということがやはり原則であろうと思うのであります。そういう意味で国税に持つて行く、あるいは地方税に置くにいたしましても、この三種は従来一体として考えられて来たものでございますから、これはやはり一体として扱うというのが筋であろうと思います。私どもとしてもそういう意味において入場税の中にこれをあわせて規定をしてもらいたいという趣旨を、折衝の経緯におきましてはいろいろ話をいたしたことがあるのであります。ただ国税方面の考え方から、最終の措置としては、別途大蔵委員会提案になつておるよう政府案になつた次第であります。  なお今年度の現行法による税収が第三種からどのくらい得られる見込みであるかというお話でありますが、これは二十億五千百万ということになつております。
  160. 西村力弥

    西村(力)委員 それで私はわかりました。  最後に念を押しておきたいのですが、結局するところ私の感じておる通り、この折衝の経過はそうあろうとも、最後において落された理由には、そこに積極的な根拠というものは考えていない、こういう結論であるとわれわれは受取つておきます。
  161. 北山愛郎

    北山委員 それで自治庁が入場税法の中にこの第三種を入れてもらいたいという意向を申し出たことはわかりました。ところがそれが入らなかつた際に、なぜ地方税改正案の中にその分を何らかの形で入れなかつたか、その分については時間的に間に合わなかつたのか、その点をあわせてはつきりしてもらいたい。
  162. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 第三種入場税を一体として従来扱つておりました地方税の中から、一極と二種を持つて参りまして、三種だけを残して独立の道府県税として存置するということにつきましては、私どもも相当研究を要すると考えた次第でありまして、なお当初から私どもといたしましては一体として考えて参りたいというふうに考えておつたわけであります。そういうようなことからさしあたつて道府県税として徴収をするという形に行くほか、方法がないと考えた次第であります。
  163. 中井一夫

    中井委員長 これをもちまして道府県税に対する質疑は、一応終了いたしたのであります。  床次君から国務大臣へ特に質疑があるという御要求でありまして、大臣の出席を要求いたしておるのでありますが、大臣は参議院の本会議に出ておるんだそうです。それでできるだけ早く行くということではありますが、大臣のおられないままになされますか、それともこの問題は政務次官では御答弁のできない問題のようでありますので、どうなさいますか。
  164. 床次徳二

    ○床次委員 一応質疑をいたしておきまして、十分当局において打合せの上、大臣から明快なる御答弁をいただきたい、一応質疑をいたしておきたいと思います。それからなお先ほどのことに関連いたしましてさらに一、二項この機会に発言を許していただきたいと思います。  第一の問題といたしましては、税法審議は大分進行しておりますが、大分会期も迫つておるのでありまして、適当な機会に当委員会といたしましては本案に対して態度を決定しなければなりませんので、ひとつお諮りをいただきまして、税改正に関する小委員会を当委員会に設置せられまして、適当な対策をきめられるよう御考慮をいただきたいと思うのが第一点であります。これを委員会にお諮りいただきたいと思います。
  165. 中井一夫

    中井委員長 ただいま床次君より地方税改正に関する小委員会を設置されたいとの動議が提出されましたが、同小委員会と設置するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  166. 中井一夫

    中井委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。つきましては、その小委員及び小委員長を選任いたしたいと思いますが、これは投票の手続を省略して委員長より指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  167. 中井一夫

    中井委員長 御異議なしと認め、委員長より後刻指名をいたします。
  168. 床次徳二

    ○床次委員 この機会にもう一言政府当局の意見を伺いたいことがあります。それは地方財政におきましては、従来競輪その他に対する地方の収入を見ておつたのでありますが、今回国庫の納付をこの際中止いたしまして、地方の収入のみに充てることになつたことは、すでに御承知の通りでありますが、今回承りますと、通産委員会におきましては、自転車業振興の目的を持ちまして、競輪を実施しておりまするところの地方団体に対しまして、分担金あるいは寄付金という名義によりまして、その基金を要求しておるかのような計画が進んでおるように承つておりますが、これは当委員会におきまする意見とは、まつたく反対な傾向を示しておると考えまして、まことに遺憾に思うのであります。もしもこの法案が成立いたしますとすれば、当委員会の意思に反し、特に政府予定しましたところの地方財政計画に対しましては、不当の圧迫を加えることになるのでありますが、この案の処理に対しましては塚田国務大臣はいかよう考えるか、これも政府の態度を明瞭にしていただきたい。そうして当委員会並びに通産委員会等にもそれぞれの必要なる措置をとられることが必要であろうと思います。当委員会といたしましては、先ほど同僚の御発言がありましたごとく、反対の意向を強く示されておることも十分御考慮いただきたいと思う次第であります。適当なるときにさきに質問いたしました入場税の問題とあわせまして大臣からお答えをいただきたいと思います。
  169. 加藤精三

    加藤(精)委員 ただいまの床次さんの質問に関連いたしまして、競輪その他の納付金の廃止に関連いたしまして、今度主催者団体よりある程度の経費法律という強烈な手段で納入せしめて、それをある団体に与えて、それを政府のかわりにその団体が必要なる民間に配付するという特殊な組織を持つた機械工業振興会に関する法律というようなものができるといううわさを聞いておりますが、これはきわめて重大なことでありまして、われわれ地方団体といたしましては、ある民間団体地方団体を使役させるような形になつて、これはきわめて重大なことだと考えております。かかることはシヤウプ勧告以来、いな終戦後の全体の自治尊重という大きな風潮に対して、とんでもない悪例を創設するものでありまて、日本赤十字とか済生会とかいうものの仕事を、われわれが市町村役場や府県庁にいたときにさせられるということでも、非常に慣慨した記憶があるのでありますが、これは国家的なある程度の国際的な団体でもあり、社会事業に関係した団体でもあり、しかもそれは法律の定めるところによりまして、機関が事務委任を受けてやつていたにすぎないのでありますが、今度のは全然地方公共団体という国にも比すべき大都市の大きな公の団体が、ある私の団体にその金を納付することを法律によつて強制されて、その法律を手段として金を集めた団体政府のまねごとをやるということは何事であるか。まるでこれは気違いのさたのように思うのであります。自治庁において政務次官がこれに関連して折衝しておられたように思うのでありますが、そういう問題はわが国地方自治の歴史に汚点を残すものでありますので、そういう制度ができないように八方防止してくださる労を多とするのですが、国会のどういうところでこの制度をとなえているのか、あるいは政府でそれに賛成しているところがあつたら、それはどういう部局がそれを考えているか、これを十分に明らかにしていただきたいと思うのであります。こういう悪例を残し、またいろいろ社会に疑惑を生ぜしめるような心配も重々ある、そんなトンネル会社みたいなものは、地方行政の分野におきまして、国会地方行政委員もそういうものに同調したなんと考えられては、地方行政の歴史の上に名折れになりますので、その点十分厳重に、自治庁の政務次官といたされまして心構えをつくつていただくと同時に、経過をお知らせいただきたい。
  170. 西村力弥

    西村(力)委員 この問題について、床次さん、加藤さんの説、私は大賛成です。その通りだと思つております。それで本委員会としての意思決定をやるべきではないか、こう思うのです。これはただちに採決に付することを望むのではありませんが、近い将来に必ずこの意思決定をしなければならないと私は思うのです。そういう意向を表明しておきたいと思います。
  171. 中井一夫

    中井委員長 床次、加藤西村委員の御発言は、いろいろの意味におきましてきわめて重要なる御発言と存じます。当委員会委員の総意の代表されたものとも思うのであります。ついては先ほど床次委員から塚田国務大臣の出席を求めて、大臣みずから政府を代表しての意見を発表するように、こういうことを要求されたのでありますが、それは塚田国務大臣だけでいいのでございましようか。それとも通産大臣の出席も求めてその意見も明らかにする必要はないのでしようか。ちよつとその点を明らかにしたいと思います。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  172. 中井一夫

    中井委員長 それでは明朝塚田自治庁長官としての大臣及び愛知通産大臣の出席を求めて、この問題を明らかにする、こういうことにすることにいたしましよう。  なお西村君の本委員会の決議をもつてこれに反対するの意思を明らかにしたいという御意見でございますが、これは西村委員の御発議のうちにありました通り、時期を見てやる、こういうことでありますので、この問題につきましては、ただいま本委員会散会後ただちに理事会を開きまして、その取扱い方を決定いたしたいと存じます。さよう承知を願いたいと思います。  本日はこれをもつて散会いたします。明日は午前中から開会いたしまして、ただいまの二大臣の出席を求めますから、皆さんにおかれましては、ぜひ定刻から御出席のほどをお願いいたします。     午後五時二十分散会