○
加藤(精)
委員 大臣の御答弁の前に、いろいろ
大臣の御発言等にからんで、いろいろな質問がこの間中から
委員会でありますので、それについて私の率直な
意見を申し上げまして、しかる後に
大臣から御答弁をしていただくことにいたしていただきたいと思うのであります。たいへん横暴なことでございますが、お許しを願いたいと思います。
この数日間の質問を見ますのに、今度の
警察法のできの悪い点もあるかもしれませんが、できのいい点をも否定して、ことさらにできを悪く解釈しておるような傾きがあるように考えられるのでございます。たとえば保安隊の問題等も、これは私たちの体験からいたしまして、私たち
地方で市町村の役場をあずか
つたりいたしてお
つたのでありますが、そういう際に、
全国同時多発的に日雇い労務者が
理事者つるし上げの
指令が出ますと、役場に殺到して参ります。私たち市役所におりますときには、市役所のすぐわきが
自治警察署でございますが、殺到して参りまして、
理事者をつるし上げにいたします。共産系の朝鮮の人を含んだ大衆が役所の至るところに殺到して参りまして、絶対に
理事者が外部に出られないようにしてしまいます。これに対して
自治警に
連絡いたしましたも、とうてい兵力が足りないので、(笑声)これは何とも手のつけようがないのでございます。隣の都市の
自治警察からトラツクで
警察官が
応援に急送されますと、そのころにはすぐ解散してしまう。今度は隣の都市の
警察官が隣の都市に帰
つてしまいますと、またどつとや
つて来る。こういうような場合には何ともこれはいたし方ないのでありまして、そういうような分子は、往々にして秘密党員を含んだ党の
組織グループに指導されておるのであります。かかる状況はまことに無
政府にもひとしいのでございまして、大体
現行の
警察法が、憲法六十五条でしたか、「行政権は、
内閣に属する。」という規定から見まして、現在
日本警察を全体として世話する場所がどこにもないというようなことは、
現行法そのものが憲法違反ではないかと私は思
つておるのであります。徳田球一が、戦前においては
日本の共産党員は一千名を越したことはないと言
つているにもかかわらず、現在は共産党に投票する投票は百万を数えております。また大体共産党員が十万名、そのシンパ二十万名、北鮮系朝鮮人の共産系の者が六十万名、そのうち最も固結のかたいいわゆる民戦というのが十三万名、祖防と称して、独身であ
つてきわめて過激なる者が五千名、こういう
国家を破壊しようとする、転覆しようとする敵が従来の一万倍もある場合において、大体
現行の
警察法は、とにかくマツカーサー元帥がある程度
日本の弱体化を促進するためにや
つたのをそのままにほ
つておいて、そうしてそういう者を跋属させるということが、はたして愛国心に富む言辞かどうか私は疑うのであります。それでどこまでも私といたしましては、そういうふうな本筋をはずさないで、よりよき、より執行力のある、より
国家を守る
警察を形成するための御
努力のもとに、御質問をされたらいかがかということを考えるものであります。なおそれに関連いたしまして、今度の新
警察法において、かかる
国家破壊の
犯罪が戦前に比して二倍とか三倍半とか、そういうことは別としましても、この
国家破壊活動の因子、すなわち敵兵が一万倍にもな
つているのに対しまして、こちらの
警察の兵力の方が戦前の五割か六割ぐらいしか増していないというような現状ではたしていいのか。この背景に対して
警察官を非常に減少するというようなことは、私は与党でありますが、大反対なのでございまして、そういうことはこの
警察法改正の
理由にしないでいただきたい、こういうことを感ずるものでございます。大阪の警視総監は非常に優秀な人材ですが、現在の
警察の最も欠陥とするところは、敵が非常に多いにもかかわらず、味方の兵力が非常に少いことだと言われておるのでありまして、そういうことは、現在の破壊活動の地下及び地上の活動状況を真に生きた目をも
つてながめる
政治家としては
——大阪の警視総監は
政治家ではないけれども、これは
政治家にした
つて惜しくない人物だと私は思
つておりますが、
政治家であれば、大阪の警視総監よりもはるかによく
政治を見なければならぬ。その
政治を見たときにおいて、どうも私は
警察官の数が多過ぎるという御
議論は、
中井委員の御
議論にも反対でございますし、
政府が何か縮減しようとするようなことは、私は反対でございます。その点について、大蔵当局から要請されてやむを得ずに
警察官の縮減をするのかどうか、そういう点もあえて質問をいたしたいのでございます。それから
中井委員さんはおそらく大体わか
つてお
つて質問されるのだと思いますが、
地方の農村等のまん中に、
人口五万とか十万とかの核になる都市があります。そこに
自治体警察と
国家警察とが並んでいる。並んでいるのは当然なのでありまして、
日本の昔の都市の発達から見ましても、御城下町があ
つてそれに幾つもの街道が入
つている。私の生れた土地のごときは、十二の国県道が町を
中心にしてラデイエートしておりまして、みなそこに入
つて来るのだから、そこに
自治警察ばかりでなく
国家警察もあるのが、最も民衆の利便にか
なつたあたりまえのことです。このあたりまえのことをお聞きになるということは、非常に貴重な
審議の時間にどうかと思うのでありまして、それに対する
国警の
次長さんの答弁もまた振
つている。この
国家警察と
自治警の
連絡のためにそういうところに特に置くのだということは、これは
国警本位に過ぎたお考えでありまして、
政治の大局をごらんにな
つて御答弁願いたいと思
つているのでありますが、その点についての私の
意見に賛成かどうか、私の
意見がはたしておかしいかどうかという点につきまして、
大臣及び
国警の
次長さんに御答弁を願いたいと思います。