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1954-11-11 第19回国会 衆議院 大蔵委員会 第79号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年十一月十一日(木曜日)     午前十時四十八分開議  出席委員    委員長 千葉 三郎君    理事 坊  秀男君 理事 久保田鶴松君    理事 内藤 友明君 理事 井上 良二君       大平 正芳君    苫米地英俊君       福田 赳夫君    藤枝 泉介君       宮原幸三郎君    三和 精一君       小川 豊明君    佐々木更三君       柴田 義男君    福田 繁芳君       古井 喜實君    春日 一幸君       平岡忠次郎君  委員外出席者         大蔵事務官         (理財局長)  阪田 泰二君         大蔵事務官         (銀行局総務課         長)      谷村  裕君         大蔵事務官         (為替局長)  東条 猛猪君         郵政事務官         (貯金局次長) 吉政 重保君         郵政事務官         (簡易保険局         長)      白根 玉喜君         国民金融公庫理         事       最上 孝敬君         中小企業金融公         庫理事     中野 哲夫君         住宅金融公庫理         事       鈴木 憲三君         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 本日の会議に付した事件  参考人招致に関する件  税制に関する件  金融に関する件  国有財産管理状況に関する件     —————————————
  2. 千葉三郎

    ○千葉委員長 これより会議開きます。  税制に関する件、金融に関する件、国有財産管理状況に関する件の三件を一括議題として調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。井上君。
  3. 井上良二

    井上委員 政府は来年度予算編成伴つて資金計画についていろいろ検討をされておるようでありますが、特に年末及び年度末を控えまして、当初計画いたしました資金計画の上にいろいろ事情がかわつて参りまして、相当当初計画変更せなければならぬ事態が起つて来ておりますので、この際、資金運用部及び簡保資金等状況につきまして、政府資金関係関係当局に二、三質問を申し上げたいと思うのであります。  大蔵省では、最近、明年度資金運用部資金運用計画の第一次構想をまとめて、さらに去る十月二十五日に運用審議会を開いて、本年度運用計画に一部変更を加えるなどの調整を行つて来た、同資金簡保資金に対する需要が最近ますます増加しつつある現状から、これら資金計画及びその運用がきわめて重大な段階になつて来ておる。そこでこの資金計画運用をめぐりまして、一つは本年度資金計画現状見通しでございますが、本年度資金計画現状は、前年度から繰越しが百二億を含めた原資合計は、千六百八十二億を予定して資金運用計画を立てて来たのであります。ところがその後ただいま申します諸般の情勢によつて事情が大分かわつて来ておりまして、特に原資状況におきましては、郵便貯金増加が四月から九月の上半期においては五百四億に達しておる。これは年間の計画が九百億の五六%の実績でございまして、計画より若干よくなつておるようでございます。しかし失業保険預託は当初二十億を予定していましたところ、最近失業者増加により支払い激増で、この分では逆に年度末までに五十億から六十億程度が減少する見込みとなつて、差引き七十億から八十億の原資の減少を来すことが予想されます。また厚生年金保険からの預託三百億も、上半期で約三十億の予定を下まわるなど、なかなかこの調子では楽観を許しません。そこで政府は去る六月末に、閣議決定によつて七十九億を運用計画から削減して、さらに十月末に輸出入銀行に三十億、地方公共団体に一億八千六百万円の貸出し増、国鉄に対する貸付条件の緩和など、その調整に努めて来たのでありますが、これらの姑息的なことによつてはなかなか現実に総合的にみて原資見通しは非常にやつかいな状態になつて来やせんかと思いますが、そこで政府として総合的に見まして、原資見通しは当初計画からどのくらい一体減少する見込みであるか、この大まかな見通しについて御説明を願いたい。
  4. 阪田泰二

    阪田説明員 ただいま資金運用部資金見通しにつきまして、非常に詳細に数字をあげて御質問になつたのでありますが、大体お話よう事情でありまして、資金運用部原資のうちでは、最初に申されました郵便貯金、これが何といいましても一番大きな要素をなしておるわけでありますが、これがことしの計画では九百億の成果を見ておりまして、これが実績について見ますと、年度当初の四月、五月ごろはやや予想よりも成績が悪かつたわけでありますが、その後六月、七月、八月と非常に成績がよくなつて参りまして、先ほど上半期数字をあげて御説明になりましたが、十月末で見てみますと、九百億に対しまして六百十六億すでに増加いたしております。計画の六八%もふえておるわけであります。これからやはり十二月、一月等が、従来から非常に貯金のふえる月でありますが、この辺の時期の状況を見てみないとはつきりしたことはわかりませんが、しかしこの分ならば九百億の目標は十分に達成するであろう、あるいはそれ以上出て来るじやないかというよう考えております。郵便貯金の方はさようなことでかなり楽観していいよう状況になつて参つたのでありますが、御指摘ように、厚生年金関係では大体十四、五億から二十億くらいはこれは目標通り行かない、これは法律改正案の成立が遅れましたので、その関係でどうしてもかようなわけに相なる次第で、それからなお失業保険関係では、これは年度当初の計画では二十億円の増を見ておりますが、これは増加どころでなく逆に今までの預金を引出すというようなことになりますので、六、七十億程度計画より減になると考えております。いろいろその他の要素もございますがかれこれ差引いたしますと、大体年度当初の千五百八十億、繰越金も合せますと千六百八十二億、これに対しましてやはりやや十億とか二十億とか下まわる数字になるのではないかというふうに考えているわけであります。それでそれに対する運用等見通しといたしましては、先ほど申されましたように、輸出入銀行に対しまして三十億の追加融資を決定いたしまして、なお地方債、これは九州、山口等地方におきまする鉱害復旧事業を促進するために必要なる地方債増加をいたしたわけでありますが、これが一億八千六百万円、ざつと二億でございます、三十二億の資金新規に決定いたしました。それで全体といたしましては資金新規増加見込み現状としてはないわけでありますので、開発銀行に対する融資を二十億、電源開発会社に対する融資を二十六億、合せて四十六億を節約いたしまして、それによりましてただいま申し上げました合計三十二億の財源を捻出いたすわけであります。節約額の方が十四億ばかり多くなつておりますので、それだけは大体失業保険その他で確実に同計画通りふえないという面がありますので、その方の減を見込んでいる、総体の資金わくを減らしておいたわけでありますが、大体そのよう改定を今までのところいたしたわけであります。それでなお資金全体といたしましては、その他のいろいろ公庫等に対しまする融資も、計画に対しまして節約する見込みを本年の六月に立てまして、節約額はただいま申されましたように七十九億ということになつてつたのでありますが、その中の四十六億につきまして、今度資金計画変更として、正式にその節約を確認と言いますか、確定したわけでありますが、その他の公庫に対する節約につきましては、一応それぞれ大体融資額の五分程度節約することに計画いたしておつたわけでありますが、最近、たとえば北海道の災害等に関連いたしまして、住宅金融公庫等に対する節約額等は一部解除いたしまして元にもどすことにいたしております。そのようなことがございまして、節約額七十九億から四十六億除きました三十三億につきましては、まだ確定的にこれだけ節約するからほかの財源にまわせるというよう状態にはなつていないわけであります。現状といたしましてはさようなことであります。なお今後の資金の推移を、特に郵便貯金増加状況等を十分に検討いたしまして、いろいろ資金追加融資要望等も各方面から参つているわけでございます。それに対して善処するようにいたして参りたいと存じているわけであります。
  5. 井上良二

    井上委員 理財局長の方では郵便貯金見通しについて非常に楽観をしているようでございますが、郵便貯金高を九百億と見込んで、その後の状況はただいま御説明よう計画とそんなに大きな開きを示してないし、かつ多少上まわつているようなところから楽観説をとなえているのじやないかと思います。ところが大体上半期デフレ進行期関係もあり、そこべ町の金融機関が、御承知通り、ことごとく閉鎖しました関係もありまして、郵便貯金の方向へ預貯金が大分移行したという現象が起つておるのじやないかと見ております。それでこれから実は郵便貯金増加状況について非常に不安定な要素がたくさんありはせぬか、といいますのは、十一月末から十二月、それから年度末、これが毎年郵便貯金がどんどん引出される時期であります。そういう事情見込みまして、一体郵政当局の方では、昨年度郵便貯金の傾向と比べて本年度政府財政計画やまたいわゆる経済状況国民経済等実情から見通しまして楽観をしていいものか、なかなか楽観を許さないと見ておるのか、この点を一応郵政当局の方から明らかに願いたい。  なお、失業保険会計は、現在完全失業者が約七十一万といわれておる実情から、支出増加が非常に目立つて、五、六十億の赤字で当初予定より差引七、八十億の預託が減ることが予想されておる。だからこの面においても、見通しについて相当確たる計画を持たなければならぬと思いますが、この郵便貯金の動向と失業保険会計見通しといいますか、そういうものについてひとつ承つておきたいと思います。
  6. 吉政重保

    吉政説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。将来の見通しもいろいろございますので、お説の通りにはつきりどうだということはもちろん申し上げられませんが、昨年度に比較しまして——理財局長から御説明がございました大体目標の六八%というのを、十月に達成したわけでございますが、昨年におきましては十二月末で六八%になつております。それからなお理財局長から御説明がございましたように、郵便貯金におきましては一月が一番預金が伸びる時期でございますので、一月の状況というものも見通さなければいけませんが、大体現状におきましては、九百億の目標は達成できるのじやないかというよう考えております。
  7. 井上良二

    井上委員 失業保険のことはわかりませんか。
  8. 阪田泰二

    阪田説明員 失業保険会計状況でございますが、先ほど申し上げましたように、今年度中二十億の預金部に対する預託増加があると見込んでおりましたわけでありますが、失業保険会計は御承知よう失業者増加によりまして、非常に保険金支出がふえて来ておるわけであります。現在の予算に対しまして大体百億近く出る額がふえて来ると思います。それでこれに対しましてはいろいろ一般会計から繰入れます金額増加するというようなことも検討されておるわけでありますが、そういうようなことでいろいろ対策を講じたといたしましても、大体四十五億円程度預金部からの預託金を払いもどさなければ資金繰りがつかない、こういうよう状態に現在のところ見通されるわけであります。
  9. 井上良二

    井上委員 この原資の一部になつております地方債回収金の中で、昨年度災害短期融資をした金額が約三十億に上つておりますが、この短期融資をいたしました三十億の資金がこげついておる。これは昨年度つた災害つなぎ融資の三十七億一千万円のうち回収されたのは五億三千百万円にすぎず、残り三十一億七千九百万円がこげついておるのです。このおもなるこげつきは、愛知県が十億円、三重県が十億円、熊本県が五億円、佐賀県が二億円等でございまして、その原因をいろいろ聞いてみますと、各県が補助金を上まわる復旧工事を行つたため、約束の補助金交付での返済を履行しなかつたものといわれておりますが、これは当然年度末に原資不足となつて表面化する問題でございますが、大蔵当局といたしましては、一体これをどういうふうに処理しようとするか、またこの原資不足による不足分を一体どこへどうしわ寄せようとするか、その三十一億円の資金回収見通しと、それがもし回収困難ということになつた場合、一体どうこのしわを処理しようとするか、これはまた第二段、第三段の構えをここで考えねばなりませんので、この点ひとつ伺つておきたいと思います。
  10. 阪田泰二

    阪田説明員 ただいま御指摘ように、昨年の年度末に災害関係融資しました資金三十六億余と思いましたが、そのうち三十億余りはまだ回収になつていないわけであります。もつともこの貸付金は、期限といたしましては、昨年の三月に一箇年の期限で貸しましたので、回収期限は三月中になつておるわけでありますが、ただ実際各府県の資金繰り状況を見てみますると、本年度計画工事以上の工事を実際やつてつて、従いまして今年の補助金をもらいましても、その金がそういつた資金、やり過ぎの事業の方にまわされますので、おそらくこの金を返すことは、その他の自己資金ででも立てかえなければできないわけでありますが、財政状況を見ますると、なかなかむずかしいのじやないかということが考えられます。それでやはりこの関係につきましては実情等もよく調査いたしまして対策考えなければいけない。ただ放置して、期限には帰つて来るだろうというようなことでほうつておくというわけには参らないのじやないかというふうに私ども考えております。先ほど申し上げましたように、その他の資金要求もございまするし、これからの資金増加見通し等も立てなければなりませんので、もう少し先の時期にこれに関する措置もはつきり、運用計画の改訂という形になりますか、どういう形になりますか、しなければならないと、こういう心組みでおるわけでございますが、現状といたしましては、そういつたようなことで、まだ回収期限が先になつておりますので、正式にどう措置するということにはいたしておらないわけであります。
  11. 井上良二

    井上委員 この問題は、今後の資金需要に対応する関係からも、また今後他府県につなぎ融資をいたしまする上においても、非常に問題を将来に残すことになりはせぬかと思います。そこでできれば——もう今局長からお話がございましたが、実際これは補助金を上まわる復旧工事財政当局に相談もなとどんどんやつてしまつてそれで返されぬからというて横着をきめる、そんなことをされたら他の方面はえらい迷惑をする。だから少くとも貸したお金ですからお返しを願うということで、積極的に、年度末までほつておかずに、今から各県の財務当局を呼んで積極的に返済に対する具体的な折衝をひとつ厳重に進めてもらいたい。そうしませんと、地方財政現状から考えてこれはなかなか簡単に返つて来ません。これがまた他の方面に及ぼす影響も大きくなつて来ますから、ぜひひとつ積極的に取立てをやつてもらいたい。われわれがさようにその原資の問題についてやかましく言いますのは、資金運用部に対する資金需要が最近増大の一途をたどつて、当面ぜひひとつ資金供給を願いたいと言うて要求しておるものが、輸出入銀行において百億円、地方債において約二百億、公庫外災害融資が約三十億円、その他国鉄関係農林災害関係などを含めると、全体で五百億を上まわる情勢になつておるのです。このうち先月二十五日に輸出入銀行に三十億円、地方債のうち公庫外復旧事業分の二億円を決定し、国鉄に貸し付けてある三十億円を十五年償還に緩和したが、地方債中、二十九年度地方財政計画の修正に伴う要求、当年災害分などを九十二億、各金融公庫災害融資に必要なもの、その他の分等、当面どうしても政府で処置しなければならぬものがございますが、これらは一体いつになつたら具体的に処置されましようか。原資状況がもつと明らかになるまではさような切実な要求でも今処置はできぬということになりますか、年度末まで待たなければどうにもならぬことになりますか、この点を明らかに願いたい。
  12. 阪田泰二

    阪田説明員 ただいまの三十六億の融資回収の件につきましては、これはもちろん地方財務当局を督励して回収に努めさせておるわけでございますが、先ほど申し上げましたよう事情で、なかなか回収がむずかしいところであります。これはなお、そういうことでかつて事業のし越しをやつた横着なものだけがいいことをしてしまうという不公平な不適正なことがないように、いずれにいたしましても、公平な措置をとるようにいたしたいと考えております。  それからただいま御指摘ような非常に大きな追加融資要望が各方面からあることは事実であります。それに対してはやはりそれぞれその要求内容等も検討いたしつつありますが、ただ先ほど申し上げましたよう資金繰り状況でありますので、今日見通されるところからまだ新規に出し得る財源があるということで追加融資を決定いたすことは、ちよつと現状では困難であります。やはり先ほどちよつと申し上げましたように、十二月、一月、特に一月は郵便貯金がふえる時期であります、その辺の時期の情勢を見定めました上でないと、これ以上計画の積極的な改定ということはちよつといたしかねるという事態にありますので、御了承願いたいと思います。
  13. 井上良二

    井上委員 問題は、悪化する原資状況、それから一方増大します資金需要の間に現実に大きな開きがあるわけでありまして、あなたが所管します預金部資金調整に、なお答弁になりましたように、実際処理に四苦八苦しておるという実情でないかと、われわれは見ておりますが、一体どういうわけでこんなに預金部資金が問題になつておるかということをわれわれが一方の面から考えると、結局これは本年度政府財政計画に基く緊縮予算しわが一応預金部運用資金に寄せられておるのではないか、こういうように私どもは見ておるのであります。この問題が解決しない限り、この資金に寄せられますしわは取除くことはできない、当然一般会計で見るべきものを資金にゆだねて、見せかけだけの一兆円予算編成をしたことが、この資金繰りの困難な大きな原因になつておると私は見ておるのでありますが、あなた自身さようにお考えになりませんか。この問題が解決しなければ資金操作は事実上なかなか困難になつて来ますよ。どうお考えになりますか。
  14. 阪田泰二

    阪田説明員 ただいまの一般会計の一兆予算のしりがこつちへまわつて来て、それで資金繰りが苦しいのではないかという御趣旨のお尋ねでありますが、これは多少私どもとしては考えの違うところもあるわけでありまして、二十九年度予算財政投融資計画、これを立てます場合には、一般会計わくばかりでなくて財政投融資わくも圧縮する、こういう建前予算その他の計画編成したわけでありまして、財政投融資計画におきましても、二十八年度の三千三百八十九億というわくが本年度は二千八百五億、約五百八十四億、それだけ圧縮されておるわけであります。一般会計予算のみならず、財政投融資を通じて予算の規模を縮小して健全な予算を組んで行く、これが今年の全体を通じての建前であつたわけであります。従つて一般会計で削つたその跡始末を資金運用部がいたした、こういうふうなことはないわけでございますが、何といいましてもそれぞれの資金運用部融資先地方団体公庫金融機関というものがやはり昨年度あたりからの惰性といいますか、そういうことで十分こういった財政投融資の仕組みに対しまして適応し得るような態勢になつていない、どうしてもその間資金が足りない、もつとほしいというような形が出て来るのじやないか、その辺が資金運用部に対して依然として非常に追加融資要望が多いという根本的の理由ではないかというふうに私どもとしては考えておるわけであります。
  15. 井上良二

    井上委員 簡保資金関係について二、三伺いたいと思いますが、簡保資金の本年度資金は当初四百八十億で、このうち地方債に四百六十億、二十億を契約者貸付に充てることにしていたのでありますが、最近デフレを反映しまして契約者貸付が五十億程度まで増加する見込みになつておると思う。もし契約者貸付の希望が増加した場合は不足分をどうするか、幸いにして簡保事業予定以上に伸び、本年度当初計画予定五百億を相当上まわつても、三十億の原資を使うためには精励によつて五百六十億の成績を上げる必要がございます。そういうことからいたしますと、かよう成績を上げるよう一つ事態に行くか行かぬかという見通し、かりに不足が出ました場合契約者貸付の方を圧迫するというか抑制するか、地方債について大蔵省との間に担当区分変更するか、つまり地方債の方を操作するつもりか、これらの点について、ひとつ簡保局長の方から御説明をお願いします。
  16. 白根玉喜

    白根説明員 おつしやる通りに、本年度運用計画につきましては、地方公共団体に対する貸付を四百六十億、それから契約者に貸し付ける原資を二十一億と踏んで、総計四百八十一億を運用することに相なつておりますが、そのうちで契約者貸付の二十一億というのが、実はそれ以上、三十億程度ふえるのじやないかという見通しは、おつしやる通りつておるのでございます。しかしこの面につきましては、調整がとれるかとれぬかという問題になると思いますが、御承知ように、本年度運用資金は前年度余裕金決算の結果積立金になり、その積立金運用することに相なるわけでございます。従いましてこの前年度余裕金、すなわち本年度積立金は、決算の結果四百六十九億に相なつておるわけでございます。それでもおつしやる通り予定より増高する契約者貸付原資に足らないじやないかという面もございます。これは当初計画におきましては、本年度余裕金を五百億、積立金を四百六十億と踏みまして、四十億の差が出ます。その差の二分の一を、すでに大蔵省資金運用部に預けております既運用資金から、こちらへ移していただくことに、法律上なつております。従いまして、そのおつしやる意味調整がとれるかとれぬかということは、五百億の本年度余裕金予定ができるかできぬかにかかる、かように存ずるわけであります。その面になりますと、私の方といたしましては、本年度余裕金の部分を甘く見ては、大蔵省に対して計画齟齬を来すのではなかろうかと存じまして、ある程度はそれ以上に出る予定でやつておる次第であります。と同時に、本年度募集なり維持の実績は、前年度に比較いたしましてデフレ経済とはいいながら相当よくなつて参つております。一面前年度に比較いたしまして本年度は、国会の御審議によりまして、八万円から十五万円に上げていただきました。これは四月一日から年度中ずつとできるわけでございますが、前年度は一月から三月の間はまだ八万円時代でございました。しかも一月から三月の間は農村からの供出米その他の関係からいたしまして、非常に募集の余力のあるときでございます。従いまして私どもといたしましては、五百億の予定はさらに上まわるのではないかと考えておるわけでございます。そういう関係からいたしまして、この計画には齟齬がないのじやなかろうか。一面契約の確保をはかる意味からいたしまして、前納を奨励するということは、事業上からいつてもいいことでございます。従いまして従業員の定員その他の関係もございますので、あまり強くはできませんけれども、足らない見通しがあれば、その面についてそれをある程度強化することによりまして、本年度計画齟齬がないよう見通しをつけておる次第であります。
  17. 井上良二

    井上委員 大体五百億を上まわるというお話でございますが、先ほど申しましたように、大体三十億の原資を得ようとするためには五百六十億の成績を上げなければならぬということでございますから、相当これは馬力をかけてもらわぬとむずかしいのではないかと私どは見ておりますが、実際専門家であるあなたから楽観的な御答弁がありましたから、この点については大分安心をいたしております。ただ簡保事業成績いかんは、政府資金源の一部分としてきわめて重大な問題を持つておるのでございまして、国会が簡易保険の最高限度を十五万円まで引上げましたゆえんも実はそこにあつたのです。ところがこの限度引上げの問題に対して民営の保険業界からは引上げ反対の猛烈な運動がございます。この反対運動に対して、理財局長及び簡保局長は一体どう見ておるか。十五万円からさらにもつと引上げる必要が現実にある。われわれは今日の物価その他の関係から、また国民の生活程度現状から考えて、あると思いますが、民間保険業を圧迫するということで片方では文句を言うて来ますが、当局としては、これをどうお考えになつていますか。   〔千葉委員長退席、内藤委員長代理着席〕
  18. 白根玉喜

    白根説明員 簡保の制限額の引上げにつきまして、その引上げのたびごとに民間の方から反対が出ることは事実でございます。それに対して簡易保険の立場からどう考えるかという御質問でございますが、私どもといたしましては、民間の反対気勢全部が間違つているということではないと思います。やはり官業と民業と両方発達するのがいいと思うのでございます。従いまして民間の反対の全部を抹殺して、それは間違いだという考え方は持たないのでございます。ことにインフレ時代から——デフレ時代になつたら多少よくなつようでございますが、ことにインフレ時代におきましては、保険思想はあつたといいましても、保険意欲というものは落ちておつたわけであります。その保険意欲が出るか出ないかによつて保険事業の発達になるのでありまして、従いまして一面官業と民業との関係調整の問題もございます。従いまして事務当局といたしましては、十五万円がいいとは決して言つているわけではございません。できれば十五万円を上げたい気持は持つておりますが、民業の調子も考えなければならないと思うわけでございます。一面簡易保険の最高制限額を上げたら民業の非常な圧迫になるかということの面につきましては、やはりそうではなくて、刺激剤になる面もあると考えております。現に引上げの結果、民業は萎靡したかと申しますと、さらに刺激剤になつて伸びておる面もございます。しかしそういう調子をよく考えて見てその情勢によりまして民業にはなはだしき圧迫というところに行かない限度におきましては、できるだけ早い時期にまた解決していただく機会をちようだいしたい、こう考えておる次第でございます。
  19. 井上良二

    井上委員 こまかい問題ですけれども一つついでに簡保局の方に聞いておきたいのですが、簡保資金を単独で運用することによつて運用利益が増加しているはずであります。従来は預金部資金に五分五厘で預託していたのが、単独で運用するようになりまして六分五厘の地方債として貸し付けている。そうすると、一体事業に伴う利益はどうやつているか。
  20. 白根玉喜

    白根説明員 おつしやる通り、長い目から見ますと従来簡易保険の資金資金運用部にあつた時代に比較いたしまして、こちらへ帰つて参りまして独立運用ができますと、費差益というものが出ることは事実でございます。そういう費差益が出ますと、これはやはり加入者に還元しなければならない問題でございまして、むろん事業上必要な経費はそれから差引かなければなりませんけれども、得た利益は加入者に還元する。その方法といたしましては、先般の最高制限額の引上げの際に御決議がございました、たとえば利益配当をある程度上げるとか、あるいはできれば保険料を下げるとかいう方向に持つて行くべきものと考えておる次第でございます。
  21. 井上良二

    井上委員 それでは、現在まではその資金の使途についての処分は具体的にせずに、それは別途に積み立てておりますか、それを伺つておきたいと思います。  それから理財局の方に二、三点質問いたして終りたいと思います。理財局の明年度預金部資金運用計画の第一次案を見ますと、運用総額は本年より多少上まわりまして、千七百十七億かになつております。原資のうちで郵便貯金増加は九百五十億を予定しておる。それからこのほかに簡保の方等については資金がどうなるか。私自身の考えといたしましては、政府としては来年もまたデフレ予算を踏襲するということがいわれておりますが、デフレ予算でこのまま推し進めます場合、当然少額の所得者を対象とする国民の経済に非常な影響を来すと見通されるのであります。さよう見通しの上において、原資のうちの郵便貯金は本年よりも九百五十億も多くなるということでございますが、これらのことについて郵政当局は自信をお持ちになつておるか、また簡保の資金についてはどのよう見通しを持つておるか、これらの点について伺いたい。それから運用計画のうち地方債四十四億を増加ようとして、各公庫に対しましてはいずれも減額せんとしておる。たとえば中小企業公庫に対する融資は五億削り、農林漁業公庫については十五億、国民金融公庫については六億、住宅金融公庫については十七億等、いずれも削減の計画をしておるが、これはいかなる理由によるのか。つまり原資においては昨年より増加しておきながら、貸付の方においては国民生活に最も重大な関係を持つておる各金融機関に対する融資を、いずれも軒並に削減するという計画をお立てのようでありますが、これは一体どういう理由に基いておるか、それを明らかにしてもらいたい。それから政府の一部で計画されている鉄鋼、石炭等に対する開銀の債権のたな上げは当然開銀資金の繰上げに影響し、また運用資金にも響いて来るものではないかと思うが、これに対して一体どうお考えになつておるか、この三点を伺いたい。  それから簡保当局の方には今の運用利益金の処分は現在までまだしてないのか、その利益は別途に積立てておるのか、それはいつ加入者の方にこれを有利に使おうとするか。その使う場合は法的根拠を必要とするのか、行政措置でやれるのか、これらの点について伺いたい。
  22. 白根玉喜

    白根説明員 先ほどの利益の面をしばらく積立てつばなしにするものであるかどうかというお話でございますが、実はごの利益は相当積み立てておることは事実でございます。
  23. 井上良二

    井上委員 金額はどのくらい積み立てておりますか。
  24. 白根玉喜

    白根説明員 ちよつとその数字は何でございますが……。積立てというのは、たとえば利益配当をやるとすれば予算的に何ぼ積み立てるかがきまるわけでありますが、その余裕金としてどれだけあるかと申しますと、数字はあとでお届けいたしますが、とにかくできるだけ早くやりたいという気持を持つて利益配当なり、保険料の引下げについてただいま研究中でございます。と申しますのは、死亡率が近く改訂されることになつております。それで……。(「死亡率を改訂するというのはおかしいじやないですか」と呼ぶ者あり)それは、簡易保険の面におきまして、保険料の引下げのときには死亡率をどの程度に見るかということがきまるわけであります。その死亡率というのは郵政省だけの独断できめるものではないのでございます。権威あるところて一応の表ができます。それが近く——今月中あたりに改訂されることになるだろうと思うのであります。そうしますとそれに伴うて保険料はどの程度にするか、利益配当はどの程度にするか、将来の財源見通しはどうかということをやはり調べなければならないのでありまして、保険料なり利益配当を毎年々々改訂するわけではないのでありますので、その見通しをただいまつけつつあるところでございます。なるべく早くやりたいという気持で一ぱいでございます。
  25. 阪田泰二

    阪田説明員 明年度資金運用部その他の財政投融資計画でありますが、これは現在予算につきましても編成が進められておりますが、私らの方でも、明年度財政投融資につきましては、いろいろ資金源、あるいは資金需要面について検討はいたしております。まだそういう、全体の計画というものを立てまして試案を発表するというような段階には参つていないわけでございます。先ほどおつしやいました新聞に出ておるというような問題につきましては、私もちよつとその記事は見ましたが、全然私どもも知らないよう数字でございまして、どういう根拠からああいうものが出ましたかわかりかねるわけでございます。ことにただいまお話のありましたよう明年度資金運用部資金が今年よりふえると見込んでおるというような記事でありますが、ただいまのところ私ども考えておりますところでは、今年よりも減ると思つております。大体明年度も本年度ような健全財政あるいは財政投融資の圧縮といいますか、健全なインフレ的資源で財政投融資はやらないというような方針を当然踏襲いたしますので、その資金等が今年以上に増加するということは、そういう前提条件から見まして考えられないと思います。その他の特別会計の資金、これらにつきましては個別的にいろいろ当つてみますと、現在の状況ではそういうものがむしろ今年よりは減るのではないか、従いまして全体といたしまして資金運用部資金は、今年よりは原資が上まわるというようなことはあり得ないのじやないか、現在のところではそういう見通しでございます。  それから公庫融資を今年よりも減らすのかどうか、地方債をふやすのかというお尋ねがありましたが、これもまだ何らそういうような案をきめたものではございません。地方債等につきましては、実は私どもの方はいろいろ地方債現状等を見まして、むしろ今年より減らすくらいにしなければならぬのじやないかというふうに考えておるわけでございます。  それからなお開発銀行の石炭、鉄鋼等に対する融資回収の問題についてお尋ねでございましたが、これは回収するという方針で開発銀行も努力いたしておるわけでございます。
  26. 井上良二

    井上委員 まだ明年度財政融資計画を具体的に相談をしておるわけでもなければ、計画を立てておるわけでもないというお話でございますが、理財局長としては、これは予算とにらみ合せまして当然来年度の資余計面をどうするかということについて、一方予算が各省との折衝で具体的にきめられようというときに、あなたの方がその資金計画を全然議題に供してないということはあり得ないと思います。もしかりにそういうまとまつた案がないにしても、およそどういう方向に持つて行くべきかということについては、予算編成伴つて当然考えられるべきことであろうと思います。そこであなたがその所管の局長としての責任者として、特にこの際まだままつてないということでありますから申し上げておきたいのは、お話ように、この資金というものは国民の零細なる預貯金であります。従つてそれは国民生活の向上とその国民生活を守るための方面にこれを還元するということが原則でなければなりません。そういう意味から、ただいま上げましたところの中小企業金融公庫あるいは農林漁業金融公庫あるいは国民金融公庫住宅金融公庫等に対してはどの部分よりも私は優先的に十分な資金を供給してやるという建前を厳重におとり願いたい。  同時に地方債に対しましては、ただいま局長お話ように、現在の地方債現状をいろいろわれわれは現実について見て来ておりますが、いわゆる市町村長が公選制になりましてからというものは、各市町村ともに自己の本質的な財政計画を得てしてあとまわしにいたしまして、政府補助金及び資金に頼ろうとする傾向が非常に強いのであります。これはまことにゆゆしき問題でございまして、その市町村長の政治的手腕を市会当局あるいは市民から批判される関係から、次の選挙を有利に闘おうという政治的な意図もございましよう。これらの諸条件が加わつて参りまして、思わざる大きな負担が地方財政に累積されて来ております。従つて地方財政計画については、特に投融資については地方財政現状とにらみ合して、一体負担能力があるかないかということをあわせていま少し慎重に検討を要するのじやないかと思います。もう少し地方財政というものに確実性を持たして、その上でほんとうに一般公共のために役立つ施設について政府融資をするということに、理財当局としては、もつと根本的に地方財政の内容に対して主税当局とともに御検討を願うようにお願いをして、私の質問を終りたいと思います。
  27. 阪田泰二

    阪田説明員 ただいまお話よう予算に並行いたしまして財政投融資計画も検討いたしておるわけであります。予算もまだかたまつておりませんので、私どもの方の計画もかたまるというわけには参らないわけでございます。それで公庫融資の問題でございますが、これは御指摘通り郵便貯金等は全国民から集まつた零細な金でありますから、中小企業金融公庫、住宅金融公庫、こういった機関に還元して融資することは、この資金の性質からいつても非常に適切なやり方であるということはこれは間違いないと思います。ただ具体的にどういう金額融資するか、明年度としてはどれくらい出すことが適当かということになりますれば、やはりこれは全体の資金繰り状況、あるいは各公庫における明年度計画その他いろいろそういう状況を見まして必要な額、しかも適切な額を融資するということでなければならないので、何も毎年融資する額をふやして行くのが絶対原則である、こういうことにも参らないと思います。先ほど申し上げましたように、今年よりも公庫に対する融資額を削減するというような方針は別段現在のところきめておりませんが、明年度のこれらの公庫事業見通し等も十分検討いたしました上で、融資計画を立てたいと考えております。  なお最後に地方債につきまして申されましたことは、私どももまつたく同感でありまして、おつしやるような趣旨で扱つて参りたいと存じております。
  28. 内藤友明

    ○内藤委員長代理 春日一幸君。
  29. 春日一幸

    ○春日委員 これは関連質問と申しますよりも、問題をひとつ明確にしておかなければならぬと思いますので、特に発言を求めたわけであります。ただいま井上委員によつて述べられました意見によつて尽きておるわけでありますが、問題はこの資金運用部資金の構成が大衆の金である、こういう意味からこの活用は大衆への還元にウエートを置いてもらわなければならないというところにあるわけでありまして、当然明年度予算編成にあたつては、住宅金融公庫にしろ、中小企業金融公庫にしろ、農林漁業金融公庫にしろ、それそれ相当額の増額のことが要請されておりますので、十分御検討願わなければならぬ。ただこの際一つ明確にしておかなければならぬことは、先般大蔵当局がその後いろいろな言動によりまして、この予算の節減を一律に行わなければならないという問題を論議いたしました場合、そのときに公庫は国民金融公庫において六億円、中小企業金融公庫において五億円、住宅公庫において十七億円、こういうものを節減するのだという新聞報道が行われたことがございます。そのとき急遽本委員会においては、こういうような節減が機械的に行われるならば、これらの機関が持つておるところの使命、性格等から考えて重大な事柄である。従つて政府ははたして新聞報道のごとくこういう一律的節減を行うのであるかどうかということを大蔵大臣に質問をいたしました。そのとき大蔵大臣の明確なる答弁は、一応こういう論議がされたことはありますけれども、これは一律にやる場合にはこういう数字が出て来るという事柄であつて大蔵当局といたしましても、また本大臣としてもこの三公庫関係、これに農林省のものも加わるでありましようが、こういうものもやはり削減を行う意思は絶対ない。これはただ単にこういう一律的な節減を行う場合は、こういう数字が出て来るのだという数字が示されたにとどまるものであつて実際的には国民金融公庫中小企業金融公庫、住宅金融公庫等においては、そういう節減は行わるべきものではない、こういう御答弁が明確に行われたのでございます。私どもはそれぞれの機関が事業計画を行うにあたりまして、もしもこういうよう資金の削減が行われるということであるならば、計画変更等の事柄とからんで来るので、この際それを明確にしておいていただきたいということを重ねてだめを押しましたところ、そういう節減を行う意思はないという明確なる御答弁がありましたので、この機会にあらためて御認識を願つておきたいと思います。もしその大臣の御答弁が違っておるということであるならば、来る二十四日再度委員会が持たれますので、この重要なウエートを占める資金計画について移動がありました場合には、ひとつ早期にその点を明確にしておいていただきたいと思うのでございます。私の申し上げたことに局長として異存がなければそれでよろしいが、もし間違つておるというようなことでありましたならば、この際その意見を述べておいていただきたいと思います。
  30. 阪田泰二

    阪田説明員 御質問ような点につきましては、財政投融資関係、ことに資金運用部資金運用関係の実行計画におきましては、今年の六月でありますか、一般会計で実行予算を組みました際に、財政投融資につきましても、その当時資金運用部資金見通し等が現在以上に悪かつたわけであります。従いまして計画通りその融資の面をやつて行きますと、原資の面で詰まつて来るというようなおそれがありましたので、運用の面につきましても、やはりある程度の目途を立てて運用をやつて行く、あるものにつきましてどんどん融資をやつてしまいまして、結局年度末に至つて原資が足りないために出せないものが出て来るというようなことでは困りますので、そういう意味で実行計画を立てましてやつて参つたわけであります。従いまして各公庫その他の融資先に対します節約額等も、——当時大臣はおそらくこういう答弁をされたと思いますが、正式な計画変更としては処理していないわけであります。それで先ほどちよつと申し上げましたように、即発銀行に対しては二十億、電源開発会社に対しては二十六億の節減、これは計画変更としてはつきりきめましたわけであります。その他のものにつきましては、従いまして資金状況等と見合つて実行して行くという考え方でやつてつたものでありまして、現在までのところは計画変更をいたしておりません。これは大体住宅金融公庫、国民金融公庫その他の公庫融資状況等も見合せまして、今後最終的にどういうふうに解決いたすかということはきめて参りたいと思つております。
  31. 内藤友明

    ○内藤委員長代理 柴田義男君。
  32. 柴田義男

    ○柴田委員 中小企業の金融問題に関しましているくな角度から伺つてみたいと思いますが、遺憾ながら大蔵大臣も銀行局長もまだお見えになりませんが、幸い総務課長がお見えになつており、銀行課長を兼務されておると聞いておりますし、また中小企業金融関係では、中小企業公庫の中野理事さん、また国民金融公庫の最上理事さんも御出席でございますので、それらの加点から一つ一つ承りたいと思います。われわれも現代の資本主義国家におきましては、とうていわれわれの望むような中小企業者に対する金融が活発に行われるとはゆめさら考えません。ただ現代の資本主義機構の中におきましても、一面大産業資本があつて、そのまた一面には極端な中小企業者があることは御承知通りであります。なお日本の産業の実態を見ますると、中小企業産業の占める比重と申しましようか、これが非常に大きいのであります。こういう観点から、どうしても中小企業金融に対しまして、政府はもつと真剣に考えてもらわなければなりません。ただおのおのの一たとえば国民金融公庫にいたしましても、政府財政との関連あるいは投融資との関連で、非常に困難なわくの中で融資をされることでございましようし、中小企業公庫に至つても同様であります。ことに中小企業公庫に至りましては、最近誕生されたばかりで、われわれが望んでおるような活発な御活躍を期待することはどうしても無理ではございましようが、われわれ地方におる中小企業者といたしまして、地方の銀行なり相互銀行なりあるいは信用金庫等も、みな看板は麗々しく中小企業金融公庫の取扱店ということを掲げております。だけれども実態を見ますると、どうも要求の何パーセントもやつておらぬ。こういう実態で、われわれは地方におりますると、地方金融機関を鞭撻いたしまして、中小企業金融公庫にしよつちゆう行つて交渉しておるのか、こういうことを言うのでありまするけれども一つの例でありますると、甲の金融業者は相当大きなわくをもらつて行き、その乙の金融業者は、甲の金融業者よりも、資金量もあるいは預金量も大きく持つていながら少額のわくよりもらつていない、こういう矛盾がわれわれには見受けられるのであります。これは中野理事さんに伺うことでありますが、一定のわく——何県に対するわくは一億、何県に対しては五千万、こういうわくを決定されますると、そのわくを増額することは絶対に不可能なのであるかどうか。もう一つは、その金融機関からたくさんの申込みが殺到しておるのだという実情を訴えて参りますと、その訴えた実態によつてそのわく考えないで多少でも余裕がある場合には増額されることができるのかどうか、この点をまず承りたいと思うのであります。
  33. 中野哲夫

    ○中野説明員 ただいまの御質問にお答えいたします前に、最近の公庫貸付の概要を書いた書類を差上げておりまするが、十月においては十九億一千百万円でございます。本年度に入りまして十月までの累計が百十九億三千五百万円に相なつております。昨年の九月十一日に事業を開始いたしましてからの総累計を見ますると、二百三十一億四千八百万円、件数にいたしまして約一万一千件の貸付を行つて参つたのでございます。本年度貸付計画は、回収金を含めて二百億を予定しておりまするが、第一・四半期、第二・四半期はほぼ計画通り融資を行つて参つたことに相なつております。第三・四半期にお寺ましては、年末を控えまして資金需要も多いので、ただいまのところ七十五億、場合によつては八十五億くらいの融資を実行いたしたいと考えまして、全国四百余りの代理店にそれらの資金わくの決定をいたして通知をいたしておるわけでございます。第四・四半期も、先ほど原資の問題についていろいろ御議論を拝聴しておりましたが、第三・四半期に比較いたしますると、相当資金需要も減つて参るとは思いまするが、やはり中小企業者の要望に応えるだけの融資は実行して参りたいと考えておるわけでございます。ただいま各代理店によりましていろいろ公庫資金の扱いについて積極的、消極的なところがあるという御指摘でございます。公庫融資は長期資金を扱う、しかも政令に掲げておりますような中小企業に合理化あるいは資金繰り安定のための設備資金、運転資金をお貸しする建前になつておりますし、かつこれが代理貸しになつておりますので、この運用につきましては、事務取扱い要領というようなものを各代理店に差上げ、ブロック会議等も開いていろいろ趣旨内容の徹底をはかつて参つたのでありますが、当初におきましては、普通の代理店では手形割引あるいは単名融資というような短期資金しか扱つておらぬ、またそういう長期にわたりますと、私どもの方で物的担保をいただいておりますが、それらの権利保全関係も手続をよく知らないというようなことで、公庫業務開始以来代理店によりましていろいろ手続上めんどうであるというような感じも持つておられた向きが少くなかつたのでございまするが、その後だんだんに代理店にも御勉強を願い、またこの十月からは予備金の支出大蔵省にお願いいたしまして、福岡、名古屋、札幌には私の方の駐在員も常駐せしめることにいたしまして、今日になりますと、公庫資金の貸出しのやり方について十分の研究を行い、また専任の職員も一生懸命養成するので、自分の方の支店に対しても本店がよく連絡を密にするというようなことで、非常に積極的に仕事をやつていただく。従いましますと資金わくもそれに正比例して多くこちらから差上けるというようなところがだんだんふえて参ります。しかしながら今日においてもやはり遠隔地等になりますと、またその銀行の経営の方針もございましよう、私どもから見まして、公庫融資のことについてなお研究が足りない、熱がない、支店への連絡も十分でない、担当職員の教育もいまだしというようなところが、公庫の監査等の結果によりまして見受けられるわけでございます。私どもは機会あるごとにひとつ中小企業界のためにそういう点より積極的に勉強してもらいたい、支店への連絡も十分にしてもらいたいということを申しておりますし、常駐員等もそういうことでやつておるわけでございます。それで公庫融資についてすみずみの代理店、支店に趣旨の徹底をはかりまして、この代理貸に伴ういろいろな渋滞面を解決して参りたいと思いまして、実は来年度予算におきましては、全国七ブロックに私の方の支店あるいは事務連絡所をひとつ設けさしていただきたいと思いまして、ただいま大蔵省にお願いしておるよう状況でございます。従いまして、全国四百余りの代理店の各期における資金の消化状況を見ますると、既存のわくにさらに追加をする、繰上げをするというよう融資の進んでおる面もありまするが、半分あるいは三分の一、はなはだしきに至つては、半分以上の資金を未消化に終らすというようなところも出て参りますので、先ほど申し上げましたこの第三・四半期七十五億程度資金量をもちまして融資を進めますためには、機動的に各代理店間のわくの増減を行いまして、りつぱな中小企業に有効に使われる資金面につきましては、わくの面において御迷惑は極力かけない、かよう考え方で目下やつておるわけでございます。ただいま柴田委員もお話通り、いろいろ銀行の方々も月に一回ぐらいは同業者の御会合もあつて、遠方からも東京へお集まりのようでございますので、そういう節にはぜひ公庫にもお寄り願いまして、いろいろな御要望を御遠慮なくお出しを願いたい。私の方としてはできるだけ機動的に、実情に沿うように運営いたしますからということを申しておるのでございまするが、やはり積極的な連絡をおとりになつて目的を達せられる向きと、比較的足が遠くて連絡にもあまり見えないというような向きもございますので、これらは駐在員なり、来年度は事務所等を設けまして、こちらから地方へ出向きまして、いろいろな代理店との連絡を一層緊密にやつて参りたいという計画を持つておるわけでございます。その点御了承願いたいと思  います。
  34. 柴田義男

    ○柴田委員 それからただいまいただいた資料を拝見いたしますと、設備資金というものは約九〇%で、運転資金というものは一〇%内外、こういうように累計してみますと一〇%もない、こういう実情でございますが、やはり運転資金というものに対しましては、なかなか公庫貸付を渋るのかどうか、このことが一つと、もう一つ伺いたいことは、地方の窓口の金融機関を見ますると、たとえば他の国民金融公庫の代理もやつており、あるいはあなたの方の代理もやつておるのだが、一番書類上に煩雑であり、一番めんどうなのは中小企業公庫だという声をわれわれは聞いておる。実際問題としては窓口の金融機関が自己の責任において大きな責任を負つていながら——公庫自体が三〇%でしたか、二〇%でしたか、そういう責任で、窓口の金融機関は八〇ないし七〇の責任を負いながらも、非常に書類の問題が煩雑であり、それから申込みに対する融資も非常に少い、こういうことで中小企業公庫というものはどうもめんどうだというような観念が地方金融機関にあるやにわれわれは聞くのでございまするが、これらの改善の方途をお考えかどうか、この点を承りたいとお思います。
  35. 中野哲夫

    ○中野説明員 公庫のお貸しします運転資金は、法律によりまして長期運転資金ということに相なつております。従いまして三月、六箇月というものを、普通銀行のように手形で貸すということではないのでございまして、運転資金の場合は設備資金自己資金を投入し過ぎて、その事業を運営しますために長期の借入を要する、逆に言えば長期で返済を要するというような、いわゆる安定資金、そういうものをお貸ししよう、こういう考え方でございます。ところがこれを逆に申しますると、仕入れ資金、決済資金、短期の性質を持つた資金を借りる方が楽であるから、二年、三年の長い期間で借りるという考え方は、制度上いかがかと思うわけでございます。この長期運転資金の内容として当該企業のバランス・シート、金繰表等を調べまして、幾らの金額を必要とするかということを代理店において判定を下しますにつきましては、設備資金の所要額を算定するよりもいろいろむずかしい点がある。バランス・シートを全部見てみなければ、何百万円というような長期の運転資金が必要であるという結論が出にくいのでございます。公庫のそういう考え方につきましては、実は昨年の公庫業務開始以来もいろいろ問題がございましたので、スタート当時は設備資金ということで進めまして、その後研究を重ねました結果、たしか十一月に入つてから長期運転資金貸付の要領をきめまして代理店に通知をいたしました。ところがやはりただいま御指摘になりましたように、また私がただいま御説明申し上げましたように、長期運転資金のつかみ方ということが、代理店によりましては、ことに信用金庫等におきましては、人も少い、また銀行の理論と申しますか、そういう点に経験の浅い人も少くないわけでございまして、何となく運転資金の方は出しにくい。デフレの影響で設備の方は大体一段落ではあるが運転資金需要がふえておるにもかかわらず、こういう点はいろいろ問題にいたしおるのでございます。ただいま私の方では運転資金の算定について、きわめて簡素な方式を研究中でございましてこれを近く各代理店に御通知いたしまして簡素な計算方法、簡素な形による運転資金の算出をやつていただこう、かように思つております。ただいまお話の運転資金の貸出も、累計におきましてはきわめて僅少でございます。だんだん代理店もなれて参りまして、九月及び十月の一月ごとをとつて参りますと、二割余りが運転資金、七割余りが設備資金というようなことになつておりまするので、この十一月、十二月と月を進むに従いまして、運転資金の貸出しが月別に見ますとだんだんふえておる傾向になつております。そういうことについてわれわれもだんだんなれて来た、また有効な運転資金が流れるということについてやや安堵したよう考え方でおります。それから窓口が煩雑であるという点も、私ども平生非常に苦にいたしておるのでございます。私どもの方でも、できるだけの簡素化は今日までやつてみたつもりでございます。また今後もできる範囲でやつて会いと思つて、いろいろ研究しておるのでございますが、ひつきようしまするにこれは代理貸しである。私の方では、書面で調べるということになつておりますので、代理店の方が自分のお金をお貸しになるように、店頭において借受け申込人とひざを交えていろいろな話も聞く、あるいは当該の町の支店の支店長は、その町なり市なりのどこそこの店はもう何十年来の出入りであるというような、直接貸しに比べますと書面貸しというのがどうしても手続がかかるわけでございます。それと抵当権の設定等の手続がございますので、その点を代理店にもなるべく早くマスターしていただく、あまりこれを苦にしないようなふうに持つてつてもらいたい。今日におきましては半分以上の代理店においてはこの程度の手続は必要であろうというような御理解を得ておりますが、地方等におきましては私どもの努力も足りませんが、まだめんどうだというような声が絶えぬような次第でございます。これは歩み寄つてだんだん直して参りたいかよう考えております。
  36. 柴田義男

    ○柴田委員 中野さんの御答弁は非常に良心的でありますが、その答弁をされたことを責任を持つて改善をはかつていただく、これはせひやつていただきたい。ただここだけでおざなりの御答弁だけでは、われわれももう一度もつと掘り下げて御意見を承らなければなりませんが、最後に伺いたいことは、これだけの金を貸しつけておられるのだが、今の中小企業金融公庫の役員を含めた全体の人員がどのくらいでございましようか。たとえばわれわれ地方銀行を見ますと、預金が行員一人に対しまして大体一千万円を下るようでは経営が困難だということを聞いておる。ただ政府資金であるから何人を置いてどういう仕事をやつてもいいということではないと思いますので、参考までにどれだけの人員でこれだけの扱いをやつておられるのか、それを伺つておきたい。
  37. 中野哲夫

    ○中野説明員 ただいまの公庫の職員は大阪支店を含めまして二百五十数名でございます。当初出発の際は、御記憶であつたかと思いますが、五十七人でスタートしたのでありますけれども、案件がだんだん累増して参りまして、それの元利回収、いろいろな事務がふえまして、その後大蔵省にもお願いして人員の増加をはかつて参つたわけでございます。普通銀行のやり方に比べてコスト的にどうなるか、こういう点については、ただいま正確な書類を持つて来ることを忘れたのでございますが、記憶によりますと五%か六%くらいが貸付総額に対する経費、こういうことになつておりますので、私の方の経費の大半は代理店に対する手数料であります。その次に大きいのが預金部資金の借入れの利子でございます。事務費は一年にたしか二億足らずというようなことになつておりまして、今日まで私ども政府資金のまるがかえであるから、金はかかりほうだいというようなことには決してなつておりませんので、むしろなすべき監査、なすべき審査、その他の仕事も経費面からいいますと、思うように十分なことがやれないという程度で推移しておるよう状況でございます。
  38. 福田繁芳

    福田(繁)委員 私は実は本日三公庫の責任者にお越し願いまして、いわゆる庶民金融の根本問題、なおまた年末を控えての越年資金に対する対策及び先ほど大蔵省理財局長並びに井上、春日両君との間の質疑の中にありました来年度資金源の問題、こういった問題にわたつて詳細にお伺いいたそうというつもりでおつたわけであります。しかしながら、事ことごとく、これは銀行局長大蔵省の首脳部がともに席にはべつておらぬと質問意味をなさぬことになるのであります。そこで先ほどから委員長にしばしば大蔵省の首脳部の出席を要求したのでありますが、いかんとしても本日は御都合が悪いようであります。聞くところによりますと、当委員会の理事会において、来る二十四日と二十五日にこの大蔵委員会を開会される、こういうことを伺いましたので、私は本日の質問は二十五日まで保留いたしますから、二十五日に再びお三方お越し願いまして、そしてそのときには委員長大蔵当局の首脳部の方、なかんずく銀行局長、で守れば大蔵大臣もぜひとも御出席してもらうようとりはからわれんことを希望いたしておくわけであります。  そこでただそのときに、さよう意味合いで年末資金及び来年度資金源の問題、こういうような問題に触れるのでありますから、ことに住宅金融公庫と庶民金融公庫のお二方に一、二資料としてお願いしておきたい点があるのであります。それは何かと申しますると、十一月一日現在にしまして住宅金融公庫及び庶民金融公庫はお手元資金がどれだけあるか。これが第一点。第二点は、この両公庫において聞くところによりますると、いわゆる代理店に対して預託と申しまするか、これを相当なさっておられるということを私たち聞いておりますので、少くても東京都内の金融機関、言いかえれば代理店の金融機関、どういう代理店にどれくらいの預託をしておるかということを、ぜひとも資料に出して現わしてもらいたいと思うのであります。たとえば日本相互銀行なう日本相互銀行に六千万円なら六千万円、あるいはどこそこの信用金庫に八千万円なら八千万円というところの一覧表を、ひとつ資料として要求いたしておきたいと思います。そういったところのお手元資金現実のありのままの姿と、それと大蔵当局に対して、あなたたちがこの庶民金融を、いわゆる年末を控えていかにするか、同時にまた来年度はどれだけ政府から出してもらわなければいけないのかということをわれわれ公平に検討を加えて、そうして皆さんに対して協力いたしたい、こういう考えでありますので、二十五日までにその資料を一通り御用意願いたいと思うのであり  それと中小金融公庫の中野さんにお願いいたしておきたいのでございますが、実は前会も前々会も当委員会において中小金融公庫の問題に対して相当具体的な質問を実はいたしたわけなのであります。そのときにちようど御出席されましたのは、あなたでなくしてほかの方であったように私記憶いたすのであります。そうすると同じことを繰返えすと都合が悪うございますから、今まで当委員会に出て来られておるところの理事の方と中野さんとともに二十五日は年末のために御勉強してもらう、そういうようにしてもらわないと、中小金融公庫がこの年末に対して設備資金一点張りで担保をとって貸す方が、ほんとうに中小企業育成のためによいのか、あるいは運転資金を今日みたいに軽んじておいて、それでほんとうに公庫の目的が果せるのかというようなことも、掘り下げて御見解を伺いたい、こういうように思いまするから、さようなおつもりで願いたいと思うのでございます。  それでは委員長、先ほども申しましたように、二十五日にはぜひともさようにしてもらうということにいたしまして、私は質問を保留いたしておきます。
  39. 内藤友明

    ○内藤委員長代理 了承いたしまし
  40. 柴田義男

    ○柴田委員 金融の問題をもう少し伺いたいのですが、今の同僚の委員のお方と同じようなことで、やはり大蔵省から首脳部の出席を求めてもう少し掘り下げて伺いたいので、この金融問題はきようはこれで打切りたいと思います。  なお私ども新聞紙上等でも承つておりましたので、為替局長に承りたいのが一つございます。十一月九日かに、四十九回の外資審議会における民間外資の受入れ方針に対する大蔵省の構想というようなことを聞いたのでございますが、大蔵省当局、しかも大蔵省為替局長以外の、たとえば大蔵大臣なりあるいは次官なりの構想であるのかどうか。この点を明らかにしていただきたいと思うのは、たとえば最近民間の外資の導入が一応限界点に達しておる。これはだれにもわかつていることなんですが、こういう観点から国内の業者と国外の業者との摩擦が随所に見受けられるのです。例をあげて申しますと、国内のミシン業者と海外のミシン業者との摩擦がある、あるいは石綿の問題にいたしましても同様な問題がかもされておる。こういう場合に、審議会の議を経ないで、大蔵省考え一つでこういういろいろな外資導入の構想を立てておるのかどうか、この点をまず承りたいと思います。
  41. 東条猛猪

    ○東条説明員 最近外資の導入に関して、まず限界点に達しておるのではないか、こういう御所見が第一と承つたわけでありますが、外資に関する法律に定めておりますように、私どもは国際収支の改善に寄与いたしましたり、あるいは重要な産業の技術水準の向上に寄与するという、経済的な効果を収めますところの技術なりあるいは資本の提携の申出がありました場合におきましては、それぞれ個々の案件につきまして、外資審議会の議を経まして案件の処理に当つておることは御承知通りであります。ただいま限界点に達しておるのではないかという仰せがございましたか、外資に関する法律に基きますところの申請は、まだ今後たくさん出て来るであろう。これはわが国の技術水準というものが、相当遅れておるということの結果出て参るのであろうかと存ずるのでありますが、そういう個々の案件につきましては、その案件の経済的な効果を十分外資審議会においても審議してもらいました上で、政府としての措置をきめているわけでありまして、いろいろ案件によりましてはむずかしい問題もあるわけでありますけれども、私ども考え方といたしましては、この外資導入の問題がすでに限界点に達した、かよう考え方はいかがなものであろうかと考えておるわけであります。  それから外資の導入につきまして大蔵省限りで処理をするような、何か考え方を持つておるかというお尋ねの点でございますが、通常外資の導入と言われます場合に、大きく申し上げまして、入つて参ります法律上の基礎といたしまして、私どもは二つぐらいにわけることができるだろうと思うのであります。第一は、いわゆる外資法の認可を受けまする外資の導入でありまして、この外資法の認可を受けます基準は、先ほど来申し上げておりますように、国際収支の改善なりあるいは重要産業の技術水準の向上ということが、非常に重要な要素であることは御承知通りでありますが、この外資法に基きまする政府の認可を受けました場合におきましては、将来日本の外貨の事情がどうなろうとも、認められましたロイヤリティーなり、元本なり、利子なりあるいは配当金の送金の保証が受けられる。つまり外国為替及び外国貿易に関する管理法の認可を受けずして、そういう海外向けの送金が保証されておるというのが、この外資法によります認可の効果であるということも、これまた御承知通りであります。そこで外資が入つて参ります場合におきまして、つまり、たとえば外国人が内地において事業活動をいたしまする場合におきましては、何も外資法によらなければ外資が入つて来て事業をしてはいけない、提携があつてはいけないということではありませんで、外資法の認可を受けました場合におきましては、今申し上げましたような為替管理上の特典が受けられる、かようなわけであります。しからばこそこの外資法によります政府の認可は、相当きびしい条件の上に行われているわけであります。なお、これまた御承知の、たとえば日本とアメリカ合衆国との間の友好通商航海条約におきましては、特定の業種を除きましては——われわれはいわゆる制限業種というのでありますが、これは日本人も外国人も同じ待遇をする、事業上の活動は同一待遇とするということになつているわけでございます。そこで、たとえば外国人が日本で事業をしたい、あるいは日本人と技術提携をしたいという場合におきましては、そういう制限業種に該当しない限りは、自由に、日本人と平等の立場において、日本の国内において事業活動ができるということに、条約上相なつているわけであります。但し、そういう日本において事業活動をいたします場合におきまして、法律上の形といたしましては、今申し上げます外資法の認可を受けたものもありますし、外資法の認可を受けるに至つておらないものもあるわけでございます。そこで、ただいま私どもが研究いたしておりますのは、外資法の認可を受けるに至つておらない種類の外資の導入でありまして、しかもこれが日本の国際収支に非常に役立つという場合におきまして、外国為替及び外国貿易管理法の第二十七条に基くところの主務大臣の認可のやり方について、相当弾力性を持つていいのじやないか。つまり日本の国際収支の改善に寄与するような場合においては、その事業の活動によつて生じた収益、そういうものの海外への送金を比較的幅を持つて考えていいのじやなかろうか。つまり、くどくなりましたが、外資法の認可を受けました場合においては、為替管理法の規定上は、認可はあらためていらないわけであります。しかも日本の外貨事情がどうなろうと、海外の送金ができるわけでありますが、外資法の認可を受けておらない日本における外国人の事業活動についても、それが日本の国際収支の改善に非常に寄与する、日本経済にとつて非常に大きなメリットがある場合においては、為替管理法の運用においての海外送金を、相当機動的に幅を持つて考えてもいいじやなかろうかという考え方をいたしている次第でございまして、私どもといたしましては、この外資法の形態と、為替及び貿易管理法の二つの海外送金を認める形態があり得るのだということであります。さよう考え方をいたしまして、ただいま政府としていろいろ研究いたしているという段階でございます。
  42. 柴田義男

    ○柴田委員 いろいろな御答弁でございますが、要するに今の東条局長の答弁を聞いておりますと、それはアメリカの資本家が言うことであります。日本の国際収支のバランスがどうあろうと、アメリカの大産業資本家は、ただいま局長の答弁のように、たとえば事業活動の自由を保障している日米友好通商航海条約の趣旨に反するのじやないかと言うでありましよう。これは向うの言うことであつて日本政府の役人としては奇怪しごくな答弁だとわれわれは思う。しからば、既存の日本の産業に対しましては、何ら考慮を払わないというお考えでしようか。そういうお考えの上に立てば、そういう議論が成り立ちますが、現在外資法なり為替管理法というものがございます限り、やはり外資法によつて初めて外貨を入れることを厳重に審査をすることは、当然のことであるとわれわれは考えている。それが業者と業者との摩擦があつて、いろいろな論議が闘わされると、そういう議論がうるさいから、外資法によらざる、いわゆる大蔵省官僚が独善的な考え方でこれを許す、こういうことであつたならば、既存の日本の産業というものは、まつたく衰微してしまうことになりはしまいか、こうわれわれは思うのですが、これに対する御見解を承りたいと思う。
  43. 東条猛猪

    ○東条説明員 日本とアメリカ合衆国との間の友好通商航海条約は、国会で御承認になつた条約であります。その条約の中で、特定の業種を除きましては、内外人平等に扱うということは、としてすでに条約で定められておるわけでございます。しからばこれはどこの役人になりましようとも、あるいはどういう事務を担当いたしておりましようとも、この国会でお定めになりました条約の規定にのつとつた取扱いをするのは当然でありまして、その意未におきまして、たとえば米国の事業会社が日本に出て参りましてこの条約の規定に沿いました活動をいたしますことは、これは条約の当然予想したところである、かよう考えます。ただその事業活動に対して、為替管理法上いかなる取扱いをいたすかという事業送金の問題として外資法と為替管理令と両方の法体系があるということを申し上げておるわけでございます。
  44. 春日一幸

    ○春日委員 関連して。東条さんは、たまたまその名前が十年ばかり前の人と同じ名前だから、言われることもはなはだ売国的で遺憾にたえない。あなたは日米通商航海条約一つだけしか、われわれには法律がないというよう意味合いにおいて、そういう独断的な意見を述べておられるが、これはもつてのほかだ。日米通商航海条約というものは一つあることはあるのだが、それを実施する上においては外資法もあり、あるいは外国為替管理令もあり、あるいは外国貿易管理法もある。そういう幾多の法律上の制約の中において、なおかつその外資を導入すべきであるかどうかということわれわれは国会において審議して行かなければならないのである。すなわち日米通商航海条約なるものが特定産業以外のものの機会均等のことを左右しておるからといつてそういうものが来ることを拒むことはできぬというような、そういうばかげた答弁をしてもらつてははなはだ困ると思う。法律は百も千もあつて一つ法律だけにこだわつてつてもらつては困る。あくまでこの外資法というものがある限りにおいては、やはりこれに関連する事柄は、この法律によつて取扱つてもらわなければならぬのである。今あなたの言われるような、さらにまた新聞に発表せられておるような事柄をやるならば、これはストライキにおけるスト破りと同じように、こういう便宜な方法を講ずることによつて外資法そのものも破つて行こうとするカンニングであり、不法手段であつて、まことにもつて売国的なやり方といわなければならぬ。私どもが先般来あなたに主張いたしておるのは、あなた方はもう少しほんとうに日本の産業を自立せしめることのために、いかにいろいろの法律を運営するかというところにウエートを置いてもらわなければならぬ。あなたは国際連合の役員でもなんでもないので、公正に国際問題をさばくというような事柄は関係のないことなんだ。まずあなたはこの外資法なり、あるいは外国為替管理令なり外国貿易管理法なり、そういうよう法律を通じて、いかにして日本の経済自立という方向に持つて行くかということに腰をすえてもらわなければならぬのである。国策を忘れるような事柄を述べておられることでははなはだもつて困ると思う。どうしてもそうやつてやらなければならぬのなら、ひとつ職を賭して日本の産業のために、日本の労働者を守り、日本の産業をあくまで守り貫くことのために、もう少し強い態度を持つてもらいたいと思う。私はこの問題はひとつこの際特に委員長を通じて申し上げておきたいんだが、朝日新聞の十一月十日版によりますと、日銀政策委員会が外資導入政策を批判をしておるということが述べられておる。そうしてその大体の要点は、政府が外資導入に力を入れる余り、経済自立の努力をおろそかにしておるきらいがあるのは遺憾だときびしい批判が行われておる。そうして政府が人気とりの外資受入れに力を入れ過ぎ、かんじんの国内施策がなおざりになつているという現状をついている。こういうようなことが述べられて、しかもこういうことは政府に申し入れるというような公式な態度をとらないで、それぞれ大蔵省代表、経審代表等を通じて、政府にその意思を反映せしめるためにそういう努力を払うということが述べられておるが、私どもはこの外資審議会が一体どういうような見解を本問題に持つておるか、こういうことでひとつ参考人として本委員会にお出向き願つて、ここでこの外資審議会の公正な御意見、さらにはまた日銀政策委員会の本件に関する大体の御見解、こういうようなものをただして、さらにわれわれの判断の資料に供したいと思うのでございますから、ひとつ来るべき十一月二十四日の本委員会には、日銀政策委員会の民間代表、それから外資審議会の民間代表——政府の意見は今までしばしば伺つておりますから、それぞれ民間代表の本委員会御出向を願いまして、こういう問題に対する公正なる御意見を拝聴いたしたいと思いますので、両委員会の民間代表を指名して、本委員会に参考人として御招致願いたいという動議を提出いたします。
  45. 内藤友明

    ○内藤委員長代理 ただいま春日一幸君からの申出の件、了承いたしました。追つて理事会を開いて十分お打合せいたしたいと思います。
  46. 柴田義男

    ○柴田委員 今同僚の春日委員も主張しておりますが、要は私どもはやはり新序の日本産業のことをどうしても考えてみなければならぬという建前から議論を進めておるわけですが、ただいま局長のおつしやるように、この日米通商航海条約だけを中心として、そうしてそれだけをまた一つ目標として、アメリカの資本家から強要され、これに屈服しなければならぬという考え方だけは除いていただきたいと思います。やはり日本の既存産業を擁護する、そうして日本の自立経済を確立しなければならぬというお考え方を為替局長は持つていただきたい。それがまず第一であります。具体的には、たとえば今の日米石綿の問題につきましても、日本の今のセメント業界でも、いろいろな角度から非常に関心を払つている問題であります。これはミシンの問題も同様でありましようが、こういうことでありますと、日本の産業を脅かすことが非常に強い。こういうことで、今の国際収支のバランスがどうなつておるかということはだれしも知つておることですが、決してよい方向に向いていない。こういう実態もひとつよくごらんになつて、外資法によつて厳選の結果、この民間外資の導入ということも考えなければならぬ。単に吉田さんが一枚看板のようにしておりますところの外資の導入あるいは技術の導入ということだけでは、日本の産業は成り立たぬと思います。こういう観点から、もう一度局長のほんとうの意図をお聞かせ願いたいと思います。
  47. 東条猛猪

    ○東条説明員 非常に考え方が一方的で、国のことを考えないとか、いろいろな御批判は承りましたが、私といたしましては、日本の大蔵省の役人であるつもりでおります。なお先ほど来申し上げておりますことは、やはりわれわれといたしましては、条約の解釈も、法律運用も、さような場合には、公正に、しかも非常に現実に立脚した考え方で運用をやつて行くべきものでありまして、かりに一つの行政措置をいたします場合に、それが法律に抵触してもいけませず、また条約に抵触してもいけません。そういうことは役人としてやるべきことではない。かようなことで厳格な法律解釈、法律論を申し上げておりますので、運用の実際にあたりましては、国会の権威ある皆様方のいろいろな御意見は、われわれ行政運営の重要な指針としてよく拝承いたしておるつもりであります。柴田委員のお話は、外資法の運用にあたつてもう少し国内産業の面に重点を置いた考え方ができないかという御趣旨と拝聴いたしましたが、先ほど来申し上げておりますように、外資法の運用にあたりましては、法律の命じております通り、国際収支の改善に寄与するかどうか、重要産業の技術水準の高揚に寄与するかどうかということを基準にして外資法の運用に当るようにと、法律には定められておるわけであります。多少技術の優劣の差異がありまして、国内産業にいろいろの影響を及ぼす場合がありましても、要するに物事はいろいろ利害得失のあることが多かろうと思うのであります。それらの効果あるいは影響というものを彼此勘案いたしまして、法律の命ずる通りに行政運営をするのがわれわれの立場であろう、かよう考えております。
  48. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 関連してお尋ねします。今局長は国会の権威を認めてくれたわけですけれども、春日君が提案された動議によつて二十四日の委員会には外資委員会その他からの委員の方に出ていただいて、われわれがいろいろお尋ねすることになつた。そこでここでぜひお尋ねしておきたいのは、あなたの方では外資法によつて導入しがたい、こうした民間外資というものは、今度為替管理法の運用によつて無理に導入の道を開くという意図があると、われわれはこう考えている。そこで、二十四日以前にそういうことを決定することは、あなたは今国会の権威を認められた・からないと思いますけれども、これはどうですか、その点をはつきりしてもらいたいと思います。
  49. 東条猛猪

    ○東条説明員 多少私の御説明の仕方がまずいのだと思うのでありますが、先ほど来申し上げておりますように、外資法の認可はいらない。そのかわり国内で事業をしたいと言うて来た場合においては、いわばこれは条約の命ずるところに従つて事業——われわれはむしろ実際問題としてはこれを拒否することはむずかしいのじやなかろうか。そこで行われておりますところの事業を、それじや内外人平等な立場において海外送金を認めるか認めないでということが、その場合において非常に大きな問題になつて来るのじやなかろうか。もしその事業が非常に日本の国際収支の改善に寄与しておるということであるならば、たとい外国人の事業でございましても、よつて生じた利益というものの海外送金を認めるということが行政措置としては適当なのではなかろうか、かよう考えておるわけでありまして、二十四日までにそういう事業の進出を押えるというようなことかできるかどうか、こう仰せられましても、ちよつとその点は法律問題としていかがであろうか、かように存ずるわけであります。
  50. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 私これは重大だと思う。今国会でこの問題が取上げられて、ことに日米石綿の問題等を中心にしてこの問題がきわめて真剣に論議されていることはあなた方がよく御承知通りです。また外資委員会でもこれが問題になつていることも御承知通りです。そういうことがありながらも、どうしても外資導入をはかろうとし、またはからなければならないような条件というものも、あなた方が背負つてしまつているのではないかということをわれわれは憂えておる。そういうことから、今までのこの論議をさらに明確化するために二十四日には委員等にも出ていただいてこの問題をもつとわれわれが慎重に論議したい、かよう考えておる。ところがあなたの方では、外資法、今度は為替管理法の運用によつて道を開いてしまおう、こういうふうな考え方があることは、私どもは看取しておる。だから二十四日のこの委員会のあるまでは、これはあなたの方ではそういう措置はとらないで済ましておけるかどうか。あなたはその点において先ほど国会の権威を非常に認めておる。国会は、この委員会はこの問題について今まで非常に熱心に、真剣に論議しているのだ、その論議していることを知りながら、この為替管理法の解釈によつて導入の道を開いてしまうということは、なさらないだろうということを私は信ずるけれども、念のためにお聞きしたい。
  51. 東条猛猪

    ○東条説明員 少し私の申し上げ方が悪いのかもしれませんが、今現に外国の人で相当国内で仕事をしている人があるわけです。もしその事業が日本の国際収支の改善に寄与しておるという事実があるならば、現に為替管理の仕事は毎日々々利益金の送金なり利潤の送金の仕事をいたしておるわけでありますから、私は日本の経済に役立つておるというものをさしとめねばならぬというまでの仰せはなかろうと思います。問題のミシンの問題、日米石綿の問題について仰せになつておると思いますが、それは外資法上の認可を受けたいということで現に申請が来ており、それを外資審議会として審議しておる問題でありまして、まだその申請はそのまま外資審議会の審議の途中でありますから、それを今この二つの案件をお前為替管理法でやるのかというお尋ねであるならば、まだその申請も出ておりませんということを申し上げたら正確だろうと思います。
  52. 井上良二

    井上委員 問題が大分こんがらがつて質疑がされておるのですが、問題は、この委員会でかつて取上げました日米石綿問題に関して、政府が一体どういう処理をするか、それに対して委員会としてはこの案件は外資を導入しなくても、国内において技術的その他の面から考えてもやつて行けるという自信があるしするから、国内産業を保護しまた技術を高めて行く上からもその必要はないと思う。また国際収支の改善にさほど大きく役立つとは考えられないという意見が本委員会中心の意見です。これは通産委員会でも一緒だろうと思う。ところがその外資委員会における審議が遅々として進まないと言いますか、そういう議論があるために進まないということからいたしまして、外資委員会が進まなければ別に何とか外資を入れる方法はないかということで、いろいろ検討された結果、大蔵省の方でそんなに外資委員会がむずかしいなら、そんなむずかしい法律によつて審議をすることよりも、為替管理法によつて運用の道が開かれるじやないか、こういうところへこの問題を切りかえようとしてしておるじやないかということがとかくいわれておるわけです。そういう臆測が伝わつておるわけです。そこでそれはけしからんことじやないか、外資委員会で結論も出ない、かつ技術的にもまだはつきり結論の出てないものを、それはそれでほうつて、他の道を開くということはもつてのほかじやないかというのが、今の質問の重点です。だからあなたの方としては、今お話ようにこの日米石綿会社の問題は、外資法の関係審議しておる案件であつて、まだ結論はついてない、従つて結論がつかぬ以上は、当局としてはどうするわけにも行かないということが一つと、従つてそれがつかぬ限りは一応他の方途を考えるということも、こんなことはまだ取上げる問題じやないと思う。また今お話ような為替管理法によつて抜け道を考えるというようなことは全然考えてない、こういうことでしよう、はつきり言えば。そういうことをはつきり言うていただけば今のここの質問はそれで終りです。
  53. 東条猛猪

    ○東条説明員 現在は外資法に基きます申請が出ておりますから、しかもそれが外資審議会でまだ審議中でありまして審議会として結論が出ておりませんから、両方の案件とも政府といたしましても省としても処分決定には至らぬという段階でございます。     —————————————
  54. 内藤友明

    ○内藤委員長代理 この際参考人招致の件についてお諮りいたします。次会の当委員会において金融に関する調査のうち、特に中小企業金融対策並びに外資政策について参考人を招致し、意見を聴取したいと存じますが、これに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 内藤友明

    ○内藤委員長代理 御異議なしと認めます。よつてように決しました。  なお参考人の選定等については委員長に御一任願いたいと存じますが、大体中小企業金融対策につきましては銀行協会、地方銀行協会、相互銀行協会及び全国信用金庫連合会、また外資政策につきましては外資審議会及び日銀政策委員会より責任者を招致することといたしたいと思つております。御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 内藤友明

    ○内藤委員長代理 御異議なしと認めます。よつてよう委員長に御一任願うことに決しました。  この際次回の委員会開会の日時についてお諮りいたしますが、次回の委員会は、来る二十四日及び二十五日それぞれ午前十時より開会することにいたしたいと存じます。御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 内藤友明

    ○内藤委員長代理 御異議なしと認めます。よつてように決定いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十一分散会