○東条
説明員 最近外資の導入に関して、まず限界点に達しておるのではないか、こういう御所見が第一と承
つたわけでありますが、外資に関する
法律に定めております
ように、私
どもは国際収支の改善に寄与いたしましたり、あるいは重要な産業の技術水準の向上に寄与するという、
経済的な効果を収めますところの技術なりあるいは資本の提携の申出がありました場合におきましては、それぞれ個々の案件につきまして、外資
審議会の議を経まして案件の処理に当
つておることは御
承知の
通りであります。ただいま限界点に達しておるのではないかという仰せがございましたか、外資に関する
法律に基きますところの申請は、まだ今後たくさん出て来るであろう。これはわが国の技術水準というものが、相当遅れておるということの結果出て参るのであろうかと存ずるのでありますが、そういう個々の案件につきましては、その案件の
経済的な効果を十分外資
審議会においても
審議してもらいました上で、
政府としての
措置をきめているわけでありまして、いろいろ案件によりましてはむずかしい問題もあるわけでありますけれ
ども、私
どもの
考え方といたしましては、この外資導入の問題がすでに限界点に達した、か
ような
考え方はいかがなものであろうかと
考えておるわけであります。
それから外資の導入につきまして
大蔵省限りで処理をする
ような、何か
考え方を持
つておるかというお尋ねの点でございますが、通常外資の導入と言われます場合に、大きく申し上げまして、入
つて参ります
法律上の基礎といたしまして、私
どもは二つぐらいにわけることができるだろうと思うのであります。第一は、いわゆる外資法の認可を受けまする外資の導入でありまして、この外資法の認可を受けます基準は、先ほど来申し上げております
ように、国際収支の改善なりあるいは重要産業の技術水準の向上ということが、非常に重要な
要素であることは御
承知の
通りでありますが、この外資法に基きまする
政府の認可を受けました場合におきましては、将来日本の外貨の
事情がどうなろうとも、認められましたロイヤリティーなり、元本なり、利子なりあるいは配当金の送金の保証が受けられる。つまり外国為替及び外国貿易に関する管理法の認可を受けずして、そういう海外向けの送金が保証されておるというのが、この外資法によります認可の効果であるということも、これまた御
承知の
通りであります。そこで外資が入
つて参ります場合におきまして、つまり、たとえば外国人が内地において
事業活動をいたしまする場合におきましては、何も外資法によらなければ外資が入
つて来て
事業をしてはいけない、提携があ
つてはいけないということではありませんで、外資法の認可を受けました場合におきましては、今申し上げました
ような為替管理上の特典が受けられる、か
ようなわけであります。しからばこそこの外資法によります
政府の認可は、相当きびしい条件の上に行われているわけであります。なお、これまた御
承知の、たとえば日本とアメリカ合衆国との間の友好通商航海条約におきましては、特定の業種を除きましては
——われわれはいわゆる制限業種というのでありますが、これは日本人も外国人も同じ待遇をする、
事業上の活動は同一待遇とするということにな
つているわけでございます。そこで、たとえば外国人が日本で
事業をしたい、あるいは日本人と技術提携をしたいという場合におきましては、そういう制限業種に該当しない限りは、自由に、日本人と平等の立場において、日本の国内において
事業活動ができるということに、条約上相な
つているわけであります。但し、そういう日本において
事業活動をいたします場合におきまして、
法律上の形といたしましては、今申し上げます外資法の認可を受けたものもありますし、外資法の認可を受けるに至
つておらないものもあるわけでございます。そこで、ただいま私
どもが研究いたしておりますのは、外資法の認可を受けるに至
つておらない種類の外資の導入でありまして、しかもこれが日本の国際収支に非常に役立つという場合におきまして、外国為替及び外国貿易管理法の第二十七条に基くところの主務大臣の認可のやり方について、相当弾力性を持
つていいのじやないか。つまり日本の国際収支の改善に寄与する
ような場合においては、その
事業の活動によ
つて生じた収益、そういうものの海外への送金を比較的幅を持
つて考えていいのじやなかろうか。つまり、くどくなりましたが、外資法の認可を受けました場合においては、為替管理法の規定上は、認可はあらためていらないわけであります。しかも日本の外貨
事情がどうなろうと、海外の送金ができるわけでありますが、外資法の認可を受けておらない日本における外国人の
事業活動についても、それが日本の国際収支の改善に非常に寄与する、日本
経済にと
つて非常に大きなメリットがある場合においては、為替管理法の
運用においての海外送金を、相当機動的に幅を持
つて考えてもいいじやなかろうかという
考え方をいたしている次第でございまして、私
どもといたしましては、この外資法の形態と、為替及び貿易管理法の二つの海外送金を認める形態があり得るのだということであります。さ
ような
考え方をいたしまして、ただいま
政府としていろいろ研究いたしているという段階でございます。