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1954-10-27 第19回国会 衆議院 大蔵委員会 第77号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年十月二十七日(水曜日)     午前十時五十三分開議  出席委員    委員長代理 理事 有田 二郎君    理事 久保田鶴松君 理事 内藤 友明君    理事 井上 良二君 理事 山本 勝市君       大上  司君    大平 正芳君       苫米地英俊君    宮原幸三郎君       福田 繁芳君    小川 豊明君       柴田 義男君    春日 一幸君       平岡忠次郎君  出席国務大臣        大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君  委員外出席者         大蔵事務官         (理財局長)  阪田 泰二君         大蔵事務官         (銀行局長)  河野 通一君         国税庁長官   平田敬一郎君         食糧庁長官   前谷 重夫君         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 十月二十七日  委員本名武君辞任につき、その補欠として古井  喜實君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  税制に関する件  金融に関する件  国有財産管理状況に関する件     —————————————
  2. 有田二郎

    有田(二)委員長代理 これより会議を開きます。  委員長におさしつかえがありますので、しばらく私が委員長の職務を代行いたします。  税制に関する件、金融に関する件、国有財産管理状況に関する件の三件を一括議題として審査を行います。質疑の通告がありますので順次これを許します。内藤友明君。
  3. 内藤友明

    内藤委員 これは前谷さんにお尋ねするのか、あるいは国税庁平田さんにお尋ねするのかわかりませんが、もうそろそろ新しい酒づくりの時期になつて来たのでありますがこれに対しましての手当の問題であります。昨年少しごたごたいたしまして、当初農林省は六十万石程度でやつておられたのが、いろいろの問題がありまして、遂に八十二万石になり、かれこれいたしておりましたときに、多少時期が失したかの感も実はあつたのであります。そこでことしはこういう問題につきまして、事前によくいたしておきませんといかないと思いますので、このことにつきましてどういう御計画がただいま立つておるのか、まずそれからお尋ねいたしたいと思います。
  4. 前谷重夫

    前谷説明員 酒米につきましては、ただいまお話がありますように、昨年度におきましては内地米を七十四万石、それからカリフォルニア米を八万石で、合計八十二万石を酒米の用に供したのであります。本年度におきましては、先般国内の酒米につきまして各府県との間に話合いをいたしたのであります。目下それ以上の集荷がどの程度になるかということについては、まだ見通しが立たないのでございますが、これにつきましては三十米穀年度における需給計画を立てまして、最終的に決定をいたしたい。これはその後の供出状況外米輸入計画等も未確定でございますので、最終的に計画は決定いたしておりませんが、さしあたり国税庁からの御要求もございまして、二十万石を手配いたしたわけでございまして、最終的にはできる限り早く需給計画の策定と同時に、国税庁とお話合いをいたしたいと考えておるわけでございます。私どもといたしましては、昨年度におきましても内地米と同時にある程度外米を使つていただきましたので、もしできれば外米の面も考えていただきいたということを国税庁にお願いいたしておるという段階になつておるわけでございます。
  5. 内藤友明

    内藤委員 そこで平田さんにお尋ねいたしたいと思いますが、二十七年度はたしか九十四万石であつたと思います。昨年は当初六十万石が最後に八十二万石になりました。しかし今日非常に酒不足になつている状況から考えますと、今年度はどうしても二十七年度以上のものが確保されなければ、三十年度の需給がうまく行かないのではないかと思います。そこで今年は、食糧庁に対して要求なさるのはどのくらいでありますか。また来年の今ごろになつて酒が非常に足らないということになつてもいかがかと思うのでありまして、そこらあたりのことを国税庁ではどう考えておるか、そこをひとつお漏らしいただきたいと思います。
  6. 平田敬一郎

    平田説明員 酒の需給に対する考え方でございますが、大体今内藤さんがお述べになりましたような気持と申しますか、考え方で私どもも対処いたしております。昨年は食糧庁も相当考えられたことと思いますが、凶作のために十万石ほど減りました関係からして、今年は二級清酒はことに不足いたしてまります。昨年は相当無理をして一昨年よりもちよつと少いくらいでやつたのでありますが、非常に今不足いたしておりまして、今までの庫出し状況についても、相当計画的に出荷を規制いたしております。それにしても今の状況で行きますと、年末から一月ごろにかけて不足になるという情勢であります。それで本年としては少し早づくりをするということを考えております。これにつきましては、今食糧庁長官からお話通り食糧庁と、どれくらい割当になるかということについて私どもいろいろ内々には相談しておるのでございますが、今長官からもお話がありましたように、全体の需給計画などとの関係もございますので、まだ確定的なものとして話合いをつける時期に至つておりません。私ども希望といたしましては、一昨年よりももう少し多い数量を期待いたしておるわけでございますが、できますれば食糧事情その他全体の事情等をよく御考慮を願いまして、二級、清酒につきましてもぜひ不足することがないようにいたしたいと思つて、いろいろ話合いをいたしているところでございます。  これにつけ足しに申し上げますが、清酒の方は最近農村方面需要も相当ふえて来ております。これは一方において密造が減つているという非常にいい事実があるようでございますので、ぜひひとつ私ども正規の酒の供給増加をはかりまして、密造酒を減らす、これはやはり今後一層推進をはかりまして、それによつて——社会問題としてもおもしろくない、国家財政から申しましても非常によろしくない、また食糧制度の問題からいたしましてもおかしいのじやないかと思われますので、少しでもいい方向に行きますように努めたい、このように考えておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
  7. 内藤友明

    内藤委員 一昨年は九十四万石であつたのでありますが、今年はそれ以上、と申しますのは百万石内外になるかと思うのでありますが、実はこの税収入超過供出奨励金とか、いろんなそういう方面のものをカバーしたいというのがわれわれの希望なんであります。いずれいろんな奨励金免税も、これはまたやらなければならぬのでありまして、ことに基本米価へ繰入れられました八百円も、当然これは免税の対象になるべきはずのものであるので、これは今作業いたしておりますが、そういう財源をこういうところで求めたいというのが実は私どもの腹なんであります。でありますから、前谷さんの方でも、平田さんの方から百十万石、百二十万石と要求がありましたら、ひとつ遠慮なしにそこの方へおまわしいただいておきまして、そして農村の方一またいろいろ何するということを実はやりたいと思うのであります。そこで今年は平田さん、百十万石くらいまで行くおつもりなんでありますか。そこらあたり、今からそれをはつきりしておきませんと、前谷さんの方も御都合が悪いと思うのでありますが、その点をひとつお漏らしいただきたいと思うのです。
  8. 平田敬一郎

    平田説明員 実は私どもも若干の希望意見は言つているのでございますが、今の段階では、何しろまだ食糧庁需給計画が固まつておりませんので、確定的なものとして申し上げるものは少し時期が早いのじやなかろうかという趣旨でざごいます。内藤先生お話のような趣旨は、まことにけつこうなことじやないかと思つておりますが、まだ確定的には、ぜひこうしてもらいたいというところまでは話合い行つておりません。しかし大よそのところにつきましては、いろいろ話し合つておりますが、具体的なことはもう少し先になつてから申し上げた方がよろしかろうと存じます。今お話のような御趣旨は、私どもまつたく賛成と申しますか、非常にけつこうなことで、ぜひそういうふやすという方向に行きますようにお願いいたしたいと思う次第でございます。今の段階では、その程度で御了承いただきたいと思います。
  9. 前谷重夫

    前谷説明員 最近の供出事情を少し申し上げたいと思いますが、十月十五日現在でございますと、予定いたしました数量よりも十万石程度まだ予定の計画に満たない状態でございます。地域的に申し上げますと、北陸方面は昨年度よりも、また一昨年よりも非常に順調でございます。同時にまた関東も、作柄の状況を反映いたしまして順調であります。東北北陸及び関西方面は、やはりまだ作遅れ関係もあろうかと思いますが、順調ではないわけであります。特に北海道は御承知のような状態でありますし、東北方面におきましても、山形を除きまして、この早場供出期間におきましても、まだ昨年度よりも減収しておるというような供出状況でありますので、私どもといたしましても早場供出状況等を勘案いたしまして、そうして三十米穀年度需給計画を立てたい、かように考えておりますので、もうしばらくそういう点を検討した上でわれわれとしても十分考えたい、かように考えております。
  10. 内藤友明

    内藤委員 それからもう一つお尋ねしたいのは黄変米でありますが、あれを酒米にまわすという話を聞くのでありますが、そういうことについて国税庁ですか、食糧庁ですか、何かお考えになつておられるのかどうか。ひとつその点をお聞かせいただきたいと思います。
  11. 前谷重夫

    前谷説明員 黄変米につきましては、先般も衆議院、参議院におきましていろいろ御決議がございましたし、われわれといたしましても慎重を期しまして、現在問題となつておりますものにつきまてしは、全然配給面において手を触れておりません。ただ従来問題になりましたように、純粋の米に菌を培養いたしまして純粋の黄変米をつくりまして、それで試験いたしました場合と、現実にございます米との間におきましては、その毒性なりいろいろな点につきまして非常に差異があるということは言われておるわけでございますが、それがどの程度差異があるかということにつきましては、まだ学者間に研究が十分でありませんので、九月二十日ごろから、現在在庫いたしております品物につきまして、厚生省の七試験所におきまして検討を開始しておりまして、最近中間の御報告があつたようでございますが、その場合におきましても、まだ動物実験によります異常は全然出ていないようでありますが、慎重を期するため、さらにもう少し時間をほしいというわけでございますので、その試験の結果を待つておるわけであります。従いましてこれをどういう用途に配給するかということにつきましては、その試験の結果を見まして、用途配分厚生省とも研究いたしたい、かように考えておりまして、まだどの用途に向けるかということにつきましては決定いたしておりません。
  12. 井上良二

    井上委員 ただいまの酒米供出に関連しまして二、三お尋ねしておきたいのですが、今国税庁長官の話を聞いておりますと、二級酒が非常に品不足になつておるというのは、どういうことからそういうことになつておるのですか。全体がデフレの傾向になつて特級酒一級酒売れ行きが悪いということからですか。それとも特級酒一級酒は値がいいので、その方をよけいつくつたために二級酒の供給が少かつたということから来るのですか。どういうことからそういうことになつたのですか。   〔有田(二)委員長代理退席内藤委員長代理着席
  13. 平田敬一郎

    平田説明員 御承知通り、大体昨年つくりました清酒の総数量がたしか二百三十九万石くらいだと思いますが、そのうち約八割強は二級酒なのでありまして、清酒といえば実際はほとんど二級酒が大部分でございます。従いまして現在のところ、特級の方は若干売れ行きが鈍つておるということはございますが、特級酒は七、八万石程度でございまして、ごくわずかであります。一級酒はちよつと中間でありますが、これは相当な売れ行きを示しております。結局大づかみを申しますと、現在全体として清酒が足らなくなつておるということは、ほぼ二級酒が不足しておるということと同じだと思いますが、そういう情勢であります。実は原料が昨年度は減りましたので、三倍強にふやしまして、量はなるべく同じにしようと一昨年よりちよつと少いくらいの量をつくつたのでありますが、それにもかかわらず少いという状況であります。その状況を調べてみますと、やはり農村方面需要が相当ふえておる。と申しますのは、たとえば国税局単位別需給状況を見ておるのでありますが、四国、東北、東海、九洲という方面が、むしろ需要がほかの地区よりもより以上、昨年同月に比べて毎月ふえておる、こういう情勢でありまして、農村方面需要が少しふえておる。これはやはり相当密造酒正規の酒にかわつて来ておるということではないかと思うのです。それから全体といたしまして、やはり国民消費全体はぜいたくな消費が大分落ちて来ておりますが、清酒二級酒みたいなものは消費が落ちていない、むしろ若干増加傾向を最近までは少くともたどつて来た。そういう点が、需給を見る上において重要なフアクターじやないかと思つております。その結果少し押えぎみでございますが、八月末の現在におきまして、本年は前年に比べまして、清酒の二級酒はやはり一割三、四分程度毎月ふえております。そういうことになつておりまして、従いまして、この調子で行きますと、年末から正月にかけては非常に品がすれになる。従いまして、早づくりして出そう、こういうことでございます。従いまして、本年としましては、ことしつくつた分不足をある程度カバーしてもらうのと、来年の清酒需給情勢を見まして、適当な量を供給する、この二つの問題があるようでありまして、原料面につきましても、そういつた事情考慮に入れて、酒類需給も考えながら食糧事情とあわせて判断してもらいたいということを、食糧庁といろいろ話し合つておるわけであります。
  14. 井上良二

    井上委員 二級酒が非常にそういうふうに需要が多くなつて来ておるということに関連して、さつまいも等によつてつくつております合成酒が、最近非常に化学的に進歩して参りまして、ほとんど米によつてつくつたものと見わけがつかないというくらいよいのがどんどん出ておるという話をわれわれ聞いておりますし、また飲みわけても、実際はそんなに差別をつけることができ得ないほど非常にいいのができているということですが、そういうものの醸造の実態はどういうようになつていますか。それをもう少し力を入れて、米をつぶすよりも、いもによつてかえて行くというように持つて行つた方が、国の食糧事情から考えてよいのでないかと考えられるのですが、そういうものはどうなつておるのですか。
  15. 平田敬一郎

    平田説明員 合成酒としようちゆうは、大部分かんしよが原料でできておりますので、食糧事情という点から行きましても一番いいので、私どもやはり、合成酒の増産及び合成酒普及消化ということにつきましては、実はできるだけ努めて参つておるわけでございまして、合成酒のことしの三月から九月までの実績は、前年の同月に比べまして一三%くらいやはりふえて来ております。ふえておりますが、今後私どもやはり合成酒の質も上げるとともに、PR等もやりまして、できるだけ合成酒普及をはかりたいと思つておりますが、どうも今までのところ、戦時中から戦後にかけての品質がまだ相当たたつている面がありまして、農村方面、また都会方面でも、まだ消費者が、合成酒ということになりますと、なかなかどうもすぐ理解されていない、こういう点が、率直に申し上げましてあるようでございます。これは大いに宣伝、広報等もやりまして、そういうことをなくするように努めて行きたいと思つておりますけれども、ことに、いなかに行きますと、どうもやはり合成酒ということになりますと、少し清酒の方をまだ好むというのが多いのが実情でございます。これはだんだん直つて来ると思いますけれども、今すぐそういう事実を無視してやるわけにも行きませんので、おいおいはそういうことも考えまして、いも原料とする清酒増加ということにも努力をして参りたいと考えておる次第でございます。
  16. 有田二郎

    有田(二)委員 国税庁長官に、その件についてお願いをしたいと思います。三級酒というのをつくつて行く御意思はないか。今井上さんが言われた合成酒と二級酒をちようど合せたくらいの、米も入れ、いもからもとつて——すでに二級酒にしてもアルコールが入り、特級酒アルコールが入つておるから同じことですが、いわゆる合成酒と二級酒の間を行く、両方合せたような三級酒というものを御勘考になつて、そうしてそれが農村方面で飲まれる。二級酒よりはるかに安いというようなものができますと、どぶろくの量が非常に減つて来るのじやないか。現在どぶろく密造長官減つたと言われる。確かに減つておるでしようけれども、まだまだ米のたくさんできておるところでは、相当どぶろくが多いと思う。このどぶろくが減りますれば、食糧庁長官としても、どぶろくにまわつている米を正式な酒にまわす。酒税がかりに千五百億と言いましたが、その千五百億というものはかえない。しかし、二級酒、三級酒というものの増石をして酒の値下げをさせて、これが農村方面にまわつて行くというようになりましたならば、どぶろくというものも非常に減つて来るのではないか、そうして、どぶろくにまわる米も自然に少くなり、酒も非常に安くなり、同時に主婦連合会の方々も、酒に米がまわることについての御反対がなくなるのではないか、こう考えるのでありますが、国税庁長官とあわせて食糧庁長官の御意見を承りたい。
  17. 平田敬一郎

    平田説明員 どぶろくはできるだけ減るような方向に持つて行く、これはまつたく賛成でございまして、私ども酒類行政の今の一番重要な問題は、実はその点に置いておるわけでございます。つまり、密造をどうして減らすかという問題でございますが、密造の問題の最近の情勢ちよつと申し上げますと、大都市方面集団密造でございますが、これにつきましては、むしろ広報より取締りということ、これは非常にむずかしいのでございますが、そういうことをできるだけやりまして減らすようにする。それから農村方面密造取締りと申しましても、なかなかそれだけでは十分行きませんので、むしろ広報を主にいたしまして、取締りで裏づけてやつて行くということで実はいろいろ努めておるわけでございます。しかし、大きくは、そういうことよりも、むしろ手ごろの値段でいい酒を供給してやるということが一番大事でございまして、それを忘れたらやはりうまく行かない、そういうことも考えながら効果を上げるようにして参りたいということで、実は努めておるわけでございます。先ほど申しましたように、実は大部分いい方向に向つているから、ここで追討ちをかけて行きますればよほどよくなつて行くのではないかと思います。たとえば一例でございますが、高知県あたりは、戦前の一人当りの清酒消費量が全国で一番多かつたが、戦後は一番びりになつた。調べてみると密造行つている。それが一、二年来正規の酒の需要が、大分ふえて来まして、めきめきと効果が出て来ている。そういうことを見ますと、これは非常に喜ばしいことではないかと私どもは考えておりますが、だんだん全国的にそういうふうになつて行くようにいたしたいと考えております。  なお、最初にお尋ね合成酒名前の問題でございますが、そういう意見も実は部内にも、部内といいますか、業界にもあるわけでございますが、今まで酒類は、りくつと、長い間のしきたりと申しますか、なかなかそういうものがございまして、やはり清酒という名前は、米を使つたものという日本の古来の一種の伝統を背負つておるわけでございまして、そこにも一種の理外の理があることも否定できないと思うのでございます。従いまして、すぐ合成酒という名前をなくしてしまつて三級清酒にしてしまつた方がいいかどうか、この辺は、私どもとしましても、やはり将来の問題も考えまして慎重に検討いたしたい。それも一つ考え方ではあると思いますが、結論を出すにつきましては、よく諸般の事情を考えた上で結論を出したいと考えておる次第でごいます。
  18. 前谷重夫

    前谷説明員 食糧、の面からいたしますると、ただいま有田委員お話のように、密造酒の問題が食糧供出にも影響があることはお話通りでありまして、従来地域的に特定されておりました密造酒が全国的に非常に範囲が拡大した、これが供出面にも非常に影響があるということはわれわれも常々考えておるところでございます。従いまして、これが減少することによりまして供出面に好影響があるということをわれわれも期待いたしおりますし、また、国税庁お話によりますと、だんだんその傾向が出つつあるということが考えられるわけでございますが、ただわれわれといたしましては、そういう供出増加するという面と、集まつたものをどういうふうに配分するかという面と、二つの面がございますので、その間両面を考えまして十分国税庁とも御相談いたしたいと考えております。
  19. 有田二郎

    有田(二)委員 国税庁長官の三級酒という意味の解釈が、長官ちよつと違うのであります。私の言つておるのは、合成酒はそのまま合成酒で置いておくわけです。そうして今の特級酒、一級、二級をつくつておる酒屋さんに三級をつくらせる。三級というのは進歩した合成酒酒屋さんから買うて、自分の方の米と合せて、特級、一級、二級をつくつておる酒屋さんに三級酒をつくらせる。そして税金の千五百億なら千五百億というものは確保しなければならない線ですから、この線は動かさないで、そういう面で増石をして行つて、三級酒によつて農家が安く酒を手に入れる。今の清酒といいましても、長官清酒は米でつくるとおつしやいますが、特級酒一級酒、二級酒でもいわゆるいもその他からとつたアルコール分が包含されておることは当然なことでありますから、そういう意味合いにおいて、特級、一級、二級をつくつておる清酒業者に進歩した合成酒を配給して、それに米を加えて、いわゆる三級酒と称するものを安価につくつて提供する。これは今までしようちゆうが非常に多かつたのですが、世の中もおちついて参りましたし、しようちゆうというものは非常に健康を害すると私は思いますので、なるべく国民の健康というものもあわせ考えて、しかも千五百億の税額は減らさないで、一般のお百姓さんがどぶろくをつくらないでも、井上委員が言われた通りに非常に進歩した合成酒のつくり方と加えて、米の味が入つて来る三級酒、しかも値段が非常に安いというようなものをひとつ御勘考願いたいと思う。今すぐそれをやれとは言わないのでありますが、ひとつ御研究いただいて、どぶろくの生産を押えると同時に、今食糧庁長官からお話がありましたが、米の増石をそういう面でお願いする。一石三鳥をねらつておるわけでございますから、その点について将来検討して行つていただけるか、長官の御所見を伺いたい。
  20. 平田敬一郎

    平田説明員 私、先ほどのお尋ねちよつとはき違えまして恐縮いたしましたが、今のような御意見は、また一つの新しい問題だと思います。二級酒の下にさらに少し低い税率を酒税法でも改めて設けて、今の二級酒よりももう少し合成酒に近い清酒、あるいはそれを新しいものとしてつくるかつくらないかという問題になつて来るかと思いますが、今の二級酒の値段農村方面としましてはやはりまだ少し高過ぎるという問題が確かにあるようであります。従いまして特別に若干、二割くらい引きました特配酒供給しておるようでございますが、そういつたラインのお考え方としましては一つ考え方であると存じます。ただ今の二級酒は、率直に申しまして二級酒にアルコールだけを入れる。三倍増醸というのは、昔は米一升から酒を一升二、三合つくりまして、出るときはせいぜい一升四、五合でありますが、今は同じ米一升で四升近くの清酒をつくつて供給しておるという状態であります。これを三級酒にかえるということは、これまた問題があると思いますが、それよりも少し規格の違つた清酒をつくつて、三級清酒とするかどうか、その点技術的その他におきましてもなおいろいろ問題があると思いますが、御意見として承りまして、検討して行きたいと思います。
  21. 福田繁芳

    ○福田(繁)委員 よい機会でありますから、私は前谷長官ちよつと伺いたいと思います。それはほかでもありませんが、かつていわゆる時代の寵児として国民から注目されておりましたあの人造米が、その後どうなつておるかということが一点。それと聞くところによりますと、人造米の生産奨励のために、当局は相当補助金を出されておる、あるいは資金のいわゆるあつせん融資をされておる、こういうものの資料をわれわれ手元に持つておるのでありますが、これに対して詳細なことをこの際参考に伺つておきたいと思います。
  22. 前谷重夫

    前谷説明員 昨年度におきまして、昨年の凶作に対する一つの方法といたしまして人造米の問題を取上げたわけでございますが、当初からこれにつきましては、われわれとしては政府の配給操作の中に入れるということは全然考えておりませんでした。その当時といたしましては、まず品質のいいものをつくるために検査をしなければならないじやないかということと、同時にその検査をするためには、やはりある程度そのための機具につきまして補助をしなければならないと考えまして、昨年度約三百万円くらいの検査機具の補助をいたしました。これは初年度の検査に要する機具だけについての補助で半額補助をいたしました。そのほかには工場に対する資金あつせんといたしまして、開発銀行あるいは中小企業金融公庫の面から、その所定の金融ベースに乗るものにつきましてはあつせんをいたしておるわけでありますが、中小企業金融公庫の場合におきましては二、三十たかと思いますが、開発銀行の方は一箇所出たか出ないかという状態であります。これは御承知のように従来の他の産業と同じで、食品工業につきましては、全般的に必要なものにつきまして、金融ベースに乗る場合においてはこれを認める形になつておりましたから、一般食品工業と同様に取扱いまして、われわれとしても開発銀行なり、あるいは中小企業金融公庫の方に連絡をいたしております。しかしこれは御承知のように、現在におきましては消費状況があまり進んでおりませんので、まだ十分の効果を上げておらぬと思います。ただ政府から特別の資金を出すということではなくして、それぞれの既定の資金計画の中におきまして、食品工業として取上げられる場合におきましてのみこの問題を取上げるという、一般の例と同様の取扱いをいたしております。なおこれの消費につきましては、検査を厳重にいたしますと同時に特別の、たとえば自衛隊でありますとか、集団的なところで試食をしてもらうというような意味におきましての消費普及をはかつておりますが、何分にもこれは消費者個個の嗜好の問題でございますので、これを強圧的にどうするというわけにも参りませんし、また小麦の消費といたしまして、こういう方法も一つの方法ではございますけれども、これを急激に進めて参るということにはなかなか難点がございます。やはり昔、精麦が二十年の期間を通じまして品質も良化し、また消費も安定したと同じように、人造米につきましても、絶対にだめだということは私は考えておりませんが、これが急激に伸びるには相当の期間を要するのではなかろうかと考えております。
  23. 井上良二

    井上委員 前谷さんに今年の供米の問題で一応伺つておきたいと思うのです。  今年、政府の方では九月十五日の産米の実収予想高をたしか六千四百万石くらいに推定したのではないかと思いますが、これで行きますと、どうしても二千百万石は供出可能なりという一つの方針を立てられまして、知事会議に臨んだのであります。ところが知事会議の結果を見ますと、その二千百万石をはるかに下まわりまして千八百三十万石、全体の収穫高から比較いたしますとわずかに三分の一、二九%くらいしか供出が認められなかつた。数字はこういうことになつておる。一体かような事態になりました原因は何であるか。一つは、米価がいわゆる生産費を償う価格として農民が納得する価格でなかつた、そこに原因があるのか。これは国民消費者大衆から考えますと、今年は少くとも平均内地米で十日分の配給はしてくれるであろう、こういう大きな希望を持つておつたわけです。政府の最初の割当が完徹されますならば、内地米の十日分は消費地において可能な数字になるのであります。ところが千八百万石に、超過供出がかりに予定通りに出るとしまして二千二百万石、これでは十日分の配給は不可能になつて来る。そうしますと、ここで新聞にも問題になつておりますような八日分の配給が予定されることになりはせぬか。そうしますと、あとの七日分は外米によつて補わなければならぬことになる。そうなりますと、また貴重な外貨が消費物資に使われる。国内に米がないなら別だけれども、国内には政府が推定いたしました六千四百万石はあるということになりますならば、農家の自家保有米は収穫高の大体三分の一というのが従来の推定でありますが、そういうことからいたしますと、実際国内に米がありながらこれが配給の上に上つて来ない、そして足らぬ分はこれを輸入に依存する、これでは私は食管としての存立しておる意義というものが国民から非常な批判を受けやしないかということを心配しております。すでに一部には堂々と、かような事態になるならば米の統制は撤廃せよ、そして食管に使つておる莫大な経費はこれを食糧増産なり一般の国民の生活安定なり、または産業の施設拡充に使つた方がいい、こういう意見さえ一方に起つておるのであります。われわれはこれは非常に重大な問題であろうと考えております。さような見地から、一体どういうわけで予定通り供出割当ができなかつたか、そのできない大きな原因はどこにあるか、それはいわゆる低米価にあつたのかということであります。そのことを一応お伺いしたい。なお詳しい質問をしたいのですけれども、大蔵大臣が見えましたからまた他の機会に譲りますが、食管の持つております一番重大な食糧統制の意義が失われようとしておる、このことに対して、あなたは最高責任者としてどうお考えになるか、どういうわけで一体予定通り供出が確保できなかつたか、そのできない原因はどこにあるかということを明らかに願いたい。
  24. 前谷重夫

    前谷説明員 本年度の供出の問題につきましては、これは技術的にもいろいろ問題があるわけでございます。われわれといたしましては、九月十五日の作況を中心にして、ただいま井上委員からお話のございましたように考えたわけでございますが、九月十五日以降において十四号、十五号の台風がに、西の面におきましては、九月十五日の作況におきましては今後の見通しが相当入つて参るわけでございまして、この今後の見通しが順調に進むか、あるいはそれが悪くなるか、こういう今後の作況に対する見通しの問題で、府県側との感覚の違いと申しますか、考え方の違いが非常にあつたわけでございます。同時にまた御承知のように、府県におきましては個々的に個人に対しまして割当をいたします関係上、面積につきましても、土地台帳を利用いたしておつたわけであります。農林省といたしましては、土地台帳を基礎にサンプリングによる全体の面積を出しておる、この面積の違いが相当大きかつた、こういう技術的の問題もあるわけでございますが、そういう技術的な問題に加えまして、本年度の全体的の考え方といたしますと、現実に昨年度におきましては不作の影響がございまして、千四百万石という義務供出なつたわけでございまして、これを実際問題として数倍にする——大体平均いたしますと三割以上の増加になつておるわけでございますが、北海道とか大きな地域が不作でございますので、ある県につきましては倍、三倍というふうな地域もあるわけでございます。昨年度との現実の比較におきまして、末端の割当が非常に困難である、こういう事実もあつたかと思います。われわれといたしましては非常に微力であつて、予定の計画ができなかつたという点につきましては、非常に残念に考えているわけでございますが、ただ先ほども申し上げましたように、九月十五日の作況と今後の見通しというところに非常に違いがあつたということと、面積の点において違いがあつたということの点が非常な食い違いの原因であるわけでございます。米価につきましては、いろいろ御批判があろうかと思いますけれども、われわれといたしましては、現在の段階におきましてはこの米価でもつて御納得願いたい、こういう考え方になつておるわけでございます。  食糧管理全体の問題につきましては、われわれとしてもこれの運用については最善を尽したいということで、努力いたしておる次第でございます。     —————————————
  25. 内藤友明

    内藤委員長代理 この際小笠原大臣の出席を得ましたので、これから主として東京証券取引所の争議の問題についてただすことといたします。質疑は通告順にこれを許したいと思います。井上良二君。
  26. 井上良二

    井上委員 大蔵大臣はさきに外遊をされまして、国際通貨基金総会に出席をされてお帰りになりましたから、本委員会としても、この通貨基金の総会がわが国の財政経済の上に及ぼす影響もきわめて大きい問題があろうかと考えて、大臣の出席を要求して、これらの問題をめぐります諸般の計画も承りたいと考えておりましたが、いろいろな問題で出席が今日まで遅れておりますことを私ども非常に遺憾に思います。この問題につきましては、いずれ後ほど御報告を伺い、その報告に基いていろいろ質問をいたしたいと考えておる点がございますが、ただいま委員長の方から言われました当面わが国の産業経済界に非常な影響をもたらそうといたしまする東京証券取引所の争議の対策についてであります。  御存じの通り証券取引所の従業員の問題につきましては、すでにそのケースとして大阪の証券取引所、あるいは名古屋の証券取引所、または神戸の証券取引所、これらいずれの証券取引所におきましても、この取引所における労働条件の改善に関しまして、すでにたびたび多くの問題を提供し、かつ長期にわたつて争議が行われまして、相当この関係者に対してそれぞれの教訓を与えており、また政府当局も証券取引所の持つ任務、またその及ぼす影響等を考慮されて、これらに対して十分な指導、監督の処置をとるべき余地を与えておるのであろうと私は思います。しかるに東京証券取引所が、大阪、名古屋、神戸等における争議のあとを受けて、すでに取引所当局に対して労働条件の改善に必要なる要求をいたして、団体交渉を進めて来たにかかわらず、一向これに対して当局側が誠意ある態度を示さないために、遂に昨日不測の争議事態に導きまして、非常な混乱事態に陥つておるのであります。幸い事態は一時休止の事態になりましたけれども、依然争議は再びもえ上る形勢を持つているのであります。さような事態に当面して、大蔵当局は、証券取引所の持つ公共的な任務から、この争議を未然に防止する処置について、一体いかなる態度を今までおとりになつて来たか。また大蔵大臣としては、かようにわが国の産業経済に及ぼす大きな影響を持つ争議の事態に対して、一体いかなる処置をもつてこれの解決にあたろうとするか。争議自体の内容については当事者同士にまかすとしても、かような不測の、取引行為が行われない事態になるということが予想される今日の事態に対して、政府としてはすみやかなる対策を講じて、一般の不安を打開するの政治的処置を講ずべきではないかと私は考えますが、大蔵大臣の所見を伺いたいと思います。
  27. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 東京における証券取引所のスト問題に、まことに私ども遺憾に存じておるのであります。但しストそのものに対する関係は、これは労働大臣の関係でありまするから、他の職責に入つての答弁は差控えたいと思います。しかしながら大阪、名古屋、神戸等今までありましたものが、仰せになつているようにいろいろな教訓を与えておるのでありまして、その教訓が十分に労使双方に取入れられて、そうして良識ある円満な解決を見ることを、私どもは心から希望しておつたのであります。但し今お話なつたように、こういう経済界に大きな関係のあるものについて、大蔵省としてはどういうことをしておるのであろうかというお話でありまするが、これは御承知のごとくに、私どもが何ら法的根拠を持たずして、行政指導をかれこれするということは、行過ぎの場合は、一方から言えば非常な非難を受けることになることも当然であります。従いまして私どもとしては、できるだけさようなことのないように、関係者にはいろいろ話をしておりましたけれども、しかし勢いああいうことになつてつたので、この点まことに遺憾に思います。特にこれは率直に申せば、都労委等にかけられておるのに、その都労委の裁定をまたずに、一方でかけてそれに応じつつ、すぐにまたストに入つてまつたというような事柄等については、まことに遺憾の点が多いと思うのでありまして、私どもはこういう経済問題については、双方譲るべきところはすべて譲つて、たとえばよく言われておるように、昔の封建性のものが残つているなら直さなければならぬことは当然であるが、さればといつて、今の実情に耐え得ないような大きい要求を出しても、それがまたおそらく自分の身にはね返つて来るというような問題にもなるのだから、私はこれがきわめて常識のある解決のもとに、円満に納まることを希望している。何らの法的根拠を持たずに私どもが進んでどうこうということはいたしませんけれども、できるだけそういうことのないようには関係者に話しているのでありまして、これらの大阪、神戸、名古屋等における教訓を生かすように話をして来たことは、十分話をしたのでありますから、まあその意味からいつて、自分たちが何らの法的根拠を持たずにどうこうということはいかぬので、その点多少よそから見て遺憾な点があつたことは、私どもこれを心から遺憾といたしている次第であります。
  28. 井上良二

    井上委員 大臣は率直に今日の事態に至つたことについて遺憾の意を表されておりますし、なお今後これをどうするかということについては、労働大臣の所管であるから、大蔵当局としてはこれにタツチすることはできないというような御発言のように承つたのでありまするが、第一私が特にここでこの問題を取上げておりますのは、労使の紛争という問題について、所管外のこの委員会でわれわれとやかく言うのではありませんが、取引所が閉鎖されることに上つて及ぼす一般経済界への不安と動揺であります。取引所を閉鎖さすに至つた理由は労使の紛争にあるにしても、取引所を閉鎖することによつて一般に与える大きな影響というものをわれわれはどう打開するか、この問題は私は重大であると思います。そこで大蔵当局としては、労使の紛争はかりに所管が労働省の所管であるにしても、そのことから取引所の営業が一時閉鎖する危機に当面するということが予想されます場合は、わが国の産業経済に及ぼす影響の大きいこの問題に対して、積極的に、たとえば取引所の構成の上に何か行き届かぬところがありはせぬか、またその代表される人々の考え方なり、またはものの見方の面の上において非常なあやまちがあるのではないか、そういう取引所の理事者側の運営の上、機構の上に非常な欠陥がありはせぬかということであります。といいますのは、すでに今お話になりましたように、大阪においても名古屋においても、あるいは神戸においても紛争がございまして、相当長期にわたつて取引所が閉鎖されたのです。この生きた経験を大蔵当局もよく御存じであろうと思う。一体どういうわけで名古屋や大阪や神戸がそういう事態を起したのか。これはやはり取引所のどつかに大きな欠陥があるということから、当然その爾余の取引所に対してもさようなことが予測されます以上は、進んで大蔵当局が取引所を正常に運営さして行くという見地から、未然にそういうことに対しての指導監督を私はやるべきじやなかつた。その場合におれの方はこういう注意を与えたけれども、たとえば理事者側はそういうことでやろうとしたが、労働者側がそれに応じなかつた。いわゆる従業員側がそれに応じなかつたということかというのであります。つまり大蔵当局としては、東京証券取引所の理事者側に対してすでに従業員側から要求されて、紛争の一つの要因がそこに起つて来ておりますが、これに対して、そういうことで行けば再びまた争議行為になる危険があるが、そうなればたいへんな事態になるからということで、あらかじめ注意も与え、またこの問題の解決に対して、機構の上にどこか間違いがありはせぬか、行き過ぎがありはせぬかということについて予測し、必要なる指導改善の措置を当然とるべきじやなかつたかそういう手ぬかりは全然ないとお考えになつておりますか、それを伺いたい。
  29. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 争議の問題については、先ほどあなたも言われた通り、これは大蔵省が直接関知するところでないから、これに対しては私ども何ら手ぬかりはないと考えております。但しこういうことが起つて、今の証券の取引その他に支障を来すということになりますることは、まことにこれは経済界のために困ることでございまするので、こういったことについては、有価証券の取引の公正及びその流通の円滑を期するために円満なる解決を期するようにせられたいということを、特に向うに注意を促し、やむを得ぬ場合には市場立会い等の業務を遂行して、少くとも証券取引所の機能を最小限度維持するようにということを理事者に注文しておるのであります。従いまして、双方の間がやむを得ずああいうようなことにたまたまなりましたことははなはだ遺憾でありますが、どうもこれだけの注意をしつつこういうことになつた点については、これは力が及ばなかつたということを申し上げるよりほかしかたがないと思います。
  30. 井上良二

    井上委員 この問題は、今お話になりましたように、労使の間において問題の解決に努力することに調停委員の人々があつせんをされることになつておりますが、万が一事態が悪化して再び争議行為に入るという事態が起つた場合、一体大蔵当局としてはやむを得ないとこれを見のがして行きますか、それともあくまで証券の取引行為は実施せよという強行方針で臨みますか。その場合証券の取引は特に東京は全国の相場のセンターになつておりますから、これは一日も休むわけには行きますまい。そうなつて来ますと、当然強行取引を行わす措置を講ずるでありましよう。その場合争議団と同取引所側との間において不測の事態が発生することを予想しなければなりません。昨日もわずか六百人ぐらいの争議団員に対して、千人に近い警官を動員して、取引所の明渡しを強行しておるようなことになつておりますので、もしこれに応援の者がかりに加わつて参りまするならば、それは兜町はたいへんな混乱に陥ることになりましよう。そういうことに事態が悪化して行くことが予想される今日、いかに正常にして冷静な取引の行えるような措置を講じるかということが、大蔵当局としては考えなければならぬことでありますが、その正常な公正な取引を行わさす方法いかん。このことは争議に関係なしに、日本の証券取引の公正を期するために当然政府がやらなければならぬことでありますが、いかにしてこれをやらそうとするか、どういう方法を考えておるか。不測の事態に当面して公正な取引を継続させなければならぬが、その場合いかなる処置を講じようとするか、その具体的な方法をひとつお示しを願いたい。
  31. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 政府としては、争議のことは先ほども申した通り、これは労働大臣の方からお答えいたしましよう。私どもとしては、あくまで法令等に従つて市場立会いの業務を遂行するようにということを申し渡します。その結果日本の法令に基いていろいろなことが起りましたら処置されるでありましよう。
  32. 井上良二

    井上委員 法令に基いて取引所の業務の運営を命令する。もしその取引業務を行う場所が争議団によつて占拠される、これは争議行為の一つとしていろいろ問題はございましよう、問題はございましようが、労働組合の当然の権利として、その職場を守るということから起ります取引所の占拠、いわゆるピケ・ラインというものが張られますが、これを突破しようとするということになりますと、不測の事態がここに起つて来ます。そうなると、実際取引所自体において取引は行われなくなつて来ます。そこで、大阪や名古屋等でやりました有力店舗を中心にする場外取引を一体認める方針でありますか、それとも第二の取引所を予定するつもりでおりますか。これは当然考えられなければならぬことであつて、いわゆる一日も休むことのでき得ない証券取引の正常な運営をやろうとするためには、そういう方法が講ぜられると思いますが、そのいずれをやろうといたすのでありますか。依然として取引所は取引所としてある以上は、そこで営業をやらそうといたすのでありますか。これは具体的に問題が非常に重要でありますから、この機会に明らかにしていただきたいのであります。
  33. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 いかなる場合でも違法なる取引行為はいたさせない所存であります。従いまして、法令等に従つて市場立会い等の業務を遂行させるのは当然であります。但し今お話の組合の立入り禁止の仮処分をきのうあたりやつたようでありますが、法律のこまかいことは、私はここで今あなたと自分の所管でもないことについてかれこれ申し上げられません。行えないときには、日本の法令の許す範囲ですべてのことを処置する、これだけ申し上げるほかはございません。
  34. 井上良二

    井上委員 それからいま一つ大臣にちよつと伺いますが、何か労働争議は労働大臣の所管であつて、他の省の所管の問題に対して大蔵大臣としては介入することは越権だ、こういうような非常に画一的なお考えをされておりますが、いわゆる取引所の取引行為が行われないようになつた原因は、労使の紛争にあるのです。だから、取引所の正常な運営をやらして行こうとするためには、この紛争に対して大蔵当局が全然他人行儀でこれを見ておるのではなしに、積極的にあらゆる方法を講じて争議のすみやかなる終結に協力してやるということは、当然やらなければならぬことであるし、またやつて一向さしつかえがない。これは労働省がやつておるから、大蔵省はよけいなことをしなくてもいいというような考え方ではいかむのではないか。やはり大蔵大臣から理事者当局にも会つて、そうしてできるだけすみやかに争議を解決するように、そのことがやはり争議の中心でございますから、争議解決に対して、取引所の正常な運営をやらせなければならぬ責任にあるあなたといたしましては、やはり正常な運営のできるような措置を講じて行く、その具体化より、やはり争議に対してすみやかに解決をはかる側面的ないろいろな配慮を講じて行くという御考慮を払つても、決してこれは行き過ぎにならぬし、多くの国民から批判を受けることにならぬ。また内閣としては共同責任でございますから、あなたが労働省所管だからこまかい労働条件の交渉にタツチせよとはわれわれは申しませんが、少くとも理事者側の反省なり協力を促して、すみやかに事態を解決することに、大蔵当局の監督的な立場からこれを指導あつせんすることは一向私は行き過ぎではない、こう考えますが、大臣は依然としてこれは労働省所管だから、大蔵省はさようなところに立ち入らぬ、こういう方針でおりますか、その点をもう一点伺います。
  35. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 せつかくのお話でありますが、他人のなわ張りには立ち入らないというのが私の主義であります。
  36. 有田二郎

    有田(二)委員 関連して。今井上委員からお話がありましたが、井上委員のおつしやることは非常に正しいのでございまして、井上委員のおつしやつたようにするためには、証券取引所もそうでありますが、銀行のストライキの問題にしましても、どうしても公共性にかんがみて、これはストライキの制限法を上程しなければ井上委員の御趣旨にそむくような気がするのですが、大蔵大臣としてこういうような銀行のストライキとか、証券ストライキの制限について、将来法律を本国会に上程される御意思があるかどうか、お伺いいたします。
  37. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 この問題につきましても、実は労働省の方で御研究を願つております。
  38. 柴田義男

    ○柴田委員 大蔵大臣にお尋ねいたしますが、今のこの証券取引所の争議の問題は、大阪から始まりまして名古屋、東京と来たわけでございますが、この根本的な問題といたしまして、今のデフレ政策、このデフレ政策に対する政府の一貫した計画ははたしてあるのかどうか、たとえばデフレ政策を強行することによつて中小企業の倒産、解散はもう非常な数に達しておりまするし、また大企業産業に至つても大量解雇をもつてこれに臨んでおる。これが現実の状況であります。こうした場合に、政府がはたして失業対策を持つておるのかどうか、こういう計画もわれわれはまだ政府からはつきりした失業対策に対する御見解を承つたこともございません。こういう無計画なデフレ政策によつてストライキが続出する。これは当然の経済現象であると思うのであります。このストライキに対しましては、労働大臣に責任があるということでは決してないと思います。労働対策というものがあつて、初めて経済的な計画経済があるはずであります。これに対する大蔵大臣といたしまして、今当面東証のストライキが問題になりまするけれども、まず最初にこの経済的なデフレ政策を強行することによる今後の経済的な見通し、あるいは御計画、これを承りだいと思います。
  39. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 私どもはいわゆる経済健全化政策を行うに当つて、多少失業者も出て来るであろうし、中小企業者に対する影響も免れがたいということを感じておりまして、さきに御答弁申し上げましたように、これは数回御答弁申し上げておりまするが、主として中小企業者に対する問題は税の問題と、あるいは資金関係の問題だからこの点について考慮する。また現に今までやつて来てもおります。また失業に対する問題は、失業保険その他いわゆる社会福祉関係の問題であるが、これについてはいずれ労働省の方でそれぞれ所管の立場から予算等の御請求がございましよう。従つてこれに基いて国の財政の許すところで相当程度考慮したい。こういうことを申し上げておるのであります。従いまして、最初から全然こういうことを考慮せずに無計画のもとにやるというお話に対しては、私どもはそれだけの考えのもとにやつておるということを申し上げたいと存じます。
  40. 柴田義男

    ○柴田委員 大蔵大臣の御答弁を承つておりますと、こういう計画で見通しを立てておるのだとおつしやるけれども、現実はそれと逆な状態を表わしております。たとえば物価水準を見ましても、いつかの当委員会における蔵相の御答弁だと、相当諸物価が下つて来ておる、こういうことでありましたけれども、われわれは現実に下つておる——たとえば五%の値下げがある品物によつてはございましようが、それは決して生産コストの引下げによつて行われたものではなくして、破産、倒産続出いたします結果投売りをする。生産を度外視して捨売りをする。こういう結果として下まわつておる物資もございましよう。それから労働科学研究所の調査によりましても、一般国民大衆の生活必需品の物価というものは下つておりません。こういう実態から申しますならば、労働者がやはり食えるだけの賃金がほしいというのは当然の要求であります。これに対しましても、ただ物価が下つておるという観念的なお答えだけでなしに、実態をわれわれは把握しなければならぬ。一兆億予算をもつて、これを越してはならぬから、これで、デフレ政策でやるんだということで、一兆億の予算をはめ込んでおりますけれども、その内容を検討いたしますと、むだな費用をたくさん使つている。再軍備のための費用というものは二千億を越している。そうして実際に生産にまわる費用というものはさらに見るべきものがない。農村政策しかりであります。あるいは社会保証政策しかりである。こういう観点から見ましたならば、九千九百九十五億で押えて、いかに台風があり、いかに大きな被害があつても、それに対する金を出さぬというようなやり方の、いわゆる緊縮政策というものは、無計画な緊縮政策と言わざるを得ない。こういうように一連の予算の状況を見ましても、たとえば財政投融資にいたしましても、中小企業を救う財政投融資はさらに行われていない。やはり大銀行あるいは大産業を擁護するような開発銀行等には何百億も出ているのだが、中小企業金融公庫には二十億そこそこしか出ていない。こういう例をとつてみますと、中小企業が倒産、破産するのはもうあたりまえのような状態である。そういたしますと、その傘下にある労働者というものは失業を免れない。もしも現在この失業がどんどんとこれ以上ふえて参りましたならば、保険料すらも支払いが困難である。現実においてもう政府はほとんどその支払いを完了しておりません。地方財政が赤字々々でいながらも、地方が立てかえ払いをやつて、二箇月も三箇月も政府から金をもらうことを待つているという実態は、計画的な経済をおやりになつているという証左にはならぬと思うのであります。いわゆる今の東証のストライキも、あるいは山梨中央銀行のストライキという問題も、ここから出て来ます。この銀行のストライキ、あるいは東証のストライキにいたしましても、ただ現実に出た現象だけをとらえてストライキをやる労働者はいけない、あるいはまた共産党の指導であるとかいうようなことをただちに宣伝はいたしますけれども、根本を究明せずして、ストライキというその現象だけをとらえて議論することは末梢に過ぎると思うのです。こういう点に対しまして、デフレ政策はわれわれもけつこうだが、ほんとうに本腰を入れたいわゆるデフレ政策をおやりになるためには、その対策として何をお持ちになつているのか、失業対策はどういうことをお考えになつているのか、あるいは失業者に対する保険の支払いに対する予算をどうお考えになつているのか承りたいと思います。
  41. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 柴田さんは物価も一向下つておらぬじやないかと仰せられたが、物価は今年の二月のピーク時に対すると、ホールセール・プライスで九%下つていることは、いずれもみな統計の示すところでありまして、政府の予期以上に下つております。これは本年度内に五分ないし一割下るということを申したのでありまして、それが九分から下つたのでありまして、これがあるいは輸出その他の増加になつておるのであります。たとえば今年の一月から七月をお比べになればよくわかるように、去年の二割八分ほど輸出が増加しておる。さらにまた六月以降ずつと黒字になつて、六月は千百万ドル、七月は千八百万ドル、八月は三千八百万ドル、九月は三千九百万ドルというような国際収支の改善を見ておることは、あなたもよく御承知のはずです。従いまして政府のやつておる政策が着々効果を収めつつあることは、よく御了承願つておることと思うのであります。  しからば今のお話の点でありますが、ことしの予算関係においては、御承知のごとくに失業対策その他のものについて五分だけ余計見てあるが、このことは数回この席でも申し上げましたが、五分ではあるいは実情に基いて足らぬかもしれぬ。昨二十八年度の五分増加と見ておるけれども、これでは足らぬかもしれぬ。さような場合には必要に応じて補正予算を出すこともある、こういうことを申し上げておるくらいでありまして、実情がそういうふうになつて参りますれば、それに基いての予算措置はもちろん講ずる所存であります。
  42. 柴田義男

    ○柴田委員 物価が九%下つておると言われますが、どの物価を蔵相がお考えになつておるのかわからぬですが、たとえばむだなぜいたく品は下つたつて、一向勤労階級の生活にはかわりがございません。われわれ今議論しておりますのは、生活必需品の物価であります。それを見ますと、たとえば労働科学研究所の最低生活物資の基準を見ましても、さらに下つておりません。たとえば家賃も下つておらぬであろうし、電気料もまた上ろうとしておる。ガスも下つておりません。米も下つておりません。砂糖は上つております。タバコもピースは上つておる。酒も一級酒以上、ビールは上つておる。こういう実態を見ました場合には、決して生活費自体が下つたとは言えないのであります。外車は大分下つたという話ですが、そういうものは一切勤労大衆の生活にはかわりないはずです。こういうところから見ますと、諸物価が下つたとは言い得ない。それで実際に生活を基準といたしました諸物価というものは、平均いたしまして下つておりません。これはわれわれの生活自体を考えましても決して楽になりません。こういうところから考えますと、勤労大衆の生活というものは、非常に脅かされておるということはわかるのであります。こういう点で、たとえばデフレ政策を強行なさるためには、やはりしつかりした失業対策もなければならぬでありましようし、あるいはまたデフレ政策を強行なさろうといたしますれば、中小企業に対する対策というようなものははつきりと立てなければならぬと思うが、中小企業対策というものは、いかなる対策をお考えでありましようか。これをまた、中小企業対策は通産大臣の所管だとおつしやるのであれば、これはやむを得ませんが、大蔵大臣として中小企業者に対する対策をひとつ承りたいと思います。
  43. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 直接金融の面だけについて申し上げますと、それぞれ期限の到来しておる分の指定預金を延期したほか、特に大きい問題としては、税制の面で、いわゆる中小企業に対する貸出し高の五分を無税で積み立てる処置をとつたので、これは相当大きな効果を生んで来ることと思うのであります。もつともこのことは国会の御要望に沿つたわけで、そこにおられる春日委員などは相当強く御主張になりましたが、その通り採用して、もうすでに実行しておるのであります。そういう次第で、またそれぞれ資金源の増加等も考えておるので、十分とは申されませんが、しかし金融税制の面で大蔵省が現在のふところぐあいで措置し得べきものは措置しております。
  44. 柴田義男

    ○柴田委員 それでは具体的に東証のストライキの問題を承りたいと思いますが、今の東証のストライキということになりますと、日本の証券市場の大混乱を来す大きな問題である。これは議論の余地はございません。ここに至らしめた監督上の責任は、やはり大蔵省当局が十分負うべきであると思うのですが、このストライキが起きた、こういう問題に対する責任をどのようにお考えでありましようか、承りたいと思います。
  45. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 遺憾とはいたしますが、ストライキについての責任は何ら感じません。
  46. 柴田義男

    ○柴田委員 これはもうあまりに無責任だと思うのですが、単に遺憾だという大蔵大臣のお答えだけでは私どもも承服はできない。少くも日本の証券業の中心である東京の証券取引所のストライキ、これに対しまして、証券業者に対する何かの警告等をお発しになつたのかどうか、具体的に承りたいと思います。
  47. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 労使双方でおやりになることについて、大蔵大臣が何ら責任を持つわけには参りません。このことは繰返して申し上げておきます。なお証券業者等に対しては、先ほども申した通りに、これはできるだけそういうことのないように希望する趣意はしばしば申し述べておるのであります。
  48. 柴田義男

    ○柴田委員 しかし大蔵省は、たとえば銀行等に対しましては、ベース・アツプをやつてはいかぬというような大きな干渉をやつておるではありませんか。これは現実に大蔵省の銀行局長名をもつて通達とか通牒を発して、そうして俸給のストツプを命じたというような例があるのであります。こういう場合に、労使双方でストライキの問題は解決すべきで、大蔵省は知らぬ。一方においては俸給の制限までを大蔵省が指示しておりながら、そういう問題を、ストライキが起きた場合には労使双方の問題で何ら干渉しない、背後からは干渉しながら、何ら干渉しない、そうしたことは御答弁できるでございましようか。
  49. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 何かお間違いだろうと思います。大蔵省が銀行局長名で通知しておるのは、その銀行の経理を強化する意味で、経理面の関係でありまして、労使双方に対するためのものではございません。
  50. 柴田義男

    ○柴田委員 これは銀行局長もお見えになるようでありますが、われわれはその大蔵省通牒と称するものはいかなる法的な根拠であるのか、その点をまた伺いたいと思うのですが、現に各銀行に対するいろいろな経費の節減、たとえば経営経費のうちの人件費は何パーセントで押えろとか、あるいは金利に対してはどういう制限を現実におやりになつておるか、われわれは聞いておるのですが、そういう事実がないものですか。
  51. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 銀行の健全なる発達と、またあなた方は絶えず金利の引下げということを御要求になつておる。従いまして銀行の経理を健全ならしむるために行政上いろいろ指導をすることは、大蔵省の役目なりと私は考えております。
  52. 柴田義男

    ○柴田委員 銀行に対しては、われわれは干渉とすら考えられるこういう制限を大蔵省がやつてつて、証券業者に対しては野放しでいいのでしようか。
  53. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 証券業に対しても絶えず必要なる監督はいたしております。但し今度のごとき労使双方の問題に大蔵省は立ち入るべきでない。その問題に対しては、あなたは責任を負えとおつしやるが、さようなことに対しては責任を負えません。これは繰返して申し上げておきます。
  54. 柴田義男

    ○柴田委員 しかし私どもが伺つておりますのは、大蔵省の干渉にあらざる健全な監督といいましようか、健全な方法での証券業者に対する監督というものは絶対必要だと思う。徹底した干渉はいけませんけれども、やはり健全な経営ができるような監督というものは、大蔵省がいたすべきである。これは昨年から今年にかけまして大きな問題となつたあのインチキ業者に対することは違うと思います。少くも大蔵省が許可を与えて営業せしめておる証券業者に対して、ストライキが起きるような指導ではいけない、ストライキが起きないような指導監督の責任は大蔵省にあると思いますが、それに対するお考えを承りたい。
  55. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 健全なる指導は必要だと考えますが、どうも労使双方の間に勃発して来るようなストライキを予想してかれこれ申し上げるわけには参りません。
  56. 柴田義男

    ○柴田委員 それでは河野銀行局長に承りますが、今の証券の問題と関連いたしまして、山梨中央銀行のストライキが現実に二十二日から三日間、四日間と継続いたしております。これに対して大蔵省当局が、銀行局から調査官を派遣なさつたということを聞いておりますが、実際はどういう状態になつておるのか。それから山梨中央銀行のベースの状況というものは、もう最高まで達して、大蔵省がそれ以上出してはならぬと御命令になつておるのかどうか、労使両方で協調のできた七十万円かの人件費の増額を、使用者側が了解したものに対しまして、大蔵省はそれすらも出したのはいかぬという遺憾の意を表されたというようにわれわれは聞いておりますが、これに対しまして銀行局長の御答弁を願いたい。
  57. 河野通一

    ○河野説明員 山梨中央銀行の争議の問題につきましては、先般私の方の事務官を事情を見せにやりましたことは事実であります。その報告を聞きましたところでは、相当尖鋭化して参つておりまして、現在のところでは、日常の業務にさしつかえるところまで参つておらぬようでありますが、これがさらに進みますと、そういつた問題についても憂うべき事態が来るおそれがあるように見て参つております。ことに本店以外の各地方にあります支店につきましては、事実上そういつた問題で、業務に従事し得る人数が限られております関係上、業務を続けて参りますために非常に困難をいたしておるような事態も見受けられるようであります。山梨中央銀行のストライキの問題につきましては、従来私は個々の銀行といいますよりも、銀行全体に対しまして、経理の健全ということを維持しながら、金融の秩序を保ち、預金者の保護に欠けるところのないように、堅実な基礎のもとに銀行の経理が行われて参ることを念願いたしまするがゆえに、一般監督権に基きまして、これらの問題についての考え方は、累次銀行当局者には申しておるのであります。これはあくまで銀行の経理を堅実にして行くということにあるのでありまして、決して個々の銀行の従業員の給与に干渉するという趣旨ではないのであります。しかしながら銀行の経理を堅実にするということだけで参りますならば、それでは従業員の給与はいくら低くてもいいかという問題があるわけであります。これはおのずから、社会常識上から考えて参らなければならない。しかるに銀行の従業員の給与は、私はあえて高いとは申しませんけれども、少くとも他の企業の従業員に比べて、決して低くないと私は考えております。そういつたことを前提にして考えますならば、最近の銀行経理の状況からいたしまして、経費の節減をはかつて、できるだけコストを切り下げるという努力が必要な現在におきましては、そのうちで非常に大きな部分を占める人件費に対しまして、できるだけその増大を防ぐということが必要になつて来ると思うのであります。こういう点から個々の銀行に対して、それぞれに申しているわけではありませんが、銀行全体に対して、そういつた観点から人件費の増大を広く抑制するようにということは、経理の健全なる運行という立場からたびたび私どもとしては銀行に対して申しておるところであります。  山梨中央銀行の具体的な従業員の給与ベースにつきましては、今私的確に覚えておりませんが、その地方における他の産業の従業員の給与に比べて決して低くないということは、はつきり申し上げられると考えております。
  58. 柴田義男

    ○柴田委員 今の銀行のストライキを見ましても、たとえば九州の福岡銀行、第四銀行かでもあつたと思いましたが、それに今の山梨中央銀行、これらは地方銀行としても有力銀行だと考えるのであります。そういたしまして、今度はいろいろな資料によつて調査をいたしますると、戦前の経常経費のうちの人件費から見ましても、今日の人件費というものは上まわつておらない、これが現実です。たとえば戦前の経常経費の人件費というものは、戦前は三〇%以上であつたが、現在では三〇%以下になつております。それから預金利息にいたしましても非常な高率になつております。比率が戦前より高くなつております。それから借用金利というものも戦前とほとんどかわりのない状態である。こういたしますと、人件費にだけ制限を加えるという根拠かどこに反るのか、これをます銀行局長の御見解を承りたい。
  59. 河野通一

    ○河野説明員 私は銀行の従業員の給与、人件費だけを節減しろということは決して申しておりません。銀行に対しては、常に物件費に至りましても、その他経費の節減、コストと申しますと非常に言葉が悪いのでありますが、そういつたものの節減については、あらゆる見地から銀行経営者に対して申しておるのであります。私は銀行の従業員が憎いから、その給与だけを押えろということを申しておるのではありません。たまたま現在問題になつておるものがそういう問題であるから、それが取立てて言われておりますが、経理の健全性ということについては、私は単に従業員の給与の問題だけを申しておるのではありません。物件費に至るまで、あらゆるものについて、いろいろな機会にその節約を主張しておる、そしてそれから出て参りました余裕というものがもしかりにありとすれば、あるいは預金者に対する、あるいは貸出し先に対するサービスの向上に充てろ、そういうことによつて銀行の公共的な使命の達成にさらに一層の努力をしなければならぬ、こういう見地から申しておるのでありまして、単に人件費の問題だけを取上げて言つておるのではありません。なお今御指摘の銀行の経理の中に占める人件費の割合が、戦前に比べて現在低いというお話でありますが、これはどういう数字をおとりになりましたか存じませんが、私どもの出しております数字からは、そういう数字が出て参らないのであります。
  60. 柴田義男

    ○柴田委員 では、現在の経常経費の中の人件費は、大蔵省は何パーセントと統計をとつておるのですか。
  61. 河野通一

    ○河野説明員 手元に数字がございませんが、現在銀行の平均された人件費の率は、二%強であります。こういう数字は過去において出るはずはないのであります。銀行の利ざやというものは、大体一分から一分五厘という程度のものであつたから、二%とか、そんな高いコストが人件費として戦前において払えるはずがないのであります。
  62. 柴田義男

    ○柴田委員 さすればどういう比率でございますか。われわれの持つておる資料でございますと、経常支出のうちの人件費、こういうのです。この人件費が一番問題なんです。
  63. 内藤友明

    内藤委員長代理 柴田君いかがですか。今のは資料として要求いたしまして、次会にまたここでひとつ……。
  64. 柴田義男

    ○柴田委員 その問題が今ストライキが起きておる一番大きな問題だと思うのです。これがきよう山梨中央銀行のストライキの問題を伺い、あるいは東証のストライキの実態を伺おうといたします場合にもこの資料が一番大きな問題だとわれわれは思う。銀行が他の産業から見て、現在の給与が単純にいいと言いましても、銀行に働いている人たちの実態を見ますと、超過勤務などというものも、銀行はほとんど払つておりません。超過勤務はよほどおそい時間だけ一時間か三十分払つておる、あるいは昼食の時間すらも彼らには与えておりません。こういう実際の労働条件をわれわれが考えました場合に他産業から見て多少でもいいからといつて、これでもうストツプすべきだ、これ以上なら人件費が上まわるのだという考え方では、あまりにも機械的だ。そういうところからストライキというものが起きて来る、ことにこの山梨中央銀行の場合を見ますと、これは新聞報道でございますが七十万アツプすることに対しても好ましくないということを、現実に新聞社の方に銀行へ派遣された方が話しておる。こういう干渉をなぜやるのか。使用者側がよくて七十万円アツプすることに同調するならば、それに対する干渉ということはけしからぬと思うのですが、こういう干渉を現実におやりになつたのかどうか、そういう御方針で派遣されたのかどうかを承りたい。
  65. 河野通一

    ○河野説明員 私のところの事務官を派遣いたしましたのは、そういつた意味の干渉をやるために派遣したのではありません。先ほど申し上げました通り、争議の状況を見に行つたのであります。従つてその状況によつて対策等を考える材料にするために派遣いたしたのであります。今お話の中に、七十万がどうだとかこうだとかいう問題がございましたが、私どもが聞いておりますところでは、現地の地労委においてあつせん的な案が出ておりましたのに対して、組合側がこれを拒否した、拒否してただちにストライキに入つたというふうに聞いておるのであります。それに対して大蔵省の事務官がどういうことを申しましたか存じませんが、申しました範囲は、おそらく私が先ほど来申し上げておりますように、一般論として銀行の給与は、今例にあがつております銀行の場合をとりましても、その地方の他産業に比べて決して安くない、そういう事態を前提にいたしまして——特に先ほど来柴田委員もおつしやる通り、中小企業その他が非常に弱つてつて、倒産をし、それらの従業員にほとんど給与も払えない、あるいは給与を下げて行かなければならぬような状態に一方ありながら、公共的な機関である銀行の従業員だけ、どんどん給与を上げて行くということは、単に銀行の公共性という点を抜きにして考えても、私どもとしては納得の行かない点があるのであります。特に先ほど来たびたび申し上げておりますように、銀行の給与が他の産業に比べて非常に低いという場合におきましては、今私が申し上げておるようなことは不当であるかとも思いますけれども、銀行従業員の給与は他の産業に比べて決して安くないと私は確信いたしておりますがゆえに、今申し上げましたことについては、私は決して間違つた考え方ではないと信じておる次第であります。
  66. 内藤友明

  67. 春日一幸

    ○春日委員 それでは大臣にお伺いをいたしたいと思うのでありますが、本日の新聞の報道によりますと、例の東証のストライキは、警察官吏の警棒を伴う介入によりまして、労働者側は涙とともにこのピケツト・ラインを解いて、そうして一方経営者側は得意満面として、取引再開の座にすわつたということが報道されておるわけでございます。このことはそのストライキの妥当性あるいはそうでないといういろいろな批判は別といたしまして、いずれにしても労働関係のいろいろな法規に基いて行われたこの争議行為が、警察力の介入によつてこういうみじめな結末を遂げつつあるということにつきまして、世上の関心は非常に高まりつつあると思うのでございます。  そこで私が大臣にお伺いをいたしたいことは、先ほどから労使の関係には介入をしない、当事者たちの自主的な解決にゆだねるというのであつて、政府はあくまで中正の態度を保つて行きたい、こういうことを一応表面的におつしやつてはおりますけれども、実際的にそういうふうに行われておるならば、私は決してそれらのことを申し上げるわけではないのであります。ただいま柴田委員も申されておりますが、まずその前提の歴然たる一つの事件といたしまして、さきには銀行課長の地方財務局長あて通達をもちまして、現在全銀連が別途行つておりますところの賃金交渉、これは好ましくない、こういう一方的政府の通達が行われておるわけであります。このことは労働関係調整法第三条が政府に対して規制をいたしておりますところの労働争議に対する態度、すなわち自主的解決にゆだねる、みだりに介入すべきではない、争議行為の勃発することを防ぐために、公正なる援助を行うべきである、こういう法律に対して違反をする事柄が、あなたの下僚によつて現実に行われておるわけであります。ただいま河野銀行局長の御答弁によりますと、これは銀行経理の内容をよくせしめる、もしも銀行の経営内部において、そういう余裕があるならば、その余裕はむしろ金利の引下げに持つて行くべきであるというお説等もございましたけれども、そういう事柄はまさに詭弁でございまして、銀行経理の内容をよくするか、しないかは、これは当事者がいろいろな経費の支出だとか、その他いろいろな経営面の合理化等をはかりまして、その中に労働賃金等の要素をも含めて検討するものであつて、今そういう要求が行われておるときに、監督官庁である大蔵当局から賃金値上げは好ましくない、そういう余裕があるならばかくかくすべしというような一方的意思表示が与えられ、しかもそれが経営者に大きな影響力をもたらすことは当然の事柄でございまして、この一事をもつていたしましても、大蔵当局が所管産業の労働争議について、すなわちその一方の経営者の側に暗に加担して、一方の労働者側に対しては冷たい態度、峻厳なる態度をもつて臨んでおるということは明らかであろうと思うのであります。あなたは今や一大蔵大臣ではないのであつて、国際的な大政治家に成長を遂げられたのでありまして、私はまことに御同慶の至りと思うものでありますが、昨日この証券ストがこういうみじめな結末に終つたということにつきましても、結局労働大臣のステートメント、これは当然閣議において大蔵大臣の大きな影響力を受けつつ、こういう決定が出されたものと思うのでありますが、これなども明らかに、労働者側に対してきわめてぞんざいにああいう政府見解の発表が行われ、同時にそれに伴う警官の出動となつて参つたと思うのであります。  そこで私はあなたに御要請を申し上げたいことは、あなたには所管産業をいろいろと政治的に御指導願い、御監督願わなければならぬのでありますが、これはやはり法律が政府を拘束いたしておりますように、あくまでも労働者、それから経営者はあなたから見れば一視同仁、法律の前にはやはり平等公正の原則に立つてこの処理がなされなければならぬ。さきには銀行の賃上げに対して、これは好ましくないという意思表示を行つた。今回のごときは、スト破りということもこんな方法でできるのだ、こういう指示を与えるということは、関係労働者に対して奴隷的屈従をしいるものであつて、銀行にいたしましても、証券労働者にいたしましても、彼らの持つ任務が重大であればあるほど、彼等の職場をして快的なものにしてやらなければならぬと思うのであります。彼等は法律の前には、このストライキが破られても結局方法がない。力と力とが激突するような形になつて参りますと、そのよつて及ぼす影響は非常に大きなものがある。たとえば昨日ラジオで、大阪の労働組合の責任者が発表いたしておりましたが、かりに警察官吏が強権をもつて介在して来てストライキが破られてしまうということであれば、やはり弱き者同士は力を合せなければならぬ。さすれば大阪、名古屋、神戸というような取引所の労働者たちが、やはり共同闘争というような形をとらなければならないような場合にも到達することがあるであろうということを言つておりますが、これは労働関係調整法で、労使の、主張が相反する場合のあらゆる事柄を規定して、この法律に万全を期しておるというのであります。今までどのような争議がありましても、政府がこのような形で介入し、しかも警察官が警棒をもつて、とにかく組合側において昨日は十八名も負傷者を出しておるようでありますが、こんな形で問題をねじりつぶしたというような争議は今までかつてないと私は思うのであります。今後こういうような形がもしとられて行くといたしますれば、これは労使の抗争を激発する以外の何ものでもないのでありまして、かりにそれに対しましていろいろな友好団体の同情ストがさらに波状的に行われるという形になりますと、これはただ単に東証のストライキを解決するということでは納まらないのでございまして、他の一般産業に対して大きな激動、衝撃を与える結果にもなろうと思うのでございます。そこで今や都の労働委員会の職権に基く調停が行われている様子でありますが、今まで大阪の証券ストにおいても名古屋の証券ストにおいても、これはお互いに両方の当事者、労使の関係者が十分話し合つて、しかもあつせんするには地方の労働委員会もあり、さらに解決がつかなければ中央の労働委員会があり、それぞれ国の機関があるのでありまするから、そういう専門機関にゆだねて、政府や警察がこれに介在すべきではない、こういうことで、今までこの問題はいずれにしても労使間の自主的な解決で解決がはかられて参つたのでありまするが、今回東証の場合は、こういうような無残な形で大きな傷口を開いておるのでありますが、今後この問題の解決のために、あなたは所管産業の労働者に、その職場でどういうような立場でその労働条件を守らるべきものであるか、こういうことについても十分なるごしんしやくがあろうと思うのでありますが、この解決について、今後どういうような手を打つて行かれるというお考えがあるのであるか。ひとつ大臣の御所見をまずもつてお伺いをいたしたいと思うのであります。
  68. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 いろいろ御意見の点は良く承りました。私どもといたしましては、あくまで法令に基いて公正な態度で臨みたいと考えております。
  69. 春日一幸

    ○春日委員 これはまあ一品に言えば、木の葉で鼻をぬぐつたような御答弁、味もそつけもないようなものでありますが、法令に基いてということならば、それではひとつお伺をしたいのであります。銀行局の方から地方の財務局長に賃金を上げることは好ましくない、そんな余裕があるならば、すべからく金利の値下げの方に持つて行くのだという通牒が発せられておりますが、それは労働関係調整法第三条に違反する行為であると思う。法律に基いての行為ならば、労使関係については政府は厳正に中立を守らなければならぬ、こういう規制がありますが、どういう法律に基いてそういうことをなすつたのか、その点をひとつお伺いいたしたいと思うのであります。
  70. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 私は実ははなはだ不敏で、直接その文言を知りませんが、これは銀行局長から地方の財務局長に対する内部の書類であると考えます。その内部的な考え方は、先ほどもちよつと話が出ておりましたが、戦前においては大体銀行の資金のコストは一切合せて三分二、三厘のものであつたのです。ところがこのごろ人件費の上でも二分を越すようになつて、七分二、三厘についておる。どうしても資金量に比べて人件費その他が多過ぎるのです。従いましてでき得るだけ一切の経費を切り詰めて資金コストを安くするようにというのが、銀行を健全ならしめるゆえんなのでありまして、そういう点から、おそらく内部指導をしておる。但しそれは銀行に対しその直接の手紙ではないと私は考えます。銀行局長が来ておりますので、銀行局長があとから答弁しますが、おそらく銀行局長から地方財務局長あてに、こういう心構えでやつてもらいたいという心構えの問題だと思います。これは預金量をできるだけふやして銀行の資金コストを安くしなければ今の七分二、三厘につくような普通銀行のコストでは、とても世界的に金利の及びようがなく、金利引下げの余地もないのでありまして、その点から私どもは、どうして経費をできるだけ少くして、コストを下げて金利の低下をはかるかということを絶えず考えておりますので、自然そういうことがその文書に表われたものではないかと考えます。詳しくは銀行局長より答弁してもらいます。
  71. 春日一幸

    ○春日委員 この問題はやはり給与そのものを指摘して、いわゆる労働者側の賃上げ要求には応諾すべきではない。何項目も不可能という項目を掲げてこれは通達されているのでございまして、このことは内部の文書だと言われたところで、地方の末端財務局は、あなた方の出先機関として各地において銀行と接触いたしているのでありまして、この機関にこういう意思表示が行われますれば、その表示はそれぞれの経営者側にそのまま反映することは当然の事柄であろうと思うのでございます。従いまして、監督官庁からそういう意思表示を受けた経営者たちが、本省の御意向はこうである、われわれはやはりそういう要求に応諾することはできぬというので、いろいろと労使の紛争が自主的に解決できる場合があるにかかわらず解決できなくて、現に山梨銀行等におきましては、すでにこれが実力行使の段階に入つている。ストライキをかえつて激発したような形になつている向なしとはしないのでございます。従いまして、これをあなたは法律の範囲内と言つておられまするけれども、労使の関係は非常にデリケートでありまして、しかも複雑多岐にわたる要素の上に組み立つているのでありますから、ただ一方的に銀行の金利の問題だとか、経理の問題だとか、あるいは証券取引の単なる一つの表面的な事由等によつてそれぞれ意思表示が行われたり何かいたしますと、これはとんでもない結果になつて参るのでございますから、特にひとつ慎重な御配慮を願わなければならぬと思うのであります。まあこの問題はさらにまた後日問題とするといたします。  そこでここであなたにお伺いをいたしておきたいのは、法律通りつてもらう、われわれは法律を越えては御要請をする筋合いではないのでございますし、そのようなことは毛頭考えておりません。そこで大阪の場合、名古屋の場食われわれ経験をしたのでありますが、たとえば取引所が閉鎖されている、そういたしますと、その場外においていわゆる取引所類似行為が随所に行われたのでございます。その場合、あなた方はその法律に基いてやはりその取引所類似の行為を取締るの責任を負つておられると思うのでございますが、現実にはその責任をお負いになりません。そこで、一体法律に基いて取引所類似行為をなぜ取締らないのであるか。このことはストライキの効力を減殺するところの、暗に言えばスト破りの行為である。従つて財務局は監視官を派遣をしてそういうようなものを法律に従つてどしどし告発せなければならぬのだが、なぜそれをやらないか、こういう質問をしたのでございます。そうしたところ当局の御答弁は、この取引所類似行為に対して本省からのいろいろな祭によりますと、この取引所類似行為は違法行為ではない、暗にこれは合法的な行為であるかのごとくに答弁されているのでございます。私が申し上げるまでもなく、この争議行為たるや、業務の正常なる運営を故意に阻害する行為であるのでありまして、このことは労働関係調整法第七条でありますか、これは労働者に認めているところの特別の武器であるのでございます。すなわち労働者が事業経営の正常なる運営を故意に阻害することによつて、その解決を進捗せしめるために認められている行為なんでありますが、ところがその場外取引という名のもとに取引所類似行為が随所に行われて、しかもそれが大蔵省によつて黙認されている。こうであるといたしますならば、このストライキの効力というものは何ら効を奏しない。取引所側においては、十日であろうと二十日であろうと、ストライキがやれるならばおやりなさい、われわれは場外取引、店頭取引で十分にその必要なる取引行為を行つていくのだ、こういうことで名古屋や大阪におけるこのストライキ問題も意外に長引いたり何かいたしたのであります。ならば、この法律に基いて、その取引所類似の行為をなぜお取締りにならないのであるか。ストライキによつてその取引所において取引のでき得ない場合、その以外の場所で取引が現実に行われておる。取引株件数等におきましても、平時とあまりかわらないような取引高が現実において統計上に現われておる。こんなことを見のがしておるということは、まさしくその法律をそのまま執行しておるというような大臣のお言葉とずいぶん違つた執行がなされておるのではないかと思いますが、この点についてひとつ大臣から御答弁を願います。
  72. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 多分春日さんの意味は、証券取引法の百九十一条の違反ではないかということであろうかと思いますが、これは公取の方にも問い合せましたが、あの当時は違反と見るべきほどのものではないということでありまして、私どもそういうふうに解したのでありますが、いずれにしてもあれは望ましいことではないので、ああいうことはやめさせたいと私どもは考えております。ただ法律の面はそうであります。詳しくは所管の理財局長から御答弁申し上げます。
  73. 阪田泰二

    ○阪田説明員 争議行為等によりまして正規の市場が開設できないという場合に、いろいろとかわりの取引を業者がいたす、こういうことにつきましては、私どもがかねがね申し上げておりますように、そういう場合に法令に違反した不正の取引が行われておる、あるいは今の百九十一条に違反の類似市場を開設するというような行為が行われる、こういうことは厳重に取締る方針でありまして、それぞれの争議行為が行われた際にも、いろいろと検査官等も派遣しまして、そういうことのないように、厳重に注意いたしたようなわけであります。それでただいまお話がございました大阪で八箇所ですかにわか丸生して分散取引をいたした、あるいは名古屋ではそういうこともありませんで、店頭取引だけをいたしたわけでありますが、これらのものは、いずれもその際やはり調査いたしまして、法律的な問題も検討いたしたのでありますが、違法行為ではないということに結論を出しましてやつておつたわけであります。それ以上に逸脱する行為は、今後といえども厳重に取締る方針であります。  なお昨日も東京の取引所で一日だけ立会いができなかつたわけでありますが、昨日は店頭取引等も一切やらせないということで取締りまして、そのように行われておつたと承知いたしております。
  74. 春日一幸

    ○春日委員 現実に名古屋の場合なんかを申しますと、ストライキで結局取引所における取引ができなかつた。大体三十九万前後の取引が行われておるのだが、ところが店頭取引、たとえばその取引所における取引ができなくて、その場合便宜的に店頭取引というものをやつた、それでもつて大体三十五万株の取引ができておる、たかだか一割前後の支障を来したというだけで、実際に取引額には何ら障害を与えないような、いわゆる取引所にかわるところの取引行為が現実にその店頭において大衆を相手に行われておる。しかもその処分というものは何ら行われてはいないのです。私はこの時間外取引というものは——法律はもとより阪田さんが専門家であろうとは思いますが、ストライキをやるということは、正常なる運営を故意に阻害することのための行為であつて、そういうことをやつていいということは労働者の労働基本権の中にちやんと認められておる。そういうストライキをやつたにかかわらず、取引にはちつとも影響を与えないような現実の取引が取引所以外の場所において行われておつた。これを一体なぜあなたの方は取締らなかつたのであるか。私は大臣とお互いに別の角度から問題をやりとりするというのではなくて、あるがままに物事を判断して、そうして労働者といえどもつてにむちやをやるのではなくて、やはり法律の範囲内において保障された行為を行つておるのである、しかもこれは大蔵大臣の所管のもとにおける関係労働者である、こういうことで一視同仁の取扱いを受けなければならないのであるから、従つてストの威力を減殺するがごとき経営者側の行為があるならば、これは厳重に取締つていただかなければならぬのであります。ところがそれが現実には行われておらない。大阪においては八箇所のそういう場外取引が行われたのだが、ところがそれに対してどういうような処分が行われたのであるか、これなんかも全然うやむやにされておつたと思うのでありますが、これは私は大臣が法律を厳正に行つているという言明にもかかわらず、現実に行われておる結果をかくのごとく拾つて見ますると、経営者側にはなはだしく加担された形であり、労働者側に対してはあまりに苛酷な片手落ちの処置がなされておると思いますが、これについて大臣から御答弁願います。
  75. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 私はさような不公正な考えは毛頭持つておりませんが、ただこの問題について申しますと、これは違法でないということになつたものですから、何ら処置をとらなかつただけであります。
  76. 春日一幸

    ○春日委員 その時間外における店頭取引は違法でないというのですか、これをちよつとお伺いをいたします。
  77. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 私はよく取引のことは存じませんが、またその実情について当時よく調べておりませんけれども、ただ私は抽象的なお答えをすれば、市場取引が開かれていない場合の店頭取引は何ら違法ではございません。
  78. 春日一幸

    ○春日委員 それはあまりに結論を捏造した形の御答弁ではないかと思うのであります。これは証券取引法第百八条に基くところの業務細則が大蔵大臣に提出されて、それによつて取引所の業務が運営されていると思うのであります。それによりますとその第一条に「立会の時間は午前九時から十一時まで、午後一時から三時までとする。但し、特定銘柄の立会においては」云々とあるわけであります。従いまして九時から十一時まで、一時から三時まで、これは必ず取引所において取引をしなければならぬのであります。スト行為によつてこの取引が行われていないというのは、取引が阻害されておりますのは、これは明らかに労調法第七条が保障しておりますところのスト行為に基くところの時間内のことでございまして、時間内においては必ず取引所において取引をしなければならぬ、店頭取引なんかが許されるのはこの三時以降あるいはそれ以前、こういう時間の外において店頭取引が許されなければならぬのではないか、こういうふうに思うわけであります。私は、法律はいろいろ深渕な内容を含んでいるとは思いますけれども、しかし読んで字の通りに解釈するというのが原則的な解釈ではないかと思うわけであります。ストライキによつて取引所の取引行為ができ得ない、この時間の内部においては、取引所以外の取引はこれを許されておるものではないと考えるのであります。これはいかがなものでありましようか。
  79. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 あるいは理財局長からお答え願う方がいいかと思いますが、私が見るところでは、今おつしやつたのは市場取引についての時間をきめたものでありまして、店頭取引は何らそういう時間がきまつていないのでありますから、店頭取引は何時に行われようと、これについて違法であるといつてどうこうできないと思うのです。今実は詳しく実情を存じておりませんから、理財局長から御答弁をいたします。
  80. 井上良二

    井上委員 関連して……。これは非常に大事なことであり、特に東証の争議が今明日のうちに円満に解決すればいいが、万が一労使対立して不測の事態に立ち至りました場合は、正常なる市場取引ができなくなります。そうなりますと、今ここで議論しております問題が非常に重大な問題になつて参りますから、この点は特に明らかにしておかなければなりません。そこでこの際大臣に伺うのでありますが、大臣はただいまさようなことは何ら違反ではない、こういう御答弁をされておりますが、少くともこの百九十一条に書いてありますのは、一切市場以外の取引を禁止しておる。ただお話になりますように、店頭においての個々の取引の場合は、それは市場としてもこれを認めるわけには参りませんが、市場における取引が争議のためにできなくなり、やむなく大阪においては八つの店に分散をいたしまして、そうしてその店においては東京の相場がどうなつておるか、あるいは名古屋の相場がどうなつておるかということを一々電話連絡をとつておる。これを証券協会の方がその東京、名古屋の相場の状況を全部キヤツチして、ここに各店から全国の市場状況を連絡する店員が出て来て、それを店頭へ持ち帰り、そこで取引をいたして、そのいたした結果取引高に応ずる手数料は協会が一括して共同計算をやつておる、これは市場の類似行為であります。これを類似行為といわずして何といいますか。個々の株を何ぼ売りたい、それでは私どもが預かつておきましよう、そうしてこれならば買いましよう、そういう個々の店頭取引の意味と全然違うのであります。全国の市場状況をあるところでキヤツチして、それを各店へ分散してやつている。店頭取引に情報を流して、その情報に基いて相場が立てられて、しかもそこで取引されました取引料金は、全部証券協会が一括共同精算しておるという事実は、明らかに市場取引の類似行為であります。かくのごときことを許されるということが違反でないというならば、いわゆる百九十一条の条文の意味は何を意味するのでありますか。これは明らかに違反であります。しかもそれは完全に争議に対する裏切り行為であり、妨害であります。われわれはさように考えます。これは東証の今後の争議に関して重大な関係を持つものでありますから、この点明らかにしていただきたい。
  81. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 いずれ詳しくは担当の局長から御説明申し上げますが、私の信ずるところだけを申し上げます。私は市場取引等が、東証の今後の場合において決して中絶することはない、かように確信いたしております。  なお今の問題について、上場株というものはみな市場へ出さなければならぬということはきめてあるのでありますが、市場取引がない場合に、上場株が店頭で売買されるということは何らさしつかえないことであつて、これは市場がないのですから、ないときは店頭で売買されたということに対して、法は何らこれをとつていることはないと私は信じます。詳しくは局長から聞いてもらいたいと思います。
  82. 阪田泰二

    ○阪田説明員 ただいま大臣からお答え申し上げたようなことでありまして、上場株につきましては、会員業者がこれを売買するときには、それを市場に出して売買しなければならぬ、これは公開市場できめられた公正な相場で取引が行われる、こういうことを保証するためにそういう規定があるのであります。従いまして、非上場証券あるいは非会員は店頭売買ができますし、会員業者の上場株の取引にいたしましても、市場が開かれてないという事態がありますれば、店頭売買以外はできないと思います。それからいろいろと組合のスト行為に対して云々というお話がございましたが、これは取引所の職員がストをやつて市場が開かれない、こういう状態になつているわけであります。証券業者といたしましては、自分の商売でありますから、商売のために、合法的な範囲内で、できるだけ商売をやることに努めることは当然なことでありまして、これは何ら干渉するとか、不法であるとか、こういう問題ではないと思います。  なお先ほどいろいろ名古屋等におきまして平常とかわらぬくらいな量の取引が行われた、これは違法行為であつたというお話もございましたが、名古屋等におきましては、東京よりは証券業者の数がかなり少いのでありまして、店頭取引だけでもかなりの取引が平常できる。なお東京、大阪の市場は開いておりますので、信用取引は東京、大阪へつなぐという方法でできるから、それである程度のことがああいう場合にもできたわけであります。しかしお話のような、平常と同じような数量ができているという記事等もございましたが、実際におきましては、やはり平常よりは故障がありますので、取引量は減つております。しかしただいま申し上げましたような事情でありますから、ある程度の取引はできるというようなことを言つたわけであります。
  83. 井上良二

    井上委員 局長も大臣もそれはたいへんな誤解であります。上場株が現実に取引されておるのです。あなた方がおつしやるように、業者が自分の商売大事のために、お得意先の関係から店頭でいろいろ商売することについて、それが違反であるなんてそんなことを言うているのではありません。一方で正常なる取引所が閉鎖されて、そこでやむを得ずその裏道として店頭取引という名のもとに集団的な取引がそこに行われておるのです。その店個人がその店のお得意先のものだけ扱つて商売をすることについて、われわれは文句を言うているのではない。かりにそれが上場物でなくとも、それに文句を言うているのではない。現実に八つなら八つの店頭に分散をして、そこで東京、大阪その他の市場の相場をキヤツチして、それによつて売買の相場を立てている。その店個人の営業ならば、個人取引の収支決算においてやつたらよいのにかかわらず、手数料を協会にまとめて共同計算するというのは一体どういうわけですか、そういうことが許されますか、個人の店が店頭でするなら個人の収支でよいのに、その手数料を共同計算して協会が取引所の肩がわりをしてやつておるこの行為を何と見るか。そういうことをあなた方が知らぬ顔をしてほほかむりをしておつて、ただ店頭取引だ、個々面接行為の取引だ、そういうことが許されますか。そういうことがかりに許されるとするならば、市場取引所としての市場を認める必要はありませんよ。百九十一条が原則的にきめているのは何を意味しているのですか。そういう類似行為を禁止することに目的があつてこの法律がきめられている。それは非常な誤解ではありませんか。そういうことが許されますか。そこを明確にしてください。
  84. 阪田泰二

    ○阪田説明員 ただいま集団的に売買をやりまして手数料を協会がとつている、こういうお話ですが、さような事実はないと私ども承知いたしております。これは取引所が開設されないで、取引所に上場してそこで取引をやつた事実もないわけでありますから、取引所がその方の手数料をとるなんということはあり得るわけがないのであります。何かほかの方の話の誤伝ではないかと思います。さような事実はないと私どもは心得ております。
  85. 春日一幸

    ○春日委員 これはひとつ慎重におとりはからい願わなければならぬ問題だと思うのですが、今の阪田さんの答弁によりますと、たとえば名古屋の場合、店頭取引と同じような形の取引が行われた。そのことは、東京、大阪で取引が行われておつたから、大体値段の基準もわかるので、そういう能率的な処理ができた、こういうようなことをおつしやつておるのです。かりにそういう場合の店頭取引ならよいとされても、法律の第百九十一条が取引所外の取引を禁止しているのは、十分なる資料によらずして取引を行うと、それが誤つて値段をつり上げたりつり下げたりして、株式証券市場に大きな影響を与える場合もあるので、その弊害を除去することのためにあるのです。たとえば東京も大阪も取引所が全部ストをやつて、取引所による取引はどこでも行われていない、そんな場合店頭取引はさしつかえないということでこれを個々に許して行くとすれば、たとえば一箇所においても上場相場というものはないのだから、個人々々思い思いにかつて値段を付しての取引が行われるという形になつて来ると、上場株を初めとして、その他のものに大混乱が生じて来るおそれなしとしないので、そのことはちやんと条文の中に載つている。だからそういう事柄と関連して、百九十一条の必要性というものはそこにあるわけなんです。しかも店頭取引はさしつかえないと言われているが、店頭取引というものは、時間外の特定の顧客相手という形のものである。われわれの指摘しているのはそういう場合ではない。店頭取引と同じような形で売つた買つたという取引が現実に行われている。このこと自体が取引所類似行為である。取引所類似行為が店頭取引の美名に隠れて、実際にはその内容の異なつた取引が行われておるから、これをお取締りになるのでなければ、一つはスト破りになり、一つは証券市場に対して誤つてる悪い影響をかもし出す心配なしとはしない、こういう二つの立場から、われわれは店頭取引というようなものについも、これは法律が本来求めておる店頭取引の範囲内に限らるべきものであつて——現実には取引所類似行為が行われ、しかもその取扱い株数においても、それは取引所が開設されておる日と同じような取引が消化されておる。これではこの百九十一条の法律規定というものは全然ないがしろにされておるから、これは大臣が言われたように、法律の忠実なる番人という立場において、その場外取引とか、店頭取引とか、あるいは時間外取引とか、こういう場合においては読んで字の通りの監督をしてもらわなければ困るじやないか、こういうことを申し上げておる。  そこでこの際申し上げておきたいことは、ただいま福田君からの忠告があつたが、阪田理財局長はまだ御転任されて日も残いのでこの法律の運用についてまだ十分御検討になつていない様子だから、労使に対して公正中立、同時に証券取引所の権威そのものがそこなわれないような完全なる運営がされるように、さらに次の機会までに十分ひとつ御検討願おう、こういうことでありますから、私どものこの主張を十分御検討されまして、中立にして公正、かつ必要にして十分なる監督をされることを強く要望いたしまして、私の質問を終ります。
  86. 内藤友明

    内藤委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次回の委員会は来る十一月十日及び十一日の両日、それぞれ午前十時より開会することといたします。  なお十一月九日午前十時より国有財産に関する小委員会を開きますので、御了承願います。  これにて散会いたします。    午後一時十二分散会