○春日
委員 これはひとつ
植木政務次官に伺
つておきたいと思うのでありまするが、ただいまの内藤さんの質問されました医者、歯科医師に対する保険診料収入に対する課税の事柄についてでございます。これは
植木さん当然御
承知のことでありますが、これは厚生年金保険法二十九条、それから失業保険法二十六条、労働者災害補償保険法二十二条、健康保険法六十九条、生活保護法五十七条、こんなふうにずつとそれぞれの
法律の条文の中で次のごときことが規定してあるのでございます。すなわち「保険給付として支給を受けた金品を標準として、租税その他の公課を課してはならない。」というこの事柄でございます。それはこの保険給付を受ける者の所得とな
つて残るものではなく、これはただちに保険目的のために支出されて行
つてしまうのであります。
従つてこの給付金品の効用価値とでも申しましようか、そういうようなものを損耗するがごときいかなる公課も行
つてはならない、これが
法律の精神であろうと思うのであります。従いましてこの精神にのつと
つて、地方税におきましては、すなわちこの保険によ
つて給付された金を使
つて診療をするところの医者並びに歯科医師に対しては事業税を課さない、こういう形にな
つておる。すなわちこのことは、これこれの保険関係
法律のそれぞれの条文の中で特に規定いたしておるように、そういうような保険給付の効用価値を減損せしめるがごとき一切の控除をしないというごの
法律の精神がやはり地方税の中では強く尊重されまして、これが課税されないという形に取扱われておるのでございますが、かくのごとき精神、これはやはり国税にも踏襲されなければならないし、むしろこれは国税が進んでそういう取扱いをなすべき事柄であると思うのでございます。しよせんこれは
法律的
手続を必要とする事柄でございますので、これはわれわれにおきましても事態をさらに探求いたしまして、最もすみやかなる
機会においてこの
法律の趣旨にか
なつたところの租税特別
措置法でありましようか、何らかの課税に関する特例を設けまして、この
法律の精神を生かしたところの処置を行わなければならないと
考えておるのでございますが、この点につきまして、現在過渡的な事柄といたしまして、本年度においてはただいま内藤君御
指摘のごとく幾多の紛議を巻き起しております。直
税部長が大分解決をしたと
言つておられますけれども、それは単なる公文書報告でございましよう。現地におきましては各県地方におきまして医者の大会が持たれて、この本年度の
所得税の最終決定をめぐ
つての猛烈な反対運動、紛議が繰返されておるのでございます。私はこの問題を解決するためには、この
法律の基本、そういうようなものがこういう事柄を強く打出しておるということを、これは税務
当局も十分ひとつ尊重されまして、これが三〇%ならどうだとか、三九%なら著しい増徴ではないかとか、そういうようなみみつちい解釈でこの問題をいつまでも置いておくというのではなくして、本来ならばこれは課税すべきものではない、現に地方税は課税されていないのだという立場から、本年度の紛争はできるだけ大乗的見地に立
つて、これはひとつすみやかに政治的な配慮を加えて早期の解決のために次官みずから采配を振
つていただかないと、何回も何回も直
税部長に申し上げておりますが、一向ひようたんなまずのようで、曖昧模糊として捕捉するところを知らずで、どうも解決がつきません。本日後刻内藤
委員からしかるべき決議案が提出されると思うのでありますが、どうかその趣旨を尊重されまして、この問題を何回も
委員会で繰返さなくてもいいように、次官の強大な政治力で事務
当局に対して手きびしい鞭撻を加えられて、ちつとも言うことを聞かなか
つたら懲戒免職にしてしまうというように、
国会の意思に沿
つてやられることを強く要望いたしまして、私の質問を終ります。