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春日委員 ただいまの御
答弁は、われわれの訴えんとするところの
主張に答えておりません。私はルーズとかなんとかいう問題は、やはり問題の発端にさかのぼ
つて検討されなければならぬと思います。これは私が冒頭に申し上げました
通り、やはり
戦時補償が打切られてしま
つたということ、特に中小商工
業者は、それで打切られたところの
債務というものはないのであります。たとえばその当時の
中小企業というものは、ほとんど軍の工場の下請工場にな
つておるのであります。
従つて親工場から金をもらうという
債権は相当あ
つたのだが、
戦時補償が打切られてしま
つておる、
従つて債権は打切られたが、
債務というものは何も打切られてはいない。しかも
債権は大きいものが打切られております。たとえば火災保険なんというものは、打切られてしま
つてもらえない。だから
中小企業と大企業は
戦時補償の
打切りにおいて、はなはだしく不均衡な
立場に置かれておる。大企業においては
債権、
債務、両方とも持
つてお
つたのを、打切られてしま
つたのでありましようが、
中小企業は払わなければならぬものは当然払わなければならぬ。たとえば下請工場、材料屋さんだとか、工賃だとか、これは当然支払いの義務をやはりずつと持続してその
責任を果して参
つた。ところがもらわなければならぬところの親工場からは、
戦時補償の
打切りによ
つて、請求した
つて金をもらえなか
つた状態です。燃えた工場を
再建しようと思
つたつて、保険金はもらえなか
つた。こういう状況下において、
中小企業に対しては特別の
措置を講じなければならないということは、
復金法の審議の中においてつまびらかにされておる
事柄なんです。しこうして大きな信用もほとんどないようなものは、とても
金融ベースでは
融資の対象にならないから、
従つて国家的見地において
政策融資を行うのだということを明確にされておる。そしてこれはあくまで
金融ベスーで手きびしく苛酷に取立てて行くというあなたの
考え方というものは、ほんとうの本法の精神というものは何ら御理解にな
つていない証左であります。法律の精神というものは、条文を尊重すると同じように、やはり尊重しなければならないと思います。そこで申し述べたいことは、やはりこの精神の上に立
つて物事を
処理しようと思えば、
金融ベースによ
つてルーズに
取扱うとかなんとかということでなくて、八年間も返済ができないような
状態は、これははなはだ苦しい
状態であると断定して誤りがありません。
従つてこういうような苦しい対象に対していかに
措置するかということになれば、温情ゆたかな
処理ということについてだれも
国民として怒る者はありません。そこで温情ゆたかな
処理という形になりますれば、ちやらんぽらんであ
つてはならないが、ただいま申しますように、中にはつぶれてしま
つて、とろうと思
つてもとれないものもある。そういうものを追究しようと思
つても今は相手がいないのですからできないのです。それくらい危険な
融資であ
つたのです。
金融機関が貸そうと思
つても貸せないものに、あえて危険を冒して貸して来た。従いまして、やはりそういうような全然とれないものもあるし、誠実に払
つたものもあるのだから、その中間をと
つて、残存分に対する
処理ということにな
つて参りますならば、やはり返し得るような、可能なあらゆる道を開いてやるということに
政策が帰一しなければならないと思います。そこで特に私が先ほど来質問しておることは、そういうような全体的な
立場からこれを考えて行くならは、
元本を優先
償還に充てるということは決して行き過ぎでもないし、また
国民の
血税をみだりに私するものでもないのです。
従つてさ小な金額ということを言
つておられるが、この小さな金額というものは大体どの
程度のものが小さい金額であるのか、あるいはまた誠実に企業を
行つておるというその誠実の度合いというものは、大体どの
程度の
内容を持つものであるか、そういうような
事柄は、このあなたと私の
質疑応答ではなかなか明確になりません。
従つてこの
委員会の
質疑応答を通じて、これらの人々に対してやはり希望を持たせて行きたい。私の考えておる
事柄は、やはり
元本を返そうという意思があるならば、その
利子をまとめて今払うことはできませんが、ほ
つておけばだんだんと
利子がかさんで
行つてさらに
償還が苦しくなりますから、とりあえず
元本を
受取つていただきたいという申請書をその当事者から出して来たならば、それに対してやはりそれぞれの窓口
機関は審査を
行つて、しかもこれはやむを得ないものと思うならば、
元本をどんどん受入れて
行つたらそれでよろしい。そういう
措置を
開銀が指導されて、
一つはこの二十四億何がしかの
回収を能率的に
処理して行くと同時に、現在
中小企業者の
負担とな
つておるところの
利子発生を阻止して行くというような一挙両得の効果を収め得る
事柄でありますから、そういうようなことからひ
とつ特例をつく
つてもらいたいのであります。これがどうしても行かなければ法律によ
つて改正しなければならないが、法律なんというものは、きようといえばきようできるのですけれ
ども、そんなことをしなくとも、物事というものは、われわれよこしまの
主張をしておるわけではないのでありますから、大体みんなが納得できる
範囲内において、その公約数に基いてこそ行政
措置というものは可能だと思います。ひ
とつこの点について、ルーズとかなんとかいうことじやなしに、
元本を優先
償還したいという者がその理由を付して申し出でた場合においては、それを審査の上、適当と認めるものについては
元本優先
償還に充当することができる、こういうぐあいにひ
とつお願いしたいと思うのだが、どうでありますか。もう一ぺんひ
とつ誠意ある御
答弁をお願いしたいと思います。私が声をからして同じようなことを言わなくとも、大体物事というものは、ほかの
事柄とも関連して、あまりひどくないことは、困
つておる人たち、あえいでおる人たちに対しては、大体のところにおいて
政府のあたたかさを示してやられなければこれは政治になりませんよ。まるで高利貸しみたいなことにな
つてしまう。この問題についてはつきり願
つておきたい。どうしてもいけなければ、何らかの
措置を講じて、とにかくこの
中小企業の
政策問題として、一般的な法律の基準を打出して行かなければならぬと思うわけでありますから、これについてひ
とつ御
答弁を願いたい。