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小笠原国務大臣 今の一千万ドルに沿う三十六億円の分でありますが、この中身につきましては、過日来申し上げておる
通り、まだ実は正式に
政府部内で
決定いたしておりません。ただ
考え方としては、この資金の性質上防衛産業及びその関連産業並びにでき得れば基礎産業というふうに
考えておるのでありますが、まだ詳細な打合せは実はついておりません。この打合せができますと、これはアメリカ側と双方合意の上でと書いてありますので、向うと打合せましてやる次第でございます。
従つてまだ
日本の側で打合せ中でございますから、向の方とも相談する段階に
行つておりません。
それではこれが
日本の
経済力との
関係はどうなるかという
お話で、むしろ
経済力の前に
お尋ねがあつたのは、そのほかの金はどうするかということでございますが、私
どもは別に財政投融資をこれに行う
考えは持
つておりません。但し三十六億円に対して、民間の方で民間資金が若干これに伴うことは
考えられまするので、これは現にすでに
出しておるものもございまするので、若干伴うと思いますが、何しろ先ほど申したようにまだもとがきま
つておりませんので、どれくらい金がいるかということもはつきりいたしておりません。
それから大体の
考え方としては、お
考えくださつたうちで、防衛産業というのは広い
意味もございますが、かりに火薬のようなものでありますれば、これは現在の
設備で大体ものが足りております。艦船のようなものについて
考えれば、これも大体足りておると思います。それからたまのようなものについて言いますると、これも大体今の
設備でいいのじやないかというふうに
考えられまして、どういう事業がどうなるかということは、よほど詳細に検討してみなければわかりませんので、今それぞれ相談をいたしておる次第でございますが、ただ根本の
考え方としては、
日本がそれをやるために将来過剰
設備に陥
つて日本の産業が苦しむことのないように、言いかえますれば将来
日本でも保安庁の入り用なものがございまするから、この使途をそういう方面に使いたい、こういうふうに
考えておる次第でございます。こういうことのために一時的に過剰に
なつたり、それがために将来不況のもとに
なつたりするようなことには持
つて参らないようにする。それから
運用は、過日来申し上げた
通り開発銀行をして行わしめるので、開発銀行が大体わくの中で自主的に選んで自分の危険のもとに貸し出すことになりますから、
従つてこれは相当商業
採算的に貸し出されるものと
考えております。
なおそれではその使用とあるから、何か試験その他に使うかということでございますが、これはまだ相談をいたしておりませんけれ
ども、かりにさような場合は、出ましてもきわめて少額にとどめたい、かように
考えておる次第であります。