○
村瀬宣親君 「
憲法上の問題でもあるので、」とはつきりあるのでありますが、それに対する
答弁はきようはできないということでありますから、よく御
研究なさ
つて、近いうちにはつきりした御
答弁をいただきたいのであります。
そこで、どのようにきま
つても、財政上の問題もあるのでという今の御
答弁であります。それは私は了承いたします。でありますから、
基本的にこれは
国家が
補償すべきものであると
決定したからとい
つて、ただちに一年以内とか三年以内に全額四十兆以上に及ぶ
在外資産を全額支払えと申すのではありません。
引揚者は
日本の国が道義
国家であるならば、また共産圏と対立する資本主義国の、いわゆる私有
財産を尊重しておる国であるならば、当然私有
財産を尊重せねばならぬじやないかということを言
つているのであ
つて、
日本が共産国にでも何にでもな
つてよいというならば、この問題は大した問題でありません。
従つて政府はいつまでもこの問題をきめないで次に進むということは、途中にいろいろな支障を来すのでありますから、
憲法との
関係はひとつ明らかにしておいていただきたい。
そこで私はいよいよ各論に進んで参りますが、問題は主として
正金銀行に私は集中してお聞きしたいのでありますが、その前に、朝鮮銀行におきましては、調整金その他において八十億八千万円の金が今できているようでございます。そうしてそのうち今度の
法律で支払わねばならないものは、
送金小切手の六億二千五百万円、
預貯金の分が七億一千百万円、合計十三億三千七百万円となるが、それを全部支払
つても六十七億四千三百万円という金が残るとあなたはおつしやる。また台湾銀行の方は二十九億八百万円現在金が残
つてお
つて、この
法律によ
つて支払う
送金小切手の分が五億一千万円、外地の預金が一億一千七百万円、合計六億二千七百万円で、それを金額支払
つても二十二億八千万円残るということである。ところが
正金銀行の分になりますと、国内債務を今まで五五%しか支払
つていないということである。五五%しか払
つていないにもかかわらず、現在残
つておるのは一億九千三百万だとおつしやる。そうして今度の
法律によ
つて支払わねばならない金額は幾らになるかというと、
送金為替が二十億三千五百万円あると言われる、外地預金は九十三億二千三百万円とおつしやる、百十三億五千八百万円もこの
法律によ
つて支払わなければならないにもかかわらず、金は二億九千三百万円しかないとおつしやる。一体これは
正金銀行に対するこの
送金小切手や外地預金はどうなさろうとするのであるか。それは
正金銀行に聞いてくれというような態度で進まれるのであるかどうか。最初私が
在外財産に対してどうするつもりであるかということをお聞きしたのは、実はここに来てこの
三つの
法案とただちに
正金銀行とが衝突してしまうのであります。台湾銀行や朝鮮銀行の送金に対しては、全額払
つてもらえる。
国家の保護を受けてお
つて、
日本銀行と相当するぐらいに思
つてお
つた正金銀行を利用したものは、一%か二%しか払
つてもらえない。
法律を見ると五万円まで払
つてやるとあるが、実際窓口に行
つてみると、一%か二%しか払
つてもらえないというような、さような残酷な
法律であります。これを一体
政府はどうなさるおつもりですか。