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1954-06-01 第19回国会 衆議院 人事委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年六月一日(火曜日)     午後一時五十八分開議  出席委員    委員長 川島正次郎君    理事 赤城 宗徳君 理事 田中  好君    理事 永田 亮一君 理事 櫻井 奎夫君    理事 池田 禎治君       荒舩清十郎君    岡野 清豪君       池田 清志君    石山 權作君       加賀田 進君    森 三樹二君       長  正路君    矢尾喜三郎君  出席政府委員         人  事  官 神田 五雄君         人事院事務官         (事務総局給与         局長)     瀧本 忠男君  委員外出席者         専  門  員 安倍 三郎君         専  門  員 遠山信一郎君     ————————————— 六月一日  委員受田新吉君辞任につき、その補欠として長  正路君が議長の指名で委員に選任された、 同日  山口好一君及び池田禎治君が理事補欠当選し  た。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  地域給に関する件  小委員会設置に関する件     —————————————
  2. 川島正次郎

    川島委員長 開会いたします。  日程に入ります前に理事補欠選挙についてお諮りいたします。当委員会理事は二名欠員となつております。この補欠は先例により選挙の手続を省略し、委員長において指名いたしたいと存じますか、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 川島正次郎

    川島委員長 御異一茂なければ、委員長において指名いたします。山口好一君、池田禎治君のお二人を理事補欠選任いたしました。     —————————————
  4. 川島正次郎

    川島委員長 去る五月二十九日、人事院より勤務地手当支給地域区分に関する勧告国会に対し提示せられたのであります。この勧告につきましては、当委員会において深い関心を持つてつたものでありますから、この際、人事院当局より説明を聽取いたします。神田人事官
  5. 神田五雄

    神田政府委員 五月二十九日に人事院は出会及び内閣に対しまして、勤務地手当支給地域区分改訂勧告行つたのでありまして、その趣旨について簡単に御説明申し上げます。  昨年の十二月、第十八回国会におきまして、執務地手当支給地域区分の五区分制か四区分制に改正されたのでありますが、なお地域相互間に不均衡か存在し、これを是正する必要が認められますので、調査研究の結果、消費者物価地域差指数小売物価地域差指数及び地域別民間給与水準のほか、所在官署都市周辺市町村合併その他の諸事情を総合勘案いたしまして勧告するに至つた次第であります。なお今後著しい情勢変化がない限り、支給地域区分改訂に関する勧告は行わず、将来この制度の根本的な改革を期したいという考えでございます。但し最近、全国各地市町村合併が盛んに行われていることにかんがみ、市町村合併に伴うものについては臨時適正な措置をとることが、人事行政上適当であり、かつ必要に思われますので、一定の基準に従い、予算範囲内において、人事院規則で所要の措置を講じ得る道を開くことか適当である旨を特に勧告中に申し添えております。この勧告によりますれば、全国市町村のうち約一千三百六十が改訂され、その結果約二千四十か支給対象地域となり、また給与法適用を受ける国家公務員の約九〇%が勤務地手当支給を受けることとなつたのであります。  以上簡単に御説明申し上げました。なお、こまかいことにつきましては、御質問に応じて給与局長から御説明いたさせます。
  6. 川島正次郎

    川島委員長 質疑の通告があるからこれを許します。赤城宗徳君。
  7. 赤城宗徳

    赤城委員 資料も今渡つたのて、ありますが、人事院当局に対して少しお尋ねしたいことがございます。今度の勧告には、経費がついてないわけでありますが、経費をつけるとすればどのくらいの予算額を必要とするか、それをまず第一に伺いたいと思います。
  8. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 この改訂案を実施いたしますれば、給与法適用国家公務員につきましては、年間を通じましておおむね十六億三千万円程度を必要とすると推定いたしております。なおこの問題は地方公務員等にも関係があるのであります。地方公務員につきましてこれと同じ改訂をいたすといたしますならば、これは約三十九億二千万円必要とするのでありましようが、従来の地方交付税等の場合の国庫負担の例を見てみますと、おおむね八〇%程更に国庫負担になるのでありますから、従いまして、もしその例に準じて考えますならば、地方公務員に対してこの際出庫から負担しなければならぬものは、おおむね三十一億四千万円程度ではなかろうか、このように推定いたしております。なお現業団体交渉でいろいろきめて行くのでありますから、この際この分を考える必要はないのかもしれませんが、しかし従来と同様に国庫負担があるものと仮定いたしまして、給与法適用関係地方公務員、それから政府関係機関、あるいは現業公務員一切を含めまして、国庫負担になる部分はおおむね七十五億程度であろうと考えております。
  9. 赤城宗徳

    赤城委員 ただいま神田人事官からも説明がありましたか、今回の地域給改訂勧告は、予算のわくとかその他の制約を受けないで、人事院の独自の権限に基いて行われたことは、私ども承知しておるわけであります。それでこの勧告は、当分の間個々地域についての支給地域区分改訂に関する勧告は行われない、こういうことになつておると考えるのです。私どもといたしましても、りつぱな理想的な案ができますならば、これを最後勧告として、従来当委員会において論議を進め結論を得ておりましたように、地域給をなくして行くという方向へ持つて行きたい、こういうふうに考えておつたのであります。ところで今度の勧告を見てみますと、われわれにはどうも最後案理想案というふうには受取れないのでありますが、人事院当局としては、これが最後案で、公平妥当な理想案だ、こういうふうにお考えになつておられるのかどうか、それとも最上の案のつもりで出したのではありましようけれども、まだ幾分改訂の余地が残つておるよう考えておるのかどうか、そういう点につきまして、人事院当局の御所見をお伺いしておきたいと思います。
  10. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 先ほど神田人事官から説明かありましたように、今回、考えようによつて相当大幅な個々地域給改訂勧告をいたした次第であります。この地域給につきましては、当委員会におきましても、昨年中地域給に関する小委員会をおつくりになりまして、地域給を将来どう持つて行くべきかということについて御研究があつたのでありますが、おおむね人事院も同様のことを考えておりまして、これは段階整理あるいは廃止という方向に持つていくのがよいだろう、少くも段階を減らすことがよいだろう、こういうふうに考えておるのであります。現在は四段階制度でございますが、これが三段階になるということになりますれば、そういう段階整理の過程を通じまして、またよほど合理的になる面もあろうかというよう考えておるのであります。給与法の二条によりますれば、人事院は絶えず調査研究をいたしまして、そうして地域給制度というものが適正に維持運営されるように努力しなければならない義務かあるわけでございますから、著しい生計費変動というようなことがございますれば、その際にはもちろん勧告をいたさなければならないわけでございますが、われわれが考えております将来の地域給縮減方向を通じまして、まずこの程度個々アンバランス是正しておくならば、将来は、普通の状態であれば勧告しないでいいのではなかろうかというようなことを考えておる次第でございます。昨日も参議院ちよつと問題にされたのでありますが、今回の作業方針の中に、二段飛びというものはやらないという原則を一応立てたのであります。これは従来から同様の方針を持つてつたのでありますが、この二段飛びをやらないということは、ほんとうはやらなければならないのだか、どうもやはりそういうふうにやると、作業かたいへん大きくなつて困るからやらないという趣旨ではない。二段飛びをやらないということは、すでにやはりアンバランスがあることではなかろうかというような御指摘もあつたのでありますが、しかしこの問題も、やはり段階整理方向を通じまして、問題の大都分は自然解消して行くのではなかろうか、このよう考えております。しかしながら、繰返して申し上げますが、給与法では、あくまでこの地域給制度が適正に維持運営されるように、人事院は絶えず調査研究をしなければならないのでありますから、著しい情勢変化生計費変動かあるという場合は、もちろん人事院勧告しなければなりませんし、また絶えずこの問題について調査研究を進めて行く、このよう考えてあります。
  11. 赤城宗徳

    赤城委員 生計費の著しい変化があれば改訂を加える、これは当然のことだと思いますが、そうでなくとも、現在のもとにおいても、相当アンバランス是正されておらない面かあるようにも考えておるのであります。そういう面については、人事院としては勧告をしたのですから、これ以上再勧告ということはないと思うのでありますが、私どもといたしましても、政府から提案された場合に、そのアンバランスを直さなくてはならぬ点も相当ある、こういうふうに見ておるのであります。そういう観点から少しく触れてみたいのでありますが、この改訂案を見ますと、非常に国家公務員本位である。人事院の機構から見ましても、国家公務員を扱つておるのですから、国家公務員に重点を置くことは当然だと思うのでありますか、地方公務員をも含めて地域給考えなければならぬ。そういう点から、国家公務員がそうたくさんおらなくても、地方公務員相当おるところの級地の少い方、少い町村、こういう方面アンバランス是正相当を力を入れるべきである、こういうふうに私ども考えておるのであります。そうして地域給を漸次廃止して行く、こういう方向に向つておりまして、昨年末一段階圧縮行つたのであります。これは制度そのもの検討と、従来の一級地、二級地の間に地域差を設けるべき条件、たとえば物価地域差などはないという考えに基いて級地を減らして来たのであります。こういう関係で、現在無級地になつておる、あるいは従来の制度のときにも無級地になつてつた、これが新しい一級地になると、従来の例からいうと、今お話の二段跳びということになつておるのですが、昨年の末に一度一級地に昇格した、こういうことでありまするからして、形式的には二段跳びということにはならないわけであります。しかしながら従来の二級地とか、一級地とか、無級地、この間には地域差あまりないのだ、こういう前提のもとに一段階減らしたのでありまするからして、二十八年の十二月前に無級地であつたもの、それから当時一級地であつたもの、二級地であつたもの、これにそう区別は設けられない、こういうふうに見ておるのであります。ところで従来の無級地から今度の新一級地に指定勧告された町村かどれくらいになつておるか、これをひとつお示し願いたいと思います。
  12. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 今回人事院がやりました作業が、国家公務員中心になつておるという御批評があつたのでございまするが、今回の改訂によりますれば、原則として四級には上げないということをいたし、新たに七十一の都市を二級から三級に上げております。それから一級から二級に上げたものは二百八十一、それに比べまして、ゼロ級から一級に一千五の市町村を上げておるのでございます。こういう観点から見まするならば、やはり相当地方の末端まで考えておるということが言えるのではなかろうか、このよう考えております。  今回の特殊性といたしましては、市町村合併ということがあつたわけでございます。市町村合併がございますれば、その同一行政区域内におきまして級地が違つておることは、はなはだぐあいの悪いことでございまするから、その意味において、同一行政区画でありまするならば一級地までは無条件にいたす、こういうことをやつたのであります。そういうことのために、非常に広い地域等を持つておりますところにおきましてま、例外的に二十八年の年末以前はゼロ級地であつたものが、実質的に二段飛びのような形になつたものもございますが、その地域はおおむね二十数箇町村というよう考えております。
  13. 赤城宗徳

    赤城委員 今度の勧告ばかりでなく従来もそうでしようが、消費者物価地域差指数とか小売物価地域差指数地域別民間給与水準所在官署都市周辺市町村合併その他の諸事情を総合勘案し勧告されたということになつておりますが、先ほどちよつとお尋ねしたように、消費者物価指数とかあるいはまた小売物価指数というようなものについて、大都市方面統計相当整備されていると思うのです。ところが従来の一級地、二級地、現在のゼロ級地一級地等はこういう統計が完備しているとは思えない点が相当あるのであります。それで下の級地について今度の勧告をするにあたりましてはどういう格付基準によつて行つたか、これをお尋ねしておきたい。
  14. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 一級地格付基準につきましては、現在あります市町村と大体同程度生活水準ということを一応の目途といたしたのであります。それをどういう方法でやつたかと申しますと、われわれの方といたしましては各都道府県人事委員会の御協力によりまして、各都道府県内における生活水準というものから見ました市町村順位表というものをいただいておるのであります。これはまつたく各都道府県人事委員会の御好意でございます。また県知事側からもそういう資料をお出し願つているものもございます。また労組等から独自の立場で、そういう資料をお出しくださつたものもあります。こういうものを参考にいたしたのでありまして、現在ついております級地と同程度順位になつておりますものは、これを使うということをいたしたのであります。これが原則であります。そのほかに、人事交流観点等から、たとえば税務署でございますとかあるいは労働基準署でありますとか、そういつた国機関がありますところ、また県の地方事務所が存在いたしますところはできるだけこれをとつて行く、また学校関係につきましてもよほど注意をいたしておりまして、学校の存在いたしておりますところもこれをとつて行くというようなことを補助的にいたした次第であります。
  15. 赤城宗徳

    赤城委員 都道府県人事委員会とか労組その他の資料基礎として格付した、こういうふうにお聞きしたのでありますが、私どもが一見したところによりますと、そういう人事委員会とか県当局順位など、逆に行つている例も相当あるのであります。そういうものにつきましては、人事院として何か特別の理由があつて、その順位をかえた。少しをかえたくらいならいいのですけれども、非常にかわつたのも聞いておるのであります。そういうのは今局長お話ように、ほかの資料によつて直したのであろうとは考えますが、極端にかわつておるのがあるのであります。一々申し上げている時間がありませんから、機会を見て書類等によつて調査をお願いいたしますけれども地域給格付につきましては、いろいろな科学的基礎もあるけれども、昨年あるいは一昨年あたりから、国政調査の結果ということ一つ条件になつて来ているのは御承知通りであります。これは国会修正をしましてから、国会意向議員意向というものも相当しんしやくされ、強力なものではないでしようけれども一つフアクターとしてある程度つてつた、こういうふうに私ども承知しておるのであります。そういう点では、地域給も上の方は非常に科学的根拠がはつきりしておりますが、下の方におきましては、常識的と言つては語弊があるかもしれませんが、議員などが勘案して結論を出したものが、相当均衡がとれておる例が多いばかりでなく、その方がかえつていいくらいなものが多いのであります。そういう点でこの国政調査の結果を一つフアクターとしてお考えになつて勧告されておるかどうか、これをひとつつておきたい。
  16. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 われわれの万におきましては、先ほど、下の方につきましては、人事委員会から御提出願いましたものが基礎になり、そのほかに、県当局あるいは労組等から出ておる資料参考にしたと申したのでありますが、同時に国会議員の方から、当該選挙区等におかれましては、ずいぶんお歩きになることも多いのでございまして、事情十分御存じのことでありますから、そういう点につきまして、御教示を得ました点は、案を作成する上に十分参考としておりますし、また国政調査等でいろいろ御調査になりました結果等も、われわれ勧告いたします際に十分参考にさしていただいております。
  17. 赤城宗徳

    赤城委員 この勧告につきましては、御承知通り政府といたしましては予算がついておりませんので、あまり好ましく考えておらなかつたのであります。あるいはまた私どもの党といたしましても、補正予算にでも追い込まれやしないかということであまり歓迎していなかつた。これは私的な問題になりましようけれども、しかし人事院人事院として独自の権限において勧告すべきだ、こういうことが当人事委員会におきましても、あるいは参議院人事委員会におきましても決議になつておりますし、強く要望しておつたわけであります。私どもも、この勧告か当然なされるべきものだ、勧告が出せないよう人事院であるならば、人事院存在理由を失うのであるからして、人事院が厳として存在している以上は当然勧告を行うべきである、こういう気持でおつたのでありますが、そういういろいろな事情がありまして、政府の方でもあまり好ましくないというふうな空気もあつた。そういう空気を反映して、人事院におきましても、理想的な最後案としてりつぱな案をつくろうとしておつたのを、政府などに気がねしてこれを少くした結果、せつかく勧告されたものに、私十分調べておりませんが、相当程度アンバランスが残されておる、こういうことに私ども考えておるのでありますが、今申し上げたように、最も理想的な最後案で、これを最後としてあとは勧告しないというくらいの案があつたものを、それを気がねして、予算をつくる場合になるたけ予算が少いようにということで減らして行つた、こういう事実はありますかどうか、お尋ねしておきます。
  18. 神田五雄

    神田政府委員 ただいま何か人事院政府制肘によつて案をかえ、減らした、あるいはふやしたというふうなお話ようでありますが、人事院といたしましては絶対にそういうことはありません。その点ひとつどうぞ御了承願います。
  19. 赤城宗徳

    赤城委員 そういうことがなければけつこうでありますが、人事院としても最後の案をつくるまでには、何回か予算とにらみ合せてやつてつたことは事実だろうと思うのであります。というのは、実は勧告を出すべきだということで、衆議院人事委員会におきましても、あるいは参議院人事委員会におきましても、淺井総裁にそれを慫慂していた際に、予算がなければ出せないのだ、予算の額はどれくらいになるということを始終問題にして、予算かなければ出せないということを言つていた事実もあるのであります。そういう事実から考えてみましても、どの程度予算で行けばどの程度勧告になるかということは、最後案ができる前に考えられたことだと思うのです。だから理想案政府制肘によつて減らしたという事実はないといたしましても、予算が今ついておらぬとしても、予算がつく場合には、どの程度予算を適当として勧告するかということは、勧告一つの要素になつてつた、私どもはこう考えざるを得ないのであります。制肘を受けたとか気がねして勧告案を左右したことはない、こういうことは一応信用しますが、どれくらいの予算でやるかということにつきまして、勧告を出すに際しまして、これを相当考慮に入れてやつたような事実があるかどうか。あるいはそういうことは全然考慮に入れずに、予算とはまつたく離れてやられたのか、これもひとつ念のために聞いておきたいと思います。
  20. 神田五雄

    神田政府委員 予算のことは最初から考慮に入れませんでした。もちろん最初計算しましたときには、これは大分前のことですが、四十億程度ということは概算わかつたのでありますが、その後におきましては、できるだけ公平に、できるだけ広い範囲に及ぼしたいという意図からやりました関係上、どんどんふえて行つたことは事実でありますが、しかしどの程度に押えるかということは全然考えずにやつたのであります。
  21. 赤城宗徳

    赤城委員 これは私どもとして非常に不満足な点がある。北海道から青森県から岩手県において、隣りの町が上つてこちらの町が上らなかつた、あるいは上げないでもいいと考えているところが上つた、こういう事例が個々的にはたくさんあるが、一々これに対して質問して的確な答弁を求めている時間もないと思いますので、委員長どうでしようか、これは書類によつて出しまして、それに対して答弁をもらつておくということにとりはからつてよろしいかどうか。
  22. 川島正次郎

    川島委員長 承知しました。さようにとりはからいますから、書面で委員長の手元まで御提出願います。
  23. 赤城宗徳

    赤城委員 それではそういうようにとりはからつていただきまして、一応私の質疑を打切ります。
  24. 川島正次郎

  25. 森三樹二

    ○森(三)委員 私は今回の地域給勧告に対しましてちよつとお聞きしたいのですか、今回の地域給勧告に関しましては、昭和二十七年十二月に本院において修正可決いたしました案があるのでありますが、その中には今回新しく一級に指定されましたもののほか相当除外されたものがあるのでありますが、それらは予算関係上除外されたものでありますか。私どもから見るならば、今回の勧告においても、当然新一級として指定をいただかなければならない、かよう考えておりましたところのうち大幅に脱落しているものがあるのでありますが、それにつきまして人事院はいかなる観点から処置されたか、お尋ねしたいと思います。
  26. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 いろいろな観点から御批判があろうかと思うのでありますが、人事院は先ほど申し上げましたよう基準に従いまして作業をやつたわけでございまして、特に予算がかかるから除とくか入れるとか、そのようなことはいたさなかつたのであります。
  27. 森三樹二

    ○森(三)委員 予算関係なく、人事院人事院独自の見解で作業されたという御答弁でありますが、しかりとするならば、私どもはまた私ども観察程度におきまして、人事院観察とは必ずしも同一に見るべきものでないものが相当にあるのでありまして、一級より四級に至る現段階を見ましたときに、相当アンバランスがあるように私ども考えております。つきましては、この際私は人事院当局にも、今まで非常に長い間作業された御労苦に対しましては感謝の念を持つとともに、作業されましたその結果において、われわれはやはりアンバランス相当大幅に残つておるように思うのであります。これにつきましてこの際どうしても本委員会として、来るべき機会において私どもの当委員会における検討を加えた修正をいたしたいと考えておるのでありますが、これは単に私一個人の考えばかりでなく、われわれ同僚委員間におきましても相当強い意見であります。委員長におきましても、私のただいまの発言につきまして相当御配慮をいただきたいと思つておるのでありますが、私はできるならば当委員会において、将来各党の了解のもとに、今回の勧告に対するアンバランス是正修正をしたいと考えておるのであります。私どもは、今回の勧告はまつた予算裏づけのない勧告、いわゆるからの勧告、実の添わない勧告でありまして、この点は非常に物足らないのでありますが、しかしそれは人事院といたしましても、今回の予算裏づけがないということを前提にして勧告されたものでありますから、それはやむを得ないと思つています。しかし勧告は、今後においてできるだけすみやかに予算裏づけをしなければならないという責任をわれわれは反省するとともに、政府に今回の勧告を実施さすために、その法案を衆議院並びに参議院に提出しなければならない。提案されまして、私どもはやはりこれに対する審議をするのでありますから、そのためにも私はできるだけ早く臨時国会を召集することも考えなければならないと思うのであります。本国会は昨日の衆議院の議決によりまして三日間延長になりましたけれども地域給勧告是正であるとか、あるいは予算裏づけというようなことはできません。従いまして、今年の予想といたしましては、大体秋に召集されるであろうところの臨時国会において、今回の勧告を可決いたしますと同時に、その可決の内容といたしましては、ただいま申し上げましたよう相当大幅な修正をわれわれはし、それに対する裏づけ予算を獲得しなければならない、かよう考えておるのでありますが、人事院人事院として独自のお考えによつて今回の勧告を行われたのであります。またわれわれはわれわれの立場において、独自の修正あるいは予算裏づけ等をすべき当然の責任があるのでありますが、今回の勧告につきまして、その予算裏づけにつきましては、人事院は何らかお考えになつておるかどうか、関連してひとつお尋ねしたいと思います。
  28. 神田五雄

    神田政府委員 ただいまいろいろ御質問のようでありますか、私どもといたしましては、できるだけ早くこれが実現してほしいというだけでありまして、別に予算については何ら考えておらないのであります。
  29. 森三樹二

    ○森(三)委員 ただいまの御答弁は簡明にして要点を言つておられると思うのでありますが、私どもはやはりすみやかにその予算裏づけをしなければならないと考えておりますので、この点につきましては委員長におかれましても諸般の事情を十分勘案されまして、臨時国会の開会と同時に今回の勧告修正、そうしてまたその予算裏づけ等について、当委員会の職責を十分発揮していただくよう、私は要請しておきたいと思うのであります。  それから次に夏季手当の問題でありますが、この夏季手当の問題は、先般来全官公が主体となりまして、国会あるいは政府に陳情いたしております。私どもは昨年の給与ベースの勧告以来、やはり実質賃金の充実ということを非常に物足らなく思つておりました、今年の夏季手当につきまして、全官公が〇・二五の増額を要求しておることはむしろ当然である、かよう考えまして、先般来政府にも要求しておるのでありますが、すでに参議院におきましては、これが実施をするための議決もいたしておるわけであります。当委員会といたしましては、先般来議題といいますか、問題にはなつておりますが、いまだ議決の段階には入つておりません。しかしながら私は昨年の夏季手当の〇・二五の増額の当時を思い浮べまして、やはり当委員会に課せられた一つの重大な使命ではないかと考えるのであります。この夏季手当増額の問題は、もちろん予算上の措置を伴う問題でありまして、現在の予算上には組み入れられてはございませんが、しかし昨年は、夏季手当は年末手当から繰上げ支給という形をとつております。本年もやはり財政上の措置としては、そうした措置をとるならばあえて不可能ではない。支給すべきことが当然であるとするならば、やはりそういう措置考えなければならないのではなかろうか。今日デフレ政策によりまして、物価相当低減の様相を示しておるとはいいますけれども、しかし私ども観点から見るならば、やはり食糧品あるいはその他の物資において、あるいはメーカー等は相当安いものを仕入れ、あるいはダンピングのために安い相場を、新聞なんかではたたき売りが出て来たというので好奇必的に書いている点もありますけれども、しかし現実にわれわれ消費階級が物資を手に入れようとした場合には、相当昨年よりわれわれは高い物資を手に入れなければ、食生活その他の面においてまかなわれないというようなこともあるのであります。去年の七月十八日におけるところの給与ベースの勧告は、昨年の三月を基準としたものでありまして、非常に勧告も遅れ、しかもその勧告の実施におきましては、政府勧告の半分程度の実施しかいたしておりません。そうした関係からいたしましても、公務員は非常に苦しい生活を今日まで継続したのでありまして、こうした諸般の情勢を判断いたしますと、やはり夏期手当〇・二五の増額というものは当然見てやらなければならぬのではないか。昔でもよくボーナスというものがありまして、ボーナスは一箇月分の給料だということが常識になつてつた時代もあります。最低のところでもボーナスというものは一箇月だ。あるいはまた二箇月、三箇月というようなものが支給されたのでありますが、今日の公務員の実態を見ますときに、少くとも私は一箇月分の給与に該当するところの夏季手当の支給というものは、絶対に必要だと考えておるのでありますが、これにつきましても、できるならば当委員会といたしまして、ぜひともひとつ政府に対して夏季手当一箇月分の支給を要請するようにしていただきたいと思つております。これにつきましても加藤国務大臣の出席を要求しておるのでありますが、私は先ほど廊下で加藤さんにお会いしまして、この夏季手当の問題について質疑をしたいから、ぜひ御出席を願いたいということを申しましたところが、今閣議を開くとかいうようなことで、そそくさと行つてしまつた。あとで来てくれということを言いましたところが、向うが済んだならば行くというような非常に濁つた御回答でありましたが、当委員会といたしましては、給与の問題についてぜひとも加藤国務大臣に対し強く要請をしたいと思うのであります。これに対する御答弁をどなたからでもいいから、していただけるものならばしていただきたいと思います。
  30. 川島正次郎

    川島委員長 今政府委員を要求すれば来ますから……。加賀田進君。
  31. 加賀田進

    ○加賀田委員 勤務地手当勧告に基いて一、二点人事院に質問いたしたいと思います。総括的な質問は他の委員からもありましたので、簡単に質問いたします。  今度の勧告の中で町村合併に基いて特に地域に対して引上げをしなければならないというので、人事院相当勧告の時期が遅れて参つております。そこで勧告の中では、町村合併に基いて人事交流等を考慮して特に上げなければならない、こういう形で四月一日現在をとつて町村合併の現状に基いて、これらの勧告がなされたのであります。そこで四月現在においての町村合併は事実終了したのではなくて、今後もずつと全国にわたつて町村合併が促進されて行くのだろうと思います。これは地域給の本質から行けば、給与法の十二条にあるように、物価の相違に基いて実質賃金の均衡をはかろうとするところにねらいがあるわけでありますけれども、しかしやはり人事交流等にも大きな影響がありますので、人事院としてもその点考慮されたのだと思う。もしこの勧告が実施された場合、今後町村合併に基いて人事交流に非常に弊害が起るというような場合に、人事院としては新たにその問題に対しての勧告を行う意思があるか、あるいは別途それに対処する考え方を持つているか、その点に対して御意見を伺います。
  32. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 人事院は、五月十日現在の市町村合併の現状を押えまして、合併されました町村につきましては、できる限り級地アンバランスがないようにして行くという考え勧告いたした次第であります。しかし、五月十日現在で市町村合併が行われましたものは、今後三十一年の年末までに行われますものに比べますと、非常にまだ少いわけであります。問題が残つているわけでありますが、これをいかなる形で処理するかということにつきましていろいろ研究したのでありますが、でき得れば一定の基準を法律等にうたいまして、その基準に基いて、予算範囲内で人事院人事院規則によつて、この問題を処理して行けるような方法をとつてもらうことが適当であろう、このよう考えまして、勧告文にもそのようなことをうたつた次第でございます。この大まかなやり方等につきましては検討いたしておるのでありまするが、細部的なものに至りますと、もう少し固めてからいたしたい。この際やはりわれわれが一番考えなければならぬことは、市町村合併によつて級地是正をするのも、これは緑地の是正であります。従いまして、現在の給与法の体系のもとにおきましては、それは法律事項となつておることでございまするから、従つて国会権限をでき得る限り尊重いたしまして、最小限度において人事院に御委任を願うという方法は、どういう方法がいいだろうか、その点につきましていろいろ検討を進めておる次第でございます。
  33. 加賀田進

    ○加賀田委員 今後とも三年間にわたつて町村合併が促進されて行くと思いますので、町村合併即地域給が上るというような形ではなく、やはり相当厳重な何か規定を設けて、それに対処されて行くだろうと思います。そうしますと、人事院規則によつてそういう問題を決定されて行くとすれば、これはやはり国会の審議を経て決定される問題と、非常に方法あるいは取扱い上困難な問題が起つて来るのじやないか。一方勧告を出し、国会の審議を経て地域給を決定して行く、しかも今後町村合併に基いて、人事院の規則によつて地域給がそれぞれ検討されて実施されて行くという問題が起つて来るだろうと思う。そういうように、地域給に対しての人事院の独自の見解によつて決定されるのと、あるいは国会の審議を経て決定されて行くのと二つの決定権が行使される、そういうことをわれわれは地域給の今後の問題として、人事院に御研究願いたいと思います。  なお、そうしますと、公務員の給与法の十二条、いわゆる地域給に関する中を改正されて、特に附則でもつけて、そこで人事院権限に基いて町村合併に即応して地域給を上げるようにするのか、それとも、そういうような形で、あらためて国会の承認を得た形で、町村合併に基いて地域給勧告というものをここに行つて行くのか、そういう点を一応明確にしていただきたいと思います。
  34. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 この問題につきましては、われわれとしましても、まだ最終案を到達しておりませんので、具体的なことはなかなか申し上げがたいのでございますが、やはり十二条に明記するというような方法か、適当ではなかろうかというふうに思つております。なお、御委任していただきます場合にも、人事院の裁量か入らないような方法によりまして、機械的にやれる方法によりまして、御委任を願う手続だけを遅らせずにやるという趣旨で、そういう方法で御委任を願うことが適当じやなかろうか、そういうよう考えております。
  35. 加賀田進

    ○加賀田委員 それはやはり次々と町村合併が進行して行く状態ですから、早くそうした処置をとつていただきたい。特に年末あるいは四月等においては、町村合併が促進されるだろうと思いますから、その間においても全国的に四月にするとか、七月にするというような事態が生れて参つておりますので、それはいち早く人事院として提出していただきたい。  なお今森委員からもお尋ねがありましたが、すでに参議院の方では本年の六月の期末手当に対しての特別な処置に対する法律案が出て参つております。これはやはり国家公務員の勤務の諸条件を擁護する立場に立つ人事院として、深い関心かあると思うのですか、この法案に対して人事院ではどういうふうに考えているかということをお尋ねいたしたいと思います。
  36. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 人事院は昨年の七月十八日に給与水準並びに給与制度に伴います給与の勧告というのを行つておるのであります。そのときに期末手当あるいは勤勉手当というような、年二回支給されまする給与というものは、制度としましておおむね月額の二倍、二月分程度というのが適当であろう。これは民間の給与調査等をやりました際に、いろいろ資料として出て参つておるのでありますか、そういう見解で制度としましては二箇月分かよろしいということで勧告いたしたのであります。従いまして、現在の給与法におきまして六月と二月の勤勉手当、期末手当を加えて二箇月分でございまして、その二箇月分ということは出ておるのでございますが、その期末手当、勤勉手当の配分の内容等は人事院勧告したものと違ておるのであります。現在の法律でもそういう点がございまするが、われわれはすでに勧告いたしまして、その人事院勧告に対して内閣側におかれて給与法改正案というものが出され、それが国会で御決定になつたということに相なつておるのでございます。その点につきましては、ベース等においても、勧告と違つておる点等について、やはりいささか不満はございまするか、国会で御決定に相なつたものでありますから、われわれは給与法の完全なる実施者といたしまして、これをやつて行くということ以外にないのであります。  それでは本年度はどうであるかということでございまするが、本年度もやはり同様の民間の調査をやつておりますし、また給与準則も勧告しておることでございまするので、この給与準則につきまして、いろいろとその後の検討の結果をつけ加えて申し出るということがあるかもしれませんか、制度としまして申し出るのには、やはり調査の結果をまたなければならないのじやなかろうかというふうに思うのであります。現在の公務員の給与の水準等から考えてみまして、そういう要求が無理でないということは考えるのでありますけれども、やはり人事院としましては制度として二箇月分程度ということが今のところよろしい、このよう考えておる次第であります。
  37. 加賀田進

    ○加賀田委員 この期末手当の問題は、もちろん本年の七月十八日までに国会並びに政府に対して報告あるいは勧告しなければならないという関連性から、人事院としてはこの六月に支給される期末手当並びに勤勉手当とあわせて、どのくらいが妥当だということを即決することは、いろいろの状態から困難だろうとは思います。しかし現状を考えてみますると、人事院勧告そのものについて、完全に実施されたということは今までかつてないわけであります。特に昨年七月十八日に勧告された中でも、給与準則そのものは高給職員は修正されましたけれども、下の方は大体勧告通り出ております。しかしながらそれと関連して、勤務地手当の問題に対して、五%が現在削られたわけです。そういうことを考えてみますと、実施時期そのものも本年の一月まで遅れたということ、あるいは人事院勧告の内容そのものを五%削られておるということで、すでに六箇月間経過すると、合計してそれが〇・三くらいの程度勧告というものを下まわつておる。こういうような諸般の事情考えて参りますと、単に期末手当だけを切離して給与の問題として考えるというようなことは、私は人事院としてはさらに大いに検討してもらわなければならないのじやないか。そういう意味でこの期末手当、いわゆる夏季手当と言つておりますが、一箇月分は支給すべきであるという法律に対して、今申し上げたよう人事院勧告に基く従来の政府の態度として公務員の生活の実態、民間の給与とのいろいろな考慮の上に立つて人事院は当面六月の夏季手当に対して一箇月分はどうであるという明確な態度を示していただかなくてはならないのじやないかと私は思うのであります。無理でなかろうというようなあいまいな言葉ではなくして、人事院としては当面そういう従来の慣例から考えて、一箇月分は妥当であるとかあるいは〇・七五は大体妥当であるというような、どちらかはつきりした態度を示してもらいたいと私は思うのでありますが、この点はいかがでありましようか。
  38. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 重ねて申し上げてはなはだ恐縮なのでありますが、制度として見ます場合に、月々支給されますものの方はこのままにして、期末手当あるいは勤勉手当、そういうものだけを増額して行くという考え方は、これはどうも好ましくないことではなかろうか、そのよう考えておるのでございます。ただ今回の要求等につきましては、これはまことにつましいものでございますし、ただいま加賀田委員のお述べになられましたよう事情は、公務員として無理からぬことのよう考える次第であります。人事院といたしましては、給与法の完全なる実施者としまして、現在の場合は法に規定してありますところに従つて参りたい。気持はまことに無理からぬものであると思つております。
  39. 加賀田進

    ○加賀田委員 それは人事院として一応国会で決定された法律に従つて処置を講ずることは当然であろうと思います。瀧本給与局長の気持としては一箇月分くらいは支給いたしたいということは、私も言葉の裏からはつきりいたしました。できればそうした意味において、公務員の給与等を擁護する立場に立つて、今も申し上げた通り人事院が長年にわたつて研究され、諸般の事情考慮されて出された勧告七のものは事実完全なる実施は見てないという現状から、当面それらを擁護する上に立つても、一箇月分支給のために人事院も協力あらんことを私は要請いたします。  それから委員長ちよつとお尋ねいたしたいのでありますか、この地域給勧告に対しては、いろいろ同僚も不満の点が多いと考えます。もしこれが政府原案として提出された場合、これらの同僚の意思をくんで、国会修正という形で私たちは持つて行きたいと思うのですが、委員長としてそういう意思があるかないか、伺いたいと思います。
  40. 川島正次郎

    川島委員長 休会中も引続いて委員会を開きまして、今の点についていろいろ審議を進めたいと思つております。さよう承知を願います。長君。
  41. 長正路

    ○長委員 大分質問されたようでありますから、二、三点だけ簡単にお伺いいたします。質問の前にきようは長い間の懸案でありました地域給勧告案が発表された直後の人事委員会でありますし、当然淺井人事院総裁が出席をされて、われわれの質問に対する答弁をなさるべきが当然であろうと思うのです。また淺井総裁の出席を要求されておるにもかかわらず、出席されておらぬようであるが、これには何か事情もあろうと思いますけれども、もし何らかの所用のためにきようの大事な委員会に出席できないのであるならば、御存じの方がありましたならばお話を願いたいと思います。
  42. 神田五雄

    神田政府委員 淺井総裁がきよう出て来ないということで御質問のようでありますが、私もけさ実は会つておりません。ちよつと見えたそうでありますが、健康上のためにすぐ帰つたそうでありまして、別に他意はないと思います。
  43. 長正路

    ○長委員 淺井総裁がきよう欠席されたことについては、はなはだ不明朗であり、不満であると思うのです。それはきよう国会には午前中顔を出しておつて、そうして人事委員会か開催される時間になつて、どつかへ姿をくらましてしまうというようなことは、はなはだ委員会をばかにした行為である、私どもはさように思うのであります。そういうよう考え方が勧告の時期などについても、やはり現われておるのじやないかと思います。このことについてはしばしばそういうことを繰返されては、はなはだ迷惑千万でありますから、この際委員長から淺井総裁に対して厳重な警告を発していただきたいと思います。なお次会には淺井総裁の出席を、委員長の責任において必ず出席してもらうように御手配を願います。  それから今度の地域給勧告につきましては、ここに書いてありますように、今回の改訂にあたつては、消費者物価地域差指数小売物価地域差指数及び地域別民間給与水準のほか、所在官署都市周辺市町村合併その他の諸事情を総合勘案して、そうして不均衡是正したものである、こう書いてあります。しかし私どもかこの内容を一瞥いたしますると、一体どういう根拠で、しかも人事院側からの話によりますると、この後は勧告はやらないで、一応これで打切りであるかのような口吻も見えるわけであります。しかし内容は、ただいま申しましたように、われわれから見ますと、はたしていかなる科学的調査の上に立つて、いかなる根拠の上に立つて勧告案ができ上りましたのか、はなはだ疑わざるを得ない。先ほど神田人事官の話によりますると、たとえば県の人事委員会資料に基いて、あるいはまた県の執行部あるいは人事課あたり、つくつた資料に基いて、さらにまた労組などから提出された資料ども勘案してつくつたものだ、こういうお話もございましたけれども、私の知つておる範囲では、県あるいはその他の機関から提出された資料と、ここに出ております資料は、もちろんこれは全国的ではあります。しかし私の知つておる限りにおいては、はなはだしく食い違いをしておるということであります。そういうことがここに出ておりますこういう条件にはたして合致しておるかどうか疑わざるを得ないのであります。一体どういう科学的調査を、どういう形で動かされて、どういう実動をされてこの結果が生れたかということを、ひとつ詳細に御発表を願いたいと思います。
  44. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 先ほど申し上げましたように、たとえばわれわれの作業におきまして、大都市等につきましては消費者物価指数というものもございます。これはあるのでありますが、すでに現在はその調査はやめられておりまして、現在は小売物価地域差指数という調査と相なつておるのでございますが、この両者の関係等を、いろいろな方法によつて相関関係を出しまして、そうして消費者物価指数にかえて小売物価指数参考に用いるというようなこともございます。また所在官署等についても逐一これを調べまして、人事交流相当頻繁に行われるというような場合におきましては、また交流いたしまする公務員の場合におきましては、必ずしもその所在地域の生活形態というものをいたさないのではなかろうかというような点も考慮いたしまして、ブロツク機関というようなものの非常に集中いたしておりますところ等におきましては、でき得る限りこの交流関係も円滑にやり、また第二次機関等の範囲におきましてもそういう考慮を加え、また第三次機関と申しますか、ごく末端機関等につきましてもそのよう考慮を加え、県庁の出先機関というようなものにつきましても、そういう考慮を加えるということをいたしております。人事院はこの地域給調査のために、調査旅費というものも特別にはないのであります。これはやはりそういう費用をほしいと思つたのでありますが、なかなかこれは予算で認められないということもございまして、全然ないわけではございませんが、逐一これを調べるよう予算はないのであります。従いまして特定のわれわれが作業上非常にわかりにくい、困難であるというようなところにつきましては、二、三実地調査をいたした例もございますか、そのあとはおおむね県の人事委員会から提出されました資料というものを中心にいたしまして、先ほども赤城委員からの御質問に対して答えましたように、また繰返して申し上げることになりますが、県当局あるいは労組等から出ました資料等もこれを用い、また国会議員の方からいろいろお話を伺つた事情等も参考にいたし、この作業をやつた次第であります。まあ科学的と申しますけれども、この地域給につきましてはなかなかこれがきめ手であるというようなきめ手は、まことに遺憾ながらないのでありまして、従いまして各種の要素を総合勘案してやるということ以外になかろうかというふうに考えております。ただ県から出ました順位から著しく違つておるではないか、部分的にそういうものがあつたかもしれませんが、私の承知しております限りにおきましては、特に大都市の周辺地域におきまして格段の級の格差がつくというような場合は、これは適当でございませんので、県の順位表にない場合におきましても考慮を加えるというようなことをいたしておりますし、また県の順位表においては所在官署というようなことを割合無頓着に考えられておる向きがあつたのでありますが、われわれはこの制度の円滑なる運営をはかりたいという所存から、そういう場合に県の順位表で下にあつたものも、これに級地をつけるというようなこともいたした次第であります。なおお許し願えれば次会等に資料等ももちまして、御説明させていただきたいと思います。
  45. 長正路

    ○長委員 人事院独自の調査全国的に行き渡らないことは、これはわれわれも了承するのですが、そうであるだけに勢い文書による、資料による調査、あるいはそういうものを基礎にしてやらざるを得ないことに結果はなると思います。そういたしますると、この県の人事委員会やあるいは執行部や、労組などから提出された資料の価値が、ますます高くなつて来るわけであります。そういう資料と今度発表された内容とが、著しく食い違つておるということは、われわれがとうてい納得しがたいところであります。今御説明がありました中で、たとえば人口の密集しておる大都市に近い、距離的な関係を非常に重視して、そして実際に物価指数とか、そういうものが軽視されている、そのためにアンバランス是正をやろうとしたことか、逆にむしろ不均衡をますますはなはだしくしておるという点か、私の知つておる限りにおいては多々見受けられる。こういう点については後ほど資料を提出して、そしてもう一ぺん綿密な調査を願いたいと思うのです。  市町村合併か行われて、そのために新しく市域に入つたゼロ級の町村は、大体見ますと最低一級地まで引上けられておるようであります。ところが新市域の市町村合併による偏向是正にとらわれ過ぎた結果合併をしなかつた、そして従来はなはだしく不均衡であつたところがおろそかにされておりはせぬか、そういう気がするわけです。これは私、きよう資料をいただいたので詳細に検討をするひまがありませんけれども、私が見ましたところで、たとえば従来ずつとゼロ級地でありまして、昨年の十二月にようやく一級地に引上げられた、そして正月にまたこれがゼロ級地に還元された、その私の知つておる村は炭鉱地でありまして、そこはほとんど人口の九割までが炭鉱の従業員及びその家族であります。私の県では、ほとんどそう炭鉱で立つておるような村の級地を見ますと、現在の最低二級地、最高四級地、こういう状態で、そこは筑豊の炭鉱地帯とは非常に距離的にも離れておりますので、ちようど忘れられたようなかつこうでおりまして、これを見ますと依然としてゼロ級地であります。これは県でも、県の人事委員会でもそのランキングが一番上に出ておつた。ところがこれについてはまつたく顧みられておらない。そういう点を見ますと、いわゆる人事院の科学的調査というものは、はなはだ私はあやふやなものだといわざるを得ないのでありまして、そういう点で再検討をする余地は多分に私はあると思うのです。そこで私がお伺いしたいのは、町村合併による級地是正、それから一般の不均衡是正と、それがどういうふうに調和を保たれておるのか、その点についてであります。
  46. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 町村合併の問題に偏していないかという御質疑でございますが、町村合併促進法の趣旨もございますし、また同一行政区域の中におきまして、級地が異なつているということは、職員の人事交流にたいへん支障があるという事実もあるわけでございます。ことに学校の教職員の場合にその例か著しいのでございますが、われわれがやりました作業におきましては、今回一級地になりましたものが約千三百くらいございますか、その中の五十四、五パーセントというものは町村合併のためでない独自のものでございまして、その残りかおおむね町村合併によりまして自動的に上つた、このような割合になつております。
  47. 長正路

    ○長委員 この勧告案作業がされております間に、われわれが仄聞するところによりますと、昨年暮れにゼロ級地から一級地、さらに正月にゼロ級地に返つたところは、今度は引上げ対象には考えないのだというようなことを聞いておつたのであります。そういう基本方針であればしかたがないと実はわれわれもややあきらめたかつこうでおつたわけです。ところがただいま申しましたように。町村合併によつてたくさんそういうところが引上げられた。今瀧本局長お話を伺うと五十何パーセントがそれ以外のいわゆるゼロ級地から引上げられたというのですが、私は具体的に申し上げるとどうかと思いますが、一例をあげますと、福岡県の宝珠山という村か、秋が先ほど申しました炭鉱の工員と家族でほとんど九〇%を占めている。大分県との境にある僻村、この村は私は県の人事委員会や人事課に行つて、こういうところを陥没しておくということは、県の人事委員会の不始末ではないかと言つて指摘しました結果、初めてそのときに気かついたようで、福岡県の第一位に上げておられるが、これを見ますとそれは入つておりません。そういたしますと、県の人事委員会資料などを参考にしたとおつしやるけれども、一体どれを参考にされたのか、われわれとしては納得に苦しむわけであります。そういう点について問題がはなはだ具体的でありますか、ちよつと伺いたいと思います。
  48. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 問題が非常に具体的でございますし、本日ここに資料を持つておりませんので、この次調べましてお答え申し上げたいと思います。
  49. 長正路

    ○長委員 次に勧告の時期についてでありますが、勧告全国的に非常に強い要望があつたのでありますが、われわれも人事院にお百度を踏んで督促し、お願いして参りました。ところが一月以来今にもするするといつて、だんだん引延ばされて来て、ようやく勧告案が発表されたのは二十九日であります。国会もいよいよおしまいになつたようようやくこうして人事委員会を開いておりますけれども、これを審議する時間的余裕はまつたく与えられておらない。そういうようなことがたまたま行われたならば、われわれもこれはやむを得ないとあきらめますけれども、初めから国会のいよいよ幕切れのどん詰まりに勧告をするのだということは、決勝点がきめられておつて勧告されるということは、はなはだどうもその勧告それ自身に不純性を感じさせるのであります。その時期がなぜこんなに遅れて来たかについて見解をお伺いします。
  50. 神田五雄

    神田政府委員 ただいま勧告か遅れたことにつきまして、何か特殊の意図のあるようなお含みのある御質問のようでありますが、実際問題としまして市町村合併がたくさん行われましたので、その後の調査においてこれを取入れることが絶対必要と考え、結局遅れることになつたわけでありまして、ぎりぎりということをおつしやいましたが、人事院といたしましては、ほんとうに徹夜までして間に合したような状態でございまして、決してある意図のもとに延ばしたということはないのでございます。
  51. 長正路

    ○長委員 先ほど神田人事官か、瀧本給与局長か忘れましたが、勧告案をいかにして予算上して実現して行くかという方途について御質問があつた際に、一日も早くこれが実現することを期待しているというような御答弁があつたようであります。これは当然のことでありまして、期待しない勧告案などはまつたく絵に描いたもち同然で、こんなものは発表しないがよろしいのであります。そこで私は、もちろん勧告をするからには、これが完全実施をされるという目標のもとにやられておるものだと思います。なぜなら、最初、聞くところによりますと、予算総額大体百億程度の案もあり、あるいは今日の案もあり、一案、二案、三案とあつたというふうに伺つております。それがいろいろな経路を経て、現在の案におちついた結果から見ましても、当然遠からす予算化されるという目標に立つておられるのだと思うわけであります。政府がはたしてこれを全面的に実施するやいなや、あるいは予算化するかどうか、これについては、われわれとしてもはなはだしく危惧の念を抱かざるを得ないのであります。予算を獲得するために人事院としてどういう方法を政府に対してとられる考えであるか、その点をお伺いします。  それからもう一点、これは先ほど森委員からも御質問があり、ほかの委員の方々からも多々出ておりましたように、この勧告案の内容については、まだまだ不備な点がたくさんあるようであります。われわれもたくさん意見を持つているわけであります。この委員会において当然修正の意見がたくさん出て来ると思いますが、これに対しての人事院の意見をこの際伺つておきたいと思います。
  52. 神田五雄

    神田政府委員 これを予算化することにつきましては、政府に対して極力説明し、納得、理解を得るように努めたいと思います。  それからこの修正の問題でありますが、これはもちろん国会権限があるわけでありますから、人事院としてはとやかく言うべき筋合いのものではないと思います。
  53. 川島正次郎

    川島委員長 暫時休憩いたします。     午後三時二十四分休憩      ————◇—————     午後三時三十八分開議
  54. 川島正次郎

    川島委員長 休憩前に引続き会議せ開きます。  この際お諮りをいたします。勤務地手当制度等について、閉会中もなお審査を続けるため、小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 川島正次郎

    川島委員長 御異議なければ、小委員会を設置することに決しました。  なお小委員会の名称、員数、小委員長の選任及び閉会中における小委員補欠選任等は、すべて委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 川島正次郎

    川島委員長 御異議なければさように決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時三十九分散会