○
山口(好)
委員 修正案を
提出いたします。まずその
案文を朗読いたします。
特定の
公務員の
営利企業等への
関与の
制限に関する
法律案に対する
修正案
特定の
公務員の
営利企業等への
関与の
制限に関する
法律案の一部を次のように
修正する。
第三条の見出し中「
禁止」を「
禁止又は
制限」に改め、同条に次の
但書を加える。
但し、
内閣の
承認を得た場合は、この限りでない。
同条に次の一項を加える。2
前項但書の
規定は、前条第三号に掲げる
特定の
公務員には、
適用しない。
これが
修正の
案文でございます。
修正につきましての、
提案の
理由を簡単に説明いたします。
この
中村君外十九名
提出の本
法案でございまするが、これにつきまして、われわれ検討いたしましたる結果、この
修正を必要とするというふうに考えました。その
理由は、現在なおその効力を存しまするところの
官吏服務紀律の
趣旨に徴し、及びこれら本
法案に列記せられておりまする
特定の
公務員の性格から考慮いたしまして、なお憲法上に掲げられておりまする
自由権の
尊重の
精神からいたしましても、
原案のごとく、特に第三条におきましてあげておりますように、
私企業の
兼職につきまして、全面的に
禁止をいたしておるという
規定は、少しく行き過ぎであ
つて、妥当でないと考えるからであります。
官吏服務紀律の
規定を検討いたしまするのに、
官吏は
本属長官の
許可を得るに非ざれば、
私企業その他報酬を得て、他の職をかねることができないということが
原則に相
なつておりますので、すべての
官吏につきまして、こうした
原則の
規定が設けられる。またその他
一般の
公務員についてみましても、やはり
本属長官の
許可を得れば、これらの
兼職ができるというふうに相
なつておりますので、これらの
精神から見まして、なおここに掲げてありまする
特定の
公務員というものは、大体において
特別職である。やはり相当
事業をや
つておる
有能達識の士だからして、こういう
地位につける必要も生じます。大使、公使などについても、またそうした
財界人を抜擢するというような現実の必要も生じまするので、
個々に深く検討いたしまして、この
修正案を
提出いたした次第であります。
なお
人事官及び
検査官につきましては、すなわち第二条の第三号にあげておりまするこの両者につきましては、その職務の本質上、これは
内閣の
承認を得るときには
私企業の
兼職ができるというようなことは妥当でありません。全面的にさような他の
兼職につくこと、あるいは
私企業を営むことはできない。こういうふうに、
個々にこまかく検討いたしました結果、
人事官、
検査官については、その
但書を
適用いたさないということにいたした次第であります。この
法案が
提出せられました動機は、
提案者も説明されておりますように、近時
汚職事件なども頻発いたし、どうしても
大臣、政務次官その他についてもこうした
規定を高く掲げる必要がある。しかしこれはもとより道義的な問題であ
つて、罰則をつけないというようなことも言
つておるようなわけでありますが、
汚職事件が頻発するからとい
つて、かような
規定を、これに備うべくつけるということは、
法律を制定いたしまするほんとうの
精神から考えますと、妥当でないと思います。やはり恒久的に考えまして、また
人権尊重、
自由権の
尊重、その他これらに関する
各種法律、
規定とも
比較対照をいたしまして、冷静に、どこから見ても、かくあるべきであるというような
法律をつくることが、最も妥当であるという見地のもとに、ここに冷静に判断をいたしまして、どこから見ましても、非難のないように、妥当な
規定をいたしたいというところから、この
修正案を
提出いたした次第でございます。どうぞ各党の全面的な御賛成を願いたいと思います。