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櫻井委員 そういうふうな
観点に立ちますと、今の
人事院の持
つておる強い
独立性をわざわざ剥奪をしまして、
形式の上からこれを
総理府の一部局の中にとじ込めてしまうというようなことは、片方の面、
公務員に対する
利益保護機関であるという面を軽んじて、人事
行政機関という面だけを強調されておるというふうにしか受取れないのです。
人事院のあり方そのものが、八十万ですか、五十万ですか、その家族を含めて数多い
公務員の人
たちの生きる
権利、彼らが当然
人間として受ける
権利を守る機関である、そういうことをあなたもよくおわかりのようでありますから、それを強調されるならば、私は現在の
人事院のあり方が正しいと思う。もちろんこれは占領下の立法でございました
関係上、現在の
公務員法が
一つも欠陥がないというふうには私は
考えておりません。これはやはりいろいろ改める点はあるでありましよう。しかしながら根本的なもの、
人事院の持
つておる大幅なる
独立性を奪い去
つて行くということはこれはどうしても納得できない。特に民主主義の発達した
国家においてそういう
公務員の
利益がまず
考えられなければならないということは当然のことであります。
政府はもし今次
改革案を企図されるならば、まずそこに思いをいたすべきであつたのが私は当然と思うのであります。それをただいたずらに
制度の上からかつこうをつけるということのみ強調されて、片方の面が忘れられ、しかも
制度上の難点を云々されておりますが、この
改革の中には、
先ほど私が指摘しましたように、
はつきり矛盾がある、
現業と
非現業のごとき問題もそれです。そういうふうに整備されるならば、そのような矛盾というものも十分解決をつけて、その上で系統を立てたりつばな案として出されるならば、われわれはこれを了承するのでありますが、今度の
改革案はまことに一夜づけの、何だか鐘たいこ入りで宣伝した行政
機構改革というものをどうしても強行しなければならぬというので、一番弱いところの
人事院と警察、こういうふうなところに勢力が向つたというふうにしか解釈されない、こういう点は非常に問題として残るのであります。私どもはこのような
改正案というものは全面的に納得ができない。
それからもう
一つ、これはこの前の
委員会におきまして、受田君がそこに論点をしぼ
つて質問されたのでありますが、これはもうここで私は繰返す必要はないと思います。今のような
独立性の強い
人事院が持
つておる
人事院規則、これによ
つて特に問題点となりますのは、自由党が総力をあげて今次
国会に通過を企図しておられますところの教
職員の政治的活動の禁止であります。これは本来全然系統の別であるところの地方
公務員の政治的自由を奪
つて、
国家公務員法の中のあの
人事院規則を
適用するというようなまつたくでたらめの法案でございます。これはこの
人事院規則の中にあのような
基本的人権を大幅に奪
つておるような政治行為の禁止をやることがはたして妥当であるかどうか、この点においてはまだ大いに問題があります。あれは違憲的立法といわれておるが、それはここに
関係がありませんので、一応問題は別といたします。しかしとにかくあのような
人事院規則というのは、これはやはり
人事院が大幅な準
司法権、準
立法権を持
つておる、そのような上であの規則というものが制定されておる、特にあの政治的行為——一四—七ですが、あれはやはりその裏づけとしては
人事院の持
つておる準司法性、準立法性、この
独立性があるから、あれがどうにか辛うじて意義を持
つておる。しかしながらこれはまた別個の問題でございますけれども、あなた方は
人事院の
機能を大幅にと
つて、これを一
外局にしようとなさる。そうすれば、一
総理府の一
外局たるところの
国家人事委員会なるものが、あのように大きな、
基本的人権を剥奪するような規則を制定する
権限があるかどうかということです。これは今後非常に大きな問題にな
つて残
つて来ると思う。まつたく自由党の政策は首尾一貫しない。今回の
国会にかかつたところの繊維税、警察法の問題、地方税の入場税とか遊興飲食税、あれもまつたく支離滅裂です。今回のこの法案も、
片一方で教育ニ法案においてあれほどの難点を突破し、強行して、立法技術上明らかなる矛盾を犯しながらこの
人事院規則を
適用して、やつとそれが通つたかと思うと、今度はこの大事な
人事院の
権利を大幅に縮小するという。これはまつたく首尾一貫していない。
人事院が一
総理府の
外局となるならば、あのような規則というものは、当然
国家人事委員会の
権能をはずれる。あれは
はつきり法律によ
つて独立の立法をすべきものであると
考えるが、その点の
大臣の御解釈はいかがでございましようか。