○中野
委員 そうでしよう。参議院議員であると同時に、
昭和二十二年に一ぺん当選した人なんですから。しかし、先ほど田渕君の御
質問の中で、私は途中から聞いてよくわからなか
つたが、あなたは佐賀県だとかなんとかおつしや
つておられる。この人は
全国区ではなく、鹿児島県選出の参議院議員です。そうしてみますと、何もあなたのところに頼みに行かなくてもいい。選挙の応援はあなたができるわけじやない。あなたがどんなに雄弁家かどうか知らないけれ
ども、まさか鹿児島の演説を頼みに行くわけでもないでしよう。結局帰するところは金なんです。金の援助が
幾らかなくちやならない。それから、私はただ漠然とそう聞くんじやないのです。西郷吉之助君は
保全経済会とは相当深い
関係がある。今度西郷君は任意出頭で今取調べを受けております。大体造船の件という形をと
つておりますが、その実質は
保全経済会から出た金の問題で取調べを受けております。その
内容はここで申し上げる必要はないと思う。というのは、か
つて保全経済会の経済顧問をしておられた松本信次君は、この
委員会の
証人として出て、井上俊吾君から明らかに聞いたことであるが、西郷吉之助君に立法化を依頼し、西郷君はこれを快諾して運動してくれておるということを
証言しておる。西郷君が今度の取調べを受ける過程においては、私は当然この
保全経済会の金銭収受の面についてでなくてはならぬと考えておる。しかも、西郷君が実際上の立法化を参議院側において引受けたという事実は、その一事ばかりではないのです。他の
証人の
証言の中にもあるのです。もしお疑いならば、ここに速記録があるからごらんに入れてもけつこうです。
従つて、直接依頼するのは
ちよつと変だとは思うけれ
ども、参議院議員の西郷吉之助氏に頼んでおるということを確かに聞いておる。さらに、田渕君の
質問に対して、重ねて、確かに西郷さんは立法化を引受けてくれておるということをここで申し上げられるということを言うておる。西郷君と
保全経済会との
関係は因縁浅からざるものなんです。その方が
保全経済会と密接な
関係にある不二
林業のあなたをたずねる限りにおいて、常識から考えてもおかしい。選挙区はま
つたく違う。
全国区ならばあなたのところにお願いに行くということも常識なんです。しかし、しからざる佐賀県の方に——しかもあなたの
会社は東京にあ
つて、あなたの
事業主体は三重県にある。そう考えて行きますと、何も鹿児島県の西郷君があなたのところに選挙の応援を頼みに行
つたり、あいさつに行
つたりする必要はない。私も選挙の方では相当ベテランのつもりです。忙しい最中に全然
関係のないあなたのところに行くのは、少くとも金銭上の応援とか何らかの
関係がなくちやならないわけです。これは、あなたがどういうふうにおつしや
つても、一般的な、客観的な常識でそういうふうにとらざるを得ない。こういうことを
証人として言うことはあまり好ましくないかもしれませんけれ
ども、初め
宣誓なす
つたように、良心に
従つて真実をお互いに述べていただかなければならぬ。あなたもいつか検察庁の調べを受けられたか、あるいはこれから受けられるかは知りませんが、
保全経済会の
関係会社として当然一つの取調べ過程に入らなければならぬ人なんですから、その節、検察庁あるいは警視庁において言われることと、この
委員会において言われることが食い違
つておりますと、それぞれの
手続をいたしますれば、ただちにそのことが偽証となるおそれがあるのであります。だから、率直に私はお聞きするのです。金銭上の授受の
関係があ
つたかどうか、あるいは西郷君が金銭上の応援をあなたに求められたか。但し、あなたが応ぜられたか応ぜられぬかは別ですよ。けれ
ども、求められたことがあるかどうか。どうも先ほどからのお話では、常識論としては納得できないから、重ねて伺いたいと思います。