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1954-03-18 第19回国会 衆議院 行政監察特別委員会 第11号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十九年三月十八日(木曜日) 午前十一時十三分
開議
出席委員
委員長
塚原
俊郎君
理事
高木 松吉君
理事
田渕 光一君
理事
長谷川 峻君
理事
中野 四郎君
理事
山田
長司
君
理事
小林 進君 天野 公義君 鍛冶 良作君 鈴木 仙八君
瀬戸山三男
君 高橋 英吉君 山中
貞則
君 橋本 清吉君
久保田鶴松
君
古屋
貞雄
君 佐竹 新市君
杉村沖治郎
君
矢尾喜三郎
君
委員外
の
出席者
証 人 (
東京国税局
長)
脇阪
實君 —
——
——
——
——
——
——
本日の
会議
に付した事件
保全経済会等特殊利殖機関
に関する件 —
——
——
——
——
——
——
塚原俊郎
1
○
塚原委員長
ただいまより
会議
を開きます。 前会に引続き、
保全経済会等特殊利殖機関
に関する件について
調査
を進めます。ただちに
証人
より
証言
を求めることにいたします。 ただいまお見えにな
つて
おられる方は
脇阪実
さんですね。
——
あらかじめ文書をも
つて
御
承知
の通り、正式に
証人
として決定いたしましたから、さよう御了承願います。 これより
保全経済会等特殊利殖機関
に関する件について
証言
を求めたいと存じますが、この際
証人
に申し上げます。
保全経済会
は、
全国
に二百箇所以上の店舗を有し、
出資総額
約四十五億円、
加入者
は約十五万に達する特異な
利殖機関
でありまして、従来その
業務
の
運営
につきましてはとかくの風評があ
つたの
でありまするが、昨年十月二十四日突如として
全国
一齊に
臨時休業
に入
つたの
であります。この
休業
に立ち至
つた
事情
につきましては
世上幾多
の疑惑と関心を有する向きもあり、また一方これら類似の
特殊利殖機関
の累増を見た今日、これら
特殊利殖機関
の
業務運営
の
実態
を明らかにし、かつこれら
特殊利殖機関
に対する
関係官庁
の監督の当否につきまして
調査
を進めることは、国の
行政
が適正にしてかつ能率的に行われておるかどうかを監察し、も
つて
立法その他国政の審議に資するため
行政
の
運営上障害
とな
つて
おる各般の
事情
を総合的に
調査
しかつその
責任
を
調査
する本
委員会
の使命にかんがみ、きわめて有意義なりと
考え
、本
委員会
は本件の
調査
をいたすことにな
つた
次第であります。
証人
におかれましては率直なる
証言
をお願いいたします。 それでは、
保全経済会等特殊利殖機関
に関する件につきまして
証言
を求めることになりますが、
証言
を求める前に
証人
に一言申し上げます。
昭和
二十二年
法律
第二百二十五号、議院における
証人
の
宣誓
及び
証言等
に関する
法律
によりまして、
証人
に
証言
を求める場合には、その前に
宣誓
をさせなければならないことと相な
つて
おります。
宣誓
または
証言
を拒むことのできるのは、
証言
が、
証人
または
証人
の
配偶者
、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または
証人
とこれらの
親族関係
のあ
つた者
、及び
証人
の後見人または
証人
の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある
事項
に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき
事項
に関するとき、及び
医師
、
歯科医師
、薬剤師、
薬種商
、産婆、弁護士、
弁理士
、
弁護人
、
公証人
、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあ
つた者
が、その職務上
知つた
事実であ
つて
黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には
証言
を拒むことはできないことにな
つて
おります。しかして、
証人
が正当の理由がなくて
宣誓
または
証言
を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ
宣誓
した
証人
が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとな
つて
おるのであります。一応このことを御
承知
にな
つて
おいていただきたいと思います。 では、
法律
の定めるところによりまして、
証人
に
宣誓
を求めます。御
起立
を願います。
宣誓書
の御
朗読
を願います。 〔
証人脇阪実
君
朗読
〕
宣誓書
良心に
従つて
、真実を述べ、
何事
もかくさず、また
何事
もつけ加えないことを誓います。
塚原俊郎
2
○
塚原委員長
それでは
宣誓書
に
署名捺印
してください。 〔
証人宣誓書
に
署名捺印
〕
塚原俊郎
3
○
塚原委員長
これより
証言
を求めることになりますが、
証言
は
証言
を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、その都度
委員長
の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから
質問
をしておるときは
おかけ
にな
つて
いてよろしゆうございますが、お答えの際は御
起立
を願います。
脇阪証人
が
東京国税局長
に就任されるまでの経歴について簡単にお述べ願います。
脇阪實
4
○
脇阪証人
昭和
八年学校を出まして、四月
大蔵省主税局
に
大蔵属
として就任いたしました。ついで
昭和
十年
司税官
、
金沢税務署長
、
昭和
十一年七月
神田橋税務署長
、十二年六月
大蔵事務官
になりまして、
大蔵省主税局勤務
、ずつと
主税局
におりまして、
昭和
二十年二月
経理課長
、三月同じく
主税局
第三
課長
、同じく六月
主税局国税
第二
課長
、
昭和
二十二年七月
主税局
の
国税
第一
課長
、
昭和
二十三年七月
主税局査察部長
兼
国税
第一
課長
、
昭和
二十三年十二月
専任主税局査察部長
、
昭和
二十四年六月
関東信越国税局長
、
昭和
二十七年十二月末であります。
東京国税局長
にな
つて
、現在に及んでおります。
塚原俊郎
5
○
塚原委員長
税の畑以外にどこへも行
つた
ことはありませんね。
脇阪實
6
○
脇阪証人
どこへも働いておりません。
塚原俊郎
7
○
塚原委員長
脇阪
君が
東京国税局長
になりました前の
前任者
はどなたでしたか。
脇阪實
8
○
脇阪証人
前任者
は現在の
大蔵省主税局
の
渡辺主税局長
であります。
塚原俊郎
9
○
塚原委員長
今問題にな
つて
おります
保全経済会
に対しまして、
税務当局
としてはどういう
見解
のもとに、どういう
課税
をしておられたか、御
説明
を願います。
脇阪實
10
○
脇阪証人
保全経済会
その他のいわゆる
特殊金融機関
というものにつきましては、御
承知
のように
二つ
の
形態
があるわけでありまして、
一つ
は
株主相互金融
というものがあります。もう
一つ
は、今
保全経済会
のようにいろいろ問題になりまして、今日
匿名組合
に準ずるものであるという
解釈
をしておるものがあるわけでありますが、
保全経済会
はその
匿名組合
に準ずるものとして現在
考え
ておるわけであります。しかし、事ここに至りますまでには、なかなか
法律
上の
性格
について問題があ
つた
わけであります。御
承知
のように、
保全経済会
がほんとうに
保全経済
らしくや
つた
というのは、私の記憶によりますと、
昭和
二十五年ごろからであると思うのであります。それがだんだん発展して参りまして、
出資金
がふえて来る。
出資金
がふえて来るということにな
つて
問題が起
つた
わけでありますが、これのまず
法律
的な問題について申し上げますと、何しろ新しい
一つ
の特殊な
形態
でありますので、これを
税法
上どう扱うべきものであるかということについていろいろ議論があ
つた
わけでありまして、私の聞いておるところでは、
昭和
二十六年ごろからいろいろ
研究
をしてお
つたよう
であります。その後だんだん行きまして、
昭和
二十六年分の
所得
の
申告
あるいは
昭和
二十七年分の
所得
の
申告
というようなことにな
つて
参りまして、いろいろどうも社会的にも大きいものでありますし、何としてでもこれの
解釈
を決定しなければならぬというので、
昭和
二十七年の終りごろからであ
つた
と思いますが、いろいろ
研究
いたしましてや
つた
わけであります。 一応その問題を
考え
てみますと、その
保全経済会
の
定款
、
約款
、その他
投資案内書
に用いられている
言葉
というものはかなり漠然としたものでありまして、これをどう
解釈
するかということがなかなか問題に
なつ
おるのであります。しかも、
商法
の
匿名組合
というのの
規定
は、
強行規定
でなてく、むしは
解釈規定
のように
考え
られるわけであります。
保全経済会
の
定款
第一条によりますと、
商法
第五百三十五条ないし五百四十二条の
規定
に基き
設立云々
という
言葉
があると思うのであります。そうして、第五条でありますか何かに、やはり
匿名組合
という
言葉
も使
つて
あると思います。それで
匿名組合
とされていますが、その名目にかかわらず、それが
匿名組合
でないということになれば、それは
匿名組合
でないということになるわけであります。それが
一つ
の問題であります。 それから、次に、
保全経済会
においては、御
承知
のように
配当
を行
つて
おるわけでありますが、これは
定款
ではなくて普通の
契約
と見るべき
約款
に
配当
するということが記載されております。
利益
の確定以前、しかも個々の
契約
によ
つて随時
に
配当
を支払
つて
おるということで、この
性格
は一体どういうように見るべきものであるか、
利益
が確定しない前に
配当
を払
つて
しまうということの問題であります。 それから、次は、
保全経済会
は
利益分配
をしないとは書いておりません。しかし、実質上は、
契約期間
は三箇月でありますが、
契約期間満了
の際には
決算
も何もしないで単に
元本
を返しておる。
配当
はむろんや
つて
ありますが、
元本
を返してしまう。この場合にもし
保全経済会
が
利益
の配分というものはしないのだといいうことになれば、
消費寄託
であるとかあるいは
信託
というようなことに
解釈
されると思うのでありますが、
利益
は分配しないとは書いてありません。それが問題であります。 それから、その次は、
現金出資
が非常に多いわけでありますが、そのほかに
株式出資
があります。その場合、
株式
を出資いたしますと、
契約
が満了すると返すわけでありますが、その場合に株が値上りしておるというと、その
一定率
を
保全経済会
がとることにな
つて
おる。
現金出資
の場合は、今申しますように、
利益
があ
つて
もなくても
配当
を出して、
あと元本
を返しておるのでありますが、この
株式出資
の場合は値上りした場合に
配当
するということにな
つて
おる。これをどう
考え
るか。 その次は、
保全経済会
の
理事長
あるいは
理事
ということが
定款
に
役員
として書いてあるわけでありますが、一体
役員
と
組合
とどういう
関係
があるのかというようなことがいろいろ問題にな
つた
わけでありますが、
最後
の大体の
結論
といたしましては、最初に申し上げましたように、
匿名組合
に準ずるものであるというように今
考え
てるわけであります。 この場合に、
保全経済会
をどういうふうに
考え
るかというようなことについて、三つの
考え
方があ
つたよう
に聞いております。すなわち、
匿名組合
であるという
見解
もあ
つたの
であります。それは、
保全経済会
の
定款
に
匿名組合
という
言葉
も書いてございますし、両当事者の意思をそんたくして、一番、何といいますか、すなおな
解釈
と申しますか、そういう
見解
であります。それから、いやそうではないのであ
つて
、これは
消費貸借
あるいは
消費寄託
であるというような
見解
もあ
つたよう
に聞いております。それは、
約款
から申しますと、生産もしないで
一定
の
配当金
を配る、これは、たとえば預金の利子でありますか、そういうものに当るような、つまり
消費寄託
である、こういう
解釈
であります。それから、三番目にはそうじやないんだ、これは
信託
の
契約
だ、
一定
の財産を
信託
して、そうしてその
利殖
をはか
つて
おるのだというような
解釈
があ
つた
わけでありまして、この
最後
の
信託
ということは、特に
株式出資
の場合に値上りがあ
つた
らその一部をやるというようなことを強調した立場とも
考え
られますが、そういう
見解
があ
つたよう
に思いますが、先ほど申し上げましたように、現在といたしまして、われわれは
匿名組合
に準ずるものである、かように
考え
ておるのであります。 そこで、話は前後いたしましたが、どういう
調査
をしてどういう
課税
をしてお
つた
かということを申し上げたいと思うのであります。 さいぜんも申しましたように、何しろ特殊の
形態
の
利殖機関
でありますので、十分に
研究
を要するというわけで
研究
をしてお
つた
わけでありますが、まず
昭和
二十五年分以前については、
伊藤理事長
も別に
申告納税
の実績はございません。これは
源泉
で
課税
してお
つた
と思いますが、それは一括して職員と一緒に入
つて
るだろうと思いますが、一年
別徴収簿
がすでにないので、その詳細はわからぬのでありますが、そこに入
つて
ると思います。
昭和
二十六年の
所得税
の問題につきましては、これは
昭和
二十六年度の後半のように聞いておりますが、これはもともと日本橋の
税務署
の所轄であ
つた
と思うのでありますが、
税務署
で
調査
いたしましても、これはなかなか重大な問題で、しかも
全国発
に大きい
機関
でありますので、これはとうてい
税務署
ではできまいというのでも
つて
、
国税局
も
調査
したように思います。
調査
して、これではいかぬというので、
昭和
二十七年一月十七日に、
昭和
二十六年分について
国税局
の
調査課
の
所管
に
指定
をいたしておりますが、
昭和
二十六年分についてまだこれがどういう
性格
のものであるということが確定しておりませんので、
申告
を待
つて
お
つた
わけであります。そして、
昭和
二十七年三月二十日に
伊藤理事長
の
申告
が
申告票
によ
つて
出ております。それは
全額給与
でありまして、
総額
百三十九万四千二百円、
扶養控除
五万一千円、
基礎控除
三万八千円、
課税
総
所得金額
が百三十万五千二百円ということで、その
税金
が五十七万八千七百五十六円、
源泉
で徴収せられた
税金
が九万四千四百四十円、
差引
四十八万四千三百十六円の
納税
ということになるのでありますが、その
税金
については、
昭和
二十七年四月十二日に三十八万八千二百十六円、同年六月十日に九万五千九百円それぞれ納付されております。これは、今申しましたように、一応
申告
を待
つて
適正なる
課税
をするという建前でお
つた
わけであります。
昭和
二十七年分の
所得税
についても、やはり
国税局
の
調査課
でやらなければいかぬということで、
昭和
二十七年十月十五日、
調査課
の
所管
に
指定
を受けております。そして二十七年分については二十八年三月十六日に
申告
がありました。やはり
全額給与
ということになりまして、八十五万二千六百五十円、
社会保険
などの
控除
が一万八十円、
扶養控除
が五万円、
基礎控除
が五万円、
課税
総
所得金額
が七十四万二千五百円、その
税金
が二十六万九千六百二十五円、
源泉
徴収した税額が二十五万五千八百円、
差引
一万三千八百二十五円の
税金
を納めるということについて
伊藤理事長
から
申告
が出ており、これは
納付済み
にな
つて
おります。ところが、その後
伊藤
さんから、これは
間違つて
お
つた
というので更正の
請求書
が出ております。それによりますと、総
所得金額
が赤字で千九百三十六万五千九百二十八円、
従つて税金
はないということにな
つて
、過納が七十二万五千二百二十円ということで、つまり直してくれという
請求
が出ております。これは、
昭和
二十七年時分にはまだ
性格
がはつきりきま
つて
おりませんでしたので、
申告
を徴したわけでありますが、その
申告
に対してわれわれはどうであ
つた
かと申しますと、さいぜんも申しましたように、二十四年分以前については今
調査
しておりますけれ
ども
、二十五年分は
源泉
に入
つて
おるのではないか。それも
調査
を要するかと思いますが、今は出ておりません。二十六年分以降については、さいぜん申したように、一月十七日
指定
をいたし、だんだん
調査
に着手して、同時に
保全経済会
の
性格
を確定したいと
考え
てお
つた
わけであります。しかし
営業実態
や
課税法
にはさいぜん申しますように疑問が多い。また
保全経済会自体
の
営業
による損益の計算も、非常に大きい組織にな
つて
おりますし、同時に
決算期
がたしか五月と十一月だ
つた
と思いますが、そういうわけで、
所得税
と合
つて
いないということにな
つて
、二十六年分は一応
伊藤
氏の
申告
を待
つて
お
つた
わけで、一応これは是認しております。ところが、二十七年分につきましては、さいぜん申し上げましたように、十月十五日に
指定
して、ずつとさかのぼ
つて
調査
するようにいたしまして、
昭和
二十七年十一月にいよいよ瀬踏み的な
調査
として、
定款
、
約款
あるいは
契約
の
方法
、
投資状況
、
利益
の
処分方法等
について
調査
をや
つて
来たわけであります。それを
国税庁
へも
中間報告
を出して、この
法律
的な
性格
を早くまとめてもらうようにというので、いろいろな
調査
をや
つた
わけであります。それからだんだんたちまして、翌年の三月三
日付
であると思いますが、
国税庁長官
から
通達
が参りまして、
保全経済会
は
伊藤斗福個人
を
営業者
として各
出資者
を
組合員
とする
匿名組合
またはこれに準ずるものと推定されるから、
伊藤斗福個人
については主として
事業所得
、つまり
有価証券
及び不動産を売買する
営業
ということになると思いますが、各
出資者
については
所得税法
の
基本通達
百六十四の但書によ
つて雑所得
に属するものという推定のもとに
調査
を行うものとするという
指示
がありましのたで、それからいよいよ
国税局
におきましても
調査
を徹底するようにいたしまして、
昭和
二十八年四月に今までより徹底するために、
調査課長
を
保全経済会
に出しまして、
伊藤斗福
氏に対して
調査課
が
調査
上必要とする書類の開示を求めた。そこで、
国税庁
の
指示
に基きまして、
保全経済会そのもの
の
性格
を把握するために
質問書
を出しております。それに対して
伊藤理事長
は一応了承いたしまして、
質問書
に対しては四月二十七日に回答が来ております。
塚原俊郎
11
○
塚原委員長
保全経済会
に対して
本格的調査
を開始したのは二十七年ですか。
脇阪實
12
○
脇阪証人
本格的にと申しますか、だんだん
調査
を密にして参
つたの
は二十七年の後半じやないかと思います。
塚原俊郎
13
○
塚原委員長
古屋貞雄
君。
古屋貞雄
14
○
古屋
(貞)
委員
ただいま
証言
を承りましたが、二十六年から
調査
されて、二十七年、二十八年かか
つて
明確な
法律
上の
解釈
ができたのでありますか。どうも、私
ども
から
考え
ますると、少くとも
税務署
が
税金
を課す場合には、その容体であるところの
保全経済会並び
にこれに類似する
機関
に対しては早く規制づけなければならぬ
責任
があると思う。いずれにしても、
事業
をしておるのでありますから、
所得税
の対象にならなければならぬが、その
性格
をきめるのに二十六年から二十七年までかかるということについては、私
ども
は納得行かないのでございますが、何か特殊な
事情
でもございましたか。
脇阪實
15
○
脇阪証人
今からお
考え
願うと多少遅れているように思いますが、何しろ新しい独特なものでありまして、
税法
において
課税
するということについては、やはり十分な
確信
と申しますか、
税法
を適用するのでありますから、その
税法規
に当てはまるということの
確信
がなければなりませんので、それでそうや
つて
お
つたの
でありまして、別に特別な何か
事情
があ
つて
遅れたという
事情
はないように記憶いたします。
古屋貞雄
16
○
古屋
(貞)
委員
非常に納得が行かなくなるのですが、絶対に特殊な
事情
がなくてそんなに長くかか
つた
ということになりまするので、それでは承りますが、ただいまの御
説明
によりますると、
保全経済会
のや
つて
おりまする
実態
は
匿名組合
に準ずべきものであると御決定されたというのでございますが、それは、先日
河野銀行局長
の
証言
によりますと、
昭和
二十八年の三月四日のときに
役所関係
の集約された
結論
であ
つた
、かようなことを申しておられまするが、そうしますと、ただいまの
証人
の
証言
によりますと、二十八年の三月四日以前にただいま
証言
されたような
結論
だけは出てお
つたの
ですか。
脇阪實
17
○
脇阪証人
ただいまおつしや
つた
点は三月四日ということだそうでありますが、私
ども
のところに来ております
日付
は、おそらく起案か何かの
関係
だと思いますが、前の日の三月三日の
日付
にな
つて
おります。
古屋貞雄
18
○
古屋
(貞)
委員
そうしますと、
税務署
では、
保全経済会
が非常に莫大な金を集めて、そうして
事業
をや
つて
いる、二十五年ごろから相当な金が集ま
つて
お
つた
ことも事実だ、さような状態にあるにかかわらず、二十五年度については何ら
課税
をしない、二十六年度についても、
課税
するにつきましては
確信
がないから
申告
を待つような
状況
であ
つた
、かような
証言
をされておりまするけれ
ども
、それで一体
税務署
では完全に
職責
を果したとお
考え
になるのですか。その点はどうです。
脇阪實
19
○
脇阪証人
さいぜん申し遅れましたが、
保全経済会
の
課税
の問題については
二つ
の問題があるわけでございまして、
一つ
は、現在と申しますか、昨年三月、
保全経済会
が
匿名組合
に準ずるものであるということを決定する前にできる
税金
はございます。それはたとえば
従業員
の俸給とい
つたよう
なものであります。それについては二十六年から納ま
つて
おりますし、また二十七年の十二月にも
監査
をしておるのでございます。それで、その
監査
によ
つて
、たとえば
源泉給与
によ
つて
追徴した
税金
が四百三十六万七百四十円というような
税金
もございますが、それはさいぜんも申しましたように、
匿名組合
であるとかないとかいうこととは別の問題でございます。それにつきましては、
税務署
も常に注意もしておりましたし、それから、今申しましたように
監査
もして遺憾なきを期してお
つたの
でありますが、
保全経済会そのもの
の今申しました
性格
をきめてもらわなければ、どうしてもわれわれとして十分公平な
課税
を行うということができないというので、その
性格
のきまるのを待
つて
お
つた
わけであります。しかし、漫然と待
つて
お
つたの
ではないのでありまして、いろいろな
調査
をしまして、そうしてその
調査
の
資料
を
国税庁
に十分連絡しまして、私は、おそらく
国税庁
は
大蔵省
と連絡してや
つて
お
つた
と思いますが、その
結論
を待
つて
お
つたよう
な
状況
でございます。
古屋貞雄
20
○
古屋
(貞)
委員
私のお尋ねしていることは、完全に
職責
を果されたと思うかどうかということなのでございますが、それでは伺いますが、とにもかくにも二十五年当時から相当
事業
をやられてお
つた
わけなんです。それから、ほかの
事業会社
に
投資
をしていることも明らかです。しからば、あなたの方でお
調べ
になりましたのは、いつからのものをどういう
ぐあいにお調べ
にな
つて
いるか。これは相当莫大な金なんです。小さい裏長屋の小商いにしても、
税務署
はまるで鬼のような仕方でこれを探し出して、そうして
税金
をかけている。これは天下に名の売れた
事業
なんです。それを三年目に
税金
をかける。これはどうも納得行かない。だから、私は、今あなた方のおやりにな
つて
いることが特別にさように延びた原因は何かと申し上げたところが、
法律
的な
解釈
だ、相手の
実態関係
だ—。これは初めから
匿名組合
とおつしや
つて
いるのです。あなたの方では初めから
匿名組合
で
おかけ
になればいいわけだ。
あと
で
匿名組合
でないということにかわ
つて
来られても
課税
は当然すべきだと思うのだ。
事業
をしていることは事実なんだ。しからざれば、
伊藤個人
の
事業
だ
つた
ら、
伊藤個人
に実際においてかければいい。何も
法律解釈
を三年待つという必要はない。だから、そこに何かの
事情
があるかどうか。
事情
がないとすれば、あなた方のや
つて
いることは非常に緩慢であ
つて
、完全に
職責
を果しておられないように思われる。だから、あなたのお
考え
では、はたして完全にやられてもこんなにかか
つたの
かどうか、その点をあらためて承りたい。これから中に入りまして
源泉課税
の問題についても私承りますけれ
ども
、まず包括的に、一体こんなに長く
研究
をしてお
つて課税
をしなんでお
つた
ということに対する
責任
、これで
税務署
が完全に
責任
を果したと言われるかどうか、この点はどうなんですか。
脇阪實
21
○
脇阪証人
さいぜんも申しましたように、その
性格
、これは
保全経済会
だけの問題でもないと思うのでございまして、
全国
に
相互金融——株式相互金融
は別としましても、
匿名組合
、
保全経済会
に類するようなものが大分あるわけであります。それを一律に何とかして
法律
的に
解釈
するということになると、
国税局
あるいは
税務署
でやるということはなかなか困難でありまして、従いまして、一生懸命
税務当局
としては
調べ
て、それでその
資料
を
国税庁
にも連絡をしまして、そしてその決定を待
つて
お
つた
というので、私は一生懸命や
つて
お
つた
と思うわけでございます。
古屋貞雄
22
○
古屋
(貞)
委員
総合的な
結論
を出す必要はないのじやないですか。
匿名組合
であるかないかは別としまして、
伊藤斗福
のや
つて
いる
事業
は、
伊藤斗福個人
の
調査
で、その仕事の
状況
、それに対する
性格
によ
つて課税
すべきものであ
つて
、
幾多
のその当時続出した
金融機関
の総合された
研究
をされて
結論
を出すという必要は何もないと私は思いますが、いかがでございましよう。
個人
々々の
事業
について
課税
するのであ
つて
、総合的にや
つて
いるのではないのですが、その点はどうなんです。今のあなたの
証言
によりますと、幾つも
金融機関
があ
つた
から、それを総合的に
結論
を出される、こうおつしや
つて
おりますけれ
ども
、従来あなた方の方の
課税
をいたします
課税
の対象となるべき
事業
については、
個人
の
事業
については個々にきめて、個々の特殊
事情
に基いて判断をして
課税
をしていると私
ども
は思うが、そうではないのでしようか。その点はどうでしよう。
脇阪實
23
○
脇阪証人
お説はごもつともでございますが、これを
匿名組合
に準ずるものとするか、あるいは
個人
の
事業
とするか、あるいは法人的なものにするかによ
つて
、経費の内容が違
つて
参ります。たとえば、
匿名組合
に準ずるものであるということになりますと、さいぜん出ております給与だとかいうものは、当然経費にそんなものは認めることはできないと思います。それから
配当金
でありますが、
配当金
も
匿名組合
に準ずるということになりますと、損金とは認められないものが、出て来ます。非常にそこに
保全経済会
の計算が
——
まあわれわれの見てお
つた
ところでは、なるほど株とか土地とかいうものは値上りはしておりますが、実際にそれをつかんでない。値上りというものは、
個人
事業
であると、
課税
はそのときは名目的なものはできない。そうして、今申しますような給与であるとかあるいは
配当金
の問題とかいうようなものは、これは経費になるかならぬか、あるいはその
配当金
をそれでは
伊藤理事長
の
所得
から引いて、
あと
を
伊藤理事長
の
所得
にするかという問題が、やはりそこに正確に
性格
がはつきりしませんと計算ができないというような状態にあるのであります。この
課税
方法
が違
つて
来るように思うのであります。
古屋貞雄
24
○
古屋
(貞)
委員
どうも私は納得が行かないのでございますが、その点は
伊藤
さん
個人
の
営業
であるのでしよう。これは、
匿名組合
と言おうとも、
匿名組合
に準ずる無名
契約
だと言いましても、少くとも
伊藤
さんの
事業
であることは間違いないと思う。どう
考え
ましても、あなたの方の
結論
する前も
伊藤
の
事業
ということは間違いない。
保全経済会
という名前は使
つて
お
つて
も、
伊藤
そのものがや
つて
おることは間違いない。ことに、あなたの言うように、そういうような無名
契約
だ、
匿名組合
に準ずる
契約
だということになればなるほど
伊藤
の財産であります。
伊藤
の財産ならば、
伊藤
の財産として
課税
をすればすぐできるわけではないのですか。これは私は、
保全経済会
の問題を
一つ
取上げてお尋ねしておるのですが、
あと
から日殖の問題も承りたいと思います。個々の
営業
、個々の
事業
について個々に対象として
課税
なさるだろうと私は思う。そうなさ
つて
いるはずであります。裏長屋の細君が小さい学校用品を売
つて
いるところでも、やはりあなたの方でやかましく
課税
しておるわけであります。天下に有名な、何億、何十億と動いておる
事業
について二十五年度に
課税
をしておらない。まず二十五年度においてや
つて
ないことは明らかです。
課税
をや
つて
おらない理由は、どこか
調査
に不行届きがあ
つたの
か、それとも
課税
すべき対象がなか
つたの
か、いかがでございましようか。二十五年度に対する
課税
はどうしてやらなか
つたの
か。
脇阪實
25
○
脇阪証人
これは、さいぜん申しましたように、
保全経済会
はたとえば店舗が多いということもありますし、いつ
調査
に行
つて
もなかなか書類の提示が十分でない。その帳簿もなかなか出しませんし、そういう
関係
で、二十六年から一応
調査
して、それからあるいは前にさかのぼろうと思
つて
昨年四月から本格的に
調査
をして行
つた
というのでござまして、
課税
しないとかいうのではございません。やろうとは思
つて
おりましたが、昨年
調査
が進んで参りましたときに、十月
休業
ということにな
つて
、一時やめなければならぬ、その後今日は一切の書類が警視庁の方へ行
つて
おるわけでありますが、そういう
関係
で滞
つて
おるのでありまして、二十五以前をむしろわれわれとしては去年からの
調査
で把握するというふうに向
つて
お
つた
わけでございます。
古屋貞雄
26
○
古屋
(貞)
委員
そうすると、二十五年度に徴収するに至らなか
つた
というのは、
伊藤
の方から
調査
を拒否してお
つた
ということを承
つて
いいのですか。拒否されてお
つて
調査
ができなか
つた
、だから
課税
しなか
つた
、こう承
つて
いいのですか。
脇阪實
27
○
脇阪証人
拒否されたかどうかということは別として、書類をなかなか提示しなか
つた
し、必ずしも協力的でなか
つた
ということは言えるわけであります。
古屋貞雄
28
○
古屋
(貞)
委員
ほかの
委員
からもおそらく出ると思うのでございますが、こんな大きな
事業
——
小さな
事業
ではないのですよ。あなた方の方の判断によ
つて
はできるはずなのです。これは
調査
をする権利を持
つて
おるのでしよう。それを一体二十五年度をほう
つて
おく。私はただあなたの方をいじめるのではないのですよ。国民が納得しないのです。これだけ大きな仕事をしてお
つて
、二十五年度には一銭も
税金
を納めない、とるような措置を
税務署
がしなか
つた
、これでは納得しませんよ。実際のことをおつしや
つて
いただきたい。やらなか
つた
らやらなか
つた
でけつこう。できなか
つた
らできなか
つた
でけつこう。そうして、昨年三月四日にはつきりあなたの方のお
考え
通りの
法律解釈
が出ました以上は、さかのぼ
つて
二十五年度の分についてもまつ先にあなた方は徴収すべき順序と
方法
を講ずべきだと私は思う。ただいまの
証言
によりますると。昨年の十月に
休業
の宣言が行われた、世間で大きな問題にな
つて
今日まで来てしま
つて
おる、そこで今やろうとしても捜査をしておるからできない。こうおつしや
つて
逃げるのだろうと思いますけれ
ども
、それでは国民が納得しないのですよ。あなたの方では権力をも
つて
調査
ができるはずなんです。
調査
をした事実があ
つた
かどうか。二十五年度について具体的にいつごろや
つた
かということを御
証言
願いたい。
脇阪實
29
○
脇阪証人
査察部には権力があるのではないかとおつしやることはごもつともです。しかし、たびたび申しましたように査察をするということになりますと、やはり十分な内偵をして、脱税があるということがはつきりする
——
しなければ困るわけでありますが、この場合は、さいぜんも申しましたように、なるほど資金はたくさん集ま
つて
おります。それから、同時に
株式
、不動産について値上りがありましたけれ
ども
、それはただ値上りがあ
つた
ということであ
つて
、キヤツシユにな
つて
いない。でありますから、はたしてこれが脱税であるかどうかという十分な査察をやるだけの
確信
が持てなか
つた
わけであります。
従つて
、査察部で手をかけるというようなことは差控えて、むしろそのいろいろな基礎的な
資料
をつかんで、そうして
課税
を適正にするというように努力してお
つた
わけでございます。
塚原俊郎
30
○
塚原委員長
脇阪
君にちよつとお尋ねしますが、先ほどの経歴のときにちよつと時期を聞きましたのですが、あなたが査察部長をなさ
つて
お
つたの
は何年何月から何年何月までですか。
脇阪實
31
○
脇阪証人
私は、査察部長は
主税局
の査察部長をや
つて
お
つたの
でありまして……。
塚原俊郎
32
○
塚原委員長
国税局
の査察部長ではなか
つたの
ですね。
脇阪實
33
○
脇阪証人
ええ。そのときは二十三年七月から二十四年の五月までであります。
古屋貞雄
34
○
古屋
(貞)
委員
どうも私は納得が実は行かないのですが、こんな大きな
事業
をや
つて
おるにかかわらず、査察ができなか
つた
、こういうことについては、何か査察のできない理由があ
つたの
でありましようか。査察のできなか
つた
理由をお伺いいたします。
脇阪實
35
○
脇阪証人
それは、できない
事情
というものは別にありませんのですが、今申しましたように、なるほどその資金は集ま
つて
おりまするし、しかも
投資
もたくさんや
つて
おりますけれ
ども
、これが脱税であるかどうかということの十分な
確信
が持てなか
つた
からやらなか
つたの
だと思います。現に、たとえば向うの資産内容を見ましても、なるほど
株式
や土地不動産が上
つて
お
つた
ことは確かなのです。けれ
ども
、それを
匿名組合
に準ずるものとすれば、そういう実現していない値上りに
課税
することは
税法
上できないのでありまして、そこに今言
つた
査察をするだけの
確信
が持てないわけであります。
古屋貞雄
36
○
古屋
(貞)
委員
株は二十六年ごろには相当値上りしているのです。あなたの方でそうおつしやるけれ
ども
、
調査
したと言いますならば、個々に当
つて
の
事業
内容を全部
調査
されたのですか。
調査
いたしたとするならば、報告書なんかはございますか。その点をもう少し御
説明
願いたい。私
ども
は、査察をしなくても
調査
を十分されたというならば、三十五年度以降今日まで三年間
保全経済会
の明細な
事業
内容の
調査
が行われておるはずだと思います。そういう
調査
をした事実と、
調査
報告書のような記録に残されたものはございますか。
脇阪實
37
○
脇阪証人
それは、さいぜん申しましたように、昨年の三月
保全経済会
を
匿名組合
に準ずるものとして、
調査
をするということにな
つて
、四月に
課長
をやりまして、それからずつと
調査
をしてお
つて
、まだ
結論
が出ておらぬのです。
中野四郎
38
○中野
委員
関連して。
課長
をや
つて
調査
が未了だとあなたはおつしやる。しかし
調査
査察部の証券業係長をしてお
つた
内田弘輔君、これは完全に
調査
査察しておるじやありませんか。そうしてこの人は
保全経済会
から約六千万円からの金を借りて六日商事というものを今や
つて
おるはずじやありませんか。
国税局
の
調査
査察部の係長が、
保全経済会
から六千万円の金をひつぱり出して、
国税局
をやめて、別に
保全経済会
と連絡をと
つて
今日六日商事というものをや
つて
おる傾向がある。しかもそこの専務には、あなたの方の係員である小川亮という人が入
つて
おるじやありませんか。今の
古屋
君の御
質問
に対するお答えの中で納得行かないのは、二十六年の十月から十一月ごろにかけて二十五年度の
所得税
を
調べ
てお
つた
ということは、明らかに内田君はこの
委員会
の下
調査
で言明をしておる。どういうわけなんですか。これは
調査
が未了であ
つた
と言うが。その
調査
をしておる査察の係官が、現にその
保全経済会
から金をひつぱり出して、そうしてその人間が別な会社をつく
つて
、今日
保全経済会
と一緒に仕事をしておるという事実に徴して、いかに
国税局
の中が乱れてお
つた
かということは言えるじやありませんか。私は、
古屋
君の今の
質問
に関連して、当時の内田君の
状況
から、あなたの方が
調査
査察をした事実について報告をする義務があると思うから、伺いたいと思うのです。
脇阪實
39
○
脇阪証人
内田君が六日商事に行
つて
おるということは、私は最近聞いたわけでありますが、六日商事はこれは
保全経済会
が
投資
しておる出資会社だと思
つて
おります。内田君は
調査
官であ
つた
と記憶します。それで、査察してお
つた
わけではないのであります。さいぜん私が
調査
が未了であると言
つたの
はどういうことかと申しますと、
匿名組合
に準ずるものとして、向うから五月、十一月の
決算
のころ年度別の
決算
を出してもら
つて
、それを検討して、そして、さいぜん申しましたように、経費は経費として、経費でないものは経費でないとしなければならぬのでありますが、その
結論
が出ていないということを申し上げたのであります。
中野四郎
40
○中野
委員
それじや、小川亮君は現在常務で、そうして
東京国税局
調査
査察部第二課の係長じやありませんか。あなたのところの係官がどうしてみんな途中でばたばたやめて
保全経済会
と関連の深いこういう会社に入られるのですか。それで
調査
が未了だと言う。
調査
をしてお
つた
人間が途中でほつぽり出してしま
つて
、局長のあなたの方に報告しないかもしれないが、自分らは全部知
つて
おるのです。
課税
すべき対象であることを知
つて
おる。知
つて
おるものを、故意にかけなか
つた
か怠慢でかけなか
つた
かは知りませんが、二十六年度以降はわかりますが、二十五念度当時の
課税
に対しては当然この係官というものは
調査
をして知
つて
おるわけなんです。知
つて
おればこそ、この
保全経済会
から特別な出資を受けて、こういう密接な
関係
のある会社をつく
つて
おるという事実に徴しても、だれが
考え
た
つて
わかるじやありませんか。官紀の紊乱が近ごろ非常にやかましく言われる折から、
東京国税局
の査察部の中から、いわゆる相当な地位におる係長とかこういうものが
保全経済会
と
関係
の深い会社にどんどん流れて行くということ自体に、世間の疑惑が起
つて
来ることは当然じやありませんか。これはどうなんですか。
脇阪實
41
○
脇阪証人
小川君は私の聞いておるところでは、
保全経済会
に直接
関係
のある仕事じやなか
つたよう
に聞いております。内田君は
保全経済会
の
関係
があ
つたよう
に思いますが、内田君が
関係
しておるのは、私の聞いておるところでは、二十六年の
申告
について一応是認したというところであると聞いておるのであります。しかし、さいぜん申しましたように、二十八年にはつきり大体こうやるときま
つた
ときには、もう内田君はいないわけでありまして、そのために遅れておるとは思われないのであります。
中野四郎
42
○中野
委員
元名
古屋
の東海財務局長をしてお
つた
松崎健吉君、これが内田君を紹介したり、小川君をあなたのとろに入れたのですね。今松崎君はこの保全あるいは六日商事の方とどういう
関係
をしておるのでしよう。御存じありませんか。あなたは先輩だから御存じでなければならぬ。
脇阪實
43
○
脇阪証人
その点
承知
いたしておりません。
古屋貞雄
44
○
古屋
(貞)
委員
そこで、ただいま中野
委員
からも御
質問
があ
つたの
ですが、結局
結論
は
調査
未了ということでおるわけなんですか。どうも、私
ども
三年もかか
つて
おるのですから、そういうことは
個人
の
事業
にしても会社の
事業
にしても、今まで経験しておらないのです。
保全経済会
だけにそれがある。しかも、ただいま中野
委員
からも御
質問
のように、
関係
者が
保全経済会
関係
事業会社
に役所をやめて来ておるというようなことがある。私が先刻、あなた方のおやりにな
つて
おることは
職責
を完全に果したとお
考え
になるかどうかということを聞いたのはその点なんです。実際やれぬことをやれなか
つた
と言うのならば話はわかるわけなんですが、その点はどうなんですか。二十五年度を徴収するためにちやんと準備手配はできておるのですか。やはり今言
つたよう
に
調査
未了だからだめだとおつしやるのですか。その点はどうなんですか。
脇阪實
45
○
脇阪証人
その点、まことに申訳ないのでありますが、目下
資料
が警視庁の方に行
つて
おりまして、
結論
が得られないので、
結論
を得れば、
源泉
もいろいろありますが、それを適正に処置するように検討したい、私は一日も早くそうしたいと思
つて
おるわけであります。
古屋貞雄
46
○
古屋
(貞)
委員
そこで、私は、この際伺いたいのは、そうすると、この事件が問題にな
つて
刑事問題にならなければやらぬとおつしやる
一つ
の逃げ道だと思いますが、少くとも昨年の三月四日から今日までですかから、さように長くほ
つて
おかなくとも、二十五年度の徴税はできると思うのです。ただいま自分の方でもそうすべきものをしなか
つた
というようなお話がございましたので、これ以上は追究はいたしませんけれ
ども
、やはり昨年決定されたときに
調査
は十分出ておるはずなんです。すぐ二十五年度の
課税
ができる状態におくべきであ
つた
。あるいは十月の
休業
までには二十五年度分については
課税
の手続が行われるべき時間が相当あるわけなんです。この点について私先刻お伺いしたのは、どうもいろいろの
事情
があ
つて
、
税務署
が
課税
をするに至らなか
つた
、こういうようなことを私
ども
としても国民としても疑うわけなんです。でありますから、せい一ぱいや
つて
来て、
課税
する
考え
であ
つたの
だけれ
ども
、やはりできなか
つたの
は、ただいまのような
関係
でできなか
つた
ということになるのですか。それは
課税
するお気持はあるのでしようね。その点どうなんでしよう。
脇阪實
47
○
脇阪証人
この問題は、さいぜん申しましたように、金融法規上いろいろ問題があ
つて
遅れておるということは、自分としても残念であると思うのであります。十分に適正な処置をするということはや
つて
おりますし、この
調査
が済み、十分検討してやるということにはかわりはございません。現に
源泉
でも
監査
をして、とるべきものはと
つて
おるわけでありまして、決して
税金
はとらぬとか、どうでもいいというような
考え
を持
つて
おるわけではございません。
古屋貞雄
48
○
古屋
(貞)
委員
さような御態度ですから、これ以上は追究はしませんが、しからば、日本殖産に対する
関係
におかれましても、この
税金
はどうな
つて
おりましようか。いつからどういうぐあいに
課税
しておるか、どういう
解釈
のもとに
課税
対象を
考え
られてお
つたの
か、御答弁願いたい。
脇阪實
49
○
脇阪証人
ただいま日本殖産のものについては
資料
を持ち合せておらぬのでありますが、日本殖産は非常に大きいわけであります。これの
決算
を見ますと、二十六年の十月から二十七年の九月までが三千六百七十二万五千円、それから二十七年の十月から二十八年の九月までが一億八千七百十八万一千円の赤字が
申告
してありますが、これはまだ
調査
しておりません。これは
調査課
にたくさんございますので、まだこの点は遅れておるわけであります。
古屋貞雄
50
○
古屋
(貞)
委員
そうしますと、かような大きな有名な
事業
に対する
課税
がみな遅れておるということになるじやありませんか。これが納得できないのですが、御
調査
になればこの報告はわかりますか。その点は
課税
していないのでしよう。私の聞いておるのは、
課税
をしておるかどうかということを聞いておるのです。赤字を聞いておるのではない。
塚原俊郎
51
○
塚原委員長
脇阪
君、係の者がきよう見えておられるようですから、御相談なさ
つて
もけつこうですよ。
脇阪實
52
○
脇阪証人
ただいま
資料
を持ち合していないのでございますが、会社そのものについての
申告
は今申し上げた通りでありますが、これは未決定であります。それから
利益
配当
でありますが、そういうものは
調べ
ればわかると思います。
古屋貞雄
53
○
古屋
(貞)
委員
調べ
て書類でお出しになれますか。
委員長
の方から御要求にな
つて
いただいて、それを見てから私は
質問
いたしたいと思います。
塚原俊郎
54
○
塚原委員長
脇阪
君に申し上げますが、ただいま
古屋
委員
から言われました
資料
の提出要求に対して応ぜられますね。いつごろお出し願えますか。
脇阪實
55
○
脇阪証人
たとえば日本殖産の
源泉
所得税
というようなことになると、これは
全国
的な問題になると思いますけれ
ども
、
配当
とかそういうものは三、四日あれば
調査
できます。
塚原俊郎
56
○
塚原委員長
三、四日もかかるのですか。
脇阪
君に申し上げますが、今当
委員会
の審議に非常に重要な問題ですから、可及的すみやかに御提出願います。
脇阪實
57
○
脇阪証人
東京だけであれば、それはすぐ出せると思います。
塚原俊郎
58
○
塚原委員長
すぐ出せますか。本日中に出せますか。
脇阪實
59
○
脇阪証人
東京のだけなら、あしたは出せると思います。
塚原俊郎
60
○
塚原委員長
それでは御提出願います。
鍛冶良作
61
○鍛冶
委員
関連して。先ほど承
つて
おりますと、
匿名組合
もしくはこれに準ずるものというお答えがありました。準ずるものとは、多少違うが
匿名組合
と認めていい、こういう御認定であ
つたの
ですか。
脇阪實
62
○
脇阪証人
それは、昨年の
所得税法
の一部改正によりまして、
匿名組合
またはこれに準ずるものとな
つた
と思いますが、その準ずるものという意味だと思います。つまり、
源泉課税
ができるというように
解釈
しております。
鍛冶良作
63
○鍛冶
委員
これは問題になるので私は答弁を承りたいのですが、
匿名組合
に準ずるということは、あなたの方から先に出たのですか、
大蔵省
からら出たのですか。精密に
調査
せられた結果、あなたの方で
匿名組合
に準ずるもの、こういう意見を出されたので、
大蔵省
でも大体そういうものだ、こういうことにな
つたの
ですか。この点は実情はいかがですか。これは、あなたがおわかりにならなければ、その係の方方でけつこうでございます。
脇阪實
64
○
脇阪証人
私の聞いておるところでは、さいぜん申しましたように、
匿名組合
に準ずるとしましても、
全国
的にこれはいろいろ幾つもあるものでありますから、
資料
を提供して、そうして
国税庁
と相談してお
つたの
であります。
国税庁
が
大蔵省
と相談する、あるいは法務省と相談しておるように聞いておるので、私自身がその
解釈
について直接
大蔵省
とか法務省と相談したわけではございません。
鍛冶良作
65
○鍛冶
委員
あなたは意見を言われる。あなたと議論してもしようがないのだが、私らは、
法律
家として、たいへんな食い違いがあると思う。私はここで
一つ
二つ
指摘してあなたの御考慮を煩わしたいと思う。これは、あなたが認定せられたというなら一番いいのだが、当時の係の方がおれば係の方から承りたい。 第一に私が承りたいのは、
匿名組合
というのは不特定多数人が
組合員
になるものではない。
事業
者と特別
関係
にある特殊の人だけが
組合員
になるのが
匿名組合
だと思うのですが、これが第一点です。この点に対してどういうお
考え
をお持ちにな
つて
いるか。
脇阪實
66
○
脇阪証人
その点、御指摘の通りでありまして、
匿名組合
というのは結局
事業
者と相手方とでありますから、幾つも
組合
ができるようなかつこうになりますので、
匿名組合
そのものと言うのは行き過ぎだ、だから準ずるもの、こういうようにな
つて
いるように聞いております。
鍛冶良作
67
○鍛冶
委員
それをお認めになれば、われわれとは根本的に
考え
方が違う。 もう
一つ
の大事なことは
事業
です。
事業
というものは確定しておらなければならない。何をや
つて
もいいというもので
匿名組合
というものがあろう道理がないと思われる。そこで、あなたは、そこまで認められるならば、
保全経済会
の
定款
を十分お
調べ
にな
つた
と思うが、
定款
を見ますと、
株式
の売買及び不動産の取得売買、その次には
理事
会で定める
事業
とな
つて
いるのだが、これは
理事
会で定めさえすれば何でもやれる。しかも、その
理事
会は
理事
のおらない
理事長
一人の
理事
会であるから、そうすれば
理事
会というのはうそなんで、
伊藤斗福
の認定する
事業
は何でもやれるということにな
つて
いる。これでは一体私は
匿名組合
というものでないと思いますが、この点はいかがですか。
脇阪實
68
○
脇阪証人
その点につきましては、私が申し上げるのはその任でないのでありまして、
国税庁
に相談して、
国税庁
の
解釈
を待
つて
お
つて
、そうだということになりましたら
調査
をやろう、こういうわけであります。
鍛冶良作
69
○鍛冶
委員
もう
一つ
は、
商法
五百三十八条に「出資カ損失二因リテ減シタルトキハ其填補ノ後ニ非サレハ
匿名組合
員ハ
利益
ノ
配当
ヲ
請求
スルコトヲ得ス」とな
つて
おりますが、ここへ出た
証人
は、初めから全部赤字ばかりだと言う。
理事長
室長だ
つて
、全部赤字だ
つた
、こういうものは長続きせぬと思
つて
お
つた
、こう言う。これは、あなた方はほかと違
つて
、
国税局
でお
調べ
になれば、経理の方面は十分おわかりになるのだから、
利益
がなか
つたの
にこういう
利益
配当
をや
つて
いるとすれば、その点でもただちにわかると思うのですが、この点は
利益
があ
つた
とお認めにな
つた
か。それは、
個人
々々に
利益
があ
つた
ら、これに対して
源泉課税
をかけられるのはよろしゆうございます。けれ
ども
、本社が
利益
をあげてお
つた
とお認めにな
つて
お
つた
かどうか、この点はいかがですか。
脇阪實
70
○
脇阪証人
そこは、さいぜん申しましたように、なるほど
株式
なり不動産の値上りはあるということは私はわか
つて
おりました。けれ
ども
、それがはたして、
個人
と申しますか
匿名組合
に準ずるものとして計算をしたときに、その年に十分出るかどうかということになると
確信
はございません。
鍛冶良作
71
○鍛冶
委員
私はこれだけあなたに申し上げお冒すが、これは、われわれは本気で法務
委員会
で
調べ
たからわか
つたの
ですが、この意味において、これは絶対に
匿名組合
じやないと私は思う。
匿名組合
という名前を使
つた
金集めの会社である、これ以外にないものだ、こう思
つて
おります。これはあなたが認定されたのではないから、ここで議論してもしかたがないが、これだけ申し上げておきます。
古屋貞雄
72
○
古屋
(貞)
委員
そこで、今度は
源泉課税
の問題なんですが、
源泉課税
の問題については、昨年の八月に
源泉課税
がとれるような
法律
が出ましたが、
保全経済会
が
休業
に至るまで
源泉課税
をと
つて
おりますかどうですか。と
つて
おるとすれば、その内容は幾らか。
脇阪實
73
○
脇阪証人
源泉課税
につきましては、御
承知
のように、昨年の八月七日であると思いますが、その日から
源泉課税
ができるようになりましたので、その間の
事情
はこういうことにな
つて
おります。本人から八月分として
申告
があ
つたの
が、
課税
金額一千万円、納付税額二百万円。それではこちらが
監査
しなければならぬというので、十一月一日に八月及び九月分、十二月一日に十月分を決定しておりますが、その金額は、八月分として納付すべき税額は一千五十二万九百七十一円、九月分が千七百六十五万九百八十一円、十月分として一千百四十五万七百七十五円、合計三千九百六十二万二千七百二十七円と
なつ
おりますが、そのうち二百万円はさいぜん申しましたように納ま
つて
おりますが、
あと
は
休業
にな
つて
入
つて
おらぬのであります。それについては、財産を差押えまして、保全措置を講じております。
古屋貞雄
74
○
古屋
(貞)
委員
財産の差押えをして徴税をする手続中だというが、手続をしておるかどうか。私はそれを聞きたいのです。
脇阪實
75
○
脇阪証人
それは、さいぜん申しましたように、
休業
前にやれなか
つたの
で、
休業
後に調停を、
調査
してしまして、そうしてそれに今申しました三千九百万、そのほかにまだ
源泉
所得税
が少しあります。これについての加算税その他を合せまして、見合うものとして大体五千三百万円ほどの財産を差押えております。
古屋貞雄
76
○
古屋
(貞)
委員
伊藤
の財産全体を
出資者
に移動しておるようなことを承
つて
おりますが、相当不動産もあるはずなんですから、不動産か何かを差押えて、競売のできる手続は全部お済みなんですか。早くやらないと財産が移動されてしまうのではないかと私は心配です。
脇阪實
77
○
脇阪証人
さいぜん申しましたように、今後
調査
を進めて参りますと多少の
税金
は出るかもしれませんが、今のところ滞納とな
つて
おる
税金
は四千七百十七万四千七百六十五円、このほかに延滞で加算税が多少つきますし、利子税も多少つくと思いますが、それに対して差押えております物は、日本橋橘町九番地の本店の建物、土地、それから駒込動坂町三三九の自宅の宅地、それから港区の建物、宅地、それから家具、什器、電話加入線六本、合計しまして、確実ではありませんが、大体の評価は五千三百万は下らないと思
つて
おりますので、その保全措置は十分であると
考え
ております。
塚原俊郎
78
○
塚原委員長
矢尾喜三郎
君。
矢尾喜三郎
79
○矢尾
委員
ちよつと一点お尋ねいたしますが、
源泉課税
のことに関しまして
保全経済会
の顧問として平野力三あるいは早稻田柳石工門、松本信次、大谷瑩潤その他の人が顧問料あるいはいろいろの名目において
保全経済会
から支出を受けておるのでございますが、それに関しまして、これらの人々に対して
源泉課税
が完全に課せられておるかどうかということを一点。 もう
一つ
は、
保全経済会
からあらゆる方面にいろいろの金が支出されておるのでございますが、その点につきまして、
国税庁
の方におきましては詳細に
調査
されておるかどうかということをお尋ねしたいと思います。
脇阪實
80
○
脇阪証人
源泉
所得税
は、さいぜん申しましたように、二十六年から
保全経済会
も
申告
をしております。二十七年の十二月に、二十六年の六月一日から二十七年の九月三十日に至る間の漏れておる
源泉
所得税
について
調査
をしております。そのときに
調査
した結果を見ますと、顧問料として七百九十二万五千円、その他嘱託費三十万円、宿直費十三万三千円、その他を合せまして合計で千三十九万八千九百五十二円、
所得金額
が抜けておるというので、さいぜん申しましたように三百五十五万一千七百九十円の本税と八十万八千九百五十円の
源泉
徴収加算税、合計しまして四百三十六万七百四十円を追徴いたしております。その後の二十七年十月以降については、
監査
しようと思
つて
お
つたの
でありますが、まだ
監査
がしておりませんから、十分わかりませんが、そこのところは今申しましたようにわか
つて
おります。
矢尾喜三郎
81
○矢尾
委員
そうすると、
国税庁
の方には
申告
の漏れてお
つた
ということについて、だれくに何ぼや
つた
、それがどういうぐあいに漏れたというような具体的な
資料
はございますか。
脇阪實
82
○
脇阪証人
これは
保全経済会
の
源泉
徴収すべき
税金
を
調査
したのでありますが、その内訳について私は
承知
いたしておらぬ。これは
税務署
が
調査
したわけであります。
塚原俊郎
83
○
塚原委員長
天野公義君。
天野公義
84
○天野
委員
ただいま御
証言
の中で、税をとる場合に、給与に関する税はとり、
監査
もしていたというお話があ
つたの
ですが、
源泉
徴収は別といたしまして、どの程度の
監査
を二十六年以降や
つて
お
つた
んですか。
脇阪實
85
○
脇阪証人
さいぜんも申しましたように、
保全経済会
が、二十五年の四月であ
つた
と思いますが、台東区北大門町にいたわけでありますが、それが二十六年の三月に日本橋に移
つた
わけであります。そこで、日本橋としては二十六年の三月からすべきであ
つたの
でありますが、二十六年の四月から二十七年の九月まで
調査
した、こういうわけであります。
天野公義
86
○天野
委員
その保全の内容を
調査
した場合に、保全自体の経理の内容というものはどういうぐあいにな
つて
いたか。たとえば、二十六年の暮れ、二十七年の暮れ、大体こういうことに税額の確定をする以前に内容について
調査
ないし
監査
をした、このように
考え
るわけですが、保全の内容についてどういうような
結論
を
国税庁
ではやられましたか。
脇阪實
87
○
脇阪証人
それは、再三申しますように、
保全経済会
の性質がどうあろうともきまる
税金
でございまして、そのときには、私の聞いておるところでは、
源泉
なら
源泉
の
資料
しか見せたがらないし、それで決定した、こういうふうに聞いております。
天野公義
88
○天野
委員
そうすると、
源泉
の分だけ見て、それで保全自体の内容というものについてはほとんど
国税局
としては
調べ
なか
つた
、こういうように了解していいですか。たとえば、保全が全体として相当な
利益
をあげておる、もしくは非常な欠損を出してお
つた
、そういう点については
国税局
は何ら関知しなか
つたの
ですか。
脇阪實
89
○
脇阪証人
それは、さいぜん申しますように、
源泉課税
の方は
税務署
にやらしておりまして、
保全経済会
の性質をきめなければならぬものについては、二十六年ごろから
調べ
て、これはどうしても
国税局
の
調査課
の
所管
に移さなければならぬというのでや
つて
お
つた
、こういう二本建にな
つて
おるわけであります。
天野公義
90
○天野
委員
二本建の片一方の
源泉
の方は別として、片一方は、
性格
がきまらなければやれないにしても、どういう
性格
——
たとえば、
匿名組合
に準ずるものという認定が下ろうとも、もしくは法人の
事業
というものに認定が下ろうとも、どつちにしてもすぐそろばん玉がはじけるような
調査
は全然しておらなか
つたの
ですか。
脇阪實
91
○
脇阪証人
さいぜん申し上げますように、あれは二十七年の十一月であ
つた
と思いますが、
国税庁
に
中間報告
をいたしております。それから、いよく
性格
が大体こうだときま
つた
あと
でもそれを
調査
しまして、
調査
と同時に
性格
を決めてしまうという順序で、漸次
性格
を決定しようと思
つて
調査
してお
つた
わけであります。
天野公義
92
○天野
委員
どうも納得が行かない。この
委員会
で下
調べ
をや
つた
ところによりますと、二十六年の前半期で大体三億一千万、二十七年が三億六千万、二十八年三月で六億、二十八年九月で七億で、発足以来二十四億の赤字を
保全経済会
は出したのです。こういうものすごい経理内容であ
つた
にかかわらず、この内容について
国税局
は全然関知しなか
つたの
ですか。
脇阪實
93
○
脇阪証人
関知するという意味はどういう意味でございますかよくわからないのですが、
利益
がなければ
課税
のしようがないのでありますが、
調査
をして
課税
をするというのがわれわれの立場でありますので、それについてたとえば損だからどうだこうだということを言う
考え
はありません。
天野公義
94
○天野
委員
これはずいぶん無
責任
な
考え
方で、誇大な宣伝を盛んにやり、大衆から金を集めて回転
配当
をやるということで自転車操業をや
つて
おる。その内容を見ると毎年々々赤字を出しておる。それについて
国税局
の方では
税金
だけとればよいというような観点に立
つて
お
つた
としたならば、これは非常な怠慢だと思う。なぜと言えば、この
保全経済会
の
性格
がきまらなければ、あなた方の方でも税がとれるかとれないかわからないでしよう。たとえば
匿名組合
であるか、あるいは詐欺的な行為であるか、
法律
的な
性格
が確定しておらない。片一方で赤字をどんどん出しつつ大衆から金を集めておる。そこで、
法律
的な
性格
をきめようということについて、
国税局
としては一体どういう努力をしていたのですか。一日も早くきめてもらわなければ
国税局
としての立場はないじやありませんか。そうしたならば、
国税局
の方では、
国税庁
なり
大蔵省
の銀行局なり、もしくは法務省なり、こういう方面についてその
実態
に即して一体どういう連絡をとり、どういう措置をと
つて
来たのですか。
脇阪實
95
○
脇阪証人
それは、さいぜんから申しますように、二十七年一月に
調査
して二十七年暮れには
中間報告
を
国税庁
に出し、そうして
国税庁
にその
性格
をきめてもらうように相談してお
つたの
でありまして、それは一生懸命相談してお
つたの
であります。
天野公義
96
○天野
委員
その
中間報告
の中には、経理内容についてのことは全然報告されておらなか
つたの
ですか。
脇阪實
97
○
脇阪証人
向うが出したいろいろな経理諸表というようなものはつけて出してあります。そのときはまだ向うも十分協力的ではありませんし、こちらの
国税局
の方針もきまりませんから、十分な
調査
ではありませんが、わか
つた
ところを
中間報告
してあります。
天野公義
98
○天野
委員
わか
つて
おるところの
中間報告
、
——
では一体損益計算はどういうものがあ
つたの
ですか。
脇阪實
99
○
脇阪証人
それは、向うが出した、何と言いますか計数とか、
出資者
とのいろいろな
約款
であるとか、そういうものを参考として、いろいろ書類をまとめて出してあります。
天野公義
100
○天野
委員
そうすると、
性格
がどうきまろうとも、すぐ
課税
ができる、こういうような
調査
にはな
つて
いなか
つたの
ですね。
脇阪實
101
○
脇阪証人
二十七年十一月のときにはまだきま
つて
いないので、それから
大蔵省
、
国税庁
、法務府が
会議
をして、二十八年三月にな
つて
大体取扱い方がきま
つたよう
に思います。
天野公義
102
○天野
委員
大分時間もおそいですから、
最後
に一点。日本殖産については
調査
していないという御答弁がありましたけれ
ども
、そう他のこれに類するような
匿名組合
ないし
株主相互金融
、こういう種類のものについて
国税局
としてはどの程度の
調査
をし、どういう態度をも
つて
臨んで来たか、伺いたい。
脇阪實
103
○
脇阪証人
株主相互金融
会社の
状況
は、昨年の六月に
調べ
ておるところによりますと、東京の管内には百六十四ございますが、その
課税
の実績を見ますと、東京の管内だけでは、
事業
年度の二十五年度については六つの法人で負本金は六千五百万円とな
つて
おります。二十六年は資本金が十二億円にな
つて
おりますが、それが二十三の法九人。二十七年度について見ますと三十六の法人で資本金が十四億八千五百万円、二十八年度はまだ遅れておりますが、
二つ
の法人について決定はしております。
天野公義
104
○天野
委員
内容その他について
調査
その他をや
つた
ことがありますか。そういう点をお伺いしておるのです。
脇阪實
105
○
脇阪証人
今仕事の済んだものについてはちやんと
調べ
てあるわけです。たとえば、二十八年で申しますと、
二つ
あるうちの
一つ
は
所得金額
が七万円、
一つ
は欠損金額が十八万二千円、こういうことであります。
塚原俊郎
106
○
塚原委員長
午前の
会議
はこの程度にいたしまして、午後は二時より再開し、
脇阪証人
より引続き
証言
を求めることにいたします。 暫時休憩いたします。 午後零時三十九分休憩
——
——
◇—
——
——
午後二時三十九分
開議
塚原俊郎
107
○
塚原委員長
休憩前に引続き
会議
を開きます。
脇阪証人
に対する尋問を継続いたします。田渕光一君。
田渕光一
108
○田渕
委員
午前中の
証人
の
証言
で、
古屋
委員
の御
質問
に対してでしたが、どうも帳簿を出さなか
つた
から
課税
ができなか
つた
というようなお話を聞いて、私たちは非常に不可解に思
つたの
でありますが、少くとも、所轄
税務署
ならいざしらず、
税務署
を監督すべき地位にある
国税局
の
調査課
がみずから乗り出して行
つて
、帳簿を出さないから
課税
ができない、あるいは
調査
ができないというようなことで、今日
国税局
としての
責任
は果されるのか果されないのかという点に私は非常に疑いを持
つたの
でありますが、
保全経済会
のみならず、一般に帳簿を出さなければ
課税
ができないということをあなた方は認めておるのでありますか。これからます伺いたいと思うのであります。
脇阪實
109
○
脇阪証人
午前中のお答えがあるいは不十分であ
つたの
かと思いますが、私は
保全経済会
が拒否したとは言いませんけれ
ども
、それはその組織のゆえもありましようが、必ずしも協力的でなか
つた
ということは言われると思いますが、昨年の三月きまりまして、その後は帳簿も相当見ておりますし、その他外部
調査
として、取引先である証券会社も
調べ
ております。それから銀行の店舗も
調べ
ております。また、六月には
調査
官を派遣しまして、大阪にございます近畿の総支店、また高松にあります四国の総支店も
調べ
ております。それから京都にあります仏教
保全経済会
の本部等の
調査
を行
つて
、相当出て来たわけであります。しかし、その
最後
の
結論
を出すまでにはなかなか至らなか
つた
うちに
休業
にな
つた
ことは御
承知
の通りであります。しかし、今日までたとえば
課税
をなまけてお
つた
とかなんとかいうのではなくて、
休業
になります前、それからその
あと
にかけましてのこちらの
調査
の結果によりますと、実は、その二十五年、二十六年、二十七年、いずれも
匿名組合
に準ずるものとしてや
つた
場合には、今のところでは、その後のいろいろな
調査
によ
つて
それがふえるかどうかということは別としますと実は赤字なんであります。それを赤字として決定することは、いろいろな
資料
がまだ十分でありませんので、その点については
最後
の決定をまだ控えておるということでありまして、何もしておらぬとか、帳簿を見せぬから捨てておいたとかいうわけではないのであります。
田渕光一
110
○田渕
委員
私はそうだと思
つて
お
つたの
でありますが、
古屋
委員
の御
質問
に、帳簿を出さなか
つた
からできなか
つた
ということがあ
つたの
で、それではあなた方の
責任
が将来論ぜられると思いましたから伺
つたの
であります。 そこで、まず二十五年、二十六年、二十七年の
調査
の前に、あなたは御就任が二十七年の十二月からだということを、そのとき私はちよつと他の
委員会
に行
つて
おりまして伺いませんで、同僚議員から伺
つたの
でありますが、これは二十七年の十一月ですから、就任前かと思いますが、あるいはあなたの就任後かもわかりませんが、内田君があなたの方をよしたのは、一体あなたが赴任されてからでありますかどうですか。
脇阪實
111
○
脇阪証人
私は、さいぜん申しましたように、私の
責任
とかどうということは別としまして、たしか
昭和
二十七年の十二月の二十七日、御用納めの日であ
つた
と思いますが、
東京国税局長
になりましたので、内田君がやめましたのはその前であると記憶いたします。
田渕光一
112
○田渕
委員
そこで、これは前任局長の
関係
であり、あるいは前任局長の時代の主席と申しますか、そういう方の
責任
をただしたいと思うのでありますが、内田君が
保全経済会
の税務の
調査
官として
調査
されて、そこで完全な
調査
ができたかできないかに疑いを持つ点は、少くとも内田君は、この
保全経済会
から五千万円出されて、銀座西六の二で六日商事
株式
会社という貸金業をや
つて
いる。これは全部
保全経済会
の
投資
五千万円でや
つて
おるのであります。しかもこの会社の社長にな
つて
おる。そうして取締役に收原四郎というのを入れておりますが、この收原というのは閉鎖当時まで
保全経済会
の
理事
であり、証券部長をや
つて
お
つた
。こういうふうな
理事
であり証券部長をや
つて
お
つた者
を会社の取締役に持
つて
来ておる。しかも一税務官吏として
国税
の対象になるかならぬかを
調査
に行
つた者
が、その
調査
の実績をあげずして、私から言えば、物質的な買収があ
つた
かどうかわかりませんが、少くとも、
税務署
にお
つて
もしようがないだろう、おれの方に来いというような
一つ
の黙約があ
つた
から
調査
を粗漏にしてこれを
国税
の対象にしなか
つた
。そうして
保全経済会
の金を五千万円も出させて貸金業をや
つた
。こういう不良なる税務官吏というものを部下に持
つて
お
つた
という、その
責任
者はどこにあるかしれません。査察部長であるか
調査課長
であるかしれませんが、それらに対して、あなたはこれらに対する対処をされましたか。それを承りたい。
脇阪實
113
○
脇阪証人
ただいま御指摘の六日商事の設立は、私の聞いておるところでは、二十七年六月六日であるようであります。貸金業も営んでおることも御指摘の通りであります。それで内田
調査
官がやめておるのは二十七年十月三十一日かと思いますが、おそらくそのときにやめて
——
私はそのときのことは十分わかりませんか、局長もあるいは部長も内田君がそこに行くということを十分
承知
しなか
つたの
ではないかと私は
考え
ておるのであります。もつとも私はそのことについて十分
責任
ある答えはできませんが、そういうわけで、今別に
調査課長
あるいは査察部長を処置したことはございません。
田渕光一
114
○田渕
委員
少くとも、私は、こういうところに行く以上は、普通社会人一般常識から
考え
ても、完全なる
調査
は結果から見てできてなかろうと思う。とにかく
調査
に行
つた
。
課税
の対象にすべく、とろうとして行
つた
んだが、国家のために尽さずして、自分の一身一家のことを
考え
てああいうようにしたから、こういう会社ができたのだ。その会社の設立があるいは二十七年六月の六日であるかどうかは知らぬが、
申告
当時にそういう会社をつくり、そごに入るという約束があ
つた
とするならば、なおさらこれに対しては、自分の私欲のために、国家の奉仕者として完全な
調査
はできなか
つた
と私は思う。それがためにできてないのだから、二十五年、二十六年、二十七年、あなたが就任されるまで上
つて
ないのだから、こういうようなものがここに出て来た以上は、少くともその
調査
が完全であ
つた
かなか
つた
かというようなことを
調べ
たのか、あなたの方の中には監察制度というものはないのでありますか、それを伺いたい。
脇阪實
115
○
脇阪証人
監察制度はございます。
田渕光一
116
○田渕
委員
監察制度があるならば、こういうものを監察にかけましたかどうですか。
脇阪實
117
○
脇阪証人
実は、その点申訳ないのでありますが、内田君が入
つて
おるということも実はついこの間
承知
いたしたようなわけでございます。
田渕光一
118
○田渕
委員
かりに内田君が大日商事に行
つた
ということをごく最近
知つた
とい
つて
も、少くとも今日これだけの問題にな
つて
おり、二十五、六年の徴税の実績があがらなか
つた
ということは、あなたの言うように、あなたの
前任者
の局長時代にこういう部下の監督不行届きからこういう失体を演じておる。とれたかとれないかは別問題である。少くとも行
つて
いる者が国家のためにや
つて
おらぬ。自分のためにや
つた
。そこで、実にこの
伊藤
は人心収攬術のうまいやつだから、うまいことを言
つて
税務署
くらいごまかすのはわけはない。たまたま、
全国
の税務官吏のうちには、弱い者に対してはつけ込んで、遠慮仮借なく黙
つて
入
つて
行
つて
査察する、指令書さえ見せずにや
つて
おるということがひんぴんとわれわれの耳に入
つて
いる。この間東北の福島市においてひどいことをや
つて
いるということを聞いたから、こういうことは仙台の
国税局
長に厳重にやれと言
つて
おるが、非常に弱い者に対しては強くやる。自分に対して何ら対価、報酬、地位などを与えない者に非常に極端な取立てをや
つて
いる。今日警察官よりも税務官吏がこわいというふうにな
つて
おる。国民が
税金
に協力するような思想のなくな
つて
いる原因はこういうところにあるのです。少くとも国会のおひざ元である東京の
国税局
の
調査
官が、国民から四十五億の金を集めておる詐欺会社の
調査
に行
つて
、
調査
を完了せずして、その
国税局
をやめて、その会社から五千万円も金を出してもら
つて
社長にすわ
つて
おるということを、あなたはついこの間
知つた
と言う。いつ知りましたか。
知つた
ならその処置をとらなければならぬと思うが、いつごろ
知つた
か。少くともこれは重大な問題です。簡単な問題じやないですよ。役人が自分の職務を利用して次の地位を得るというようなことは、とかく大蔵官僚に多いのです。たとえば、専売公社の
役員
はみな大蔵官僚がずつと占めてしま
つて
いる。当
委員会
で専売公社
調べ
たときも、専売公社というものは大蔵官僚で占めてしま
つて
おる。先般私はある結婚式に行
つた
ところが、ある大蔵官僚が、国鉄一家のことを論じ、しかもその団結力り強いことを論じてお
つた
。少くともあなたはそういう人だとは思わぬけれ
ども
、国会のおひざ元、あなたの
東京国税局
でこんなことをしてお
つて
、
全国
に取締りがつくかつかぬかということを伺いたい。いつお知りになりましたか、それをひとつ……。
脇阪實
119
○
脇阪証人
その内田君のことを知
つたの
は、実は内田君のことについて警視庁から照会があ
つた
そのときに私は知
つたの
であります。
田渕光一
120
○田渕
委員
警視庁で検挙されるまで知らなか
つた
。それはあなたは知らなか
つた
かもしらぬが、あなたの部下のたとえば
東京国税局
に総務部長もおりましよう、あるいはまたあなたにかわるところの何かありましようが、それらが知
つて
いなければならぬ。あなたが知らなくても、内田君が辞表を出して、どうゆうわけでやめるのだということになれば、わかると思う。少くとも官職をやめて行くことは自由であろうけれ
ども
、自分が査察に行
つた
その対象のものから
税金
をとらずして会社をつく
つて
もらい、
保全経済会
から五千万円もの金が出ておるということは、当初からはつきりしていたじやないですか。しかも、これがただの並び大名の重役なら私は言わぬ。社長にな
つて
おる。こういうようなことで、私はこれをこのままでは黙認できません。これに対する
責任
をあなたにとれとは言いません。前局長にだれがいたか私は
調べ
ておりません。同時に、あなたにかわるところの当時の上役と言いましようか、つまり内田君を監督すべき地位にお
つた
人がだれでありましたか、もしあなたがお知りなければ、一緒に来ておる方に聞いてお答え願いたい。われわれはこれをどこまでも追究しなければならぬ。こういうことを東京の
国税局
で許したのであれば、少くとも
全国
では何をしているかわからない。国会のおひざ元でこういうことが行われる。銀座通りで保全の金をも
つて
堂々と貸金業をや
つて
いる。元
国税局
にお
つたの
だから、あなた方に対して、君らばか正直なことをするな、安月給で国民をいじめても何にもならぬ、おれは要領よくや
つて
保全経済会
から五千万円も金を出してもら
つて
ここにや
つて
いるのだとい
つて
範を示すことになる。こういうような者を許すことはならぬ。われわれは断固として処置したい。当時のいわゆる上司とする
課長
なり部長なり、あるいは総務部長なりの
責任
はどういうふうにな
つて
いるか。あるいはこれからでもおそくありません。どうゆう処置をとられるか、伺いたいと思います。
脇阪實
121
○
脇阪証人
私は、さいぜん、監察官にかけたことがないと申しましたが、監察官が
調べ
たかどうかということについて私は記憶しておらぬ、こういう意味でありますから御了承願います。 内田君は二十七年の十月三十一日にやめておりますが、当時の局長は、さいぜん申しました今の
主税局
長であります。
調査
査察部長は明里、次長が田代、
調査
第一
課長
が佐野、こういうふうにな
つて
おります。 そこで、
責任
問題ということでございますが、今ここで私だけで答えるということもできないと思います。
田渕光一
122
○田渕
委員
答えることはできますまいが、あなたがここでこういうことがわか
つた
以上は、当時のたとえば上司といいますか、これらに対してどうなさるという
——
少くとも
税金
をと
つて
おればいざ知らず、
国税
の対象となるべきまのをとらないでおいて、しかもそれがよすと同時に今問題にな
つて
おる
保全経済会
から五千万円出させて銀座で店を張らして、その社長で置いておくということになれば、あなたが就任後日が浅いとすればやむを得ぬとしても、少くとも
東京国税局
というものは堕落腐敗し切
つて
おると思うのです。この一例をも
つて
論ずるわけに行きませんが、あなた方がこれに対してどういう処置をなさらんとするか、これを
委員会
として承
つて
おきたい、少くともこういうようなことをこの
委員会
で放置しておくということになると、この
調査
の目的のほんとうの完遂ができないと思いますから、いろいろ官庁の
責任
も追究いたします。
国税局
長の言いまりほうだいの観察官なら、各省にある監察官制度なんかよしてしまえばよい。
行政
管理庁が
全国
を統一して
行政
管理をや
つて
おる。
全国
一律の規律をも
つて
各省に監察官を置いておる。それが自分の省をカバーする監察官ならば、われわれの
税金
をも
つて
養
つて
おく必要はない。われわれが
行政
監察をして、国の
行政
はどんなに適正に運用されておるか。あるいは能率を上げておるかということを監察しておるうちにこういう問題が出て来るということはまことにはずかしいことである。あなたの時代じやないからあなたの
責任
じやないだろうけれ
ども
、引続いて来ておるから、あなたの下におるところの者に対してこれからどういう処置をとられるか、つまり、
証人
の喚問が終
つた
ならばただちにこれにどう処置したという報告を当
委員会
になさる義務があると思うのだが、どうですか。やる意思がありませんか。そんなことがないならば、あなたを
東京国税局長
としてわれわれは信任できないということになるでしよう。
脇阪實
123
○
脇阪証人
ただいま申し上げましたように、やめたときの
事情
は、よくわかりませんが、おそらくそうじやなか
つた
かと思います。公務員がやめまして営利企業の
役員
の地位につくということになりますと、国家公務員法の百三条の
規定
があるのであります。その際に国家公務員法第百三条の第二項の「国の
機関
と密接な
関係
にある」企業というこの
規定
だと思うのでありますが、
責任
を追究するということになれば、それは人事院規則の十四の四によりますと、「国の
機関
は、各省及びその外局」ということにな
つて
おります。はたして
国税局
が外局言とえるかどうかということも、私はここでははつきりお答えができないのであります。それから、もし
国税局
が外局であ
つて
、それが密接な
関係
がある営利企業ということになれば、これは人事院の承認がなければ
役員
の職につけないのであります。当時かりに知
つて
いないということになると、むしろ内田君
個人
の
責任
になることになるのではないかとも思われる。従いまして、その監督者の
責任
ということになると、それは十分
調査
してやらなければなりませんし、私が今ここでお答えできないのは遺憾に思
つて
おります。
田渕光一
124
○田渕
委員
私はなぜこれをここでやかましく
証人
に申し上げるかと申しますと、東京の
国税局
が
調査
に行きまして、そうしてその
調査
の
資料
を国会が要求した。御協力を願
つたの
はわか
つて
いる。そのときにこの二千五百万円の政治献金という書類が出て来た、これはもつといろいろありますけれ
ども
、当
委員会
で取上げた
一つ
の大きなものはこの二千五百万円の政治献金です。それはあなたは報告を受けたかどうか知りませんが、三千百万円で三重県飯南郡森村の蓮というところにある山林百六十八町歩というものを買
つた
。ここにあなたの方の
調査
官が不審を抱いてこれを直接
調べ
ている。私たちは名
古屋
の
国税局
長も
調べ
、東海財務局も
調べ
たのでありますが、そうすると、あなたのところで直接
調べ
ておる。名
古屋
を経由したかと思
つた
がしておらぬ。そうして、三千百万円で買
つた
という山を
調べ
てみると、売
つた
人間の村田卓蔵というのは松阪の公安
委員長
をされておるが、これが五百万円しかと
つて
おらぬ。二千五万円という金はどこへ行
つた
かということをあなたの方で追求した追求した結果、この二千五百万円というものは政治献金をいたしましたと言
つて
おる、これは井上俊吾です。井上俊吾の出した二千五百万円の政治献金というものに対して、あなた方はどういうふうにとられたか、ことは
あと
の
証言
でわかりましようが、その井上俊吾がこの会社の
監査
役に入
つて
おる。内田君がほとんどつく
つた
会社と言
つて
もいい会社です。牧原四郎という、少くとも
理事
をし証券部長をした者が取締役になり、
伊藤斗福
が全盛をきわめた時代の
理事長
室長であ
つた
井上俊吾、これが二千五百万円は政治資金に使いました、こういうことで、三千百万円の金は書類を一本と
つた
きりで何ら
調査
をしていない。それが六日商事の
監査
役だ。これほどおかしな、とにかくこれは常識で判断できすまか。
保全経済会
の
理事
であり、しかも全部をかきまわしておる牧原証券部長を取締役に入れて、そうして井上俊吾が二千五百万は政治献金だと言
つて
出して来たメモといいましようか便箋一枚によ
つて
それを承認してしま
つた
。その井上俊吾が内田弘輔君の六日商事の
監査
役だ。私がこう御報告申し上げなくても、あなたはすでにこういうことは
調査
されていると思うが、こういうようなことで、ま
つた
くわれわれは納得が行かないのです。 それでは
質問
をかえて行きますが、この二千五百万円は政治献金です、こう言うならば、何党に献金したかということをあなたの方で追究しなくてはならない。三千百万円で買
つた
、どうもあんな百六十町歩ぐらいの山が三千百万、おかしい、
調べ
たら六百万円で買
つて
、余りの二千五百万円は政治献金に使いました
——
。それではこれが何党一行
つた
かということがわれわれが力を入れた問題の
一つ
です。われわれは徹底的にうみを出してしまおうと思います。やります。やりますが。こういうようなぐあいに、将来も、金の行方がわからなくな
つた
ならば、政治献金をいたしましたという便箋一枚でも
つて
あなた方はこれを
調査
しないで済ますつもりであるかどうか、この点をお伺いしたい。これに対して
調べ
なか
つた
ということが悪か
つたの
であるかどうか。あるいはこれは
調べ
る余地がないというのかどうか。この二千五百万円というものがなぞが解けませんから、この点を知
つて
いる範囲において、そのときにはこうすべきであ
つた
、将来はこうしなくてはならぬと思うという御意思をひとつ御
証言
願いたい。
脇阪實
125
○
脇阪証人
三重県の山林の水増しと申しますか、それによ
つて
政治献金をしたと井上氏が書面を出しているということは聞いております。その場合に、それではなぜ内訳をもつと追究してやらぬのかということでありますが、私はその
調査
した人の気持は知りませんが、私とすれば、あるいは寄付をしたということであ
つて
、それがはつきり寄付金ということになれば、一応そのときの
所得
をきめるについては損金にはむろんなりません。なりませんから、そのときに出したか出さぬかということが
確信
が得られれば、その人の
所得
についての決定については必ずしも必要でないような気もいたします。
田渕光一
126
○田渕
委員
それでは、こういうふうに
解釈
してよろしゆうございますか。たとえば、将来われわれのうちにも来るかもわからぬが、われわれも税務官吏が来たら政治献金いたしましたという便箋一枚で、何ぼでもあなた方はそれを認めるかどうか。これはどうです。
脇阪實
127
○
脇阪証人
それは、具体的にはたして出ておるかどうかという
確信
を得るかどうかということが
一つ
の問題であると思いますし、この際の問題といたしますれば、実は二十七年なら二十七年の末のいわゆる収支、それから財産の現在額、今われわれが
最後
的に、いろいろな赤字にしても黒字にしても、それを決定するということが困難なことがあるわけです。
田渕光一
128
○田渕
委員
少くとも
東京国税局長
ともあるなら、私はもつと
責任
ある返事をしてもらいたいと思う。二千五百万円政治献金をいたしましたという
保全経済会
の便箋一本で、あるいは自由党、改進党、どこでもよろしい、この政治献金はどこへしたという領収証なり納得できるところのものを求めなければ、少くともあなた方は認められないと私は思うのですが、何でもかまわずに、政治献金だと謂いて来ただけで行くのなら、将来全部これで脱税ができるのでありますから、これを聞くのです。その当時にこの井上俊吾の書いたものが相当問題にな
つたの
で、あなたは御記憶があると思うのだ。これは二十七年の十二月だから、あなたが二十七年の十一月に御就任
——
あるいは十二月の二十七日とかいうふうに伺
つて
おりますが、少くともこの売買のできたのは二十七年のことです。あなたの方で三月四日の銀行局長の大蔵
委員会
の答弁によ
つて
どうこうというお話でありましたが、そこでその
結論
が出たからでありましようが、こういう書類が出ているのです。「
昭和
二十八年七月四日、
保全経済会
理事長
室、秘書課主任井上俊吾」これは後に
理事長
室長にな
つて
おりますが、「三重県山林に関する価格の差異に就て、このことにつきましては、実際取引額六百万円でしたが、本会の表示し得ざる資金調整を行う為、私の
責任
に於て、取得価を参阡壱百七万円余と改変致しました。尚その実費との差額、弐肝五百万円は政治資金として流用致しました。此の点御報告申上げます。」これだけでも
つて
あなたの方は認めてしま
つた
。少くとも政治資金規正法ならば、改進党が何月何日に届けたか、自由党がいつ届けたかということの
資料
を求め、あるいは政党の領収証なりあるいはそれに携わ
つた
ところの議員諸公があるならば議員諸公のたとい名刺であろうとも受取りを見るなりして、この二千五百万円というものを処理しなければならぬと私は思うのです。御参考にお目にかけますが、これだけでも
つて
あなた方は将来もこういう点は認められるかどうか。 〔書類を
証人
に示す〕
脇阪實
129
○
脇阪証人
御指摘の通りでございまして、それはその
確信
を得なければならぬのでありますから、これについても
最後
的に決定するについては十分
調査
しなければならぬのです。ところが、その
最後
の
結論
が、たとえば二十七年で申しますれば、
有価証券
関係
のものも少し落ちているような点もあると思います。その他いろいろな点がまだありますから、それは
調査
しなければならぬと思
つて
おります。
田渕光一
130
○田渕
委員
私はそういう概括的なことを伺
つて
いるんじやないんです。その問題を処理するときに、これでよろしいとあなたの方で納得したのか、あるいはこれを納得せずに、あなたの方ではこれに対して決裁も何もしておらぬのかどうか。
脇阪實
131
○
脇阪証人
それは、部長などに聞きましても、何回か書類が来ても、これは不備じやないか、あれが悪いじやないかということで返したりしてや
つて
おりましたので、さいぜん申しました、たとえば二十五年、二十六年、二十七年は、大体これからの
調査
にまたなければならぬところが多いけれ
ども
、一応赤字になるというような現状だと言
つて
おるのでありまして、まだこれに対して決裁はしておらぬのであります。
田渕光一
132
○田渕
委員
私が先ほどから伺うことは、釈迦に説法かもわからぬが、あなたはこういうことを知り抜いておらなければならぬ。
調査
に行
つた者
が、ミイラとりがミイラにな
つて
しま
つて
、それで会社をつく
つて
、
保全経済会
から五千万円出させて、井上俊吾が内田弘輔の会社の
監査
役、取締役が証券部長の牧原四郎、全部
保全経済会
の一統でできた
保全経済会
の子会社というか第二会社、全額資本五千万円が
保全経済
から出ているんですよ。これはまことにけしからぬことだ。当時の査察部長なり、あるいは総務部長なり、あるいは
課長
なり、その上司たる者が十分なる
責任
をと
つて
なか
つた
、それがために内田が十分
調べ
なか
つたの
であろう、しかもよしてしま
つて
こういうところへ行
つたの
だろうということを
調べ
る義務があると私は思いますが、いかがでしようか。
脇阪實
133
○
脇阪証人
私の
承知
しておるところでは、内田君はなるほど二十六年の
調査
について
申告
の書類について
関係
していることは事実でありますけれ
ども
、先ほ
ども
申しましたように、
保全経済会
の
所得
を計算するについてのいわゆる方針というものが、去年の三月にな
つて
ようやくきま
つた
というような
状況
で、その山林の
調査
というのは、御
承知
であると思いますが、去年の六月十八日から二十日までに
調べ
ております。その後そう言
つて
は悪いのでありますが、もつとほかに隠れた金があるのではないかということで
調べ
の中途なのでありまして、よく
最後
まで行
つて
いない。そのときは内田君はもちろんおりませんし、私も内田君を最近まで知らなか
つたの
でありますが、去年の三月以後の
調査
については内田君とは
関係
がないのでありますから、そういうことで遅れてお
つた
。あるいはこれを
調査
官は
調査
として受取
つた
かもしれませんが、これでよいとか言
つて
おらぬと私は思います。
田渕光一
134
○田渕
委員
あなたが就任前でありましようが、かりにもあなたの部下であ
つた
。そうすると、就任前によしたのでありまするけれ
ども
、税務官僚として、
調べ
に行
つた
先から金をもら
つて
会社をつく
つて
、そこで相手方と一緒に金貸業をするということは、税務官僚としていいことと思いますか。少くとも常識上われわれの良心が許さないことだと思いますが、どうですか。
脇阪實
135
○
脇阪証人
法律
的な
責任
とか処分とかいうことは別として、私はその具体的な
事情
にもよると思いますけれ
ども
、たとえば特別な
関係
があ
つた
ものについてそういうことがあるとすれば、私はどうかと思います。
田渕光一
136
○田渕
委員
それでは、どうかと思うのなら伺いますが、内田君は懲戒免官ですか、辞職願によ
つて
辞職したのですか。
脇阪實
137
○
脇阪証人
内田君の退職したときの
事情
を
調べ
てみましたが、そのときには扶養家族が多いという生活上の理由で任意退職にな
つて
おります。
田渕光一
138
○田渕
委員
退職金は幾らやりましたか。
脇阪實
139
○
脇阪証人
退職金は、今ここに書いてありませんので、わかりません。
田渕光一
140
○田渕
委員
参考までに伺いますが、どのくらいやるのですか。私は何十何万何千円まで聞くのじやないのです。およそどのくらいのものを渡すのですか、常識上。
脇阪實
141
○
脇阪証人
内田君は途中から入
つた
人だと思いますので、年限はかなり短かいと思います。今ここで何万円くらいだということをはつきり申し上げられませんが、私のま
つた
くの勘でおりますけれ
ども
、きわめて少い退職金かと思います。
田渕光一
142
○田渕
委員
そうすると、結局、扶養家族上生活ができないというようなことで、退職願を出したとすれば、現在
東京国税局
で俸給をと
つて
おるあなたの部下は、いずれも内田君と同じような立場で、非常に生活が苦しいから、
調査
に行
つた
相手からいろいろ国家に徴収すべき
税金
をとらずに、自分の一身一家、家族のために職をなげう
つて
、国家に奉仕せずして、内田君のようにな
つて
行くというおそれがありはしませんか。内田君が最もいい例です。内田君の功罪を言うのではないが、結果から見て非常に道義上よくない。よくないが、そこへ行かしめたということは、税務官吏の月給が安いからで、涜職事件とか汚職事件にならないまでも、こういう事件が起きて来るということがありはしませんか。あなたは
国税局
長としてどうですか。
脇阪實
143
○
脇阪証人
ただいま理由を申し上げましたが、これは本人の申し立てたことを大体書いておりますから、私は、そのときの具体的な
事情
について、ただ書面の上でそういうふうにな
つて
おるということを申し上げたわけであります。税務職員の給与という問題になりまずと、税務職員というものは、御案内のごとく、何とい
つて
も
納税
者の財産についての重大な
職責
を持
つて
おりまして、そう言
つて
は悪いのでありますが、いろいろ自分のことを
考え
られる場合もあると思いますから、できるだけ待遇はよくしていただくのがいいと思います。
中野四郎
144
○中野
委員
ちよつと関連して伺いたいのですが、国家公務員法の第百三条には「職員は、商業工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の
役員
、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。」とな
つて
おります。その次には「職員は、離職後二年間は、営利企業の地位で、その離職前五年間に在職していた人事院規則で定める国の
機関
と密接な
関係
にあるものにつくことを承諾し又はついてはならない。」「前二項の
規定
は、人事院規則の定めるところにより、所轄庁の長の申出により人事院の承認を得た場合には、これを適用しない。」としてあるのですが、人事院規則の三には「人事院は、左に掲げる職員につき、前二項の
規定
による承認又は許可を与える権限を所轄庁の長に委任する。」としてありますが、あなたは、内田君が六日商事といういわゆる
保全経済会
と密接な
関係
にある職員として職につくにあた
つて
、長としての許可を与えたかどうか。これは明らかに国家公務員法の規則に違反するものだし、人事院規則にも反するものですが、この点あなたの方で許可を与えられたかどうか。これに対する処置をと
つて
おるかということを伺いたいと思います。
脇阪實
145
○
脇阪証人
ただいま御指摘の国家公務員法百三条の第二項につきましては、先ほど申し上げましたように、人事院規則によ
つて
、国の
機関
というのは各省及びその外局とな
つて
おります。いわゆる
国税局
がはたして外局に入るかどうかということも一応疑問があると私は思います。それから、同時に、密接なる
関係
のある営利企業と言えるかどうかということも一応疑問があると思いますが、それは別といたしまして、最初の御指摘の、
国税局
長に下級職員だから一任してあるのじやないかということでございますが、それは、人事院が、営利企業の
役員
たる地位につくことはその権限を留保しておるのでございまして、人事院の承認を得なければならぬと思います。ところが、その内田君がやめたときは、私はおそらく前の局長もそれを知らなか
つたの
だろうと思うのです。
従つて
、あるいは注意すべきであ
つた
かもしれませんが、知らないものだから注意しないで、結局ついてしま
つた
。こういうことになりますと、
国税局
長を通して承認するということにな
つて
おりますけれ
ども
、問題は、その内田君が
国税局
長に依頼すると申しますか、申し出るわけでありますが、その申出はありません。
従つて
、承認は得ていないと思います。少くとも私の時代には申出がなか
つたの
であります。
中野四郎
146
○中野
委員
外局として疑いがあるというのはどこにあります。それから、いわゆる密接な
関係
のある営利企業に疑いがあると言うが、どこにあるか。重ねて伺いますが、内田君も小川君も同じあなたの監督下にお
つた
人なんです。こういう人が現在二人出られておるのですが、外局としての疑問点がどこにあるか。それから、密接な
関係
のある営利企業ということは、はつきりしておるじやありませんか。たとえば、その
出資金
がことごとく
保全経済
去から出ておりまして、
保全経済会
の内情を査察しておる担当官が証券の方り担当にしましても、その担当官がそういうような反則を犯すということは、正しいことでないことは論をまたぬところなんですが、一体どこにその処置をする方途をと
つて
おられるか。どこにその外局としての疑いがあるか。また、第二点である、密接な
関係
のある営利企業という点に疑いがあるというお
言葉
ですが、私は決して
言葉
じりをとるのではありませんから、慎重にお答え願いたいと思いますが、これは大事な問題です。官紀が粛正されるということは、これは日本の現在の国政の上において大事な問題で、官紀が紊乱しておるところから、そもそも今日の事態を起しておる。
従つて
、その監督の地位にある
国税局
長がその問題をばただ不問に付しておくということは許すべきでない。官紀粛正の意味から、あなたは進んで処置をとられるべきであると思うのですが、その疑問点をまず明らかにしてもらいたいと思う。
脇阪實
147
○
脇阪証人
ただいま疑問があると申しましたのは、私は実は人事院の
見解
を何も聞いておりませんからというような意味であります。外局と申しましてもいろいろありますが、たとえば
税務署
、
国税局
が全部外局になるかどうかということは、これは人事院の
解釈
にまたなければならぬと思いますので、疑問がありますと言
つた
わけでありまして、そのように御
承知
おきを願いたいのであります。そこで、内田君がこの間やめてそこについておるということを知りましたけれ
ども
、その後処置しておりません。やめた者に対して、私が、承認を受けなければならぬとか何とかいうことを、どうもそこまで言えないのではないか。むしろ内田君が自分で承認をしてくれと言うて申出があ
つた
ときに、それを私が取次ぐという
規定
じやないかと思うのです。
中野四郎
148
○中野
委員
第二の方の、密接な営利企業であることにあなたは疑問があると言うが、どこに疑問があるのですか。いわゆる監督官庁である
国税局
の査察部におられた方が、証券の方ならなおさら深い
関係
があるのです。その人が当然その監督のもとにあるところの営利企業会社の現在専務をしあるいは常務をしているというのが、どうして密接な
関係
がないと言えるのでしようか。 それから、もう一点、私は申し上げておきたいのでありますが、必ずしも私はあなたを責めるわけじやありませんけれ
ども
、今の日本
全国
の
税務署
管轄の
税務署
員というものは、たいへん世間から顰蹙を買
つて
いるのです。そのことは、いわゆる自分の裁定、裁量によ
つて
便宜を供し、それがために自分の
利益
を得るというような、あるいは饗応を得て便宜を与えるというような点が多々あるのであります。これは事例が
全国
にずいぶんありますから、ここで論ずる必要はない。しかし、私は、
税務署
を監督しそれを総括するところの
国税局
みずからが、自分のひざ元から出た者に対して、あなた自身がその処置をとられぬというところに疑惑が起
つて
来ると思うのです。現在の日本の徴税
方法
は、科学的にこれをば徴収するにあらずして、想像税なんです。だろうというのでやるのです。あれはこのくらいもうけているだろうというふうなことで
課税
しますがために、税務官吏とかあるいはあなた方の役割は相当重要なポストにいらつしやる方なんです。国民の生活と直接つなが
つて
いる立場においでになる方が、ごうもそういうことがあ
つて
はならぬことです。ところが、現に、今言うような反則を犯している。これに対しては、官紀粛正の見地から、あなたが進んでその処置をおとりになるというのが、私は妥当じやないかと思う。向うから来るのを待
つて
お
つて
やるべきであるというような、消極的な態度でなく、官紀粛正をあくまでも実行するという見地から、進んでこういう問題に対してはあなたが慫慂されるのが妥当ではないかと思うのですが、この
二つ
の御答弁を願いたい。
脇阪實
149
○
脇阪証人
先ほど国と密接な
関係
のある営利企業に疑問があるがと言
つた
ことは、私があるいは言い過ぎだ
つた
かもしれないと思います。それは国家公務員法第百三条の第二項の、国の
機関
と密接な
関係
のある営利企業にあたるかどうかという観点において、今申しましたように、その
解釈
を人事院から聞いておりませんので、そういう意味に御
解釈
願いたいと思います。 そこで、
あと
の官紀粛正の問題については、これは御
説明
するまでもなく、われわれが常に努力しなければならぬことでありまして、いつも気をつけているわけであります。今後もこの点については慎重に努力しなければならぬと思いますが、しかし、この間内田君のことを聞きまして、はたして元役人であ
つた
人に、私がそれを言う権限があるかどうかということが疑問があ
つた
わけであります。たとえば内田君が国家公務員にあたるならば、それは国家公務員法違反になるのじやないか。そこで、私が、君は前にお
つた
からということで、すぐ出したらどうかということが言えるかどうかについて疑いを持
つて
いるのであります。
中野四郎
150
○中野
委員
そこが問題です。あなたの話では、
昭和
二十五年の
保全経済会
の
課税
に対していまだ
調査
中と言うのです。そうして、その
調査
の結果が出ておらぬでしよう。そこで、実は、そういう御誠意があ
つて
も、当時これを担当しあるいは担当官と同じ席にお
つた
人なれば、同じ
国税局
の中なれば、これはしばらく待
つて
くれとか、これはこうしてや
つて
くれないかというようなことが人情としてあり得ることです。また間々行われている。そういうことによ
つて
ことさらに二十五年の
課税
に対して手心を加え、あるいは加えんとして便宜を供したことによ
つて
、いわゆる
保全経済会
から特別な地位をも
つて
待遇されて、そうして六日商事というものの今日社長に遇せられているという過程を
考え
てみれば、官紀粛正という観点から言
つて
、悪いことと言
つて
は悪いが、反則を犯した人がみずから名乗り出て来るわけがないのですから、あなたの方から、こういうようなことは
国税局
として許すべきでないから、こうすべきじやないか、ああすべきじやないかというような処置をとられるのがあたりまえじやありませんか。むしろ、権限の問題から言えば、あなたはそういう地位においでになる。これは
国税局
の一官吏の方なら私はこうは申し上げない。しかし、総括的に監督をなさる
国税局
長として、そういうことが平然と行われれば、今後あなたの局の者は、今言う、
調べ
に行
つた
ところに手心を加え、加えんとすることによ
つて
便宜を供して、そうして自分の地位を獲得する。その獲得をした結果においては、あなたの今言う立論から言えば、向うから出て来るものであ
つて
、こつちには権限に疑義があるというようなことは、私は
国税局
長という見地からは少し不当ではないかと思うのです。あなたは不当でないとおつしやれば、それはやむを得ませんが、私らは、およそ不当な処置である、むしろ進んでこの問題はあなたの方で処置すべきものではないかという
見解
を持
つて
おるのですが、いかがですか。
脇阪實
151
○
脇阪証人
内田君が不当なことをや
つて
おるかどうかは私は
承知
しておりません。しかし、たとえば、役人をやめるときに、ぼくは会社の社長になるということならば、私は注意もしますけれ
ども
、一旦やめて
——
私はこの間知
つたの
でありますが、二年近くもた
つて
から、私がそれに反対してああせいこうせいと言う権限があるかどうか、疑問があると思います。
中野四郎
152
○中野
委員
今あなたの仰せのような立論から言えば、やめるときに会社の社長になるとか、専務になるという違法行為を申し出るわけはないのです。というのは、それだけうしろ暗いことかあるからです。
保全経済会
のようなものは、
匿名組合
か
匿名組合
に準ずるものか、
実態
が解明されていないでしよう。いわゆる
投資
機関
であるかどうかということすら鮮明にされていない。しかも
課税
の対象になるのが何人であるかわからないときじやありませんか。そのときにあた
つて
、彼がその倒に当
つて
お
つたの
だから、当然便宜を供し、あるいは供さんとしてかなり好意をも
つて
処置したことはわかり切
つた
ことじやありませんか。その人間がやめるときに、あなたにその内容を報告するわけはない。そういうことこそ、局長としての職務上の権限から、一年後においても半年後においても、当然処置しなければならない。現に、小川君にしましても、あるいは内田君にしましても、ずいぶん早い機会に就任しておるじやありませんか。その事実がわからなか
つた
ことはあなたの不徳のいたすところです。しかし、あなたのところの係長とか
課長
は知
つて
おるはずだ。知らぬはずはない。そうしてみれば、あなたはなるほど新任でいらつしや
つた
から知らないかもしれませんが、局全体から
考え
た場合には当然知らなければならない。そのときの局長が何らかの処置をするとか、あるいま今日わか
つた
ときには即刻に処置する。 誤
つた
ことを改めるにはばかることなかれ、ただちにこういうことは間違いじやないか反則じやないかということをあなたは官紀粛正の見地かり言うべきではないか。どこに疑問がめるのですか。そんな疑問の
考え
方を付
つて
おられれば、あなたのところかつそういう人間がどんどん出ます。あばたは一、二年おれば栄転するか、横物するか知らないけれ
ども
、それじや済まない。単なるあなた
個人
ではない。
東京国税局長
としての
責任
を問うておる。当然そういう
責任
を感じてしかるべきだと思いますが、疑問があるとい
つて
済まされるならば、それでもよろしい。われわれは立法府における
行政
監察
委員会
としてあなたの
責任
を新たなる立場に立
つて
追究するだけの権限を持
つて
おります。しかし、私はそういうことを好ましいとは思
つて
おりませんので、今でもおそくないから、将来あなたが内田君なり小川君に対してこのことの処置をされるという御気分があるならば、私はあえてこれを深追いしようとは
考え
ておりませんが、これは大事な問題です。官紀粛正、綱紀粛正、このことは道徳を確立して日本の政治を正常な姿に返す上において一番大事な問題だと思いますから、御一考あ
つて
しかるべきだと思いますが、いかがでしようか。
脇阪實
153
○
脇阪証人
私はここで即答をいたしかねます。
鍛冶良作
154
○鍛冶
委員
関連して。あなたの
責任
を追究するとか、あなたにどうせよという問題ではないと思う。要するに、先ほどから聞いておると、内田なり小川のや
つた
ことは官吏としていいことだとは言われないでしよう。その点はいかがですか。
脇阪實
155
○
脇阪証人
もし、さいぜんおつしやるようなことがあるのでしたら、いけません。また、そういう立場にお
つた者
がなるということは、私はさきにも言
つたよう
に、前官吏としてはどうかと思うと
考え
ておるということは申し上げられます。
鍛冶良作
156
○鍛冶
委員
とにかく自分が
調べ
てお
つたの
だから、そして
調べ
ておる途中でやめて、その
調べ
ておる会社から出資させて
——
五千万円といえば大金です。そういう資本を出させてその社長にすわるということは、何人が聞いてもただとは聞きません。
従つて
、
——
前の局長のときであ
つた
かもしれない。あなたの時代ではなか
つた
からそういうことを知らなか
つた
、それは人間ですからやむを得ない。そこで、今日わか
つた
とすれば、これは捨てておけないという
考え
は起らなければならないと思いますが、この点どうですか。
脇阪實
157
○
脇阪証人
この点につきましては、この間からも実はいろいろ
考え
てお
つたの
ですが、どうもその権限がないじやないかというように思うのです。
鍛冶良作
158
○鍛冶
委員
権限のあるないじやない。権限がなか
つた
らないでもいいですよ。私の言うのは、
国税局
として、もしくは
国税庁
として、こういう事実が国会で明瞭にな
つた
とすれば、これは捨てておけないので、何とかこういうことのないようにしなければならぬ。まずそれについてだれかが
責任
をとらなければならないということが当然起ると思うのです。私はあなたにどうしなさいこうしなさいと言うのではありません。それらの見地に立
つて
これらの
責任
を明瞭にし、今後このようなことがあ
つて
はたいへん困るから、ないように努めるという御意思はありませんか。
脇阪實
159
○
脇阪証人
その点については、そういうように努める意思はございます。
鍛冶良作
160
○鍛冶
委員
これはぜひともおやりにならなければならぬと思います。これは深く
調べ
れば必ず刑事問題が起
つて
来ると思います。私は今までこれだけのことを知らなか
つた
が、これだけのことが明瞭になれば、ただでそんなことが行くものではありません。いわゆる臭いも臭い、これほど臭い問題はないと思います。それらの点は将来一般官吏に対する戒めともなりますし、国民に対する疑惑を解くことにもなるし、いわゆる官紀粛正ということに対しては重大なことだと思うから、あなたもひとつ、あらゆる面から御
研究
願
つて
、かようなことのないようにお努めくださることを私は希望いたします。
中野四郎
161
○中野
委員
私、ちよつと忘却してお
つたの
ですが、内田君のときはあなたの局長のときでないようです。小川亮君の退職は
昭和
二十八年六月で、あなたのときなのです。そうすると、あなたは国家公務員法の手続をとらしめずにそういう処置をしたことは、あなたの
責任
じやありませんか。
脇阪實
162
○
脇阪証人
小川君は、私が局長にな
つて
から、去年の五月三十一日にやめております。もつとも、小川君は職務
関係
から申しますと直接
関係
はないように私聞いております。それでは、やめるときにどうだ
つた
ということになるのであります。それは、そのとき私は全然知りませんでした。そして、やめるのは一身上の都合ということにな
つて
おりまして、任意退職も発令されておりました。小川君の問題も私はついこの間
知つた
わけでありますが、小川君は、内田君と違いまして、
昭和
二十七年六月一日までは特殊業係、すなわち貿易・百貨店業
関係
、その後二十七年六月一日から退職のときまでは公益
事業
の係長をしてお
つたの
であります。それで、内田君とはちよつと職務の
関係
が違うのであります。
中野四郎
163
○中野
委員
そういう職務の
関係
でないのです。小川君はあなたが局長としておいでになる間に退職しておるのです。理由はどうでもよろしい。繰返して言うのじやないのですが、先ほ
ども
言うように、少くとも自分が
関係
している
一つ
の役所の傘下にある、監督下にある会社に入るのに、国家公務員法の違反を犯して局長に進達するわけはないので、何か理由はありますよ。家庭の
事情
とか、一身上の
事情
とか、経済上の
事情
とかいうことは訴えて出るでしよう。しかし、現に、
昭和
二十八年の五月三十一日にやめて、そしてこの密接な
関係
にある、監督下にある、
課税
の対象になる、しかもその
課税
が曖昧模糊の間にあるような
保全経済会
の小会社の六日商事の常務の職についているというが、国家公務員法の手続をと
つた
かどうか。それを聞いているのです。あなたはその際これに対して手続をとらしめたかどうか。最近にな
つて
聞いたとか聞かぬとかいう問題じやない。
昭和
二十八年六月のことです。今から九箇月かそこら前の話じやないか。最近にな
つた
つて
、いつにな
つた
つて
、できるじやありませんか。どうしてそれをやらなか
つた
か、それを伺いたい。
脇阪實
164
○
脇阪証人
小川君は、やめるときにもぼくは知らなか
つたの
であります。それで、その手続はと
つて
おりません。
中野四郎
165
○中野
委員
それは不見識きわまるじやありませんか。これは私は局長さんの答弁としてはまことに見識がないと思うのです。知らぬとい
つた
つて
、今
知つた
でしよう。
知つた
限りにおいては、どういう処置をするのですか。これからあなたは、あなたの局の方々がおやめにな
つて
、こういう違法行為を行
つて
いる場合に、知らなか
つた
からとい
つて
通りますか。あなたは当の監督者である局長じやありませんか。その局長さんが、その手続をしらなか
つた
とい
つて
平然としてお
つて
、権限に疑いがあるなんとい
つて
ばかげたことを言
つて
お
つた
んじやだめじやありませんか。これは少し御勘考にな
つた
らどうですか。そうして、自分の職の
責任
上からただちに処置をとるのが妥当な道じやありませんか。それをもしもあなたが疑義かあるとかなんとか言
つて
逃げて行かれるなら、けつこうです。あなたの
証言
がそれならそれでけつこうですから、われわれの方は量られた権限において、
行政
監察
委員会
としてあなたの職務に対して監督する権限があるから、いたします。けれ
ども
、そういうことを私は好まないから、あなたみずからがこの際あやまちを改むるにはばかることなかれで、何らかの処置をとるとおつしやれば、穏便に済むと
考え
て新司な意味で先ほどから繰返しているのですが、小川君に対しても内田君に対すると同等の立場に立
つて
あなたは何らの処置をなさらないつもりですか。それならそれでよろしい。ただその答弁だけ伺
つて
おきましよう。
脇阪實
166
○
脇阪証人
おつしやる御指摘の点はよくわかりますが、人事院ともよく相談をいたします。
田渕光一
167
○田渕
委員
国税局
の局長がこの点どう
考え
ているか。国家公務員法の第九十六条には「すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の
利益
のために勤務し、且つ、職務の遂行に当
つて
は、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」あるいは人事院規則のいわゆる服務の
宣誓
等もあるのですが、こういう
法律
はもちろん徹底していることと思う。ところが、伺
つて
いると、
——
局長みずからが道義的な
責任
を負えと私は言うのではない。わからなければ前局長も呼びます。あなたのところの監察官も。どう
調べ
たか、呼ぶのですけれ
ども
、そこまで横へそらしたくないから、この機会にわれわれが伺うのですが、どうです。こういう国家公務員法の九十六条の精神をほんとうに体しているとすれば、内田君は六日商事、小川君も六日商事だけとあなたは思
つて
おりますか。ほかにもあることをあなたは御存じですか。それだけ御
証言
願いたい。
脇阪實
168
○
脇阪証人
今特に聞いておりません。
田渕光一
169
○田渕
委員
それじや私が申しましよう。こういうわけです、私は小川君の問題までそういう
関係
で出したくなか
つた
が、二の六日商事の取締役に小川君をひつぱり込んだ。
あと
からですから、内田君が小川君をひつぱり込んだと私は見るんだ。小川君が六日商事の取締役です。そうして日本和紡
株式
会社という、これは大谷瑩潤氏の息子がや
つて
いる長浜の、仏教保全会の
関係
している会社です。この仏教保全会が最も大きな
投資
をしている長浜の日本和紡の
監査
役にな
つて
いる。もう
一つ
、内田君は、上野工業
株式
会社という中央区日本橋本町四の五にある会社これにも
保全経済会
から一千四百万円出ている。これの
監査
役にな
つて
いる。それでやはり証券部長であ
つた
理事
の牧原が取締役である。三つも四つもこういう会社に
関係
している。まことに
東京国税局
の職員各位のつらよごしのやつらだ。内田にしろ、小川にしろ、けしからぬやつらだと思うけれ
ども
、なるほど、あなたの
証言
の通り、出て行
つた者
は
調べ
ることはできないが、少くとも内田や小川をたれが入れたかということから聞いて行かなければならぬ。こういう点について
あと
で
資料
で提出を求めますが、少くとも今中野
委員
が言うごときことは
——
私は、国会というところは甘いところだ、代議士も
税金
の
関係
もあるのか税務官吏に対して手心を加えるというように見られちやいかぬから、公的な立場でこの問題の
証言
をあなたに求めている。決して私怨私情があなたにあるわけじやありません。少くとも査察部長なり総務部長なり、あなたの部下で当時の直接
責任
者であ
つた者
だけは、あなたが
調べ
て、一人くらい
責任
をとらせなさい。
保全経済会
の問題で顧問として顧問料をと
つた
というだけで、社会党の顧問の地位にある平野君を社会党は離党さした。平野君が政治的な生命を社会党からとられてしま
つた
。政治家としてこういう道義的な
責任
をと
つて
おります。
——
判決がなくても。また
一つ
は、一月二日の二重橋事件を見ましても、警視庁の取締官が左遷され、訓戒を受けている。こういうことがあ
つて
、信賞必罰がなければ、あなた方の部下の将来の戒めにならぬ。ここまで来た問題を、私たちは、あなたが知りません、あるいは
考え
てみましようと言うことで済ますことはできませんので、少くとも当時の上司たる者に対して、あなたがお
調べ
にな
つて
、
責任
をとらしていただきたいということを私は要求する。結果としてどういう処置をしたかということは、当
委員会
へ書面をも
つて
御報告を願えばたくさんだと思う。それがないのならば、当
委員会
が
結論
を出すまでに、あなたに対する
方法
を
考え
て行かなければならぬ。これを要求いたしておきます。
小林進
170
○小林(進)
委員
緊急動議の提出をいたしますが、今、本
証人
に対して、田渕
委員
並びに中野
委員
から、実に
行政
監察
委員
として当然追究しなければならない最も重点を追究いたしているのであります。いわゆる
行政
庁の長として、国家公務員法並びに人事院規則に照しまして、局長としてその責務を全うしているかいなかということを
言葉
を重ねて追究しているにもかかわらず、彼はそれに対して誠意のある答弁を行うことをしない。またそれに対する自己の
責任
を
一つ
も意識していない。
考え
ていない。ただ自分の
責任
のがれのみに汲々といたしているのでありまして、これには私は国家の公務員あるいは公僕として見のがしておくことはできないと思うと同時に、こういう
責任
感のない者をなんぼわれわれが貴重な時間を費し労を費して追究いたしましても、これ以上の効果をあげることは不可能であると思います。この際、
委員長
におきましては、こうしたむだな質疑を繰返することを中止せられて、ただちに
理事
会を開いてこの
証人
をいかに取扱うか、たとえて言えば、
所管
大臣にわれわれ
理事
会の名において重大な勧告をするか、あるいはその他の適宜な処置をとらなければならないと思うのであります。そういうことに関し
委員長
がさつそく質疑を打切
つて
理事
会の招集手続をとられんことを緊急動議として提出する次第であります。お諮りを願いたいと存じます。
塚原俊郎
171
○
塚原委員長
ただいま小林君から、質疑を打切
つて
ただちに
理事
会を開いて相談すべしという動議が出されておりますが、御異議ありませんか。
田渕光一
172
○田渕
委員
異議はありませんが、私たちはこの
証人
に対してこのまま
証言
を打切るわけには行きません。まだまだ求めなければならぬものもありますから、これは打切りでなくこの
証言
を留保しておいて、私は今の小林君の動議に賛成いたします。
塚原俊郎
173
○
塚原委員長
小林君の動議は、質疑を打切
つて
ただちに
理事
会ということでありますが、田渕君から、質疑をなお残しておるから保留して
理事
会を開けということでありますから、そうい
つた
ふうで小林君いかがでありますか。
小林進
174
○小林(進)
委員
それでは、私は田渕君の意見に同意をいたします。
塚原俊郎
175
○
塚原委員長
お諮りいたします。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
塚原俊郎
176
○
塚原委員長
御異議なしと認めます。
脇阪証人
に対する質疑は保留いたします。 なお、
脇阪証人
には今後出頭を求めることになりますから、さよう御了承願います。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十二分散会