○柳田
委員 その前に、同僚
滝井委員の
質問にもあ
つたのですが、今の内閣の閣僚というものは吉田首相の鼻息ばかりを心配しておられる。御本人一人暴言、広言まかり通
つてお
つて、
大臣はそれこそ自分の発言に何らか事なかれ、大過どころか小過なからんと汲々これ努めておるような感じを受けるのです。先ほど安藤国務
大臣が来ておられたが、さすがに安藤さんは役人の経験がないので、比較的率直に
答弁しておられる。これが岡崎さんだつたら別なニユアンスの
答弁をされるが、さすがに安藤の方は、われわれ聞いてお
つても比較的ものを率直に言
つておられる。厚生
大臣はか
つて社会局の、やはり
地方のお役人をや
つておられた。それが抜けないのか知らぬが、
大臣の
答弁を聞いておると、
局長の
答弁と何ら違わぬ。およそこれが
大臣であるか、
局長であるか、何ら差がない。少くとも
大臣なら、多少吉田からしかられようが、あるいは大蔵省の方から
予算をやらぬと言われようが、おれはこう思
つておるのだ、閣僚の一人としてこう
考える、何を言うかというくらいの気魂を持
つてここで答えてもらわなければいかぬ。われわれの同僚
滝井委員は思いつきで
質問をしておるのではない。十分
研究もし、資料も集めて、そうして
日本の
結核対策についても身みずから真剣にな
つて質問しておるのだ。真剣にな
つておるからには、
大臣はもう少し真剣にな
つて答弁してもらいたい。そういう
意味で私は、一昨日来いわゆる輸入黄変米の問題について審議を重ねましたこの厚生
委員会の
結論的なことについてお尋ねいたします。
現在黄変米に対する
国民の不安というものは、これを帰着いたしますと、大きく言えば政治の不信に関しておる。政治の不信ということになりますと、やはりわれわれ議員も同様に責任を感じます。しかしながら現在の吉田政治というものに対する
国民の不安というものは、やはりこういうような一黄変米の配給に関しても
一つの連鎖反応を起して、あるいはむしろ言葉を少し大きく言うならば、
厚生当局が
考えておられる以上の不安を巻き起しておるかもしれません。ここに私は
一つの政治の不安があると思います。そこでこの黄変米の配給について、
大臣は
厚生省の主管できめたのではない、学界の学者の
意見も聞いてきめたので、今の配給量では絶対無害と信ずるということをここで言明なさつた。ところが昨日四人の権威者を呼びまして、
参考人として
意見を聞きました。いずれ
大臣はこの速記録等をごらん願うことと存じますが、とにもかくにもきのう学者の
意見を聞いておりましたわれわれすべての
委員も、あるいは傍聴されておりました方も、あるいはこの結果、成行きいかんを八千五百万の
国民にかわ
つていち早く報道すべく詰めかけておられた新聞記者諸君も、一様に感じ取つたことは、これはどうもやはり
厚生省の主観が多い、必ずしも学界の一致した
意見じやなかろうというようなところではなかろうか。これは私の主観を申し上げておるのでありますが、おそらくこの主観は他のどの
委員から伺いましてもさようであると思います。であればこそ本日の決議に
なつたわけであります。本日の決議は満場一致で決議になりましたが、「
輸入病変米の
取扱に関する件」として、「
輸入病変米の
毒性等に関する
綜合的調査研究、検査のための新機構を設置し、これに
所要の
予算措置を講ずること。」というのが第一項に、「前項の
研究による一応の
成果を得るまでその配給は当分これを見合せること。」というのが第二項にな
つております。そこで、農林省の方は
厚生省のこの基準に
従つて配給する。だから結局配給する
最後の責任は農林
大臣でありましようが、それに基準を与えるものは厚生
大臣であります。でありまするから、厚生
大臣の方でやはりわれわれのこの
委員会の決議を尊重していただけるかどうか、この点を端的に御見解を承りたい。
なお、すでに御承知のことと思いますが、昨日の農林
委員会におきましては、これも御場存じのことと思いますが、いわゆる黄変米に対しては「一定基準」云々ということがありまして、その一定基準というものに対して
はつきりした見解が出るまではやはり配給を見合せること、こういうことにな
つておる。さらに参議院の厚生
委員会におきましても、これの配給を中止しよう、こういう決議があります。やはり院議を尊重されるのが民主主義の本体と存じますがゆえに、
大臣は本日当
委員会におきまして満場一致で決議しましたこの決議の趣旨をいかように御解釈になりますか、端的に御見解を承りたい。