○安田政府
委員 まことにごもつともな御説でございまして、家族制度もだんだんくずれて参りますし、経済の
状況もかわ
つて参りましたので、年寄りが困るということは仰せの
通りだと思います。現在養老
施設としては、四百五十箇所ぐらいで、二万九千人ばかりの者がそれに収容されておるわけでございますが、まだ各町村あたりから毎年々々養老院を建てたいという希望が相当ありますので、
お話のように養老院が足りないのではないかということにつきましては、私
ども実は同感でございます。ただあとで
お話になりましたのは、
有料の
老人ホームというようなお
考えだと思うのでありますけれ
ども、この方は現在公立的なものは神奈川県で昨年始めまして、十二人ばかり収容されておるのが
一つだけでございます。私立のものが三箇所ばかり現在あると思います。ところが私
どもまだ実績をつまびらかには知りませんけれ
ども、非常にむずかしいと思われますのは、
計算をいたしてみますと、大体一人について八千円ぐらい月にかかるのではないかという気がするのです。その内訳は、食費として四千円、三千円がいわゆる人件費その他の管理費としてかかる。あとの一千円が建物その他の臨時的な償却費というものと見ると、大体八千円かかる。そこで今
お話のような方がそういう
施設に入られると申しましても、今後毎月八千円ずつ払
つて行けるかどうかということは、これは入
つていただくときにかなり問題があると思うのであります。もしそういう場合に払えなくなるということになりますと、やはりこれは
生活保護の取扱いをしなければならぬ。そうして同じ
施設に
生活保護の人とそうでない人と入るということになると、差別待遇ということが起りまして、これもまずいというようなことになりますので、そういうところが
一つの難点じやないか。あるいはその
老人が今後何年生きるかというようなことで、平均余命どのくらいというようなことを
計算いたしまして、逆算して、それでは一時にこれだけ納めなさいということを
考えてもいいわけでありまして、そういう
考え方もあるのであります。しかしこれも非常に数が少うございますから、そういうことをや
つてどの
程度の安全率があるか、これも非常にむずかしい問題だと思います。そういうような点が今のところ
有料老人ホームの
一つの問題にな
つておるのじやないかと思います。そのほか郵政省あたりで
年金受給者にそういう
施設をつくるというふうな話があつたことを新聞で読んだことがありますが、その後どうな
つておりますか、まだつまびらかに承知いたしておりません。