○長谷川(保)
委員 私も海岸近く住んでおりますので、大体漁師のことはよく知
つておるのでありますけれ
ども、実際において最近のあの附近の
漁業家というものは、ことに漁師の諸君は常に生活はかなり窮迫しておる。でありますから、船員保険でも
つてただちに手を打つといたしましても、先ほど申しましたように、六千円しかくれない。船員保険の標準手当金は六千円で、片一方は二、三万円どうしてもかかるのだということにな
つておりますと、これは今日生活に困るわけであります。東大等に入院をいたしません最も大きな理由は、やはり生活に困るということであ
つたわけであります。これが実地に伺
つてみてわか
つておるわけであります。だからその問題をすぐに手を打
つてあげないと、治療その他にも手遅れになる。きようあたり
被爆者が
東京方の方に来るそうでありますけれ
ども、治療を安んじて受けられないということになりますので、これはどうしてもすぐ手を打
つてもらわなければならぬ。もうすでにおそいのであ
つて、
アメリカさんの
補償なんということは事実いつのことかわかりはしません。また私が心配するのは、こういう問題は
事件が起きました今日は大きく取上げられておりますけれ
ども、これが三月、四月、半年たちますと、いつのまにか問題でなくな
つてしま
つて、世人の口の端から、うわさも七十五日という中に入
つてしまう。だからそのときにな
つてこの諸君が非常に気の毒な
立場に立たれますし、あそこで
アメリカさんが今後何べんでも
水爆の
実験をするのであろうということは、あの
実験の
危険区域を広げたことではつきりわか
つておる。でありますから、今後もこういう問題が起
つて来るでありましようし、また今日出漁しております諸君の中でこういうような事情にな
つておるものがあるかもしれません。またもつとひどい事情にな
つて、船員あるいは乗組員が死んでおるというようなことがあるかもしれません。でありますから、こういう対策はもうおそいので、今までに
政府はちやんと立てていなければならぬはずだ。それをいまだにその方針がはつきりつかぬ、
漁業協同組合に一時立てかえてや
つてもら
つているというようなことであ
つてはならないと思う。だからこの点を厚生当局としましては、
国民一人々々の生活の問題といたしまして、基本的な生存権の問題、重大な基本人権の問題といたしまして
政府関係当局全部話をいたしまして、すみやかにこれを解決せられるように私は望んでやまない。それですでに予備費から出せという話も各党から起
つておるわけでありまして、これは当然ただちに手を打
つて万全を尽してあげる、こういうようにしていただきたいと思うのであります。
それからこの前も同僚諸君から言うてあるのでありますが、船員保険でやるというのが本来間違
つておるのでありまして、社会保険を適用するのは間違
つておるのであります。これはこの前にもすでに申し上げておりますから、くどく申しませんけれ
ども、一時的なものとして将来他の
方法にかえる、便宜的な一時的な問題として、ということでだけならばわれわれは一応了承できるのでありますけれ
ども、社会保険をこれに使うということは、社会保険の
考え方からい
つてどうした
つて無理だと思うのであります。これはこの前同僚諸君から
言つてありますので、この点につきましては
厚生省は一時的のものとしてこうやるのであるか、それともまたこれをかけるのが正しいと考えているのであるか、念のために伺
つておきたい。