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川船参考人 ただいま最近の
具体例があ
つたら、そういう点から入
つたらどうだろうかという
お話でございましたので、そういう面から入
つて御説明申し上げるとともに、私の
意見を申し上げさせていただきたいと思います。
大島土地の問題につきましては、私
たち取引業をあずか
つており、かつその面から
業界と絶えず接触しておりますところから、いろいろと注意をいたしてお
つたのでございます。率直に申しまして、
大島土地は、
業界の
人たちからは非常に
評判がよくなか
つたのであります。どうもあれはおかしいのだというようなことで、きわめて
評判がよくなか
つた。一例を申しますと、
あとで
警視庁の方からも、お取
調べにな
つておる
内容の
お話があるかと思いますが、
売買業務が主であるのか、
代理業務が主であるのか、その限界がはつきりわからないというような
状況にな
つておりました。たとえば
土地の
売買の依頼を受けた場合には、
手付金を一〇%ほどと
つて、整地して、売
つてから金を払うのだというような
契約にな
つております。ところが、なかなかこれがはかどらないというようなことで、
支払いを延ばしておる。最初の
約束としては、金が入
つたあかつきには、いつでも払うという
約束にな
つておるけれども、いざとなると払わない。払う段になると約手を出すというようなやり方であります。これは
土地を売る方に対するあれでありますが、それから
土地を買う側に対しては、四〇%ぐらいの
手付金をとる。いよいよ家を建てる、
土地を使用する段取りになると、その
土地は
農地法の
関係などでなかなか使えないというようなことで、行き悩んでおる。たとえば、
買つた者が途中で事故が起きるという場合には、ただちに破約をするとか、あるいは高額な金をそれに対してとるということで、非常に厳重なあれをや
つておる。そういうわけで、非常に悪辣であるということを聞いております。
とれは
風評の域を出なか
つたのでありますが、なおそのほかにも、御
案内の
通り、あの
会社は
厖大な
広告を出しております。私
たちもあの
広告を見て、非常な不信とともに、不愉快な感を抱いてお
つた。
土地経済の
創始者であるとか、あるいは
土地哲学の大家であるとか、
土地銀行であるとか、
手数料はいらぬとか、気に入らなければ返すのだとか、実に耳ざわりのいい
言葉を使
つておる。こうい
つたことは、徳義的な面からい
つても、非常に不愉快なものであります。そのほかに、あの
会社があれだけの
広告をしておることについて、非常に
厖大な
広告費がいるであろうと思われるのですが、一体ああいう
広告費というものはどこから出て来るのか、そういう
疑惑をわれわれ持
つておるわけであります。そういう面からい
つて、
投書も若干あるにはあ
つたのですが、その
投書の
内容を申しますと、やはり抽象的なものばかりであ
つて、具体的なものはあまりなか
つたのです。そこで、私
たちの方では、
業法の二十一条でその
内容を
調査するというような
考え方もあ
つたのですが、これは単に
風評とか抽象的な
投書とか、
そういつた程度のものだけでは、われわれが
調べるということも、御
案内の
通り実際問題としてはなかなかできかねるわけでありまして、そのために、
内容を一度見に行
つたこともあるのですが、店に
行つても、客であるか店員であるかということの見きわめが、ほとんどつきかねる
状況で、これはやはりもう少し突き進んだもの、たとえば、
検察権の発動とい
つたようなものがないと、
通り一ぺんのわれわれの
調査では行かない、ほんとうならば、ああいう
営業ぶりをあそこまで持
つて行かないうちに、
行政面のわれわれのところで、そうい
つたことを未然に防止するというのが本来の行き方ではないか、こういう
考え方を持
つたわけですが、今申し上げたように、そういう点なかなかわれわれの力では及ばないとい
つたような
状況であります。それに、率直に申しまして、われわれ都におきましても、手不足な点から、なかなか
内容を
調査するという面まで行きかねる、こうい
つた状況でもあるのであります。従いまして、私
たちの方としましては、
行政面において十分なことをやるわけに行かなか
つたようなわけでありまして、それでたまたま
警視庁で今度
調査されるということにな
つたわけでございます。
そこで、私
たちがこれを
調査いたしますについて、いろいろ行き悩んでおる点、このあたりから、
業法の不備な点というか不十分な点を申し上げてみたいと思います。そこでわれわれの持
つておるのは、単なる一応の
調査権である。これに対してどういうことを
考えておるかを言
つてみたところが、これには何らの
指示権もないわけですし、
従つて、それに基いての勧告という行為ももちろんできないわけです。それから、ただいま申し上げた
通り、何かきつかけを求めるといたしましても、単にうわさというような
程度だけでは、われわれの持
つておるところの
職務権限だけでは、なかなか不十分である。それには、もう少し具体的なものを知りたいとい
つても、なかなか出て来ない。たとえば
苦情処理などという面でもあるならば、われわれの方でも
てつとり早く出て来るのじやないかと思いますが、とにかくそれもない。この前の
委員会におきまして、どうか
苦情処理を含んだところの
審議会を設けてほしいという要望が
業界からあり、私からも
意見を申し上げて、あの点につきましては学界と申しますか、東大の
有泉先生も賛成され、
業界も賛成し、私も賛成しておりますが、ああいう
苦情処理を含んだところの
審議会を設けるという面につきましては
全員賛成の意を表されたのであります。ああいう面があ
つたならば、もう少し何か具体的なものがつかめたのではないかというふうに
考えたわけであります。従いまして、
東京都といたしましては、
法律にございませんので、もう少し
解釈を広げまして、
業法に
従つて審議会を条例でも
つて設けて
苦情処理をいたして行きたいというふうに
考えておりますが、これは先般御説明申し上げた
通りでございます。時間も参
つたようでございますが、大体私
たちのと
つた処置と申しますか、それにあわせて
業法がどうも不十分である、監督するには弱いというふうな
考えがあるわけであります。
以上が話と申しますか
糸目的に申し上げまして、次の御
意見をお聞きして、また御
質疑がありますれば、さらに詳しく御説明申し上げたいと思います。