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1954-04-08 第19回国会 衆議院 建設委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年四月八日(木曜日)     午前十一時五分開議  出席委員    委員長 久野 忠治君    理事 瀬戸山三男君 理事 田中 角榮君    理事 佐藤虎次郎君 理事 細野三千雄君       逢澤  寛君   岡村利右衞門君       高木 松吉君    仲川房次郎君       赤澤 正道君    村瀬 宣親君       三鍋 義三君    菊川 忠雄君       佐竹 新市君    只野直三郎君  出席政府委員         建設政務次官  南  好雄君         建設事務官         (大臣官房長) 石破 二朗君         建設事務官         (計画局長)  澁江 操一君  委員外出席者         専  門  員 西畑 正倫君         専  門  員 田中 義一君     ————————————— 四月七日  委員山田彌一君辞任につき、その補欠として濱  地文平君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  土地区画整理法案内閣提出第一二八号)  土地区画整理法施行法案内閣提出第一二九  号)     —————————————
  2. 久野忠治

    久野委員長 これより会議を開きます。  土地区画整理法案及び土地区画整理法施行法案、以上二案を一括して議題とし、これより質疑に入ります。  両案に関しまして質疑の通告がありますので、これを許します。菊川忠雄君。
  3. 菊川忠雄

    菊川委員 私は逐条的なことは省略して、各条の項目にわたる事柄でありますが、問題を五つ六つあげてお尋ねいたしたいと思います。  この法案ができるまでの経過を見ますと、昨年中、戦災地における区画整理並びに特別都市計画について、いろいろと複雑な問題を惹起いたしました。これを本院の行政監察委員会においていろいろと調査いたしましたのでありましたが、その土地々々のいろいろの複雑な事情もございましたけれども、一方には立法の面において現状に即しない非常な不合理な点、あるいはずれた点も発見されましたので、ここにそれらの関便法規を統一あるいは修正をして本法案ができるに至つた、こういう経緯であります。そういう点におきましては、時宜に適したけつこうな立法であるというふうに私ども考えておるのでありますが、こういう問題を惹起いたしました当時の実情に当てはめてこの法案を見ますと、まだいろいろの問題があるのではないかと思われますので、そういう点を中心にしてお尋ねいたしたいと思います。  第一は、この法案を通じて見ますと、借家権者発言権なり権利というふうなものが、十分に保障あるいは保護されていないといううらみがあると私ども考えるのであります。その点を中心お尋ねいたしたいと思います。と申しますのは、たとえば大都市——東京を例にとりましても、各地区特別都市計画実施にあたつて、あるいは区画整理実施にあたつて、問題を起しておる大部分のものは、土地所有者あるいは借地権者と、その上に営業あるいは居住を営んでおるところの借家権者との問題が解決されないからであります。たいていみな借地権は持つていないが、しかし、その上の家屋を、間口権利幾らというふうに、権利金を高く払つて営業を営んでおる。また土地値段なりあるいは借地権というものは大したことはないが、むしろその後の借家権の方が百万円、二百万円というふうなことに相なつておる。そういう借家権者は、この区画整理なりあるいは都市計画を行う場合において、何らの発言権を持たないという点は、依然としてかわりないようであります。そういう点で、一つの例でありますが、借家権者は、この法案を通じてどの程度に保障されるかということをお尋ねいたします。
  4. 澁江操一

    澁江政委員 ただいまお尋ねの、土地区画整理に伴います借家権者保護の問題でございますが、土地区画整理事業がいろいろの段階にわかれて施行され、それに対する手続その他が換地者保護をはかりつつ規定されております。そこで、各段階における借家権者立場というものは、どういうふうな、関係において保護されるかということを一応申し上げることによつて、御理解を得たいと思います。  まず第一は、土地区画整理事業計画を立てる場合の借家権者立場でございます。これはこの新法によりましても、いわゆる関係権利者意見提出ということを一応許しております。かりに事業計画行政庁あるいは公共団体によつて施行されるといたしました場合に、施行者においてそれぞれこれを公衆縦覧に供するということにいたしております。公衆縦覧に供した結果といたしまして、今の事業計画なりあるいは換地計画が、借家権者利益を非常に侵害するということでありますれば、当然これに対する関係権利者の一人として、借家権者はこれに対する意見提出をすることができる、こういうことになつておるわけでございます。その意見提出によつて相当の理由ありと認められるものは、事業計画をそれぞれ知事が都市計画審議会等に付議いたしまして、修正をしなければいけない、こういう規定の仕方になつておるのであります。  それから、しからば換地計画自体としては、そういう意見の結果としてまとめられたものができて、しかもその換地処分実行後におけるいろいろな借家契約等から見まして、従前借家契約の履行がきわめて不利な状況になり、あるいは妨げられるという結果になつた場合の処理をどうするという問題がもう一つ残ります。これはこの新法の上におきましては、百十六条をごらんいただきますと、そこに建築物利用が妨げられるに至つた場合につきましては、具体的には賃借料増減という問題によつて解決したい、かような考え方をとつておるのであります。すなわち、従来の契約条件いかんにかかわらず、将来に向つて賃借料増減を請求することができるという建前になつておりますので、この法規を活用することによつて借家権者保護をはかることができるのではないがというふうに考えておるのでございます。  また従前借家契約そのものを存続する意味がないということになりますれば、これは契約解除という問題に発展するわけでありまして、さような場合におきましては、百十六条の第四項によりまして、解除による損失補償の請求を一応施行者に対してなし得ることにいたしております。問題は、当事者間の問題でございますから、この賃貸人借家権者との間の関係というふうに考えられるわけでありますけれども、この場合におきましては、まず施行者に対する損失補償借家権者としては求めることができる建前にいたしております。そういう損失補償施行者が建てかえをいたした場合における事後処理といたしましては、これをさらに賃貸人、すなわち土地所有者地上権者等に対して、あらためて施行者が求償するという建前にいたしております。  制度の上におきましては、そのような方向において一応この法律はできておるわけであります。
  5. 菊川忠雄

    菊川委員 間接に発言するという方法によつて権利保護するという程度というふうに伺つたのであります。実際問題として今起つておることの例として申し上げますと、今東京都において、戦後相当長い間たつておるのに、都市計画は手をつけたままで、方方に飛火のように未整理のところが残つておるという理由の一つには、借地権者あるいは地主換地をきめて承諾をしてしまつたところが、その上に長い間営業している営業者の方は全然それにタッチしていないから、それを施行者の方に持つて行つても、それは地主なり借地権者十分補償はしたのだから、そういう条件のもとに換地行つたのだから、それは元の地主なり借地人のところに行けとけということになつて、ほとんど全部が借地借家紛争議ということになつております。ところが、換地されたところを見ましても、今までは道路に面して商売のできる場所であつたから、間口一問について何万円という権利を払つたが、換地先はそうでないということになりますと、当人としては、換地場所をもらつても、その損害ははかるべからざるものになつてしまう。そういうことでありますから、単に地主借地人なり借家人との関係で訴訟を起してみても、その主体であるところの土地換地されてかわつてしまつて、実際に償いの方法がない。東京に出て来て二十年、三十年たち、若い時から入れ上げてつくつた財産が消えてしまうという現状であります。やむにやまれず、結果においては不法占拠ということになるかもしれませんけれどもがんばつておる。そうして裁判の面において延ばせるだけ延ばして、何か有利な解決をはかろうとしておるのが現状であります。都会地においては、実際にその一番直接大きな利害関係を持つておる者は、そういう営業権を持つておる者——借地借家権が同時に営業権である、それが生活の土台であるという人人が大部分でありますから、そういう人々の権利を直接に保障する。そうして非常に困難な問題でありますが、その発言を直接認めるということをこの法案の中で考えないと、せつかくできた法律であるが、問題は依然として未解決に残るという心配が多いと思います。これは実情でありますので、そういう点について、どうもやはりそういう点が脱けておるのではないかということを私痛想するわけです。たとえば、六畳一問借りるのに、間代を三千円、四千円とられるほかに、四万円、五万円という敷金でない権利金をとられる。そうしなければ一部屋借りられないというのが、今日の東京実情であります。そういうものが実際に認められていない、ここに問題がある。だから、想情的には、区画整理とか都市計画になれば、りくつ抜きにまず反対する。反対しておればそのうちに何とかなるだろう、こういうことにならざるを得ないのであります。ところがやる方は、そうは言うが、やつてしまつてきれいさつぱりすれはよくなるのだから、そこまでは押し切つてやるということで、都の建設事務局というものはあたかも執達吏のごとき強権と勇断を持つてやらなければならない。だから、至るところで暴力ざたが起つている、ある場所では神経衰弱で首をつつた商人が出ておるというのが実情であります。そこを救済することが、この新して立法の急所でなければならぬ、こう思うのでありますが、どうもそういう点について、何かやはり盲点が残つておるという気が私はするのであります。これを解決するようなことについて、お考えなつたが、現状できないということであるのか、それとも何かこの立法実施面において、解決方法を研究しておられるのか。りつぱな法律ができたというふうな安心感関係者にも与えるような方法にしたいと思うので、重ねてこの点をお伺いします。  なお、その場合に、この立法は明治四十二年の耕地整理法がやはり基礎になつておる。それが、改正されておるが基本はかわらない。農地は、すでに耕地整理法でなく、農地法によつて法の適用を受けておる。しかるに都会においては、相かわらず耕地整理法という基本から脱却しないで、そうして都会地におけるところの商店というものは、農地におけるところの農産物と同様に扱われておる。そうして地主借地権者が相談すればそのことはきまるのだ、こういう考え基本にあるところに、この立法の欠陥があるのではないか、こういう根本的な考えもありますけれども、そのことはしばらくおいて、何かお考え願わないと、都会地にはどうもまだ大きな問題がこれによつて残るのではないか、こういうことを考えます。その点についてどういう考慮を払つておるか、これをお尋ねしたいと思います。
  6. 澁江操一

    澁江政委員 これは区画整理事業関係のある非常に大きな問題点であることは、御指摘になりました通りであります。そこで、この法律建前といたしましては、いわゆるさような事態に対する運用部面におけるところの一つ方針というものを、ある程度確立して行かなければならないというところに重点を置いておるというふうに申し上げた方がいいと思うのであります。そこで一応権利者としては、やはりただいまお話がございましたように、施行者立場においては土地所有者地上権者あるいは使用収益権者というものを一応相手とするという立場をこの法律としてはとつております。しかし土地利用の実際面というものは、お話になりましたように、その土地において営業をやつている人の利害関係と非常に結びついておるということは、御指摘通りでありまして、そういう点における一つ運用面と申しますか、方向としては、換地計画そのもの従前一つまり換地される土地と、今まで持つていた土地との利用状況変化が、はげしい形でないようなふうにおいて行われるということが一つのねらいでありますし、それから区画整理事業そのものが、やはりそういうことを中心にして運用されて行かなければならないという根本的な考え方に立つておるのでありまして、そういう関係から言いまして、従前土地の位置あるいは地積なり、あるいは利用状況というものを土台にして検討してもらいたいという換地計画一つ基本方針を一応立てております。しかし、これだけの抽象的な文言で、はたしてその実行が保障されるかという点になりますと、いろいろ問題点はあろうと思いますけれども法律制度としては、これ以上の方法制度考えるということは、まず現在の段階では非常にむずかしいのではないかというふうに考えて立案されたわけであります。そういう考え方に立つておるわけでございます。それから先、これを一つ法律関係事項として整理するのには、結局補償問題として片づけるよりほかに方法はない。いわゆる具体的な損失補償して行くという形において解決するよりほかに方法はない。従つて、それは先ほど申し上げましたこの法律百十六条による、いわゆる契約条件の変更なり、あるいは契約解除による損失補償なりという部面において片づけて行く。次善の問題としては、換地そのものを、従前利用状況と著しく変化を来さない方法において、換地方法を立てるこういう二筋道、それからそれに加うるに、関係権利者としての借家権者意見というものをしんしやくしつつ考慮する、こういうことで解決するより方法がない。ある部面は、これは実際部面運用によつて、その方面の借家権者保護の点を十分考慮して運用して行くよりほかに方法はないというふうに、考えておるわけでございます。
  7. 菊川忠雄

    菊川委員 今の問題について、たとえば店の権利を非常に払つておるとか、一間借りるのにも数万円の権利金をとられておるとか、こういう問題について、評価員が出て評価をするという条項がございますが、そういう際には、やはりそういうことも十分に評価一つの要件として入れるべきだということについて、この実施面において細則あるいは行政的な措置をお考え願えるかどうか。それから、それができますれば、単に意見書を出すだけでなしに、調査の際に土地地主あるいは借地人について、十分にそういうことを聞くということになりましようから、割合に問題が事前にはつきりして来るのではないかと思いますので、そういうことができるかどうか。  それからもう一つは、今お話のように、この借家権者というものの資格を限定することは、こういう都市実情から困難でありましようから、立法上は非常にむずかしいことだと思います。このことは、私どもは、この法律法律として一応施行された後に、また実情に即して研究すべき問題だと思いますけれども、とりあえず一つ救済措置として、実施の際にそういう利害関係者、特に借家権者に対して、何らかの特別の方法で、そういう関係者意見の開陳を、ある一定の時期に、区画整理審議会などの機関を通じて申出を受けて聞くということをやるという方法がとれるかどうか、そういう点について一応お尋ねをしておきたいと思います。
  8. 澁江操一

    澁江政委員 ただいまお話がございました前段の権利金その他を、土地評価の上にある程度織り込んで考えて行くことができるかという点でございますが、この点は、結論的に申し上げますと、百十六条の第五項の運用によつて解決せらるべきものというふうに私ども考えております。すなわち現実の補償金の額の決定ということになりますと、お話のように結局この法律といたしましては、收用委員会補償の裁定という形にまで最終的には持ち込むということを考えておるわけであります。その際における土地評価等につきましては、この法律としては評価員評価というものが一応考えられる。收用委員会としましても、土地評価における一つの専門的な鑑定というものを片方にとつております。さような面から考えて参りますと、今までお話になりました土地に対する一つ営業上の場所から見た権利金等の問題は、一つ鑑定材料あるいは評価材料として取上げて行くことは、可能であるというふうに考えられと思つております。  それから、もう一つ借家権者の方を、制度的には無理であるとしても、運用の上で、もう一歩つつ込んで考え方法はないかという点でございますが、これはこの換地計画なりあるいは事業計画の上における施行者諮問機関、あるいは一つ事業計画について同意を与えあるいは意見提出する機関といたしましては、土地区画整理審議会あるいは土地区画整理委員会という形をとつておりますが、これについては、やはり構成員主体土地所有者あるいは借地権者代表者ということになつております。しかし、そのほかにも中立性を持つた委員を、この中に参加せしむる建前を一応とつております。今後の運用に残された問題で、今ここではつきり申し上げるわけには参りませんけれども、さような中立委員の選定の上において、あるいは借家権者等保護に当らるべき中立的な立場をとらるべき委員が、所有権者あるいは地上権者借家権者借地権者以外に考えられるという余地もあろうかと存じます。これは実際の施行者がその規約ないしは定款、あるいは施行規程を定める際における一つの問題になりますので、そういう点においてある程度配嘱を払つて行くことによつて、さらにこれを一歩前進せしむることが可能ではないか、かように考えるわけであります。
  9. 菊川忠雄

    菊川委員 第二の問題は、借地権者区画整理審議委員選挙権を持つておるというような場合に、その権利立証の具体的な方法の問題です。土地所有者の方は明瞭でございましうが、これは本法案によれば、必ず登記を待つて立証するということでもないようであります。一箇月前に届出云々というふうなことになつておると思いますが、これは具体的にはどういう方法でおやりになるのでありましようか。いずれ細則の問題できまることだと思いますが承つておきたいと思います。  なおこれに付随して、特こにの立法ができますれば、地主も一票それから借地権者も一票ということになり、その点は非常に公平だというふうになりましよう。それから借地権者地主は、それぞれ別に区画整理審議委員を選ぶということでありますから、実施事項でありましようけれども、しかし場合によると大きな宅地存持つておる地主が、それを自分の身内あるいは知つておる者の間に、一応形式的に便宜上土地を貸したということで借地権者をつくつて、そうしてそれが借地人借地権者という形でもつて選挙には一票を行使するというふうなことをやるようなおそれがないではないと思いますが、これは単に危倶に終るのか。あるいはそういうことについては、実情がそうであれば、当然権利を持つわけでありますが、そういう細工ができるような余地があるかないか。こういう点でありますが、このとことをちよつとお尋ねしたいと思います。
  10. 澁江操一

    澁江政委員 借地権者の確定の方法について、この法律案のとつておる建前は、まず登記面で押えて行くということはもちろんでございますが、そのほかに未登記借地権につきましても、これを一応申告を求めまして、その申告によつて確定するという方法をとつております。すなわち、この法律の八十五条にそのことを規定いたしておるわけでございますが、借地権者につきまして、新しく借地権を設定した場合につきましては、所有者連署のもとにこれを施行者申告することによつてこの権利を確定する、あるいは従前借地権を引継いだ者については、従前借地権者との連署の上においてその権利申告をなし、これを確定するという道を開いておるわけでございまして、区画整理事業の上におけるこういう権利の譲渡を、登記面以外の面で押える方法も講じておるわけでございますが、さらに今お話がございました仮装的な権利の取得、それによつていわゆる権利者の数を増すことによつて利益をはかる方法、さような仮装的な権利移動を押えて行く方法はないかという点でございます。これは私ども立法の上でいろいろ苦労をしてみたのでございますけれども、正直に申しまして、これが実体的な権利移動であるか、仮装的な権利移動であるかということを裁定することは、それだけの問題としては、きわめて困難じやないかというふうに考えております。換地計画その他の上で、いわゆる不当に自己の利益を取得すろための、つまり、さような換地上の不公正な面があつたという面につきましては、これは全般的な意見提出、それに対する採擇の方法修正方法においてこれを考えるより方法はないかというふうな考え方を持つておりまして、権利移動そのものの上で、これは仮装的である、仮装的でないという形で押える方法は、まず不可能ではないかというふうに考えるのであります。
  11. 菊川忠雄

    菊川委員 これはやり出すと非常に複雑な、やつかいな問題になる心配があるでございまして、これは十分に研究を願わなければならぬと思うのです。というのは、この前も調べて見ましたら、ある地区区画整理につきまして、これに便乗して、換地で非常に利益を得ようということから、わざわぢ事前に小さなもとの借地権なりあるいは土地を買い取つておいて、それを換地計画に便乗して飛び換地その他までも行つて、新しい地域の中心部行つて厖大利益を得ている。これが東京ではできるわけなんです。ある地区のごときは、八十万円ほどで買い取つたものを、約十倍近い値段でもつて、すぐにある銀行に売つてしまつている。こういうことが問題になつておるわけです。ですから、人は疑えば際限がないのですが、しかし、こういう欲得にからんだ問題というものはやるものですし、おそらく今東京でもうけようとすれば、こういう不景気の世の中では、こういう換地に便乗して、土地の値上りに便乗してもうけようというのが、一番ボロい商売になつて目をつられておりますから、一万坪持つている地主は、それを二十坪ずつわけて借地人をつくつて、そしてこの中へ割込んで来て、それぞれ換地を有利に持つて行く、そして非常に厖大利益を収めるというふうになつて行くおそれがあるので、計画的にこれをやると、これは非常に恐ろしい問題だと思うわけであります。これはむずかしいことはわかつておりますが、何かそれを事前に監督あるいは取締りをするようなことをお考えつておかないと、せつかくのこの法案がまた逆用されるおそれがあると思いますので、研究願いたいと思います。  それから、今のお答えの中の借地権立証の問題ですが、今、御承知のように、大都市においては、土地を借りておるけれども、従来の慣行から、ただ口約束だけで地代だけは滞りなく納めておる。そうしておけば、どういう場合にも自分借地権としてはりつぱに借地借家法その他の場合においても対抗できるわけであります。いわんや契約書はかわしておるが登記はしていない、わざわざそういうことのために登記料をかけて登記をしないというのが、大体今までの慣行のようでございます。でありますから、登記をしなければ借地権立証ができないということは、実情に合わないと思います。ここで「建設省令に定めるところにより」云々というふうなことにおやりになつているのは、これは実情に合つていると思いますけれども、大体どの程度のことで立証できるのであるか。ただ土地所有者連署で届ければよいのであるか、それともやはりそれにはある期間事実上地代を納め、あるいは事実上それを借地として使用しているというような立証を伴うものか、こういうことについて「建設省令の定めるところ」というのは、どの程度の解釈をとつておるかということも、つけ加えてもう一度御説明願いたいと思います。
  12. 澁江操一

    澁江政委員 まず後段の御質問の問題でございますが、これはやはり八十五条の運用に関して御質問があつたわけでございまして、その点は当事者間の契約証書、さらに今御指摘がございましたような借地料の受領証書、これらを当該借地権を証する書類という中に含めまして建設省令で規定することによつて解決したい、かように考えております。  それから前段の問題は、実はこの法律案提出を国会から何回かお話がございましたときに、現行制度の大きな欠陥として指摘されました一つ問題点でございまして、さような点につきまして私どももいろいろ考えたわけでございますが、結局今お話がございましたように、過小宅地的な土地を一応権利として、土地区画整理の行われる直前におきまして取得して、それを一応土台として、いわゆる増し換地等の換地処分を受けることによつて不当利得をするという実情、それが区画整理一つの大きな不明朗な要素になつておるという点であります。これは権利移動の上においてその問題を押えるということは、私が先ほど申し上げましたように、非常に困難であるというふうに考えております。しかし、実情さような点が、土地区画整理事業の行われておる地区内の利害関係人にある程度わかりながら、従前の規定においては、これを防止する方法がないというところに大きな欠陥があつたわけでございます。今回の立法はそういう点を解決すべく努力したつもりでございます。すなわち、さような場合におきましては、結局換地計画あるいは換地処分実行の衝に当るべき土地区画整理委員の身分というか、結局資格を剥奪することが一つの問題だというように考えまして、そういう点から、さような場合には改選請求あるいはリコール制でございますが、地区内の権利者の三分の一の同意書によつてリコールをやるということで、さような弊害を防止する一つの手段を講じてみたいということで考えたわけでございます。さような点で、今後の活用によつてそういう問題につきまして、防止方法を立つて行くことが、まずこの立法としてぱ必要であるというふうに考えているわけでございます。
  13. 菊川忠雄

    菊川委員 第三の問題は、減歩ということは、今後もやはり実際はおやりになることになるかどうかという点をお尋ねいたしたいと思います。従来は、御承知のように、区画整理事業として出発する場合には、その区域については、均等に減歩という方法が行われたわけであります。今度は、ずつと法案の全文を見ましてもそういう意味の減歩ということが出ていないのでありますが、やはり減歩ということが今後も行われるのかどうか。実際、行わなければならぬと思いますが、そういう場合の減歩のやり方というものは、やはり今の方式でおやりになるのか、それとも多少かわつておるか、こういう点をまとめてひとつ御説明を願いたいと思います。条文からしますと換地の過小宅地のような場合には、やらないとかいろいろとあるので、減歩について今度この法案をつくるときの大体のお考えをここで伺つておきたいと思います。
  14. 澁江操一

    澁江政委員 換地上における減歩の方法でございますが、これは結論から申し上げますと、土地区画整理事業で行われておりました方法を、この新法の施行後においても、やはり同様に踏襲するという考え方でございますから、規定の上で減歩という表現を用いておりませんけれども換地計画一つの、——先ほど御指摘になりました点もその一部でございますが、換地計画一つの特例といたしまして、いわゆる過小宅地につきましては、増し換地ができるとか、あるいは公共用施設については、従前の地積をそのまま維持する方法をとるとかいうことを、特例として規定をいたしておるのでございまして、さような点の反面からいたしまして、一般の宅地の換地については、従前通り減歩を考えておるというふうにしておるのでございます。
  15. 菊川忠雄

    菊川委員 今の問題について、この法案の何条かにありましたが、結局区画整理事業を行つた結果、従来よりも地価が上り、あるいはその他の利用価値が上つたために利益を得たという場合において、その享受した利益部分は、場合によれば区画整理事業のために醵出さすことができる、こういうことになつておると思うのであります。ところが、実際問題としまして、換地によつて、あるいはそこに道路ができて便利になつたために地価が上つたといつても、これは評価面の問題であつて、さて地価が上つたからそれについての費用を納めろ、こう言つてみたところが、その土地を売らなければ自分には金ができない。しかも簡単に売れない。こういうことで、実際は結局区画整理をやつてもらつたのはけつこうだし、このために自分の財産がふえたのもけつこうだが、しかし、それが結局現金がふえたわけではないから、それを納めるとなると、いかにそれを月賦払いにしてもらおうとも、年賦払いにしてもらおうとも、一種の税金を納めるのと同じような苦労をしなければならない、これが実情なんです。減歩はやられるなら、なるべくすぐやつてもらいたい。しかも、区画整理の結果、地価が上つて得た利益の分からは、出さなければならぬと思うけれども、いざそれを出すとなると、金がない。こういうことが、実際やつてもらう地区の住民の悩みになつておるわけです。そういうふうな場合において、やはり減歩という考え方が非常に大きな苦痛の種になつておるわけです。そういう利益を享受した場合の醵出の方法、これはやはり従来のやり方でおやりになるのか、それとも何か別のやり方を研究しておられるのか、こういうことをお尋ねしたいと思います。
  16. 澁江操一

    澁江政委員 従来からも、その点は問題になつておつたわけでございますが、お話のように、土地区画整理事業従前の地価よりも価格としては上つたけれども、実際の施行に必要な費用その他の負担は、土地の換価処分を地主なりあるいは借地権者の犠牲においてやるのでなければ出せないということでありましては、結局減歩を受けたわ、それの換価処分の責任はあとで負わなければならないわというようなことで、地主なり土地権利者に対する二重の負担をかけるような結果になるわけでございます。そういう点からいたしまして、従来も考えられ、この法律で大いに活用すべきであるというふうに考えておりますのは、九十六条に規定しております保留地の制度でございます。減歩の際における一つ方法といたしまして、さような土地区画整理事業に必要な費用は、できるだけ金銭清算の部面を少くするという意味におきまして、さような保留地の制度を一応残す。従つてその換価処分なりそれの責任なりは施行者が受持つという形において保留地を設け、これを事業の必要な経費に充てる一つの財源とする、かような考え方をとつておるようなわけでございまして、この保留地の制度を活用することが、今のお話にありました点の一つ解決の通じやないかというふうに考えておるわけであります。
  17. 菊川忠雄

    菊川委員 恐縮ですが、最後にもう一問だけお許し願いたいと思います。今度の新法と旧法との切りかえの際の問題を二、三お尋ねいたしたいと思います。一つは施行期日の問題でありますが「公布の日から起算して一年をこえない範囲」と、こうなつております。これはこういう立法の一応の常識として了承できるのでありますが、大体当局の見込みとしては、これに伴う施行細則その他いろいろの準備を見込んで、公布がいつごろになりましようか、それから公布と同時に施行ということになりますか、そういう点が第一点です。私の方としては、こういう従来の法的な不備のために頭打ちをしておるという現状からいたしましては、なるべく一日も早いことを希望するのであります。もちろん当局としてもその実情は御存じのことと思いますが、いつごろのお見込みになるかということが第一点。  それから、もちろんこの区画整理事業組合としてやる場合と地方公共自治体でやる場合とは、おのずから違いましようが、たとえば都の計画として従来やつておるものを、旧法から新法に切りかえた場合にはどういうふに取扱うかというのが第二点であります。この点は、たとえば東京都の例を見ますと、都は本年度都市計画予算として、総額は計上いたしております。ところが、もしこれが早い機会に旧法から新法にかわるということになれば、国としてただちにこれを切りかえるということになるのだと思いますが、そういうふうに考えてよろしいかどうか。そういう場合には、都は従来五箇年計画とかあるいは長期計画の一環として、本年度も予算を組んでおると思いますが、そういう今までの計画をそのまま認めるということになるのか。その場合には、諸情勢の変化に適応するという意味でもつて今までのことは一応認める原則であるが、あるいは新法の精神によつて一切のものを整理をして、ある意味において出直すというような内容になるのか、この点が第二点であります。従つてこれに付随して起ります問題は、四月から始まる都の都市計画の工事計画と、新法が施行される日との間には、相当の時間的なずれがあります。その期間において都がやることは、一応跡始末的なものとしてやることを認めるのか、それとも従来のものは新法にかわる前にどんどんとやつてしまうという積極的な面がある場合には、それもそのままお認めになるのか。これはやはり国が都の都市計画について半額の負担をなすという建前から、当然監督ということもございましようから、第二点については、そういう問題も含めて御説明願いたいのであります。  第三の点は、新法への切りかえによつて区画整理審議会が出発をするわけでありますが、この区画整理審議会が各工区ごとにでき上つた場合に、区画整理審議会には、当然今までのずつと引継いでやる場合の事業計画について諮問をすべきだと私は考えるのですが、今までのことは従来やつて来たことだから諮問をする必要はないということになりますかどうか、この点をお尋ねしておきたいのであります。以上三点が新旧切りかえの際の問題であります。
  18. 澁江操一

    澁江政委員 まず第一点の御質問の点は、できるだけ早く準備を進めまして施行いたしたいと考えております。この法律の要求しております政令なり省令の整備を急ぎまして、今年の十月ごろには新法の施行の運びにいたしたいと考えております。  第二の点は、施行法の第五条の規定によりまして——戦災復興事業は、大体各都市とも行政庁、都道府県知事ないしは市町村長が施行者の責任を持つておりまして、この法律でいう行政庁施行の方法に属しておりますので、これにつきましては、施行法の第五条によりまして新法施行の日に当然新法に切りかわることになるわけでございます。  そこでお話の第三の問題に移りますけれども従前行いました換地計画なり換地処分なりについての効力は、この規定によりまして、従前の規定によつて効力を生じたもので新法に根拠規定があるものは、当然新法によつて行われたものと見なすというふうにいたしております。従つて、処分として確定するに至りましたものは、法律的に申しますれば、それに対する従前の効力をくつがえす余地はまずないというふうに考えるべきだと思います。そこで、お話のように新法施行前において作為的に——と申しては語弊がありすけれども、できるだけ旧法による簡易な方法によつて換地計画あるいは換地処分行つて新法による方法をできるだけ避けるという意図があることをどうして処理して行くかということにありますが、私ども考えといたしましては、旧法よりも新法考え方自体が整理され、一歩前進していると考えております。従つて、運営面において、土地区画整理事業については、できるだけ新法の精神にのつとつて運営をはかつて行く方法をとつて参りたいと考えております。法律的な效力という部面になりますれば、新法施行前までは、旧法によつて施行者が行うことを防止することは、法律的に不可能ではありますけれども、さような運営面における技術上の方法としては、できるだけそういう方法をとることを慫慂して参りたいと考えております。
  19. 久野忠治

  20. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 私は今日は、提案されております法律の内容についての質疑はやりません。また後日機会を与えられままれば、多少質疑いたしてみたいと思いますが、今度の法律は、今まで非常に種々雑多になつておつたものを統一されて、御苦心の跡がうかがわれるのであります。しかし、申し上げるまでもなく、法律はいかによくできておりましても、運用がうまく行かなければ意味をなさないのであります。そこで直接この法律の内容に関係しているわけではありませんけれども、法の運用の点で二、三の問題をお尋ねいたしておきます。第一の問題は、これも都市計画関係があるので、ただすのでありますが、今問題になつている帝都高速度交通営団であります。これは御承知のように営団法によつて運営されている。これは同法の第一条その他によつて、建設、運輸両大臣の監督下にあるわけであります。そこでなぜ私がこういうことを申し上げるかというと、御承知のように今帝都高途度交通営団は、刑事事件によつていろいろ捜査をされているようであります。もちろん、今被疑事件として扱われておりますから、どういうふうになるかは、われわれの方では知る由もありませんが、しかし建設大臣の監督下にある、しかも国の経費を出しております営団の総裁以下重要なる役員が、今勾留をされておる。そこで、この法律によつてはいわゆる公務員として取扱われて、任免権もやはり監督権を持つている両大臣が持つ。今の事件の状態におきまして、建設大臣としては——今日大臣は御病気中でおいでになりませんが、どうお考えになつておるか。今のようなことで、帝都高速度交通営団はその運営上支障がないかどうか、お尋ねしておきます。
  21. 南好雄

    ○南政府委員 お答え申し上げます。こういう種類の答弁につきましては、ほんとうは大臣みずから当られた方がよいのでございますけれども、まことに申訳ないことですが、大臣病気で休んでおりますので、私がかわつてお答え申し上げますから、御了承願いたいと存じます。  御質問の第一点は、高速度交通営団が運輸、建設両大臣の共管になつている、今問題が起きているようであるが、こういうような状態のもとにおいて、大事な交通に当つている営団の事業に支障がないかどうかという御質問と拝承したのでございます。御質問のように確かに総裁、理事、部長、課長というような方々が刑事上の被疑事件によつて勾留されておりますので、これで会社業務にさしつかえがないとは私考えておりません、相当程度業務にさしつかえがあることと存じておりますが、ただいまのところでは営団処務規程の第三条によりまして、総裁の指名による理事が臨時代理となつて業務の担当をしております。すなわち里見理事が総裁代理でやつておりますので、最小限の事務執行には支障はないように聞いております。  それから御質問の第二は、建設省の監督内容がどういうものかという御質問だつたと思うのであります。これは主として共管事務でありまして、ほんとうは共管事務と申しますものは、専管よりもいろいろ問題があるのでありまして、これは万やむを得ずそうなつておるのでありますが、大体ずつと見ておりますと、人事についての任命をすることに関与いたしまして、その人事に関与することによつて会社の業務を監督して行く。会社の個々の業務について監督をするというよりも、むしろ主として総裁、副総裁、理事そのものを任命することに関与することによつて、間接的に会社業務に対する監督をやつておるというのが、現在のいわゆる監督の方法でございます。個々の業務につきましては管理委員会というものがありまして、その委員会から出して来る文書を審査するという行き方にしておりますので、事実上役所が会社の内容に直接タッチしてやつておるというようなことは、今まではなかつたようであります。
  22. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 私はこの問題を強く追究する考えは今のところありません。ただ、御承知のように、今の国家非常時といわれるときに、運輸に関係しておりますかような機関が、非常に乱雑になつて来ておる疑いがある。さきには国鉄関係があり、今も引続いて問題になつておりますが、これも同じような事件であります。われわれは共管事項整理いたさなければならないということで、行政機構の改革問題もやつておるわけでありますけれども、共管事項が、えてして一体だれがほんとうに監督をしておるのかわからない。先ほど菊川委員も、法律運用の問題について実体的に聞かれましたけれども法律がいかによくできておりましても一たとえばいかに監督をすべきであるとか、大臣が監督をするとかいうことが書いてありまして、制度上はりつぱにできておりましても、実際はそれが行われておらないというところに日本の政治の重大な誤りがある。今次官は、実体的な監督は人事の面で云々と言われましたが、人事の面は現在のような実態である。申し上げるまでもなく、この営団法によりますと、主務大臣は帳簿その他まで部下の官吏をして検査をさせる、調査をさせる、監査をさせる、そういうふうな制度がはつきりできておるのですが、今日までそれをおやりになつたことが一ぺんでもありますか、これは事務当局の方でけつこうです。
  23. 澁江操一

    澁江政委員 営団の書類、帳簿等の監査でございますが、率直に申しまして決算報告等の報告を求めて、それの審査には当つております。しかし具体的な営団の帳簿、経理内容等につきまして、決算以外の面につきましての書類検査その他を今まで実行したことは、実は聞いておりません。ただいま政務次官も申し上げましたように、営団の組織自体としましては、管理委員等が、営団の機関ではありますけれども、その経理の監査その他についての特別な権限を法律上与えられてその衝に当つておりますので監督官庁として管理委員等を抜きにいたしまして書類検査を直接に行つたということは聞いておりません。
  24. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 過去の問題をとやかく言うわけではありません。この問題は今日はこの程度にいたしておきますが、いかにりつぱな法律をつくつて、大臣が部下の官吏をして帳簿その他を検査をさせるという制度があるのです。今おつしやるところでは、営団には監査役として監事と申しますか、それがおるから、それでいいのだというなら、こういう法律はいらないわけであります。なぜそういう法律をつくつておるかと申しますと、そういうことをしなければ、あやまちを犯すおそれがある、従つてあやまちを犯す前に、監督なり監査をしなければならないということを法律によつて規定されておるのでありますから、それをやらないなら、最初からそういう法律はいらないわけであります。これは責めるわけではありませんから、将来はひとつよく気をつけて——と言うと失礼でありますが、法律をなぜこんなにわれわれが苦心をして審議をして立法化するか。つくつたあとは、法律にはそう書いてあるけれども、営団には監事がおるからそれでやるのだということでは、現在かようなあやまちを犯して大きな問題になつておるのだから、それではいかぬのじやないか、本日はこれだけ申し上げておきます。  もう一つ、これも多少問題になつておりますが、今池袋から御茶ノ水まで新線が建設されて、これはまだ延びると思いますが、この新線の建設については、都市計画法を適用されて、都市計画によつて特許されてやられた事業になつておりますかどうですか。
  25. 澁江操一

    澁江政委員 新線の建設は、都市計画事業として決定され、あるいはその都市計画事業として特許された形にはなつておりません。御承知のように東京都内の地下鉄の計画そのものは、都市計画審議会の意見によりまして計画が審議されておりまして、これは都市計画事業という決定にはなつておりませんけれども、その路線の取方、方法については、都市計画審議会の意見を一応徴しまして、その同意の上で新線の内容を決定しておるような方法になつておるわけであります。従つて、これは都市計画事業ないしはその事業の特許という形にはなつておりませんけれども都市計画事業の観点からの審査は十分しておるというふうに考えております。
  26. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 これも都市計画法にそういうふうな規定があるわけでありますが、なぜそういうふうにやられなかつたか、これは何か理由があるのですか。
  27. 澁江操一

    澁江政委員 これに対します取扱方につきましては、過去の経緯にさかのぼるわけでございますけれども、本来高速度鉄道事業につきましては、地方鉄道法による規定に基きまして事業免許をとるという建前になつております。すなわち、これに対しては運輸省が事業免許の所管をいたしておるわけでございます。さような政府としての免許方針を一応とつておりますので、さような関係からいたしまして、特に都市計画事業としての必要は必ずしもないというふうな考え方に立つて現在まで来ておるようなわけであります。
  28. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 また先ほどと同じようなことを言うのでありますが、法律を忠実に実行されていないから、いろいろな問題が起つて来ると思う。この新線ができて、非常に便利になつたのでありまして、私は何もこれに文句があるわけじやありませんけれども、これはまた懸案になつております例の東京高速度道路の問題もそうであります。運輸省との共管事項によつて、これはこつちはあまりタッチしないというような考えが、いまだにうかがわれるのであります。それなら、都市計画事業というのはどうなるのだ。私がかように申し上げるのは、都市計画法にちやんと書いてある。しかもこの新線ができて——私は実地に経験したわけではありませんが、御存じの通り新聞紙上を今にぎわしておるように、あれができたために、付近の住民は騒音のために神経衰弱になつておるということであります。区画整理も、都市計画の一種で、関連があると聞くのでありますが、そういうことを都市計画関係では全然考えない。ただ鉄道をつくつて、それを利用する人が便利になりさえすればいい。この土地区画整理法案にも、環境をよくして住みよいような場所をつくるのだという法律の精神がうたわれておるのでありますが、そういうりつぱな精神をうたつても、今のような実際のやり方では、法律が死んでしまいはしないかということを——私は、法律をつくるときには、その実行の結果を考えながらつくらなければならないという考えを常に持つておりますから、こういうことを問題にするのであります。今の新線建設ができて、付近の人たちは非常にゆれて、どうだこうだということを、何かお医者であるとか科学者であるとかまで騒ぎ出しておりますが、ああいうことは全然考えられない。前にいわゆる事業免許をやつておるから、どこでもそういうものはできるのでいいという考えで建設省がやつておられるのですか。それでいいとお考えですか。
  29. 澁江操一

    澁江政委員 過去の経緯を申し上げたわけでございますが、もちろん新線建設につきまして、ただいま申し上げましたようなことを御了解いただけると思います。都市計画事業の、形式的な取扱いは必ずしもいたしておりませんけれども、路線の決定その他につきましては、地方鉄道法による免許前におきまして、先ほど申し上げましたように、東京都の都市計画審議会の審議を通しております。さような観点におきまして、意見が十分いいという判断ができた上で、これを地方鉄道法の免許の処分に移すという手段をとつて今日まで参りましたようなわけでございます。しかし、御指摘になりましたように、最近の事情から見ましても、また都市計画事業その他の関係から参りましても、従来さような運営を行つておつたこと自体に対しては、いろいろ異論がございます。さような点からいたしまして、今後におきましては、これを都市計画事業の決定とし、都市計画事業として施行させることは、当然法律の命ずるところでもありますし、さような運営に切りかえるべきであるというふうに、私自身も考えておるような次第であります。
  30. 岡村利右衞門

    ○岡村委員 関連して。地下鉄の問題でございますが、池袋から御茶ノ水までの線路につきまして、実は地元で非常に反対があつた。私は、ちようどそのころ運輸委員をやつておりましたが、その地下鉄は、地上に出るところがほとんど大部分なのでございます。それにつきまして、非常に地元から反対があつたのでございます。であるから、当然これも都市計画委員会の方に反対陳情があつたと思いますが、ありましたですか。
  31. 澁江操一

    澁江政委員 池袋——御茶ノ水間の新線の問題につきましては、地上部面に出ます部分について地元の反対があつたことは、御指摘通りで、都市計画委員会の方にも反映をいたしておりますし、また監督官庁である運輸省はもちろんでございますが、建設省方面にも、その内容につきましては十分報告をいたしまして、それら存十分勘案しながら、あの新線の取扱いにつきましては慎重を期したつもりでございます。
  32. 岡村利右衞門

    ○岡村委員 運輸委員会におきましても、この点を重要視いたしまして、地下鉄道の総裁ですか、会長ですかを呼びまして、十分言い含めて忠告をしたわけであります。幾分意見がいれられまして、計画に変更があつたように伺いますが、どうですか。
  33. 澁江操一

    澁江政委員 私も、その当時直接の衝に当つておりませんので、その点については、なお十分調べましてお答え申し上げたいと思いますが、問題のあつたのは、文京区内を通過する部面でありまして、車庫の位置その他につきまして、かなり地元の反対があつたというふうに聞いております。車庫の敷地のとり方、それかろこれに対する補償の問題、それらの点につきまして、地元側との意見の食い違いがかなりはげしくあつたように承知いたしております。しかし、それらにつきましては、営団側と地元側との折衝その他によりまして、ある程度営団側としても当初の計画に対する修正を加え、補償等については相当の善処方を監督官庁としても要請し、営団自体もその方針に基いて地元との折衝の結果、妥結を見て新線建設の運びになつたというふうに聞いておるわけであります。
  34. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 この帝都高速度交通営団の問題については、きようはこの程度にしておきます。先ほど申し上げたように、建設省は十分なる監督をされんことを要望しておきます。  それから神戸に神戸国際港都高速鉄道をつくろうという御計画があるようでありますが、現在どんなところまで行つておりますか。
  35. 澁江操一

    澁江政委員 神戸の高速度交通計画は、御承知のように、あそこにおける阪神、それから姫路から参ります山陽、それから阪急、もう一つ有馬に続いております軌道のこれらの計画をそれぞれまとめまして、神戸市内に地下鉄を通す、これがもとになりまして計画されたものであります。現在の段階は、一応計画決定の申請を監督官庁に手続をいたしておる最中であります。
  36. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 阪神間の電車——国鉄は非常に輻湊しておりますから、あそこの交通を緩和するについては、地下鉄は適当であろうと思つております。今申請世だということでありますが、これも都市計画法によつておやりになるつもりですか。
  37. 澁江操一

    澁江政委員 これにつきましては、建設省としてまだ最終的な結論を出しておるわけではありませんが、計画局自体といたしましては、ぜひこの事業は都市計画事業として行う建前で行く、こういう考えでおります。
  38. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 都市計画を管轄されているあなたの方は、池袋——御茶ノ水間のような問題が起らないように、都市計画の観点から、あまり住民に迷惑のかからないように、その他の施設に支障が起らないように御検討を加えられて、善処されんことをお願いしておきます。  それから、前から懸案になつております東京都内の自動車の処理問題であります。日比谷公園の地下に地下ガレージをつくりたいという計画も進められているということを前から聞いておりますが、これは日本では初めてのもくろみであります。私が申し上げるまでもなく、東京都内の中心街の道路は、自動車の置き場所に道路をつくつているようなもので、人間は自動車の置き場所の間をくぐり抜けて歩くような状態になつておる。これでは都市計画と申しますか、都市交通の関係からいつて非常にまずい。せつかく金をかけて何メートルかの道路をつくつて、その約三分の二あるいは半分が自動車の置き場になつておるということでは、交通行政といいますか、都市行政の非常な貧困ではないか。そこで、そういう考え方で、あつちこつちそういう場所があると思いますが、自動車の最も輻湊する日比谷公園の付近に、自動車を処理するために地下ガレージをつくりたい、これは非常にいい考えだと私は思います。技術的の問題は、先ほども申し上げたようにわかりませんが、いい構想だと思つておりますが、これはまたどういうふうになつておるか、またあなたの方でどういう考え方でおられるか。私の考えとしては、技術の問題は専門家にまかせるとして、何とか道路を自動車から解放してもらわないと、東京都内の交通はますますむずかしくなる、こう思いますので、特に意見を聞いておるわけであります。
  39. 南好雄

    ○南政府委員 お答え申し上げます。話は単に計画局だけでなくて、私たちも話を聞いております。着想といたしましては、瀬戸山さんの言われた通り、私、非常におもしろい考え方だと思つております。元来日本の、ことに東京都におきましては、建物の建て方から道路のつくり方と申しますものは、このごろのように自動車がたくさん通ることを前提にしてできておりません。従つてお言葉のように非常にむずかしい問題を起しております。ことに都心地における自動車の駐車場の問題につきましては、非常にみな困つているようでありまして、考え方といたしましては、私たちもそういう着想があり、そういつた事業をやろうと考えておるものがおることも聞いております。しかし何にいたしましても、これはまだそういう種類の着想の範囲でございまして、その事業を行う会社というようなものもまだできておりませんし、まだ技術的にいろいろ検討しなければならぬ部分もたくさんあるように聞いております。しかし、これもただいまいろいろの問題、またいろいろの観点から御忠告を受けておりますように、都市計画と申しますものとの関係におきまして、十分に検討する必要もありますし、またああいうところに地下ガレージをこしらえることによつて、地上のいろいろの建物にどういう影響があるかということも、十分技術的に検討しなければなりません。それからまた、着想が非常にいいからといつて、事業執行に責任のある人たち、いわゆる会社の首脳部というものの人選につきましても、十分考えなければならぬと思つております。要は、まだ着想の程度にとどまつておりまして、まだ本格的に事業着手とか免許の申請とかいうような点にまで出ておらぬように聞いておりますので、そういう問題になりました際におきましては、私の申し上げましたような観点に立つて、十分検討に、ほんとうに役に立ついいものができるように監督いたしたい、こういうふうに考えておるような次第であります。
  40. 田中角榮

    田中(角)委員 時間が非常に過ぎましたから、簡単に一言だけ重要な問題に対して質問をし、これに対して建設当局から、次の機会にでも答弁をいただきたいと思います。  それは瀬戸山君がただいま御質問申し上げたところの帝都高速度交通営団法に関する問題であります。共管事項でありますから、当然人事問題にも相当大きく発言をせられることが、私は必要であると考えております。特に東京都市計画、首都建設法の関係考えた場合、しかもわれわれはああいうような交通機関の整備という問題を討議をする段階において、平面都市よりも立体都市、こういうふうな方向に移行しなければ、国でもつてだんだんとこういう機関の整備をしてやらなければならないのじやないか。今よりも十年後に、東京都の入口が千百万を数えるようになつた場合には、高崎までも地下道をつくつてやらなければいかぬじやないかというようなことさえも、さんざん申し上げておつたわけであります。そういう意味からいつて、共管事項であるならば、相当強い監査を行い、特に人事問題等に対しても強く発言をせらるべきであると考えます。ただ、金を出すから大蔵省が発言をする、交通機関であるから運輸大臣の所管に、ほとんど専管にまかせておつてもいいんじやないかというようなことではいけないと考えております。そういう意味で、先ほどの御答弁では、人事にもあまり介入しておらないというようなお話でありましたが、この種の問題が将来起らないということは考えられません。いわゆる共管事項では、住宅金融公庫のようなものもありますし、今新しい法律で、この種の各省共管事項のものはたくさんあります。またそういうものに対して、総括的に申し上げておるのでありますが、この種のものは共管大臣としての責任においては、国家公務員と同じように考えておられますか。
  41. 南好雄

    ○南政府委員 お答え申し上げます。国家公務員とみなして刑法上においては国家公務員とみなしております。
  42. 田中角榮

    田中(角)委員 そうであるならば、今鈴木総裁が逮捕せられております。なお責任の衝にあるところの参議院の理事諸君も逮捕せられております。この場合、近く起訴をせられるというような場合に、どういう処置をとられますか。非常に重大な問題でありますから、私はここでもつて端的な答弁を求めようとするものじやありません。この種の問題に対しては、当然、共管大臣の責任もあります。だからこれは運輸大臣と早急に御相談をしなければならない問題だというふうに考えておるのですが、巷間うわさをするところによると、東京都の知事との人事の紛淆問題もあります。こんないろいろな問題を考えるときに、われわれが帝都高速度交通営団法の制定当時、都市計画及び首都建設法の審議とあわわせて、非常に関心を持つておつたにもかかわらず、ただいま南君の御答弁では、建設大臣はほとんど内容にタツチをしておられないということでありますが、法律上の責任は当然あるわけであります。なお、国民の前にもこれが将来の運営というものは、適切にしなければならぬというので、普通は起訴をせられれば大体休職になるとか、やめるとかいう問題が起きます。だから、今あなたに伺つたのは、所管大臣は国家公務員と同じように考えておられますか。おられるならば監督権を発動せられなければならないのです。非常に重大な問題でありますから、今ただちに答弁をせられなくても、この種の問題に対しては愼重に御考慮を煩わして、適切なる処置を講じていただきたい、かように申し上げたい。
  43. 南好雄

    ○南政府委員 先ほど私申し上げました公務員とみなすと申しますのは、元来あの種のいわゆるあれにつきましては、刑法上において業務上公務員とみなすという言葉があるのであります。これは要するに、その人の刑事責任について、特別の責任を伴うがゆえにあるのでございまして、これは国家公務員ではないのであります。しかし監督権の点につきましては、私は所管大臣としては、これは十分善処しなければならぬと考えております。おりますが、先ほど私御返事申し上げましたように、共管についてのふだんの監督につきましては、非常にこれはむずかしいのであります。これはこのごろの行政掌理の上におきましても、やたらに共管が多くなるのであります。主たる監督と従たる監督とが、当然そこに出て参るのでありますが、そういう問題を何ら解決せずに、こういうふうに共管になつた、資金の面に関係があるから大蔵省も共管になる、あるいは水道法のごときも厚生、建設両省の共管になつている。非常に共管が多いのであります。えて共管になりますると、だれかがやるだろうというので、監督がおろそかになる点も、事実上見のがすことのできない事実でございますので、おしかりを受けておるのでございますが、従来の帝都高速度交通営団の監督は、交通事業に当つております関係上、運輸省が主として監督をやつておる。都市計画関係で、建設省が、私先ほど申しましたような従たる見地で共管になり監督をして参つた、こういう気持でお返事申し上げたのであります。田中さんの言われるように、今後こういう五大都市のような大きな都市の交通問題については、日本世の交通と違いまして、特別に都市計画という見地から非常に重く考えなければならぬのだ、だから、そういう意味合いにおいて、従来の考え方をかえて、この種のいわゆる業務については、建設大臣の責任を十分尽すようにという御注意だと、つつしんで私拝聴いたしたのです。私も最近になりまして、あの事件につきましては、まだ取調べ中でございまして、はたして罪があるものやらないものやら、はたしてわれわれの監督とどういう関係に立つものやら、事実の判明に待つて十分研究しなければならないと考えます。しかし、問題といたしましては、今までのように、交通事業だから運輸省にまかせておく、私どもの所管事項についてこれを監督するというような、いわゆる普通の共管のような考え方でなくて、御注意にありましたような、大都市の交通機関は、あくまで都市計画と関連して十分に研究して、その観点における監督を十分にしなければならぬというような意味合いにおきまするこの種機関に対する建設省の監督を強化して行くという点につきましては、私どもまことに同感をしております。なお御質問の点につきましては、十分研究いたしまして、次の機会にお答え申し上げることにいたしたいと存じます。
  44. 田中角榮

    田中(角)委員 これは南さん、私も少し時期が早いと思つておつたのですが、当然こういう問題が起きると思いますから申し上げておるのですが、われわれ建設委員会で、いわゆる首都の建設——日本の首都はいかにあるべきか、なお日本の都市というものはどうあるべきかというので、過去長いこと都市計画法の改正及び耐火建築助成法の制定、建築基準法の制定等、相当つて来たのですが、交通機関の整備それから混雑緩和というような大ざつぱな考えで、われわれの都市計画というものの基本観念がいれられないうちに、いろいろなものがどんどん遂行せられておるのです。われわれがそういうものに異論を唱え、討議を行おうとするときには、もうすでに高速道路のように、みなできておるのです。どんどんとほりは埋め立てられて行き、ますます平面都市になつている、こういうところに私たちの言い分があるのです。それは、建設省がしつかりしておらぬからなつたのです。これをしつかりさせるためにはどうするか、共管にする。共管の権力を与えてやつても、人事権にも関与しない、これでは共管にする必要はないのです。そうでしよう。だから、むずかしい問題ですから十分研究いたしますじやないのです。共管であるならば、大臣は責任を持つて指揮監督をしなければならない責務を有する。そういう意味から、具体的に言えば、指揮監督下にあるところの、また指揮監督をしなければならないその責任者が、しかも公務員と同じく取扱われておるところの営団の責任者の三理事及び総裁が刑事訴追を受けた場合——これは二、三日のうちに受けるかもしれぬ。今日あたり起訴になるかもしれぬ。その場合に、監督権をいかに発動するかということを、私は言つておるのですから、これは今日から運輸当局と十分御相談をせられて、遺憾なきを期せられたい。そうでなかつたら、われわれが何ぼ建設大臣を法律で共管にしても——これはもう河川法でも、農林大臣と建設大臣の共管である。建設省は実に人がいい、ほかの大臣と共管にすると、その大臣はどんんど人事権を持つて任命する。今建設大臣と運輸大臣が共管なのですが、この帝都高速度交通営団は、建設大臣が何も知らないうちに、今度鈴木総裁以下三理事がひつらぱれたから、これは起訴になるだろう、なれば大体やめるだろう、東京都からひとつ入れようというように言つておるじやありませんか。建設大臣が共管の責任を果しておらぬから、こんな議論が出るのであります、私は、官房長がさつき退席せられたから、官房長が来てから聞こうと思つていたが、また来られたから申し上げておるのですが、これは私は建設委員として、建設委員会の任務を遺憾なく発揮したいと思うて申し上げておるのであつて、官房長と何も議論するのじやない。ちようど聞きたいと思つておるところですから言うのですが、これは何も私はしつこく言うのじやなくて、共管事項でありますから、また世間でもこういう問題が必ず討議をせられるという段階にあるだけに、私はこういう人事の再編を行わなければならないような場合によつてはいい機会だと思います。そういう機会に、われわれ委員会が考えておるような帝都交通網整備と都市計画と、もつと大きな首都建設という面をマツチせしめられるような合理的運営を企図していただきたいというのが私の発言であります。
  45. 南好雄

    ○南政府委員 お答え申し上げます。私は帝都高速度交通営団の今度の事件につきましては、建設省、建設大臣の監督がどうであつたかは、もう少し事実の判明をまたなければ、軽々にきめられぬ問題だと考えております。人事の問題につきましては、私はタツチしていないと先ほど申し上げたのではなくて、この種営団の監督は、人事権を握ることによつてつておるんだということを申し上げたのであります。具体的な人事につきましては、私その衝に当つておらなかつたのでありますから、どの程度関係したかは私は存じません。もしそういうふうに田中さんも瀬戸山さんもおとりになつたならば、その点は私ここであらためて訂正しておきます。おそらくときどき書類を見ますから、そういう点でも、大臣またはその衝の方は御相談を受けておられるだろうと思います。私は全然聞いておりません。しかしこの問題につきましては、私も田中さんの言われたようにやらなければならぬ、それが私に与えられた職責であると私は考えておりますが、まだそこまで問題が進捗しておるかどうか。要するに、今何か人事のお話が出ましたが、それはここで私初めて聞くような次第でございまして……(「怠慢だ」と呼ぶ者あり)怠慢とおしかりを受ければ、私つつしんでおしかりを受けるのでございますが、そういうような実例が出ましても、少くとも私のおります限りにおいては、筋を立てなければ、この問題はなかなか承知をいたさぬつもりでおります。どうぞひとつ御了承おき願います。
  46. 久野忠治

    久野委員長 残余の質疑は次会に譲ることとし、本日はこの程度にて散会をいたします。    午後零時四十九分散会