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1954-05-26 第19回国会 衆議院 決算委員会 第34号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年五月二十六日(水曜日)     午後一時五十一分開議  出席委員    委員長 田中 彰治君    理事 天野 公義君 理事 大上  司君    理事 松山 義雄君 理事 安井 大吉君    理事 柴田 義男君 理事 杉村沖治郎君       徳安 實藏君    藤田 義光君       村瀬 宣親君    片島  港君       吉田 賢一君  出席政府委員         食糧庁長官   前谷 重夫君  委員外出席者         会計検査院事務         官         (検査第三局         長)      小峰 保栄君         参  考  人         (全国販売農業         協同組合連合会         長)      石井英之助君         参  考  人         (全国販売農業         協同組合連合会         常務理事)   小林繁次郎君         専  門  員 大久保忠文君         専  門  員 岡林 清英君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  参考人招致に関する件  昭和二十六年度一般会計歳入歳出決算  昭和二十六年度特別会計歳入歳出決算  昭和二十六年度政府関係機関決算報告書  昭和二十七年度一般会計歳入歳出決算  昭和二十七年度特別会計歳入歳出決算  昭和二十七年度政府関係機関決算報告書     ―――――――――――――
  2. 田中彰治

    田中委員長 これより決算委員会を開会いたします。  前会に引続きまして、審議保留となつております食糧庁関係決算につき審議を続けます。  まず昭和二十七年度決算検査報告書二百八十八ページ、集荷奨励金支払いにあたりその処置当を得なかつたとする報告番号一五〇三号、管理費関係について、前会委員各位の御要求がありましたので、本日参考人として全国販売農業協同組合連合会長石井英之助君並びに同連合会常務理事小林繁次郎君の両氏を招致いたしまして、詳細にその意見を求めることにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 田中彰治

    田中委員長 御異議なきものと認め、全販売連会長石井英之助君及び常務理事小林繁次郎君の両氏参考人として指名するに決しました。  それではただちに質疑を許します。吉田賢一君。
  4. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ただいま議題になりました二十七年度決算報告番号一五〇三号、二百八十八ページ、集荷奨励金の問題につきまして、前会に引続き質疑をいたしたいと存じます。  まずこのいわゆる集荷奨励金性質伺つてみたいのであります。これは予算費目といたしましては、食糧管理特別会計管理費に入つておりますが、それは一体どういう性格を持つたものでございましようか。つまり全販連その他の指定業者でございますか、特別指定業者への報奨というような意味にもなるのでしようか、あるいは手数料のような趣旨になるのでしようか、あるいは事務実費弁償になるのだろうか、それとも一種のこれは補助的性格を持つたものであろうか、こういう点についてひとつまず御所見を伺つておきたいと思います。
  5. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。この集荷奨励金は、従来集荷委託費、これは別の形で集荷のために支出いたしておつたわけでありますが、この二十七年産米につきましては、豊作でございましたが、いろいろの事情のために供出割当が二千二百九十万石というふうな、ごく割当が少量になつたわけでございます。需給立場からいたしますと、さらに超過供出をもつて集荷をいたしまして、それでもつて需給の均衡を得たい、こういう意味政府といたしまして集荷をするためにこれを使う、こういう建前になつておるわけでございます。従いまして一定補助金というふうなものでもないわけでございまして、政府超過供出を集めるために、いかなる方法によつて集めることが最も適切であるかということをいろいろ考えまして、累進的に集荷業者に対して支払うということにいたしたものでございます。
  6. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 集荷のために支払う経費には違いないのですが、もう少し掘り下げてみまして、国の買い上げた米の運搬費ではない。買い上げるための生産者からの集荷実費であるのだろうか。奨励という文句は使つてあるのですが、もう少しこれは運搬費ではない、予算を見ると運搬費とかあるいは集荷手数料とかあるいは集荷委託費とか等々、いろいろの費目はそれぞれの管理費の内訳として規定されておるのでありますが、もう少しその性格を的確に表現はできぬものでしようか、どういうものでしようか。私の言う意味は、つまりあるサービスとか労務に対する対価的関係において支払われるものか、それとも何か損失、失われるものがあつて補償的に支払うものか、弁償的に支払うものか、それとも結果のいかんはともかくとして、国の買い上げるべき米ができるだけ予定数量に達することを望むために顕彰的というか、そういう意味で渡さるべきものか、どういう性格を持つておるのであろうか、こういうのが私のお尋ねの趣意であります。
  7. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。この集荷奨励金性質補助金とは違いますので、政府一定集荷目標に対しまして、集荷をいたしますための一種報奨金、ただいま吉田委員お話になりました三つの場合を一応考えてみますと、最後の場合の、一定政府集荷をするために必要な奨励金、それの協力に対する奨励金、こういう形になつておりまして、一定損失補償とかあるいは一定事業に対して補助するとかというものでないわけであります。
  8. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 全販連会長に伺いますが、全販連立場からいたしますと、この受け累進奨励金はどういう性格を持つたものというふうに御理解になつてつたのでございましようか。
  9. 石井英之助

    石井参考人 この奨励金はただいま政府委員から御説明のございましたように、一種報奨金的性質のものと了解いたしておつたのであります。
  10. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 しからばこの報奨的性質を持つた奨励金は、何か法的根拠をもつて交付するということになつたのでありましようか、その理由をはつきりしていただきたいと思います。
  11. 前谷重夫

    前谷政府委員 この奨励金予算に計上いたしまして、これの実施につきましては、補助金でございませんので補助規則を設けたわけでございませんで、行政的な基準を設けまして、その基準によつて支払つて参つたわけでございます。
  12. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで伺いたいのですが、全販連におきましてはこの金を一本でお受けになつておる。つまり集荷累進奨励金でありますが、一本でお受けになつておる。そうすると全販連立場は、みずからが集荷するということの、その行為に対しまして受けることになつたのかどうか、一体この渡された奨励金なるものは、およそ目標はあつたと思うのですけれども、結局集まつてみなければ――たとえば千百何十万俵が集まつてみなければわからぬのだが、あらかじめ金が渡されておるということは、ちよつとこれはどういうことになるのでしようか。つまりあらかじめ金額が限定されたとすると、もし予想外にこの倍集まつた、二千万俵集まつたということになると、その何割か増額するということの含みでもあつたのかどうか、それとも報奨金であればこれに限定して、結果の数字いかんにかかわらずそれだけいただきますということでこの仕事をおやりになつたのかどうか、その辺全販連のお立場はどうなんでしようか。
  13. 石井英之助

    石井参考人 この奨励金は、ただいま吉田さんから、あらかじめ全販連の方に渡してあるようなお話でございましたけれども、事実問題といたしましては、まず大体の奨励金交付要綱決定をいたしまして、その要綱方針に基きまして交付あるものということの予想のもとに、全販連といたしましては、全農協系統一体になつて組織活動をするという建前で、集荷促進上必要と考えられるいろいろな事業を実施いたしたわけであります。奨励金がいよいよ交付になりましたのは、実際に集荷が進行いたしまして後でありまして、その関係は、あらかじめ金が出ておるということでなしに、後に奨励金交付されたのであります。さような事実関係になつておりますることをまずお答え申し上げます。
  14. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 今のは時期の点であります。集荷が終了いたしましてから後ということでありますが、そうしますと、集荷が終了いたしましてからお受取りになつた、とこういうふうに了解していいのでございますか。
  15. 石井英之助

    石井参考人 日にちの関係を申し上げますると、大体交付決定になりましたのは二十八年の五月になつておりまして、方針決定いたしましたのは二十七年の十月でございます。この方針に基きまして奨励金交付があるということが大体はつきりいたしまして、それからさらに具体的に要綱決定をいたしましたのは二十八年の五月にかかつておりまして、この奨励金交付になりましたのは五月以降ということに相なつておるのであります。
  16. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 奨励金交付されましたのは五月以降。そこで重ねて伺いますが、集荷が終了しましたのはいつで、そうして奨励金交付されたのが五月、こういうことになるのですか、ちよつとそのときの関係を両者かね合つて説明を願いたい。
  17. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。この制度を定めましたのは先ほど石井参考人からお話のあつた通りでございますが、金額支払いにつきましては、集荷終つてからということでございます。ただ、昨年度の実態から申しますると、五月以降にも多少の集荷はあつたわけでございますが、支払日までの集荷をまとめまして、それ以降のものは対象にいたさないという形において処理いたしたわけであります。
  18. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちよつとただいまの補足ですが……。そうしますと、最終集荷完了とみなしたのはいつでしようか。それから、ある時期以降奨励金対象にしなかつたという時期はいつなんでしようか。そこをひとつはつきりさしておいていただきたい。
  19. 前谷重夫

    前谷政府委員 大体当切におきましては、年度の関係上三月末を目標にいたしたわけでございますが、その後の集荷状況も考えまして、五月において最終集荷といたしたわけでございます。
  20. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そういたしますと、この累加奨励金は、大体集荷が終了いたしましてお受取りになつた、従つて精算的と申しますか、つまり奨励金交付すべき要綱に従つて交付されたようでありますが、全販連立場について伺いたいのであります。全販連はみずからの構成団体集荷の任務を遂げて、全体的に非常に重要な役割を果したという立場で、上部機構といいますか、中核機構になつているようでありますが、全販連が、この奨励金受取るということは、これはみずからが集荷するということを基礎にしてお受取りになるのか、それともその団体内部構成分子である末端の農協集荷が実体であるので、機構上の関係においてみずからこれ一本で受取つたということになるでしようか、そこの点はしいて詮索するほど大した問題でないのですけれども、筋をはつきりさしたいと思いますので実は伺うのであります。言いかえると、一括して預かつてわけてやるという関係になるのか、それとも全販連が、ともかく奨励金交付受けて所有したんだ、だから基準をふむことが必要でありましよう、要綱に従つて交付することが必要でありましようが、それは要するに内部のことであつて政府との関係においてはあなたの方が受取つたということにこれはなつておりますが、それは集荷者として受取つたのではなしに、集荷者を内包する特殊な団体農林大臣が指定して、何か法律的なといいますか、責任の立場にあるということで受取つたことになるのでしようか、その点はどういうふうに理解すればよいのですか。
  21. 石井英之助

    石井参考人 この奨励金要綱決定その他の手続が進行しておりました時分、私は実はまだ全販連の方のあれに就任をいたしておりません関係で、親しくその当時の事情をみずから体験したわけではないのでございますが、本問題が出ましてからよくその当時の事情を調査いたし、また諸般報告受けまして研究した結果をここで申し上げるわけでありますが、この集荷奨励金というものは、要するに集荷促進をするための奨励金集荷をできるだけ多からしめるため奨励金という性質であり、そしてそれは先ほどありましたように一種報奨金的な性質を持つておるわけであります。それで農協系統集荷促進をいたしまする場合には、これはもう申し上げるまでもなく、全系統が一丸となりまして、単協から県連、全販連一体になつて一つ組織活動として集荷促進するという建前をとつたわけでございます。そこで集荷業者という資格を持つ者は、これは単位の協同組合でございますけれども、この集荷促進するという全体の仕事というものは、全系統一体となつて集荷促進をはかるということで、それぞれ県連のやる仕事、全販連のやる仕事分野をきめまして、この集荷促進事業を実施いたしたわけでございます。そこでこの奨励金はそういう集荷促進することに対しまして交付受けるという建前になつておりますので、全販連はその集荷促進したことに対する一種報奨受ける、こういう解釈によつて当時手続を進めたわけでございます。
  22. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 もし集荷促進のための奨励金を全販連一本受けた、そしてその配分政府決定した配分要綱に従つて配分すればいいのだというようなことであれば、一つ疑問になりますのは、別に五千九百万円を集荷促進奨励金受取つておられるが、何もそういうものを別に出す必要もないのじやないか。この累進奨励金の中へ打込んでおけばいいんじやないか。現に累進奨励金自体におきましても四千七十八万五千四百六十円という残ができておる。そういう残ができるような計算であるならば、促進奨励金は別に出す必要はないのじやないかと思うのですが、この点は前谷長官どうですか。
  23. 前谷重夫

    前谷政府委員 この集荷奨励金支出につきましては、当時の集荷方法として、これを累進的な形で一本でもつて支出する方がいいか、または別の方法でもつてするのがいいかというようなことにつきまして、いろいろ検討いたしたわけでございますが、一般的にはもちろん累進額によりまして、これを一定の標準のもとに出すことを中心にいたしたわけでございますが、さらに当時の情勢といたしまして、特別集荷制度との関係におきまして、別途に促進奨励金を出す方が全体の集荷を高め得るというふうな判断のもとに、別途にいたしたわけであります。
  24. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それでは全販連の方に聞きますが、会長は当時就任していなかつたとおつしやるのだから、それならば常務でもいいのですが、この全販連の方から政府に出しましたところの資料によりますると、この計算を見ますると、立てかえの金利の損が三百六万三千余円あるわけでありますが、一体これは何か事務委託受けておるような場合には、事務委託受けるに必要な経費を支払う。そして支払うべき経費が足りないので借入れをして、借入金の金利がいるのでというような場合には、後日精算をしますから、この三百万円余の立てかえ金利損というものが想像できるのでありますけれども、どうも今両方の御説明を聞ておりましても、集荷促進のための奨励金受けて、そうして特別の別途の集荷もあることであるからということに対する関係もあつて、別に五千九百万円の奨励金を出した――いろいろお説を述べておられまするが、なぜ一体立てかえの金利損というものまで全販連計算をしなければならぬのであろうか。一体販連政府から金を借りておつて金利支払つて損が行つておりますなんていう計算をなぜしなければならぬのかと私は思うのであります。奨励金をもらつたならば、その奨励金の範囲内で仕事をなさるのが建前じやないか。奨励金をもらつたけれども、足らなかつたので、金を借りて来たので、利息が三百万円不足になつていますという式の立てかえの金利損、そんなものが出るような余地のある関係には私はならぬように思う。これはどういうわけなんですか。
  25. 小林繁次郎

    小林参考人 それではただいまの点私の方から御説明を申し上げます。結局実際の奨励金をいただく時期が、先ほどもお話がありましたように、それぞれ供出が済んでからの計算で出て参ります。ところが仕事をいたしますわれわれの方としては、それまでに諸般の費用の支出がございます。従つて政府からの受入れ以前に出ましたわれわれの方の経費支出金利計算をいたしますとこういう金利計算になりますという表現でございますが、今お話のように、立てかえ金利損というような名称がはたして妥当かどうかとおつしやられると、私どももこういう言い方がどうかという点は非常に疑問を持つのでありますが、要はこの計算におきましても、全般的に非常に大きな金額が残留していはせぬかという御指摘でございますので、そういう点を計算をいたしますと、こういう金利関係も一応の計算になりますので、そういう条項を入れたわけであります。
  26. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 政府に伺いますが、もし真に促進奨励するために五千九百万円の金を出すということであれば、すでにいろいろな経費使つて、金を借りて三百万円も金利を払つているというようなものであれば、その辺の勘定も大体して渡すのが相当じやないか、こう思うのであります。一方累進奨励金においては四千万円余りある。それからこれは一緒にプールにいたしましての計算関係の結果でございますけれども、いずれにいたしましても、立てかえ金があつたというような関係になると、まるで仕事委託受けているようにも思うのですが、そこが経理観念におきましてどうも数字はつきりせぬのであります。足らぬようなことならば足るようにしなければいかぬだろう。ことに奨励金というようなものにおきましては、むしろ余るくらいにすべきじやないか。もし累進奨励金の方ならば、これはむしろ厳格に事務的の分野が多いだろうと思うのです。     〔委員長退席松山委員長代理着席事務的の分野が多くて、そうでない分につきましては、この第二の促進奨励金に入るべきじやないか。前者につきましては、もう事務終つてから、集荷終つてから出したということでありますから、何に何を使つたかということが大体みなわかりますから、それはそれに必要なものはそれぞれお出しになるということはよくわかるのですが、これは必ずしも促進奨励金損失であるとは思えませんけれども、いずれにしましても、促進奨励するために奨励金交付して損失が行くようなことはいかがか。その辺の計算盲計算でもしたということになるおそれがあるのじやないかと思います。
  27. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。この集荷奨励金集荷累進奨励金促進奨励金とを一本といたしまして予算に計上いたしたわけであります。大体累進奨励金に基きますものはこれだけ、促進のものはこれだけという予定は一応立てるわけでございますが、主体は累進奨励金でございますので、累進奨励金は御承知のように当初の予定としましては県別立てますけれども、現実超過供出が具体的にどういうグループに、この累進奨励に当るかということは最終に行かないと決定いたさないわけでございます。その見当をつけ、かつ促進奨励金見当をつけるということは当初の予定といたしましてはなかなかつけにくい、ある程度の予定はつけておつたわけでございますが、最終的にはつけ得なかつたという関係になるわけでございます。
  28. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それならばもう一つ聞きますが、この促進奨励金受入れに対する支出ということになつておりますが、これは累進奨励金促進奨励金が一本の予算ということに見てもそれはいいと思いますが、全販連におきましては共通管理費四千三百余万円使つておる、こういうことになつております。この共通管理費というものはどういうものですか。
  29. 小林繁次郎

    小林参考人 全販連の業態は、いわゆる現業と通称いたします米麦部あるいは農村工業部農林部、こういうふうな現実品目担当部と、総務経理もう一つ、特殊のわれわれの方の組織の形態かと存じますが、受渡部、これは通例の商社等におきましては現業に当然入るべきものだと思いますが、私の方では総務経理受渡し、こういうものを一応非現業と称しております。この非現業、いわゆる収入がそれ自体としてありません部門経費を、他の収入のある部門でもつて一定の割合に基いて負担をする、こういう予算決算仕組みをいたしております。共通負担費と申しますのは、そういう現業部門がそれぞれ非現業部門と称するものの経費の分担の役割でございます。
  30. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたの方はどれほどの人員が今のところ現業部門に入るのですか、総務経理受渡しなど。それから一体この期間はいつからいつまでくらいの期間を要しているのですか。
  31. 小林繁次郎

    小林参考人 ここに計算上出ております計算仕組みちよつとその前に申し上げた方がおわかりやすいかと存じます。     〔松山委員長代理退席委員長着席〕  今回のこの集荷促進あるいは累進経費関係をわれわれが調査いたします際にも実は非常に問題がありました。と申しますのは、われわれの組織といたしましてあらゆる品目一緒計算する。部門別にはわかれておりましても、そのうちの米麦部がこれを担当しておりますが、米麦部の中にも菜種があり、あるいは他の雑穀がありというようなことで、それが経費関係で一一調べるのが困難でございます。ところが実際これだけの大きな仕事でございますので、相当はつきりと経費区分のできる部面と、どうもそれの区分ができないものとが帳簿上ございます。そこで区分のできるものはその区分に従いまして収支の計算の中に支出として立てます。それから区分の非常に困難な分について、ここにいわゆる共通負担費と申すのもそのうちの一項目でございますが、この整理の仕方は結局二十七年度の産米という、この年の平常の年よりも米につきまして経費として増加した部分だけを算定いたしまして、具体的には二十六年度の米に関して必要といたしました経費と、二十七年度の米に関して必要といたしました経費を算出いたしまして、その差額、いわゆる二十七年度の特に膨脹いたしました額だけをここにむずかしい計算ではございますが、われわれは集荷促進一切の経費として計上をしておる。こういう算定をいたしまして、結局収入支出との関係一つ計算立てた、こういうことであります。
  32. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちよつと人の数も概算でいいですから……。
  33. 小林繁次郎

    小林参考人 総数で現在六百六十二名でございます。受渡し関係非現業関係はあとで調べて申し上げます。
  34. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 共通管理費でありますが、二十六年度産米も入るということでありましたらこれは趣旨が違つて来ると思う。何となれば、あなたの方では金利三百六万三千三百五十二円というこんな計算までしておられる。二十六年度産米ということであれば、これは明らかに区別すべきであります。何となれば二十七年産米集荷されることの奨励金でありますから、厳密に区別しなければならぬと思う。それから六百六十二人かのあなたの方の非現業従業員であるといたしましても、この経費を全部まかなうべきものではないと思う。ことに人件費というものは六百二十二万余円別に計算されておるのであります。でありますからこの人件費は、おそらく非現業部門も入つておるのだろうと思いますので、共通管理費が四千三百万円というのはどうもはつきりしない。
  35. 小林繁次郎

    小林参考人 ただいまのお尋ねでありますが、二十六年の米の関係が入つているというのは計算上で差引計算をしたわけであります。入つてない。二十六年産米に関する経費が入つているわけではありませんで、むしろ二十六年産米を通常の年とわれわれ算定をいたしまして、その経費は二十七年度の経費の中から差引きまして、二十七年度において二十六年度よりも膨脹いたしました金額を二十七年度における特に必要とした経費とする。もう一つは、お尋ね非現業の人間の数でありますが、先ほど申し上げました六百六十二名というのは全体の数でございます。それから非現業はそのうちの――正確な数字を持つて来ておりませんのではなはだ恐縮でありますが、そのうちの約三割ないし……。
  36. 柴田義男

    ○柴田委員 議事進行について。今この問題が大きく議論されておりますが、この問題はたとえばこれをどうするのが一番正当かということに論議が入つてつた方がこの問題を審議するのに進行上いいと思うのですが、今この問題を私どもが見ました場合に、全販連にこういう莫大な金を一括してやつて、実際集荷奨励という性質に全然かなつていない、こういうところから見て参りますれば、全販連と今の質疑応答をやるというよりも、決算委員会として今後これをどうして集荷奨励のために、どういう方途で金を出すべきかということを議論した方がいいじやないか、この問題はこの問題でありますけれども、そつちの方に発展させた方がいいのではないかと思いますが、お諮りを願いたいと思います。
  37. 田中彰治

    田中委員長 私も一応そういうように考えるのですが、しかし吉田さんも大分勉強していらつしやいますから、一応聞いて、こういうことでこういう結果があつたということをもう少し聞いてみたらどうですか。
  38. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたの方では人件費を六百万円別途に組んでおられる。共通管理費を尋ねれば人の数が六百六十二人あつて三割が非現業で、これが共通負担である、こういうような御説明なんです。でありますからそういうことであるならばいよいよ明瞭でないのです。私はなぜそれを詳しく聞こうとするかといいましたならば、五千九百万円というものはともかくもらつて損益なしでまかなつてしまおうというような建前の使い方だつたら私はしいて尋ねようとしない。けれども金を借りて金利三百万円使つて損をしておりますというような建前になつておりますから、それならばそういう計算の内容はどうか、こう言うのです。  そこでもう一つ発展するのは、一体これは精算すべきものか、精算すべからざるものかも聞かなければならない、いかがですか。あなたの方では累進奨励金が四千万円残つた、それから促進奨励金で五千九百万円だけれども、いろいろな損失、マイナスが千百八十余万円、立てかえ金利損失が三百万円、差引二千五百九十余万円というものが、全部の差引で本年一月末残つておる、そういう計算になつておる。それならばこれは精算すべきものかすべからざるものか、必要があるものかないものか、この点ひとつはつきりと全販連会長からどうぞ……。
  39. 石井英之助

    石井参考人 ちよつとただいまのお尋ねの要点がはずれておるかもしれませんのですが、ただいまのお尋ねは、全販に残つてつた金は配分すべきものと考えるかどうかということでございましたか。
  40. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうじやないのです。これは要するに、集荷累進奨励金というものは、集荷してしまつた後に全額を総計して、そうして一定の金を政府からあなたの方へ交付した。そしてその交付したものを末端へ流すべき方法要綱がきめられており、その要綱に従つてこれをあなたの方は流されたものと思います。但しあなたの方の収支の計算書によりますと、促進奨励金をもらつたけれども、こういうように前もつて金を借りておつたので、金利三百万円を使つております。共通管理費四千三百万円いつております。ほかに人件費六百万円いつております等等でいろいろこまかい計算をせられておりますので、損失立てかえ金利というものを計算されるならば、一体総計して差引余つたら返すということになるのかどうか、返さぬでもいいということであるならば、よそで金を借りて来ました、立てかえ金利の損がある、そんなことは私は出る筋じやないと思うので、私はそれを聞いておるのです。
  41. 石井英之助

    石井参考人 お尋ねよくわかりました。その点は立てかえ金利というこの用語が、先ほども小林常務から申し上げたように、非常に適当でない用語であるように思います。これは先ほども申し上げましたように、この奨励金交付になりますのは、集荷が進行し完了をしてから後にこれが来ますもので、しかし大体要綱がきまり方針がきまつてこういうものが出るということでございますから、そこで促進のためにやるべき仕事はどんどん秋から着手をしなければならぬ。そのために諸般仕事をやつた、それにかかつた経費というものは、要するに政府から出まする奨励金をいわば見返りにして、その仕事をしておるわけであります。この仕事に要しました経費というものは、奨励金交付を見返りにしてまず使つており、奨励金交付があとになりましたから、それに先立つて使つておりますので、それを奨励金交付されたときにそれから出すとすれば、その間の金利も考えて計算をしてよろしいのじやないか、こういう一つの考え方から来た項目なのであります。と申しまするのは、なぜこういうことを申し上げましたかと申しますと、奨励金が来たが、その後に大して金を使つておらないで、何もしないで、相当の金額が全販に残つておるような誤解がありましては、ぐあいが悪い――ぐあいが悪いというか、それは事実に反する事柄でございまするから、こういう仕事をしてこれだけの金を使つたのでございまするから、これだけの奨励金が来ましても、差引きこういうことに計算がなるのでありまして、その奨励金として来た金がこれだけ残つておるから、それが全販の残つた金だというふうにお考えを願つては困る、そうではないのだという意味において、あらかじめこういう金を使つておりますのですという説明として申し上げて……。
  42. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 だからそこで精算をなさるかどうか、そこへ入つて行く。
  43. 石井英之助

    石井参考人 そこでそれが済みましてから、そこに残つたの政府に返すべきものであるかうかどというお尋ねであるかと思いますが、それは前段に政府委員からもお話がございましたように、この金は一種報奨金的な性質のものでございますから、集荷の成績に応じて交付せられるものでございまして、幸いにしてあの年は二千八百万石あまりの集荷ができました結果、こういうことになつたのでありまして、これは報奨金としてそれだけ勉強をして集めたということに対してちようだいをいたしたものでございますから返すという筋ではないのでございます。
  44. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 政府に伺います。全販連の御説明はわかりますが、そこで全販連はこれを地方の府県連合会に交付されておる。府県連合会の会計を見てみますると、九月一日末現在におきまして全販連から受けておりまするものが三億五千五百七十六万三千余円、そこで単協に府県連から交付しておりまするものが二億三百二十七万一千余円、こういうことになつて参りますと、一億五千何百万円というものは県連に残つておる。一億五千万円も県連に残るということになるのですが、一体こういうような大きな差額、つまり末端の一万五千の単位農協へ渡した金が二億円あまりで、そうして何十の県連が自分の方のふところへとめてある金が一億五千万円、一体こういうような大きな割合というものが妥当性があるのでしようか。末端では三百俵以下はただなんです。車をひつぱつて来るかかついで来るかは知りませんけれども、実際の仕事をするのは県連じやないのです。全販連じやないのです。農協なんです。その農協に二億円行つて、そうして県連に一億五千万円とどまつておるということは、一体これを妥当とお考えになるかどうか、これはいかがでしよう。
  45. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げますが、単協の末端の現実の取扱いの実費集荷手数料として支払つておるわけでございまして、この集荷奨励金はその当時におきまする供出割当が少かつた、その供出割当と生産高との間に相当の幅がございますので、これをできるだけ多額に集荷いたしたい、こういうことによつて考えたわけでございまして、この県連に参りまするのが、計算いたしますると、大体一県連当り三百万円くらいになるわけでございますが、この県連も、やはり県内のいろいろのやみルート――やみに流れることを防止するため、集荷のために活動をいたしたわけでございますので、やはり県連に対しましても、この奨励金が行くべきものと考えているわけでございます。ただ御指摘の割合の問題は、それぞれの活動の度合いにもよりまするが、これはやはり一つ系統組織といたしまして、県連単協との間におきまして協議して、それぞれの分野に応じて、協議によつて配分されるというふうに考えておるわけでございます。
  46. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 しかしそれは非常に大事な問題です。私が最切にこの奨励金性質を聞きましたのはやはりそこへ来るのです。予算の執行というような建前でお考えになるときには、単協へ行く割合、途中の県連にとどまる割合、全販連にとどまる割合というものは、やはり政府としましては厳格に見ておらねばいけません。それはなるほどやみに流れるものをとめる、防ぐということもしてはいると思いますけれども、県連仕事と末端の仕事はこれはもう大きさにしましたなら問題にならぬと思うのであります。そこで系統団体に対しまして、あなたは思い切つたことをおつしやらぬのかしりませんけれども、やつぱりこの割合というものはできるだけ下に厚くせなければいくまいと思います。もつとも一面から見れば今の県連の経済を私よく存じません。存じませんけれども、概して県における各種系統団体は経済的には今よくないと思います。ということもありますので、その辺の事情もあつたかしりませんけれども、やつぱり三億数千万円というような大きな金でありますので、ほんとうに汗をかいている末端に、やみに流さぬでこつちへ持つて来るという、その超過した部分に対する集荷でありますから、そこに重点を置くというようなことが前会以来のわれわれの論点です。それで二十八年度はあなたの方は直接末端の農協へ渡すように制度を改めておられます。これはよいことです。けれども見逃しがたいことは、二十七年のこのやり方は、私はやはり系統団体におきましても、これはもう相当反省をしてもらわなければいかぬことだつたと思います。末端が一万五千で二億円、中間が四十幾つで一億五千万円ということは、あなた今一つ一つは三百万円とおつしやいましたけれども、三百万円であろうと百万円であろうと、そこらへんはもつとこまかく計算しまして、残つたらもう下へ渡さなければいかぬということを厳重にやらなければいかぬ。それで今全販連お話を聞けば、報奨金でもらつたんだからどのように使つてもいい、全部ということはおつしやいませんけれども、もらつたんだからというようなそういう頭で、下へ流していなさらぬということは、国家の大切な予算を使うという責任感が伴つておらぬと思います。やはりこれは国家公益に協力しておられるのでありますから、営利団体では断じてないのであります。全販連のお立場というものは、やはり食糧の集荷等につきまして国家の行政に協力しておられる立場でありますから、従つて三億数千万円のこの金の流し方につきましても、中間にひつかかつてしまつて中間にとまるということは私は適当でないと思います。そういうことにつきまして今日はもう方針がかわつてますからはつきりとあなたとしては言えると思います。御所見いかがでございますか。
  47. 石井英之助

    石井参考人 ただいま御指摘の点はわれわれとしても十分考慮をその後いたしている点でございまして、さような結果として二十八年度の奨励金の問題についても、お話のような方法の改訂がございましたわけでありまして、われわれとしては、系統組織間の緊密な連絡、協力体制の確立ということは非常に強く考えているわけでありますから、今後におきましていやしくもいろいろとごめんどうを煩わすことのないように十分戒心をいたしたいと考えております。
  48. 安井大吉

    ○安井委員 関連して伺いますが、どうも話を聞いていて遺憾にたえないのでありますが、国の費用は累進奨励金あるいはその他の奨励金として三億九千六百何十万出している。これはあたかもある仕事をする上において国庫補助で仕事をするのと同じことである。当然その指定された費用以外の残つた金は国庫補助と同じように返すべき金である。今この決算を見ると、四千万円残つている。四千万円の国庫の金が、全販連として決算として差引残つている金が、一たび支出したから、奨励金だから、報奨金だからということで四千万円の金が、国の費用が、われわれの支払う税金がそのままそこに停滞して、ある公共団体に残つているというようなことは、初めから農林省は承知してやつたのか。しかもこれは集荷の実績を見て、後に交付した金であると言えば、あの決算が済んで支出がきまつているのにそれを承知の上で四千万円やつた、こういうように考えていいか。これをひとつ当局に伺いたい。
  49. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。この方針立てましたのは二十七年の十月であります。従いましてこの目標によつてこういう方針を公表いたしまして、この方針によつて奨励金交付するから、できるだけ集荷に協力するように、こういう建前で進めて参つたわけであります。ただその交付する具体的金額につきましては、集荷の結果の数量によつてその金額をきめて参つたわけでございます。当初からこの金額というものは累進制度によつて政府として奨励金交付しますから、できるだけ集荷について協力願いたいということを十月の供出が始まる当時において約束いたしたわけであります。その奨励によつて団体集荷に努力をいたしたわけであります。その努力した数量に応じてこれを交付して参つたわけでございます。
  50. 安井大吉

    ○安井委員 それでは農林省の一番初めの千百万俵出せば幾ら渡すという約束でお出しになつたのか。しかもこれは実績によつてあとから出したのであるから、全販連がいらない金は国庫の過剰金ではないか。国庫の過剰金が千百万俵集まつたらもうかつてに使える。全販連はもつと圧縮してもいい、もつとほかに使つていいというこういう自由を与えて請負契約でやつているんですか。
  51. 前谷重夫

    前谷政府委員 これは奨励金でございまして、補助金とは性質が違うわけでございまして、集荷に対する報奨的な性質を持たしたわけであります。と申しますのは、これはいわゆる特別集荷制度といたしまして超過供出につきまして相当数量集めたいということで、特別集荷制度と関連いたしまして立てられた制度でございます。代金の支払い集荷数量の実績によりまして支払うわけでございますが、あらかじめ何俵以上は幾らということは集荷の前において政府において公表いたしまして、そこまで達すればその単価を支払うという制度でスタートいたしたわけであります。
  52. 田中彰治

    田中委員長 長官、あなた、たいがい考えてもわかるでしよう。百姓が米を出してそれに対して三億数千万円、いや実際に行つたのはこのうちから一億五千万円途中で消えてしまつた。お百姓がこのことをほんとうに知つたら一揆を起しますよ。そんな考えではいけないですよ。絶対今度の金は、ほんとうに米を出した農家のところに行くのがほんとうじやないですか。だからこれを聞くんですよ。あなたは改善を今度はただ考慮するというけれども、これはほんとうに改善していない。吉田委員、これは二十八年度も規則は改正しておらぬのですよ。会計検査院から指摘されたから何とか考えなければならぬというだけなんですよ。
  53. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 石井さんにちよつと伺いますが、四千幾らというこの余つている金、これは私は当然計算をして余つたらこれこそ単位農協の方へ流してやる金じやないですか。私はそう考えるのですが、それを全販連が持つているということ自体が誤りじやないかと思いますが、これに対する所見はいかがですか。
  54. 石井英之助

    石井参考人 四千万という数字は、これは後ほど御説明申し上げた方がいいと思いますが、この金額は別にいたしまして、この金額の処置につきましては、まずその前に申し上げておきたいと存じますのは、要綱においてきまつておりまする金額を地方へ流しますことはもちろん流したわけでありまするが、それ以上に集荷の数量というものが予定よりも促進をされましたので、全販の方の手に残りますもののうちから特別の措置といたしまして五千七百万円というものは全部その集荷量に対して末端の方に流したわけであります。それを流しました後に……。
  55. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 それのことを聞いているのじやないですよ。余つた金が……。
  56. 石井英之助

    石井参考人 そこで、よくわかつております。その残りましたものについてどう措置するかということについては、各県連とブロック別に相談をいたし、また本会の役員は当時全部で二十数人ございまして、各県のほとんど半分の方が集まつておつた状態なんでありますが、そこで相談をいたし、そうして各ブロック別に相談をいたして、どういうふうに措置をするかということで全体のことをいろいろと考慮せられた結果、こういうものは全販において留保しておくのが適当であろうという。こういう決定になりましてこういう措置をいたしたわけであります。これはすべて系統間における話し合いの上でこういうことになつておるわけであります。さように御了承をいただきたいと思います。
  57. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 それはあなた方がそういう話し合いだからと言えばそれまでかもしれませんけれども、あなた方は大体百姓の代表として、百姓の支出によつて仕事をしているのでございましよう。県連にいたしましても、全販連にいたしましても、いずれも百姓が金を出しておる、あなた方がそのうちから給料をとつてつておる。そうしたなれば、米にしましても、麦にしましても、出したものに対する奨励金というようなものは、やはりあなた方がその費用を引いて余りがあつたらこれは当然にその百姓の代表として百姓のところへそれが流れて行くようにすることが、私はあなた方が農民の代表として当然とるべき道じやないか、あなた方は農民と別個の立場にあるのじやないでしよう。あなた方の月給というものは農民が出しておるのですよ、そうしてあなた方を出しておくのです。あなた方が今そういうことを話し合いだと言うけれども、みんなこれが今の農民のいわゆる代表者がボス化しておつて、われわれが見ますと非常な遺憾な点があるので、私どもは今の全販連がなくなつた方がいいのじやないかというくらいにさえ考えておるのです。ただ屋上屋を重ねて農民を搾取しているような気がする。ほとんど農民の代表としてのそれが見られない。いつかも申し上げたように、はなはだしいのは中金から金を借りて利益会社の米の払下げの保証金に積むというようなことをしておられる。これらは明らかに百姓が米を出し、麦を出すその奨励のために国が金を出しておるのだから、全販や県連においてそのために費用がいつたならばこれはしかたがありません、その費用を引いていいでしようが、その費用を差引いて余りがあつたならば、やはりこれは百姓に全部与えるのがあなた方として当然とるべき道じやないかと思われるのであります。ところが県販連にしましても全販連にしましても出ておる連中がボス化しておつて、そうしてみなこういう金をためておいて飲んだり食つたりするというのが関の山じやないかと私どもは見ておるんです。よこういうことについていろいろおつしやられるよりも、すなおに私はあなた方がこの金はむしろ農民に流すのが適当であるというくらいのお考えを持つてほしいと思うのです。これは国に返す必要はないのですよ。とにかく奨励金として出されておるものですから、それをどうもああでもない、こうでもないと言われておるところに私は非常におもしろくない点があるのですが、長官におかれましてもいかがですか、全販連等において諸費用を差引かれたならば、これは私は百姓に与えるべきものじやないかと思うのですが、長官のお考えはいかがですか。
  58. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。実はこの奨励金は、われわれといたしましては集荷促進のために当初から高唱してやつたわけであります。その流れにつきましては各機関のそれぞれの協議によりまして適正に配分されるというふうに考えておるわけでございますが、この農業協同組合系統は御承知のように一つの全国的な、一体的な組織として活動をいたしておるわけでございまして、政府奨励いたしました奨励金支払いましたものが、現実実費として支出したもの以外におきましてかりに余裕がありとしますれば、これは系統内部として系統運動の促進その他適正な使用をすべきじやなかろうか、これはやはりそれぞれの系統内部においていかに有効に使用するかということが決せられるべきものではないか、ただ単にこれは一機関ではございませんで、全体としての適切な使用がはからるべきであると思います。
  59. 柴田義男

    ○柴田委員 関連して……。いろいろなりくつは確かにつくと思うのです。今の長官のお答えのように、たとえば末端の農協県連も全販連も、これは一つ系統であることはわれわれも知つておるのです。ただこの奨励金のほんとうの趣旨というものは、末端農協が非常な骨を折つて集荷に努力するための奨励金である、こういうことをわれわれは認識しておるのですが、これは間違いないと思うのです。そういう場合において、たとえば今この数字で見ますると、三億九千五百五十九万一千七百十五円食糧庁から出ております。だけれども現実に全販連においては四千三百五十三万九千九百五十円金が余つておる。余つておるというのはちよつと表現が下手でございますが、そういう形の金があるのだ。それから県連には一億三千八百四十三万八百一円というものが手数料とか何とかいう形において残された。そして合計いたしますとこの分が一億八千百九十七万七百五十一円です。そうすると、現実政府集荷奨励のために出した三億九千五百五十九万一千七百十五円の約半分というものが全販連県連手数料であるとかあるいはその他の費用という形において失われておる。こういうことがほんとうに許されるのかどうかという疑問をわれわれは持つわけなんです。現実にこの三億九千なり四億の金が集荷奨励のために必要であれば、何も四億出そうと五億出そうと、そのことはわれわれが論議することじやない。これが現実にその集荷奨励のために努力を払つた者に行く金であつたなら、五億行こうと六億行こうとこれはいいと思うのです。だからそういう点で今のこの問題を論議する上において、全販連県連に残されておるものは全部吐き出して末端の農協にやるべきである、われわれはそう考えるのですが、これに対して長官がほんとうに良心的に、全販連の幹部やあるいは県連の人々に遠慮会釈なさらぬで、長官として日本の食糧政策をお考えになる場合に何とお考えになるか、これを伺いたいのです。
  60. 前谷重夫

    前谷政府委員 集荷の面からいたしまして、御承知のように全体といたしまして労協はその村内の集荷に、これは具体的に農家と接触するわけでございますから、最もその集荷に努力するということは当然でございます。われわれもそう考えております。ただ県連といたしましては各県内におきまする単協を指導し、そしてこれに同一歩調で乗つて、その当時におきましてはいわゆる特別集荷制度で商人系統との非常な競争関係があつたのでございまして、この競争関係があるということがまたわれわれといたしましては集荷促進になるか、こういうふうに考えたわけであります。県連といたしましても県内の単協を指導するためにいろいろ活動いたしただろうと考えます。ただわれわれといたしましても御指摘のような点がございますので、二十八年度においてはこれを明確に、単協に行くべきものはこれだけであるというふうに政府がすることが妥当であるというふうに考えまして、累進率の適用につきましては、二十八年度におきましては単協にのみ累進率を適用するというふうに改正いたしたわけでございます。
  61. 田中彰治

    田中委員長 長官ね、ぼくが考えるのに、さつきあなたが言われたんだが、農民に金をやるのではないというが、四億の金の半分が途中で消えて、そして県連もとつているが、これはあなた何とも思わぬのですか、単協にいくらお上げになつても全販連とか県連がとつてしまつたら何もならぬですよ。そういうことを、柴田委員の言われるように常識上、半分も途中で消えて何とも思わないのかね。それをぼくは聞きたい。どうも長官の良心を疑うな、そんな長官なら批難事項全部許さないよ。
  62. 柴田義男

    ○柴田委員 今現実には単位農協交付されているというのは伺つたのですが、ただ問題の処理としまして今の一億八千百余万円が両方にある、これはなるほど県連にいたしましてもいろいろな指導をやつて骨を折つておることはわれわれも聞いおりますし、全販連もまた全国団体とかいろいろな指導面で骨を折られることは当然だと思うのです。だが全販連でも県連でも今経済的に行き詰まつてはいない、これは地方によつて県連等も相当行き詰まつて赤字を出しておる団体もございますけれども、現実にやはり農協がどうあるべきかということは、組織がまつたく経済的な確立ができないところに大きな欠陥があるとわれわれは思うのです。そういうさ中でございますから、やはり現実にはこの金というものは末端の農協にくれてやるべきものである、こう考えるのですが、これに対しまして、常識論なんですが、全販連会長さんはどうお考えでございましよう。
  63. 石井英之助

    石井参考人 ただいまの御説の趣旨につきましては私どもまつたく同感でございまして、余裕のある限り、これを末端の方に流しますことは、当然一つ系統組織として考えるべき事柄であろうと考えておるのでございます。そういう建前から昭和二十八年度の問題につきましてはいろいろ御指摘の問題もございまして、政府でもお考えになつてそれぞれその分というものを明定されたわけであります、さらに全販連といたしましては過去のこういう事例にもかんがみまして、全販連のとり分のうちから二十八年度におきましてはそういうことが可能である状態になりましたので、約一千万円ばかりのものは定められたもの以上に末端に流すようなことを二十八年としてはすることに方針をきめております。さようなわけでございまして、今後もそのような類似の問題の措置につきましては、あとう限り皆さんからごらんになりましても穏当なる取扱いになるような趣旨をもつて努力をいたしたいと考えております。
  64. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 政府に伺いますが、二十八年度産米につきましては、全販に総額幾らお渡しになつたのですか。それから県連に幾らお渡しになりましたか。
  65. 前谷重夫

    前谷政府委員 二十八年度につきましては、政府の要望といたしましては、累進制度単協にのみ適用するということにいたしまして、五十石以上百石を越えるものにつきましてそれぞれ段階を設けまして、千石以上のものにつきましては二十五円を支払う、こういうことにいたしたわけでございます。それから県の連合会に対しましては一俵当り三円、それから全国団体につきましては一俵当り二円というふうにいたしまして、これはまだ三月末の状態から申し上げますると、全体の支払額が全販に対しましては二千七百四十万円見当でございます。県連に対しましては四千百万円、単協には二億三千九百五十万円程度になろうかと思います。ただこの数字は四月以降の供出状況によりましてもさらに変更があろうかと思います。
  66. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 今のうちの一つの点について伺いたいのですが、今五十石以上ということになつたようですね。それはどういうわけで五十石以下のものにはやらないのですか。と私が質問することは、長官は農家のことも詳しいかしれないけれども、あるいは大農の家に生れたか何か知りませんが、超過供出をよけい出すという農家は、非常に大農でなくてはよけいは出せないのですよ、よろしいですか、大農の家というものはおのずから財政もゆたかなのです。それで五十石以上の超過供出を出すということになつて来ると、相当大きな百姓をしているわけなのです。それでそういう方には五十石以上の超過供出の金をやつて、五十石以下のものにはその金をやらぬということは非常におかしいと思うのです。たとい一俵でもわずかな耕作者が余つたならばこれを出そうという、こういうふうなことを奨励することこそ、私は奨励じやないかと思うのです。またそういうふうな零細な農家が出すその供出の米は一俵でも、大農の出す一俵とはおのずからそれは価値が違うのです。それにもかかわらず五十石以上であればそういう奨励金を出す、五十石以下であつたならば出さないというのは、日本の零細農家のことに対する思いやりがきわめて少い、これは一体どういうわけで五十石以上はというようなことに定めたのでございますか、それを伺いたい。
  67. 前谷重夫

    前谷政府委員 お話の通り供出につきましては大農と小農との間に非常に違いがございます。個々の農家に対しましては、超過供出につきましては石当り二千七百円の奨励金を出しておるわけでございますが、御指摘のように一つの村にはいろいろ超過供出のできる人もありできない人もございます。それが一つの村の農業協同組合に一本になりまして、農業協同組合単位といたしまして超過供出五十石以上というふうにいたしたわけであります。それでこの五十石の基礎は大体全国の末端におきまする集荷業者の人数とそれから超過供出の数量とを平均いたしまして、県別にもさらに検討いたしまして、大体平均よりも低目なところに、普通の場合におきましては大体の努力をすれば当然これ以上に達するというふうな考え方でもちまして、そこに線を引いたわけでございます。
  68. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 その点です、今あなたが最後におつしやられたことなのですが、もつと出せば出せるのに出さないのじやないかというように、ここに線を引いたというものがいわゆるひとつの疑いの目で見たところの線なのです。実際において五十石しか出せないというような村はきわめて寒村なのです。それでありますからあなたの目で見れば、今あなたのおつしやる通り五十石以下しか出せない村なんというものはないのだ、こういう前提のもとに立つての線であると思う。出せば出せるのに、出さないからやらないのだ、こういう論になると思うのですが、それがいけないと私は思う。出せば出せるのに出さないのを出させることが奨励なのでありますから、それを最初から疑いの目で見て、五十石以下しか出せないような寒村に対して、それをもうやらぬということはいけないと私は思う。あるいは冷害の他いろいろの場合も起つて来ることがあるかもしれません。だからそういう疑いの目でもつて見て線を引くことは、私は誤りだと思う。今のようなことがあればそれを出させるようにすることが奨励だと思うのですが、その御所見はいかがですか。
  69. 前谷重夫

    前谷政府委員 御指摘の点、寒村その他それぞれその村の生産力によつて供出量が違うと思う。それでわれわれといたしましては、供出量の割当の問題といたしましてはできるだけ公平を期しまして、そうして平均的にそれぞれ負担が過重にならないように、自体をできるだけ適正にやつておるつもりでございます。従いまして超過供出につきましてはそれぞれの分に応じた超過供出ができ得るものと考えますし、また具体的に申し上げますると、ごく特定の東京でございますとか、あるいは大阪というふうな、消費府県には該当するような場合があるかもしれませんが、大体各府県の状態を考えてみますると、この五十石の線を下まわつて超過供出が行われておるというふうな町村は、ほとんどレア・ケースじやなかろうかというふうに考えておるわけでございます。ただ無制限にやるということになりますると、これはまた奨励の方といたしまして、一つの線を設けなければ奨励にならないわけだと考えます。ただ五十石の線が妥当か、三十石の線が妥当かという問題があります。これにつきましては県別集荷の量、見込みというものを、いろいろ県当局の意見も聞きまして妥当なところへ持つてつたつもりでございます。
  70. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私は伺つてつたのでだんだん数字が明らかになつて来たのでありまするが、末端の全国一万五千の単協、つまり現場で努力しておる単協でありますが、この単協はこれらの数字の比較、状況というものを知つておるでしようか。たとえば三億九千六百万円、約四億円の累進奨励金が出されておる。しかもそれは一番上の全販連に残りの四千万円と五千九百万円で約一億円、それが二千五百万円残つておるというのだから、概算七千五百万円行つておる。それからこの一月には府県連で一億五千万円ほど留保されておる、こういうことになつておる。そして末端には二億円ほどしか行かないのだ。こういうような全体の数字、比較の数字、末端の農協受け数字というようなものは、ほんとうに一生懸命になつてくれている末端に知れ渡つておるというようにお思いになりましようか。これは非常に大事なのであります。やはり一目してわからなければ、一番上が何ぼもらつたかわからない。一番上のために政府はこの金を四億円出したのではない。みんなのために出した。一番上が四億円出てその四億円が何ぼか使い、何ぼか使いして、しまいに半分が一番下に来たという数字の割合なんかは、末端に周知徹底せしむるようなことをしておられましようかどうか、知つておられますかどうか、これは非常に重要なことであると思いますのでお伺いいたします。
  71. 前谷重夫

    前谷政府委員 この制度供出を開始する当時におきまして立てたわけでありまして、その制度立て方は累進的に、たとえば五十万俵以上に対しては三十五円を支払うということを明らかにいたしております。従いまして政府は毎日あるいは旬別に集荷数量を県別に発表いたしております。この制度は十分に末端に徹底し、従いましてこれは全体の総数量の関係がわかつておりますから、当然全体としての金額がこれだけ政府から来るということは、私は末端にも十分わかつておると思います。その末端におきまするそれぞれの県についてどの程度に来るかということは、これも県別の数量を旬別に発表いたしておりまするから、当然この累進表によつて数字がわかつて参ると思います。ただ他の県の関係はわからない。これは県連は当然全販がこうなつており、また単協はその県の県連に全販から幾ら来たということは十分承知いたしておるというふうに考えております。
  72. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 しかし長官、私がこれを質問するゆえんのものは、やはり政治は末端に周知せしむることが要諦です。そこでことし末端へ直接奨励金交付するというふうに制度をお改めになつたということです。幾ら集荷したら幾ら奨励金をやるというようなそういう計算だけではなしに、総額これだけ行つた、それはどこでどれぐらい使つたということで妥当な批判ができると私は思うのです。たとえば全販は二十八年度産について、この三月末には二千七百四十万円です。ところがさつきの御説明によりますと、共通の管理費だけでも四千三百万円使つたと言うのです。だからあなた方のその後の判断によれば、二千七、八百万円で全販が事足れりと言うのかもわからぬ。もつともこれはその後の集荷の数量が、二十七年度産と八年度産と違うのかもしれません。違うのかもしれませんが、数量のいかんにかかわらず、全販の仕事の分量はそんなにかわらぬと思います。何も印刷屋が印刷するのでもあるまいし、また県連にしても同じだと思う。すぐに首切つてしまうのでもなし、臨時に増員するのでもなし、従つて県連にいたしましても四千百万円ということでありましたから格段の数字が落ちております。だからそれが妥当なものとすれば、やはり前年、二十七年は非常に妥当でなかつた数字があつたというふうにも考えられますが、ともかくそういうような批判を末端がし得る資料をやはり流さなければいかぬ。私はあなたの方が悪意でどうというふうに必ずしも申しませんけれども、これはやはり予算の執行というような趣旨でぜひ御理解を願いたいのです。この間からいろいろと農林関係補助金等をここで論議しておるのでありますけれども、一番上と中間が片つぱしから批判の対象になつてしまう。片つぱしから赤字やら、片つぱしから政府の基金を食うやら、たとえば共済連合会の基金を食うやら、中金の金を食つておる等々、その他どこも中間と上だけである。おそらく末端の国民大衆、百姓をしているところは知らぬですよ。そこに農林行政の根本の欠陥があると私は思います。そういうような見方をしておりますので、こういう数字なんかでも、国会で知れるといつても国会が印刷して全国の百姓にまくわけでもございませんし、単協へまくわけでもない。新聞に書くのでなければなおわからぬし、政府はもちろんのこと、あなたの方でもしいてこれを一般に知らすことはしないと思う。これはみな陰に隠れた数字として行つてしまいますので、このような数字の批判というものは非常に重要なものと私は思います。これはこれまでもおやりになつたか知りませんけれども、おそらくは末端の単協においては数字の積算の関係、積算の資料は知らなかつたと思いますが、どうですか。また今後こういうことにつきましては末端に徹底さすということも、ぜひお考えになるべきが必要な問題であろうと思うのであります。この二つだけ聞いておきましよう。
  73. 石井英之助

    石井参考人 ただいまのお話の点は、私どもまつたくそうなすべき事柄と考えております。それで末端の単協までこの数字はつきり伝わつておるかどうかということについては、その通りは参つておらぬだろうと思います。しかし県連と全販連との間においては、きわめて明確にしてございます。全販連にどれだけ残り、どうなるということは、県連との間においてははつきりいたしております。その県連単協との間に、具体的数字がどう理解されておるかという点については、遺憾な点がありはすまいかと想像をいたすのであります。こういうことは系統間において明確にいたすことは当然のことと考えますから、よく考えまして適当なる方法を今後続けてやつて参ることにしたいと考えております。
  74. 田中彰治

    田中委員長 長官、ぼくはちよつとふに落ちないんだが、さつき杉村委員があなたに質問したことで、もし四十九石という供出があつても、奨励金がもらえないからということで、四十九石では供出対象ににならぬとすると、ぼくはやれないと思うんだがね。そこで五十石以内を持つている農協というものは、非常に貧乏している。ぼくはピンと来ないから聞くのです。そういうところは個人的にもらつているんだが、そういう農協に――供出対象とした災害復旧なんかのあれもありますし、いろいろ補助金なんかをもらうときに影響して来るんだから、たとい二十石でもいいじやないですか、出してくれたら、やはりそれに奨励金をやつてとるようなことをすれば、二十石が三十石になり、三十石が四十石になると思う。これはぼくはよくわからぬのです。ぼくは山間地を選挙区としているからそういうことを思うのですが、どうですか。
  75. 石井英之助

    石井参考人 委員長ちよつとそれに関連して述べさせていただきます。その点は実際問題としては相当考えなければならぬ点があるのであります。そこで昨年、全販の方では、先ほども申し上げた要綱にきまつたもの以外のものを末端に流しております。それは三百俵以下のものに対しても払えるように金を特別に流したのであります。要綱としては、政府の当局としては先ほどお話のあつたような建前で、一俵出てもそれに払うということは、これはいかがだろうか。どの辺で数字を切るかということになると、これはなかなかむずかしい計算問題があつて、それでああいうふうに一応おきめになつたわけでありますが、これは実行上の系統組織としては、三百俵以下は出さないとか、五十石以下は出さないとかいうことでは、まことに実情から申してしつくりしないところがある。そこで昨年も別にそれは、要綱以外に全販の方からは出しておる。ことしも百二十五俵以下のものには、一俵三円ずつのものを出すことにしておる。全部これは通知済であります。そこは政府の方はそういうふうにお考えになり、私どもの方はその辺の調整をはかるということをしております。それでお話趣旨は、実際問題として何とかしなければならぬ点だと、私の方は内輪で実は政府に強く要求をいたしておる点であります。
  76. 前谷重夫

    前谷政府委員 ただいまの委員長の御指摘は、実はわれわれも非常に考えたことでございまして、去年は百二十石が限度であつたわけであります。今度は単協を中心にして供出割当もしますから、五十石に下げたのでございますが、その五十石につきましては県別にいろいろと、大体大部分が該当するかどうかということで、県当局者の意見も聞いたわけでございます。
  77. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 いま一つ伺いたい。これは私がおらないときにどなたかお聞きになつたかどうか知りませんが、昭和二十七年に全販連が三円五十六銭、県連が十三円三十銭、単位農協が十七円七十四銭、こうなつてつたのを、昭和三十八年に改訂して、全販連が二円で、県連が三円、単協が十七円四十四銭、こういうことになつているのです。これで見ますと、今度は非常に厳格になつておるのです。この点はどうなんですか。ほかに何か勘案することがあつて、こういうふうになさつたのですか、どうなんですか。
  78. 前谷重夫

    前谷政府委員 これは予算総額といたしましても、昨年度よりも多少少くなつております。と申しますのは、供出数量で当初の予定が昨年度よりもかわつて参りましたから、総額としてかわるのが当然であります。われわれといたしましてはまずこの奨励金の建方といたしまして、ただいま御議論のございましたように、最低限度を幾らに置くかということを考えます。それからその間、五十石以上百石の間、百名以上二百石の間というものが、どの程度の幅をもつて俵当りの金額をきめることが適当であるかということを、供出促進上からいろいろ考えまして、それで大体の推定といたしまして、全体として単協に参るものがこれくらいになるだろうということを考え、それから同時に県連、全販については、大体一俵当りこの程度のものでもつて促進運動をやつてもらう、これは極端に申しますと頭からきめたというような考え方でございまして、単協についてはそういう点をいろいろ、検討いたしましたが、県連、全販は予算の範囲内におきましてこのくらいで、極力これ以上の協力をしてもらいたい、こういう趣旨できめたわけであります。
  79. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 予算がないので、予算のわく内でこういうふうに操作したというならそれまでであつて、これはいたし方がないのですが、昭和二十七年は全販が三円五十六銭、県連が十三円三十銭とつておる。単協に十七円七十四銭払つておる。それを今度この制度が悪いといつて改訂して、全販連が二円、県連が三円、そうして単協の方は三十銭少くなつておる。前よりも悪くしてないというならしかたがない。何か比例的な関係かどうか知りませんが、何だか私は、むしろ全販連県連を減した分くらいは単協の方がふえて行くというならよいけれども、単協が減つておるのがどうも何だか物足らないような気がするのです。
  80. 前谷重夫

    前谷政府委員 これは今年の供出が三月末で一応計算しておりますので、こういう結果になつておりますが、今年の供出は四月以降相当出ておるわけでございます。単協については累進になりますから、この程度以上に上ると思います。
  81. 田中彰治

    田中委員長 どうしてもさつきのことはふに落ちない。私も農林委員会で長くやつてつたが、百姓の政策をきめるときには、百姓の中には、自分で少しずつ米を買つて食わなければならない百姓と、食うだけはとる百姓と、供出のできる百姓、この三つにわかれておつて、いろいろ政策が違うのです。そこで私たち始終思うのは、買つて食わなければならぬ百姓、これは百姓をしておるのであるから幾らか買うのは少くなる。どうやら手一ぱい、供出の力はないけれども、食べておる、こういう百姓もこれは奨励して行かなくてはならない。そういうものがなくなるとなおさら米は足らなくなる。そういう百姓でも、何か災害があると供出対象とされるものだから、非常に割当でも冷遇を受けておる。今のものは、あなたは五十石以下のものはやらないというが、やはり全販連県連は一俵に対して幾らともらつておる。単協だけ五十石以下に減らさなくても、全部やつてよいのではないか。あなたが言つておるのは、全販連県連も一俵に対してやつておる。単協は五十石以下はくれないというのはちよつとおかしいと思いますが、あなたはこういうものに対してどう思われますか、どうも私はビンと来ないのです。
  82. 前谷重夫

    前谷政府委員 お話のように超過供出について全部やるということになりますと、これは個々の農家に対して超過供出奨励金を支払うと同じになりますので、これはやはり集荷奨励だからある程度段差をつけなければという考え方をしたわけです。なお御指摘のようにその段差があまりにはげしくて相当これの適用を受けないものがたくさんできるということになると問題だと思います。われわれとしてはその段差を設ける場合に、これは大部分、私から申し上げれば九〇%以上のものが大体この程度に行くのじやなかろうかということ、特に本年度におきまする義務供出割当は、御承知のように非常に低いという状態から判断いたしまして、大体大部分のものがこれの恩典に浴するという考え方で一つの限度をきめたわけでございます。ただいまの前半のお話を承りますと、もしそういう場合に落ちた場合においては、系統内部において全販連、県販連なりがそれぞれ自己の取分からこれを調整して参る。これは私どもとしても自己の取分から調整するということは非常にいいことだと思います。われわれとしましても、この制度の恩典に浴しないものが多数あるということは非常に困ることでございますので、ほとんどないというところに、しかし多少はあるというところに奨励的な意味を加えたわけでございます。
  83. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 私は今の線を引かなければ何か弊害があるかというと、私はちつとも弊害がないと思う。出さないでもよいものをやみに売つてもいいとは言わぬが、出さないでもいいものをたとい一俵でも出すということになれば奨励金を当然やつていいのであつて、何も線を引かなければ弊害が起るということはどうしてもわれわれは納得できないのです。それで多分今委員長が聞いたことはその線じやなかろうかと思う。私はちよつとほかのことを考えていたので聞きませんでしたが、県販連や全販連といたしましては、県の全体の供出量の割合でもらうわけでしよう。全販連も全国の供出量の割合で、ここに書いてあれば一俵について幾らかもらえるでしよう。そうするとかりに五十石以下の村が百箇村あつたとしたらどうなんです。それだけのものはその村はもらえないが、県販連ももらえれば全販連ももらえる、こんな不合理なことはおかしいじやありませんか。だから私はこういうところに線を引くということ自体が誤りです。普通の供出をしたあとは自分の飯米なんです。そうでしよう。飯米以外は供出することになつている。だから法律上の建前から行けば超過供出というものは、本来は飯米を出すのです。あるいはよけい耕作しておる者が出す。ことに少数の者が自己の経済上から換金しなければならないためにわずかなものを――食うものを食わずに出すのだから、たとい一俵出してもその一俵に奨励金をやるのが当然であつて、こういうふうに段差をつけねばならぬこと自体は私は誤りだと思う。ことに不合理なことは、県販連、全販連は、そういうもののはんぱが集積して来ておる。集積した全体において金をもらうという不合理が起つて来るので、どうもこれは長官少し考えてみたいと思うのですが、ひとつそういうことをきめなければ弊害があるかないか、どうも私は弊害がちよつともないと思うのです。
  84. 田中彰治

    田中委員長 それではこの問題は理事会で農村に関係がある人に寄つてもらつて、もう一度座談的に聞きましよう。
  85. 片島港

    ○片島委員 全販連の方にお尋ねしたいのですが、先ほど同僚議員から質問があつて、私はつきりしなかつたのですが、全販連県連から、また県連は単位農協から組織されておるわけですから、そうすると全販連経理状況、県連経理状況は全部単位農協で知つておらなければならず、また知らせなければならないと思うのです。こういう奨励金のようなものをどういうふうに経理したか、県連の方に幾ら流し、単位農協の方に幾ら流したかということは、ほかの県は知らないということですが、ほかの県を知ろうというのではありません。全販連なり県販連なりでどういう扱いをやつたかという総括的な経理の状態、金の流し方というものは当然単位農協で知つてつてしかるべきものですが、現在はその半分くらいは中途でとどめられておるという実情を単位農協で知つておるものでしようか、また知らしてあるのでしようか。それから私たちは帰つたならば、こういう委員会の状況を報告いたしますが、半分くらいは末端まで行かないで、途中で押えられておるということを私たちが報告することが一向あなた方にはさしつかえもないし、申し開きができるものだとすれば、当然知らせてよかつたものであるし、知つておるべきだと思うのですが、この点はどうなつておりますか。
  86. 石井英之助

    石井参考人 ただいまお尋ねの点は、先ほども申し上げました通り、全販、県連との間において十分に協議をいたしました結果そういう処理をいたしたのであります。従つてその内容については、県連までは十分承知をいたしております。県連単協との間において、どれだけ周知させられておるかということについては明確でございませんが、あるいはそういうところに遺憾の点があるのではないかと想像をいたしております。そういう状況でございますから、私どもといたしましてはこういう内容になつておるということがわかりますことは、少しもさしつかえがあるというような問題ではございません。これについてはいろいろ非難があり、御指摘があります点については、先刻来申し上げましたように私どもとしては考えておるわけであります。将来とも善処いたしたいと考えております。
  87. 片島港

    ○片島委員 先ほどからの御答弁でも明らかなように、全販連の方に数千億円、県販連の方に一億何千万円というものがとめ置かれたわけでありますが、その金額はどういう方面に、もう使われてしまつておるものですか。また事情によつては末端の単位農協の方に再配分でもできるようなことになるのでありますか、その点を伺います。
  88. 小林繁次郎

    小林参考人 その点につきましては、ただいまわれわれの方の事業年度が三月末でございます。現在決算の進行中でございます。大体六月に総会でそれが承認される予定できよう差上げました食糧庁を通じての財務諸表にも全体の案が出ておるところでございますが、その収益の中に入り、決算面に入つておる形になつております。従つてそれをさらに配分等の措置をとるということになれば決算措置が別個の形になる、こういう現況になつております。
  89. 柴田義男

    ○柴田委員 今のお答えは非常に重要だと思うのです。それはもう利益という形において全販連計算立ててしまつて決算をすることは、はなはだ暴挙だと思う。こういうものは利益という科目で処理されるべきものでは断じてないとわれわれは思いますが、これは会長責任を持つて一つお答えを願います。
  90. 石井英之助

    石井参考人 ちよつとお尋ね趣旨に対して明確でない点がございますので、私どうもはつきりお答えができるかどうか非常に明確でないのでありますが、この金というものは、要するに先ほどからもお話がありましたように、報奨的の性格のものとして政府から交付されたものであつて、そうしてこれをどれだけ全販に留保をするか、こういうふうな措置をするということについては、系統内部において十分協議を遂げた上でこういう措置をとつたわけでありますから、その取扱いについては経理上普通の収入として処理をすることは当然であろうと思うのであります。これはもちろん全販連はいろいろほかの事業をいたしておりますから、単に米の奨励金だけによつてどうこうということにはなりません。一切の収入を合せまして、また一切の支出と組み合せて収支の決算をいたすわけでありますから、その中にこの奨励金の収支というものが、組合系統内部において承認せられたる額を収入として入れますことは、当然それで進行をしてよろしいものだ、かように考えておるものであります。
  91. 柴田義男

    ○柴田委員 それはとんでもない独善だと思います。少くとも奨励金というものは末端の集荷機関に対する奨励金です。それを奨励金政府からもらつたもので、あとは内部的な系統機関で県連が幾ら、末端の農業団体が幾らというようなことを打合せさえすれば、どれほど手元に残ろうとこれはわれわれのかつてだという御議論です。少くともこの奨励金性格というものは末端の集荷機関に対する奨励金である、そう考えておるのです。これに対する性格の判断の誤りじやないかと私は考えますが、これはたとえば今現実の問題としては、あるいは仮受けで預つておるというような形ならば許されると思うが、それを手数料として、われわれのところに四千三百五十何万入つたのだからこれは収入だ、こう判断を下されるということは非常な誤りでないかと考えますが、これに対してもう少し冷静にひとつお答え願いたいのです。
  92. 石井英之助

    石井参考人 その点は、この会議の最初にあたりまして、吉田さんと政府当局の間で、奨励金がいかなるものであるかということについていろいろ質疑応答がかわされたのであります。それによつて明らかになされたのでありますが、この奨励金補助金あるいは実費弁償的なものであるとかいうものではなくて、一種報奨金性格を持つたものである、こういうことがはつきりいたしたのであります。われわれの方といたしましても、そういう性格のものとしてこの奨励金交付受けたのであります。さようなわけでございますから、これは集荷機関に対するそういうものでなくして、二十七年度におけるあの非常に困難と考えられました集荷をどういうふうにしてやろうかということのためにとられた集荷促進のための報奨金でございますから、全販なり県販なりも当然交付受ける資格あるものとして、当初から要綱においてはつきり定まつておるのであります。従いましてこの奨励金収入収入として取扱いますことは、そういう根本の性格から申して当然御了承願わなければならぬ、かように私どもは考えておるのであります。
  93. 田中彰治

    田中委員長 これはつまりこうなんですよ。米を出すためにやつたのだから、おれたちが幾ら、県連が幾らというふうにわけて、それを収入として使おう。うちの財産にしようと何にしようと、それは一俵幾らで奨励金としてもらつたのだからいいのだという議論なんだ。そうなんでしよう。あなた、そうおつしやればいいのだが、遠まわしに言うからいけないのですよ。
  94. 柴田義男

    ○柴田委員 会計検査院に参考までに伺いたいのでありますが、小峰局長が指摘されおるこの内容をわれわれ拝見いたしますと、最後のところで、「二十八年十月当時全くこれを使用しないまま保有している状況である。」こう結ばれておるのでありますが、こういうように結ばれたいわゆる検査の結果のお考えはどういうようなものであるか、この保有したものをどうすることが会計検査院の立場からお考えになつて妥当でございましようか、御意見を承りたいと思います。
  95. 小峰保栄

    ○小峰会計検査説明員 今の御質問でありますが、お答えいたします。これは現在でもまだ相当残つておるのでございます。あとの集荷促進奨励金五千九百万円と合せると約一億二百万円という大金が全販連に行つたわけでありますが、この法律上の性質としては、やはり報奨金と申しますか、負担付の贈与と考えるほかどうもないのじやないか、それで負担は何かと言いますと、結局最初きめられました条件に従つて、米を納める俵数に応じて奨励金をもらう、こういう関係に立つわけであります。法律上はどうもこれを返せという結論は出ないのじやないか。私どもとしては返せという結論は出さないで、はつきり書かなかつたわけでありますが、ただ行政上そういうものをそのままほつておいていいか、あるいは皆さんのお考えで、そのままほつておいていいかどうか、こういう判断の余地は残ると思うのであります。やはり法律上は報奨金としてやりつぱなしという措置は非常にまずかつたわけでありますが、食糧庁としてこういう大金をいわばつかみ金のような形で渡してしまつておるわけであります。あとの経費というものも私ども大いに異議があるのであります。先ほど吉田委員からも御質問がありました、たとえば共管経費というようなものも、こまかに計算をとつておりますが、利子などにいたしましても二十七年の四月から計算しております。旅費も同様であります。それから宣伝費なども四月から見ておるのであります。二十七年産米は四月にはできないのでありまして、そのころからの経費を見て、そうしてつじつまを合せて、なおかつ二千万円でありましたか、まだたしか残りが出るというようなことになつております。共管経費というものも非常に見方が多いように思います。そういうふうにあとから見ましてもだぶついた金を交付したわけで、これは比較をとりますとすぐわかりますが、二十八年度では二千万円余りであります。二十八年度分につきましては、一俵二円という予定で実際は二円三十銭くらいについております。先ほど議論がありましたように、百二十五俵、五十石以下のわずかばかりの超過供出をした単協には一文も出さないのでありますが、全販連県連に対しましては二円ないし三円の割合で出しますから、こまかい計数はまだ調べてありませんが、ざつと二百万俵前後じやないかと思います。千百万俵集つておりますが、二割見当のものが相当大きい比率になるのでありますが、それに対しまして一俵二円、県連が三円、こういう割合でもらいますから、全国平均になりますと二円三十銭くらいになつてしまうわけでありますが、この二円三十銭ということでやりましても、二千数百万円で全販連も不服はないようであります。農林省もそれで妥当だ、こういうふうに考えているわけでありますが、それが前年度は一億二百万円も全販連に残つてしまう、こういうような結果になつたのでありまして、これから考えましても、非常に過大な支出をされたということにはなると思うのでありますが、どうも法律上は、かるがゆえに残りは返すのだという結論までは、ちよつと私どもとしては出しかねたわけであります。
  96. 田中彰治

    田中委員長 ちよつと伺いますが、政府に返すのでなくて、単協へやるのはどうなんですか。
  97. 小峰保栄

    ○小峰会計検査説明員 これも会計検査院としての、法律上とか契約上と申しますか、当初の交付要綱なりの解釈としては、そこまでいきなりどうもはつきり申し上げかねるのでありますが、これは行政的なり政治的なりにお考えがあるいは別に出るかもしれませんが、私どもとしては、政府に返せとかあるいは単協にまわせとかいうことは、ちよつと言いかねるわけでございます。
  98. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 そこで私は長官に伺いたいのです。長官は昨日は、これは要するに全販連に一本にやつて、全販連に処置をさせる、こういうように前回の委員会では私は聞いておるのでありますが、あるいは私の考えが違うか知れませんが、私はその区分通り全販連でやるのだというように記憶しておつたのです。本日いろいろ話を聞いておると違うようにも聞えるのでありますが、ここに昭和二十十七年、昭和二十八年と項がきめてあつて昭和二十八年に全販連が二円、県連が三円とこうなつているが、全販連においても県連においても費用がかかりますから、私から言えば、これまでは費用を使つてもいいというような大体のものであつて、本来は費用を使つたならば全部残りは当然に単協に流るべきものではないかと思つておるのです。前会の長官の説明では何でも全販連にまかせて自主的にやらせるというように聞いておりました。これは私の誤りであるかどうかあとで速記も見ますけれども、そういうふうに私は聞いておりましたが、長官、それは私の開き誤りでしようか、いかがでありましようか。
  99. 前谷重夫

    前谷政府委員 前会私が申し上げましたのは、政府供出の当初において一定方針を定めまして、そうしてこういう方針でもつて奨励金交付するということを公示いたしたわけでございます。その方針に従つて農業協同組合系統一本として全販連を通じて交付した。ただ具体的に県連が何ぼで全販連が何ぼであるということは、政府の要網において指示しなかつた、こういうことを申し上げたのであります。
  100. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 それでありますから、ただ一本にしてやつて、あと具体的なことは自治にまかせた、こういうことなんですから、そうならば政府支出したものは全部農民の手に渡つていいはずなんです。でありますから、全販連や県販連が手残しをするということは、この金の性質上私はどうしてもよくないと思われるのです。先ほども申しましたように、柴田委員の問いに対してこの利益の問題で答えられたのですけれども、全販連にしましても、県販連にしましても、これは農民の費用で給料をもらつておるのですから、全販連も県販連も決して全然立場の違うところにあつて組織じやないのですよ。それだから、自分たちの給料とそこの費用を除いたならば、あとは全部農民にその利益が与えられるようにしなければならないのだ。この観念を私はどうしても全販連や県販連の人に持つてもらいたいのです。ことにこういうような奨励金というものはその都度その都度でおえて行くのもですから、この金を手残しをしてどうとかいうような必要のないものなんです。第一に根本的の出発点におけるところの考えが違うためにこういうようなことが起つて来るのではないかと思うのですけれども、長官はこの金は当然に農協に流してやつていいと思うのですか。今でも全販連、県販連にある金は単協に流してやるべきだと思うのですが、長官のお考えはどうですか。
  101. 安井大吉

    ○安井委員 関連して。今の問題ですが、参考書の二十四ページ、昭和二十七年度産米集荷促進奨励金交付要綱の第一項には「米穀の集荷事業に対し、この要綱により交付する。」と書いてある。事業に対して事業費を指定して出したのであるから、団体に対して出したのじやない。事業に対して指定して奨励金を出した以上はこれは指定費なんだ。何々に使えよという指定事業に出しているのだから、その集荷奨励事業において剰余金とか利益があろうはずはない。その団体に対して補助するとは書いてない。ここにあるこうした要綱に照して、会計検査院は集荷事業以外に使つても違法ではないと見るか。また政府要綱の第一のねらうところは、そういう利益の四千万円は事業に属するのだ、利益も事業のものだ、使わなくてもいい、またいかに出してもいい、やるだけの金はやるんだ、こういう意味で第一項を書いたのか、この説明をひとつ伺いたい。米穀の集荷事業に対して補助すると指定してあるのだから、この指定に違反しないかどうか。
  102. 田中彰治

    田中委員長 それでは杉村委員の質問に先に答えて、それから安井委員の質問に答えてください。
  103. 前谷重夫

    前谷政府委員 杉村さんの御意見でございますが、この奨励金集荷促進するためでございまして、これはたびたび申し上げておるわけでございます。それぞれの集荷をいたします場合には、当時の事情といたしまして、特集制度のもとにおきます農業組合系統組織の一本化によつてこれを促進して参るということが集荷促進に非常に役立つだろう、こういうふうに考えたわけでございまして、それぞれの単協においてもそれぞれの分野に応じまして活動し、また県連におきましても、全国団体におきましても活動するわけでございまして、この活動の負担割合と申しますか、活動の限界と申しますか、その関係におきましては、系統組織一本としてそれぞれ内部においてその活動分野をきめまして、その活動分野に応じて活動をし、またその奨励金を活動に応じて分配されることが適当だと考えたわけでございますが、もちろんわれわれといたしましても、これができるだけ末端の単協に多く行くということは、希望するところでありますし、またその点につきましては系統内部として十分注意を払つてつておられることというふうに考えておるわけでございます。ただこれは集荷事業でございまするので、これは委員長お話のように、単位の農協が強力になるということが農民の利益でございます。同時にまた県連が強化され、全販連が強化されるということが系統組織としての単位の利益でもございますので、これはそれぞれの単協からの当然の価値判断もあろうかと思います。  それから安井委員集荷事業――これは法律の用語ではございまするが、われわれとしましては、集荷事業を広く考えて、特定のものを集めて来て、そしてそれを政府の倉庫に納める、こういうことだけに限定いたしているわけではございません。集荷事業というのは、集荷のために勧誘をし、あるいはポスターを配り、あるいはその他督励をするという全般を広く考えておるわけであります。
  104. 安井大吉

    ○安井委員 それだけつこうですが、受け団体が何をするかということは第二に規定している。第一は直接に奨励金は何々に交付する。こう書いてある、受ける母体はどういう性質団体であるかということは二項以下に書いてある。しかし費途としては、奨励金は「事業に対し」だから、ポスターでもいいでしよう。ポスターでも私は悪いとは言わぬが、その事業に属してない残りの金で、利益に属します残余の金を、それでもまだ事業費だ、こういうことを言つては、それじやあなたの説明にも合わないじやないですか。
  105. 前谷重夫

    前谷政府委員 これは当時の考え方といたしまして、事業費というふうに厳格に法律的に考えたわけではございませんで、集荷事業に直接間接に貢献するという意味で、集荷に対して一定基準――ただいま会計検査院からお話がございましたように、一定基準によつて、その数量が集まれば、それに対して交付する、こういう建前で考えておつたのであります。
  106. 柴田義男

    ○柴田委員 関連して……。結局今の要綱を拝見いたしましても、ただ単にこの要綱では、今安井委員から御質問のように、対象は非常に漠然としておるのです。たとえば連合会もその一つ対象でありましようし、あるいは末端の農業団体対象でございましようが、奨励金のほんとうの趣旨は、末端の集荷機関に対して奨励金を出すということがほんとうの精神ではございませんか。そのほんとうの精神を承りたい。
  107. 前谷重夫

    前谷政府委員 これは実はその当時の情勢のもとにおける考え方でございますが、その当時は、御承知のように供出後の自由販売とか、あるいは統制撤廃とかいう問題がございまして、そのもとに、おきまして、豊作にかかわらず割当が非常に少い、これじや政府需給計画が持たないということから、いわゆる特集制度という制度を始めたわけであります。特集制度と申しますのは、従来の政府割当のほかに、競争によつてひとつ大いに集めてもらいたい、それに対しましては、五百円の幅において政府の方が買入れ価格の幅を見ましよう。つまり一般の超過供出の場合は、基本価格に対して超過供出奨励金をつけるわけでございますが、そのほかに一般の特集制度といたしまして、幅を見て集荷をすることが集荷上どうしても必要である、こういう形になつたわけでございます。従いまして、その場合におきまして、これを個々の単協のみを対象にすることよりも、集荷促進上は、むしろ全体的に系統全部を対象にする、そうしてそれぞれ上の部分は上の機関によつて下級団体を督励する、これが一本になつてつた方が集荷に一番役立つじやなかろうか、こういう判断のもとにいたしたわけであります。もちろんその役割といたしまして、直接農民に接触するのは単協でございますから、単協がその大きな役割をになうべきものであるということは当然でございますが、その単協を督励し、いろいろな系統機関の関係におきまして、単協県連との間においては、それぞれ密接な関係があり、また指導関係があるわけでありますので、そういう意味におきまして、系統組織一本としてその対象にいたしたわけであります。
  108. 小峰保栄

    ○小峰会計検査説明員 安井委員の御質問にお答えいたします。安井委員のお示しになりました資料の二十四ページの交付要綱はあとの方の分の促進奨励金でございまして、この検査報告の裏の方に「なお」云々と書いてあります集荷促進奨励金として全販連に五千九百万円行きました分の要綱であります。これでは事業というのは非常に漠然といたしているわけでありまして、見込みで交付したわけで、はつきりした計算を基礎にしたのでは五千九百万円ないのであります。実績を調べて、それだけ使わなかつたからといつてただちに返せという対象にはちよつとむずかしいじやないだろうが、こう考えます。  それから前段の累進奨励金要綱は十九ページにあります。立ちましたついでにちよつと御説明しておきますが、ここに非常に妙なあれがあるのであります。第二の交付対象でありますが、一に特別指定集荷業者とあります。その次に括弧してえらいむずかしいことが書いてありますが、これを見ますと、これは法律の規則の条文を引いてあるわけでありますが、最後の「農業協同組合連合会を含む、以下同じ」とあります。これが同じ交付要綱を使いまして、国から全販連交付する金額、それから全販連から県連交付する金額県連から単協交付する金額がすべてこの一項目の条文で規定されているわけであります。括弧内の農協の前段は県連でありまして、後段の条項を引用しているのが、全販連であります。これだけを見ますと何のことはないのでありますが、これが三通りの金額になつてしまうわけであります。これだけすなおに読みますと、単協だけが交付対象になつているようになつているのでありますが、この括弧の中に県連と全販連が隠れているわけであります。そして適用する金額は、この検査報告に掲げましたように、一つ累進額表なのであります。そしてその集めました数量によつて単協は小さい金額が適用され、県連は県全体の金額が適用され、全販連は全国一本の千百万俵というものにその金額が適用されるようになつているのでありまして、この交付要綱もはなはだまぎらわしいものでありますが、こういうことで支出いたしましたために、今のような中間に多額の金額が残る、こういう結果を来したわけでございます。
  109. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 そこで私は今の質問を続けて行きたいと思います。先ほど吉田委員が尋ねたのですが、尋ね残りがあるから私は尋ねるのですけれども、この立てかえ金の利息を払つております。これはどこから金を借りて、どこへ利息を払つたのですか。
  110. 小林繁次郎

    小林参考人 その点、先ほどの御説明で不十分な点があろうと思いますので関連して……。
  111. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 発言中ですが、その金はどこから借りて、利息はどこへ払つたか、そういろいろの言葉を言わないで、時間がかかりますから……。
  112. 小林繁次郎

    小林参考人 要しますのに、われわれの実際の経理の上で計算立てます際に、受入れ金額は非常に明瞭になつておりますが、結局支出しても残額があるじやないかという御指摘をいただいておるので……。
  113. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 そういうことを聞いているんじやない。どこへ利息を払つたかという点です。
  114. 小林繁次郎

    小林参考人 これは内部計算にすぎません。
  115. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 そういうことを聞いているんじやない。利息計算をしているというから、利息を計算する以上は、どこからの借入金に対してどういう利息を払つたということを、そういろいろに言われないで言つてもらいたい。私はどういうふうな金を支出して、どういうふうな利息を払つたかということを聞くのですよ。あなたの方は、事実利息を払つてないのだ、ただ計算上でこうだというのかどうか。いろいろなことを言わないで、単刀直入に答えてください。
  116. 小林繁次郎

    小林参考人 そういう意味でありましたら、結局農林中金に対する支払い利息の一部をここに関係の分として計上してあるわけであります。
  117. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 農林中金からいつ借りて、いつ払いましたか。
  118. 小林繁次郎

    小林参考人 これは結局全体の金の金利計算の一部に当つているわけであります。
  119. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 全体の金というのはどういう金でありますか。全体の金をいつ、どれだけ借りたか、言うてください。
  120. 小林繁次郎

    小林参考人 農林中金から各事業別に運転資金を借りまして、そして運用する場合の経費に該当する資金として借りました。
  121. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 その借入れ年月、金額は幾らでございますか。
  122. 小林繁次郎

    小林参考人 その点は計算の上の数字でございまして、どの借入れ、いつの借入れの幾らの額に対しての金利というふうにはなつておりませんから、最初に申し上げますように計算の上でしますとこういう計算になる、しかしそれは全然払われていないという意味ではありませんので、全体の中の一部として払うべきものが払われている、こういう意味で申し上げたのであります。
  123. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 そういうことはあなたの方の釈明でいいんです。それだから農林中金からどれだけ借りたうちから幾ら使つたかということを聞けばいいんですよ。そういうふうにあなた答えられるから。計算上のことですからわれわれはどこまでも聞かなければならない。金を中金から借りて使つたと言うから、だから幾ら借りた中の幾らを使つたかということを私は調べたい。だからいつ幾ら借りましたか。
  124. 小林繁次郎

    小林参考人 私の御説明がまずいのかもしれませんが、申し上げようとするのは、ここに出ております立てかえ金という分はこれは計算上の金利であります。計算してこういう金利に該当する。その計算の基礎と申しますものは、その経費支出収入に先立つて支出があつたので、その計算上こうなるということを申し上げているわけでありますが、それだけの金利は実際の支出になつていないのじやないかという御指摘を受けますので、その点はどれの分はどれというわけには参りませんが、本会としてやはり金利支出に当つている、こういう御説明しかちよつと申し上げられないのであります。
  125. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 それはいけないですね。利息を計上する以上は、いつからどれだけの金が幾ら幾ら、それに対してこれだけの利息ということにならなくちやならない。あなたの計算上でけつこうなんですよ。決して私は計算外のことを聞いているのじやない。その点計算上のことを明らかにしてもらいたいと言うているんですから、どれだけの元金についてどれだけの利息がついているか、中金からどれだけ借りてそのうちどれだけ使つたんだということをおつしやつてください。いろいろなことをおつしやらないで、内部計算であろうが何であろうが、十日から二十日までこれだけ金を使つた、こういうことにならなくちやならぬでしよう。それを聞いているんです。どうしてもそれだけははつきりしてもらわなければならない。
  126. 小林繁次郎

    小林参考人 どうも御答弁がまずいのですが……。
  127. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 逃げようとするからいかぬ。
  128. 小林繁次郎

    小林参考人 そういう意味ではございませんが、結局ここに私どもの支出として算定しております経費支出、この分の金利計算をしますとこれだけの金利額になる、こういう意味であります。
  129. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 だからこの分は一ぺんに一日に出したのですか。
  130. 小林繁次郎

    小林参考人 そうではございません。
  131. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 それだからそれを聞くのです。それを計算して出してください。そういうふうにいろいろおつしやられるが、利息なんというものは、立てかえ金ということになつているが、立てかえ金とすれば何月何日に幾ら立てかえたのだということにならなくちや立てかえということは出て来ないでしよう。その立てかえが昭和二十七年何月何日に幾ら立てかえた、それに対する金利がそれ以後幾ら、これを聞いている。決してわれわれは計算外のことは聞きません。計算上のことでなくちやならないのです。  それから次に伺つておきますが、宣伝広告費というのは大体どういうものにお使いになりましたか。その大体でけつこうですから伺つておきます。
  132. 小林繁次郎

    小林参考人 これは宣伝活動費とひとつお直しを願いたいと思います。その一番大きなものはわれわれの供出関係の同僚団体として一緒仕事をしてもらう意味におきまして、全国指導農業組合連合会の活動費として約六百万、それから主要農産物の共同販売推進本部というものが各連合会一緒になりまして活発に運動しておりますが、これに対して二十七年の米の問題を特に委嘱するということで、四百二十万ほどの活動費の支出をいたしております。これがほとんど大部分でございます。その他はそれぞれこまかいものであります。
  133. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 この六百万円はどなたが渡してどなたが受取りましたか。
  134. 小林繁次郎

    小林参考人 これはそれぞれ全指連の方に、結局全販会長から全指連の会長に……。
  135. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 どなたですか。
  136. 小林繁次郎

    小林参考人 当時は、あるいは記憶の違いはあるかもしれませんが、猪飼清六という方が全販連会長をしておりましたが、その方から全指連の会長の荷見安、そこへ渡されたという形になつております。
  137. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 それから四百二十万円は。
  138. 小林繁次郎

    小林参考人 四百二十万の方はやはり同じく全販会長から共販推進本部の会長、これも同様に荷見安さんがやつているわけであります。あるいはその名前は、本会々長の時期があるいは間違つているかもしれませんから間違つてつたら……。
  139. 田中彰治

    田中委員長 小林参考人、いろいろ言われるが、今度の利子なんかの場合になると、あなたの方は四月一日からやつた、どこから金を借りて来てどこへ渡したというようなことになると、ぼくはかえつてめんどうになるから、そういうことを言わないでここで頭を下げちやつた方がいいと思う。そうでないと出やしませんよ。正確なものを出しますか。これはちようど小さい小売商人がにせの帳面のようなものをいいかげんにつくつたようなものなんだから、決算委員会に対してそれをお出しになるとひつかかつて、今度はそこの会計の者を検査しなければならぬようなことになつてしまうから、いいかげんにやつておいたらいいんじやないかな。
  140. 石井英之助

    石井参考人 先ほど小林君から申し上げましたことは、結局全販の経理は中金からすべて金を借りてその借入金でやつているのでありまして、ことに二十七年当時は非常に苦しい状態――現在でも実は非常に苦しいのでありますけれども、もう中金からの借金で全部切りまわしているというわけであります。そこであの金利というものは政府から来る奨励金を見返りにして仕事は先にやつた、その金は要するに全販が持ち出した、その金は一切結局中金からの借入金で処理をしておりますから、もしその金を使わなかつたならばそれだけの金利はいらなかつたろう、こういう計算になるからそこであれだけの金が残つたといつても、そういうものを使つているのでございます。でありますから、あそこで御指摘になつているようなものはそのまま残つているからといつて、それがそのまま全販にずつと手に入つているようにお考えくだすつては困るのであります。そうではないのでありますからその辺を御了解願いたい。そういう意味において出した数字でありますからさように御了承願いたいと思うのであります。
  141. 柴田義男

    ○柴田委員 大分審議は最後まで行つたのですが、本庁の問題でもう一つ資料をお願いしておきたいのですが、二十六年度の災害に対する国庫補助の中で山口県に対する各省関係補助金交付並びにこれが使途についての問題なんです。これは今まで私どもは農林省関係の復旧費の問題を中心として論じておつたのです。だけれども実際林野庁の関係にも水産庁の関係にも莫大な補助が山口県に交付されているという現実ですから、これらの他の補助についてあの二十六年度の全国的な災害の状況によつて、各府県に各省からの補助がどういう割合で出ておるか、これらを山口県と対比して参考に見たいのであります。これから議論をしようというのではありませんから、資料として農林省その他の各省に提出方をおとりはからい願いたいと思います。
  142. 田中彰治

    田中委員長 ただいまの御要求は後刻理事会においてお諮りいたします。  それでは参考人には長時間まことに御苦労でありました。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時二十一分散会