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1954-05-19 第19回国会 衆議院 決算委員会 第31号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年五月十九日(水曜日)     午後一時三十四分開議  出席委員    委員長 田中 彰治君    理事 天野 公義君 理事 松山 義雄君    理事 安井 大吉君 理事 河野 金昇君    理事 柴田 義男君 理事 杉村沖治郎君       越智  茂君    徳安 實藏君       藤田 義光君    村瀬 宣親君       吉田賢一君  出席国務大臣         農 林 大 臣 保利  茂君  出席政府委員         農林事務官         (農地局長)  平川  守君         林野庁長官   柴田  栄君  委員外出席者         農林事務官         (農林経済局農         業保険課長)  久宗  高君         会計検査院事務         官         (検査第三局         長)      小峰 保栄君         専  門  員 大久保忠文君         専  門  員 岡林 清英君     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十六年度一般会計歳入歳出決算  昭和二十六年度特別会計歳入歳出決算  昭和二十六年度政府関係機関決算報告書  昭和二十七年度一般会計歳入歳出決算  昭和二十七年度特別会計歳入歳出決算  昭和二十七年度政府関係機関決算報告書     —————————————
  2. 田中彰治

    田中委員長 これより決算委員会を開会いたします。  前会に引続いて、委員諸君に御相談したいのですが、荻野君を向うに調査にやりまして、その結果を資料として皆さんにお配りしましたが、もし委員諸君が御希望であれば、いろいろ誤解も受けていますから、計数を見る前に荻野君に実際にお聞きになるならここで荻野君に言葉の上でお聞きになつてもいいし、書類けつこうなら書類けつこうですが、どうですか。     〔「書類けつこうです」と呼ぶ者あり〕
  3. 田中彰治

    田中委員長 それではそういたします。  前会に引続きまして、昭和二十六、七年度決算中、食糧庁を除く、農林省所管事項について、調査、審議いたします。質疑に入るに先立ちまして、まず昭和二十七年度報告災害復旧に対する国庫補助金等経理当を得ないものの代表的事例調査させるため、調査員現地山口県に出張調査させました結果、その報告書をお手元に配付いたしておきました。参考資料として事案の検討を要望いたします。  また本月十五、十六の両日、委員派遣によりまして、直轄工事経理紊乱として指摘されました千葉県内印旛沼及び手賀沼干拓事業実地調査をいたしたのでありますが、この点につきまして農林当局質疑を必要とすればあわせてこれを許します。それでは質疑を許します。
  4. 柴田栄

    柴田委員 議事進行農林省といつても、各庁各部に非常に広汎にわたつておりますので、委員会たびごと農林省の各関係者がたくさんここにお見えになつているようでありますが、行政事務にも相当支障があると思いますので、これを、たとえば林野庁の問題は本日をもつて終了する、次には補助金関係である、あるいは農地関係だというようにわけて審議を進めた方が能率的だと思いますが、お諮りを願いたいと思います。
  5. 田中彰治

    田中委員長 どういたしますか。
  6. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 その点につきましては、前会の多分終りのころだつたと思いますが、次会食管関係を除いて爾余農林関係は全部終了したい、大体こういうふうに申合せがなつてつたように思うのです。さよう趣旨で前会は議事をお進めになつたように思いますので、きようは大体そういうふうになるものと私も予想しておりました。食管を除いて爾余農林関係全部きよう大体終るというふうに思いますので、今の問題の点は一応きようは問題にせずともいいのじやないかと思いますが、柴田さん、どうでしよう
  7. 柴田栄

    柴田委員 きようで全部終了するということであれば私の先ほどの提案は取消しますが、もしも本日一日でこの問題が全部終了しないというような見通しの場合を言つたのでありますから、御了承願いたいと思います。
  8. 田中彰治

  9. 杉村沖治郎

    杉村委員 本日大臣見えるということであつたのですが、大臣がまだ見えておりませんから、私は、大臣の来るまで農地局長にこの間の点について伺いたいのです。  この間私が山口県の出雲村と八坂村に対するところ補助金関係のことを尋ねたときに、農地局長は、適当の補助金であるという答えをされておるのです。続いて私が次官に尋ねたところが、次官はそういうことを言わずに、すぐに頭を下げて、まことに申訳がないというふうに答えておるのですが、農地局長が、その出雲村、八坂村のこの補助金関係が妥当であると言うことは、どういう見地に基いて妥当であるというのかを伺いたい。さらに私は、それだけではあまり漠然でありましようから、私の方から具体的にお話を申し上げてお答を願いたいと思うのですが、まず出雲村におけるところ被害額決定は何に基いたか、すなわち昭和二十六年の七月、十月の水害がありましたが、どれだけの水田がどうなつたとか、どれだけの畑がどうなつたかということについて、補助の額というものが決定されたと思うのですが、その点はいかがでありますか。まずそれから伺いたいと思います。
  10. 平川守

    平川政府委員 先般、この補助金は適当であると申しましたのは、非常に簡単な答えで申しましたけれども、もちろん個々査定につきまして、必ずしも絶対万全であると申したつもりではございませんので、会計検査院等から指摘されたりいたしておりますように、過当な設計である場合もあるわけでございまして、こういう部分はもちろん不当であるということになります。これは査定にあたりまして非常に多くの地域に対して少数の人員をもつて査定をいたしますためにそういう間違いが起ることはあり得ますので、これに対しては後日災害直後の査定からさらに再査定というよう方法をとりまして、査定そのものの是正をはかるということは努めておるつもりでございます。ただ申しましたような一箇村に対して数億というような大きな金額助成をすることは村の負担力その他から見て非常に不当ではないかというような御意見に対しましては、現在の法律制度において災害が起りました場合には、その災害復旧に要する費用査定いたしまして、これに対して何割の助成をするということがきまつておりますために、当該村が激甚なる損害を受けました場合におきましては、その村に対して非常に巨額でありましてもその補助金を組まざるを得ないということを申したつもりでございます。そのかわりにはさよう激甚地に対しましては、地元負担ということを制度的にも考えまして高率補助を適用する地元負担をできるだけ軽減するということにいたしておるわけでありまして、そういう意味において申しましたので、個々査定につきましては、もちろんその場合には助成をしなければならぬと思います。
  11. 杉村沖治郎

    杉村委員 ちよつとお話中ですが、あまりに冗長的なことを申されなくてけつこうなんです。私といえども一村に多額の金額補助したからそれがただちに不当である、こう申しておるのではありません。われわれは少くともこれをただして行くのには、相当の根拠をもつてただしておるのである。その根拠に基いて不当であると思うからただしておるのである。一村といえども、それは実際被害状況が大きかつたならば大きい程度において補助金を与えることは当然である。ただ漫然と一村に何億という金が行つたから不当であるとわれわれは指摘しておるのではありません。そういうよう誤解のないように願いたい。  それであなたの今言われることによつてわかりましたけれども、しかしそれだけではわれわれは今日では満足できない状態にありますから、まずこの出雲村と八坂村の被害額決定は何に基いたかということを答えていただきたいのであります。  それからなおお断りしておきますが、どうかいろいろとまわりくどいことをおつしやらないで、水田幾ら幾ら流失した、幾ら幾ら埋没した、畑が幾ら幾らこうだ、こういうふに簡明にひとつ答えてもらいたい。時間がありませんからあまり冗長にわたつて申されなくてもわれわれはわかるんですよ。あまりこまかいことを言わなくても一つ聞けばたいがいわかるのです。だから簡単に答えてください。
  12. 平川守

    平川政府委員 ただいまその資料を持ち合せておりませんので、今すぐ取寄せてお答え申し上げます。
  13. 杉村沖治郎

    杉村委員 この出雲村、八坂村の補助金というものはきわめて当を失しておるのです。この間もあんなに問題になつてただしておるのですが、その後お調べになられましたか、なられませんか。
  14. 平川守

    平川政府委員 実は調べさしておりましたけれども、きよう印旛沼の問題だという通知を受けましたので、今取寄せておりますからしばらくお待ちください。
  15. 杉村沖治郎

    杉村委員 それではさらに別の——これもやはり同じようなことになるのですが、高率補助をすることになつた、先ほどあなたもお答えなつたんだが、それは地元負担金を軽減するためにつくられた法律ですね、この法律によりますと、農地の方で全国八万円以内のところが四億五千九百八十万円、施設につきましては二十億五千四十三万円、こういうようにその額がきめられたんですが、そのうち山口県が二億五千九百七十七万円、すなわち全国の五十六%、それから施設におきましては十億四千九百三十二万円、全国の五一%、それから八万円以上の農地に関する点が十九億三千六百四十八万円、このうち山口県に対して十四億四千三百五十三万円、実に七十四%というものが山口県に行つておるのであります。さらに施設につきましては六十二億千七百十八万円のうち四十三億五千五百三十二万円、これも七〇%が山口県に使われておる。これは佐藤自由党幹事長の県ですよ。こういうようなわれわれから見ますと、出雲村、八坂村が山口県であつて、こういう莫大な金が山口県のみに行つておりますけれども、そこで今尋ねているところの、そのうちの最も顕著なものである出雲村、八坂村というものをわれわれが調べればでたらめな決定がなされておる。このでたらめな決定に基いてこういうほとんど全国の半分以上を山口県に金を持つてつておるということがこの数字の上に現われておるのですが、あなた方はこの点について疑問を抱かれたことがあるかないか、御調査なつたことがあるかないか、いかがでありますか。
  16. 平川守

    平川政府委員 少くとも私ども調査におきましてはそういうほかの要素を考慮せずに、ただ純粋に損害額だけを考える、その復旧費だけを技術的に考えておるつもりでございます。一箇村に非常に巨額損害ということは、実は必ずしもこの山口県だけでございませんで……。
  17. 杉村沖治郎

    杉村委員 そんなことを問うているのではないのです。私の問うていることを答えてください。
  18. 平川守

    平川政府委員 このほかにも例があるわけでありまして、そのことについて調査はもちろんいたしております。調査はいたしておりますけれども、特別に疑問を持つということもございません。
  19. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると今申し上げましたことについて疑問はお持ちになられなかつた、かよう伺つてよろしいのですか。
  20. 平川守

    平川政府委員 非常に金額が多いということで、どういうわけだろうということでよく念を入れて調査はさしたつもりであります。しかしそのほかの要素については疑問は持ちません。
  21. 杉村沖治郎

    杉村委員 あなたが人に調査をさしたことを私は問うているのではないのです。あなたが御調査なつたかどうかということを問うているのです。
  22. 平川守

    平川政府委員 私自身は調査に参つておりません。
  23. 杉村沖治郎

    杉村委員 調査現地に行つたかどうかということを聞いているのではありません。こういうよう出雲村、八坂村の一つの例をあげた上においては、われわれが一見して何だか変であるというのでわれわれが取上げ来ているのであるから、あなたが先般当委員会において問題になつた後において、山口県にどれくらいの補給金が行つておるかいうようなことをお調べなつたことがあるかないか、いかがでありますか。
  24. 平川守

    平川政府委員 山口県にどのくらい行つておるとかいうことはわかつておりますが、先ほどの資料等については、調査を命じてすぐに持つて来させるように手配いたしております。
  25. 田中彰治

    田中委員長 今の資料が来てからやつてください。他に御質問はありませんか。——柴田義男君。
  26. 柴田栄

    柴田委員 今の問題も私は伺いたいことがたくさんありますけれども、別に最近印旛沼調査いたしましたので、その点を集約して伺いたいと思います。あの印旛沼の当初の計画がその後に変更が行われたと聞いて来たのですが、当初計画というものは、どれだけの予算で、どういう計画であつたものを、どういう理由でその計画変更が行われたか、ごく簡単でいいのですが、この点を承りたいと思います。
  27. 平川守

    平川政府委員 当初計画と申しますほどしつかりと固まつてはおりませんでしたが、全体として干拓面積を約三千町歩、既墾地改良を約七千町歩行う、それによつて約二十万石の増産をはかるというような、かなり大規模の目標を置きまして、それに対する第一期計画として、現在の単価にいたしまして約六十二億くらいの事業計画をつくつてつたわけであります。ただこれは現在第一期計画の遂行中であるわけでありますけれども、第一期計画六十数億でも相当巨額でありますし、現在の予算つけ方では非常に年数を要するという見込みにもなるわけでありまして、地元の方ではできる限りある程度既墾地改良の効果でも早く発生するよう工事の段取りを希望しております。そういう意味でこの六十数値の計画を改訂すべく今検討中であります。いわゆる変更なつたと申しますか、お話をお聞きくださいましたのは、漠然としておりますけれども、その全体計画の方のことをお聞きくださつたのだと思います。
  28. 柴田栄

    柴田委員 最初当初計画というものは今の干拓水田面積はわかりませんでしたが、予算面では百二十三億かの当初の計画であつた、それが一、二回の変更によつて、現在では六十数億で完了をみたい、こういう御意向のように私どもは聞いておるのです。そういたしますと、今までわれわれが手元にいただいておる資料等から拝見いたしますると、印旛沼手賀沼を同時に同じ計画の上に進めておるように見受けるのでありますが、これを手賀沼手賀沼、片方の印旛沼印旛沼というような分離した計画をせずに、同一計画の上に立つて進めなければならぬという理由はどこにございましようか。その点を承りたい。
  29. 平川守

    平川政府委員 このいわゆる当初計画、全体計画におきましては、手賀沼の水と印旛沼の水を同一疏水路に流しまして、その疏水路東京湾に導いて、それによつて排水するという計画になつておりました。そういうことのために、事業的に一つ計画として計画することが便利であるということで当初は計画を立てたわけであります。ところがだんだん検討いたしてみますると、こういう方法でなしに、手賀沼について単純にポンプによつて利根川排水をする、そうしますと、干拓については面積その他が多少減つて参る結果になるのでありますが、しかし事業費が著しく節約され、また従つて事業が迅速に進むじやないか、そういう意味において、最近改訂を考えておりますものは、御趣旨ように両方わけて考えたい、それで早い方から実行したらどうかというふうに考えているわけでありますが、これはまだ検討中でございまして、はつきり申し上げる段階に至つておらないのであります。
  30. 柴田栄

    柴田委員 われわれは農地あるいは干拓に関しましては常識以外にはさらに知らないまつたくしろうとなんです。そのしろうとが一日か五時間あの周辺へ行つて調査をしましても、これは完全に分離すべきであるということがわかるのです。それが専門家であられる農地局長が、数年事業をおやりになつて、その上今になつて、これは分離したらいいかどうか、大体分離がいいであろう、だが、まだ研究中だということは、あまりにも怠慢過ぎるじやないでしようか。非常に窮迫している財政の中から年々厖大な国費を二億なり二億五千、三億というふうに投じているような大事業であります。こういう事業に関しまして、今まだこれは分離した方がいいか悪いかということで躊躇されている。現実にわれわれあれを調査いたしまして疏水路状況を見ましても、手賀沼印旛沼同一疏水路として東京湾に持つて来ることは絶対に不可能だということが見受けられるのです。ああいう現実状況を目のあたりに控えておりながら、まだこれを分離することがいいか悪いかを考慮中だということは、農地局は全体にわたつて怠慢過ぎるとわれわれは考えるのです。実際国費を投じている事業に対しましては、もう少し熱情を持つて、悪い意味考えますれば、単に政治力によつて左右されるということでなしに、ほんとうに日本農地はどうすべきであるか、そして日本干拓事業というものはどういう角度で行わなければならぬかというような基本的なお考えはやはり専門家で立てなければならぬと私は思うのですが、これに対するお考えを承りたい。
  31. 平川守

    平川政府委員 まことにごもつともな御意見と存じます。ただ立案当時の事情といたしましては、とにもかくにもできるだけ耕地面積をふやしたいということ、そして食糧事情からいたしまして、干拓面積等にしましても、できる限り欲張ると申しますか、広くとりたいという関係で、それにはあれをポンプだけで排水をいたしますと、干拓をするためには非常に大きな水量をはかなければならぬことになりますので、できるだけ自然排水で沼の水をはくようにしないと、あと農民負担等にも非常に大きな影響があるということからいたしまして、自然排水ということにやはり重点を置き、それによつてできるだけあと農民負担も少くし、また干拓面積もよけいとるようにしようということが重点であつたように思うのであります。しかし現実に実行いたしてみますと、やはり非常に巨額なものでもありますので、干拓面積を減らしまして、排水する水量もずつと減つて参るわけでありますが、そういうことを犠牲にいたしましても、なおかつやはり早く、またできるだけ費用を倹約して実行する方がいいじやないかということで検討いたしているわけであります。御指摘の点はまことにごもつともでありまして、私どももそう考えておりますけれども、当時そういう方針で計画が立てられておりますので、これを変更することについてなお若干の検討をいたしているわけであります。
  32. 柴田栄

    柴田委員 これは私個人の主観でものを判断することは非常に間違いがあると思いますので差控えたいのでありますが、ただ私どもは、当初計画されて、しかも地元民の非常な熱望の上に立つてつている事業であるということはうかがわれるのです。それで、私ども千葉県に関係はないと申しましても、国費を中心とする事業であるから、慎重を期してこの問題は考えてみたい。ただ現状を見ますると、あの印旛沼疏水路というものは、コースからいつても逆コースです。ああいうものは、単に一キロの疏水路をつくつて、そうして何年かたつてまた次の一キロをつくるというような形におきましては、片つぱしからもう土砂で埋まつてしまう。こういう状態が現われて来やすまいか、こういうことを非常に懸念するのです。そういたしますと、数年たつて工事東京湾まで最後の疏水路の口がついたときは、片一方の印旛沼の初めの方はもう埋まつてしまうような結果になりはすまいか、こういうことを非常におそれるのであります。今までのよう計画の上に立つた事業であつたならば、むしろやめてしまつた方がいい。こういう極端な考え方を持たざるを得ない。だからやはりこの手賀沼印旛沼は画然と分離した上に立つて計画を進むべきであるということをわれわれは考えているのですが、この間の各党から視察団が参りましたので、各党意見を調整いたしまして、結論をつくりたいと思いますが、このわれわれのいわゆるまつたく概念的なことでありますけれども、二つに分離するということはどうしても必要だ、こう考えているのでありますが、これに対しましてもう少し局長の率直な御意見を承つておきたいと思います。
  33. 田中彰治

    田中委員長 柴田君、農林大臣がわずかな時間しかないそうでありますから、答弁はあとにして、農林大臣への質問を先にしていただきたいと思います。——杉村君。
  34. 杉村沖治郎

    杉村委員 農林大臣にお尋ねいたしますが、それは災害に対する補助金のことであります。昭和二十六年の山口県に対するところ補助金関係を例として農林大臣に伺いたいと思うのでありますが、災害復旧費のいわゆる決定はどなたが最終決定をなさるのでありますか。まずそれからひとつ伺いたいと思います。
  35. 保利茂

    保利国務大臣 手続上の問題でございますから、農地局長から御説明申し上げます。
  36. 杉村沖治郎

    杉村委員 手続上の問題とは思われないのでございます。農林大臣は今の問題が手続上の問題だとおつしやられますけれども事業費最終決定権を持つているものはだれであるかということを伺うのであつて、決してそれは手続上の問題じやないと思いますが、どういう経路でどういうふうな手続になつて来てどうだというようなこまかいことになつて行きますなれば、手続上の問題ということかと思いますけれども補助金最終決定をなす者はたれであるかということを伺つていることは、私は手続上の問題じやないと思いますが、その点は農林大臣お答えが願えるのではないかと思いますが、いかがでございますか。
  37. 保利茂

    保利国務大臣 その点は先日吉田委員から御質問がございまして、私間違つたことを申し上げたり何かして非常に御迷惑をかけておりますから、間違いが起りましてもまた御迷惑をかけますから、農地局長から御説明を申し上げます。
  38. 杉村沖治郎

    杉村委員 農林大臣がそこまで申されるものを私はしいてあなたに答えをしろとは申しません。あなたに答えをしろとは申しませんが、私はあなたに決定権があるものなりと考えているのですから、あなたが御自分決定権があるのかないのかわからないのでありましようか。私はそういう農林大臣お答えでは御自分決定権があるのであつたとすれば、それを局長答えさせるということはいささかどうも私は心細い話であろうと思う。さようお答えであるといたしますと、今日までの補助金決定をなしたのはあなたがなさつておらないので、だれかがやつたので知らなかつたというようなことになるのじやないかと思うので、その点はいかがでございますか。局長でもかまいませんが、それは私はあなたに決定権があると思うのですが、その点はまだあなたそれでもおわかりになりませんか。
  39. 保利茂

    保利国務大臣 最終的にはむろん農林大臣が責任を持たなければならぬことは当然でございますけれども行政事務手続運営につきましては農地局長から御説明申し上げます。
  40. 杉村沖治郎

    杉村委員 いや手続のことを伺つているのではありませんから、大臣が今のようにあなたに決定権があるということをおつしやられれば、(「つまらぬことを言うな。本論に入つてくれ」と呼ぶ者あり)つまらぬことじやないのです。そこで私は八坂村の補助金決定がきわめて妥当でないということについて伺いたいのであります。と申しますことは、先ほど局長にも伺つたのですが、八坂村の補助金額不当性を尋ねたところが、資料がないから答えられないと言うので、実はその質問を中断しておつたようなわけなんですが、大臣がお見えなつたので、まずその補助金決定それ自体から伺いたいのでありますが、そのほかのことにつきましては、大臣はやはり山口県の補助金関係のことにつきまして私がお尋ねいたしましても、そういう事実についてはお答えが御自分ではできないのでありましようか。その点を伺いたい。
  41. 保利茂

    保利国務大臣 率直に申し上げますが、どこそこの村のどういう災害について農林大臣がそれでは幾ばくの被害決定をするというそういうふうな取扱い方はいたしておりません。従いましておそらく山口県の八坂村の関係につきましても、時の農林大臣八坂村の災害査定自分査定したというようなことは私はあり得ないと考えております。もつとも山口八坂村のここに問題になつております議案につきましては、先日も吉田委員からの御質問もございまして、農地局におきましても再調いたしており、またいたすようにいたしているわけで、ひとり八坂村のみに限らず主要な事案につきましては十分もう一度そのあとを今後の運営の資料といたしましても再調いたすようにいたしているわけでございます。私が承知しておりますのはそういうことでございます。要しまするに個々災害査定、各村のどこの村の何が幾らということを農林大臣みずからが査定をするというよう手続はやつておりません。
  42. 杉村沖治郎

    杉村委員 こまかいことはおわかりにあるいはならないかもしれませんので、それを私は決して責めようとしているのではありません。それで局長資料がないので答えられぬと言うのですから、そのこまかいことは抜きにいたしまして、実は私ども調査したところ、すなわち決算委員会委員長が特に調査員を派遣して調査したその調査事項に基いて、われわれはさらに本日質問をしてみたいと思つてつたので質問を始めたのですが、わからないと言うのですが、まずその中の大体のことについて、それでは資料がなくても大臣のお考えをひとつ伺いたいと思うのは、昭和二十七年の四月十一日に法律第八十三号で農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律というのができたわけなんです。この法律はしかも適用が昭和二十六年一月一日にさかのぼつて適用されるという法律なんです。この法律に基いてやはり山口県の出雲村、八坂村には非常にたくさんな金が行つているのであります。出雲村に対しては千百九十五万六千六百七十円、八坂村に対しては九百六十二万九千七百二十円、こういう金が行つているのです。ところがすでに八坂村、出雲村につきましては補助金が使い切れないほどあるのです。そうしてこの金が今われわれの調査資料を見ますと、不正に使用されておるように見受けられるのであります。ことに出雲村、八坂村村役場の決算調書等はまつたく偽造にひとしいのじやあるまいかということが書類を通した上でまことに明らかなんでありますが、こういうようなことにつきまして大臣は今日まで部下から何もお聞きになつておらないかどうか、農地局長あたりからも聞いておるかおらないか、その点。  いま一点は、今申し上げた法律によりまして農地関係におきまして八万円以内の点につきましては全国で四億五千九百八十万円決定されて、そのうちの二億五千九百七十七万円が山口県に行つておるのです。すなわち五六%、施設費におきましては二十億五千四十三万円決定になつて、そのうち十億四千九百三十二万円が山口県に行つておるのです。五一%であります。八万円以上の補助につきましては、農地関係が十九億三千六百四十八万円、そのうち十四億四千三百五十三万円山口県に行つておる。これは七四%であります。さらに施設につきましては六十二億一千七百十八万円と決定されて、そのうちの四十三億五千五百三十二万円、すなわち七〇%が山口県に行つておるのでありまして、しかもこの山口県におけるところの、今度は各村について調べますと、前会にも尋ねたよう出雲村と八坂村には非常にたくさんな金が行つておる、こういうようなわけでありますから、今まで農地局長あるいはその他にこれらの関係事項について農林大臣はお尋ねになつたことがありますか、あるいは前任者からかういう補助金関係について事務引継ぎ等において何らかの申し送りがありましたか、いかがでありますか、それらの点について伺いたい。
  43. 保利茂

    保利国務大臣 先ほども申し上げますように、また前会以来しばしば申し上げておりまするように、かくのごとく多数の批難事項を指摘せられておりますることは農林省としてまことに申訳のないところでございまして、その原因の探求につきましては十分探求いたすべきものを探求いたし、ただすべきものをたださなければならぬという考えをもちまして、お話山口県の出雲八坂村につきましては、特に農地局長に命じまして調査をさしておるわけでございますが、いまだその結果の報告は受けておりません。前任者からは特別の申送り的なものはいただいておりません。
  44. 杉村沖治郎

    杉村委員 農林大臣がきわめて良心的に悪い点は悪いということでお直しになるということはほんとうにけつこうでありますが、ただ何分にもどうも国民の血税が非常に濫費されておるわけなんです。われわれがこういうふうに決算委員会におきましていろいろな会計検査院等の批難事項を通して見ますと、あまりにもはなはだしいのであります。それにもかかわらずまた非常に必要な事項についてはきわめてけちけちしておつて、金を出されない、たとえば昨年の全国農民があの大凍霜害——この間私が本会議でも申し上げたように、日本に憲政がしかれて以来、農民が東京の町をむしろ旗を立てて押し歩いて、そうして政府に陳情したというのはいまだかつてないことなんです。この農民に対して予算として組んだ金がわずかに八億九千万であります。ところがこの山口県の出雲村一村ですらも莫大な金か行つておる。出雲村と八坂村に組んだ金は、あの全国の涙の出るような大凍霜害に対する金よりも多い金をくれておる、かようなわけでありまして、今年の凍霜害について農林当局がどういうお考えでおるか知りませんが、私どもはこういうよう決算を通して農林大臣も十分ひとつ御検討になつていただきたいのです。われわれ決算委員会はいろいろな会計検査院の批難事項を見ておりまするけれども農林省ほどひどいところはございません。本日は食糧関係を除いてということになつておりますから伺いませんが、食糧関係に入つて行きましたなればこれは実にひどいものがあるので、私は日を追つて伺いたいと思つておりますから本日はいたしませんが、そのようなわけでありますから、どうか農林大臣はいま少し決算に重きを置いていただきたいと思う。これは農林大臣ばかりではありません。日本の政治が今日のごとく腐敗堕落した、もう国の財政というものが紊乱の極に達したと言つても過言ではなかろうと思うのですが、このようなつたゆえんのものは何であるかというなれば、今日まで決算ということにさらに頭を使つておられないからであると思う。総理大臣初め各省大臣予算委員会には出て行つてまつたくもみ手で頭を下げてその予算をとることのみに汲々としておりますけれども、実際においてそのとつた予算がいかに消費されておるかということについては、さらに顧みないということはありますまいけれども、われわれから見ておるところによればきわめて軽んじておる。軽んじておるということは、吉田総理のごときは昨年以来この決算委員会に出て来たのはたつた一回で、それも一言も言わずに、ほかに用があるからというて帰られた、このよう状態であります。日本の財政が中央といわず地方といわず乱れておるというのは、この決算というものを軽んじておるからであります。これが日本のきわめて大きな欠点であります。会社につきましても監査役というものがあつたつて、そんな監査役というものは社長取締役が自分の手のうちの者を監査役にして、そうして監査をさしておる。でありますから社長取締役のかつて気ままなことをやつておる。日本の財政経済、経理におきましても決算というものを軽んじておつて、今日まだ二十六年、二十七年の決算をしなければならない。その二十六年、二十七年の決算をそつちのけにしておいて二十九年の予算を組んでおるという、こんなことでありますから、もう健全なるところ予算というものは組めない。私は今日は資料もないということでありまするしいたしますからこれ以上は聞きませんが、こういうよう日本の財政経済の紊乱が私は一にこの決算を軽んじておることにかかつておるということが考えられるのでありますが、農林大臣の御所見はいかがであるか。
  45. 保利茂

    保利国務大臣 決算を軽んずるというよう考えは毛頭ございません。ただ、いかにしてかくのごとき批難事項を指摘せられるよう予算の執行をなからしめるかということに、私どもとしては全力をあげなければならない、かよう考えておるわけでございます。そういう意味から、特に農林関係決算報告におびただしい批難事項を指摘せられた、その大部分が災害復旧に関連するものである、そういうことに特に注意を払いまして、その因由するところ、結局国の金を預かり、そして災害復旧という事業を遂行するのに、こういうものを預かり得ない陣立てで、そういう責任を背負つておるというところに大きな過誤があるのじやないかというようなことから、先日御賛成をいただきました補助金の取扱いに関する法律もお願いをいたしたようなことでございます。私どもとしましては、この決算報告書は重要なものと考えますので、これらの原因につきましては十分探究をいたして参りたい。ただ特に農林災害につきましては、私はしばしば申し上げて、またかと言われるかもしれませんけれども、実際農地あるいは農業施設災害を受けた直後に現地を見て、なまなましい惨状の上に立つて査定をいたした者と、ある期間たつて、農家の涙の出るような努力である程度の手直しができたあとから冷然と見に行つた人の目というものはおのずから違つて来る。そういうあとから見られる会計検査院とかあるいは行政管理庁とかいうようところにも、そういう点は深く考えてもらわなければならぬのではないか。しかしこれは決して私ども農林省関係を申訳、言い訳をするという気持は毛頭ございませんが、農業災害の実態というものはそういうものだということは、これは杉村さんなんかに申し上げることじやございませんけれども、そういう点で私どもとしては今後十分注意をして参りたい、こう考えております。
  46. 杉村沖治郎

    杉村委員 局長に伺いたいのですが、資料は参つたのですか。
  47. 平川守

    平川政府委員 もう三十分くらいで来ると思います。
  48. 杉村沖治郎

    杉村委員 資料は来ないそうでありますから、質問ではありません。大臣に私からお話を申し上げておいて、お調べを願いたい。それは出雲村の災害状況というものは、これはまつたくでたらめであります。そのでたらめであるということは、今大臣もその資料をごらんになれば一目瞭然であります。水田の流失埋没というようなことであつてまつたく食うものもないというようなことが補助金を請求するところの陳情の理由となつておりますけれども、何よりも証明されることは、昭和二十六年におきまして供出米が一千四百七十石出ておるのであります。ごらんになればおわかりでありましよう。少くとも供出をする以上は自己の保有米をとらないで供出するはずがないのであります。保有米をとつて供出しておる額が千四百七十石であります。それを前年度の供出量から見ますならば、それは確かに額が少い、半額くらいになつております。それが災害でありましようところ昭和二十七年にはすでに回復して二千二十四石の供出をしておる。こういうよう状態を見ても、この調査がいかにでたらめであるかということがまことに明瞭なのです。たんぼがなければ、流れてしまつたらこんなに米がとれるはずがない。たんぼがあればこそこういうように米がとれて、保有米を残したほかに、これだけの数量の供出が出ておる。それにもかかわらず調査資料として出されたものは一万八千六百五十町歩がすなわち流失、埋没ということのために、一反歩について何十何万円というような非常な莫大な額を見積られておる。こういうことの調査がきわめてずさんである。会計検査院もお調べなつたでしようが、百姓でないからそういうことがよくわからないのでしようが、たんぼや畑のことについては、どんな被害があつたとかどうとか言つても、収穫を見ればすぐわかるわけであります。たんぼが流れてなくなつてしまつたといつても、米がとれていればたんぼがなくなつていないことは明らかなのであります。今のは出雲村についてでありますが、八坂村についてもやはり同様であります。  さらに先ほど申し上げましたような、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律に基きまして、この出雲村及び八坂村にやつた金が、桑原嘉夫という個人の名義で、農業協同組合に預けられておる。その個人名義で預けておるものをちよびちよび引出して使つておる。それはあと大臣がひつくり返して見てくださればわかりますが、そういうようなことになつておる。ここには必ず不正があることが、このいろいろな調査資料だけで見ても明らかであります。そういうようなわけでありますから、どうか大臣はこれをぜひ十分検討していただきたいのであります。そうして今後におかれましては、ほんとうに調査は厳にすると同時にまた与うべきものには与えていただきたい。私が特にかように強調いたしますゆえんのものは、本年の凍霜害について、私は農民を代表して大臣にもお願いに伺つた次第でありますが、今日まだ何らのお話もないようなわけであります。でありますからどうか悪いところは悪いとして、これを是正して与うべきものは調査をしてすみやかに与えてもらいたい。どうも役人がやつておることは、まるで他人事でもあるかのようにやつておられるが、実に遺憾しごくであります。私は現在の状態では、日本の経済というものは、農民の犠牲において行われておると考えられる。その農民に関する事務をおとりくださるのが農林大臣でありますから、どうかさような見地に立つて、かような点も十分お調べくださいまして、悪いものは厳罰に処してもらいたいと私は思う。いやしくも国家の補助金が個人の名前で預金されておるというようなことは、とんでもない話ではあるまいかと思うのでございます。答弁はいりませんが、どうか私が申し上げたことだけをやつていただいて御処理が願いたいと思います。私の質問は終ります。
  49. 田中彰治

  50. 柴田栄

    柴田委員 大臣に伺いますが、この手賀沼印旛沼の問題なのでありますがこれはこの間私ども委員会調査して参つたのでありますが、当初の御計画手賀沼印旛沼同一計画の上に立つて同一状況において、たとえば疏水路手賀沼印旛沼と二つから一緒の疏水路東京湾に持つて来る。こういう計画で今までは進んでおるわけですが、現状を調査いたしましたところが、実際これはもう分離すべきだということは一目瞭然としておる。こういう点に関しまして、大きな問題でございましたから、大臣も内部で御相談等も行われておつたでしようか。それともこの問題に関しましてはまだ農地局との御相談に入つておらぬでしようか、その点承りたいと思います。
  51. 保利茂

    保利国務大臣 先ほど来お話伺つておりまして、非常にごもつともな御意見だと存じておりますが、その問題につきましては特に財政から来るいろいろの制約もございます。しかし事業に着手しておりますから、できるだけ早急に完成はいたさなければなりませんけれどもお話よう変更をやつた方が財政的にもまた事業遂行の上からいつてもよくはないかというような点につきましては、ただいま専門当局で検討いたしておりまして、私のところまではまだ参つておりません。
  52. 柴田栄

    柴田委員 もう一つ伺いますが、これは二、三年前に大きな不正事件が惹起された。そして当時の現場の所長以下数名が問題になつて、しかも懲役何年かになつておる。そういたしまして控訴等をやつておるようでありまするが、数名の犠牲者を出し、相手の会社等にも贈賄事実が暴露されておつた。そういう会社は調査いたしますると土木会社で九社があるようであります。たとえば穂積建設、東京鉄道工業、鹿島建設、大平電業、その他全部で九社、これに関連を持つて贈賄をいたしましたものが判決の上に現われておる。こういう贈賄を行つた土木建設会社と現在もまだ契約が結ばれておるのを一つ、二つ見受けるのですが、農林当局現実にこういう問題を起した建設会社でもまだ指名入札の相手となさるのでありますか、この点を承りたいと思います。
  53. 平川守

    平川政府委員 もちろんそういう不正の事実がありましたような会社に対しては、これを避ける方針をとつております。ただその事情をよく調べまして、会社の中のある個人が非常に悪かつた、しかし会社全体としての能力なりその後のいろいろな方面における実績なりを見まして、特にこれならばよかろうと認めたものは、一度そういうことがあつたから今後絶対に契約をさせないというわけにも参らないかと思つております。原則としてはもちろん排除することが原則であります。従いまして少くともその当時におきましては排除しておつたわけであります。
  54. 柴田栄

    柴田委員 大臣に特にこの点を申し上げたいと思いますが、今の局長お話であると、その相手が、会社自体がいたしたのではなく、その会社の社員のだれかがやつた、そういたしますると、特定の社員だけに責任を負わせまして、会社そのものに対しましては、今後も指名入札のわく内に入れるということが許されるなら、いつの日かそういう不正会社の根絶ができましよう。どうしてもできない。われわれが考えまするには、少くとも所管庁を相手にいたしまして、所管庁に対する大きな信頼を持つてつた会社がこういう不正を行つた場合には、少くも指命入札の権限からはずすべきだ、こう思うのですが、これに関しまして農林大臣の御所見を承りたいと思います。
  55. 保利茂

    保利国務大臣 農林関係の請負等の問題につきましては、それぞれの事務責任者において最善を尽しておると存じますが、お話の点はごもつともだと存じます。しかしまた大きな会社の機構の中で、それはまたどこからでも一応信用されるような施工者の中で、個人的なことで間違いを起した、そのために全体が全部犠牲を負わなければならぬ、しかしかりにそういう組織の中の一人にしましても不都合があつて、それが国民に対して迷惑をかけたということになりますれば、ふたたびそういう迷惑をかけないようにというかつちりした保障はやはり必要だ。しかしだからといつて、全部それを殺しちまうようなことをしなければ粛正の実が上らないじやないかということは、少しまた——これは一概には言えないだろうと思いますが、その個々のケースにおいて検討いたして処置すべきである。しかし再び今後そういうふうな施行工事者を選定する場合に、そういう危険を少くとも感ずるというふうな場合には、どんな障害があつても絶対に排除して行かなければならぬ、こういうふうに考えます。
  56. 柴田栄

    柴田委員 その問題は別といたしまして、この問題を起した当時の東京農地事務局長はどなたでございますか。
  57. 平川守

    平川政府委員 問題が表面化いたしましたときは、久保吉造という人であります。ただ問題の実際の事柄が起つておりましたのは、なおその前でありました。
  58. 柴田栄

    柴田委員 その当時の実際の問題の最終的な結論が出たときにではなしに、こういういろいろな不正事実が行われたさ中における責任者がどなたで、その責任者に対してどういう処置をおとりになつたのか、それを承りたいと思います。
  59. 平川守

    平川政府委員 当時は松野孝一という人が事務局長でありました。久保吉造氏に引継がれた前後にその問題があつたと思います。これらの人々はその後いずれも退官いたしております。
  60. 田中彰治

  61. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちよつと大臣に一、二点別の問題を伺いたいのですが、二十七年には会計検査院の決算検査報告が出ず、二十六年には出ておるのでありますが、それは農業災害共済保険に関する案件でありますが、このこまかいことは別にいたしまして、私が大臣に伺いたいことは、この二十六年の報告書の二百二十ページによりますと、既応年度の決算報告記載事項についての処理状況でありまして、つまり再保険料の徴収が未済であるという問題でありますが、ここでこの再保険料の内容は何かということは別といたしまして、近来の農業災害共済保険の災害再保険の特別会計を通じまして、この共済事業、保険事業、再保険事業というものが近年非常に重要視されて参つております。そこでたとえば昨年の予算についてみましても、二十八年度の基金勘定、農業勘定、家畜勘定、業務勘定を合せますと、百八十六億一千百余万円になつております。二十九年度の予算を見てみますと、同じく四つの勘定を合計しますと、百七十億三千六百余万円になつております。たいへんな額であります。そこでこの農業経済局からいただいた資料によりますと、二十八年度一年度における農業共済連合会における不足金の統計なるものが出ておりまして、四十四億三千七百余万円、こういうことになつているわけであります。     〔委員長退席、安井委員長代理着席〕 かような数字が現われておりますが、申し上げるまでもなく、共済なり、あるいは災害共済なり、この種の保険事業につきましての連合会の役割は相当重要であろう、こう考えるのであります。ところが、現実におきまして四十四、五億円にわたる不足金が生じておりまして、これはことごとく負債によつて一応穴埋めがせられておるものと思うのであります。こういうことになつて参りますと、その機能が実際においては麻痺しているのではないだろうか。そのよつて来る原因につきましても、ただ制度の運用というだけでなしに、かなり腐敗もしておるのではないだろうか。ことにこういうような大きな予算を国が年々組んでおります事業の運営におきまして、大事な中間機関でありますので、これらの連合会がこういう状態で進んで行きますと、これは何らかの手を打たなければ、事実上機能の能力を失つてしまうということになるのではないだろうか、こういうことも実は案じるのであります。もつとも私自身がこの共済保険に関する事業の実態につきまして十分研究いたしておりませんので、あるいは事実にそぐわない、机上の推測と議論になつておることを実はおそれるのでありますけれども、この連合会の莫大な赤字というものは、やはり年々常識的な問題にせられておるのでありますが、こういうよう状態につきまして連合会のこの赤字をなくするということが必要ではないだろうか。あるいはこういうことのよつて来る原因はどういうところにあるのであろうか。このままの状態を継続して行くと、年々五億円もさらに赤字が累算されて行くことになるのじやないだろうかということも実はおそれるのであります。これにつきまして百七、八十億円も予算を組んでおります事業の非常に重要な機関でありますので、農林省といたしまして相当根本的なお考えもおありであろうと思いますし、一方またこれにつきまして農林委員会などは、いろいろと将来のあり方について具体的な案を検討準備しつつあると聞き及ぶのでありますが、それとは別に私ども決算的な経理面の立場からしまして、非常に憂慮すべき経理状態であるというふうに考えておりますので、この点につきまして政府の御方針を聞いておきたい、こういうふうに思うのであります。
  62. 保利茂

    保利国務大臣 吉田委員の御懸念は、現状において少しも間違つた御懸念ではない、妥当な御懸念であるというように私は感じます。近年保険事故が非常に頻発しておる。一面また保険料収入未済というのがございますように、その点も十分行つていないことも事実でございます。問題は、保険事故が非常に発生して来ておる、しかし保険のことでございますから、いつでも保険事故が発生をして累年こういうふうになつて行くということであれば、これはお話の通りだと思いますが、やはり長期にこれを見て行けば、必ずしも不健全だとは言えないと存じますけれども、しかしそういう点も重要な一つの問題としてすでに現われておりますから、前国会以来衆参両院の農林委員会でそれぞれ小委員会をおつくりいただいて、農業災害の制度それ自体について根本的にひとつ検討してみようということで御検討いただいております。衆議院の農林小委員会の方では、いろいろの具体的な意見も出ておるわけでございます。そこで政府といたしましても、この農業共済に関します審議会でもひとつ至急につくりまして、これらの問題を根本的に検討をして、何を申しましても、農民の保険をある程度保証する制度としては、どうしてもこれを発展さして行かなければならぬという考えで、十分その辺から手をつけて参りたい、こういうふうに考えておりますけれども、御懸念の筋はごもつともだと思います。
  63. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 末端の組合員の農家の実態でありますが、農家が共済の掛金をするということはあるいは必要だろうとも思うのでありますが、一体共済制度というようなものは、私は文献しか存じませんが、昔の社倉とか、いろいろな古い制度があつたらしい、そういう日本の古い伝統の文献は若干存じておりますが、一体この共済制度というものにおきまして、まず掛金をする。この掛金をするということは、近来のあらゆる会、あらゆる組合、あらゆる組織体の義務といたしまして、最近は何のふしぎもないようでありますけれども、掛金をすることが、同時に災害があつたときに共済金をもらえるというような、そこにもう一つ日本の農村の実情に合わぬものが伏在するのじやないか、こういうことも実は私は考えておるのであります。もつともこの点についていろいろと私の経験しましたことを申し上げますと相当時間もとりますから、省略してしまいますけれども、要するに末端におきまして掛金をかけないで、組合におきまして事実上一本でかけておるという実例がずいぶんあるのであります。これは大臣御承知かどうか存じませんけれども、実際に受取るだけはとつておきますけれども、事実は会計は組合でまかなつてしまつているという実情が、ずいぶん地方を歩くとありますので、そういう辺にまだこの共済制度というものの趣旨が徹底しないうらみがあるのじやないだろうかということが一つと、それから上の方に参りまして、これは保険制度になつておりますが、この保険制度というものと、共済制度というものとの総合いたしました制度というところにも、まだほんとうに農民の認識なり、これを運用する事務的の能力なり、そういう点において欠くるところがあるのではないだろうか。これは制度の欠陥であるのか、あるいはまだ十分に現実の知識が普及されておらぬ、啓蒙が行われておらぬというところに欠陥があるのか、あるいは責任というようなそういう道徳的な面に欠陥があるのか存じませんけれども、いずれにいたしましても、掛金をして共済金をもらうという辺に何かまだ消化し切れない、熟しないものがあるということも、これは全国的にあるのではないだろうかということも考えておるのでありますが、この辺は御専門の課長からまたあとで伺うことにいたしますが、大臣伺つておきますのは、この法律によりますと、補償法の七十八条以下監督制度が規定されておりますが、この監督制度につきまして、特に七十九条の任意検査とでも申しますか、あるいは第三項の義務検査といいますか、定期的にやつているようであります。こういう面につきまして、これはもつとしやんとした検査をすることが必要であるという事態であるのではないだろうか。実は私もこの点いろいろな情報を得るものですから、真偽を存じませんので申しませんけれでも、連合会にもつとしやんとした、徹底した検査が行われることが必要であるのではないだろうか、こういう説もずいぶんあるのでございます。現実に相当な負債に対する利息も払わなくちやなりますまいし、この経理が正確に行われておるかどうかについての材料を持ちませんので申しかねますけれども、情報といたしましては、連合会の会計がかなり乱脈なものがあるということをよくいわれるのであります。そうでなかつたけつこうでありますけれども、私よりも農林省はそれらにつきまして材料を十分にお持ちであろうと思いますが、それには監査規定、検査規定というものをもつとほんとうに生かすという必要が今日はあるのではないだろうかと考えておるのですが、これをひとつ政府のお持ちの材料によりまして、政府としてのこの辺についてのお考え伺つておきたいと思うのであります。
  64. 保利茂

    保利国務大臣 ごもつともなことだと思いますが、一体農業共済というものは、農民の相互扶助的な観念の上に立たなければ運営できないことは当然でございます。従つてそういうふうなたつとい事業を運営する特に連合会の役職員、本来言いますと、何もかも検査しなければ信用ができないというようなことでは、実はこの制度の半ばというものは意義を失う。本来言いますれば、こういう公共的な事業に携わる人たちに、別途の筋から検査を受けるというようなことのない社会が、最も望ましい社会であると存じますけれども、しかしとにかく間違いは往々にして起りやすいものでございますから、御趣意の点は私もわかりますので、十分事態に処しまして、検査を強化しなければならない事態でありますれば、強化して行くのにやぶさかでございません。私ども十分研究させていただきたいと思います。
  65. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 共済制度はその辺にとどめまして、ちよつとこの機会に——いずれまた詳しいことはあらためて伺いますが、大臣に御準備を願う意味におきまして一点伺つておきたいのです。  それは、たとえば共済の制度にいたしましても、保険の制度にいたしましても、究極するところ、これは国家の災害に対する一種の補助という精神が相当含まれていると思います。そういたしますと、災害復旧補助もあり、あるいはその他の各種の補助も、あるいは今日検査院が計算しておられます四百幾十の補助農林省だけで百四十二ですか、そういう一貫した補助の一部をなすわけでありますが、私は大臣に、きよう最終的な御答弁をいただかなくてもよろしゆうございますが、適当な機会に十分に論議して御答弁願いたいと思うのであります。それは補助というものが四百もございまして、政府の予算の四割も占めておつて、そうして何か知らぬけれども、そこに脈絡統一、体系というものがなく、ばらばらに出されて、ほんとうに効果が上つておるやらどうやら、末端のたとえば農家が何ほど個人的に受取つておるやらどうやら、貨幣価値から見てまつたく問題にならない少額しか受取つておらぬやらどうやら、また経済的効率が上つておるやら全然おらぬやらということも十分に最終の検討をすることなくして補助金というものがずつと流されているようにも——これは少し言い過ぎかと存じますけれども、そう判断しても今日私は過言でないと思う節があるわけであります。そこで農林省だけでもよいと思いますので、農林省におきまして、今国会にかかつております補助金予算の執行に関し適正を期するというよう意味よりも私はもつと広汎な角度から、補助金というものの扱い方を一つの体系づけたもので、たとえば補助金に対する監査にいたしましても、目を届かせば、もう初めからしまいまでずつとわかつてしまうというようにはたしてその効果が上つたかどうか、はたしてなるほどその通りに行つてつたかどうか、そんなものならどうせ必要ないじやないかどうか、あるいは途中の補助費の方がよけいいつているんじやないかどうかというよう——こういうように各省にわたつておりますから、それは各省の問題であつて、最終には財政の一環としての大きな予算決算の問題に帰着するのですけれども農林省は、零細農業を基本にしております農業の実態である日本におきまして、一番補助金の性格がよく現われていると思いますので、補助金というものをもつと何か体系づけた形で内容を持つたように組んで行くようになさる必要があるのではないだろうかどうか。補助金が千億とかそこらで済んでいる時代ならよろしゆうございますけれども、少くとも義務教育費を加えますと四千億を越えておりますしまた補助金と言つておらずに今のこういう共済の金なんかも計算しますとずつとふえて行きますので、もう一つの段階に補助金のウエートが大きくなつてつた以上は、また補助金だけをつかまえて一つの体系をつくるというような組み方が、予算、同時にこれが裏づけの決算において必要じやないか、こう実は思つておるのでありますので、これにつきまして最終の御意見を伺おうとしませんけれども、御意見がありましたらひとつ伺つておきまして、これはやはり審議するにつきましても大事なことであり、将来の財政計画につきましても相当重要な示唆があるべき案件であると思つておりますので、ひとつ御意見伺つておきたい。
  66. 保利茂

    保利国務大臣 結局私は、日本の農業の発展、農民の向上を促して行くために、今日まで各種の補助金助成金の交付によつて幾らずつかあらゆる点から引上げて行くという趣意によつて、行われて来たこの処置は、きわめて有効であつたと存じております。従つて今後も日本の農業の発展、農民の向上のためには、どうしても現段階におきましては必要だと痛感をいたしておりますが、同時にお話ように、たとえば個々の農家に対してどうこうということは事実できないことであります。結局その部落、その村をよくして行くことによつて農民が潤おつて行く、利益を受けて行くということにならなければならない、そういう意味におきましては、総合的な村の計画、いわゆる総合助成と申しますか、そういう点は確かにお話ように深く考えなければならぬ段階に来ているんじやないかと私も同様に考えます。非常にむずかしい根本的な問題でございますから、軽卒にここで断定的にどうこうということは申し上げませんけれども、そういう点は特に研究を要する問題であると考えますから、その点はそういうふうにいたしたいと思います。
  67. 安井大吉

    ○安井委員長代理 村瀬宣親君。
  68. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 農林大臣が非常にお急ぎのようでありますから、私はひとつ簡単に要点だけお伺いしたいのでありますが、会計検査院の昭和二十七年度決算報告書の一四九七「ビルマ米の購入および売渡にあたり処置当を得ないもの」以下、「イラク大麦の購入にあたり処置当を得ないもの」……。
  69. 安井大吉

    ○安井委員長代理 村瀬委員、ちよつと……。食糧庁関係は明後日上程することになつておりますから……。
  70. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 大臣はいらつしやいますか。
  71. 安井大吉

    ○安井委員長代理 大臣はまたそのときにおいで願います。今参議院から呼びに来ておりますので——食糧庁関係は除外して質問することになつておりますから……。
  72. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 大臣は来てくれますね。
  73. 安井大吉

    ○安井委員長代理 ええ。またあとでやりますし、もう時間ですから。
  74. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 ではそのときに大臣に来てもらつてください。
  75. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 今の続きになりますが、農業共済再保険関係につきまして、私ほんとうは構造なり数字については通じませんので、そのつもりでお伺いいたします。私は漠然と考えているのでありますけれども、一体共済制度というものは、法律によつてみますと、共済制度、保険制度、再保険制度と三つにわかれているようであります。けれども、これは国家が補助をして災害の補填をすることが根本の精神になつておるのでしようか、それとも災害全国的にあろうから、そのある蓋然性をあらかじめ計算上予定いたしまして、共済掛金なり保険料を支払わせて、支払わせたものに対しましてそれぞれたくさん払つたもの、少く払つたもの、大きな被害、小さな被害をできるだけ平均にいたしまして補填して、なるべく損をしないようにして行こうこういうようなことが根本の精神にあるのだろうか、一体このよりどころ、基本的原理といいまするか、それはどういうところにあるのでしようか、非常に幼稚な粗朴なことを伺つて恐縮なんですけれども、ひとつ御答弁願いたいと思います。
  76. 久宗高

    ○久宗説明員 ただいまの御質問でございますが、現在の制度の立て方といたしましては、やはり農家の方が農業災害にみずから対処いたしますのにつきまして、国が援助するという形で組立てができているわけでございます。ただ実際にこの制度につきまして、農家の負担と国の負担考えてみますと、国の負担の部分が非常に大きなウエートを占めておりますので、しばしばこれが農家から補助金的に考えられ、そういつた考え方で農家が対処するといつたような面も出て来るわけでございます。全体の立て方は、今申しましたように、やはり基本的には、農家が自主的に農業災害に対処するのについて国が援助するというやり方をとつているわけであります。その援助の方法といたしまして、これは統計的にはいろいろ問題があると思うのでございますが、やはり一応長期の均衡に基きまして、災害の統計に基きました料率計算をいたしまして、その長期計画に基いた掛金徴収をいたしまして対処しているわけでございます。
  77. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 基本的な制度の基盤をなすところ全国の農家でありますが、農家としましては、災害があつたときに国に補助をしてもらうのだというように一般に考えているという御認識なんでしようか、それとも普通保険会社に保険料を支払つて保険契約をする、簡易保険に加入して保険料を支払い、そうしてある事故が起つたときそれに対して保険給付を受ける、こういうよう考え方に立つておるのでしようか。制度としてはともかく、かんじんの農家自身はどう考えてこの事業に参加しておるというふうに政府は御認識になつておりましようか。
  78. 久宗高

    ○久宗説明員 実際やつておりますことと個々の農家の方が主観的に考えておられますことは若干食違いがあると思いますのでむずかしいのでございますが、制度の立て方といたしては、先ほども申しましように、過去の被害の統計に基きまして、できるだけ個別に料率を決定しているわけでございます。ただ、これは本来申しますと、個々の農家の一筆ごとの被害を基礎に置きまして料率を割振らなければならぬのでありますが、行政的にとてもそこまでできませんので、実際には村単位ぐらいまでの災害の料率の個別化によりまして設計を立てているわけであります。促つて個々の農家からこれを受取りました場合に、そこに普通の保険の場合と若干違いました割り切れないものを持つていると考えており、またそういうことが運営上もいろいろ農家の不満になつて出て来ていると思うのであります。ただ、繰返して申し上げますように、制度全体の立て方は一応保険計算に基いて処理をいたしているわけでございます。従いまして、農家の個個の負担にいたしましても、全国一律ではないのでございまして、地方的にあるいは村単位に料率がきまつているわけであります。
  79. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは制度の根本に触れて行きますと、また制度の内容につきましていろいろ伺いますと、きようのわれわれの審議の対象からちよつとそれますので、その辺はあまり触れないのでありますけれども、ただ農家がどう考えておるかということは非常に大事な問題である、こう思うのであります。さつき大臣に伺いましたときに話の資料として出しましたが、あなたは御承知であるかどうか存じませんけれども現実に農家が掛金をせず、そして組合が一本で掛金をして、組合の受取つた共済金が、農家にいろいろのものが差引かれて渡され、あるいは非常に遅れて渡され、あるいは渡されないというような事実は、おそらく全国を御調査になることは困難と思いまするけれども、非常に大きな割合を占めておるのじやないかと私はおそれるのであります。もしこれが九牛の一毛であれば、あるいは私の杞憂であればこんな幸いなことはないのでありますけれども、もしさような事実があるとしますならば、私は制度があつて、その制度が生かされておらないのじやないかとおそれるのであります。というのが、そういうこともここに赤字を生むに至つた一つの原因をなすのじやないかということを想像するのであります。と同時に、私はそういうことを日本の農業に対する各般の政策の実行上往々にして経験しますので、ほんとに生かされておるのかどうか、農家がこの精神をほんとに理解しておるのかどうか、消化しておるのかどうかということがやはり根本なんじやないかと思つて、ほんとに消化しておると御認識になつておるかどうかということをお伺いしたわけでありますが、このことは別の機会にいたします、  そこで、これは少し考え方が古いかも存じませんけれども、農家がみずから掛金をする、掛金をして代償をもらうという考え方よりも、もつと備荒的な考え方を持たして、そして政府の方へ金を吸い上げずに地元で持つておるというよう方法を講じることは不可能であろうか。こういたしますと、私は今申しますような事実が非常に少くなるのじやないかと思います。何となれば、金額の大小にかかわらず手元に置いておけば、これが他の資金になつて利用されることなしに、みずからその資金を使うこともできます。そういうところへ行けば一挙両得になるのじやないだろうかと、ひそかに考えておるのであります。もつともこれは私自身が問題を十分消化していないので、未熟な考え方ですけれども、どうもそこに一つの盲点があるのじやないかと思います。かけるというのじやなしに、みずから貯蓄しておく、つまり備荒的な考え方で持つておる、これが共済の本質じやないか。その共済の本質なら本質に徹底さしたらどうかというふうなことも実は考えるのでありますが、どうですか。
  80. 久宗高

    ○久宗説明員 実は先ほどのお尋ねを私取違えまして、お答えがまずかつたのでありますが、先ほどの御質問が、農家が現在の制度を消化しているかどうかということであれば、これはまさに消化していないとお答えするほかないのでございます。普及宣伝の点も非常に足りませんし、運営も必ずしも当を得ておらない面がございまして、個個の農家がこの制度を理解しているという点におきましては非常に欠ける点かございますので、それを直そうと考えております。  それからただいまの、むしろ保険的な設計でやるよりは、備荒貯蓄のよう要素を入れて行つた方がよかろうじやないかという御意見でありますが、実はこれは確かにそういう御意見がいろいろあるわけであります。先ほども大臣から申し上げましたように、今両院の小委員会でこの問題を取上げておるわけであります。その案の中にもやはり備荒貯蓄的なものを取入れてみたらどうだろうかという御提案があるわけであります。私どももそれと関連いたしまして研究しておるわけであります。ただ備荒貯蓄というものは前からあつたわけでありますが、現在までのやり方でありますと、結局非常に小地域の救済措置になるわけであります。ところが農業災害の内容は非常に激甚でありますので、小地域の危険分散ではとうてい対処し得ないというところから、現行制度のような形になつてつたというふうに考えられますので、発展順序から申しますと、備荒貯蓄から現在のような制度へという発展であつたと思います。ただ実際に運営してみました場合に、現在の保険的なやり方で農民の気持にうまくぴつたりするかどうか、また運営が当を期し得るかどうかということになりますといろいろ問題がありますのと、それから元にもどりまして、備荒貯蓄的な要素を加味したらどうかといつたような御意見も出ておりますし、今の小委員会でもそういつた意見も出ておりますので、私どもといたしましてはあわせて研究してみたいと考えております。
  81. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私がこういうことを尋ねますのは、一つはさつきも申しましたように、二十八年度の予算を見ても百八十六億円も組んでおり、二十九年度におきましても百七十億円の予算を組んでおりまして、年々百数十億円の予算を組んで災害の補填をする災害だけではございますまいけれども、大部分は農業災害といたしまして災害の補填をする。こういうことになつて参りまして、連合会は約五十億円の赤字を背負い込んでおる。こういうことになつて参りまして、結局補償法ができましたのは二十二年ですから、それ以来といたしましても、いわば損益計算的な勘定をしますと、概算三百億円くらいの損失になつておるような推測ができるようでありますが、そういうときには、なるほどこれは二十年間の平均被害というものの数字を打出しまして、それでもうしばらく長い目で見ておれば、あるいは赤字克服の状態に回復するかもわからぬという考え方もあろうけれども、しかしここ数年間はずつと赤字の連続である。しかもこの数年間が、日本でそんなに超異常的な災害時代かというと、必ずしもそうではない。昭和十年の前後にもひどい災害がありましたし、凍霜害も冷害も、日本の東北農業のつきものでありますし、こういう状態を繰返しておるのでありますから、終戦後、二十二年以後が必ずしも非常な災害時代とも考えられません。にもかかわらず毎年々々連合会の会計が数億円の赤字になり、そうして百数十億円の予算を組み、そうして補填が十分にされておるというふうに農家の方ではとつておらぬ。こういうことであるならば、何か根本的にこの問題と取組みまして、徹底的にせなければいかぬ問題だと私は見ておるのです。われわれは経理の面から入つてつておりますけれども、国がこういう大きな予算を組んで、補填すべき金を背負い込んで、この事業と取組んでおりますが、この重要な問題がこれだけの国損を繰返しながらも依然として疑問を持たれ、末端には新制度の精神が滲透せず、中間は機能が麻痺したよう状態に陥つておるということは、座視することのできない日本の農業上の根本問題と思いますので、今言つたような一、二の点を拾つてお尋ねするのであります。  そこでもし備荒貯蓄的な古い思想から、だんだんとそういう原始的な状態から、さらに近代的な保険制度的方向へ進歩して行くというならば、もう一歩進めまして、社会保障的な制度まで打出して行くというような、何かそういつた原理を新たにするというところから踏み直して行く必要もあるのではないか。そういうようなことをしなければ、この赤字克服ということも焼け石に水になつてしまうのじやないか。そしてこういうことは、私は釈迦に説法で申し上げるのじやございませんけれども、やはり農業のことですから、即効薬で効果をあげるわけに行きません。やはり逐次増産への基礎を固めて農業を安定すべきだろうと思いますので、そういう見地から見ましても、やはり何年か後のりつぱな成績を期待せねばいけませんので、そういう点から見ると、根本的な、ずつと飛躍さしたところからもう一ぺん考え直してもらわなければ、この赤字とか損失の繰返しというものはなくならないのではないだろうかということも実は考えるのであります。これも十分な資料をもつて私が検討した結論ではございませんて、そのつもりで聞いていただきたいのですけれども、そう思うのです。私自身今日は非常に重大な段階だと考えておるのです。監督制度をもつと厳重になさいということも、それだけがきめ手ではございませんけれども、百数十億円の予算というものは非常に大きな割合を占めます。その意味におきまして非常に大事な問題だと思いますので、こんなことを考えるのです。百尺竿頭一歩を進めまして、社会保障的な考え方から、この保険制度なり共済制度というものをもう一ぺん根本から考え直すという必要があるのじやないかというようなことも思いますが、いかがでありましよう
  82. 久宗高

    ○久宗説明員 御指摘のような問題がございまして、一昨年あたりからこの問題は非常に大きく取上げられましたわけでございます。予算金額もちようどそのころから百億を越えるというようなことになりました。やはり昨年の夏から両院で小委員会をお設けになりまして、農業災害補償制度の根本的な改正ということで御検討しておられまして、その結論も大体出かかつておりますので、それと関連いたしまして改正を考えたいと思つておるわけであります。
  83. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは失礼ですが、国会で議論したり立案することは、これはおまかせになつておいた方がいいと思います。私はやはり主管官庁である農林省は国会にかかわらず、みずから最善と思われるべき方針なりあるいは原則なり新しい制度なり、あるいは制度だけでいけませんければ何なりとほかの手を打ちまして、最も大きな問題とわれわれは感じますので、両院の委員会が何をどうしようとそれにかかわりませず、みずからの御責任において最善の案を打出して行くということで、この急を要すべき、しかして根本問題と取組んでもらわねばいかぬと思います。だから議論がどうあつてもこうあつてもそれは私はいいと思います。いいと思いますが、いずれにいたしましても、今後はやはり百八十億円も漫然と——というては失礼ですが——予算をとつてはいけません。これは絶対に将来の見通しなりを画然とお持ちになつて予算を打立てて行くことが私は国政のあり方だろうと思いますので、そういう意味において伺うのであります。これにつきましてはまた別の機会に十分にこれだけを伺いまして、政府の御所信なり何なりを伺うことにいたします。  そこで最後に聞いておきますことは、監督制度の問題でありますが、これは具体的になりまするので私も名前をあげることはよしますけれども、ある連合会のごときは、現職員が幹部を告発したというような事実もあると聞いております。私はある事実をある代議士から聞いておりまして、全部筆記しておりますが、うやむやになつてしまつておるという連合会もございます。そこで私は制度上の問題以外に、やはり運用につきまして、各補助金等について共通しておりまする、また検査院の指摘をされておるあらゆる事項に共通しておりまする行政的な一種の堕落した面が伴つておるのじやないか、こういうことも実はおそれるのであります。法七十九条によりますると、あなたの方におきまして毎年一回検査せねばならぬと書いてあります。そういうことでございますれば、私は急いで全国の連合会に対しまして、いささかの非違もないという状態を実現せしむべく、この法律は実行していただきたいと思います。それはそれとして——何もそれがすべてを解決する手ではございませんけれども、あの手この手、あらゆる手を総合いたしまして、私は共済制度、保険制度の完成を期さねばならぬと思いますので、これが現下一つの社会的要請であろうと考えます。これは国会が進んで農林省に要求することが今のときに最も時宜を得た措置と思いますので、この意味におきまして私は決算委員会からあなたの方に強く要望したいのです。監督規定を厳重に実行していただきたいと思いますので、ひとつあなたの御所信を聞いておきたい。
  84. 久宗高

    ○久宗説明員 ただいま御指摘を受けました監査の問題でありますが、これは中央地方を通じまして非常に十分でなかつたわけでございます。そこで実は条例の検査の規定は国会の方で議員提案で二十七年度に初めて入れていただいたわけでございまして、それと関連いたしまして予算的なあるいは人的な裏づけを強化していただいたわけであります。最近になりましてそういう体制のもとに監査を厳重に励行しておるわけでありますが、過去におきましてはやや監査の内容が十分でございませんで、いろいろ問題を起したわけでございます。ただいま担当課長といたしましては監査に重点を置いて実行しておりますので、今後におきましても監査の面からこの制度の是正に努力いたしたいと考えております。
  85. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 民間の保険会社——相互会社にいたしましても、もし民間の保険会社がこの程度の赤字でも出しましたらたちまち社長は首であります。おそらくは混乱であります。でありますので、これは民間のそれと国家のこの制度とは違いますけれども、やはり保険の一面がある以上はその分野におきましては厳正に、数字は適切におつかみになつて——たとえば国家から再保険金を交付するというような場合、その他の交付金を交付するというような場合におきましても、その交付金が一時連合会に停滞しておるとかあるいは信託会社に信託されて妙な金利が重ねられておるとかいうようなうわさもときには聞くのであります。そういうことがなければけつこうであります。何しろ莫大な金のことでありますので、いささかもそういうことがあつてはならぬと私は思います。ここには法律を見ればきわめて厳重な規定もあるし、また役員の改選も命令ができるし、解任から団体の解散に至るまでここへ規定されております。主管行政官庁としては申請によつて金を渡すというだけが能じやございません。これは相当厳重にやつていただきたい。今日は最も大事なときであろうと思いますので、これは希望を申し上げておきます。これはこの程度にしておきます。  それから林野庁見えておりますか。
  86. 安井大吉

    ○安井委員長代理 林野庁長官がおります。
  87. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 二十六年検査報告番号七八八、二百七ページでありますがこれによりますと、高知営林局におきまして素材の売渡し契約を内談をした、売渡し契約がまだ成立するまでにすでに概算というて金を受取つた、受取つた金額が一千百三十余万円に当つております。そしてその前渡し代金がほかへ流用されておる、こういう驚くべきことがここに報告されておるのでありますが、一体国有財産を売却するにあたりまして、売買をする以前に代金を受取るというようなことはちよつと想像もされないのですが、前渡し代金というものがあちらこちらで、林野局の立木その他の処分にあたりましてはあつたのでしようか。いかがでありますか。
  88. 柴田栄

    柴田(栄)政府委員 この問題はまことに御指摘の通りで処分物件の契約前に代金を収納するという成規の手続きはないわけでございます。にもかかわらずかような、しかも合計いたしまして多額の金を前渡しのかつこうで留保して操作をいたしたということは、いずれにいたしましてもきわめて不都合な取扱いでございまして、まことに申訳なく存じておりますが、当時の事情から言いますと、高知の営林局管下におきましては材の取引、それから引渡し輸送というものが非常に不円滑であつたために、買受け希望者が何回にもわたつて高知に参りまして取引をしなければならぬ。そこで概算金を委託しておいて、正規の計算によりまして契約ができました場合にそれに充当してもらうというまことに便宜な措置をとつたわけでございます。それがだんだん集まつて参りまして、その間に経費の配付が遅れるとか、事業は進捗いたしまして支払いをしなければならぬというよう事情が出て参りましたために、遂に留保いたしておりますものを一時流用するというような不都合をしでかしたのでございまして、もともとこれは当時の実情からいたしまして、業界から強い要望がされ、一つの物件を契約するにも何回も足を運ばなければならぬ、あるいは契約をいたしまして——主としてこれは船便で運び出す外部のものでございますが、その場合にただちに船便に積み合せることができるような措置も考えたいという買受け希望者たちへの非常な便宜をはかつたという措置がかよう間違いを起したのでございまして、そのことに関しましては私どもも非常に驚きまして、これが取引停止、整理を命じた次第でございますが、何にいたしましてもかような不当な取扱いをいたしておりましたことはまことに申訳ない次第でございます。その後は一切かようなことのないように厳重に全管下に徹底させておりまして、完全にかよな措置はなくなつております。
  89. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 かりにその場合、業者の要望があり、また土地交通の便、不便あるいは取引上の便、不便、さような事実があつたとしましても、そういう場合には、売買契約がいまだできておらぬ金を政府の出先機関が民間から受取るという経理の仕方が一体あるのでしようか。そういう場合、個人的にふところへ入れたということと同じことになるのではないでしようか。
  90. 柴田栄

    柴田(栄)政府委員 正規には先ほども申しましたようにさよう取扱い方法はないのでございます。従いまして個人の形で便宜預かつて預金する、こういうようなかつこうをとつてつたわけでございます。
  91. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そういうことほど会計を紊乱するものはございません。まことに極端な想像ですが、もしその人が死亡したら——相続人はおやじの財産を相続するということになると思う、しかしその人は国の財産を売渡そうとするために前金をとつたのでありますから驚くべき経理紊乱だと私は思います。どんなに事情があるといたしましても、そういうようなことがいやしくも許されるということでありましたならば、私は日本の国有財産の処理というようなことがどんなに悪用されるかと恐れます。いかにその衝に当つておりました責任者が経理に対する責任感がなかつたかということの一つの例証だろうと思います。そこでこういうようなことは一体なぜそうなつたんでしようか、これは詳しくはいりません。なぜそうなつたかについて業者の御事情はお述べになりましたが、私は高知営林局の職員みずからに何か非常に大きな欠陥があつたのではないか、責任感がなかつたというのか、経理の知識がなかつたというのか、あるいはこういう場合におけるほんとうの職務の正しい執行に対する考え方が足りなかつたというのか、高知営林当局の職員側における原因は何に基くのでありましようか、ちよつと聞いておきたい。
  92. 柴田栄

    柴田(栄)政府委員 この問題はいかに申し上げましてもまことに不都合な取扱いでございまして、弁解の余地はないのでございますが、当時の実情からいたしますと、高知の材は非常に売れ行きが不振でございまして、しかも取引輸送のためにしばしば往復をしなければならぬ、経費が非常にかかる。そこで概算として預けておいて、しかも処分するのに間違いなく処理して、処分を円滑にできれば局のためにも好都合であるというようなたいへん簡単な、間違つた考え方を持つてような処理といたすことに相なつたのでございまして、その結果現金を局長個人の名前で預金はいたしておりましたが、一時的に流用するというような不都合を生じたのでございまして、その当時の当事者はきわめて経理というものに対しまする不十分な認識、局の処分の円滑をはかろうというような単純な考えからいたしましてかような過誤を生じたのでございまして、私どもといたしましてもかような処置のあることを知りまして非常に驚愕いたした次第であります。この点の整理には最善を尽して整理を急がせ、かつその後かようなことを再び繰返すことのないような厳重な措置をとつてつておるような次第であります。
  93. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 非常にわかつたようなわからぬようなことになつたのでありますが、その辺にいたしましよう。  次は二十七年度、報告番号一五〇七以下一五〇九まで、ページは二百九十三ないし二百九十五ページであります。大体におきまして、これは一部この間もどなたかの御質問があつたかのように私は記憶するのでありまするが、林野局におきまして、東京の営林局、一五〇七号におきましては、用材の相当太いものがまき材として扱われたという趣旨らしく見えるのでありますが、こういうような場合には、立木の処分にあたりまして、かなりずさんに物を判定するような風潮でも過去にあつたのではないのでしようか。いろいろと聞きますると、どうも山林の処分等にあたりまして特にこの種の問題があげられておるものは、数はたくさんありませんけれども、ずいぶんとあるというふうに聞き及ぶのであります。こういうような場合にはやはり一般を警戒しなければいけませんので、相当この事態の究明にもあたつて、そうして将来事の起らないような厳重な処置があつてしかるべきもののように思うのでありまするが、よくあるべきような案件で、同時にこれは適切な代表的なもののようにも考えるのでありますが、一五〇七号の案件はどういうふうにお考えになるのでしようか。以前この委員会におきまして相当御答弁がありましたならば、ごく簡略していいと思いますが、いかがでありましよう。     〔安井委員長代理退席、委員長着席〕
  94. 柴田栄

    柴田(栄)政府委員 林野整備にあたりまして、立木の用材、薪材の区分を常識的ではなしに扱つて、そのために国損を来したというようなかつこうになつておりまして、事実またこの点に関しましては、いささか私どもも疑問を持つくらいの状態でございまして、いろいろ調査もいたしておりまするが、主たる間違いのもとは、この地方の林相の内容と、それからこの地方は薪材が比較的高い、しかも薪材が非常に多く需要されるという地域でございまして、従来とも二十センチ未満くらいのものまではまき材として取引をしていたという地方慣行を、そのまま取入れてそのような算定をいたしたところに、取扱い上の指導が足らなかつたということを率直に認めざるを得ないのでございまするが、他の地域におきましてかような事実は、私どもその後も機構を整備いたしまして内部監査を順次徹底させておりまするが、現在まで発見に至つておりませんので、相当特殊なケースである、かよう考えておりまするが、今後におきましては、かりにもさような疑問の起らないように、算定を厳格にいたすということで、管下に徹底をいたしておる次第でございます。
  95. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 終戦後今日まで、これは概算でよろしゆうございますが、一体国有林野はどれほどの面積、どれほどの石数が民間に買却せられておりましようか。これはおわかりではございませんでしようか。そういうことはしよつちゆう問題にされるだろうと思いますので、概数は常にあなたの方ではおわかりになつておるのではないかと思いますからお伺いするのですが……。
  96. 柴田栄

    柴田(栄)政府委員 ちよつとお伺いいたしたいのですが、林野整備で売り払つているものでございましようか、全額でございましようか。
  97. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私の伺いたいのは国有林野がどれほど買却処分されておるかということを聞きたいのですが、これは何でしたらよろしゆうございますから、あと資料として出していただきたい。
  98. 柴田栄

    柴田(栄)政府委員 林野整備として予定いたしておりますもの、進捗いたしておるものも、詳細に数字は出ておりまするし、全体で処分いたしました数量も年度ごとに明確になつておりまするので、それでは書面で提出させていただきたいと思います。
  99. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 林野の整備と関連するのでありまするが、災害復旧につきまして、災害復旧工事と立木の用材の利用との関係でありますが、これは何か最近若干法律の改正によりまして、その便宜な道が開けたようでありますが、これを悪用するならば、いろいろと行政紊乱の結果になると思うのでありますが、今日一般に災害復旧につきまして国有林野が適当に適切に利用されるならば、相当復旧につきまして、復旧事業主体は恩恵に浴するという説もあるのでありまするが、整備との関連におきまして、大体どういうふうな御方針になつておるのでしようか、ここらは具体的ではありませんので、ちよつと御答弁もお困りかもわかりませんけれども、私ども災害復旧事業のいろいろなスキヤンダルをなくせしめますためには、一面におきましていろいろと適切な補助というものが——補助というと語弊がありまするけれども、財政補助にいたしましても、あるいは用材資材関係におきましても、適当な道が開けるということが、非違の究明はそれはそれとして、助長するという面における積極的な一つの手だと常に考えておつたわけであります。これが若干の道が開けておるかのように聞き及んでおるのでありまするが、林野庁との関係、国有林野との関連においてはどういうふうになりましようか、ちよつと聞いておきたい。
  100. 柴田栄

    柴田(栄)政府委員 災害地方に対しまする緊急復旧の場合に、林野加工品の無償譲与あるいは割引処分の方法は、項目を具体的に限定いたしまして、これは大蔵関係法律になりまするが、物品の無償貸付及び譲与等に関する法律において規定されることになつておりまして、これはただいまお話しのように濫にわたつてはたいへんな問題になるということは、私どもも十分警戒いたさなければなりませんが、具体的に申しますると、たとえば橋梁が流れた、すぐ近くに国有林がある、そういう場合にただちに国有林材を供給して仮橋をかける、こういうような場合には国有林材を無償で提供することができる、あるいは罹災者に対しまする応急のバラツク用材というようなことで限定されておる方法をもちまして、一つ施設が今度の法律の改正でできることになりました。それからいま一つは減額処分の処置でございますが、公共用、公益性の施設災害復旧に対しましては、減額の措置を講ずることができる、こういうことなのであります。その他行政的な措置ともなるかと存じますが、昨年の災害の場合等に、応急復旧用材といたしまして応急復旧と申しましても、相当長期にわたる計画的な用材でございますが、災害と同時に木材の急騰がございまして、罹災者が非常に不安にかられたという場合に、災害前の価格で国有林材を供給することによりまして、災害者が値上り前の価格で必要品を入手する方法を、県、町村等と連絡いたしまして、組織をもつて国有林材の売払いの裏づけによつて処置したという例がございます。たとえば北日本の水害の場合に、約二十一万石の国有林材を放出いたしまして、値上りを防止いたしました。南畿の場合には約六万石程度放出いたしまして、木材の不当な暴騰を抑制するというような手段を講じております。現在措置いたしているもの、かつできるよう方法は、以上のよう方法でございます。
  101. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 二十七年の報告番号一四四八、二百七十ページ、それから一四六九、二百七十三ページ、これは代表案件として二百六十九ページに上つているのでありますが、青森県の上北郡の天間林村の森林組合、それから山梨県の北巨摩郡の増富村の施工の、いずれも林道の災害復旧ようであります。これはやはり代表的にあげられております案件でありますが、山梨県の増富村の分につきましては、これは事業主体である村は、二百五十五万円はまつたく負担しておらない、こういうようなことであります。あるいは青森県の方の分につきましては、これは設計の過大でありまするが、このうち約百万円はまつたく負担していない。まあこれも九割以上になるわけであります。だから一方の青森県は九割以上、山梨県の方は十割いずれも負担をしないで、言いかえますると、補助金だけで仕事をしたという一例になるようであります。こういうような事例でありまするが、これも他の例に漏れず、ずいぶんたくさんある林道の工事のうちの一部としてあげられているにすぎませんので、氷山の一角のような感じをもつてこの事件をながめておるのでありますが、これはまた一体どうしたことなんでしようか。どこにこういうことに至つた主たる原因があつたのでしようか。みずからが非常に横着を構えてこういうことをしたのでしようか。やむを得ざる事情でもあつたのでしようか。これを簡単でけつこうですから、適切に述べていただきたい。
  102. 柴田栄

    柴田(栄)政府委員 青森県の場合は、実は御指摘をいただきまして、私どももさらに調査には参つておりますが、積雪期間中でございますので、さらに消雪期を待つて、検査院もお立会いの上で調査するということになつて、まだ未確定になつております。御了承願いたいと思います。  山梨県の増富村の場合には、内容はまことに御指摘の通り、ほとんど補助金のみで工事をやつたという結果になつておりまして、まことに申訳ない次第でございます。これらを通覧いたしますと、一つには、補助金の交付の規則あるいはその他の暫定措置の法律等が随時改正されました結果、非常に指導が足らなかつたということを、われわれも痛切に感ぜざるを得ないのでございます。その点まことに申訳ないと存じております。従いまして私どもといたしましては、二十八年の七月に十分徹底するような手段をとりますと同時に、今後にかような不当な事故の起らないように、いろいろ具体的な注意、その後の当方においても検討できる手段を講じたわけでございますが、ここで私どもがこのよつて来る原因をどこに見出すか。これはいろいろなフアクターが重なつておるのではないかと思われるのでございますが、何と申しましても、一つには、非常に地方の財政が窮乏いたしておるという点、しかもなお施設は非常に不足しておつて、要望いたしておる。こういう点が一つあげられるのでございます。さらには私どもといたしましても、事業主体を選定する場合に、これの工事施行能力、あるいは財政負担能力等が確実であるかどうかということを、いま少し明確に把握しなければならないというような点に欠けるところがある。さらに請負者を決定いたしまする方法等にも、慎重を欠いた点があるのではないかと思われるのであります。それと実行に当りまする事業の経理がきわめて不備でありまして、実際問題として労務提供によりまする労務費等の整理が、ほとんどできていないような村が非常に多いのでございます。これらもあとに至りまして、何ら実際に提供した労務の単価の証拠も残らないというようなために、実際には相当かけておりましても、明確にならないというような場合も出て参つておりますので、経理の問題をその後も徹底いたすように指導いたしておりますが、それらの点がございます。なおこれは県に委託いたしまして、設計監督あるいは竣工検査等をお願いいたしておりまして、林野庁といたしましては、随時出まして監督をいたすということに相なつておりますけれども林野庁といたしましてもきわめて少数の人員かつ経費でこれをいたしておりますので、中間の検査が非常に不十分である。これは率直に認めざるを得ないのでございます。それから県等におきましても、中間の検査等もきわめて形式的に行われておるというにすぎないような例が多いのでございますが、さらに竣工検査等が形式的に行われておる。しかも竣工検査によつてただちに補助金の支出がなされる。こういうようところに、事前にこれを発見して訂正させることができないというようなことがしばしばあるのでございます。なお検査院から御指摘をいただいております中に、事業主体として森林組合を多く使い過ぎておるのじやないか、これは融資の道があるので、森林組合を使つておるのではないか、まことに御指摘の通りの点が相当ございますが、しかしこれは使い方によりましては、非常に有利な点だと思いますが、技術その他に非常に不なれな点が多かつたというところに過誤が多いのでございます。それらを一応私どもでは過誤を生じた原因である、かように分析いたしまして、それに対しまするそれぞれの対策を講じまして県と連絡をいたし、その後にかような過誤の絶対に起らないようにということで連絡と監督を厳にいたしておるわけでございますが、現段階におきましては間接補助ということになつておりまして、県が一応委託を受けてやるという形になつておりまするので、今後はやはり県にいま少しはつきりと責任をしよつていただくという手段も講ずべきではないか、このためにはもちろん私どもの監督、指導、検査等はいたしまするが、間接補助による有効な実施をいたしたい、かよう考え方を持つておる次第でございます。
  103. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 今、村が事業主体である場合に、やはり村における財政負担能力の欠陥という点が指摘されましたが、同時にまた指導監督についての事故発生の——事故というか不当事実発生の原因が指摘されておりますが、そこで伺いたいのですが、そのような場合に当該県の林務部長というのですか、林務課長というのですか、当該県の知事等にあてまして、林野庁といたしましてはこのような事実が発生して、かくかくの指導をされては困るじやないかとか、そこに相当中間指導、監督をいたしました県に向つて政府は何らかの通知とか措置とかをおとりになつたでしようか。またそういうことをとつて、そうしてその原因のよつて来るところを究明して行くということが必要であるのではないかと思いますが、そういう点はどうなんですか。
  104. 柴田栄

    柴田(栄)政府委員 御指摘の点は私どもも即急にこれが措置を講じなければならぬということで、昭和二十八年の七月一日付をもちまして民有林道補助事務の厳正な実施についてという通知を知事あてに出しておりまして、これには従来の実施の不備にかんがみまして、事業主体の決定方法、それから工事の実施に関しまして設計の問題、それから施工の問題、これをさらに細分いたしまして、それぞれの施工主体に対しまする実施方法、監督方法等を指示いたしております。さらに中間検査につきまして、実際に有効な検査の方法を実施いたしております。なおここで非常に問題の起りやすいのは、設計をいたしましても現場において実施の際に設計の変更を余儀される場合があるのでございまするが、変更手続をとらないで実施してしまつておるというためにあとから批難を受けなければならないような結果が相当出ておりまするので、必要な設計、事業計画変更に関しましては方法をも指示いたしまして、的確に処理をいたすように指示をいたしております。なお竣工検査の方法、検査をいたします人、あるいは経理、材料等の検査までも具体的な指示をいたしまして、これに基いて私どもも職員を派しまして現場で指導いたしておる次第でございます。
  105. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私が伺いましたのは、一般的な指示とかあるいは要請ではなくして、やはり具体的に——たとえば二十七年度の決算報告では番号が一四四六から一四九四に至りまするまで約五十件にわたります。しかし府県は大体東北と中部地方のみにとどまつております。おそらくは九州とか北海道あるいは近畿中国等の辺は検査院の手の及ばなかつた結果とも想像せられるのであります。従つて私の伺いましたのは、やはり林野庁の長官がこのような具体的事実が上りまして——これの計算によりますると、二十七年度の補助工事のうちからも、補助工事費除外額が九億二千五百万円にも上つております。従つて九億二千五百万円というものがむだに濫費せられたということにも推測いたしますので、こういうようなことがございましたら、おもにこれは村でありますが、この所属の府県に向つて直接何らかの措置をおとりになつたかどうか。つまりそれは、こういうような事件が起りましたことを政府は非常に重視せられるか、それともたくさんある中で少々出たのだからというくらいの程度に御認識になつておるのかを伺うべく聞いたのであります。従つてこの案件についてやはり私をして言わしむれば、各府県に、こういう問題が起つたといつて検査院に指摘された、一体お前の方はどうしておつたのだというように一本きめつけられることが今後のためであり、またそういうふうにすべきがやはり長としてのあなたのとるべき措置ではなかつたかと思いますので、そういう趣旨で申し上げたのであります。
  106. 柴田栄

    柴田(栄)政府委員 その問題に関しまして、それぞれ実は御指摘をいただいた分に関しましては一路線ごとにわたりまして処理をさせたのでございますが、最初にあがつております青森県の場合には、全体を通じまして積雪時期でございまして、現場において明確に不当を確認して善後措置を講じさせることができないということで、消雪期を待つて検査院からもお立会いを願つて厳重に跡始末をする、こういうことにいたしております。その他の分につきましてはでき高不足、事業主体の負担不足のものを三十七件御指摘をいただいておりますが、不足額は全額を徴収するということにいたしまして、この金額をもちましてでき高不足の手直し工事を施行させたのでございまして、すでに三十七件のうち二十五件は施工済みになつております。残り八件につきましても現在実行中でございまして、もうすでに完了いたしておるものもあると存じております。それからでき高不足の九件につきましては、それぞれこれまた手直し工事現実にさせまして、すでに七件は完了をいたしておりますが、ただ単に御指摘をいただいた分のみではなく、その他のものにつきましても同様の事実がありはしないかということで、随時時間の許しまする限り現場に出まして検討をいたしておるという状態でございます。
  107. 田中彰治

    田中委員長 長官、吉田君があなたに聞いていられるのは、こういうような批難事項は、これはもちろん手直しするのですが、一体その責任者に対してあなたの方では処分をするとか、あるいは訓戒をするとかそういう厳重な方法をしておられるかおられないか。またそういうことをすべきなのか、しないでもいいのか。あなたは今すべきだと思つているのか、あるいはこんなものは簡単だからしなくてもいいと思つているのか。そういうことを聞いているのです。手直しはもちろんですが、そういう責任者に対して訓戒を出すとか悪かつたらそういう処分をするとか、そういうことを今までもしているのかしていないのか。今後すべきだと思うのかしなくてもいいと思うのか。こんなものは簡単だから、国民の税金だからこんなものはほつたらかしていいと思うのか、今後そういうことをしてはいけないから厳重に取締るというのか、そういうことを聞いているのです。
  108. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 林野庁長官、今申しましたように、愛知県から北は青森県までだけでこれだけあるのです。西は何も手を触れておりません。そこでこれはたいへんだ。そこであなたは各一つ一つの案件についてたとえば精密にその原因を調査し、またその使途、あるいは各担当職員あるいは各部局等等、各関連におきまして、一つ一つについて精密に事態の窮明にあたつて、そしてこれが解決をする、どういうふうに処置をする、こういうようなことをきちつとやつて行かれることが、初めて次の翌年への大きな戒めになると私どもは思うのであります。でありまするから、これだけ出たということで全部だと思つておられないと思う。しかし出たことも忘れちまつているというほどのことであつたらたいへんです。まさかそうとは思いませんけれども、ここは相当厳重に究明して、びしやつとやるというところまでやられるような措置をおやりになつているのか、それを聞いているのです。
  109. 柴田栄

    柴田(栄)政府委員 御指摘の点につきましては、全体から申しますると四千何百件のうち二百数十件のみが検査の対象こなつておりますので、その他の部分につきましてかような過誤が絶対にないとは申し上げられないのでございます。従いまして特に災害復旧事業は、一応査定の完了いたしておりますものも、二十九年度におきましてはさらに再査定をいたすことに計画をいたしまして、これが実施を進めておる次第であります。
  110. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それは将来のことであります。私はここにあげられたものについて手直し工事もそれはいいと思います。そういうこともいいと思いますが、そういう措置以外にまた一つ一つの批難されている工事についてそれぞれの事情や原因がありましよう。それらは次への戒めの大きな資料にすべきだと思います。毎年このような批難を繰返していては何百何千億の予算を組んでも国民はたまつたものではございません。もう批難事項のあとを断ち切つてしまうために、ほんとうにあなたが一つ一つの事件ことごとくを頭に入れて関係職員の処置や、不当行為のあるなしやまた失敗の有無、その間にボスが暗躍したかいなやに至るまで、何から何まで問題の原因、結果をことごとく知つておいてもらわねばならぬ。これは善後処理のためにもその他の対策を立てるためにも絶対に必要です。だから今後のことは今後のことで、再査定もいいと思います。大体よつて来るところを今概括的にお述べになりましたが、これに対してどうしなさつたか、これらに対して適切な措置をしなければならないのではないかと伺うのです。手直しをやつたからそれで済んだというのではなしに従来疎漏工事つたものを手直しをした、それで相済みになつてしまつたこいうことで実に遺憾に思つております。これはあなただけでなく、一般に他の部局におきましても同じである。それであらゆる結果から原因とかあるいは責任の所在とか、処分の措置とか、そういういろいろな措置を十分おとりになつたかどうかそれを伺つているのです。
  111. 田中彰治

    田中委員長 長官あなたの答弁は非常に良心的でいい答弁なんです。ただ吉田委員が今あなたに聞いているのは、手直しもけつこう、何もけつこうだが、その責任者に対して強い訓戒を与えたとか、それを処分したとか、あるいは処分しようと思つているとか、そういうような処置を今までおとりになつたかならないか。また今後そういうことがあつたらそういう部下に対して、責任者に対してそういう処置に出られるのか出られないのかということを聞いているのです。簡単にどうぞ。
  112. 柴田栄

    柴田(栄)政府委員 責任者に対しまして、特に地方庁に委託いたしております分につきましては、行政措置は実はなかなか困難な建前にありまするが、かような不正な経理をいたしました分につきましては、検査報告等の事実を基礎といたしまして、今後の林道計画その他につきまして厳重な検討——場合によりましては、かような不正が繰返される危険がある場合には留保するというような手段までとつて、今後かような過誤を絶滅する手段には使つておりますが、ただいま委員長からもお示しをいただきましたが、具体的にこの担当者を処分する処分権を、現在におきましては持たない状況にございますことを御了承願いたいと思います。
  113. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私どもは営林局の当局に何も恩も恨みもありませんし、個人的にはどうもありませんが、これはやはりこの種の問題が起りましたら、やむを得ずその地方営林局は責任ありというふうになつて来ないと立ちませんね。そこはやはり泣いて馬しよくを切るぐらいの気持が一面にないと、これはさいの河原ですから、何年たちましても同じことです。だからそこをどうされるか。
  114. 柴田栄

    柴田(栄)政府委員 実は今御指摘でございますが、これらの監督あるいは指導は、実は営林局署は全然タツチをいたさない案件でございまして、地方庁に委託いたしまして、地方庁で指導監督をいたしている筋でございまするので、もし直接管下でございますれば、即刻厳重な処置をとることにいたしておりますことを御了承願います。
  115. 田中彰治

    田中委員長 長官にちよつと聞きますが、こういうことをいくらやつてもあなたの方で何の処分権もないということになりますと、どんどんやつてもいいということになりますが、どうするのですか。
  116. 柴田栄

    柴田(栄)政府委員 さような不誠意な県の態度でございますれば、それらの県に対しましては貴重な国費補助はできないという結果になりますので、査定の際にこれは当然厳重に考慮いたさなければならぬと思います。
  117. 田中彰治

    田中委員長 査定でいじめる以外には、あと県がやる以外に、そういうことをやつても、こちらは何も監督権がないということでございますね。
  118. 柴田栄

    柴田(栄)政府委員 不正はもちろん司直によつてさばかれますが、不当事項に関しまする行政措置は実は私どもは権限を持たないということを御了承願いたいと思います。
  119. 杉村沖治郎

    杉村委員 それではそれに関連して一つ伺いますが、釧路、三本木両営林署で昭和二十七年の八月から昭和二十八年五月までの間に職員が立木一千八百十七石ごまかしているのです。この金額は二件で三百六十四万二千七百八十一円、こういうことになつております。これについてもやはり今吉田委員答えように、あなたの方では何ら処分も何もされておりませんか。
  120. 柴田栄

    柴田(栄)政府委員 これは国有林野関係の職員でございますので、ただちにこれが行政処分を要する者は行政処分をいたしまして、もちろん司直の手に移つております者は司直のさばきを受けておりますが、これを監督指導いたします地位におります者も、署長等は降格をいたさした者もございますし、あるいは他に転勤を命じた者もございます。営林局長に対しましても、訓戒を与えるという処置はただちにとつております。
  121. 杉村沖治郎

    杉村委員 今のあなたの答えた、そんなことでいいのでしようか。これは三百六十四万二千七百八十一円も、こんなにたくさんの金をごまかしておる。こういう者をあなたの方の役所に農林事務官だといつて置いておいていいのでしようか。これは当然あなたの方からみずから積極的に司直の手に移すべきものではないでしようか。そうでなくては、これはもう悪いことのしほうだいということになりますが、あなた方はどう考えているか。司直の方から手がまわらなければそのままでほうつておかれるのですか。あなたがこれがわかつておられるならば、手続をしなければ、これはもう役人がこういうことをやる、国民のものを盗むのでありましよう。たいへんなことですがね。これをあなた方はどういうふうになさつたらよろしいとお考えになりますか。
  122. 柴田栄

    柴田(栄)政府委員 仰せをまつまでもなく、私どもの機構において発見いたしますれば、ただちに告発の手続をとると同時に今後におきましてさような過誤を生ずるような原因を探求いたしまして罰すべきものは厳重に罰すると同時に、改善を徹底させるという措置はとつておりますが、実はこの案件は双方とも司直の手が先に入つて発見されたということで、監督上の不行届きに関しましては非常に責任を痛感いたしておる次第でございます。
  123. 杉村沖治郎

    杉村委員 責任の痛感はまことにけつこうですが、どうなつておるのであるか御存じがないのですか。
  124. 柴田栄

    柴田(栄)政府委員 釧路の当面の責任者杉沢養造は、三月四日に判決がございまして懲役一年六箇月の刑が科せられ、その他に追徴金、没収金等が決定いたしておりまするが、ただいま控訴をいたしておりますので、これが結果を実は待つておる次第でございます。     〔杉村委員「鈴木の方は……」と呼ぶ〕
  125. 柴田栄

    柴田(栄)政府委員 鈴木につきましてはまだ判決が確定いたしておりませんので、休職措置をとつておりまするが、決定次第、もちろん任務は離れまするが、これは刑法上の責任を背負うことになるのでございまして、これと関連いたしまして、営林署長は他に転勤をいたしております。当時の営林局長もその後営林局長をやめて、他の方に転職という、これは当然の責任として処置をいたしておる次第でございます。
  126. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 さきに長官のお説によりますと、府県庁の職員は林野庁の系統でないので、その方面に向つて責任を追究する道がないかのような御説明でありましたが、農林災害復旧に関する暫定措置の法律の第六条によりますると、森林組合の事業につきましては、都道府県の知事が事業監督をやるようになつております。それから公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法によると、つまり地方公共団体の事業主体のものにつきましては、例の同法の第九条によつて、同施行令の八条によつて、九条の主務大臣農林大臣の権限は府県知事をして行わしめる、こういうことになつております。そういたしますと、法律の系統的な解釈からすると、事業の監督責任が知事にあるのだから、その知事の部下が、あなたもさきに指導監督上の責任もあるとおつしやつておるのだけれども、当然農林大臣といたしましては府県知事の責任をただし得ると私は思うのですが、農林省のあなたの部下ではないけれども、しかしこの法律によつて主務大臣の権限がまかされておるという立場にある知事なんだから、知事の方に向つて相当厳重な要請をすることが私は当然であると思う。言いかえれば、知事が監督してばらばらに食い散らすよう予算を使つて、だらしない工事をやつて九億円からの損害を国にかけて、そうしてあなたの方では自分の部下だけにしか文句が言えない。一般的に文書を流して将来を戒告する。そんなようなことでは、私はあなたの方の仕事の結末はついて行かぬと思う。あなたの方の末端の仕事が指導監督よろしきを得なかつた知事によつて荒されてしまつておる。私はあえてそう申しますよ。これは国の予算補助金をこうやつて九億円もなくしたことも大きな損害ではありますけれども、同時にこういうよう補助金の乱暴な使い方というものは、反面から見たら、事業の効果が上つておらぬのです。それと同時に森林の積極的な効率的な利用が妨げられるのです。補助金をとつて事業をしようというものは、やはり森林をほんとうに有効に使うための事業であります。それが妨害されることは直接間接国の受ける損害というものが大きいのでありますから、ここは農林当局といたしまして、林野庁当局といたしまして、当該府県知事に対しましては相当強硬に申入れあつてしかるべきだと思うが、いかがでしよう
  127. 柴田栄

    柴田(栄)政府委員 お説はまことにごもつともでございまして、私どもも貴重な国費現実におきまして相当不当にあるいは不集約に使われておるという点に関しましては、一日も早くこれが集約利用を考えなければならないと考えております。従いまして地方庁に対しましては常に密接な関連を持つて連絡をいたすと同時に、不当事実に関しましてはこれが是正を強力に申し出まして、その是正をはかつておる次第でございますが、具体的にこれの個々の責任の形の現われに対しまして、実は私どもはつきりとどういう手段をとつていただかなければならないということが、現在のところできない。ただ工事に関しましてはあくまでも不当を徹底的に是正していただく、なお将来に対しましてかような不当の起らないように処置する、こういう以外にはなかなかむずかしいと思います。
  128. 安井大吉

    ○安井委員 関連してちよつと伺いますが、国の予算を執行するには、国が直接執行するのでなくて、府県知事に国家事務として委任して、予算を令達してその予算の執行を委任しておる。そうすると国の事務に対する執行の責めは府県知事といえども負わなければならぬ。それを何もできないというのは一体どういうわけか。また、あの予算は直接に工事を経営する主体者に令達して——中間の知事はどういう立場になつておるのか。会計検査院としてはその間をどういうふうに見ておるか。これは制度の上から府県知事に、補助を抜きにしてただ監督を頼むだけであるか。予算も府県知事に令達し、その範囲で国の事務を行うのか。その法制の関係はどうなつておるか。それによつて知事の監督する範囲と国の事務執行に対する委任事務の責任が明確になるのであります。これを会計検査院と両方から伺いたい。
  129. 柴田栄

    柴田(栄)政府委員 農林漁業の災害復旧に関しましては、あるいは林道補助等に関しましては、地方長官に指導監督を委任してありまして、予算を一括配賦いたしまして、個々事業主体に令達をいたしておるのでございますが、もちろんお話の通り委託をいたしまするので、府県知事は当然の責任を背負われるわけであります。そこでこれに対しまする措置といたしましては、不当な経理の行われておりますものにつきましては、当然返還の義務が府県知事に出て来るわけであります。その他これを工事の是正によつて目的を達するという場合には、さらに府県知事の責任において工事を完了していただきましてその責任をとつていただく、こういうような手段をとつておる次第でございます。
  130. 小峰保栄

    ○小峰会計検査院説明員 ただいま問題になつております農林関係の特に林道について御説明いたします。林道で問題になつておりますのは、災害復旧と林道開設の両方の案件があるわけでありますが、ほかの農地とか漁港関係と違いまして、新しく林道をつくるという場合の出来高不足とか設計過大というものは相当たくさん上つているわけであります。それで特に災害復旧とわけて申し上げるわけでありますが、災害復旧の場合には会計予算執行上の責任者であります支出負担行為担当官は県の部長であります。それから支出官が出納長であります。林道開設の場合は、支出負担行為担当官が林野庁の職員である林政部長がこれに当ります。それから支出官は林野庁の長官でありまして、両方わけてお考え願わなければいかぬのではないかと思います。開設の場合は国の公務員が直接に当つているわけでありまして、この場合は問題ないと思います。それから府県の吏員が当る場合——災害復旧でありますが、これは農地とか漁港についても同様でありますが、県の担当部長が支出負担行為担当官、出納長が支出官、こういうことになるわけであります。かりに予算執行職員等の責任に関する法律というものの適用案件ということになりますと、府県の職員が当然に予算法上の責任を負担しなければならぬという筋合いに立つわけであります。ただいまのところまた予算法の適用案件として処理したものはございませんが、一般の懲戒という場合と異なりまして、予算執行上はこういう委任がある、その責任を負うべき地位に府県の吏員が立つ、こういうことを申し上げられるわけであります。
  131. 安井大吉

    ○安井委員 わかりました。農林省の出先機関が不正を起してその処分をすることは、今お話ようにはつきりしている。ただ、府県に委任した事項に不正が起つた場合に、金を返すことは、これはわれわれの血税をよけい使われたのだからあたりまえです。そうではなくて、その人が不正を行つた場合において、その人の身分に対して農林大臣は知事に対して何も処置がとれない、あるいは出納長に対して何もとれない、それは法律に欠陥があるのか、あるいはやらないのか、それを伺いたい。
  132. 田中彰治

    田中委員長 林野庁長官、それはあなたの方で処置とれるはずでしよう
  133. 柴田栄

    柴田(栄)政府委員 まことにどうも恐縮でございますが、私ども予算法の責任追究の権限が主務大臣にあるということをはつきり認識いたしておりませんので、研究いたしまして責任をとらしていただきたいと思います。
  134. 安井大吉

    ○安井委員 制度の上から当然あるべきだと思う。府県知事が国の事務を行つて国の金を使つている、そうしてそれが悪いことをした者に対して監督権がないといつたらまるでむちやです。私もうかつで調べてないけれども、当然国の委任事務の範囲において、それに対する監督権がなければならぬはずだと私は考えておる。そうでなければ百年河清を待つことになつて、何年たつても跡を絶たない。ついでに伺いますが、さつきの高知の営林局で何百万か財政を紊乱した、ああいう場合における営林局長の処分はどうなさつておられますか。
  135. 柴田栄

    柴田(栄)政府委員 営林局長は当然責任を負いまして退職をいたしております、と同時に、当時の関係者はそれぞれ責任を負いまして、降格あるいは転勤をいたしております。
  136. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 知事が事業の監督をする場合に、その監督上の責任について責任を負わねばならぬような事態の発生について、権限をまかせた農林大臣から知事に向つて適当なる行政上の措置がとれるかどうかについて、あなたは研究なさるそうでありますから、これはひとつぜひ研究していただきたい。私どもは古いことを多く言いたくありませんけれども、あなたの方でみずからの部下の処分をして、そして知事に対してはそのまま、何か一般的に文書をまわして、今後そういうことが起らないようによろしく頼むという式のことでは、お話ように百年河清を待つということになる。断じてこれは許さるべきことじやないのです。たまたま知事にまかしたのは、便宜上まかしたにすぎない。国家行政の角度から見まして、その者の責任を明らかにするのでなければ絶対にいけません。これは、あなたは農林省の一庁の代表者でありますから、あるいは別の機会に農林大臣によつてお述べ願つてもよろしゆうございます。何となれば、あなたの方だけじやないのであります。漁港等に関しては水産庁の方もありますし、また農地問題に関しては府県の知事もあります、要するに、この農林水産の災害復旧についての暫定措置の法律、それから公共事業についての災害復旧の国庫補助法律の二本でやる場合には、すべて今の問題が両方にひつかかつておると思いますから、これは各庁に共通した問題を持つておりますので、農林省としてひとつ明確な態度をきめて、適当な機会に当委員会にその所信を明らかにするようにしていただきたいと思います。
  137. 田中彰治

    田中委員長 それから委員諸君にお諮りいたしておきますが、決算委員調べて行くといろいろ法律の片手落ちがありますね。そういうものは決算委員から改正の法律を提案しようじやないですか。
  138. 杉村沖治郎

    杉村委員 大分時間もたつたのですが。なお質問質問で継続するとして、私は議事進行に関してひとつお諮りを願いたいと思います。それは、ただいま林野庁関係について長官に説明を伺つおつても、われわれはどうもぴんと来ないのであります。さらに農地関係についても、先ほど農林大臣に聞いても何が何だかさつぱり答えがわからないのであります。さらに農地局長に聞いてもその通りであります。実に農林関係の財政、経理の紊乱はあまりにもはなはだしいのでありまして、会期もわずかになつておるのでありますが、私はこの際吉田総理にひとつここに出てもらいたい、それから大蔵大臣農林大臣、通産大臣——まあ通産大臣にも聞かなくてはならぬことがあるのですが、こういう財政状態では、われわれはこれで日本の財政がほんとうに健全に立ち直るかどうかということが、非常に疑われるのです。そこで総理の所見を伺いたい。それから大蔵大臣意見も伺いたい、こう考えるのでありまして、適当な近い機会におきまして、私はどうしても総理が出られないのであれば、緒方副総理でもやむを得ませんが、担当各大臣に一応決算委員会に御出席を願つて、それぞれ所信を承りたいと思うのでありますが、ひとつお諮りを願つておきたいと思います。
  139. 田中彰治

    田中委員長 委員にお諮りしますが、緒方さん、大蔵大臣、通産大臣農林大臣、これは簡単に出ますが、総理になりますと、なかなかちよつと出ない。そこで総理を呼び出すなら、一回理事会にかけて、出ないということで、さようでございますかとひつ込めませんから、出ないなら、予備費の承認をしないとか何とかいう、こつちも王手をかけて呼ばなければならぬと思いますから、総理のことは一回理事会に諮つてあと緒方副総理までは委員長の権限で呼びます。
  140. 杉村沖治郎

    杉村委員 けつこうです。
  141. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それでは林野庁関係は一応以上の通りにしておきます。  そこで農林漁業金融公庫の問題を聞きたいのですが、どうもきよう理事が他の用事で出席をしないそうでありますが、やはり農林漁業金融公庫は特別会計のうち重大なものでありますので、今監査役が一人見えておりますが、こういう冷淡な態度は、委員会に対してよくないと私は思う。やはりこの公庫は唯一ともいうべき重要な公庫でありますし、のみならず、前会のときは私は農林中金も呼んでもらわなければいかぬとまで言つてつたのです。それできようは出席しておられる方に一応伺つてみますが、あなたでは答弁が困難ではないかと思うのだが、二十七年度、報告番号一五一三号、二百九十八ページ以下であります。これによりますと、昭和二十七年の八月から十月までに、農林中央金庫扱いで、愛知県の富田町の農協ほか二箇所へ灌漑排水工事の資金として六千九百六十万円を貸し付けた。ところが審査不十分であつたために、またその実情に沿わないような貸付をしておつたために、翌年の五月、つまり二十七年の八月から十月までに貸して翌年の五月ですから、七、八箇月後のことです。検査院が実地調査をしたところが、工事の一部に着手しただけで、貸付金のうち六千七百三十万円というものは金庫に預金として置かれておつた。言いかえますと、使えもしないような六千七百三十万円という莫大な金が預けられておつた。こんなふしだらな貸付をするというのは、一体どういう調査をした結果なんでありましようか。こういうことに対する考え方をはつきりと聞いておきたいと思います。
  142. 田中彰治

    田中委員長 吉田委員にちよつと申し上げますが、農林中金にしろ農林漁業金融公庫にしろ、これはここへ呼んだつていつも監査役か理事が出て来る程度ですから、きようはこのくらいにしておいて、この次には総裁を呼んで聞くことにしたらどうですか。
  143. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 けつこうですが、しかし農林漁業金融公庫の総裁は今洋行中なんです。
  144. 田中彰治

    田中委員長 ですから農林中金は総裁、監査役、理事を、それから農林漁業金融公庫は副総裁、監査役、理事をこの次の委員会に呼んで、そしてあなた方からよくお聞き願いたいと思います。もしあいまいだつたら証人として呼びましよう。何としてもこれははつきりしなければだめですから……。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  145. 田中彰治

    田中委員長 それでは本日はこの程度として、次会は明後二十一日、食糧庁関係について審議いたす予定でありましたが、今吉田委員の申出によりまして、農林漁業金融公庫、農林中金を呼んで調べることにいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時四十六分散会