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吉田(賢)
委員 ちよつと
大臣に一、二点別の問題を伺いたいのですが、二十七年には会計検査院の
決算検査
報告が出ず、二十六年には出ておるのでありますが、それは農業
災害共済保険に関する案件でありますが、このこまかいことは別にいたしまして、私が
大臣に伺いたいことは、この二十六年の
報告書の二百二十ページによりますと、既応年度の
決算報告記載事項についての処理
状況でありまして、つまり再保険料の徴収が未済であるという問題でありますが、ここでこの再保険料の内容は何かということは別といたしまして、近来の農業
災害共済保険の
災害再保険の特別会計を通じまして、この共済
事業、保険
事業、再保険
事業というものが近年非常に重要視されて参
つております。そこでたとえば昨年の
予算についてみましても、二十八年度の基金勘定、農業勘定、家畜勘定、業務勘定を合せますと、百八十六億一千百余万円にな
つております。二十九年度の
予算を見てみますと、同じく四つの勘定を合計しますと、百七十億三千六百余万円にな
つております。たいへんな額であります。そこでこの農業経済局からいただいた
資料によりますと、二十八年度一年度における農業共済連合会における不足金の統計なるものが出ておりまして、四十四億三千七百余万円、こういうことにな
つているわけであります。
〔
委員長退席、安井
委員長代理着席〕
か
ような数字が現われておりますが、申し上げるまでもなく、共済なり、あるいは
災害共済なり、この種の保険
事業につきましての連合会の役割は相当重要であろう、こう
考えるのであります。
ところが、
現実におきまして四十四、五億円にわたる不足金が生じておりまして、これはことごとく負債によ
つて一応穴埋めがせられておるものと思うのであります。こういうことにな
つて参りますと、その機能が実際においては麻痺しているのではないだろうか。そのよ
つて来る原因につきましても、ただ制度の運用というだけでなしに、かなり腐敗もしておるのではないだろうか。ことにこういう
ような大きな
予算を国が年々組んでおります
事業の運営におきまして、大事な中間機関でありますので、これらの連合会がこういう
状態で進んで行きますと、これは何らかの手を打たなければ、事実上機能の能力を失
つてしまうということになるのではないだろうか、こういうことも実は案じるのであります。
もつとも私自身がこの共済保険に関する
事業の実態につきまして十分研究いたしておりませんので、あるいは事実にそぐわない、机上の推測と議論にな
つておることを実はおそれるのでありますけれ
ども、この連合会の莫大な赤字というものは、やはり年々常識的な問題にせられておるのでありますが、こういう
ような
状態につきまして連合会のこの赤字をなくするということが必要ではないだろうか。あるいはこういうことのよ
つて来る原因はどういう
ところにあるのであろうか。このままの
状態を継続して行くと、年々五億円もさらに赤字が累算されて行くことになるのじやないだろうかということも実はおそれるのであります。これにつきまして百七、八十億円も
予算を組んでおります
事業の非常に重要な機関でありますので、
農林省といたしまして相当根本的なお
考えもおありであろうと思いますし、一方またこれにつきまして農林
委員会などは、いろいろと将来のあり方について具体的な案を
検討準備しつつあると聞き及ぶのでありますが、それとは別に私
どもは
決算的な経理面の立場からしまして、非常に憂慮すべき経理
状態であるというふうに
考えておりますので、この点につきまして政府の御方針を聞いておきたい、こういうふうに思うのであります。