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1954-02-15 第19回国会 衆議院 決算委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年二月十五日(月曜日)     午後一時二十一分開議  出席委員    委員長 田中 彰治君    理事 大上  司君 理事 松山 義雄君    理事 柴田 義男君 理事 杉村沖治郎君       越智  茂君    田中 角榮君       徳安 實藏君    牧野 寛索君      山口喜久一郎君    藤田 義光君       阿部 五郎君    山田 長司君       吉田 賢一君    池田正之輔君  出席国務大臣        大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君  委員外出席者         会計検査院長  佐藤  基君         日本開発銀行総         裁       小林  中君         日本開発銀行理         事       松田 太郎君         日本開発銀行審         査部長     竹俣 高敏君         参  考  人         (日本長期信用         銀行取締役頭         取)      原  邦道君         参  考  人         (日本興業銀行         常務取締役)  島田 英一君         専  門  員 大久保忠文君         専  門  員 岡林 清英君     ————————————— 二月十五日  委員有田二郎君、犬養健君、片島港君及び中村  梅吉君辞任につき、その補欠として山口喜久一  郎君、田中角榮君、山田長司君及び池田正之輔  君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十七年度一般会計歳入歳出決算  昭和二十七年度特別会計歳入歳出決算  昭和二十七年度政府関係機関決算報告書  政府関係機関の収支(日本開発銀行造船融  資)に関する件     —————————————
  2. 田中彰治

    田中委員長 これより決算委員会を開会いたします。まず委員諸公にお諮りいたしますか、黄変米麻袋事件について、この別の委員会において吉田委員より、上司にその責任を追求するという件がここで可決されました。そこでこのたびの黄変米麻袋の問題に対して、農林官事務次官前谷食糧庁長官進退伺いを出さなければならぬというようなはめに陥つておるのでありますが、今まで許して来たのでありますから、このたびのこの事件にこの人二人だけこいうことは、委員長考えてちよつこ不公平のように考えますから、二十七年度からは容赦なくそういう問題がめつたときにその責任を負わすことにして、二十六年度のことでもありますので、これ一度だけは事務次官前谷食糧庁長官行政処分に関する件の決議は許してやりたい、こういうぐあいに考えておりますが、委員諸公はどうお考えでありますか。
  3. 柴田義男

    柴田委員 委員長の今のお話ごもつともでございますが、私どもはこういう問題が再び起きないことを大いに警告しなければならぬということで、黄変米の問題と麻袋の問題を徹底的に追究したのでありましたが、しかもこの麻袋の問題につきましても、黄変米の問題にいたしましても、現在の前谷長官の時代ではなかつた。ただ前谷長官が現在当面の責任者として当委員会でいろいろと説明や、われわれの質問に対しまして率直な答弁をされたのでありまするから、前谷長官に対しましては、私も同様の考えを持たざるを得ないのでありますが、ただ実際不用な麻袋を三百万袋も購入し、重ねて五百万袋を購入いたしまして国損を莫大に出しておる。こういうような状況を見ました場合に、当時の責任者東畑氏が食糧長官であつたと記憶しております。今次官でございまするが、事務次官進退伺いというのは、東畑氏がお出しになつたのでございましようか、あらためてお尋ねしたいと思います。
  4. 田中彰治

    田中委員長 東畑氏です。事務次官です。そこで私は委員長といたしまして、内緒でたとい自由党の幹部あたりから言われてもそういう取引はやらない。委員諸公にお諮りして決算委員会というものはやはり公平なものだというところに権威があると思うから、二十六年のことであるからひとつこれをどうです、杉村委員進退伺いを出す、という程度に行つているのだから、相当反省しているのだから、これをひとつ考えて、全員で許そうじやありませんか。
  5. 杉村沖治郎

    杉村委員 私は特に委員長から名ざしがありましたから意見を述べるのですが、前谷さんは、今柴田君が言うように、実際当時の責任者でないので、しかも当委員会においては相当良心的にお答えをされておるので、まつたく気の毒である。しかしながらさらにその上に進退伺いを出すという気持は、われわれはまことにけつこうであると思うのだが、従つて前谷さんについては同様に考えます。なるほど職務は違つておりますけれども、当時の食糧庁長官が今次官をしておる。しかもその次官の職は、ほかの職と違つて食糧関係に最も重大なる影響を持つ農林関係にあるということにつきましては、東畑さんも当決算委員会において、まことに良心的な答えをされておるので、私はこれにむち打つということはまことに忍び得ないと思つておりますが、その東畑さんの良心的な答弁のあつたことと、われわれそれにむち打つという積極的な気持はありませんけれども、そういういうことだけでわれわれが許すとか許さぬとかいうようなことにまで決算委員会が立ち入つて……。
  6. 田中彰治

    田中委員長 いや、そうではなく、決議を出すことをやめようじやないかということです。
  7. 杉村沖治郎

    杉村委員 それはけつこうです。それならよろしい。
  8. 柴田義男

    柴田委員 それではこの問題は、私どもの党内の同士諸君とよりより協議をしなければならない問題でありますから、私は一人で自分の主観だけで論ずることは非常に危険があると思いますので、この委員会閉会後に理事会をお開き願いまして審議願いたいと思います。
  9. 田中彰治

    田中委員長 吉田委員はどう思われますか。
  10. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私はやはり当時の問題を論じて行くと、大臣関係も生じて参りますし、なお幾多重大な問題が山積しておりまするので、委員長意向を尊重するということにして、この黄変米麻袋については、そういうふうにして、あの決議趣旨は今後有効に生かして行きたいと思います。
  11. 田中彰治

    田中委員長 それではあと理事会を開きます。     —————————————
  12. 田中彰治

    田中委員長 去る十一日、昭和二十七年度決算及び国有財産増減計算書が本委員会に付託されました。よつて昭和二十七年度一般会計歳入歳出決算昭和二十七年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十七年度政府関係機関決算報告書を議題として大蔵省及び会計検査院当局からその大綱について、説明を聴取したいと思います。  まず大蔵大臣から御説明を願います。
  13. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 昭和二十七年度一般会計歳入歳出決算、同特別会計歳入歳出決算及び同政府関係機関決算報告書会計検査院検査報告とともに、本国会に提出いたしましたのて、その大要を御説明申し上げます。  昭和二十七年度予算執行につきましては、予算編成趣旨に従い、かつその目的の実現に鋭意努力いたしますとともに、その経理につきましても厳正かつ適正な執行に意を用いたのであります。これがため諸般の制度について整備改善の措置を講ずる一方、会計職員に対する研修等の強化をはかり、これら職員資質向上にも極力配意いたしたのでありますが、なお、会計検査院から千八百十三件に上る不当事項の御指摘を受けるに至りましたことは、種々事情の存することとはいえ、遺憾にたえないところであります。これにつきましては、綱紀の粛正を一層強化するとともに、さらに会計法令整備経理職員資質向上をはかる等、予算の適正かつ効率的な運営の確保に一段努力を傾注いたしておる次第であります。  以下決算内容を数字をあげて御説明申し上げます。  一般会計決算額は一兆七百八十億円余、歳出決算額は八千七百三十九億円余でありまして、歳入歳出を差引きますと二千四十八億円余の剰余を生ずる計算であります。この剰余金から、昭和二十八年度に繰り越しました歳出財源に充てなければならない金額千百八十九億円余、及び昭和二十六年度剰余金使用残額四百五十五億円余を差引きますと四百二億円余が二十七年度新たに生じた純剰余金となるのであります。  なお右の剰余金二千四十八億円余は財政法第四十一条の規定によりまして、翌年度すなわち昭和二十八年度歳入に繰入れ済みであります。しかして、そのうち、二十七年度新たに生じました純剰余金四百二億円余の二分の一を下らない額に相当する金額につきましては、同法第六条の規定によりまして公債または借入金の償還財源に充てられるものでありまして、これに関しましては、昭和二十九年度予算において措置せられております。  以上の決算額予算額と比較いたしますと、歳入におきましては予算額九千三百二十五億円余に対して千四百六十二億円余の増加となるのでありますが、このうちには二十六年度剰余金の受入れが予算額に比べて千百八十七億円余を増加しておりますので、これを差引きますと純然たる二十七年度歳入としては二百七十四億円余の増加となるのであります。その内訳租税及び印紙収入における増加額二百三十一億円余、専売納付金における増加額三十二億円余、官業益金及び官業収入における減少額八億円余、政府資産整理収入における増加額三十二億円余、雑収入における減少額十二億円余となつております。  一方歳出におきましては、予算額九千三百二十五億円余に、二十六年度一般会計からの繰越額七百三十一億円余を加えました予算現額一兆五十七億円余から、支出済額八千七百三十九億円余を差引きますと、その差額は千三百十七億円余でありまして、そのうち翌年度に繰越しました額は前述の通り千百八十九億円余、不用額は百二十七億円余となつております。  右の翌年度への繰越額のうち、財政法第十四条の三第一項の規定によつて、あらかじめ国会の承認を得て翌年度へ繰越しました金額は千百七十一億円余でありまして、その内訳のおもなものは、安全保障諸費防衛支出金におきまして、事業計画作成、現地の調査、資材の調達等相当の期間を要しましたため年度内支出を終らなかつたもの、警察予備隊費警察予備隊施設費等におきまして、土地選定工事計画作成等に不測の日数を要しましたため年度内支出を終らなかつたもの、平和回復善後処理費におきまして、事業計画年度末に施行されたのと、連合国財産補償費におきまして補償請求に対する支払金額の確定に相当時日を要したこと等によりまして、年度内支出を終らなかつたもの、旧軍人遺家族等援護費におきまして、遺族年金及び障害年金の裁定が年度内に完了できなかつたため年度内支出を終らなかつたもの等であります。  また財政法第四十二条但書の規定により避けがたい事故のため翌年度へ繰越しました金額は十七億円余でありまして、その内訳のおもなものは、国際通貨基金出資金終戦処理事業費等におきまして相手方との連絡協議等に予想以上の時日を要したため、相手方請求書類の提出が遅れたこと等の事故により年度内支出を終らなかつたもの、公共事業費等におきまして天候の不順、電力事情の悪化、敷地の選定難等関係工事が遅延し、年度内支出に至らなかつたもの等であります。  次に不用額でありますが、その内訳のおもなものは保安庁の警察予備隊費におきまして、欠員補充が予定より遅れたこと等によるもの二十五億円余、調達庁終戦処理事業費におきまして、前年度から繰越した経費のうち、年度内に使用し終らなかつたこと等によるもの十三億円余、農林本省農業共済保険特別会計出資におきまして、同特別会計農業勘定における収入状況から繰入額を減少したことによるもの十一億円余等であります。  次に予備費でありますが、昭和二十七年度一般会計における予備費予算額は三十億円でありますが、その使用総額は二十七億円余でありまして、これにつきましては第十六回国会において全額御承諾をいただいております。  次に一般会計国庫債務負担行為について申上げます。財政法第十五条第一項の規定による国庫債務負担行為権能額は三十六億円余でありますが、このうち実際に負担いたしました債務額は三十五億円余でありますので、これに既往年度からの繰越分を加え、昭和二十七年度中に支出その他の事由によつて債務の消滅いたしました額を差引きました金額四十七億円余が翌年度以降に繰越されたこととなります。  また財政法第十五条第二項の規定に基く国庫債務負担行為権能額は三十億円でありますが、このうち実際に負担いたしました債務額は四百万円余でありまして、既往年度からの繰越分は、二十七年度中にその債務が消滅いたしましたので、翌年度以降へ繰越した額は二十七年度負担した四百万円余であります。  次に昭和二十七年度特別会計決算でありますが、これにつきましては、それぞれの決算書によつて御了承願いたいと思います。なお、同年度における特別会計の数は三十五でありまして、これら各特別会計歳入決算額は一兆三千四百九十九億円余、歳出決算総額は一兆二千百三十六億円余であります。  次に、昭和二十七年度政府関係機関決算でありますが、同年度における政府関係機関の数は九機関でありまして、その決算内容につきましては、それぞれの決算書によつて御了承願いたいと思います。  以上昭和二十七年度一般会計特別会計及び政府関係機関決算につきまして、その概略を御説明申し上げたのでありますが、詳細につきましては、さらに御質問の都度説明申し上げたいと存じます。何とぞ御審議のほどお願いいたします。
  14. 杉村沖治郎

    杉村委員 ただいま大蔵大臣説明があつたのでありますが、これに続いて質問する時間が大蔵大臣にあるならば、われわれは続いて質問をしたいのでありますが、他の関係におきましてどうしてもやむを得ないとするなれば、いつ大蔵大臣質問することができるのか。それを明確にしていただいて、この議事を進行していただきたいと思います。
  15. 田中彰治

    田中委員長 お諮りいたしますが、委員長としては会計検査院長報告を聞いて、そうして大蔵大臣に対する委員諸君質疑をここでやつていただくと非常に都合がいいのですが、予算委員会があるのを無理しておいでになつたのだから、きようは大蔵大臣には帰つていただいて、あと都合がいいときに予算委員会から来てもらつて質疑をすることにいたします。よろしゆうございますか。     〔「了解」と呼ぶ者あり〕
  16. 田中彰治

    田中委員長 次に会計検査院長から検査概要について説明を願います。佐藤会計検査院長
  17. 佐藤基

    佐藤会計検査院長 昭和二十七年度決算検査報告につきまして、その概要を御説明いたします。  昭和二十七年度歳入歳出決算は、昭和二十八年十一月三十日内閣から送付を受け、その検査を了して昭和二十七年度決算検査報告とともに昭和二十八年十二月二十五日内閣に回付をいたしました。その検査報告には、国の収入支出決算の確認、検査上不当と認めた事項のほか、会計事務職員に対する検定、主務官庁に対する改善意見の表示、政府関係機関に関する検査事項等を記述してあります。  昭和二十七年度一般会計決算額は、歳入一兆七百八十八億余万円、歳出八千七百三十九億余万円、各特別会計決算額合計は、歳入一兆三千四百九十九億余万円、歳出一兆二千百三十六億余万円でありまして、一般会計及び各特別会計決算額総計いたしますと、歳入二兆四千二百八十七億余万円、歳出二兆八百七十五億余万円となりますが、各会計間の重複額等を控除して歳入歳出の純計額を概算いたしますと、歳入一兆七千八百十一億円、歳出一兆六千六百十億円となり、前年度に比べ、歳入において千二百七十八億円、歳出において六百五十八億円の増加なつております。  政府関係機関昭和二十七年度決算額総計は、収入五千六百九十四億余万円、支出四千百五十一億余万円でありまして、前年度に比べ、収入において二百五十億余万円、支出において三百二十七億余万円の減少なつております。  以上申し上げました国の会計及び政府関係機関会計決算額のうち、会計検査院においてまだ検査が済んでいないものは総計五十五億七千五百余万円でありまして、そのおもなものは、建設省の建設機械整備費の七億七千百余万円、同じく安全保障諸費の七億二千九百余万円、総理府の警察予備隊施設費の五億千二百余万円、特別鉱害復旧特別会計歳出五億七百余万円などであります。  次に、会計検査の結果、経理上不当と認めた事項及び是正させた事項として記述した件数は、合計千八百十三件に上つております。また、このほかにも経理上妥当と認めがたいものとして、それぞれの関係責任者に対し警告を発し、改善を促した事項も多数あります。二十七年度は、二十六年度の千百九十八件に比べますと六百十五件の増加なつておりますが、これは特に検査重点を置いた補助金経理部面で六百六十六件の増加なつていることが主因でありまして、その他の一般経理部面においては減少を示しております。  今この千八百十三件につきまして経理態様別金額を概計いたしますと、不正行為による被害金額が七千百余万円、架空経理など法令または予算に違反して経理したものが四億五千二百余万円、検収不良などのために過渡しなつているものが二千四百万余円、補助金交付額が適正を欠いているため返納または減額を要するものなどが十三億五千六百余万円、歳入等徴収決定が漏れていたり、その決定額正当額を越えていたものが五億二千六百余万円、工事請負代金物件購入代金等が高価に過ぎたり、または物件売渡し代金等が低価に過ぎたと認めたものの差額分が一億七千百余万円、不適格品または不急不要の物件購入など経費が効率的に使用されず、いわゆる死金を使つたと認められるものが六十六億八千百余万円、その他の雑件を含めて総額百二億九千余万円に上つております。  二十七年度は、二十六年度の三十億五千八百余万円に比べますと、七十二億三千百余万円の増加なつております。これは主として食糧の不適格品購入したりまたは不急不要の物件購入したなど経費が効率的に使用されていないもので五十五億二千七百余万円、また補助金交付額が適正を欠いているため返納または減額を要するものなどで十億五千四百余万円の増加なつているためでありますが、他方架空経理分で九千五百余万円、不正行為による被害金額で五千七百余万円、検収不良などのため過渡しなつているもので五千余万円の減少を示し、これらの面においては経理改善あとが認められます。しかしながら、国民の租税をおもな財源とする国及び政府関係機関会計に、このように不当な経理が多いことははなはだ遺憾にたえない次第でありまして、これらは主として法令もしくは予算の軽視または責任観念の稀薄によるものと認められますので、その責任を明確にするとともに、会計検査院においても不当経理発生の根源をふさぐことに努力を傾けている次第であります。  検査の結果の概況は租税収納未済予算効率的使用補助金、契約の締結、物品の管理、予算不当経理職員不正行為の各項目にわけてこの検査報告に記述いたしてありますが、そのうち特に留意を要する収納未済予算効率的使用及び補助金について概要説明いたします。  まず歳入収納未済についてであります。昭和二十七年度一般会計収納未済額は五百四十五億余万円で、その徴収決定済額に対する割合は約四・八%に当り、前年度の約六・五%に比べて好転しております。この一般会計収納未済額特別会計収納未済額百十一億余万円を合せますと、収納未済額は六百五十七億余万円に上り、そのうちおもなるものは租税収入の四百四十二億余万円、公共団体工事費分担金の六十九億余万円、食糧売払代の三十六億余万円であります。これらの当年度分収納未済額のほか、既往年度分収納未済額並びにまだ徴収決定をしていないものがあることなどを考慮すれば、事実上の収納未済額はなお多額に上るものと認められます。なお公共団体工事費分担金収納未済につきましては、府県においてこれが納付について積極的意向に乏しいものがあり、昭和二十六年度以前の分について見ましても、二十八年九月末現在、農林運輸建設各省合計三十二億余万円の多額に上つている状況であります。このように徴収が遅延していることは、同分担金納付したものと納付していないものとの負担の均衡を欠くばかりでなく、未納についての責件感を薄くさせるもので、すみやかに是正を要するものと認められます。これらの収納未済額については、国の財政にかんがみ、その徴収の促進についてなお一段努力の要があると認められます。  次に、予算効率的使用についてであります。工事について見ますと、計画厖大に過ぎたり、調査設計が粗漏なため手もどりを来したり、実施が破行しているものがあり、また物品について見ますと、事前調査が不十分であつたり、計画が未熟であつたため、過大調達なつたり、物品選定を誤り、不急品、不適格品等購入したものがあり、また役務などについて見ますと、運送料土地借料等の支払いについて節約の余地のあるものなどがあります。今そのおもな事例をあげてみますと、工事については、裁判所庁舎整備において計画厖大に過ぎ、工事の途中において打切りまたは縮小のやむなきに至つたり、北海道開発局隧道工事地質調査が不十分なため手もどりを来したり、日本電信電話公社工事命令の遅延、部内連絡の不十分などのため電話局改式工事の完成が遅延したりしていて、使用予算に比べ不経済な結果となつているものがあります。物品については、食糧庁不急麻袋を多量に購入したり、品質の粗悪なイラク産の大麦を多量に購入したり、黄変粒が混入しているビルマ米購入したなどのため、著しく不経済な結果を来したものがあります。また役務などについては、調達局土地の借上げなどに際し、土地使用方法の一部を制限すれば足りる事態であるのに、土地使用収益権の全部を借り上げるなどしているものがあります。このような事例に徴し、予算効率的使用について、なお一層の改善を要するものがあります。  最後に補助金についてであります。補助金経理に関しては、特にその対象となる事実の審査、交付時期、交付後の監督及び精算等の諸点において適正を欠いているため、補助金返納または減額を要するものなどが総計十三億五千六百余万円に上つており、前年度の三億百余万円に比べますと著しく増加しております。これら補助金に関する不当経理のうち、特に農林運輸建設各省所管災害復旧事業関係のものについては、すでに昭和二十六年度決算検査報告において多数指摘したところでありますが、これらの事象は広く全国に瀰漫しておりますので、会計検査を実施するにあたつては、特に補助金検査重点を置いた次第であります。そして右の三省所管の分では、九千三百五十九の工事現場実地検査しましたところ、その二三・四%に当る二千百九十一工事について不当な事態を指摘することとなつたのであります。この不当な二千百九十一工事について補助金を除外すべき額は、九億二千百余万円に上つておりまして、その補助金総額四十二億八千二百余万円の二一・五%に相当するものであります。なお会計検査院実地検査した九千三百五十九の工事現場は、全国における工事現場約十万九千余に対しわずか八・五%にすぎないものであります。今これら不当経理のおもな態様をあげてみますと、災害を受けた事実の認められないものや、災害復旧とは認められない改良工事災害復旧事業として補助金交付対象とした事例や、工事の施行が疎漏で補助目的を達していないもの、あるいは設計通りに施行されていないのに施行されたこととして処理したため、補助金超過交付なつている事例や、事業主体が正当な自己負担をしていなかつたり、そのうちには補助金以下で工事を完成し剰余を生じたこととなつている事例などが多く見受けられるのであります。このように多数発見されます不当経理の発生原因としましては、事業費の査定は主務大臣だけの権限とされているのでありますが、主務省の現況においては、工事量及び工事費について適切かつ責任ある査定をすることが困難なため、ほとんど大部分のものが机上査定によつていて、実情に適合していないことや、工事の実施におきましても、事業主体側における工事施行能力が不十分なため、疎漏な工事などを施行し、さらに現場検査が行き届かず、これら補助目的を達しないものなどがそのまま見のがされて竣功の取扱いとなつていること、並びに事業主体が正当な自己負担を忌避する事実が相伴つていることなどであります。これに対する防止対策としましては、支出負担行為制度の整備、現地査定の強化、小事業主体工事の合併施行、適正な実施設計作成、不誠実な事業主体及び請負人に対する補助取消しまたは指名停止、工事監督機能の充実などを配慮すべきであると認められます。  このような事態にかんがみ、会計検査院においては、その都度関係当事者に対し注意を発してその是正を求め、これが改善方について関係各省に意見を表示したところでありまして、地方公共団体においては、これに対する改善の反応が見受けられるところもないではありませんが、各省においてもすみやかにこれら不当経理の防止対策を樹立し、その絶滅を期し、国家財政上重大な比率を占めている補助金についての、効率的使用を確保することが緊要であると存じます。  なお検査報告説明を終るにあたりまして、会計検査院検査方針及び検査状況について一言つけ加えたいと思います。国及び政府関係機関などの会計経理に対しましては、会計検査院は特に収入の確保及び支出の節約をはかり、経費を効率的に使用し、また事業を能率的に運営し、物件を経済的に管理及び処分するとともに、一般的に当務者の経理の適正を期し、かつ不当事項の是正及び発生の防止をはかるなど、適正な経理事務の執行を確保するよう検査の徹底を期したいと存じている次第であります。  会計検査院検査は、書面検査及び実地検査の二方法によるのでありまして、書面検査においては、昭和二十七年十二月から二十八年十一月までの間に国及び政府関係機関等の歳入歳出等に関する計算書及び証拠書類を検査したものは十三万五千余冊、四千二百余万枚であります。また同期間中に実地検査を施行した箇所は約二千五百箇所であります。なお現金、物品のあり高や張簿整理の状況検査する場合などは、必要に応じて予告しないで実地検査を行い、検査の徹底を期しております。会計検査に伴い関係者に対して質問を発したものは一万千余件に上つていますが、会計検査院検査の結果及び経理上の所見に対しましては、検査を受ける側の一層機敏な反応による内部是正が望ましい次第でありますので、国会におかれましても、この点についての一層の御支援をいただきたいものと存じております。
  18. 田中彰治

    田中委員長 会計検査院にちよつとお尋ねしますが、全般にわたつてどれくらいですか、四分の一ぐらい検査しておりますか。
  19. 佐藤基

    佐藤会計検査院長 検査箇所は約一万二千あります。そうしてここに書いてあります通り二千五百箇所を検査しております。すなわち箇所別に考えると、四分の一足らずということになります。しかしながらこの一万二千の中には大きいのもあり小さいのもありますので、支出経費の点から考えますと、実地検査をした支出金額は大体総額の八割以上というふうに計算しております。
  20. 田中彰治

    田中委員長 それでは会計検査院長説明に対する質疑を待つていただいて、開発銀行から総裁が来ておりますから、そこで造船疑獄に対する数字的なものに対してちよつと聞いてみたいと思います。  なお昭和二十七年度国有財産につきましては、時間の都合上次会に説明を求めることといたしたいと思います。従いまして本日は昭和二十七年度決算のみの説明を終りましたが、各省所管に対する本格的審議につきましては、追つて理事会協議の上、日程を決定いたしたいと存じます。     —————————————
  21. 田中彰治

    田中委員長 それでは前会に引続き、政府関係機関収支のうち、日本開発銀行等の造船融資に関する問題を議題として調査を進めます。  まず本日の参考人として日本興業銀行取締役川北禎一君、日本長期信用銀行取締役頭取原邦道君の両氏を招致し、意見を求めたいと存じましたが、そのうち取締役川北禎一君が支障のため出席できかねますので、これにかえて同銀行取締役島田英一君を参考人に招致いたしたいと思います。従いまして前に述べました原邦道君と島田英一君の二人を参考人に指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 田中彰治

    田中委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお運輸省の海運局長及び船舶局長は、衆参両院の運輸委員会に出席されておる関係上、とりあえず海運局の監督課長がここに出席いたしております。また日本開発銀行から総裁小林中君が説明員として特に出席されておりますから、申し添えておきます。  そこで本日出席された参考人その他の各位に一言申し上げておきます。すなわち造船融資に関する問題の調査にあたりましては、世上種々とりざたされておりますが、当委員会におきましては、その重点を政府機関である日本開発銀行並びにこれと関連性のある日本長期信用銀行等の融資に限る次第であります。従つて経理上の数字にわたる面も多々あろうかと思いますので、極力詳細にかつ率直に説明され、問題の解明に協力されるよう切望する次第であります。  それでは質疑を許します。大上司君。
  23. 大上司

    ○大上委員 理事諸君の了解を得まして、ごく簡単に二、三質問をいたします。
  24. 田中彰治

    田中委員長 だれにですか。
  25. 大上司

    ○大上委員 開発銀行に……。今度の造船の融資の問題は、ほとんどわれわれ当委員会でも各委員がそれぞれの立場から言つておられるのですが、財政資金である。われわれ決算委員から見まして、これがいかに効率的に使われたか、あるいはこれがどのような効果を現わしているか、または国損がどこにあるか、もしも国損が出たならば、それはどういう関係で、どういう理由に基いて国損が出たのかということは、国民とともによく批判し、さらに将来を期して資金の効率的な使い方に持つて行きたい、このような観点から、われわれ当委員会におきましてもこれを重大視したのです。そこでまず一点お尋ねしたい点は、これまたそれぞれの立場でありますが、もしも当委員会が計数的に、その最終の委員会目的から見まして、これを非常に調査をいたしますると、法務大臣が特に当委員会に申入れをされまして、諸般の事情から見てこれらの調査は云々というお話がありましたのですが、われわれはそのようには考えない。当然検察官とわれわれ国会との結論のとり方も違えば、調査の立てようも違うのだ。それで開発銀行の総裁といたしまして、もしもこれを調査する場合には、はたして法務大臣がおつしやるがごときことになるのかならないのか。まずその一点お尋ねしたいと思います。
  26. 小林中

    ○小林説明員 ただいまの御質問に対しては、法務大臣がいかなる御答弁をしたか存じませんが、開発銀行としては、皆様の御了解の行くように、できるだけ協力して御説明を申し上げたいと思つております。
  27. 大上司

    ○大上委員 では質問を続けます。まず、いろいろといわれておりますが、この委員会におきましても、たとえば計画造船の決定について、いわゆるいろいろな審議過程であるとか、あるいは運輸大臣の所管事項にかかること、またはこの造船合理化審議会等の権限等もよく承知をしておりますから、そのつもりで御回答願いたいと思います。  まず先般の本委員会におきまして、運輸大臣は、いろいろな船価のきめ方につきましては、特に九次船におきましては、開発銀行の意見を非常に尊重したのだ、こういうふうな結論が出、私はそのときに運輸省は何をしておるのだ、計画造船の船主決定権が、いわゆる行政府にあるなら当然これは行政処分じやないか、あなたたちが行政権を放棄することはもつてのほかだという発言をしておきましたが、それについて当局からいろいろ説明がありましたが、問題はどの程度に開発銀行が発言なされ、この決定に当つてどの程度の役割を果したかという点をまずお尋ねしたいと思います。
  28. 小林中

    ○小林説明員 ただいまの御質問でありますが、開発銀行が造船融資をいたします際は、御承知の通り計画造船でありますので、まず最初に政府がその年度の海運政策を確立いたされまして、その年度に幾らの船をつくるかということをおきめ願うことがまず先決問題だと思います。そこでかりに三十万トンなら三十万トンを建造するのだという政府の方針がきまりますると、その次には予算措置がそれに伴つて行われるのではないかと思つております。従つて予算措置がきまるというふうな順序になりまして、そうして具体的な問題に入ると思うのであります。大体基礎はそこで大きな資金がきまつて参るのであります。開発銀行といたしましては昭和二十七年の十月に見返り資金を計上いたしまして、それから二十八年度におきましては造船資金の融資ということを扱つて参つたのでありまして、開発銀行という建前から行きまして、一応造船融資をいたしまする場合に、その基準と申しますか、そういうものを運輸省に問いただしまして、運輸省からその基準の返事がありましたら、その上で、開発銀行といたしましては、各船会社に対して、資産、信用力、並びに経営能力という点を十分に審査をいたしまして、そうしてそういう角度において開発銀行の意見をまとめて、運輸省に申入れる、こういうふうな順序になります。
  29. 大上司

    ○大上委員 あまり時間がありませんようで、要点だけ聞きます。非常に重大なる問題だろうと思いますが、たとえばこの船会社の計画造船に漏れるか漏れないかということは、運輸省の所管の関係もあるが、特にあなたの方では経営能力と資産状態という問題があります。そこで資産は当然株主総会その他に発表すべきものでありますから、これは問う必要もないんだが、それでは経営能力はどのような判定基準をもちましてお出しになりましたか、すなわち国民が納得するような経営能力の点をどのような基準でおきめになつたか、それが第一点。  第二点は、開発銀行それ自体の運営なり、その法律等はよく承知しておりますが、私どもは最後の決定権は当然小林さんにあると思いますが、この開発銀行の行内におけるところの船主の決定権は、最後にはどなたがお持ちになりますか。たとえば理事会において最終的にというのか、あるいは理事会で上つて来たものを総裁がまた経営能力あるいは資産というもので変更でき得るのかできないのか、まずこの二点をお尋ねします。
  30. 小林中

    ○小林説明員 ただいまのお尋ねでありますが、経営能力という点はいろいろな角度から調べております。これは松田理事並びに審査部長からよく詳細にお聞き願えば内容がわかると思います。そうして最後の決定は、これは開発銀行としての決定ですが、開発銀行としての決定は、役員会で実際は合議の上で決定いたしておるのであります。
  31. 大上司

    ○大上委員 松田理事並びに審査部長等に対する質問は時間がありませんのであとでお聞きすることにいたしまして、大体の方向はわかりました。そこで問題を切りかえまして、今日新聞紙上でも言われ、また当委員会でも問題になりましたリベートの問題であります。開発銀行の扱われたところの船は第一次船からでなくして、うんと後期でございまするが、あなたの方の基準では当然資産能力といいあるいは船価というものを非常に重く見なければならないのじやないかと思います。たくさんの会社を一率に扱つておられるのだから、Aという会社の船価、すなわち造船所ですが、この契約船価が、たとえばカーゴー・ボート五千トンのものが七億九千万円、これは大体二十七年です。ところがたとえば同じ五千五百トンのグロス・トンでとつて行こうとする場合に、十一億円出たという場合に、皆さん方の開発銀行としては迷われると思うのですが、船価の基準の立て方を那辺に置いておられましたかということをお尋ねします。
  32. 小林中

    ○小林説明員 船価の基準と申しましても、一律一体に同じ船と申しましても、トン数は同じでも内容が多少航路によつて違う場合がありますので、船の内容違つて来ますと、多少船価に影響があるということは考えられるわけであります。ただわれわれといたしましては、われわれ開発銀行において造船融資を扱つて参りました際に、どうしても船価を引下げなければいかぬということで、かなり船価引下げには努力したつもりでおるのでございます。
  33. 大上司

    ○大上委員 他の委員もおられますから、これで総裁に対する質問は打切りますが、問題は商習慣ともいわれているところのこのリベートは、総裁または開発銀行の理事役員諸君はよく承知しておられたかおらないか。従つてよく了解しておられるならば、今日のような問題は起つて来ないのです。皆さん自体がいろいろ調査すればわかりますが、リベートの計算が出たということは、調査が疎漏であつて、なおかつ、国民の財政資金を使いながら、あまりにも放漫なる船価のきめ方、あるいは経営能力の判定にあるのではないかと思います。私たちは、特に本委員会においてはどの委員もそうですが、今の御説の通り、船価のきめ方について、たとえばつけるところのエンジンがタービンであるとか、デイーゼルであるとか、あるいは速力がどうだとか、あるいは定期がどうだとか、不定期がどうだとかいうことは皆さんみな承知しております。だから要点は、そういうふうな問題が現実に出て来たから、国損の面から見るならば、あなたの方の調査、あるいは貸付等はいささか疎漏に過ぎたのではないか、これを最後にお尋ねしたいと思います。
  34. 小林中

    ○小林説明員 最近リベートの問題が大分やかましい問題になつて参つたようでありますが、実は開発銀行としては審査部でそういうものは全部調査をいたしたのであります。審査部で各会社からいろいろな書類を提出させまして、その資産内容とかあるいは経営状態とかいうものを長い間調べておりましたが、その中にリベートの問題というのは、具体的には出ておらなかつたのではないかと思います。その当時私どもは審査部からはさようなことは聞いておりませんでした。それは事実あるとすれば、われわれはそこまで審査というか調査をしなかつたということに結論がなると言えば言えるのでありますが、しかしこれは私どもの立場から行きますと、そういう権限はないのでありまして、相手方から出して来る書類を基準にして、その書類が合理的に合つておるかいないか、不合理の点があれば、そういうものは究明いたす、こういうことです。
  35. 大上司

    ○大上委員 時間がないから打切ろうと思つておりましたが、奇怪千万なるお話を承りましたので再質問いたします。なぜならば、今のお言葉からすれば、出された書類が合理的になつておればそれによつて出すのだということは、いわゆる形式だけ整つておれば、実情が相違してもそれに融資しなければならぬというようなお考えで総裁は開発銀行を運営なさつて来たのか、これが第一点。  第二点は、いわゆる一般の採算率といいますか、銀行を経営するについてのコストといいますか、お宅さんはそういうコンマーシャル・バンクではない、その面から見て、少しく放漫であつたということを国民の目の前で認められますか、認められませんか。この二点だけをお尋ねしておきます。
  36. 小林中

    ○小林説明員 ただいまの御質問で何か形式的にものがなつておればいいのだというお話でありますが、私どもはそういう意味ではございません。ただ私銀行として相手方の何か調査をするとか、あるいは相手方のいろいろな書類をこちらから行つて調べる権能というものが与えられていない。(「おかしいな」と呼ぶ者あり)それはそうだろうと思うのです。実情はこうなんですよ、相手が出さなければどうしても……。     〔発言する者多し〕
  37. 田中彰治

    田中委員長 御静粛に願います。
  38. 小林中

    ○小林説明員 審査部の実情をよくお聞きくださいませ。そうすれば私よりむしろよく御納得行くと思います。
  39. 田中彰治

    田中委員長 藤田義光君。
  40. 藤田義光

    ○藤田委員 私は時間が非常に貴重でありますから、率直に要点だけお伺いしたいと思います。日本開発銀行の総裁小林中氏は最近非常にジャーナリストその他の方面の注視を浴びられております。現に本日はこのように多数の言論人が押しかけて、一挙手一投足を注目しておるのでありまして、私は全国民の注視する本問題に関しまして数点にわたり、総裁だけに限りましてお伺いしたいと思います。  まず第一点は、日本開発銀行法によれば、総裁は総理大臣の任命によつてきまるようであります。しかしながら監督は大蔵大臣の監督を受けております。小林総裁がしばしば白金の総理大臣官舎にごきげん奉伺に行く理由は、この法律ではつきりしております。吉田総理の金融側近ということもいわれております。なるべく長くその地位を保つためにはやむを得ないことかもしれませんが、私はこの日本開発銀行法の規定が矛盾してやしないかと思う。任命は総理大臣であつて監督は大蔵大臣から受ける、ここに開発銀行の今後の運営に一つの大きな問題があると私は思うのでありますが、総裁は現在の任命制度と現在の監督制度で何ら支障ないとお考えでありますか、それとも非常にやりにくいから改正してほしいという意見でありますか、まずお伺いいたします。
  41. 小林中

    ○小林説明員 ただいま仰せの通り、私と副総裁は総理の任命ということになつておりまして、銀行の業務は大蔵省の監督ということになつております。しかし仕事をする上におきましては、時々大蔵省と連絡をとつてつておりますので別に仕事の上には支障はないと私は思つております。
  42. 藤田義光

    ○藤田委員 現に造船資金をめぐりまして大きな問題が起きておりまして、支障があるから私は質問いたしておるわけでありますが、この点は見解の相違になりそうですから省略いたします。  ただいま同僚大上委員質問に対しまして、書類によつて審査する、従つて行員が出かけて行つて現実の調査をするような権限はないということを言われましたが、これは何かの間違いじやないか。一般銀行法によりましても当然そういうことはできる仕組みになつております。まして国民の資金を全額背負つておられる開発銀行の責任者が、書類だけによつてこの貴重な財政資金を散布するというような不謹慎な発言をされることは、われわれには納得行かぬのでありますが、何か思い違いであろうかと思いますので、もう一度お伺いしておきます。
  43. 小林中

    ○小林説明員 ただいま私の言葉をそういうふうにお聞きとりになりましたことは、まことに遺憾と思います。(「そう言つたじやないか」と呼ぶ者あり)だから遺憾だと思います。そういうことでありましたら、審査部からはその会社に出かけて行つて書類を見、また調査もいたすのでありますが、ただ私が申しましたのは、法律的建前からそこの捜査をするというふうなことまではできないんだ、こういうことを申し上げたわけであります。
  44. 藤田義光

    ○藤田委員 私は何も刑法上の捜査とかなんとかいう意味で申しておりません。現実の調査は当然できるんじやないか。そういうことでないと、われわれは日本開発銀行に国民の税金を預けるわけに行かぬのでありまして、いま一度御答弁願います。
  45. 小林中

    ○小林説明員 ただいまのリベートの問題がありましたので、そういうふうなことを申し上げたのでありまして、審査といたしましては、各会社に対しまして十分調査をしておりますことは、これは審査部長からよく内容をお聞きくだされば、おわかりのことと思います。
  46. 藤田義光

    ○藤田委員 私はここで一審査部長の職務権限等を聞いておりません。総裁としての大権限をどう考えられておるかということを聞いておるのであります。大上委員質問に対しまして、もしリベートの事実があれば、これは確かに開発銀行の落度である、従つて自分も責任を感ずるというような意味の発言がありましたが、そのように解釈してよろしゆうございますか、どうですか。もしこれを落度であるというふうに考えられましたならば、今後融資の面でどういうふうに是正される方針でありますか、お伺いしておきます。
  47. 小林中

    ○小林説明員 ただいまの御発言でありますが、開発銀行がある期間においてそれを調査するという上からいいますと、リベートの問題は、開発銀行としてはそこまで調査できなかつたことは事実であります。ただ、現在伝えられているがごときリベートであれば、相手方は開発銀行に対してなかなかそういうことは言わないことがあるのじやないかと思います。しかしこれは非常な長い時間をかけて開発銀行が調査をしますれば、あるいはそういうものも発見できたのではないかと思うのであります。
  48. 藤田義光

    ○藤田委員 現にもう関係方面の手が入りまして、リベートという現実が具体的に現われておる。従いまして、この問題を今後融資の面でどういうふうに処理して行かれるか、今年の予算書によれば実に百八十五億という海運資金が総裁に預けられることになつておるのでありまして、こういう関係からして非常に国民が心配している点でありますから、重ねて総裁としての御所見を伺つておきます。
  49. 小林中

    ○小林説明員 ただいまリベートの問題が世の中にいろいろにうわさされております。さような事実があるといたしますれば、開発銀行は今後造船所の貸金の使い方並びに船会社の資金の使い方に対して詳細にこれを取調べて行かなければならぬものだと考えております。
  50. 藤田義光

    ○藤田委員 取調べるだけでは問題の解決にならぬと思いますが、ほかの質問がありますから先に進みます。  次にお伺いいたしたいのは、第九次の前期の造船融資は、開発銀行が責任を持たれて、運輸省は手を引いておつたように私たちは了解いたしておりますが、事実でありますかどうですか。
  51. 小林中

    ○小林説明員 海運政策の上から行きまして、航路計画は前期の際も運輸省がきめられたのであります。開発銀行としては資産、信用力及び経営能力という点に限つて審査をして参つたのであります。ただ後期の場合は、前期の場合と違いまして、造船所のあり方というものが取上げられておりますので、それと今の航路計画が大体運輸省で考えられたという違いはあります。
  52. 藤田義光

    ○藤田委員 ただいまの総裁の答弁は非常に重大でありまして、航路計画を中心とした諸般の権限は運輸省にあるが、融資に関する諸般の権限は開発銀行にある、そういうことになりますと、現下全国民の注視を浴びておりますリベートという融資に直接した問題はあげて開発銀行総裁の責任になる、運輸大臣責任にあらずという結論が出て来るわけでございますが、今の御説明間違いありませんか。運輸省と開発銀行の造船に関する権限の限界に関しまして、いま一度御答弁願います。
  53. 小林中

    ○小林説明員 建造の許可というものは運輸省が最後にされるのであります。運輸省は主として今の航路の問題、造船所のあり方という問題を考えられます。私の方は銀行という建前で資産、信用力及び経営能力、こういうものを考えて行きまして、そうして両方が意見を持ち寄つて、その最後は運輸省の建造許可ということに相なるんだと思います。
  54. 田中彰治

    田中委員長 藤田君時間がありませんから……。
  55. 藤田義光

    ○藤田委員 それではその点は後日に譲りまして、次にお伺いしたいのは、開発銀行が財政資金をもつて海運、造船業に対する融資をやりまして、不足の資金が出て参ります。この不足の資金はあげて市中金融機関から融資されておるのでありますが、この市中金融機関の融資に関しましては、開発銀件としましては、何ら容喙されぬという建前になつておりますかどうですか。資金の中心が財政資金でありますがために、私は財政資金の散布責任者たる開発銀行総裁は不足分の市中金融の融資に対しまして、相当の権限と関心を持つべきじやないかと考えておりますが、この際総裁の所見を伺つておきます。
  56. 小林中

    ○小林説明員 実は造船資金を融資する場合には各船会社から申込みがあります。その申込みは、政府できめました七・三というような資金の割合の三割が各金融業者からついて来たものを申し込んで参るのでございます。それを土台に開発銀行は審査をするということでありまして、市中金融機関が船舶建造に対して資金をつけることに対しては、開発銀行はほとんど何らの関係はないというふうな順序でございます。
  57. 藤田義光

    ○藤田委員 そうしますと、現実に厖大財政資金を造船にまわしておられる総裁が、まず市中金融機関のひもがついておるということを前提に審査されるということは、私はまことに不見識であると思う。当然開発銀行が主導力を持つべきでありまして、この点は何か実際の運営上の誤解ではないかと思うのでありまして、そういうことをすれば、たとえば三菱造船のごとく三菱銀行と直結している船会社でなければ、船はつくれぬというような、非常な弊害も出て来ると思うのであります。開発銀行が国家財政資金を持つておりまして、国家的な見地から造船資金の散布を考えられるということになれば、この点に対する公正な処理ができるようになると思うのでありますが、実際の運営はただいまの総裁の御答弁で間違いないかどうか、この点を伺いたい。
  58. 小林中

    ○小林説明員 それは松田理事から御説明申し上げます。
  59. 松田太郎

    ○松田説明員 ただいまの点、少し総裁の御説明に誤解があつたかと思いますが、七割につきましては、開発銀行が責任を持つてつける、そうして開発銀行が大体内定をいたしましたあとは、市中が残りの三割についてつくかどうかということは、船会社の責任において市中と相談をせられて、その市中もつくということになりましてから、建造許可を運輸省の方はせられる、こういう順序になります。
  60. 藤田義光

    ○藤田委員 最後にお伺いいたしたいのでありますが、日本開発銀行法の四十条には、第一項で大蔵大臣の監督を規定いたしております。第二項におきましては、大蔵大臣は必要とあれば業務命令を出せるという規定がございます。私は現在の造船融資の問題はまことに重大である、従いまして大蔵大臣は、即時この問題に関しましては業務命令を発しまして、詳細な——すでに済んだことでありまするが——調査をやると同時に、今後の計画をすべきであるということを考えておる一人であります。しかるに大蔵大臣は業務命令を出す段階ではないというふうな解釈でありますが、この際総裁に、大蔵大臣のいわゆる業務命令というのは、どういう場合に出すべきものであるかということを、ひとつ命令を受ける総裁としての解釈をこの機会に伺つておきたい。
  61. 小林中

    ○小林説明員 業務命令と申しましても、どういう種類のものか私にもはつきり納得が行かないのでありますが、ただ大蔵省には監督権がありまするので、常に大蔵省とは連絡をして業務の運営をしておるのでありまして、その際私どもは船舶建造融資をいたします上において、別に落度はなくやつておると考えておるのであります。これは大蔵省が業務命令を出す必要がありと考えれば、お出しになるのがよろしいのでありまして、私どもが出す必要があるとかないとかいうことを申し上げることではないと思います。
  62. 藤田義光

    ○藤田委員 ただいまの答弁に関しまして、これで質問を打切りますが、造船融資に対して落度がないということであります。これは速記録を調べて、いずれ機会を改めてお聞きしますが、リベートの問題では落度があるというふうにはつきり答弁をされておるのであります。しかりとすれば、開発銀行法の四十二条に「大蔵大臣は、必要があると認めるときは、日本開発銀行に対して報告をさせ、又はその職員をして日本開発銀行の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他必要な物件検査させることができる。」とありますが、私はリベートの問題が発生しておる今日においては、こういう検査が非常に急いでされるべきであると考える一人でありまして、この検査の結果に基き日本開発銀行に対して業務命令を出せるというのが、四十条の第二項であります。そういう段階に問題は到達しておると思うのでありますが、落度がない、現在スムーズに運営しているという認識をもつて開発銀行の造船融資を続けておられるという総裁の御答弁は、私は非常に不満でありますけれども、本日はほかの質問がありますから留保いたしまして、後日に譲りたいと思います。
  63. 田中彰治

    田中委員長 杉村沖次郎君。
  64. 杉村沖治郎

    杉村委員 私は資料を本日いただいので、まだ十分検討いたしておりません。そこで私は基本的の問題こついて、開発銀行の総裁に伺つておきたいと思うのであります。この間運輸大臣大蔵大臣等から開発銀行から貸出しをしまするところの船舶の性質及び会社等を決定をするについて話を伺つたのでありますが、まずそれについて、大蔵大臣等の意見意見として、あなたの今日までとり来つたところのそれを一応聞かしていただきたいと思います。
  65. 小林中

    ○小林説明員 先般から御説明申し上げております通り、開発銀行といたしましては、船舶建造融資をいたします場合に、その申込みをした船会社に対して、個々に資産、信用力及び経営能力というようなものを十分に、あらゆる角度から調査し見て行く、そうして融資の対象として適格であるかないかをきめる、こういう立場であります。
  66. 杉村沖治郎

    杉村委員 それで、そうしていろいろの立場から検討してきめるとおつしやるんですが、それはあなたがお一人できめるのですか、だれがどういうことをきめるのですか、そういうことを伺いたい。
  67. 小林中

    ○小林説明員 銀行の組織といたしまして、まず営業部が申込みの受付をいたしまして、そうして大体の審査をいたしまして、それから審査部にまわりまして、審査部で相当時間をかけまして、あらゆる角度から会社の内容等の審査をいたします。その審査の報告が役員会にかかりまして、役員会におきまして、役員が不審な点はいろいろ質問いたしました結果、役員会で各役員が納得の行つた上で決定をするという順序になつております。これは船だけではありません。全部そういうような順序でやつております。
  68. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると、今のような経路によりますところの手続によつて、最終決定はあなたお一人できめるということになつておつたのですか。
  69. 小林中

    ○小林説明員 事実上は役員会で、各役員からいろいろな意見が出まして、そうして役員全部の納得の行つた上できめているということが実情であります。
  70. 杉村沖治郎

    杉村委員 あなたの今までの話のことはわかつているのですが、そうすると、あなた以外に、あなた以上の者と別に相談をしないで、あなただけで会社あるいは船等を決定して、そうして貸付を行つているかどうかと、こう聞くのです。そうすると、わかりにくいかもしれませんが、あなただけで決定するのではないように今までわれわれ聞いているものですから聞くのですが、ほかに相談をするとか協議をするという者はないのですか。あなたの監督者である、あるいは運輸大臣とか大蔵大臣等と協議をするというようなこともないのですか。
  71. 小林中

    ○小林説明員 ただいま申上げましたように、資産、信用力、並びに経営能力という点は、開発銀行で一応きめまして、そうしてその結果を運輸省に通達いたしまして、そうして運輸省と協議の上で決定をする、こういうことであります。
  72. 杉村沖治郎

    杉村委員 どうもあまりそう幾つも言わなくても、もう少しすつと言つてもらつたらいいと思うのだが、運輸省のだれとあなたは協議するのですか。いま少し具体的にずぼつと、遠まわしでなく説明していただきたい。
  73. 小林中

    ○小林説明員 それは事務折衝ですから、運輸省の海運局と開発銀行の事務当局が折衝をいたすのであります。そして最後は、事務当局で折衝をして済んだところで、運輸大臣と私が会つて決定するという形になります。
  74. 杉村沖治郎

    杉村委員 事務当局が定めて、最後にあなたがやる形となるということを言う。どうもまことにいいかげんな答えですな。運輸大臣とあなたが最後にきめるということは、形ではなくして、下僚のやつたことを総裁や大臣がほんとうに見て、あなた方の見識によつて、これが適当であるか、不適当であるかということを決定の上できめるのではないか。あなた方はロボツトのように、事務当局が打合せをしたらと言葉の上で言つておるんだが、そんないいかげんな答えでよろしいのですか。
  75. 小林中

    ○小林説明員 ただいま申し上げましたように、金融の角度、つまり資産、信用力、経営能力というものは開発銀行がきめる。そこでそれをきめたものと、運輸省の今の航路事情とかあるいは造船所事情とかいうものを合せまして、事務当局がお互いに話をし合つて、最後の決定は運輸大臣と私が会つて決定をするということであります。
  76. 杉村沖治郎

    杉村委員 それですから、あなたがさつき答えたように、形だけじやないでしよう。あなた方が決定をしたのは形じやなくて——笑いごとじやないんだ、総裁は。ふまじめきわまる。形だけじやないでしよう。いやしくもあなた方が決定したものは、これは最もよろしい、こういうことで決定するのでありましよう。そんないいかげんなことを言われては困る。  それはそれでよろしいが、先ほどあなたは他の委員への説明で、リベートということを言われたが、リベートということは今まですつと行われて来ておつたことでありますか、ありませんか。
  77. 小林中

    ○小林説明員 私は今までリベートということが行われて来たという確実な知識は持つておりません。
  78. 杉村沖治郎

    杉村委員 いま一つ重ねて聞きますが、あなたはリベートについて研究したこともなく、今日までこれほど新聞にたくさん出ておるんだが、新聞を見て初めて知つたことでありますか。
  79. 小林中

    ○小林説明員 リベートというものは、もしあるとすれば、各会社の、バランス・シートに本来あるべきだと私は思います。それがほんとうだ、バランス・シートに入るべきだと思います。
  80. 杉村沖治郎

    杉村委員 あるとすればバランス・シートに入るべきだということを今言われたが、いかなるわけで入るべきなのですか。その説明をしてもらいたい。
  81. 小林中

    ○小林説明員 私は会社の一つの収入だと思います。現在はあつたということになつておりますが、従来でもかりに商習慣とかそういうものであつたとすれば、会社の収入に立てべきものだと考えます。
  82. 杉村沖治郎

    杉村委員 あなたは先ほど知らないと言われたんですが、あつたなれば会社のそれに入るべきものだということをおつしやられる以上は、それがいかなる性質のものであるかということを御存じなくては、そういう答えはできないはずだと思います。それは会社の帳簿に載るべきものだと言うが、知らない人からどうしてそういう言葉が出て来るのですか。
  83. 小林中

    ○小林説明員 最近リベートの問題は非常によく内容が判明されましたので、今の判明されたようなリベートであれば、私はそういう解釈をとるべきだと考えるものであります。
  84. 杉村沖治郎

    杉村委員 それではその点はあとでまた研究して伺うことにいたします。これは私が資料を手に入れてまだ時間がありませんので、十分調べておりませんが、昭和二十五年三月二十四日に貸付をいたしましたところのあまぞん丸、会社は旭海運、以下たくさんの会社に貸付がいたしてありまして、ただいま問題になつておりますところの山下汽船に対して貸付をいたしました山下丸、これの造船について貸付をしたものを初め、その他たくさんの会社に貸付がいたしてあります。初期の償還期限に金が入らないで、たくさん延期を承諾いたしておるようでありますが、これは一体従来どんなわけでこんなにたくさん金が償還期限に入らないのでありますか。いかなる事情ですか。それを一つ一つ伺うと、たくさんの会社でありますから、これはそういう詳細については追つて事務当局の人にお伺いいたしますけれども、大体においてこれはたくさんあるのでありますが、いかなる事情でこんなに当初の償還期限を延期しなければならないような事情にあつたのでありましようか。
  85. 小林中

    ○小林説明員 各会社の事情によつてその利益金の率も異なると思いますが、大体総体的に見ますと、御承知の通り、海運界は最近一年以上非常に不況になり、国際競争が激甚になりまして、利益金が下つて来た。そういうわけで海運会社の収入は非常な激減をした結果、やむを得ざる事情がそういうふうな形になつて現われて来たのじやないか、こういうふうに感じます。個個の問題に対しましては、あるいは理事、あるいは部長から詳細に御説明を申し上げたいと思います。
  86. 杉村沖治郎

    杉村委員 かくのごとくたくさんの貸付口数について満足に償還がされてないということ、当初の貸付調査においてまつたく能力のないようないいかげんな会社に情実関係で貸し付けたり、あるいはその他いろいろの事情から、こういうように償還をさせないでこれを承諾しておつたというようなことが、今日のこの造船汚職の問題として現われて来たのではあるまいかと私どもは想像するのでありますが、しかしそれはわれわれの想像でありまして、数字の根拠はまだありません。しかし資料は持つておりますから、この貸料を十分調査して追つて伺いたいと思つておるのでありますが、あなたの今日までの貸付経緯において、貸しつけなさつたあとで、ああ、あの会社はまずかつた、われわれが当初調査したときのような状態とは少し見込みが違つておつたというような会社は一つもございませんでしたか、いかがでありましようか。あるいは情実関係から延ばしておつたというようなことはございませんでしたか、いかがでしようか。
  87. 小林中

    ○小林説明員 日本開発銀行が貸しつけましたのは、二十八年度造船融資からであります。従つて資金の返済になりますものは、今日は、そのずつと前の見返り資金当時のものが問題なのであります。従つて開発銀行といたしましては、政府が三十万トンの建造をするという政策を立てました以上は、三十万トンをできるだけ返済能力のある会社に貸しつける、こういう方針で参つておるわけであります。
  88. 杉村沖治郎

    杉村委員 私が伺つたのはそういうことを伺つたのじやない、あなたが貸しつけて、最初の調査において調査したことと、後になつて、あれはどうもまずかつたのじやなかつたかということがなかつたかということを問うておる。そんな政府の方針などはあなたに聞かなくてもすでに知つております。
  89. 小林中

    ○小林説明員 二十八年度から、今申しましたことく貸しております。しかしその貸しつけの期間におきまして、まずかつたと思うようなことは現在まだ起つておりません。
  90. 田中彰治

    田中委員長 吉田賢一君。
  91. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 開発銀行の総裁に二、三伺います。あなたの方で造船融資をするのに際しまして、まず審査部でいろいろ審査して重役に報告するらしいという御説明を聞いたのでありまするが、融資を受けた船会社を政府提出資料によつて一覧してみますると、船、三井、飯野そういつたような大きな、どこから見ましても資力、信用力がありそうな、また戦後相当船がなお残つておりそうな会社は、たいてい漏れなく割当を受けておるようであります。そこで私の伺いたい点は、あなたの方も運輸省と協力して最終決定に相当役割を占めておられるのだが、このような大きな船会社とそれよりも資力、信用力において劣る船会社、そういつたものとでは審査の結果は相当区別が現われて来ると思うのだが、大体におきましてその辺は何か基準がなければなるまいと思うのであります。といいますのは、たとえば郵船とか商船とか三井、飯野とかいうようなところであれば、そう深く調査をしなくてもいいかもしれない。あるいは調査をしないものは当然選に入るかわからない。そうしたらそれ以外のものが十分調査をされるということになるのかもしれない。こう思いますので、大体その辺はどういう基準において貸付の対象選定するということにしておられるのか、根本方針を聞いておきたいのです。
  92. 小林中

    ○小林説明員 それは郵船でも商船でも三井船舶でも同率な建前で調査をいたして参つております。従いまして郵船とか商船とかあるいは三井船舶というようなものは、仰せの通り他の船会社よりも資産、信用力等が強力であることも事実でありまするので、融資をする場合に、あるいは他の会社が一隻の場合二隻融資ができるというふうに資産、信用力等の点で差異は出て参りますが、しかし審査をする場合には、同じ角度から同じ方法で全部を審査をいたしております。
  93. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 審査の方法を聞くのではなしに、審査の結果といたしまして、資産内容、経営能力等がおもな調査対象なつておるらしいのであるから、そうするならば当初からもうある大会社は当然選に入つておる。そうでないものが実質上審査されるという結果になるのじやないかということを聞いておるのです。
  94. 小林中

    ○小林説明員 ただいま申し上げましたように他の会社には一隻融資をする場合にも、あるいは郵船とか商船とか三井とかには二隻融資をするというふうな場合がありますが、三井とか郵船とか商船を調査しなくてもよろしいのだというふうな建前は私どもはとつておりません。やはりその会社の負担能力というものを考えまして融資をいたして参つております。
  95. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私の聞くのは一隻が二隻になるようなこともあろう。そこで負担能力の限界もある。これはよくわかる。しかしながら、まず資力とか信用力とか経営の能力などを調査なさるという場合には、勢い今申し述べたような、大きな会社を除いた以外のものに重点が置かれて、それらの大会社は当然ともかくある選に入る資格を持つておる、こういう前提になつておるのではないかということを聞くのであります。
  96. 小林中

    ○小林説明員 それはかりに二十社ありましても、三十社ありましても、同じ角度で同じ方法で各会社について調査しておりまして、リストも同じようにずつとみな出て来るのであります。だから決して郵船とか商船とか、そういうものは調査はよろしいのだというておりません。
  97. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますると、選に漏れたものについては、どういう事情があつたということになりましようか。これはあなたの方の選に漏れたのですから、何らかの意見があろうと思いますので、ひとつ聞いておきたい。
  98. 小林中

    ○小林説明員 それはただいま申しましたように、各会社の資産、信用力の比較でありますから、比較の上から行きまして、選に漏れたのは選に入つたのよりその内容が多少劣つておるという結果——要するに私どもがやつておる仕事は、数字がものを言うのでありまして、あらゆる方面から寄せて来ましたところの数字、あるいは数字に近いもの、そういうものの累積の形で行くのでありますから、そういう結果にならざるを得ないのであります。
  99. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 数字が基礎になることはよく存じております。しかしながら数字にはいろいろな性格もあるし、また数字の価値もあるし、また調査の仕方、出し方によりまして、その信憑カの問題もあるわけであります。それならは選に漏れたものは、選に入つたものよりも必ず常に資産、信用力、経営能力等において劣つておる。もしくは負担能力がなかつた、こういうことが言い得られるのでしようか。あるいはそうではなくして、いわゆる造船疑獄といわれておるように、いろんな問題を引起しておることにかんがみまして、やはりそれはもつと調査をすればよかつたということが相当あるのではないでしようか。その辺のことを聞いておきたい。
  100. 小林中

    ○小林説明員 開発銀行に関しまする限りは、資産、信用力等の調査においては、ただいま申し上げましたような事情であります。但し、これは運輸省の航路計画、造船政策というようなものが加味して参ることは御承知の通りだと思いますが、開発銀行に関しまする限りは、そういう順序で決定いたしております。
  101. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 別の角度から聞きたいのですが、あなたの方は融資をする対象に決定するときに、もしその会社に現内閣の閣僚が重要な代表者、取締役、監査役というようなものに入つておるときには、そういうものは特別に別の意味において除外するとか、あるいは考慮するとか何とかされたかいなか、そういうことの調査をせられたかどうか、それはいかがでしようか。
  102. 小林中

    ○小林説明員 船会社に現在の閣僚とかあるいは幹部が重役とかその他に名を並べておられましても、私ども調査には一向そういうものは感覚の上には上つておりません。(「じようだん言うな。そういうことはちやんと出すのではないか」と呼ぶ者あり)だから、それは調査をする上においては、何らの影響はないということを申し上げておるのです。むしろ私どもの感覚から行くと、マイナスには多少なるかもしれないというように考えております。
  103. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 マイナスになるというような、そういう理想論を持つておる人もあろうと思う。ところが悲しいかな、現実においては、そういうところが非常に優遇されておるという事実は、大蔵省の提出した資料あるいはあなたの方から出しておる資料によつて明らかなんです。たとえば新日本汽船の山県元の厚生大臣、これは社長であります。二十七年十月末以来ごく最近に至りまするまで厚生大臣を勤めておつたのであります。これにあなたの方は多額の貸付をしておるのであります。またあるいは協立汽船の監査役に元の大蔵大臣が就任しておられる。これも二十七年から八年に至りまするまで、その間やはりあなたの方が融資しておるのであります。そういつた場合には除外するというくらいなことの方が穏当じやないでしようか。現に大蔵大臣がその会社の重要な監査役をなしておるようなところに融資するのは、穏当でないとお考えにならぬでしようか。マイナスになるというような考え方をしておられるならばなおさらそういうふうに考えて行くべきでないかと思う。ことにまた太平洋海運は現大蔵大臣が取締役でありまして、これは最近辞任をしたということが新聞に出ておりましたけれども、当委員会におきましてもこの点質疑されたのであります。こういう閣僚が幹部を占めておるようなものに対しては、むしろ貸付を除外するくらいの方が国民から見れば公平だと思いますが、どう思いますか。
  104. 小林中

    ○小林説明員 これは各事務の関係から詳細に御説明申し上げたいと思いますが、私の記憶しておりますところでは、二十八年に開発銀行が扱いまして、特にそういう会社に特別に融資したということはありません。特に後期におきましては、山県君の会社、あるいは大蔵大臣関係の会社、あるいは前大蔵大臣の向井さんの会社とかいうものはみんな落ちているはずであります。融資はしておりません。
  105. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それではその点はなおあなたの資料と全部突き合せまして、あとに譲ることにいたします。同様に新日本海運、大野伴睦さんが取締役をしている会社に対しても同様におつしやるわけでありましようか、念のために聞いておきます。
  106. 松田太郎

    ○松田説明員 ちよつとお伺いいたしますが、会社名を。
  107. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 新日本海運。
  108. 松田太郎

    ○松田説明員 それは融資いたしておりません。
  109. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 同様におつしやるのですね。
  110. 松田太郎

    ○松田説明員 はい。
  111. 田中彰治

    田中委員長 吉田委員、時間が大分来ておりますが、またもう一度……。
  112. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それでは開発銀行の総裁はよいといたします。
  113. 田中彰治

    田中委員長 柴田義男君。
  114. 柴田義男

    柴田委員 簡単に伺います。先ほど同僚委員質問に対しまして御答弁がございましたことを承つておりますと、開発銀行は二十八年度以降融資をやつておられる、こういうことであります。そういたしますと、第八次までは関係なく、第九次から開発銀行が融資をされた、こうおつしやるのでございましようか、どうでしようか。
  115. 小林中

    ○小林説明員 第九次からです。
  116. 柴田義男

    柴田委員 そういたしますと、第八次までの分をただそのまま前から肩がわりをなしたのでございましようか。肩がわりをなさいます場合に、やはりいろいろな資料をもつて調査の上でされたのでございましようか、その点を承りたいと思います。
  117. 小林中

    ○小林説明員 これは見返り資金の関係でありますので、開発銀行としてはそのままそつくり肩がわりいたしたわけであります。
  118. 柴田義男

    柴田委員 どうも政府関係の金融機関では、そういうきらいが今までこの問題に限らずあつた。たとえば今の問題は見返り資金の関係で、前に融資が行われたものをそのまま肩がわりをやる。今度は開発銀行から、中小企業金庫が生れると、やはりそういう形で肩がわりをやつておる。非常に無責任のようにわれわれは考えられるのですが、肩がわりをされました結果、その後の回収状況というものはどういう比率で行われておりましようか。その点を簡単でよろしゆうございますから承りたいと思います。
  119. 小林中

    ○小林説明員 その点は、私かりに、見返り資金の肩がわりしたものの回収がどういう比率でありますか、あるいは復金に肩がわりしたものがどういう比率でありますかということをこまかく数字をもつて説明できません。係の者からひとつお聞き取りを願いたいと思います。しかし、そんな非常な支障はなく参つていると考えております。
  120. 柴田義男

    柴田委員 本日私が配付を受けました資料によつて見ましても、肩がわりをされました昭和二十五年、六年、七年と、こういう年代における貸付の回収率というものは、ほとんど見るべきものがないように、この資料の上では見受けられるのですが、今のようなお話でございますると、肩がわりをされましたものに対しましては、大きな責任をお感じになつておられましようか。その点を承りたいと思います。
  121. 小林中

    ○小林説明員 肩がわりをいたしましたものでも、開発銀行が肩がわりしたものは開発銀行の責任として十分感じておりますし、十分努力をいたしております。
  122. 柴田義男

    柴田委員 言葉の上では十分責任を感じておられるとおつしやいまするけれども、現実の資料から見ますると、回収の率が非常に悪い。こういうことが政府関係の金融機関が国民大衆から疑惑の目を持つて見られる大きな原因ではないかとわれわれは思うのです。新聞紙上等にも、今度の計画造船に対しまして、全然資本を持たないものでも、たとえば市中銀行が三〇%を貸しつけるという証明一本あれば十億の船がつくれるのだ。しかも三〇%は市中銀行が貸しつけて、七〇%は開銀が貸してくれるのだ。銀行当局者といろいろな交渉がうまくさえ行けば、一銭の資本を持たなくて十億の船でもでき上るのだ。そうしてでき上つた船に対しましては、造船会社はリベートを一割ないし一割五分やつておる。リベートというものは汽船会社がそのままただもうけてしまうのだというようなことが巷間伝えられておる。そういう根本的な、融資に対するお考えは——肩がわりのものに対してはさらに責任を感じておらない。そしてまた融資する場合にも、その相手を、先ほど来の御説明を承りますと、信用あるいはその会社の内容等を十分御調査なさる、こういうお答えではございますけれども、しからば今問題になつております山下汽船のごときは、現に浮貸しをやつておる。こういう場合に、ほんとうに銀行当局が書類等を詳細に御調査なつたということがどうして言えるのでありましようか。その点を承りたいと思います。
  123. 小林中

    ○小林説明員 継承債権に対しては、私ども別に継承いたしましたものですから責任はないのだというふうななおざりの考えはいたしておりません。開発銀行としては同一な責任を感じまして回収の努力をいたしております。ただこれは係の者から詳細に御説明申し上げると思いますが、その回収状況は、船は御承知の三年間すえ置きというようなことになつておりまして、数字の上から行きますと、最近に回収になるということで、数字はそれほど大きくはないと思いますが、これについては係の者から詳細に御説明申し上げることにいたします。それでその他の問題に対しましては、私どもは極力自己資金の充実ということを今慫慂しております。かりに融資をする場合におきましても、その会社に資本増加をしてもらいたいというふうな条件をしばしばつけまして融資をしているというふうな状況であります。
  124. 柴田義男

    柴田委員 もう一つお伺いしますが、市中銀行と同順位で担保に関する考え方をお考えのようでございまするが、われわれしろうとでこの点はわからないのですが、同時期にお貸しになるために同じ順位でこれを担保としておとりになるのでございましようか、その点をひとつ承りたいと思います。第二の点でございますが、保証人はその会社の常務取締役以上の役員と規定されておるようでありますが、その会社の常務取締役は、平取締役よりも資産的なあるいは信用的な内容が悪くても、会社の常務取締役以上の者であれば、個人保証の対象になるのかどうか、この二点と、最後に見返り資金から引継ぎましたものに対しまする利子補給の点はどうなつておりましようか、この三点を承りたいと思います。
  125. 小林中

    ○小林説明員 ただいまの御質問でありますが、市中銀行と協調融資をいたしまする場合は、むしろ市中銀行は市中銀行を先順位にしてくれという希望が間々あるのであります。しかしながら、それは国家資金であるから先順位にすることは困る。どうしても同一順位でなければいかぬということで、同時に一つ目的に対して融資をしますために、同順位にしている実情であります。  次に重役の個人保証でありますが、これは常務重役以上は当然その業務に常に携わつておりますから、これは保証を願つております。それから平取締役も資産、信用力等がある者はできるだけ保証をとつて参る、こういう方針であります。
  126. 柴田義男

    柴田委員 その御方針はわかつたのでありますが、平取締役等で個人保証をやつておるのが現実にたくさんありましようか、今までの例でよろしゆうございますから承つておきます。
  127. 小林中

    ○小林説明員 それは今事務当局に聞きましたが、具体的に今調べておりませんから、次に調べて御報告申し上げます。
  128. 田中彰治

  129. 山田長司

    山田(長)委員 国民の血税を船会社に次々と貸しているわけですが、そのお金を貸す場合に、船の価格がもちろんあなた方の調査によつてはつきりしたことによつてお金を貸すわけだと思うのですが、その船の調査はどういう機関で調べておられるのか、それを一応伺いたいと思うのです。
  130. 小林中

    ○小林説明員 それは審査部長から一応御報告申し上げます。
  131. 山田長司

    山田(長)委員 総裁わからぬですか。
  132. 小林中

    ○小林説明員 どういう機関といいますと、いろいろ船の構造とか、そういうものを調べましようから、審査部長の方がよく御説明がつくと思います。
  133. 山田長司

    山田(長)委員 金を貸す以上はやはり一艘の船の単価が、審査部長から総裁のところに報告が行つていると思うのです。その結果船の価格が幾らだということに従つてその七〇%なるものの金を貸すことになると思うので、そういう価格というものは、どういう基準を出されて、審査部長でもあるいは調査部長でもいいですが、総裁のところに出されておるのか、わかつた範囲でひとつ知らせていただきたい。
  134. 竹俣高敏

    ○竹俣説明員 まず造船所と造船契約ができます。従つてそこで船価が取引としてきまるわけであります。まず当然それを考えます。結局船にはいろいろ種類がございますので、たとえば速力の速いもの、おそいもの、またそこに使う機関、あるいはその船の中でもどういうルームを持つておるか、たとえば輸出のために生糸の部屋を置かなければならぬ。たとえばシルク・ルームのあるものは、かりに同じトン数でも単価が違つて来るというようなことがございますので、それを全部勘案いたしましてきめるわけでございます。これは表がございます。あるいはもう一つ申しますならば、海上保険をつけます場合に何ノットのどの程度のトン数の船はどうであるというような大体の基準がございますので、造船所あるいは船主御自身がこの船価を幾らにしようかとおきめになるほどあるいは詳しくはないかもわかりませんが、それに準ずるくらいの調べはいたしております。
  135. 田中彰治

    田中委員長 山田委員、時間がないから、なるべく総裁に聞いてください。
  136. 山田長司

    山田(長)委員 それでは総裁に伺います。先ほど理事会なり役員会なりの話が出ておりましたが、その役員会の記録というものはちやんと残つておるものかどうか。
  137. 小林中

    ○小林説明員 役員会の記録といいまして、各役員がいろいろ発言をした個個の問題の記録は残つておりませんそうです。しかしそれは、結論になりまするものは残つておるそうであります。
  138. 山田長司

    山田(長)委員 こんなに重大な、国民の金を貸し出すのに、結果だけが残つていて、審査をされる過程のものが全然ないのですか。ちよつと参考に伺つておきます。
  139. 小林中

    ○小林説明員 審査をされる過程の書類はむろんあると思います。それは審査部で審査をされる過程のものは全部持つておりますから、あります。
  140. 山田長司

    山田(長)委員 運輸省から来た書類というものは大体みな許可が下りておるものですか。それとも下りていないで、もしそれを中途で返しておるとするならば、許可が下りないでおるものとするならば、それはどんな会社があるのか。実は書類で出ているのは貸したところだけ出ているので、開発銀行から出ている書類も落ちたところの会社は一つも出ていないわけです。これらについて知つている範囲を知らせてください。
  141. 小林中

    ○小林説明員 それは松田理事並びに審査部長から後刻詳細に御説明を申し上げたいと思います。
  142. 田中彰治

    田中委員長 山田委員、それは書類をとりましよう。それからさつきあなたのお聞きになつたのは、審査の書類でなくて、つまり決定するときの理事会の記録でしよう。
  143. 山田長司

    山田(長)委員 理事会というものがあつて、当然役員会の記録がなければならぬはずだと思うのです。
  144. 田中彰治

    田中委員長 役員会の記録はあるのですか。つまり貸すとか貸さぬとか議論した、そういうものを採決したとかなんとかいう記録が残つておるかというのです。
  145. 松田太郎

    ○松田説明員 そういう議事録というものはとつていないのです、そうして決定した書類、これにつきましてはずつと審査でされた内容はみな書いてあるわけです。役員会のいわゆる議事録というものはとつておりません。
  146. 山田長司

    山田(長)委員 たとえばほかのいろいろの会社から金を貸してくれという申込みがあると思うのですが、それをどういう理由で貸さなかつたとか貸したとか、そういう記録はないですか。
  147. 松田太郎

    ○松田説明員 もちろんそれは、結論としてこういう結論に至るまでにこういう理由でこれを認めたというものはございます。私が申し上げますのは、役員会でみんないろいろな意見を言うとかいうその役員会の議事録というものは開発銀行としてつくつていないということであります。
  148. 田中彰治

    田中委員長 阿部五郎君。
  149. 阿部五郎

    ○阿部委員 先ほどのお答えに、貸すか貸さないかの最後の決定を、運輸大臣とあなたとが協議なさつて、面会の上できめる、かようにおつしやつておつたようでありますが、貸すか貸さないかは、法規上はあなたの方だけで決定のできるものですね。それで運輸大臣と最後的にあなたとが会うて決定するというのは、一体何を決定するのですか。元来この問題については、船舶の建造を許可する許可権は運輸大臣にあつて、金を貸す、貸さないという融資の方は銀行に権限があるものと思います。そうしてさらにまた利子補給をするかしないかということについても、また再びこの権限は運輸大臣に返つて来るのですが、あなたの方が運輸大臣と面会の上で決定すると言うておつたのは、そのうちのどれなんですか。
  150. 小林中

    ○小林説明員 それはもちろん仰せの通りでありまして、金融という面に関しましては、銀行の方が決定をいたすのであります。従つて運輸省の方の考え方と銀行の方の考え方と必ずしも両方とも一致する場合はないのでございます。そういうときに事務当局で折衝をいたしまして、そして最後の決を運輸大臣と私が会つて決定をする、こういうことです。
  151. 阿部五郎

    ○阿部委員 最後の決というのですが、その決はどれの決なんですか。運輸大臣があらかじめ船舶の建造の許可をしたものを、たとえば十人許可をしておいて、その十人がおのおのあなたの方に金を貸してくれと言うて来たときに、あなたの方がその場合、その十人のうちの三人に貸してやるということをきめる、そのきめる時分のきめ方なんですか。それからさらにまた利子補給の決定をしなければならぬのですが、その三つとも一緒にして、あなたと運輸大臣ときめてしまうのですか。
  152. 小林中

    ○小林説明員 最後の建造許可は運輸省がきめるのです。これは私の方は関係がない。建造許可をする前に、運輸省としては航路事情とか、あるいは造船所事情考える、私の方は金融的角度から見る、こういうことです。それが二つが必ずしもどちらも一致した結論になれませんものですから——あるいは航路事情から行けばこうだが、金融の角度から行つてどういう結論になるかもしれないからあれはいかぬとか、そういうふうなことが折衝の際起りまして、大体運輸省と開発銀行の意見がやや一致したというところで——これは事実を申し上げますが、私と運輸大臣が会いまして、ではここで決定をしようじやないかということになります。
  153. 阿部五郎

    ○阿部委員 そうすると、結論としてはこうなるのでございますか。あなたと運輸大臣とが面会して相談をしたら、その件については船舶の建造許可もくれることにきまるし、あなたの方からも金を貸すこともきまるし、さらにまた利子補給もしてくれることになるのですか。
  154. 小林中

    ○小林説明員 最後の運輸省と開発銀行の決定がありますると、事実上はそれに基いて建造許可がなされるという形にはなると思います。全部利子の補給に適する会社であるかどうかは別ですが、適する会社である場合にはそういう形になると思います。
  155. 阿部五郎

    ○阿部委員 それでは大体あなたの方の銀行の金を貸すか貸さないかということと、船舶の建造の許可と、その二つがあなたと大臣との協議のもとにきまる、こう聞いてよろしいですね。
  156. 小林中

    ○小林説明員 船舶の建造許可は運輸省がきめる……。
  157. 阿部五郎

    ○阿部委員 そうすると、結局あなたが大臣と会うてきめるというのは、あなたの銀行がその男に金を貸すか貸さないかきめるというのですか。
  158. 小林中

    ○小林説明員 そうです。
  159. 阿部五郎

    ○阿部委員 そうすると、その段階においては、まだその男によつて船が建造されるかどうか、またその男としましても、利子補給がもらえないということになると、建造は採算上合わないというのでやめるかもしれませんから、それによつて船ができるということはまだ確定はしないというわけですか。
  160. 小林中

    ○小林説明員 最後は運輸省が建造許可をおろさなければ確定にならないと思います。
  161. 山田長司

    山田(長)委員 たくさんの金を貸す結論を出すのに、議事録も何もなくて、これに貸すとか貸さないとかいうことが簡単にきめられてしまうということは、どうにも理解ができぬのですが、その点、全然議事録がないのですか、どうなんですか、もう一ぺん私は伺つておきます。
  162. 松田太郎

    ○松田説明員 つまりこういうことです。何々会社に融資をする、そしてその融資を具体的に決定する、その関係についての詳細な説明なりを書いたものはちやんとございます。私から先ほど申し上げましたのは、たとえば閣議なら閣議でどういうふうな発言があつて、どうやつたということについての議事録があるかどうか知りませんが、少くとも私の方の役員会で物事をきめます場合に、役員がいろいろ意見を吐く、また審査部なら審査部の説明に対して質問をする、そういうような意味の議事録というものは、私の方ではどの場合にもつくつていないという事実を申し上げたのであります。
  163. 田中彰治

  164. 池田正之輔

    ○池田(正)委員 私から一点だけお尋ねしておきます。先ほど総裁はリベートの問題について、御存じないとか、あるとか、ちよつとはつきりしないようでありましたから、その点に関してあなたが御存じであつたか、知らなかつたか、そこのところをもう一ぺんお伺いしておきます。
  165. 小林中

    ○小林説明員 最近リベートの問題が非常にやかましくなりまして、私どもそういう制度が、あるいは商習慣としてあるのか、それとも商習慣としてはないのかということはまだ疑問としてわかりませんが、従来からリベートの問題があるのだということを、私ども融資をするときまでは存じておりませんでした。
  166. 田中彰治

    田中委員長 総裁に一言お聞きしますが、復金時代の幹部あるいは職員があなたのところに大分たくさんおりますね。
  167. 小林中

    ○小林説明員 はあ。
  168. 田中彰治

    田中委員長 そして復金の金を貸したり、とつたり、その他見返り資金などもそういう者がいろいろ取扱つていますね。
  169. 小林中

    ○小林説明員 はあ。
  170. 田中彰治

    田中委員長 その人が開発銀行の事務を今度継承して行つた場合、そういうことからいろいろな不公平とか、いろいろな問題がそこに出て来るようにあなたお考えになりませんか。いや、それは何ともない、あの方がいいのだというふうにお考えなつておりますか。それはどうです。私は委員長としてもう一ぺん聞いておきたいのです。
  171. 小林中

    ○小林説明員 復金時代のやり方はその当時の日本の経済事情も手伝つて、ある程度やむを得なかつた事情もあるとは思います。しかしながらその事務の取扱い方が必ずしも私は万全とは思つておりません。
  172. 田中彰治

    田中委員長 そこでそういう人たちが、見返り資金とかいろいろなものを自分たちが貸したりなどして来た人が、今の機構の整備した開発銀行の幹部になつたり、貸付の調査員になつたりしておつて、そういう人たちが現在開発銀行の金をいろいろこういうぐあいに貸したりなにかするときに携わるのですが、そういう者を使つておつたのでは公平を期せないのだというようなお考えはないのですか。私は大分そういう評判が散つておるように思うのですが……。
  173. 小林中

    ○小林説明員 公平を期すとか期さぬとかということは、私は今行員に対して全幅の信頼を持つております。しかしながら事務の進捗とか、事務の整理とかいうような面で、私ども従来の実業人から見ますと、どうしても手ぬるい点が多々あるような感じがいたします。
  174. 山田長司

    山田(長)委員 動議を提出いたします。リベートの真相については、やはり参考人としてでなく証人として喚問して、その真相を伺うことがいいと思うのです。動議として提出いたします。
  175. 田中彰治

    田中委員長 証人問題は重要ですから、つまり偽証罪とか刑事上の問題が成り立つような問題ですから、一応理事会に諮つてきめたいと思つております。
  176. 池田正之輔

    ○池田(正)委員 今の御答弁で、つまり貸付前にはわからなかつたということはわかりましたが、貸しつけたあとでおわかりになりましたか、そこのところをはつきり伺いたい。
  177. 小林中

    ○小林説明員 それは最近リベートの問題がうるさくなりまして、そうしてそういう問題から私どもはリベートという問題のあり方というものがわかつたわけであります。
  178. 池田正之輔

    ○池田(正)委員 そこでそのリベートが現実に出ておるかいないかということについてはどう思いますか。
  179. 田中彰治

    田中委員長 リベートが出ておるか出ておらぬかという点について……。
  180. 小林中

    ○小林説明員 各会社ごとにどういうふうな金額がリベートとして出ているかいないかということですか。
  181. 池田正之輔

    ○池田(正)委員 出ているかどうかということです。金額は……。
  182. 小林中

    ○小林説明員 それはわかりませんね。はつきり申し上げます。わかりません。
  183. 池田正之輔

    ○池田(正)委員 それじや出ているかいないかということはわかりませんか。
  184. 小林中

    ○小林説明員 全部が出ているとも私は言えないと思います。わかりません。それは正直に申し上げてわかりません。
  185. 池田正之輔

    ○池田(正)委員 全部がと言いますと、一部は出ておるというふうに解釈していいのでしようか。
  186. 小林中

    ○小林説明員 かりに今の新聞を見ますと一部は出ているような新聞記事がありますから、あるのではないかというふうな感じですな。
  187. 池田正之輔

    ○池田(正)委員 そこで、私これは重大な問題だと思うのです。ということは、出ているか出ていないかよくわからない、ことに貸出しをなさる前にあなたがわからなかつたとおつしやるならば、それも一応了承いたします。しかしながら、普通の役人や何かがわからないというなら、これはわれわれは了承できるのです。そのままお言葉の通りに……。しかしいやしくも小林中さんともあろう人が、その程度のことがわからないはずはない。それから今の銀行の組織からいつて、その程度のことはわかつていなければならぬはずだ。もしそれがわからないとすれば、これは非常な怠慢です。もしわかつていて出したとしたら、これまた重大な問題だ。なぜかといえば、たとえば十億なら十億の船の建造費に一割でも五分でもリベートを出すとすれば、その造船計画というものは、そこに何かインチキがあつたり、そこに狂いがなければならぬはずだ。そういうことは審査部で十分審査しているはずだ。そうすると、そのリベートというものも含めて、なおかつその船がそれだけのものができるのだ。悪い言葉でありますけれども、最初からそうした一種のリベートというものを認めて、そうしてその建造計画なり、設計というものを審査なしで、そうして妥当だということで貸したのだ、こういうことになる、そういう点はどうですか。
  188. 小林中

    ○小林説明員 ただいま御返事を申し上げました通りであります。その当時はリベートという問題は私どもは全然考えになかつた。しかし最近そういう問題が世間でうわさされ、いろいろなことが起りましたために、リベートという問題があるのもあるし、あるいはないのもあるかもしれません、こういうことであります。それはしかし全部があり、どういうふうな状態であるということは全然私にはわかりません。
  189. 池田正之輔

    ○池田(正)委員 それでは私はこれ以上小林さんに答弁は求めません。しかし今の答弁では私どもは納得できない。そういうところはあるかもしれぬ、あるところもありそうだというふうに私は今聞いたのでありますが、そうなると、十億なり何億なり、何十億という金の五分なり一割という金は、相当なウエートを持つのです。そういうことをあなた方が計算の中に入れないで、そして金を貸すために国家の財政資金を動かすということになると、これは重大な問題になる。そういう答弁でまあなたは一体開発銀行総裁として責任を果していると言えないんです。そんなことは断じて許すべきではないんです。それがまことにわれわれは不明にしてわからなかつたと言うならばわかるんですよ。あなたはさつきからそういう態度をとつておらぬじやないか、何を言うか。
  190. 小林中

    ○小林説明員 私どもは融資をする前には知らなかつたというんです。
  191. 池田正之輔

    ○池田(正)委員 今の問題でよろしい。
  192. 小林中

    ○小林説明員 今の問題は、新聞等で見ますと、何かそういうことはありそうだ、そういつたことがあるということを申し上げた。それだつて私の方は確証も何も握つておるわけでも何でもない。
  193. 田中彰治

    田中委員長 またあとで聞くことにしましよう。ではお帰りくださつてよろしい。御苦労さんでした。あと長期信用銀行の取締役が出ておりますから……。  それでは長期信用銀行の取締役頭取原邦道君に対する質疑を許します。柴田義男君。
  194. 柴田義男

    柴田委員 長期信用銀行の点で私どもわからぬ点がございます。たとえば今の計画造船に対しまして開発銀行が融資する、こういうことと、それから長期信用銀行が融資するということは、どういうことで二つの銀行が関係を持つのでございましようか、その点をまず御説明つてから御質問いたしたいと思います。
  195. 原邦道

    ○原参考人 これは小林開発銀行総裁からもお話がありましたが、国の海運政策に従いまして計画造船というものが行われております。     〔発言する者多し〕
  196. 田中彰治

    田中委員長 御静粛に願います。
  197. 原邦道

    ○原参考人 これが全部国家資金でございません関係上、その残額は市中銀行でもつてつて行くという建前になつておるように考えております。それでたとえば七割出す、七割は開発銀行の資金が参ります、あと三割は市中銀行の八行ないし九行がその残額を融資する、こういう建前になつております。われわれの方は御承知の通り比較的長期の資金を扱つておる銀行であります。こういう状況であります。
  198. 柴田義男

    柴田委員 そういたしますと、開発銀行が持つておるわくが不足を生じた場合に、長期信用銀行がそれに対して、たとえば需要が百億あつた場合、開発銀行では七十億までは貸しつけることができるのだが、三十億足らぬ、その不足の分をあなたの方でおまかないなさるのでございましようか、その点を伺いたい。
  199. 原邦道

    ○原参考人 その不足分ですが、やはり私の銀行一行ではまかない切れないのであります。ただいま申し上げましたように、市中銀行の八行ないし九行が協調いたしまして、これを融資する、こういうことに相なつております。
  200. 柴田義男

    柴田委員 そういたしますると、あなたの方の信用銀行が融資をなさいます場合には、あらゆる角度から、たとえば開発銀行が調査をなさると同様の調査をおやりでございましようか。あるいはまたすでに調査は完了いたしまして、単に資金的な操作上不足があるのだから、信用銀行さんの方でまかなつてもらいたい、こういうことで開発銀行等からの慫慂によつてお出しになるのでありましようか、その点を承つおきたいと存じます。
  201. 原邦道

    ○原参考人 私どもの方は開発銀行で調査をなさいます程度の調査はやつておりません。これは今申し上げましたように大部分が国家資金が出ます。それから政府において船主をおきめになります。それからこの建造融資の決定がありましてから出すまでの間が非常に期間が短かい。従いまして各銀行と協議いたしまして、ある程度の調査はいたしますが、開発銀行でなさる程度の調査はやつておりません。
  202. 柴田義男

    柴田委員 そういたしますると、この資料をわれわれきよういただいたばかりで、まだとても全部には目は通りませんが、たとえば開発銀行で十二月末現在で、造船計画には六百六十一億七千八百余万円貸付があるようでございます。あなたの方では、現在はおわかりでないでしようから、十二月でもけつこうでございますし、昨年の九月決算の当時でもよろしゆうございますが、どれだけの残りがございましようか、承りたいと思います。
  203. 原邦道

    ○原参考人 昨年末におきまして私の方で出しておりますのが、二十九億二千四百万円ばかりでございます。
  204. 田中彰治

    田中委員長 委員諸君にお諮りいたしますが、この重要な問題に対して委員諸君の資料の手持ち、それからいろいろな研究がちよつと足りないような気がするのです。これでは行政監察か運輸委員会みたいになつてしまう。決算委員会は少くとも数字ではつきりしなければならないと思うから、きようはこの程度にしてあと諸君の資料の整備、研究の結果を待つて委員長もやりますから、皆さんもう少し資料をとられて、そうして決算委員会決算委員会としてのはつきりした態度でやりたいと思います。
  205. 杉村沖治郎

    杉村委員 それでは日本開発銀行から、船の金の融通を受けるために申請している書類があると思う。はねられた人もその申請書を見ればわかるから、その申請書、それから貸付をするに至るまでの民間から提出された書類の写しを全部出してもらいたい。
  206. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 資料をお願いしたいのです。審査をなさる対象なつた船会社はたくさんあろうと思いますけれども、特に二、三指定しておきたいと思います。飯野海運、山下汽船、森田汽船、東西汽船、佐世保船舶、これについての審査をなさつた資料をなるべくまとめて出してもらいたい。結論だけでなしに、審査をして浮び上りましたいろいろな資料があろうと思います。信用、営業能力、規模等々いろいろなものがあると思いますから、それを一切おとり寄せを願いたいと思います。
  207. 田中彰治

    田中委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後三時四十五分散会