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1954-02-15 第19回国会 衆議院 決算委員会 第8号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十九年二月十五日(月曜日) 午後一時二十一分
開議
出席委員
委員長
田中
彰治君
理事
大上 司君
理事
松山 義雄君
理事
柴田
義男君
理事
杉村沖治郎
君 越智 茂君
田中
角榮
君
徳安
實藏
君 牧野
寛索
君
山口喜久一郎
君 藤田 義光君 阿部 五郎君
山田
長司
君
吉田
賢一君
池田正之輔君
出席国務大臣
大 蔵 大 臣
小笠原
三九郎君
委員外
の
出席者
会計検査院長
佐藤
基君
日本開発銀行
総 裁 小林 中君
日本開発銀行理
事 松田 太郎君
日本開発銀行審
査部長 竹俣
高敏
君 参 考 人 (
日本長期信用
銀行取締役頭
取) 原
邦道
君 参 考 人 (日本興業銀行
常務取締役
) 島田 英一君 専 門 員
大久保忠文
君 専 門 員 岡林 清英君
—————————————
二月十五日
委員有田二郎
君、
犬養健
君、片島港君及び中村 梅吉君辞任につき、その補欠として
山口喜久
一 郎君、
田中角榮
君、
山田長司
君及び
池田正之輔
君が議長の指名で
委員
に選任された。
—————————————
本日の会議に付した
事件
昭和
二十七
年度
一般会計歳入歳出決算
昭和
二十七
年度
特別会計歳入歳出決算
昭和
二十七
年度
政府関係機関決算報告書
政府関係機関
の収支(
日本開発銀行
の
造船融
資)に関する件
—————————————
田中彰治
1
○
田中委員長
これより
決算委員会
を開会いたします。まず
委員
御
諸公
にお諮りいたしますか、
黄変米
と
麻袋事件
について、この別の
委員会
において
吉田委員
より、上司にその
責任
を追求するという件がここで可決されました。そこでこのたびの
黄変米
と
麻袋
の問題に対して、
農林官
の
事務次官
、
前谷食糧庁長官
が
進退伺い
を出さなければならぬというようなはめに陥
つて
おるのでありますが、今まで許して来たのでありますから、このたびのこの
事件
にこの人二人だけこいうことは、
委員長
が
考え
てちよつこ不公平のように
考え
ますから、二十七
年度
からは容赦なくそういう問題がめつたときにその
責任
を負わすことにして、二十六
年度
のことでもありますので、これ一度だけは
事務次官
と
前谷食糧庁長官
の
行政処分
に関する件の
決議
は許してやりたい、こういうぐあいに
考え
ておりますが、
委員諸公
はどうお
考え
でありますか。
柴田義男
2
○
柴田委員
委員長
の今のお話ごもつともでございますが、私
ども
はこういう問題が再び起きないことを大いに警告しなければならぬということで、
黄変米
の問題と
麻袋
の問題を徹底的に追究したのでありましたが、しかもこの
麻袋
の問題につきましても、
黄変米
の問題にいたしましても、現在の
前谷長官
の時代ではなかつた。ただ
前谷長官
が現在当面の
責任者
として当
委員会
でいろいろと
説明
や、われわれの
質問
に対しまして率直な
答弁
をされたのでありまするから、
前谷長官
に対しましては、私も同様の
考え
を持たざるを得ないのでありますが、ただ実際不用な
麻袋
を三百万袋も
購入
し、重ねて五百万袋を
購入
いたしまして
国損
を莫大に出しておる。こういうような
状況
を見ました場合に、当時の
責任者
は
東畑
氏が
食糧長官
であつたと記憶しております。今
次官
でございまするが、
事務次官
の
進退伺い
というのは、
東畑
氏がお出しに
なつ
たのでございましようか、あらためてお尋ねしたいと思います。
田中彰治
3
○
田中委員長
東畑
氏です。
事務次官
です。そこで私は
委員長
といたしまして、内緒でたとい自由党の
幹部あたり
から言われてもそういう取引はやらない。
委員諸公
にお諮りして
決算委員会
というものはやはり公平なものだというところに権威があると思うから、二十六年のことであるからひとつこれをどうです、
杉村委員
、
進退伺い
を出す、という程度に行
つて
いるのだから、
相当
反省しているのだから、これをひとつ
考え
て、全員で許そうじやありませんか。
杉村沖治郎
4
○
杉村委員
私は特に
委員長
から名ざしがありましたから
意見
を述べるのですが、
前谷
さんは、今
柴田
君が言うように、実際当時の
責任者
でないので、しかも当
委員会
においては
相当
良心的にお答えをされておるので、まつたく気の毒である。しかしながらさらにその上に
進退伺い
を出すという
気持
は、われわれはまことに
けつ
こうであると思うのだが、
従つて前谷
さんについては同様に
考え
ます。なるほど職務は
違つて
おりますけれ
ども
、当時の
食糧庁長官
が今
次官
をしておる。しかもその
次官
の職は、ほかの職と
違つて
、
食糧関係
に最も重大なる影響を持つ
農林関係
にあるということにつきましては、
東畑
さんも当
決算委員会
において、まことに良心的な答えをされておるので、私はこれにむち打つということはまことに忍び得ないと思
つて
おりますが、その
東畑
さんの良心的な
答弁
のあつたことと、われわれそれにむち打つという積極的な
気持
はありませんけれ
ども
、そういういうことだけでわれわれが許すとか許さぬとかいうようなことにまで
決算委員会
が立ち入
つて
……。
田中彰治
5
○
田中委員長
いや、そうではなく、
決議
を出すことをやめようじやないかということです。
杉村沖治郎
6
○
杉村委員
それは
けつ
こうです。それならよろしい。
柴田義男
7
○
柴田委員
それではこの問題は、私
ども
の党内の
同士諸君
とよりより
協議
をしなければならない問題でありますから、私は一人で自分の主観だけで論ずることは非常に危険があると思いますので、この
委員会閉会
後に
理事会
をお開き願いまして審議願いたいと思います。
田中彰治
8
○
田中委員長
吉田委員
はどう思われますか。
吉田賢一
9
○
吉田
(賢)
委員
私はやはり当時の問題を論じて行くと、
大臣
の
関係
も生じて参りますし、なお幾多重大な問題が山積しておりまするので、
委員長
の
意向
を尊重するということにして、この
黄変米
、
麻袋
については、そういうふうにして、あの
決議
の
趣旨
は今後有効に生かして行きたいと思います。
田中彰治
10
○
田中委員長
それでは
あと
で
理事会
を開きます。
—————————————
田中彰治
11
○
田中委員長
去る十一日、
昭和
二十七
年度
決算
及び
国有財産増減計算書
が本
委員会
に付託されました。よ
つて昭和
二十七
年度
一般会計歳入歳出決算
、
昭和
二十七
年度
特別会計歳入歳出決算
及び
昭和
二十七
年度
政府関係機関決算報告書
を議題として大蔵省及び
会計検査院当局
からその大綱について、
説明
を聴取したいと思います。 まず
大蔵大臣
から御
説明
を願います。
小笠原三九郎
12
○
小笠原国務大臣
昭和
二十七
年度
一般会計歳入歳出決算
、同
特別会計歳入歳出決算
及び同
政府関係機関決算報告書
を
会計検査院
の
検査報告
とともに、本
国会
に提出いたしましたのて、その大要を御
説明
申し上げます。
昭和
二十七
年度
の
予算
の
執行
につきましては、
予算編成
の
趣旨
に従い、かつその
目的
の実現に鋭意
努力
いたしますとともに、その
経理
につきましても厳正かつ適正な
執行
に意を用いたのであります。これがため諸般の制度について
整備改善
の措置を講ずる一方、
会計職員
に対する
研修等
の強化をはかり、これら
職員
の
資質
の
向上
にも極力配意いたしたのでありますが、なお、
会計検査院
から千八百十三件に上る
不当事項
の御指摘を受けるに至りましたことは、種々
事情
の存することとはいえ、遺憾にたえないところであります。これにつきましては、綱紀の粛正を一層強化するとともに、さらに
会計法令
の
整備
、
経理職員
の
資質
の
向上
をはかる等、
予算
の適正かつ効率的な運営の確保に
一段
の
努力
を傾注いたしておる次第であります。 以下
決算
の
内容
を数字をあげて御
説明
申し上げます。
一般会計
の
決算額
は一兆七百八十億円余、
歳出
の
決算額
は八千七百三十九億円余でありまして、
歳入歳出
を差引きますと二千四十八億円余の
剰余
を生ずる
計算
であります。この
剰余金
から、
昭和
二十八
年度
に繰り越しました
歳出
の
財源
に充てなければならない
金額
千百八十九億円余、及び
昭和
二十六
年度
剰余金
の
使用残額
四百五十五億円余を差引きますと四百二億円余が二十七
年度
新たに生じた純
剰余金
となるのであります。 なお右の
剰余金
二千四十八億円余は
財政法
第四十一条の
規定
によりまして、翌
年度
すなわち
昭和
二十八
年度
の
歳入
に繰入れ済みであります。しかして、そのうち、二十七
年度
新たに生じました純
剰余金
四百二億円余の二分の一を下らない額に
相当
する
金額
につきましては、同法第六条の
規定
によりまして公債または借入金の
償還財源
に充てられるものでありまして、これに関しましては、
昭和
二十九
年度
予算
において措置せられております。 以上の
決算額
を
予算額
と比較いたしますと、
歳入
におきましては
予算額
九千三百二十五億円余に対して千四百六十二億円余の
増加
となるのでありますが、このうちには二十六
年度
剰余金
の受入れが
予算額
に比べて千百八十七億円余を
増加
しておりますので、これを差引きますと純然たる二十七
年度
歳入
としては二百七十四億円余の
増加
となるのであります。その
内訳
は
租税
及び
印紙収入
における
増加額
二百三十一億円余、
専売納付金
における
増加額
三十二億円余、
官業益金
及び
官業収入
における
減少額
八億円余、
政府資産整理収入
における
増加額
三十二億円余、雑
収入
における
減少額
十二億円余と
なつ
ております。 一方
歳出
におきましては、
予算額
九千三百二十五億円余に、二十六
年度
一般会計
からの
繰越額
七百三十一億円余を加えました
予算
現額一兆五十七億円余から、
支出済額
八千七百三十九億円余を差引きますと、その
差額
は千三百十七億円余でありまして、そのうち翌
年度
に繰越しました額は前述の
通り
千百八十九億円余、
不用額
は百二十七億円余と
なつ
ております。 右の翌
年度
への
繰越額
のうち、
財政法
第十四条の三第一項の
規定
によ
つて
、あらかじめ
国会
の承認を得て翌
年度
へ繰越しました
金額
は千百七十一億円余でありまして、その
内訳
のおもなものは、
安全保障諸費
、
防衛支出金
におきまして、
事業計画
の
作成
、現地の
調査
、資材の
調達等
に
相当
の期間を要しましたため
年度内
に
支出
を終らなかつたもの、
警察予備隊費
、
警察予備隊施設費等
におきまして、
土地
の
選定
、
工事計画
の
作成等
に不測の日数を要しましたため
年度内
に
支出
を終らなかつたもの、
平和回復善後処理費
におきまして、
事業計画
が
年度
末に施行されたのと、
連合国財産補償費
におきまして
補償請求
に対する
支払金額
の確定に
相当時日
を要したこと等によりまして、
年度内
に
支出
を終らなかつたもの、旧
軍人遺家族等援護費
におきまして、
遺族年金
及び
障害年金
の裁定が
年度内
に完了できなかつたため
年度内
に
支出
を終らなかつたもの等であります。 また
財政法
第四十二条但書の
規定
により避けがたい
事故
のため翌
年度
へ繰越しました
金額
は十七億円余でありまして、その
内訳
のおもなものは、
国際通貨基金出資金
、
終戦処理事業費等
におきまして
相手方
との
連絡
、
協議等
に予想以上の
時日
を要したため、
相手方
の
請求書類
の提出が遅れたこと等の
事故
により
年度内
に
支出
を終らなかつたもの、
公共事業費等
におきまして天候の不順、
電力事情
の悪化、敷地の
選定難等
の
関係
上
工事
が遅延し、
年度内
に
支出
に至らなかつたもの等であります。 次に
不用額
でありますが、その
内訳
のおもなものは保安庁の
警察予備隊費
におきまして、
欠員補充
が予定より遅れたこと等によるもの二十五億円余、
調達庁
の
終戦処理事業費
におきまして、前
年度
から繰越した
経費
のうち、
年度内
に使用し終らなかつたこと等によるもの十三億円余、
農林本省
の
農業共済
再
保険特別会計出資
におきまして、同
特別会計
の
農業勘定
における
収入状況
から繰入額を
減少
したことによるもの十一億円
余等
であります。 次に
予備費
でありますが、
昭和
二十七
年度
一般会計
における
予備費
の
予算額
は三十億円でありますが、その
使用総額
は二十七億円余でありまして、これにつきましては第十六回
国会
において全額御承諾をいただいております。 次に
一般会計
の
国庫債務負担行為
について申上げます。
財政法
第十五条第一項の
規定
による
国庫債務負担行為
の
権能額
は三十六億円余でありますが、このうち実際に
負担
いたしました
債務額
は三十五億円余でありますので、これに
既往年度
からの
繰越分
を加え、
昭和
二十七
年度
中に
支出
その他の事由によ
つて債務
の消滅いたしました額を差引きました
金額
四十七億円余が翌
年度
以降に繰越されたこととなります。 また
財政法
第十五条第二項の
規定
に基く
国庫債務負担行為
の
権能額
は三十億円でありますが、このうち実際に
負担
いたしました
債務額
は四百万円余でありまして、
既往年度
からの
繰越分
は、二十七
年度
中にその
債務
が消滅いたしましたので、翌
年度
以降へ繰越した額は二十七
年度
に
負担
した四百万円余であります。 次に
昭和
二十七
年度
特別会計
の
決算
でありますが、これにつきましては、それぞれの
決算書
によ
つて
御了承願いたいと思います。なお、同
年度
における
特別会計
の数は三十五でありまして、これら各
特別会計
の
歳入決算額
は一兆三千四百九十九億円余、
歳出
の
決算総額
は一兆二千百三十六億円余であります。 次に、
昭和
二十七
年度
政府関係機関
の
決算
でありますが、同
年度
における
政府関係機関
の数は九
機関
でありまして、その
決算
の
内容
につきましては、それぞれの
決算書
によ
つて
御了承願いたいと思います。 以上
昭和
二十七
年度
一般会計
、
特別会計
及び
政府関係機関
の
決算
につきまして、その概略を御
説明
申し上げたのでありますが、詳細につきましては、さらに御
質問
の都度
説明
申し上げたいと存じます。何とぞ御審議のほどお願いいたします。
杉村沖治郎
13
○
杉村委員
ただいま
大蔵大臣
の
説明
があつたのでありますが、これに続いて
質問
する時間が
大蔵大臣
にあるならば、われわれは続いて
質問
をしたいのでありますが、他の
関係
におきましてどうしてもやむを得ないとするなれば、いつ
大蔵大臣
に
質問
することができるのか。それを明確にしていただいて、この議事を進行していただきたいと思います。
田中彰治
14
○
田中委員長
お諮りいたしますが、
委員長
としては
会計検査院長
の
報告
を聞いて、そうして
大蔵大臣
に対する
委員諸君
の
質疑
をここでや
つて
いただくと非常に
都合
がいいのですが、
予算委員会
があるのを無理しておいでに
なつ
たのだから、きようは
大蔵大臣
には帰
つて
いただいて、
あと
で
都合
がいいときに
予算委員会
から来てもら
つて
質疑
をすることにいたします。よろしゆうございますか。 〔「了解」と呼ぶ者あり〕
田中彰治
15
○
田中委員長
次に
会計検査院長
から
検査
の
概要
について
説明
を願います。
佐藤会計検査院長
。
佐藤基
16
○
佐藤会計検査院長
昭和
二十七
年度
決算検査報告
につきまして、その
概要
を御
説明
いたします。
昭和
二十七
年度
歳入歳出決算
は、
昭和
二十八年十一月三十日
内閣
から送付を受け、その
検査
を了して
昭和
二十七
年度
決算検査報告
とともに
昭和
二十八年十二月二十五日
内閣
に回付をいたしました。その
検査報告
には、国の
収入支出
の
決算
の確認、
検査
上不当と認めた
事項
のほか、
会計事務職員
に対する検定、
主務官庁
に対する
改善意見
の表示、
政府関係機関
に関する
検査事項等
を記述してあります。
昭和
二十七
年度
の
一般会計決算額
は、
歳入
一兆七百八十八億余万円、
歳出
八千七百三十九億余万円、各
特別会計
の
決算額合計
は、
歳入
一兆三千四百九十九億余万円、
歳出
一兆二千百三十六億余万円でありまして、
一般会計
及び各
特別会計
の
決算額
を
総計
いたしますと、
歳入
二兆四千二百八十七億余万円、
歳出
二兆八百七十五億余万円となりますが、各
会計
間の
重複額等
を控除して
歳入歳出
の純
計額
を概算いたしますと、
歳入
一兆七千八百十一億円、
歳出
一兆六千六百十億円となり、前
年度
に比べ、
歳入
において千二百七十八億円、
歳出
において六百五十八億円の
増加
と
なつ
ております。
政府関係機関
の
昭和
二十七
年度
決算額
の
総計
は、
収入
五千六百九十四億余万円、
支出
四千百五十一億余万円でありまして、前
年度
に比べ、
収入
において二百五十億余万円、
支出
において三百二十七億余万円の
減少
と
なつ
ております。 以上申し上げました国の
会計
及び
政府関係機関
の
会計
の
決算額
のうち、
会計検査院
においてまだ
検査
が済んでいないものは
総計
五十五億七千五百余万円でありまして、そのおもなものは、建設省の
建設機械整備費
の七億七千百余万円、同じく
安全保障諸費
の七億二千九百余万円、総理府の
警察予備隊施設費
の五億千二百余万円、
特別鉱害復旧特別会計
の
歳出
五億七百余万円などであります。 次に、
会計検査
の結果、
経理
上不当と認めた
事項
及び是正させた
事項
として記述した件数は、
合計
千八百十三件に上
つて
おります。また、このほかにも
経理
上妥当と認めがたいものとして、それぞれの
関係責任者
に対し警告を発し、
改善
を促した
事項
も多数あります。二十七
年度
は、二十六
年度
の千百九十八件に比べますと六百十五件の
増加
と
なつ
ておりますが、これは特に
検査
上
重点
を置いた
補助金
の
経理
の
部面
で六百六十六件の
増加
と
なつ
ていることが主因でありまして、その他の
一般
の
経理
の
部面
においては
減少
を示しております。 今この千八百十三件につきまして
経理
の
態様別
の
金額
を概計いたしますと、
不正行為
による
被害金額
が七千百余万円、
架空経理
など
法令
または
予算
に違反して
経理
したものが四億五千二百余万円、検収不良などのために過
渡し
と
なつ
ているものが二千四百万余円、
補助金
で
交付額
が適正を欠いているため
返納
または
減額
を要するものなどが十三億五千六百余万円、
歳入等
で
徴収決定
が漏れていたり、その
決定額
が
正当額
を越えていたものが五億二千六百余万円、
工事請負代金
、
物件購入代金等
が高価に過ぎたり、または
物件売渡し代金等
が低価に過ぎたと認めたものの
差額分
が一億七千百余万円、不
適格品
または
不急
不要の
物件
の
購入
など
経費
が効率的に使用されず、いわゆる死金を
使つた
と認められるものが六十六億八千百余万円、その他の雑件を含めて
総額
百二億九千余万円に上
つて
おります。 二十七
年度
は、二十六
年度
の三十億五千八百余万円に比べますと、七十二億三千百余万円の
増加
と
なつ
ております。これは主として
食糧
の不
適格品
を
購入
したりまたは
不急
不要の
物件
を
購入
したなど
経費
が効率的に使用されていないもので五十五億二千七百余万円、また
補助金
の
交付額
が適正を欠いているため
返納
または
減額
を要するものなどで十億五千四百余万円の
増加
と
なつ
ているためでありますが、
他方架空経理分
で九千五百余万円、
不正行為
による
被害金額
で五千七百余万円、検収不良などのため過
渡し
と
なつ
ているもので五千余万円の
減少
を示し、これらの面においては
経理改善
の
あと
が認められます。しかしながら、国民の
租税
をおもな
財源
とする国及び
政府関係機関
の
会計
に、このように不当な
経理
が多いことははなはだ遺憾にたえない次第でありまして、これらは主として
法令
もしくは
予算
の軽視または
責任観念
の稀薄によるものと認められますので、その
責任
を明確にするとともに、
会計検査院
においても
不当経理発生
の根源をふさぐことに
努力
を傾けている次第であります。
検査
の結果の概況は
租税
、
収納未済
、
予算
の
効率的使用
、
補助金
、契約の締結、
物品
の管理、
予算
の
不当経理
、
職員
の
不正行為
の各項目にわけてこの
検査報告
に記述いたしてありますが、そのうち特に留意を要する
収納未済
、
予算
の
効率的使用
及び
補助金
について
概要
を
説明
いたします。 まず
歳入
の
収納未済
についてであります。
昭和
二十七
年度
一般会計
の
収納未済額
は五百四十五億余万円で、その
徴収決定済額
に対する割合は約四・八%に当り、前
年度
の約六・五%に比べて好転しております。この
一般会計
の
収納未済額
に
特別会計
の
収納未済額
百十一億余万円を合せますと、
収納未済額
は六百五十七億余万円に上り、そのうちおもなるものは
租税収入
の四百四十二億余万円、
公共団体工事費分担金
の六十九億余万円、
食糧売払代
の三十六億余万円であります。これらの
当年度分
の
収納未済額
のほか、
既往年度分
の
収納未済額並び
にまだ
徴収決定
をしていないものがあることなどを考慮すれば、事実上の
収納未済額
はなお
多額
に上るものと認められます。なお
公共団体工事費分担金
の
収納未済
につきましては、府県においてこれが
納付
について
積極的意向
に乏しいものがあり、
昭和
二十六
年度
以前の分について見ましても、二十八年九月末現在、
農林
、
運輸
、
建設各省
で
合計
三十二億余万円の
多額
に上
つて
いる
状況
であります。このように
徴収
が遅延していることは、同
分担金
を
納付
したものと
納付
していないものとの
負担
の均衡を欠くばかりでなく、未納についての
責件感
を薄くさせるもので、すみやかに是正を要するものと認められます。これらの
収納未済額
については、国の
財政
にかんがみ、その
徴収
の促進についてなお
一段
の
努力
の要があると認められます。 次に、
予算
の
効率的使用
についてであります。
工事
について見ますと、
計画
が
厖大
に過ぎたり、
調査
、
設計
が粗漏なため手もどりを来したり、実施が破行しているものがあり、また
物品
について見ますと、
事前調査
が不十分であつたり、
計画
が未熟であつたため、
過大調達
と
なつ
たり、
物品
の
選定
を誤り、
不急品
、不
適格品等
を
購入
したものがあり、また
役務
などについて見ますと、
運送料
、
土地借料等
の支払いについて節約の余地のあるものなどがあります。今そのおもな
事例
をあげてみますと、
工事
については、
裁判所庁舎
の
整備
において
計画
が
厖大
に過ぎ、
工事
の途中において打切りまたは縮小のやむなきに至つたり、
北海道開発局
で
隧道工事
の
地質調査
が不十分なため手もどりを来したり、
日本電信電話公社
で
工事命令
の遅延、
部内連絡
の不十分などのため
電話局改式工事
の完成が遅延したりしていて、
使用予算
に比べ不経済な結果と
なつ
ているものがあります。
物品
については、
食糧庁
で
不急
の
麻袋
を多量に
購入
したり、品質の粗悪なイラク産の大麦を多量に
購入
したり、
黄変粒
が混入している
ビルマ米
を
購入
したなどのため、著しく不経済な結果を来したものがあります。また
役務
などについては、
調達局
で
土地
の借上げなどに際し、
土地
の
使用方法
の一部を制限すれば足りる
事態
であるのに、
土地
の
使用収益権
の全部を借り上げるなどしているものがあります。このような
事例
に徴し、
予算
の
効率的使用
について、なお一層の
改善
を要するものがあります。 最後に
補助金
についてであります。
補助金
の
経理
に関しては、特にその
対象
となる事実の審査、
交付
時期、
交付
後の監督及び
精算等
の諸点において適正を欠いているため、
補助金
の
返納
または
減額
を要するものなどが
総計
十三億五千六百余万円に上
つて
おり、前
年度
の三億百余万円に比べますと著しく
増加
しております。これら
補助金
に関する
不当経理
のうち、特に
農林
、
運輸
、
建設各省所管
の
災害復旧事業関係
のものについては、すでに
昭和
二十六
年度
決算検査報告
において多数指摘したところでありますが、これらの事象は広く
全国
に瀰漫しておりますので、
会計検査
を実施するにあた
つて
は、特に
補助金
の
検査
に
重点
を置いた次第であります。そして右の
三省所管
の分では、九千三百五十九の
工事現場
を
実地
に
検査
しましたところ、その二三・四%に当る二千百九十一
工事
について不当な
事態
を指摘することと
なつ
たのであります。この不当な二千百九十一
工事
について
補助金
を除外すべき額は、九億二千百余万円に上
つて
おりまして、その
補助金総額
四十二億八千二百余万円の二一・五%に
相当
するものであります。なお
会計検査院
で
実地
に
検査
した九千三百五十九の
工事現場
は、
全国
における
工事現場
約十万九千余に対しわずか八・五%にすぎないものであります。今これら
不当経理
のおもな
態様
をあげてみますと、
災害
を受けた事実の認められないものや、
災害復旧
とは認められない
改良工事
を
災害復旧事業
として
補助金交付
の
対象
とした
事例
や、
工事
の施行が疎漏で
補助
の
目的
を達していないもの、あるいは
設計通り
に施行されていないのに施行されたこととして処理したため、
補助金
の
超過交付
と
なつ
ている
事例
や、
事業主体
が正当な
自己負担
をしていなかつたり、そのうちには
補助金
以下で
工事
を完成し
剰余
を生じたことと
なつ
ている
事例
などが多く見受けられるのであります。このように多数発見されます
不当経理
の発生原因としましては、事業費の査定は主務
大臣
だけの権限とされているのでありますが、主務省の現況においては、
工事
量及び
工事
費について適切かつ
責任
ある査定をすることが困難なため、ほとんど大部分のものが机上査定によ
つて
いて、実情に適合していないことや、
工事
の実施におきましても、
事業主体
側における
工事
施行能力が不十分なため、疎漏な
工事
などを施行し、さらに現場
検査
が行き届かず、これら
補助
の
目的
を達しないものなどがそのまま見のがされて竣功の取扱いと
なつ
ていること、並びに
事業主体
が正当な
自己負担
を忌避する事実が相伴
つて
いることなどであります。これに対する防止対策としましては、
支出
負担
行為制度の
整備
、現地査定の強化、小
事業主体
工事
の合併施行、適正な実施
設計
の
作成
、不誠実な
事業主体
及び請負人に対する
補助
取消しまたは指名停止、
工事
監督機能の充実などを配慮すべきであると認められます。 このような
事態
にかんがみ、
会計検査院
においては、その都度
関係
当事者に対し注意を発してその是正を求め、これが
改善
方について
関係
各省に
意見
を表示したところでありまして、地方公共団体においては、これに対する
改善
の反応が見受けられるところもないではありませんが、各省においてもすみやかにこれら
不当経理
の防止対策を樹立し、その絶滅を期し、国家
財政
上重大な比率を占めている
補助金
についての、
効率的使用
を確保することが緊要であると存じます。 なお
検査報告
の
説明
を終るにあたりまして、
会計検査院
の
検査
方針及び
検査
状況
について一言つけ加えたいと思います。国及び
政府関係機関
などの
会計
経理
に対しましては、
会計検査院
は特に
収入
の確保及び
支出
の節約をはかり、
経費
を効率的に使用し、また事業を能率的に運営し、
物件
を経済的に管理及び処分するとともに、
一般
的に当務者の
経理
の適正を期し、かつ
不当事項
の是正及び発生の防止をはかるなど、適正な
経理
事務の
執行
を確保するよう
検査
の徹底を期したいと存じている次第であります。
会計検査院
の
検査
は、書面
検査
及び
実地
検査
の二方法によるのでありまして、書面
検査
においては、
昭和
二十七年十二月から二十八年十一月までの間に国及び
政府関係機関
等の
歳入歳出
等に関する
計算
書及び証拠書類を
検査
したものは十三万五千余冊、四千二百余万枚であります。また同期間中に
実地
検査
を施行した箇所は約二千五百箇所であります。なお現金、
物品
のあり高や張簿整理の
状況
を
検査
する場合などは、必要に応じて予告しないで
実地
検査
を行い、
検査
の徹底を期しております。
会計検査
に伴い
関係
者に対して
質問
を発したものは一万千余件に上
つて
いますが、
会計検査院
の
検査
の結果及び
経理
上の所見に対しましては、
検査
を受ける側の一層機敏な反応による内部是正が望ましい次第でありますので、
国会
におかれましても、この点についての一層の御支援をいただきたいものと存じております。
田中彰治
17
○
田中委員長
会計検査院
にちよつとお尋ねしますが、全般にわた
つて
どれくらいですか、四分の一ぐらい
検査
しておりますか。
佐藤基
18
○
佐藤会計検査院長
検査
箇所は約一万二千あります。そうしてここに書いてあります
通り
二千五百箇所を
検査
しております。すなわち箇所別に
考え
ると、四分の一足らずということになります。しかしながらこの一万二千の中には大きいのもあり小さいのもありますので、
支出
経費
の点から
考え
ますと、
実地
検査
をした
支出
金額
は大体
総額
の八割以上というふうに
計算
しております。
田中彰治
19
○
田中委員長
それでは
会計検査院長
の
説明
に対する
質疑
を待
つて
いただいて、開発銀行から総裁が来ておりますから、そこで造船疑獄に対する数字的なものに対してちよつと聞いてみたいと思います。 なお
昭和
二十七
年度
国有財産につきましては、時間の
都合
上次会に
説明
を求めることといたしたいと思います。従いまして本日は
昭和
二十七
年度
決算
のみの
説明
を終りましたが、各省所管に対する本格的審議につきましては、追
つて
理事会
で
協議
の上、日程を決定いたしたいと存じます。
—————————————
田中彰治
20
○
田中委員長
それでは前会に引続き、
政府関係機関
収支のうち、
日本開発銀行
等の
造船融
資に関する問題を議題として
調査
を進めます。 まず本日の参考人として日本興業銀行取締役川北禎一君、
日本長期信用
銀行取締役頭
取原
邦道
君の両氏を招致し、
意見
を求めたいと存じましたが、そのうち取締役川北禎一君が支障のため出席できかねますので、これにかえて同銀行取締役島田英一君を参考人に招致いたしたいと思います。従いまして前に述べました原
邦道
君と島田英一君の二人を参考人に指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
田中彰治
21
○
田中委員長
御異議なしと認め、さよう決定いたします。 なお
運輸
省の海運局長及び船舶局長は、衆参両院の
運輸
委員会
に出席されておる
関係
上、とりあえず海運局の監督課長がここに出席いたしております。また
日本開発銀行
から総裁小林中君が
説明
員として特に出席されておりますから、申し添えておきます。 そこで本日出席された参考人その他の各位に一言申し上げておきます。すなわち
造船融
資に関する問題の
調査
にあたりましては、世上種々とりざたされておりますが、当
委員会
におきましては、その
重点
を政府
機関
である
日本開発銀行
並びにこれと関連性のある
日本長期信用
銀行等の融資に限る次第であります。従
つて
経理
上の数字にわたる面も多々あろうかと思いますので、極力詳細にかつ率直に
説明
され、問題の解明に協力されるよう切望する次第であります。 それでは
質疑
を許します。大上司君。
大上司
22
○大上
委員
理事
諸君の了解を得まして、ごく簡単に二、三
質問
をいたします。
田中彰治
23
○
田中委員長
だれにですか。
大上司
24
○大上
委員
開発銀行に……。今度の造船の融資の問題は、ほとんどわれわれ当
委員会
でも各
委員
がそれぞれの立場から言
つて
おられるのですが、
財政
資金である。われわれ
決算
委員
から見まして、これがいかに効率的に使われたか、あるいはこれがどのような効果を現わしているか、または
国損
がどこにあるか、もしも
国損
が出たならば、それはどういう
関係
で、どういう理由に基いて
国損
が出たのかということは、国民とともによく批判し、さらに将来を期して資金の効率的な使い方に持
つて
行きたい、このような観点から、われわれ当
委員会
におきましてもこれを重大視したのです。そこでまず一点お尋ねしたい点は、これまたそれぞれの立場でありますが、もしも当
委員会
が計数的に、その最終の
委員会
の
目的
から見まして、これを非常に
調査
をいたしますると、法務
大臣
が特に当
委員会
に申入れをされまして、諸般の
事情
から見てこれらの
調査
は云々というお話がありましたのですが、われわれはそのようには
考え
ない。当然検察官とわれわれ
国会
との結論のとり方も違えば、
調査
の立てようも違うのだ。それで開発銀行の総裁といたしまして、もしもこれを
調査
する場合には、はたして法務
大臣
がおつしやるがごときことになるのかならないのか。まずその一点お尋ねしたいと思います。
小林中
25
○小林
説明
員 ただいまの御
質問
に対しては、法務
大臣
がいかなる御
答弁
をしたか存じませんが、開発銀行としては、皆様の御了解の行くように、できるだけ協力して御
説明
を申し上げたいと思
つて
おります。
大上司
26
○大上
委員
では
質問
を続けます。まず、いろいろといわれておりますが、この
委員会
におきましても、たとえば
計画
造船の決定について、いわゆるいろいろな審議過程であるとか、あるいは
運輸
大臣
の所管
事項
にかかること、またはこの造船合理化審議会等の権限等もよく承知をしておりますから、そのつもりで御回答願いたいと思います。 まず先般の本
委員会
におきまして、
運輸
大臣
は、いろいろな船価のきめ方につきましては、特に九次船におきましては、開発銀行の
意見
を非常に尊重したのだ、こういうふうな結論が出、私はそのときに
運輸
省は何をしておるのだ、
計画
造船の船主決定権が、いわゆる行政府にあるなら当然これは
行政処分
じやないか、あなたたちが行政権を放棄することはも
つて
のほかだという発言をしておきましたが、それについて当局からいろいろ
説明
がありましたが、問題はどの程度に開発銀行が発言なされ、この決定に当
つて
どの程度の役割を果したかという点をまずお尋ねしたいと思います。
小林中
27
○小林
説明
員 ただいまの御
質問
でありますが、開発銀行が
造船融
資をいたします際は、御承知の
通り
計画
造船でありますので、まず最初に政府がその
年度
の海運政策を確立いたされまして、その
年度
に幾らの船をつくるかということをおきめ願うことがまず先決問題だと思います。そこでかりに三十万トンなら三十万トンを建造するのだという政府の方針がきまりますると、その次には
予算
措置がそれに伴
つて
行われるのではないかと思
つて
おります。従
つて
予算
措置がきまるというふうな順序になりまして、そうして具体的な問題に入ると思うのであります。大体基礎はそこで大きな資金がきま
つて
参るのであります。開発銀行といたしましては
昭和
二十七年の十月に見返り資金を計上いたしまして、それから二十八
年度
におきましては造船資金の融資ということを扱
つて
参つたのでありまして、開発銀行という建前から行きまして、一応
造船融
資をいたしまする場合に、その基準と申しますか、そういうものを
運輸
省に問いただしまして、
運輸
省からその基準の返事がありましたら、その上で、開発銀行といたしましては、各船会社に対して、資産、信用力、並びに経営能力という点を十分に審査をいたしまして、そうしてそういう角度において開発銀行の
意見
をまとめて、
運輸
省に申入れる、こういうふうな順序になります。
大上司
28
○大上
委員
あまり時間がありませんようで、要点だけ聞きます。非常に重大なる問題だろうと思いますが、たとえばこの船会社の
計画
造船に漏れるか漏れないかということは、
運輸
省の所管の
関係
もあるが、特にあなたの方では経営能力と資産状態という問題があります。そこで資産は当然株主総会その他に発表すべきものでありますから、これは問う必要もないんだが、それでは経営能力はどのような判定基準をもちましてお出しになりましたか、すなわち国民が納得するような経営能力の点をどのような基準でおきめに
なつ
たか、それが第一点。 第二点は、開発銀行それ自体の運営なり、その法律等はよく承知しておりますが、私
ども
は最後の決定権は当然小林さんにあると思いますが、この開発銀行の行内におけるところの船主の決定権は、最後にはどなたがお持ちになりますか。たとえば
理事会
において最終的にというのか、あるいは
理事会
で上
つて
来たものを総裁がまた経営能力あるいは資産というもので変更でき得るのかできないのか、まずこの二点をお尋ねします。
小林中
29
○小林
説明
員 ただいまのお尋ねでありますが、経営能力という点はいろいろな角度から調べております。これは松田
理事
並びに審査部長からよく詳細にお聞き願えば
内容
がわかると思います。そうして最後の決定は、これは開発銀行としての決定ですが、開発銀行としての決定は、役員会で実際は合議の上で決定いたしておるのであります。
大上司
30
○大上
委員
松田
理事
並びに審査部長等に対する
質問
は時間がありませんので
あと
でお聞きすることにいたしまして、大体の方向はわかりました。そこで問題を切りかえまして、今日新聞紙上でも言われ、また当
委員会
でも問題になりましたリベートの問題であります。開発銀行の扱われたところの船は第一次船からでなくして、うんと後期でございまするが、あなたの方の基準では当然資産能力といいあるいは船価というものを非常に重く見なければならないのじやないかと思います。たくさんの会社を一率に扱
つて
おられるのだから、Aという会社の船価、すなわち造船所ですが、この契約船価が、たとえばカーゴー・ボート五千トンのものが七億九千万円、これは大体二十七年です。ところがたとえば同じ五千五百トンのグロス・トンでと
つて
行こうとする場合に、十一億円出たという場合に、皆さん方の開発銀行としては迷われると思うのですが、船価の基準の立て方を那辺に置いておられましたかということをお尋ねします。
小林中
31
○小林
説明
員 船価の基準と申しましても、一律一体に同じ船と申しましても、トン数は同じでも
内容
が多少航路によ
つて
違う場合がありますので、船の
内容
が
違つて
来ますと、多少船価に影響があるということは
考え
られるわけであります。ただわれわれといたしましては、われわれ開発銀行において
造船融
資を扱
つて
参りました際に、どうしても船価を引下げなければいかぬということで、かなり船価引下げには
努力
したつもりでおるのでございます。
大上司
32
○大上
委員
他の
委員
もおられますから、これで総裁に対する
質問
は打切りますが、問題は商習慣ともいわれているところのこのリベートは、総裁または開発銀行の
理事
役員諸君はよく承知しておられたかおらないか。従
つて
よく了解しておられるならば、今日のような問題は起
つて
来ないのです。皆さん自体がいろいろ
調査
すればわかりますが、リベートの
計算
が出たということは、
調査
が疎漏であ
つて
、なおかつ、国民の
財政
資金を使いながら、あまりにも放漫なる船価のきめ方、あるいは経営能力の判定にあるのではないかと思います。私たちは、特に本
委員会
においてはどの
委員
もそうですが、今の御説の
通り
、船価のきめ方について、たとえばつけるところのエンジンがタービンであるとか、デイーゼルであるとか、あるいは速力がどうだとか、あるいは定期がどうだとか、不定期がどうだとかいうことは皆さんみな承知しております。だから要点は、そういうふうな問題が現実に出て来たから、
国損
の面から見るならば、あなたの方の
調査
、あるいは貸付等はいささか疎漏に過ぎたのではないか、これを最後にお尋ねしたいと思います。
小林中
33
○小林
説明
員 最近リベートの問題が大分やかましい問題に
なつ
て参つたようでありますが、実は開発銀行としては審査部でそういうものは全部
調査
をいたしたのであります。審査部で各会社からいろいろな書類を提出させまして、その資産
内容
とかあるいは経営状態とかいうものを長い間調べておりましたが、その中にリベートの問題というのは、具体的には出ておらなかつたのではないかと思います。その当時私
ども
は審査部からはさようなことは聞いておりませんでした。それは事実あるとすれば、われわれはそこまで審査というか
調査
をしなかつたということに結論がなると言えば言えるのでありますが、しかしこれは私
ども
の立場から行きますと、そういう権限はないのでありまして、
相手方
から出して来る書類を基準にして、その書類が合理的に合
つて
おるかいないか、不合理の点があれば、そういうものは究明いたす、こういうことです。
大上司
34
○大上
委員
時間がないから打切ろうと思
つて
おりましたが、奇怪千万なるお話を承りましたので再
質問
いたします。なぜならば、今のお言葉からすれば、出された書類が合理的に
なつ
ておればそれによ
つて
出すのだということは、いわゆる形式だけ整
つて
おれば、実情が相違してもそれに融資しなければならぬというようなお
考え
で総裁は開発銀行を運営なさ
つて
来たのか、これが第一点。 第二点は、いわゆる
一般
の採算率といいますか、銀行を経営するについてのコストといいますか、お宅さんはそういうコンマーシャル・バンクではない、その面から見て、少しく放漫であつたということを国民の目の前で認められますか、認められませんか。この二点だけをお尋ねしておきます。
小林中
35
○小林
説明
員 ただいまの御
質問
で何か形式的にものが
なつ
ておればいいのだというお話でありますが、私
ども
はそういう意味ではございません。ただ私銀行として
相手方
の何か
調査
をするとか、あるいは
相手方
のいろいろな書類をこちらから行
つて
調べる権能というものが与えられていない。(「おかしいな」と呼ぶ者あり)それはそうだろうと思うのです。実情はこうなんですよ、相手が出さなければどうしても……。 〔発言する者多し〕
田中彰治
36
○
田中委員長
御静粛に願います。
小林中
37
○小林
説明
員 審査部の実情をよくお聞きくださいませ。そうすれば私よりむしろよく御納得行くと思います。
田中彰治
38
○
田中委員長
藤田義光君。
藤田義光
39
○藤田
委員
私は時間が非常に貴重でありますから、率直に要点だけお伺いしたいと思います。
日本開発銀行
の総裁小林中氏は最近非常にジャーナリストその他の方面の注視を浴びられております。現に本日はこのように多数の言論人が押しかけて、一挙手一投足を注目しておるのでありまして、私は
全国
民の注視する本問題に関しまして数点にわたり、総裁だけに限りましてお伺いしたいと思います。 まず第一点は、
日本開発銀行
法によれば、総裁は総理
大臣
の任命によ
つて
きまるようであります。しかしながら監督は
大蔵大臣
の監督を受けております。小林総裁がしばしば白金の総理
大臣
官舎にごきげん奉伺に行く理由は、この法律ではつきりしております。
吉田
総理の金融側近ということもいわれております。なるべく長くその地位を保つためにはやむを得ないことかもしれませんが、私はこの
日本開発銀行
法の
規定
が矛盾してやしないかと思う。任命は総理
大臣
であ
つて
監督は
大蔵大臣
から受ける、ここに開発銀行の今後の運営に一つの大きな問題があると私は思うのでありますが、総裁は現在の任命制度と現在の監督制度で何ら支障ないとお
考え
でありますか、それとも非常にやりにくいから改正してほしいという
意見
でありますか、まずお伺いいたします。
小林中
40
○小林
説明
員 ただいま仰せの
通り
、私と副総裁は総理の任命ということに
なつ
ておりまして、銀行の業務は大蔵省の監督ということに
なつ
ております。しかし仕事をする上におきましては、時々大蔵省と
連絡
をと
つて
や
つて
おりますので別に仕事の上には支障はないと私は思
つて
おります。
藤田義光
41
○藤田
委員
現に造船資金をめぐりまして大きな問題が起きておりまして、支障があるから私は
質問
いたしておるわけでありますが、この点は見解の相違になりそうですから省略いたします。 ただいま同僚大上
委員
の
質問
に対しまして、書類によ
つて
審査する、従
つて
行員が出かけて行
つて
現実の
調査
をするような権限はないということを言われましたが、これは何かの間違いじやないか。
一般
銀行法によりましても当然そういうことはできる仕組みに
なつ
ております。まして国民の資金を全額背負
つて
おられる開発銀行の
責任者
が、書類だけによ
つて
この貴重な
財政
資金を散布するというような不謹慎な発言をされることは、われわれには納得行かぬのでありますが、何か思い違いであろうかと思いますので、もう一度お伺いしておきます。
小林中
42
○小林
説明
員 ただいま私の言葉をそういうふうにお聞きとりになりましたことは、まことに遺憾と思います。(「そう言つたじやないか」と呼ぶ者あり)だから遺憾だと思います。そういうことでありましたら、審査部からはその会社に出かけて行
つて
書類を見、また
調査
もいたすのでありますが、ただ私が申しましたのは、法律的建前からそこの捜査をするというふうなことまではできないんだ、こういうことを申し上げたわけであります。
藤田義光
43
○藤田
委員
私は何も刑法上の捜査とかなんとかいう意味で申しておりません。現実の
調査
は当然できるんじやないか。そういうことでないと、われわれは
日本開発銀行
に国民の税金を預けるわけに行かぬのでありまして、いま一度御
答弁
願います。
小林中
44
○小林
説明
員 ただいまのリベートの問題がありましたので、そういうふうなことを申し上げたのでありまして、審査といたしましては、各会社に対しまして十分
調査
をしておりますことは、これは審査部長からよく
内容
をお聞きくだされば、おわかりのことと思います。
藤田義光
45
○藤田
委員
私はここで一審査部長の職務権限等を聞いておりません。総裁としての大権限をどう
考え
られておるかということを聞いておるのであります。大上
委員
の
質問
に対しまして、もしリベートの事実があれば、これは確かに開発銀行の落度である、従
つて
自分も
責任
を感ずるというような意味の発言がありましたが、そのように解釈してよろしゆうございますか、どうですか。もしこれを落度であるというふうに
考え
られましたならば、今後融資の面でどういうふうに是正される方針でありますか、お伺いしておきます。
小林中
46
○小林
説明
員 ただいまの御発言でありますが、開発銀行がある期間においてそれを
調査
するという上からいいますと、リベートの問題は、開発銀行としてはそこまで
調査
できなかつたことは事実であります。ただ、現在伝えられているがごときリベートであれば、
相手方
は開発銀行に対してなかなかそういうことは言わないことがあるのじやないかと思います。しかしこれは非常な長い時間をかけて開発銀行が
調査
をしますれば、あるいはそういうものも発見できたのではないかと思うのであります。
藤田義光
47
○藤田
委員
現にもう
関係
方面の手が入りまして、リベートという現実が具体的に現われておる。従いまして、この問題を今後融資の面でどういうふうに処理して行かれるか、今年の
予算
書によれば実に百八十五億という海運資金が総裁に預けられることに
なつ
ておるのでありまして、こういう
関係
からして非常に国民が心配している点でありますから、重ねて総裁としての御所見を伺
つて
おきます。
小林中
48
○小林
説明
員 ただいまリベートの問題が世の中にいろいろにうわさされております。さような事実があるといたしますれば、開発銀行は今後造船所の貸金の使い方並びに船会社の資金の使い方に対して詳細にこれを取調べて行かなければならぬものだと
考え
ております。
藤田義光
49
○藤田
委員
取調べるだけでは問題の解決にならぬと思いますが、ほかの
質問
がありますから先に進みます。 次にお伺いいたしたいのは、第九次の前期の
造船融
資は、開発銀行が
責任
を持たれて、
運輸
省は手を引いておつたように私たちは了解いたしておりますが、事実でありますかどうですか。
小林中
50
○小林
説明
員 海運政策の上から行きまして、航路
計画
は前期の際も
運輸
省がきめられたのであります。開発銀行としては資産、信用力及び経営能力という点に限
つて
審査をして参つたのであります。ただ後期の場合は、前期の場合と違いまして、造船所のあり方というものが取上げられておりますので、それと今の航路
計画
が大体
運輸
省で
考え
られたという違いはあります。
藤田義光
51
○藤田
委員
ただいまの総裁の
答弁
は非常に重大でありまして、航路
計画
を中心とした諸般の権限は
運輸
省にあるが、融資に関する諸般の権限は開発銀行にある、そういうことになりますと、現下
全国
民の注視を浴びておりますリベートという融資に直接した問題はあげて開発銀行総裁の
責任
になる、
運輸
大臣
の
責任
にあらずという結論が出て来るわけでございますが、今の御
説明
間違いありませんか。
運輸
省と開発銀行の造船に関する権限の限界に関しまして、いま一度御
答弁
願います。
小林中
52
○小林
説明
員 建造の許可というものは
運輸
省が最後にされるのであります。
運輸
省は主として今の航路の問題、造船所のあり方という問題を
考え
られます。私の方は銀行という建前で資産、信用力及び経営能力、こういうものを
考え
て行きまして、そうして両方が
意見
を持ち寄
つて
、その最後は
運輸
省の建造許可ということに相なるんだと思います。
田中彰治
53
○
田中委員長
藤田君時間がありませんから……。
藤田義光
54
○藤田
委員
それではその点は後日に譲りまして、次にお伺いしたいのは、開発銀行が
財政
資金をも
つて
海運、造船業に対する融資をやりまして、不足の資金が出て参ります。この不足の資金はあげて市中金融
機関
から融資されておるのでありますが、この市中金融
機関
の融資に関しましては、開発銀件としましては、何ら容喙されぬという建前に
なつ
ておりますかどうですか。資金の中心が
財政
資金でありますがために、私は
財政
資金の散布
責任者
たる開発銀行総裁は不足分の市中金融の融資に対しまして、
相当
の権限と関心を持つべきじやないかと
考え
ておりますが、この際総裁の所見を伺
つて
おきます。
小林中
55
○小林
説明
員 実は造船資金を融資する場合には各船会社から申込みがあります。その申込みは、政府できめました七・三というような資金の割合の三割が各金融業者からついて来たものを申し込んで参るのでございます。それを土台に開発銀行は審査をするということでありまして、市中金融
機関
が船舶建造に対して資金をつけることに対しては、開発銀行はほとんど何らの
関係
はないというふうな順序でございます。
藤田義光
56
○藤田
委員
そうしますと、現実に
厖大
な
財政
資金を造船にまわしておられる総裁が、まず市中金融
機関
のひもがついておるということを前提に審査されるということは、私はまことに不見識であると思う。当然開発銀行が主導力を持つべきでありまして、この点は何か実際の運営上の誤解ではないかと思うのでありまして、そういうことをすれば、たとえば三菱造船のごとく三菱銀行と直結している船会社でなければ、船はつくれぬというような、非常な弊害も出て来ると思うのであります。開発銀行が国家
財政
資金を持
つて
おりまして、国家的な見地から造船資金の散布を
考え
られるということになれば、この点に対する公正な処理ができるようになると思うのでありますが、実際の運営はただいまの総裁の御
答弁
で間違いないかどうか、この点を伺いたい。
小林中
57
○小林
説明
員 それは松田
理事
から御
説明
申し上げます。
松田太郎
58
○松田
説明
員 ただいまの点、少し総裁の御
説明
に誤解があつたかと思いますが、七割につきましては、開発銀行が
責任
を持
つて
つける、そうして開発銀行が大体内定をいたしました
あと
は、市中が残りの三割についてつくかどうかということは、船会社の
責任
において市中と相談をせられて、その市中もつくということになりましてから、建造許可を
運輸
省の方はせられる、こういう順序になります。
藤田義光
59
○藤田
委員
最後にお伺いいたしたいのでありますが、
日本開発銀行
法の四十条には、第一項で
大蔵大臣
の監督を
規定
いたしております。第二項におきましては、
大蔵大臣
は必要とあれば業務命令を出せるという
規定
がございます。私は現在の
造船融
資の問題はまことに重大である、従いまして
大蔵大臣
は、即時この問題に関しましては業務命令を発しまして、詳細な——すでに済んだことでありまするが——
調査
をやると同時に、今後の
計画
をすべきであるということを
考え
ておる一人であります。しかるに
大蔵大臣
は業務命令を出す段階ではないというふうな解釈でありますが、この際総裁に、
大蔵大臣
のいわゆる業務命令というのは、どういう場合に出すべきものであるかということを、ひとつ命令を受ける総裁としての解釈をこの機会に伺
つて
おきたい。
小林中
60
○小林
説明
員 業務命令と申しましても、どういう種類のものか私にもはつきり納得が行かないのでありますが、ただ大蔵省には監督権がありまするので、常に大蔵省とは
連絡
をして業務の運営をしておるのでありまして、その際私
ども
は船舶建造融資をいたします上において、別に落度はなくや
つて
おると
考え
ておるのであります。これは大蔵省が業務命令を出す必要がありと
考え
れば、お出しになるのがよろしいのでありまして、私
ども
が出す必要があるとかないとかいうことを申し上げることではないと思います。
藤田義光
61
○藤田
委員
ただいまの
答弁
に関しまして、これで
質問
を打切りますが、
造船融
資に対して落度がないということであります。これは速記録を調べて、いずれ機会を改めてお聞きしますが、リベートの問題では落度があるというふうにはつきり
答弁
をされておるのであります。しかりとすれば、開発銀行法の四十二条に「
大蔵大臣
は、必要があると認めるときは、
日本開発銀行
に対して
報告
をさせ、又はその
職員
をして
日本開発銀行
の事務所に立ち入り、業務の
状況
若しくは帳簿、書類その他必要な
物件
を
検査
させることができる。」とありますが、私はリベートの問題が発生しておる今日においては、こういう
検査
が非常に急いでされるべきであると
考え
る一人でありまして、この
検査
の結果に基き
日本開発銀行
に対して業務命令を出せるというのが、四十条の第二項であります。そういう段階に問題は到達しておると思うのでありますが、落度がない、現在スムーズに運営しているという認識をも
つて
開発銀行の
造船融
資を続けておられるという総裁の御
答弁
は、私は非常に不満でありますけれ
ども
、本日はほかの
質問
がありますから留保いたしまして、後日に譲りたいと思います。
田中彰治
62
○
田中委員長
杉村沖次郎君。
杉村沖治郎
63
○
杉村委員
私は資料を本日いただいので、まだ十分検討いたしておりません。そこで私は基本的の問題こついて、開発銀行の総裁に伺
つて
おきたいと思うのであります。この間
運輸
大臣
、
大蔵大臣
等から開発銀行から貸出しをしまするところの船舶の性質及び会社等を決定をするについて話を伺つたのでありますが、まずそれについて、
大蔵大臣
等の
意見
は
意見
として、あなたの今日までとり来つたところのそれを一応聞かしていただきたいと思います。
小林中
64
○小林
説明
員 先般から御
説明
申し上げております
通り
、開発銀行といたしましては、船舶建造融資をいたします場合に、その申込みをした船会社に対して、個々に資産、信用力及び経営能力というようなものを十分に、あらゆる角度から
調査
し見て行く、そうして融資の
対象
として適格であるかないかをきめる、こういう立場であります。
杉村沖治郎
65
○
杉村委員
それで、そうしていろいろの立場から検討してきめるとおつしやるんですが、それはあなたがお一人できめるのですか、だれがどういうことをきめるのですか、そういうことを伺いたい。
小林中
66
○小林
説明
員 銀行の組織といたしまして、まず営業部が申込みの受付をいたしまして、そうして大体の審査をいたしまして、それから審査部にまわりまして、審査部で
相当
時間をかけまして、あらゆる角度から会社の
内容
等の審査をいたします。その審査の
報告
が役員会にかかりまして、役員会におきまして、役員が不審な点はいろいろ
質問
いたしました結果、役員会で各役員が納得の行つた上で決定をするという順序に
なつ
ております。これは船だけではありません。全部そういうような順序でや
つて
おります。
杉村沖治郎
67
○
杉村委員
そうすると、今のような経路によりますところの手続によ
つて
、最終決定はあなたお一人できめるということに
なつ
ておつたのですか。
小林中
68
○小林
説明
員 事実上は役員会で、各役員からいろいろな
意見
が出まして、そうして役員全部の納得の行つた上できめているということが実情であります。
杉村沖治郎
69
○
杉村委員
あなたの今までの話のことはわか
つて
いるのですが、そうすると、あなた以外に、あなた以上の者と別に相談をしないで、あなただけで会社あるいは船等を決定して、そうして貸付を行
つて
いるかどうかと、こう聞くのです。そうすると、わかりにくいかもしれませんが、あなただけで決定するのではないように今までわれわれ聞いているものですから聞くのですが、ほかに相談をするとか
協議
をするという者はないのですか。あなたの監督者である、あるいは
運輸
大臣
とか
大蔵大臣
等と
協議
をするというようなこともないのですか。
小林中
70
○小林
説明
員 ただいま申上げましたように、資産、信用力、並びに経営能力という点は、開発銀行で一応きめまして、そうしてその結果を
運輸
省に通達いたしまして、そうして
運輸
省と
協議
の上で決定をする、こういうことであります。
杉村沖治郎
71
○
杉村委員
どうもあまりそう幾つも言わなくても、もう少しすつと言
つて
もらつたらいいと思うのだが、
運輸
省のだれとあなたは
協議
するのですか。いま少し具体的にずぼつと、遠まわしでなく
説明
していただきたい。
小林中
72
○小林
説明
員 それは事務折衝ですから、
運輸
省の海運局と開発銀行の事務当局が折衝をいたすのであります。そして最後は、事務当局で折衝をして済んだところで、
運輸
大臣
と私が会
つて
決定するという形になります。
杉村沖治郎
73
○
杉村委員
事務当局が定めて、最後にあなたがやる形となるということを言う。どうもまことにいいかげんな答えですな。
運輸
大臣
とあなたが最後にきめるということは、形ではなくして、下僚のやつたことを総裁や
大臣
がほんとうに見て、あなた方の見識によ
つて
、これが適当であるか、不適当であるかということを決定の上できめるのではないか。あなた方はロボツトのように、事務当局が打合せをしたらと言葉の上で言
つて
おるんだが、そんないいかげんな答えでよろしいのですか。
小林中
74
○小林
説明
員 ただいま申し上げましたように、金融の角度、つまり資産、信用力、経営能力というものは開発銀行がきめる。そこでそれをきめたものと、
運輸
省の今の航路
事情
とかあるいは造船所
事情
とかいうものを合せまして、事務当局がお互いに話をし合
つて
、最後の決定は
運輸
大臣
と私が会
つて
決定をするということであります。
杉村沖治郎
75
○
杉村委員
それですから、あなたがさつき答えたように、形だけじやないでしよう。あなた方が決定をしたのは形じやなくて——笑いごとじやないんだ、総裁は。ふまじめきわまる。形だけじやないでしよう。いやしくもあなた方が決定したものは、これは最もよろしい、こういうことで決定するのでありましよう。そんないいかげんなことを言われては困る。 それはそれでよろしいが、先ほどあなたは他の
委員
への
説明
で、リベートということを言われたが、リベートということは今まですつと行われて来ておつたことでありますか、ありませんか。
小林中
76
○小林
説明
員 私は今までリベートということが行われて来たという確実な知識は持
つて
おりません。
杉村沖治郎
77
○
杉村委員
いま一つ重ねて聞きますが、あなたはリベートについて研究したこともなく、今日までこれほど新聞にたくさん出ておるんだが、新聞を見て初めて知つたことでありますか。
小林中
78
○小林
説明
員 リベートというものは、もしあるとすれば、各会社の、バランス・シートに本来あるべきだと私は思います。それがほんとうだ、バランス・シートに入るべきだと思います。
杉村沖治郎
79
○
杉村委員
あるとすればバランス・シートに入るべきだということを今言われたが、いかなるわけで入るべきなのですか。その
説明
をしてもらいたい。
小林中
80
○小林
説明
員 私は会社の一つの
収入
だと思います。現在はあつたということに
なつ
ておりますが、従来でもかりに商習慣とかそういうものであつたとすれば、会社の
収入
に立てべきものだと
考え
ます。
杉村沖治郎
81
○
杉村委員
あなたは先ほど知らないと言われたんですが、あつたなれば会社のそれに入るべきものだということをおつしやられる以上は、それがいかなる性質のものであるかということを御存じなくては、そういう答えはできないはずだと思います。それは会社の帳簿に載るべきものだと言うが、知らない人からどうしてそういう言葉が出て来るのですか。
小林中
82
○小林
説明
員 最近リベートの問題は非常によく
内容
が判明されましたので、今の判明されたようなリベートであれば、私はそういう解釈をとるべきだと
考え
るものであります。
杉村沖治郎
83
○
杉村委員
それではその点は
あと
でまた研究して伺うことにいたします。これは私が資料を手に入れてまだ時間がありませんので、十分調べておりませんが、
昭和
二十五年三月二十四日に貸付をいたしましたところのあまぞん丸、会社は旭海運、以下たくさんの会社に貸付がいたしてありまして、ただいま問題に
なつ
ておりますところの山下汽船に対して貸付をいたしました山下丸、これの造船について貸付をしたものを初め、その他たくさんの会社に貸付がいたしてあります。初期の償還期限に金が入らないで、たくさん延期を承諾いたしておるようでありますが、これは一体従来どんなわけでこんなにたくさん金が償還期限に入らないのでありますか。いかなる
事情
ですか。それを一つ一つ伺うと、たくさんの会社でありますから、これはそういう詳細については追
つて
事務当局の人にお伺いいたしますけれ
ども
、大体においてこれはたくさんあるのでありますが、いかなる
事情
でこんなに当初の償還期限を延期しなければならないような
事情
にあつたのでありましようか。
小林中
84
○小林
説明
員 各会社の
事情
によ
つて
その利益金の率も異なると思いますが、大体総体的に見ますと、御承知の
通り
、海運界は最近一年以上非常に不況になり、国際競争が激甚になりまして、利益金が下
つて
来た。そういうわけで海運会社の
収入
は非常な激減をした結果、やむを得ざる
事情
がそういうふうな形に
なつ
て現われて来たのじやないか、こういうふうに感じます。個個の問題に対しましては、あるいは
理事
、あるいは部長から詳細に御
説明
を申し上げたいと思います。
杉村沖治郎
85
○
杉村委員
かくのごとくたくさんの貸付口数について満足に償還がされてないということ、当初の貸付
調査
においてまつたく能力のないようないいかげんな会社に情実
関係
で貸し付けたり、あるいはその他いろいろの
事情
から、こういうように償還をさせないでこれを承諾しておつたというようなことが、今日のこの造船汚職の問題として現われて来たのではあるまいかと私
ども
は想像するのでありますが、しかしそれはわれわれの想像でありまして、数字の根拠はまだありません。しかし資料は持
つて
おりますから、この貸料を十分
調査
して追
つて
伺いたいと思
つて
おるのでありますが、あなたの今日までの貸付経緯において、貸しつけなさつた
あと
で、ああ、あの会社はまずかつた、われわれが当初
調査
したときのような状態とは少し見込みが
違つて
おつたというような会社は一つもございませんでしたか、いかがでありましようか。あるいは情実
関係
から延ばしておつたというようなことはございませんでしたか、いかがでしようか。
小林中
86
○小林
説明
員
日本開発銀行
が貸しつけましたのは、二十八
年度
の
造船融
資からであります。従
つて
資金の返済になりますものは、今日は、そのずつと前の見返り資金当時のものが問題なのであります。従
つて
開発銀行といたしましては、政府が三十万トンの建造をするという政策を立てました以上は、三十万トンをできるだけ返済能力のある会社に貸しつける、こういう方針で参
つて
おるわけであります。
杉村沖治郎
87
○
杉村委員
私が伺つたのはそういうことを伺つたのじやない、あなたが貸しつけて、最初の
調査
において
調査
したことと、後に
なつ
て、あれはどうもまずかつたのじやなかつたかということがなかつたかということを問うておる。そんな政府の方針などはあなたに聞かなくてもすでに知
つて
おります。
小林中
88
○小林
説明
員 二十八
年度
から、今申しましたことく貸しております。しかしその貸しつけの期間におきまして、まずかつたと思うようなことは現在まだ起
つて
おりません。
田中彰治
89
○
田中委員長
吉田
賢一君。
吉田賢一
90
○
吉田
(賢)
委員
開発銀行の総裁に二、三伺います。あなたの方で
造船融
資をするのに際しまして、まず審査部でいろいろ審査して重役に
報告
するらしいという御
説明
を聞いたのでありまするが、融資を受けた船会社を政府提出資料によ
つて
一覧してみますると、船、三井、飯野そういつたような大きな、どこから見ましても資力、信用力がありそうな、また戦後
相当
船がなお残
つて
おりそうな会社は、たいてい漏れなく割当を受けておるようであります。そこで私の伺いたい点は、あなたの方も
運輸
省と協力して最終決定に
相当
役割を占めておられるのだが、このような大きな船会社とそれよりも資力、信用力において劣る船会社、そういつたものとでは審査の結果は
相当
区別が現われて来ると思うのだが、大体におきましてその辺は何か基準がなければなるまいと思うのであります。といいますのは、たとえば郵船とか商船とか三井、飯野とかいうようなところであれば、そう深く
調査
をしなくてもいいかもしれない。あるいは
調査
をしないものは当然選に入るかわからない。そうしたらそれ以外のものが十分
調査
をされるということになるのかもしれない。こう思いますので、大体その辺はどういう基準において貸付の
対象
を
選定
するということにしておられるのか、根本方針を聞いておきたいのです。
小林中
91
○小林
説明
員 それは郵船でも商船でも三井船舶でも同率な建前で
調査
をいたして参
つて
おります。従いまして郵船とか商船とかあるいは三井船舶というようなものは、仰せの
通り
他の船会社よりも資産、信用力等が強力であることも事実でありまするので、融資をする場合に、あるいは他の会社が一隻の場合二隻融資ができるというふうに資産、信用力等の点で差異は出て参りますが、しかし審査をする場合には、同じ角度から同じ方法で全部を審査をいたしております。
吉田賢一
92
○
吉田
(賢)
委員
審査の方法を聞くのではなしに、審査の結果といたしまして、資産
内容
、経営能力等がおもな
調査
対象
に
なつ
ておるらしいのであるから、そうするならば当初からもうある大会社は当然選に入
つて
おる。そうでないものが実質上審査されるという結果になるのじやないかということを聞いておるのです。
小林中
93
○小林
説明
員 ただいま申し上げましたように他の会社には一隻融資をする場合にも、あるいは郵船とか商船とか三井とかには二隻融資をするというふうな場合がありますが、三井とか郵船とか商船を
調査
しなくてもよろしいのだというふうな建前は私
ども
はと
つて
おりません。やはりその会社の
負担
能力というものを
考え
まして融資をいたして参
つて
おります。
吉田賢一
94
○
吉田
(賢)
委員
私の聞くのは一隻が二隻になるようなこともあろう。そこで
負担
能力の限界もある。これはよくわかる。しかしながら、まず資力とか信用力とか経営の能力などを
調査
なさるという場合には、勢い今申し述べたような、大きな会社を除いた以外のものに
重点
が置かれて、それらの大会社は当然ともかくある選に入る資格を持
つて
おる、こういう前提に
なつ
ておるのではないかということを聞くのであります。
小林中
95
○小林
説明
員 それはかりに二十社ありましても、三十社ありましても、同じ角度で同じ方法で各会社について
調査
しておりまして、リストも同じようにずつとみな出て来るのであります。だから決して郵船とか商船とか、そういうものは
調査
はよろしいのだというておりません。
吉田賢一
96
○
吉田
(賢)
委員
そうしますると、選に漏れたものについては、どういう
事情
があつたということになりましようか。これはあなたの方の選に漏れたのですから、何らかの
意見
があろうと思いますので、ひとつ聞いておきたい。
小林中
97
○小林
説明
員 それはただいま申しましたように、各会社の資産、信用力の比較でありますから、比較の上から行きまして、選に漏れたのは選に入つたのよりその
内容
が多少劣
つて
おるという結果——要するに私
ども
がや
つて
おる仕事は、数字がものを言うのでありまして、あらゆる方面から寄せて来ましたところの数字、あるいは数字に近いもの、そういうものの累積の形で行くのでありますから、そういう結果にならざるを得ないのであります。
吉田賢一
98
○
吉田
(賢)
委員
数字が基礎になることはよく存じております。しかしながら数字にはいろいろな性格もあるし、また数字の価値もあるし、また
調査
の仕方、出し方によりまして、その信憑カの問題もあるわけであります。それならは選に漏れたものは、選に入つたものよりも必ず常に資産、信用力、経営能力等において劣
つて
おる。もしくは
負担
能力がなかつた、こういうことが言い得られるのでしようか。あるいはそうではなくして、いわゆる造船疑獄といわれておるように、いろんな問題を引起しておることにかんがみまして、やはりそれはもつと
調査
をすればよかつたということが
相当
あるのではないでしようか。その辺のことを聞いておきたい。
小林中
99
○小林
説明
員 開発銀行に関しまする限りは、資産、信用力等の
調査
においては、ただいま申し上げましたような
事情
であります。但し、これは
運輸
省の航路
計画
、造船政策というようなものが加味して参ることは御承知の
通り
だと思いますが、開発銀行に関しまする限りは、そういう順序で決定いたしております。
吉田賢一
100
○
吉田
(賢)
委員
別の角度から聞きたいのですが、あなたの方は融資をする
対象
に決定するときに、もしその会社に現
内閣
の閣僚が重要な代表者、取締役、監査役というようなものに入
つて
おるときには、そういうものは特別に別の意味において除外するとか、あるいは考慮するとか何とかされたかいなか、そういうことの
調査
をせられたかどうか、それはいかがでしようか。
小林中
101
○小林
説明
員 船会社に現在の閣僚とかあるいは幹部が重役とかその他に名を並べておられましても、私
ども
の
調査
には一向そういうものは感覚の上には上
つて
おりません。(「じようだん言うな。そういうことはちやんと出すのではないか」と呼ぶ者あり)だから、それは
調査
をする上においては、何らの影響はないということを申し上げておるのです。むしろ私
ども
の感覚から行くと、マイナスには多少なるかもしれないというように
考え
ております。
吉田賢一
102
○
吉田
(賢)
委員
マイナスになるというような、そういう理想論を持
つて
おる人もあろうと思う。ところが悲しいかな、現実においては、そういうところが非常に優遇されておるという事実は、大蔵省の提出した資料あるいはあなたの方から出しておる資料によ
つて
明らかなんです。たとえば新日本汽船の山県元の厚生
大臣
、これは社長であります。二十七年十月末以来ごく最近に至りまするまで厚生
大臣
を勤めておつたのであります。これにあなたの方は
多額
の貸付をしておるのであります。またあるいは協立汽船の監査役に元の
大蔵大臣
が就任しておられる。これも二十七年から八年に至りまするまで、その間やはりあなたの方が融資しておるのであります。そういつた場合には除外するというくらいなことの方が穏当じやないでしようか。現に
大蔵大臣
がその会社の重要な監査役をなしておるようなところに融資するのは、穏当でないとお
考え
にならぬでしようか。マイナスになるというような
考え
方をしておられるならばなおさらそういうふうに
考え
て行くべきでないかと思う。ことにまた太平洋海運は現
大蔵大臣
が取締役でありまして、これは最近辞任をしたということが新聞に出ておりましたけれ
ども
、当
委員会
におきましてもこの点
質疑
されたのであります。こういう閣僚が幹部を占めておるようなものに対しては、むしろ貸付を除外するくらいの方が国民から見れば公平だと思いますが、どう思いますか。
小林中
103
○小林
説明
員 これは各事務の
関係
から詳細に御
説明
申し上げたいと思いますが、私の記憶しておりますところでは、二十八年に開発銀行が扱いまして、特にそういう会社に特別に融資したということはありません。特に後期におきましては、山県君の会社、あるいは
大蔵大臣
の
関係
の会社、あるいは前
大蔵大臣
の向井さんの会社とかいうものはみんな落ちているはずであります。融資はしておりません。
吉田賢一
104
○
吉田
(賢)
委員
それではその点はなおあなたの資料と全部突き合せまして、
あと
に譲ることにいたします。同様に新日本海運、大野伴睦さんが取締役をしている会社に対しても同様におつしやるわけでありましようか、念のために聞いておきます。
松田太郎
105
○松田
説明
員 ちよつとお伺いいたしますが、会社名を。
吉田賢一
106
○
吉田
(賢)
委員
新日本海運。
松田太郎
107
○松田
説明
員 それは融資いたしておりません。
吉田賢一
108
○
吉田
(賢)
委員
同様におつしやるのですね。
松田太郎
109
○松田
説明
員 はい。
田中彰治
110
○
田中委員長
吉田委員
、時間が大分来ておりますが、またもう一度……。
吉田賢一
111
○
吉田
(賢)
委員
それでは開発銀行の総裁はよいといたします。
田中彰治
112
○
田中委員長
柴田
義男君。
柴田義男
113
○
柴田委員
簡単に伺います。先ほど同僚
委員
の
質問
に対しまして御
答弁
がございましたことを承
つて
おりますと、開発銀行は二十八
年度
以降融資をや
つて
おられる、こういうことであります。そういたしますと、第八次までは
関係
なく、第九次から開発銀行が融資をされた、こうおつしやるのでございましようか、どうでしようか。
小林中
114
○小林
説明
員 第九次からです。
柴田義男
115
○
柴田委員
そういたしますと、第八次までの分をただそのまま前から肩がわりをなしたのでございましようか。肩がわりをなさいます場合に、やはりいろいろな資料をも
つて
御
調査
の上でされたのでございましようか、その点を承りたいと思います。
小林中
116
○小林
説明
員 これは見返り資金の
関係
でありますので、開発銀行としてはそのままそつくり肩がわりいたしたわけであります。
柴田義男
117
○
柴田委員
どうも政府
関係
の金融
機関
では、そういうきらいが今までこの問題に限らずあつた。たとえば今の問題は見返り資金の
関係
で、前に融資が行われたものをそのまま肩がわりをやる。今度は開発銀行から、中小企業金庫が生れると、やはりそういう形で肩がわりをや
つて
おる。非常に無
責任
のようにわれわれは
考え
られるのですが、肩がわりをされました結果、その後の回収
状況
というものはどういう比率で行われておりましようか。その点を簡単でよろしゆうございますから承りたいと思います。
小林中
118
○小林
説明
員 その点は、私かりに、見返り資金の肩がわりしたものの回収がどういう比率でありますか、あるいは復金に肩がわりしたものがどういう比率でありますかということをこまかく数字をも
つて
御
説明
できません。係の者からひとつお聞き取りを願いたいと思います。しかし、そんな非常な支障はなく参
つて
いると
考え
ております。
柴田義男
119
○
柴田委員
本日私が配付を受けました資料によ
つて
見ましても、肩がわりをされました
昭和
二十五年、六年、七年と、こういう年代における貸付の回収率というものは、ほとんど見るべきものがないように、この資料の上では見受けられるのですが、今のようなお話でございますると、肩がわりをされましたものに対しましては、大きな
責任
をお感じに
なつ
ておられましようか。その点を承りたいと思います。
小林中
120
○小林
説明
員 肩がわりをいたしましたものでも、開発銀行が肩がわりしたものは開発銀行の
責任
として十分感じておりますし、十分
努力
をいたしております。
柴田義男
121
○
柴田委員
言葉の上では十分
責任
を感じておられるとおつしやいまするけれ
ども
、現実の資料から見ますると、回収の率が非常に悪い。こういうことが政府
関係
の金融
機関
が国民大衆から疑惑の目を持
つて
見られる大きな原因ではないかとわれわれは思うのです。新聞紙上等にも、今度の
計画
造船に対しまして、全然資本を持たないものでも、たとえば市中銀行が三〇%を貸しつけるという証明一本あれば十億の船がつくれるのだ。しかも三〇%は市中銀行が貸しつけて、七〇%は開銀が貸してくれるのだ。銀行当局者といろいろな交渉がうまくさえ行けば、一銭の資本を持たなくて十億の船でもでき上るのだ。そうしてでき上つた船に対しましては、造船会社はリベートを一割ないし一割五分や
つて
おる。リベートというものは汽船会社がそのままただもうけてしまうのだというようなことが巷間伝えられておる。そういう根本的な、融資に対するお
考え
は——肩がわりのものに対してはさらに
責任
を感じておらない。そしてまた融資する場合にも、その相手を、先ほど来の御
説明
を承りますと、信用あるいはその会社の
内容
等を十分御
調査
なさる、こういうお答えではございますけれ
ども
、しからば今問題に
なつ
ております山下汽船のごときは、現に浮貸しをや
つて
おる。こういう場合に、ほんとうに銀行当局が書類等を詳細に御
調査
に
なつ
たということがどうして言えるのでありましようか。その点を承りたいと思います。
小林中
122
○小林
説明
員 継承債権に対しては、私
ども
別に継承いたしましたものですから
責任
はないのだというふうななおざりの
考え
はいたしておりません。開発銀行としては同一な
責任
を感じまして回収の
努力
をいたしております。ただこれは係の者から詳細に御
説明
申し上げると思いますが、その回収
状況
は、船は御承知の三年間すえ置きというようなことに
なつ
ておりまして、数字の上から行きますと、最近に回収になるということで、数字はそれほど大きくはないと思いますが、これについては係の者から詳細に御
説明
申し上げることにいたします。それでその他の問題に対しましては、私
ども
は極力自己資金の充実ということを今慫慂しております。かりに融資をする場合におきましても、その会社に資本
増加
をしてもらいたいというふうな条件をしばしばつけまして融資をしているというふうな
状況
であります。
柴田義男
123
○
柴田委員
もう一つお伺いしますが、市中銀行と同順位で担保に関する
考え
方をお
考え
のようでございまするが、われわれしろうとでこの点はわからないのですが、同時期にお貸しになるために同じ順位でこれを担保としておとりになるのでございましようか、その点をひとつ承りたいと思います。第二の点でございますが、保証人はその会社の
常務取締役
以上の役員と
規定
されておるようでありますが、その会社の
常務取締役
は、平取締役よりも資産的なあるいは信用的な
内容
が悪くても、会社の
常務取締役
以上の者であれば、個人保証の
対象
になるのかどうか、この二点と、最後に見返り資金から引継ぎましたものに対しまする利子補給の点はどう
なつ
ておりましようか、この三点を承りたいと思います。
小林中
124
○小林
説明
員 ただいまの御
質問
でありますが、市中銀行と協調融資をいたしまする場合は、むしろ市中銀行は市中銀行を先順位にしてくれという希望が間々あるのであります。しかしながら、それは国家資金であるから先順位にすることは困る。どうしても同一順位でなければいかぬということで、同時に一つ
目的
に対して融資をしますために、同順位にしている実情であります。 次に重役の個人保証でありますが、これは常務重役以上は当然その業務に常に携わ
つて
おりますから、これは保証を願
つて
おります。それから平取締役も資産、信用力等がある者はできるだけ保証をと
つて
参る、こういう方針であります。
柴田義男
125
○
柴田委員
その御方針はわかつたのでありますが、平取締役等で個人保証をや
つて
おるのが現実にたくさんありましようか、今までの例でよろしゆうございますから承
つて
おきます。
小林中
126
○小林
説明
員 それは今事務当局に聞きましたが、具体的に今調べておりませんから、次に調べて御
報告
申し上げます。
田中彰治
127
○
田中委員長
山田長司
君。
山田長司
128
○
山田
(長)
委員
国民の血税を船会社に次々と貸しているわけですが、そのお金を貸す場合に、船の価格がもちろんあなた方の
調査
によ
つて
はつきりしたことによ
つて
お金を貸すわけだと思うのですが、その船の
調査
はどういう
機関
で調べておられるのか、それを一応伺いたいと思うのです。
小林中
129
○小林
説明
員 それは審査部長から一応御
報告
申し上げます。
山田長司
130
○
山田
(長)
委員
総裁わからぬですか。
小林中
131
○小林
説明
員 どういう
機関
といいますと、いろいろ船の構造とか、そういうものを調べましようから、審査部長の方がよく御
説明
がつくと思います。
山田長司
132
○
山田
(長)
委員
金を貸す以上はやはり一艘の船の単価が、審査部長から総裁のところに
報告
が行
つて
いると思うのです。その結果船の価格が幾らだということに従
つて
その七〇%なるものの金を貸すことになると思うので、そういう価格というものは、どういう基準を出されて、審査部長でもあるいは
調査
部長でもいいですが、総裁のところに出されておるのか、わかつた範囲でひとつ知らせていただきたい。
竹俣高敏
133
○竹俣
説明
員 まず造船所と造船契約ができます。従
つて
そこで船価が取引としてきまるわけであります。まず当然それを
考え
ます。結局船にはいろいろ種類がございますので、たとえば速力の速いもの、おそいもの、またそこに使う
機関
、あるいはその船の中でもどういうルームを持
つて
おるか、たとえば輸出のために生糸の部屋を置かなければならぬ。たとえばシルク・ルームのあるものは、かりに同じトン数でも単価が
違つて
来るというようなことがございますので、それを全部勘案いたしましてきめるわけでございます。これは表がございます。あるいはもう一つ申しますならば、海上保険をつけます場合に何ノットのどの程度のトン数の船はどうであるというような大体の基準がございますので、造船所あるいは船主御自身がこの船価を幾らにしようかとおきめになるほどあるいは詳しくはないかもわかりませんが、それに準ずるくらいの調べはいたしております。
田中彰治
134
○
田中委員長
山田
委員
、時間がないから、なるべく総裁に聞いてください。
山田長司
135
○
山田
(長)
委員
それでは総裁に伺います。先ほど
理事会
なり役員会なりの話が出ておりましたが、その役員会の記録というものはちやんと残
つて
おるものかどうか。
小林中
136
○小林
説明
員 役員会の記録といいまして、各役員がいろいろ発言をした個個の問題の記録は残
つて
おりませんそうです。しかしそれは、結論になりまするものは残
つて
おるそうであります。
山田長司
137
○
山田
(長)
委員
こんなに重大な、国民の金を貸し出すのに、結果だけが残
つて
いて、審査をされる過程のものが全然ないのですか。ちよつと参考に伺
つて
おきます。
小林中
138
○小林
説明
員 審査をされる過程の書類はむろんあると思います。それは審査部で審査をされる過程のものは全部持
つて
おりますから、あります。
山田長司
139
○
山田
(長)
委員
運輸
省から来た書類というものは大体みな許可が下りておるものですか。それとも下りていないで、もしそれを中途で返しておるとするならば、許可が下りないでおるものとするならば、それはどんな会社があるのか。実は書類で出ているのは貸したところだけ出ているので、開発銀行から出ている書類も落ちたところの会社は一つも出ていないわけです。これらについて知
つて
いる範囲を知らせてください。
小林中
140
○小林
説明
員 それは松田
理事
並びに審査部長から後刻詳細に御
説明
を申し上げたいと思います。
田中彰治
141
○
田中委員長
山田
委員
、それは書類をとりましよう。それからさつきあなたのお聞きに
なつ
たのは、審査の書類でなくて、つまり決定するときの
理事会
の記録でしよう。
山田長司
142
○
山田
(長)
委員
理事会
というものがあ
つて
、当然役員会の記録がなければならぬはずだと思うのです。
田中彰治
143
○
田中委員長
役員会の記録はあるのですか。つまり貸すとか貸さぬとか議論した、そういうものを採決したとかなんとかいう記録が残
つて
おるかというのです。
松田太郎
144
○松田
説明
員 そういう議事録というものはと
つて
いないのです、そうして決定した書類、これにつきましてはずつと審査でされた
内容
はみな書いてあるわけです。役員会のいわゆる議事録というものはと
つて
おりません。
山田長司
145
○
山田
(長)
委員
たとえばほかのいろいろの会社から金を貸してくれという申込みがあると思うのですが、それをどういう理由で貸さなかつたとか貸したとか、そういう記録はないですか。
松田太郎
146
○松田
説明
員 もちろんそれは、結論としてこういう結論に至るまでにこういう理由でこれを認めたというものはございます。私が申し上げますのは、役員会でみんないろいろな
意見
を言うとかいうその役員会の議事録というものは開発銀行としてつく
つて
いないということであります。
田中彰治
147
○
田中委員長
阿部五郎君。
阿部五郎
148
○阿部
委員
先ほどのお答えに、貸すか貸さないかの最後の決定を、
運輸
大臣
とあなたとが
協議
なさ
つて
、面会の上できめる、かようにおつしや
つて
おつたようでありますが、貸すか貸さないかは、法規上はあなたの方だけで決定のできるものですね。それで
運輸
大臣
と最後的にあなたとが会うて決定するというのは、一体何を決定するのですか。元来この問題については、船舶の建造を許可する許可権は
運輸
大臣
にあ
つて
、金を貸す、貸さないという融資の方は銀行に権限があるものと思います。そうしてさらにまた利子補給をするかしないかということについても、また再びこの権限は
運輸
大臣
に返
つて
来るのですが、あなたの方が
運輸
大臣
と面会の上で決定すると言うておつたのは、そのうちのどれなんですか。
小林中
149
○小林
説明
員 それはもちろん仰せの
通り
でありまして、金融という面に関しましては、銀行の方が決定をいたすのであります。従
つて
、
運輸
省の方の
考え
方と銀行の方の
考え
方と必ずしも両方とも一致する場合はないのでございます。そういうときに事務当局で折衝をいたしまして、そして最後の決を
運輸
大臣
と私が会
つて
決定をする、こういうことです。
阿部五郎
150
○阿部
委員
最後の決というのですが、その決はどれの決なんですか。
運輸
大臣
があらかじめ船舶の建造の許可をしたものを、たとえば十人許可をしておいて、その十人がおのおのあなたの方に金を貸してくれと言うて来たときに、あなたの方がその場合、その十人のうちの三人に貸してやるということをきめる、そのきめる時分のきめ方なんですか。それからさらにまた利子補給の決定をしなければならぬのですが、その三つとも一緒にして、あなたと
運輸
大臣
ときめてしまうのですか。
小林中
151
○小林
説明
員 最後の建造許可は
運輸
省がきめるのです。これは私の方は
関係
がない。建造許可をする前に、
運輸
省としては航路
事情
とか、あるいは造船所
事情
を
考え
る、私の方は金融的角度から見る、こういうことです。それが二つが必ずしもどちらも一致した結論になれませんものですから——あるいは航路
事情
から行けばこうだが、金融の角度から行
つて
どういう結論になるかもしれないからあれはいかぬとか、そういうふうなことが折衝の際起りまして、大体
運輸
省と開発銀行の
意見
がやや一致したというところで——これは事実を申し上げますが、私と
運輸
大臣
が会いまして、ではここで決定をしようじやないかということになります。
阿部五郎
152
○阿部
委員
そうすると、結論としてはこうなるのでございますか。あなたと
運輸
大臣
とが面会して相談をしたら、その件については船舶の建造許可もくれることにきまるし、あなたの方からも金を貸すこともきまるし、さらにまた利子補給もしてくれることになるのですか。
小林中
153
○小林
説明
員 最後の
運輸
省と開発銀行の決定がありますると、事実上はそれに基いて建造許可がなされるという形にはなると思います。全部利子の補給に適する会社であるかどうかは別ですが、適する会社である場合にはそういう形になると思います。
阿部五郎
154
○阿部
委員
それでは大体あなたの方の銀行の金を貸すか貸さないかということと、船舶の建造の許可と、その二つがあなたと
大臣
との
協議
のもとにきまる、こう聞いてよろしいですね。
小林中
155
○小林
説明
員 船舶の建造許可は
運輸
省がきめる……。
阿部五郎
156
○阿部
委員
そうすると、結局あなたが
大臣
と会うてきめるというのは、あなたの銀行がその男に金を貸すか貸さないかきめるというのですか。
小林中
157
○小林
説明
員 そうです。
阿部五郎
158
○阿部
委員
そうすると、その段階においては、まだその男によ
つて
船が建造されるかどうか、またその男としましても、利子補給がもらえないということになると、建造は採算上合わないというのでやめるかもしれませんから、それによ
つて
船ができるということはまだ確定はしないというわけですか。
小林中
159
○小林
説明
員 最後は
運輸
省が建造許可をおろさなければ確定にならないと思います。
山田長司
160
○
山田
(長)
委員
たくさんの金を貸す結論を出すのに、議事録も何もなくて、これに貸すとか貸さないとかいうことが簡単にきめられてしまうということは、どうにも理解ができぬのですが、その点、全然議事録がないのですか、どうなんですか、もう一ぺん私は伺
つて
おきます。
松田太郎
161
○松田
説明
員 つまりこういうことです。何々会社に融資をする、そしてその融資を具体的に決定する、その
関係
についての詳細な
説明
なりを書いたものはちやんとございます。私から先ほど申し上げましたのは、たとえば閣議なら閣議でどういうふうな発言があ
つて
、どうやつたということについての議事録があるかどうか知りませんが、少くとも私の方の役員会で物事をきめます場合に、役員がいろいろ
意見
を吐く、また審査部なら審査部の
説明
に対して
質問
をする、そういうような意味の議事録というものは、私の方ではどの場合にもつく
つて
いないという事実を申し上げたのであります。
田中彰治
162
○
田中委員長
池田正之輔君
。
池田正之輔
163
○池田(正)
委員
私から一点だけお尋ねしておきます。先ほど総裁はリベートの問題について、御存じないとか、あるとか、ちよつとはつきりしないようでありましたから、その点に関してあなたが御存じであつたか、知らなかつたか、そこのところをもう一ぺんお伺いしておきます。
小林中
164
○小林
説明
員 最近リベートの問題が非常にやかましくなりまして、私
ども
そういう制度が、あるいは商習慣としてあるのか、それとも商習慣としてはないのかということはまだ疑問としてわかりませんが、従来からリベートの問題があるのだということを、私
ども
融資をするときまでは存じておりませんでした。
田中彰治
165
○
田中委員長
総裁に一言お聞きしますが、復金時代の幹部あるいは
職員
があなたのところに大分たくさんおりますね。
小林中
166
○小林
説明
員 はあ。
田中彰治
167
○
田中委員長
そして復金の金を貸したり、とつたり、その他見返り資金な
ども
そういう者がいろいろ取扱
つて
いますね。
小林中
168
○小林
説明
員 はあ。
田中彰治
169
○
田中委員長
その人が開発銀行の事務を今度継承して行つた場合、そういうことからいろいろな不公平とか、いろいろな問題がそこに出て来るようにあなたお
考え
になりませんか。いや、それは何ともない、あの方がいいのだというふうにお
考え
に
なつ
ておりますか。それはどうです。私は
委員長
としてもう一ぺん聞いておきたいのです。
小林中
170
○小林
説明
員 復金時代のやり方はその当時の日本の経済
事情
も手伝
つて
、ある程度やむを得なかつた
事情
もあるとは思います。しかしながらその事務の取扱い方が必ずしも私は万全とは思
つて
おりません。
田中彰治
171
○
田中委員長
そこでそういう人たちが、見返り資金とかいろいろなものを自分たちが貸したりなどして来た人が、今の機構の
整備
した開発銀行の幹部に
なつ
たり、貸付の
調査
員に
なつ
たりしてお
つて
、そういう人たちが現在開発銀行の金をいろいろこういうぐあいに貸したりなにかするときに携わるのですが、そういう者を使
つて
おつたのでは公平を期せないのだというようなお
考え
はないのですか。私は大分そういう評判が散
つて
おるように思うのですが……。
小林中
172
○小林
説明
員 公平を期すとか期さぬとかということは、私は今行員に対して全幅の信頼を持
つて
おります。しかしながら事務の進捗とか、事務の整理とかいうような面で、私
ども
従来の実業人から見ますと、どうしても手ぬるい点が多々あるような感じがいたします。
山田長司
173
○
山田
(長)
委員
動議を提出いたします。リベートの真相については、やはり参考人としてでなく証人として喚問して、その真相を伺うことがいいと思うのです。動議として提出いたします。
田中彰治
174
○
田中委員長
証人問題は重要ですから、つまり偽証罪とか刑事上の問題が成り立つような問題ですから、一応
理事会
に諮
つて
きめたいと思
つて
おります。
池田正之輔
175
○池田(正)
委員
今の御
答弁
で、つまり貸付前にはわからなかつたということはわかりましたが、貸しつけた
あと
でおわかりになりましたか、そこのところをはつきり伺いたい。
小林中
176
○小林
説明
員 それは最近リベートの問題がうるさくなりまして、そうしてそういう問題から私
ども
はリベートという問題のあり方というものがわかつたわけであります。
池田正之輔
177
○池田(正)
委員
そこでそのリベートが現実に出ておるかいないかということについてはどう思いますか。
田中彰治
178
○
田中委員長
リベートが出ておるか出ておらぬかという点について……。
小林中
179
○小林
説明
員 各会社ごとにどういうふうな
金額
がリベートとして出ているかいないかということですか。
池田正之輔
180
○池田(正)
委員
出ているかどうかということです。
金額
は……。
小林中
181
○小林
説明
員 それはわかりませんね。はつきり申し上げます。わかりません。
池田正之輔
182
○池田(正)
委員
それじや出ているかいないかということはわかりませんか。
小林中
183
○小林
説明
員 全部が出ているとも私は言えないと思います。わかりません。それは正直に申し上げてわかりません。
池田正之輔
184
○池田(正)
委員
全部がと言いますと、一部は出ておるというふうに解釈していいのでしようか。
小林中
185
○小林
説明
員 かりに今の新聞を見ますと一部は出ているような新聞記事がありますから、あるのではないかというふうな感じですな。
池田正之輔
186
○池田(正)
委員
そこで、私これは重大な問題だと思うのです。ということは、出ているか出ていないかよくわからない、ことに貸出しをなさる前にあなたがわからなかつたとおつしやるならば、それも一応了承いたします。しかしながら、普通の役人や何かがわからないというなら、これはわれわれは了承できるのです。そのままお言葉の
通り
に……。しかしいやしくも小林中さんともあろう人が、その程度のことがわからないはずはない。それから今の銀行の組織からい
つて
、その程度のことはわか
つて
いなければならぬはずだ。もしそれがわからないとすれば、これは非常な怠慢です。もしわか
つて
いて出したとしたら、これまた重大な問題だ。なぜかといえば、たとえば十億なら十億の船の建造費に一割でも五分でもリベートを出すとすれば、その造船
計画
というものは、そこに何かインチキがあつたり、そこに狂いがなければならぬはずだ。そういうことは審査部で十分審査しているはずだ。そうすると、そのリベートというものも含めて、なおかつその船がそれだけのものができるのだ。悪い言葉でありますけれ
ども
、最初からそうした一種のリベートというものを認めて、そうしてその建造
計画
なり、
設計
というものを審査なしで、そうして妥当だということで貸したのだ、こういうことになる、そういう点はどうですか。
小林中
187
○小林
説明
員 ただいま御返事を申し上げました
通り
であります。その当時はリベートという問題は私
ども
は全然
考え
になかつた。しかし最近そういう問題が世間でうわさされ、いろいろなことが起りましたために、リベートという問題があるのもあるし、あるいはないのもあるかもしれません、こういうことであります。それはしかし全部があり、どういうふうな状態であるということは全然私にはわかりません。
池田正之輔
188
○池田(正)
委員
それでは私はこれ以上小林さんに
答弁
は求めません。しかし今の
答弁
では私
ども
は納得できない。そういうところはあるかもしれぬ、あるところもありそうだというふうに私は今聞いたのでありますが、そうなると、十億なり何億なり、何十億という金の五分なり一割という金は、
相当
なウエートを持つのです。そういうことをあなた方が
計算
の中に入れないで、そして金を貸すために国家の
財政
資金を動かすということになると、これは重大な問題になる。そういう
答弁
でまあなたは一体開発銀行総裁として
責任
を果していると言えないんです。そんなことは断じて許すべきではないんです。それがまことにわれわれは不明にしてわからなかつたと言うならばわかるんですよ。あなたはさつきからそういう態度をと
つて
おらぬじやないか、何を言うか。
小林中
189
○小林
説明
員 私
ども
は融資をする前には知らなかつたというんです。
池田正之輔
190
○池田(正)
委員
今の問題でよろしい。
小林中
191
○小林
説明
員 今の問題は、新聞等で見ますと、何かそういうことはありそうだ、そういつたことがあるということを申し上げた。それだ
つて
私の方は確証も何も握
つて
おるわけでも何でもない。
田中彰治
192
○
田中委員長
また
あと
で聞くことにしましよう。ではお帰りくださ
つて
よろしい。御苦労さんでした。
あと
長期信用銀行の取締役が出ておりますから……。 それでは長期信用銀行の取締役頭取原
邦道
君に対する
質疑
を許します。
柴田
義男君。
柴田義男
193
○
柴田委員
長期信用銀行の点で私
ども
わからぬ点がございます。たとえば今の
計画
造船に対しまして開発銀行が融資する、こういうことと、それから長期信用銀行が融資するということは、どういうことで二つの銀行が
関係
を持つのでございましようか、その点をまず御
説明
願
つて
から御
質問
いたしたいと思います。
原邦道
194
○原参考人 これは小林開発銀行総裁からもお話がありましたが、国の海運政策に従いまして
計画
造船というものが行われております。 〔発言する者多し〕
田中彰治
195
○
田中委員長
御静粛に願います。
原邦道
196
○原参考人 これが全部国家資金でございません
関係
上、その残額は市中銀行でも
つて
や
つて
行くという建前に
なつ
ておるように
考え
ております。それでたとえば七割出す、七割は開発銀行の資金が参ります、
あと
三割は市中銀行の八行ないし九行がその残額を融資する、こういう建前に
なつ
ております。われわれの方は御承知の
通り
比較的長期の資金を扱
つて
おる銀行であります。こういう
状況
であります。
柴田義男
197
○
柴田委員
そういたしますと、開発銀行が持
つて
おるわくが不足を生じた場合に、長期信用銀行がそれに対して、たとえば需要が百億あつた場合、開発銀行では七十億までは貸しつけることができるのだが、三十億足らぬ、その不足の分をあなたの方でおまかないなさるのでございましようか、その点を伺いたい。
原邦道
198
○原参考人 その不足分ですが、やはり私の銀行一行ではまかない切れないのであります。ただいま申し上げましたように、市中銀行の八行ないし九行が協調いたしまして、これを融資する、こういうことに相
なつ
ております。
柴田義男
199
○
柴田委員
そういたしますると、あなたの方の信用銀行が融資をなさいます場合には、あらゆる角度から、たとえば開発銀行が
調査
をなさると同様の
調査
をおやりでございましようか。あるいはまたすでに
調査
は完了いたしまして、単に資金的な操作上不足があるのだから、信用銀行さんの方でまか
なつ
てもらいたい、こういうことで開発銀行等からの慫慂によ
つて
お出しになるのでありましようか、その点を承つおきたいと存じます。
原邦道
200
○原参考人 私
ども
の方は開発銀行で
調査
をなさいます程度の
調査
はや
つて
おりません。これは今申し上げましたように大部分が国家資金が出ます。それから政府において船主をおきめになります。それからこの建造融資の決定がありましてから出すまでの間が非常に期間が短かい。従いまして各銀行と
協議
いたしまして、ある程度の
調査
はいたしますが、開発銀行でなさる程度の
調査
はや
つて
おりません。
柴田義男
201
○
柴田委員
そういたしますると、この資料をわれわれきよういただいたばかりで、まだとても全部には目は
通り
ませんが、たとえば開発銀行で十二月末現在で、造船
計画
には六百六十一億七千八百余万円貸付があるようでございます。あなたの方では、現在はおわかりでないでしようから、十二月でも
けつ
こうでございますし、昨年の九月
決算
の当時でもよろしゆうございますが、どれだけの残りがございましようか、承りたいと思います。
原邦道
202
○原参考人 昨年末におきまして私の方で出しておりますのが、二十九億二千四百万円ばかりでございます。
田中彰治
203
○
田中委員長
委員諸君
にお諮りいたしますが、この重要な問題に対して
委員諸君
の資料の手持ち、それからいろいろな研究がちよつと足りないような気がするのです。これでは行政監察か
運輸
委員会
みたいに
なつ
てしまう。
決算委員会
は少くとも数字ではつきりしなければならないと思うから、きようはこの程度にして
あと
諸君の資料の
整備
、研究の結果を待
つて
、
委員長
もやりますから、皆さんもう少し資料をとられて、そうして
決算委員会
は
決算委員会
としてのはつきりした態度でやりたいと思います。
杉村沖治郎
204
○
杉村委員
それでは
日本開発銀行
から、船の金の融通を受けるために申請している書類があると思う。はねられた人もその申請書を見ればわかるから、その申請書、それから貸付をするに至るまでの民間から提出された書類の写しを全部出してもらいたい。
吉田賢一
205
○
吉田
(賢)
委員
資料をお願いしたいのです。審査をなさる
対象
に
なつ
た船会社はたくさんあろうと思いますけれ
ども
、特に二、三指定しておきたいと思います。飯野海運、山下汽船、森田汽船、東西汽船、佐世保船舶、これについての審査をなさつた資料をなるべくまとめて出してもらいたい。結論だけでなしに、審査をして浮び上りましたいろいろな資料があろうと思います。信用、営業能力、規模等々いろいろなものがあると思いますから、それを一切おとり寄せを願いたいと思います。
田中彰治
206
○
田中委員長
本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十五分散会