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1954-02-08 第19回国会 衆議院 決算委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年二月八日(月曜日)     午後一時五十八分開議  出席委員    委員長 田中 彰治君    理事 有田 二郎君 理事 大上  司君    理事 高橋 英吉君 理事 松山 義雄君    理事 柴田 義男君 理事 杉村沖治郎君       徳安 實藏君    藤田 義光君       阿部 五郎君    吉田 賢一君  出席政府委員         食糧庁長官   前谷 重夫君         通商産業事務官         (軽工業局長) 中村辰五郎君  委員外出席者         大蔵事務官         (主計局司計課         長)      柳沢 英蔵君         会計検査院事務         官         (検査第三局         長)      小峰 保栄君         参  考  人         (日本糧穀株式         会社社長)   片柳 眞吉君         参  考  人         (前食糧庁長         官)      東畑 四郎君         参  考  人         (前国税庁長         官)      高橋  衛君         専  門  員 岡林 清英君     ————————————— 二月六日  委員有田二郎辞任につき、その補欠として小  林絹治君が議長指名委員選任された。 同月八日  委員小林絹治辞任につき、その補欠として有  田二郎君が議長指名委員選任された。 同日  理事牧野寛索君の補欠として高橋英吉君が理事  に当選した。 同日  有田二郎君が理事補欠当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  参考人招致に関する件  昭和二十六年度一般会計歳入歳出決算昭和二  十六年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十六  年度政府関係機関決算報告書  黄変米輸入保管及び処分等に関する説明聴  取     —————————————
  2. 田中彰治

    田中委員長 ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず理事選任についてお諮りいたします。理事牧野寛索君から理事を辞仕したい旨のお申出がありました。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 田中彰治

    田中委員長 御異議ないものと認め、辞任を許可することに決しました。  これより理事補欠選任をいたしたいと思いますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 田中彰治

    田中委員長 御異議なきものと認めます。よつて高橋英吉君を理事指名いたします。  また理事有田二郎君が去る六日委員辞任されました結果、理事補欠選任をいたしたいと思いますが、先例によりまして委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 田中彰治

    田中委員長 御異議なしと認めます。よつて本日委員に再任されました有田二郎君を理事指名いたします。     —————————————
  6. 田中彰治

    田中委員長 それでは前会に引続いて黄変米輸入保管及び処分等を議題として調査を進めます。  まず本日の参考人として日本糧穀株式会社社長片柳眞吉君、前食糧庁長官東畑四郎君及び前国税庁長官高橋衛君の三名を招致してその意見を求めることにいたしたいと思いますが、右三人を参考人指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 田中彰治

    田中委員長 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  それではただちに質疑に移りますが、ただいま保利農林大臣は他の委員会出席中でありますので、あき次第委員会出席される予定でありますから御了承を願います。  それでは質疑を許します。吉田賢一君。
  8. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私はきようは私としまして残余の問題についてできるだけ重複を避け、同種問題を質疑する場合には、なお答弁において明瞭でなかつたので、重ねてこれを明らかにする趣旨におきまして質疑を続けたいと思います。  まず黄変米処分の問題であります。黄変米処分につきまして、食糧庁より本委員会に提出の資料、「黄変米売渡後処理までの監督状況」こういうものによりますと、実需者に対して売却をした場合には、買い受けた者から誓約書をとつておるようでありますが、それによると指定した用途以外には流用をしないこと、また転売しない、こういう趣旨誓約書を徴することになつておるのであります。これは実際において、この趣旨は励行されておるのかどうかをまず長官から伺つておきたいのです。
  9. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。実需者売却いたしまする場合におきましては、そのものの性質上、お話のように、自己が消費する以外において転売する場合におきましては、承認を求め、みだりにこれを転売することを誓約面におきまして禁止いたしておるわけでございます。この点につきましては、誓約書を差入れまして、それにつきまして、われわれもできる限りの監督をいたしておるわけでございますが、今回の事件のように、末端におきまして監督が行き届かないために横流しが起つたということは、非常に申訳ないと思つておる次第でございまして、今後の問題としまして、府県に対しましても、またその実需者監督する監督官庁に対しましても、十分に連絡をいたしまして、そういうことのないように努力をいたしており、また今後ともそういうふうに努力いたすつもりでございます。
  10. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 東洋醸造が二十七年に政府から売渡しを受けました五百十トンでありましたかについて、和歌山に刑事事件が起り、その他の府県においても横流しがあつたということは、刑事局長報告、まただんだん質疑応答によつて明らかになつております。ところでその東洋醸造に対しまして、私から農林大臣並びに食糧庁長官にも伺つたのでありまするが、東洋醸造は二十八年度におきましては、今度は随意契約によつて買い受けておるのであります。そこでこの経緯を見ますると、これは国税庁の指定したところのようにも見えるのであります。はたしてそうであるとしますると、やはり私は東洋醸造刑事事件責任者であるとかないとかいうことよりも、東洋醸造は買い受けた実需者として、政府に対して横流し転売をしないという制約をしたにもかかわらず、これに反してその委託をしておつた何がしが横流しをしたということで、たいへんな結果を来しておるわけであります。そうであれば国税庁長官といたしまして、また政府といたしましては、国税庁長官責任いかんにかかわらず、かかる会社に対しては、その後多量の随意契約売却をするというようはことは一応さしとめるのが筋であろう、こう考えるのであります。この点についても若干答弁はあつたのでありふすが、どうも私は考えても明瞭になりませんので、重ねて聞きただすゆえんでありますが、そういうような有毒なものとして多大の国費が損失を来して、輸入したものをやむを得ず売却せねばならぬという処理のものでありますので、国家損失のことも考え、あるいはまたかようなものの処理段階における監督責任のことも考え、等等いたしますと、国税庁長官といたしましては、かような場合にはやはり東洋醸造などへ仲介というか、指名するということは差控えるのが相当だろうと考えるのであります。もし東洋醸造が、聞くところによれば非常に有力な醸造会社であつて、非常に大規模な資本を持つた会社のようにも聞きますので、さような有力な大きな会社であるから、情実によつてさようなことにしたというのであれば、なおさらこれは見のがしがたいことにもなるわけであります。よつて今の食糧庁長官お話のごとくに、この誓約趣旨が履行されておるという以上は、翌年度かかる会社指名するとか、指定するとか、売却するとかいうことについては、特段の別な考慮がなければならぬと思うのが、それが払われておらぬというのであります。私はどうもこれが解せぬので、この点について長官の御説明と、それから当時の国税庁長官であつた高橋氏がきようは参考人においでになつておりますから、こういうことについて何か弁解をなさることがあれば、ひとつぜひ伺つておきたいと思うのであります。
  11. 田中彰治

    田中委員長 現国税庁長官は見えておらないので、参考人からお聞きしたらですどうか。
  12. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうですが。それでは前の長官から……。
  13. 高橋衛

    高橋参考人 私は黄変米の問題につきましては、もちろんその当時決裁をいたしておるのでありますが、実はずいぶん古いことになりますので、ほとんど記憶もしておらぬような次第であります。よつて当時の部下の関係の係の人間を呼んで実は聞いてみたのでありますが、その当時東洋醸造食糧庁が売渡しをされたという場合におきましては、第一回はたしか指名競争入札になつてつたというように聞いておるのであります。その指名競争入札の際に食糧庁から、こういうような黄変米処分をしたいものがあるからという御連絡がありましたので、国税庁といたしましては各地方の国税局を通じまして、酒造業者に対して希望を申し出るように伝達をいたした。その結果それぞれ各局から業者の方の希望が全部本庁に集まりましたので、その希望をそのまま食糧庁伝達したのでございます。その伝達に基いて、おそらくはそれらの希望業者食糧庁において指名なすつたことだと承知いたしておるのであります。以上の通りでありまして、この間の契約の担当と申しますか、責任は、もつぱら食糧庁においてなされたことであり、国税庁といたしましては、そういうふうな希望伝達をいたしたというにとどまるのでございますので、それ以上何とも申し上げようがないかと思うのでございます。ただその後さらに随意契約をする際においても同様なことがあつたのでありますが、そういうふうな入札によるところの黄変米が、払下げ後転売をされたというふうな事実を、実は私どもその当時はまだ承知いたしておらなかつたのであります。
  14. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは国税庁においても多数の業務のうちの一部であり、また当時非常に重大な問題として喧伝されたわけでないので、従つて当時の長官があるいは知らなかつたというようなことになるのも無理からぬかと実は思います。ところが、東洋醸造が国から譲り受けました黄変米五百十何トンを配給米横流しいたしまして、これが刑事事件となつて扱われましたのが昨年の二月ごろかと思うのであります。そしてその後東洋醸造に対して随意契約しておりますのは昨年の八月になつております。ですからこれは注意をされるならば、数箇月の間隔がありますので、この事件は当然知つておられるべきであろう、こう思うのであります。五百十何トンというものは数量においては多額ではありませんけれども、ある割合のものはねずみに食わしたならばただちに死んでしまう、そういうことすら検定されておる有毒米でありますので、こういうものが流されたということになるとこれはたいへんだというふうに、鋭敏に頭をお働かしになるのが、私はこういう仕事に携わる官庁の当然の態度でなければならぬと思う。そういうことをいいかげんにしておるというところに、こんな問題が起るのであろうと思うのです。もし協力する官庁がそういうことを知らないでおるというようなことであるならば、また指示するについても考慮しないということであるならば、食糧庁がどんなに力んでもその効果は全うされませんし、また協力する以上は国税庁においても同じ趣旨でこういうものは選択から除外する、こういうことが当然でなければならぬと思う。私は東洋醸造に別に何の恩怨も関係もないもので何も知らぬのですけれども、しかしどう考えましても、東洋醸造の一件は大きな黒星として認めざるを得ませんので、関係しましたところの官庁のその責任を問うというのが今の質疑趣旨なんであります。国税庁長官も知らなかつた、当時聞いておらなかつたというようなことでは私はどうかと思うのです。自分の官庁が世話をしたものについてそういうようなふしだらな結果を来したという問題については、もつと敏感につかむということはしないものでしよか、こういうことを実は考えるのですが、これにつきまして、前の長官もおられるのですが、東畑さん、どうお考えになりますか。ひとつ御意見を聞いてみたいと思います。
  15. 東畑四郎

    東畑参考人 前の指名競争入札をいたしましたときに長官をしておりましたのは私であります。その米が横流しをされまして、刑事事件になつておるということも承知いたしております。トン余蒸溜酒用として農林省随意契約をしたということも事実でございます。こういうことにつきましてあまりにも無責任ではないかというお話でございますが、農林次官として今お聞きしておりました問題点から考えますと、東洋醸造横流し事件刑事事件になつて係争中でありますので、刑事事件の判定をまちませんと、なかなかこれは役所として不正であるかどうかということが言えないのでありますけれども、道徳上、徳義上、そういうことについては、食糧庁としてもさらに慎重な考慮として国税庁と協議してきめるべきではなかつたかということは、率直に実は感ずるのであります。農林省責任者といたしまして、また今年度中にもそういうことが起つたことについて、若干慎重な考慮が足りなかつたということ、刑事事件のほかに行政上の措置としても若干慎重でなかつたのじやないかということは、率直に認める次第でございます。
  16. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 東畑次官はこの数字をお間違えになつておるようでありますが、食糧庁が提出した資料によれば、東洋醸造随意契約によつて買い受けましたのは昨年の八月十七日に四百二十七トン余り、それから別口で同じ日に八百一トン余り、こういうことになつておりますので、合計しますと千二百余トンということになるようでありますが、この点はいかがですか。
  17. 東畑四郎

    東畑参考人 蒸溜酒用が、私どものところにある資料では百七十三トンとありましたので、そういうお答えをしたのでありますが、数字の点でありますので、現長官からお聞きになつたらいかがかと思います。
  18. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それではその数字が間違いでありましたら、千二百余トンになつておりますが、いかがですか、現長官にお伺いしたい。
  19. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。昨年の八月に蒸溜酒用として売却いたしましたものは、全体といたしまして三千二百七十九トンでございましてそのうち東洋醸造が百七十三トンということになつておると思いますが、吉田さんのはそれ以前のものを入れてのお話ですか。
  20. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 三楽醸造それから協和醗酵宝醸造の分が加わつておりましたから、これは間違いとして私の方から撤回しておきます。  そこで続いて伺いますが、この黄変米は二十六年の八月に初めて見つけて、それから二十八年の八月に至りますまで、資料によれば引続いて断続的に入つております。前後満二箇年経過いたしております。そこで二箇年間も経過する間にこれを食いとめる、入らないようにするという処置がとれなかつたものであろうか。まあだんだんと総領事を通じて交渉なさつたその間の経緯は大体わかつておるのでありまするけれども、とにかくあとで最後的な対策をおとりになりまして、個々契約によつて一%以上入つておるものは受取らぬ、こういうことになつたらしい。これは需給関係の情勢がかわつた点からさような処置がとり得るようになつたのでとつたのかもしれませんが、いずれにいたしましても、行政的にこの二箇年間に何らかこれを食いとめる適切な処置ができなかつたものであろうか、こういうことも考えられるのであります。この点につきましては答弁もいただいておりましたが、私は今一まとめにして、なおその点を長官から伺つてみたいのであります。
  21. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。ただいまの吉田委員お話のように、こういう事実が発生いたしましてから、極力こういつたことのないようにということで、ビルマにつきましては政府間におきましてその規格検査等につきまして、いろいろ交渉いたしたわけでございますが、当時の全体的な、国際的な食糧事情からいたしまして、非常にその交渉が難航いたしたわけでございます。われわれといたしましては努力いたしたわけでございまして、その効果が実りますのに時間がかかつたということはまことに申訳けないわけでございますが、昨年の十月に至りまして、そういうことがある程度可能になつたわけでございます。今後といたしましては、契約の面にもその都度そういう条項を入れて参るということに進めておるわけでございます。御承知通り、米は本年に至りまして需給状況が国際的にやや緩和いたしましたが、当時といたしましては、世界各国から、米があれば何とかして輸入したいというふうなことで、極端に申しますれば、買いあさりというふうな状態もあつたのでございます。そういう点についてこちらの腰が弱かつたということも言い得られるではなかろうかと思いますが、これは全体的な食糧事情のためでもございます。今後の問題といたしましては、だんだん国際的にその状況が逆転して参つておりますので、さらにその点を明確にいたしたい。特に二十九会計年度におきましては、タイ、ビルマ等には検査の人員も派遣いたしたい。またさらに国際的な検定機関のお立合いもやつてもらうように進めておるわけでございますし、特にビルマ米につきましては、契約をいたします場合におきましても、大体六月末までに雨期を越さないで物を入れるというふうに契約をいたしまして、積込みの時期等の関係からいたしましても、そういう危険性のないものをとろうということで、この点も契約条項に入つたわけでございます。
  22. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 国内の需給関係が非常に悪いときになつておりますので、今後の対策との関連におきまして、雨期以前の積出しという問題は相当重要だろうと思うのです。雨期目前ということになると六月以前に船積みを完了することになるようでありますが、そういうことにつきまして、しからば本年の米穀の需給関係からいたしまして、やはり六月以前に必要なる米の積込みを完了する、こういう計画にただいまなつておるのですか、この点を確かめておきたいと思います。
  23. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。ビルマにつきましては、御承知のように本年の一月から三十万トンの輸入契約をいただいております。ビルマ政府と三十万トンの輸入契約を締結いたしたわけでございますが、これにつきましては、六月末までの間に積込みを完了することにいたしておるわけでございます。あるいは売手の関係上その積込みが了しない場合におきましては、また別途の相談をいたすということになつおりますが、われわれといたしましては、毎月大体七万トン程度配船を予定いたしまして——これは配船でございまして、確実に参るとは申せませんが、できるだけ早期に積取るように配船手配その他を準備いたしておりますので、大体六月末までには積取りが完了できるのではなかろうか、かように考えております。その他の地域につきましては、その国の保管状況等によりまして大体保管状況の良好なものにつきましては、本米穀年度内に到着するように買付をいたしております。特に保管状況の悪いような国につきましては、個々のケースについて、食糧事情もございますが、それを買う買わぬかというようなことで、十分その点慎重に検討いたしたいというふうに考えております。
  24. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 昨年七月、八月以降さらに入つた黄変米数量、現在在庫せる黄変米場数量を教えていただきたい。
  25. 前谷重夫

    前谷政府委員 先般、二十八年度以降におきまして入りましたもの百八十数トンということで御報告申し上げておりますが、これは昨年の四月と思いますが、四月の状態でございます。その後につきましての状況を御報告申し上げますと、大体イラン米で二百二トン、ビルマ米で七十六トン、ポルトガル米で四十三トン、アメリカのテキサス米が四百七トンでございます。それからニカラグア米が十八トン、スペイン米が七トン、合計七百五十三トン入つて参つたわけでありますが、そのほかに、先般吉田委員から御指摘がございましたトルコ米が、海難関係黄染粒規定以上出ているという形、これが五千十一トンございます。合計五千七百六十四トンございますが、そのうち大部分が先般申しましたトルコ米で、海難事故関係規定以上にふえた。これは先般も申し上げましたように、保険の問題として今求償を行つているわけでございます。
  26. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 トルコ米五千十一トンを除いた七百五十三トン、これの処分方法はどういう方針ですることになつておりますか。
  27. 前谷重夫

    前谷政府委員 これにつきましては、一々一ぺんごとに含有量のパーセンテージを仕訳いたしまして、それに基きまして、厚生省と相談して、菓子用あるいは蒸溜酒用アルコール用、こういう形で売却用途を決定いたしたい、かように考えております。
  28. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、少くとも七百五十三トンについて新たなる国家損失が加算される、こういうことになるわけであります。それはさておき、なお食糧庁長官に伺いたいのですが、黄変米の全体の調査を通じて、政府答弁を見ますと、どうも黄変米有毒性の問題について確信が乏しいような感じを受けるのであります。過般大臣にこれらの点についての調査研究対策を聞きますと、あちらこちらの大学などへ調査委託しておるようであります。それもけつこうであります。ところでそれについて確信がないということは一刻もすみやかに除去せねばならぬ問題であろうと思います。ただに財政経理面損失を来すのみならず、こういうような衛生上の有害、有毒であるかいなやというようなことは、文明国としてただちにノーかイエスか解決するというところまで行かねばならぬ問題であろうと思うのでずが、どうも漠然として時間を経過しておるように思うのであります。そこで、学者に委嘱してあるのであれば日時の期限を切るわけには行くまいけれども、しかし国家財政運用上から考えましても、食糧政策の上から考えましても、一つの大事な問題でありますので、政府といたしましては、黄変米有毒か無毒か、これを処理すべき根本的な毒性研究は、大体いつごろまでに完結するという方針であるのか、この点をはりきりしてもらいたいと思います。
  29. 前谷重夫

    前谷政府委員 黄変米毒性の問題につきましては、吉田さんの御指摘のように、われわれとしてもこれを明確にいたしたいということで各大学に委嘱したわけでございます。これは先般大臣からも申し上げましたように、本年に入りまして中間的な報告があつたわけでございますが、この報告によりすと、京都大学人体実験をいたしました場合におきましては、その影響はそう認められない。ただ東京大学動物実験によりますと、やはり有毒で言というふうな形になつておりますので、私たちとしてもこれを早急にきめたいと思つておりますが、人体実験なら一定期間が必要で、ございまして、実は京都大学におきましては、約三箇月ぐらいの人体実験をして、いろいろ調べていただいたわけでございます。これも話を聞きますと中間的な報告であつてこの程度期間でもつて最終的な見解を発表するわけには行かない、こういう御報告であつたわけでございます。これは動物実験でやります場合には、培養したものを全部やつてあとで解剖するのですが、人体実験の場合におきましては一定量を常時食べてもらいましてそれによつてその変化を見て行くので相当期間がかかるかと思うのであります。われわれとしてはできるだけ早くその結論を得たいわけでございますが、人体実験になりますと相当時間がかかり、また慎重にやらなければならぬと思いますので、これは学者の方の良心の許す限りにおきましてできるだけ早くやつてくださいということで、調査委託をいたしておるわけでございます。ただ出たデータが大学によつて多少意見が違いますから、さらに厚生省と御相談いたしまして、その実験方法等についても統一的な分担的な方法を考えたいというふうに考えております。
  30. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 大臣がいませんので、この際次官に御相談的に申し上げておきたいと思います。こういうものはやはり閣議できめなければならぬ重要性があると私は思うのです。人心に与えた影響が非常に大きいし、十億円の国家損失が生じておるし、また今後検査員を先方の国に派遣するというようなことにもなつておりまして、これはまた経済的な負担が相当かさんで来るわけでありますから、もし京都大学が中間報告をしたごとく、真に人体に影響なしということであるならば、何も騒ぐ必要もないことであります。ほんとうに有害であるということであるならば、これはやはり既定方針を厳に進めて行かなければならぬことでありますので、いろいろな観点か覧てこれは早急にきめなければならぬ。最近のごとく疑獄問題でうろうろしておるような状態でありますから、吉田内閣にこれを求めてもどうかと思いますけれども、そういうことよりも、これは非常に大事な問題としまして次官からも大臣に御相談になつて、ひとつ閣議ででも御相談になつて、一日もすみやかに有毒、無毒、人体への影響いかんということを最終確定いたすというところまでこれを促進するということにお運びになつたらいかがでしよう。今のように漫然と目を送つているというのではどうも心もとない。われわれ委員会の方も結論を出さなければいかぬのですが、有毒、有害という結論に立ち、従つて人間の食うに適さないという前提に立つのとそうでないというのとでは根本からしてかわつて来る。そうでないというなら今日まで論議したことは一切無用になつたということにもなるのであります。それほど重要なことでありますので、今大臣は見えておらぬけれども、閣議に持ち出して相談して、最短距離で最終の確信を持つような方法に出ることが必要であろうと思いますがどうでございますか。
  31. 東畑四郎

    東畑参考人 これだけ問題になりました黄変米有毒有害であるかどうかということが実は根本の問題であります。ただいままでのところ有毒有害であるというので処置をいたしておるのでありますが、根本問題になりまして、それがぐらつくようなことになりましては申訳ないのであります。農林省としてもただいま前谷長官の申し上げましたような措置を講じておるのでありまして、閣議と申しましても基礎はやはり科学的な基礎がないといけない問題であります。ただそれを促進いたしますことについての御意見、まことにごもつともであります。農林大臣ともう一度すみやかに結論が出ますように、お打合せをしたいと考えております。
  32. 田中彰治

    田中委員長 黄変米は終戦前はなかつたのですか。
  33. 東畑四郎

    東畑参考人 黄変米ということはわからなかつたわけであります。
  34. 田中彰治

    田中委員長 こういう黄色い米は終戦前は南京米にまじつておらなかつたのですか。
  35. 東畑四郎

    東畑参考人 事実そういうことがあつたかどうかも実はわからなかつたのであります。黄色い米はあつたのでありますが、黄変米ということがわかりましたのは私が長官になつてからであります。それまでは黄変米かどうかわからなかつたのです。
  36. 田中彰治

    田中委員長 六十年も前から外米をとつているのだから、そんなものは今までにわかつているだろうと思うのだがわからなかつたのですか。
  37. 東畑四郎

    東畑参考人 黄変菌があるということは実はごく最近に研究の結果わかつたのでありまして、それまではわからなかつたのです。
  38. 田中彰治

    田中委員長 私は動物を牛から豚、鶏まで飼つているのですが、動物実験でいろいろ飼料を何十年と検査して来ておりますけれども、東大の方がどんな説明をするか知りませんが、動物実験に半年も一年もかかりませんよ、どんなものを試験させても。たいがい動物実験をされてよいとなればそう人間に害があるものでないということが一つと、もしこれを検査される場合に、黄変米でなくても南京米ばかり、白米ばかりを食べさせても、人間でも鶏でも、豚だつて牛だつて全部からだに変化を来す。それで肝臓がはれた、肥大になるとかいうことになる。だからこういう点はやはりあなた方が畜産局とも相談されて、黄変米なら黄変米動物実験する場合に、何かそれに対して配給して食べさせた結果でないと、鶏に白米だけ食わせれば鶏は一月でもつてとさかの色から全部かわつて死んでしまう、豚に食わしてもぐあいが悪い、馬に食わしても三月もたたないうちにからだに変化を来す、牛に食わしてもからだに変化を来す。だから黄変米だけよつて、それだけで動物を試験しても、おそらくわからぬと思う。そういう点をあなた方が参考にされてこれを試験されると非常に楽だと思うのと、もう一つは責任問題が出て来るのです。黄変米でなかつた、毒でなかつたということになると、責任問題が出るからいやだというような考え方を持たないで、それは科学者がみな言つておるので、あなた方に責任はないのだから、ないならない、害にならぬということになつたら、それをはつきりされるような試験方法をされたらどうか。もしあなた方が私のところに委託されれば、私がちやんと試験をしてあげてもいい。それくらいの機関は持つておる。一種類だけ食べさせて試験をしてはいけませんよ。たとえばモルモット試験をする場合に、モルモットに黄変米だけ食わせれば参る。モルモットに黄変米を食わせたら、肝臓肥大になつたとか腰が抜けた、そういうことは鶏に白米を食わしてもわかるのですが、あなた方も頭を使つてそういう点を一応お考えになつてやらないとだめだと思います。
  39. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで伺いますが、食糧庁といたしましては、年度末に損益計算あるいは貸借対照表などを出して、決算に伴い、次の予算の編成に参吾々にざれるここになつておりますが、現実に所有しておる米あるいは麦といつたようなものは、年度末に何ほど数量があるかということは一々わかつておろうと思いますが、価格の評価がえというものは毎年やることになつておるのかどうか。この価格の評価がえというものは、かなり精密にしなければなるまいかと思うのですが、こういう辺がなおざりになつて来ると、全体の貸借対照表をつくりましても、資産表の率が狂つておるということになりますし、また損や得やということが、われわれから考えると会計上わけがわからぬことになつてしまいますが、その辺は相当厳格に行われておるでしようか。どういう方法でやつておるでしようか。
  40. 前谷重夫

    前谷政府委員 年度末の在庫の問題でありますが、年度末の在庫につきましては、御承知のように、これは買入れから売却、倉庫別に買い入れした数量がございますし、倉庫別にオーダーによりまして売却をいたしておりますので、数量的にはつきりしておるわけでございます。ただいま御指摘の評価の方法でございますが、評価の方法につきましては二つ方法が、ございまして、食糧庁で取扱つておりまするものにつきましては、政府売却する価格は米につきましては幾ら、麦につきましては幾らというふうに決定をいたして考慮いたしておるわけであります。売却価格で評価いたします場合には、その価格で評価するわけでございますが、現在におきましては標準原価をきめましてその標準原価によりまして年度末の在庫数量の評価をいたしております。その標準原価は大体取得価格を基準にいたしまして、売却価格に至らない範囲におきまして標準原価をきめまして、その標準原価によりまして、それぞれ年度末の食糧の評価をいたしておるわけであります。
  41. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは今のところ黄変米が済んでから入る問題でありますけれども、たとえばパキスタンから入つて来た米は傷米が多いとか、あるいはイラクですか、どこからか入つて来た大豆は、石がたくさん入つておるとかいうて処分ができなくて、倉庫に積み上げられてあるというのがずいぶんたくさんありますが、そういうようなものについて時価をどういうふうにきめるか。原価を基準とすれば当然処分ができるものであります。処分ができぬので置いてあるものを原価で計算すると間違つて来る。原価で売れないので処分をせないで置いてあるのですから、そういうふうなものについては特別に考慮して、一括して何か方法を講じなければ、正確な財産の評価ができぬのじやないだろうかと考えるのですが、それはどんなものでしようね。
  42. 前谷重夫

    前谷政府委員 御指摘のように、個々のケースにつきまして標準原価をとりますと、その標準原価以下で売却しなければならないという場合もございます。大体標準原価でやる場合におきましては、全体といたしまして売却価格よりも非常に低いと申しますか、取得原価を中心にして標準原価をきめております。従いまして一般普通のものにつきましては、取得原価が中心になりました標準原価でやつております。御指摘のような個々のケースについては、そういう点もあろうかと思われますが、全体的に財政の健全性を保ちますために、評価につきましてはこれを過大に評価いたさないようにということで、いろいろ専門家の意見も聞きまして、標準原価主義を採用いたしておるわけでございます。
  43. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 今の質疑についてちよつと補足しておきます。これは二十七年批難報告事項第一四九七号のイラクより買入れの大豆の問題でありますが、馬も食わないものであるらしい。そういうように結局処分ができないで売らずにあるというようなものの評価は、非常に困難ではないかと思われます。私は今案件の実体に触れようとするのではなくして、黄変米評価の仕方について伺うのが主でありますが、やはり処分ができないでほつてあるというようなものについては、かなり評価に困るのではないかと考えるのでありますが、重ねてその点について聞いておきます。
  44. 前谷重夫

    前谷政府委員 お話のように、具体的なケースといたしますと、標準原価で評価いたしましたものと、具体的に売却したものとの間に差ができる場合もあろうかと思います。これはその年度における決算におきまして、全体の損益が出て参ろうかと思います。ただ予定損益を立てます場合及び年度末における在庫食糧の評価をする場合、昨年来から専門の方を煩わしまして、その評価方法についていろいろ検討していただいたわけでございます。その結果として事務の敏速化と財政の健全化という面からいたしまして、標準原価を採用したらよかろうというふうな結論に達しておりますので、その標準原価を採用いたしておりますが、その標準原価は、個々の御指摘のありましたようなものについては高くなつておりますが、全体としては低くなつておるということになりますので、その点は、われわれとしても十分検討し、食糧管理特別会計の健全性を保ち得るようにやつて行きたいと考えます。
  45. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この黄変米については、だんだん質疑の結果、政府答弁になりましたように大きな損失が生じておりますが、こういう損失とかあるいは数量の問題というよりも、金銭的に考えて損失というものをのぞいてみたときに、私どもちよつと疑問に思いますのは、食糧管理特別会計は六千二百億円の予算をもつて買入れをし売渡しなどいたして操作をやつて行くわけでありますが、個々のこういう案件について何ぼ損したかということはわれわれが問題にしなければ国会は知る方法がないのではないか。たとえば貸借対照表、損益計算書を決算書につけてお出しになつた。ところがお出上になりましても、食管特別会計の利益になつたものが何十億ある、そして損になつたものが何億円ある、その損と利益をプールするようなことで結局利益が何ぼ、損が何ぼというしりだけ出て来ることになるので、個々の案件が委員会においてこういうふうに討議せられ、質疑応答があつて初めて現われて来るので、そうでないと国民は知らぬのじやないか、こういうふうに思うので、妙なことであるわいと実はわれわれけげんにたえないのであります。こういうことにつきまして大蔵省方面の意向を聞くべく、委員長に柳沢司計課長の出席を求めたのでありますが、御出席になつておりましたら、こういう点について食管会計の構造、運用の上から見まして、こういう個々の問題が明らかになつて来ないと、損とか益とかいうことが明瞭にならぬという仕組みなのだろうかどうか、こういうことを伺つておきたいと思います。
  46. 柳沢英蔵

    ○柳沢説明員 ただいま御質問のありましたように、食糧管理特別会計の貸借対照表につきましては、現在のとこる貸借対照表の表面から見ますと、今御指摘のありましたように、年度末における評価の方法が、食糧庁長官からお話がありましたように、標準原価でもつて評価しておるのですが、この標準原価の計算の方法によつて年度末にある程度の利益が出る、こういう場合に、もしこれよりも低い価格で処分せられました場合には損失を来す。従つて年度末における食糧管理特別会計の保有価格を標準原価できめますことが、その内容によりましては、適当であつたかどうかについての確実性というものは、確かに問題の点があろうかと思います。従いましてこの評価方法につきましては、これは多少私の個人的な見解になりますので、ちよつと申し添えておきますが、やはり保有原価でもつて一応評価をいたしまして、ある程度の保有原価に対しまして諸係りとか、そういうものもかかつて参りますから、そういうものを含めまして原価を計算する。と同時にそういう事故米につきましては、その判明する段階におきまして、それに対する価格の改訂を行つて行くというようにぜひやるべき問題でありまして、これにつきましては、食糧管理特別会計法の施行令を改正しなければならぬのじやなかろうか、こういうように考えておる次第であります。
  47. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちよつとわかつたようでまだわからぬ点があるのですが、たとえば黄変米の発生によつて国は何ほどの損をしたかということは、黄変米は広い事故米に該当するかどうかは別といたしまして、会計に関する書類を一覧するとすぐわかるというようになりますと、今後のこの種の問題に対する各般の方針を立て、あるいは財政的措置を講ずるのに非常に便宜であります。ところがそうではなしに、黄変米というものを取出して、その問題をあちらから、こちらからいろいろと追究し、検討して行つて損失が何ほどであつたかということが初めてわかる。そういうふうにして行かなければ、何ほど損したかということもだれもわからない。なぜならば損をするものもあり益するものもあつて、プラス・マイナスで結局損が幾ら出た、得が幾ら出たというようなことが報告されておつて、この内容については黄変米によつて何ほどの損が生じたかということは、ただちにわかり得るような会計の方式になつておらぬのが一つの盲点のような感じがするので、そこを聞いておるのですが、それはいかがでしよう。
  48. 柳沢英蔵

    ○柳沢説明員 先ほど申し上げましたように、現在の貸借対照表の様式からいたしますと、その点まで必ずわかるという状態にはなつておりません。
  49. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 たまたま事故米という言葉が出ましたが、事故米は広い意味においていろいろあるようでありますが、そういつたいわゆる事故米あるいは砕け米といつた問題は、次にまた食管特別会計おいていろいろの問題が出て来ますので、黄変米と切り離して質疑をした方がまとまりがいいように思います。問題はたくさんありますが、これは後日に保留することにしておきたいと思いますので、この点御了承を願つておきたいと思います。  大体これで黄変米に関して質疑を終了したのでございますが、一点だけ最後に伺つておきますが、中間会社の日本糧穀などでありますが、それがいいのか悪いのかは別といたしまして、少くとも食糧庁からアルコール特別会計の通産省へ売り渡す関係においては、何かいらざりし中間会社でむだなものであつたということはどうも明瞭らしく思いますが、今後の問題といたしまして、黄変米類似事故米等の処分につきまして、できるだけむだを排して、国の損を少くするという建前がぜひ必要であると思いますので、その点についての御方針だけを伺つておいて私の質疑を終りたいと思います。
  50. 前谷重夫

    前谷政府委員 ただいまの吉田委員の御意見ついては、われわれも今後の運営、売却につきましては十分注意して参りたいと考えております。アルコール特別会計につきましては、二十八年度におきます売却については直接売却をいたすようにということにいたしましたし、また実需者に対する直接売却という方法をとつて参つております。またその他の事故米につきましても、御指摘になりますように、そういう疑惑の起るような方法でなく、できるだけ入札制度によつてつて行くとか、あるいはまた用途を制限する場合におきましても、直接の監督者でございまする府県庁等に対しまして、横流し等のないように監督を厳重にしてもらうように、十分措置をいたしておる次第でございまして、今後その点については十分留意いたしたいと思います。
  51. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この際、次の質疑に入ります前に、動議を出したいと思いますが、ひとつお諮りをしていただきたいと思います。従来決算委員会に付託せられておりました事案、あるいは国政調査の権限によつて調査した事案によりまして明らかになりました各般の問題、あるいは会計検査院の批難事項、こういうことによりまして生じました刑事上の諸問題、ないしは直接に行政処分を受けましたり、刑事訴追を現実に受けた、こういうような場合がしばしばあるようでありますが、これらの措置につきましては、その受けた人だけに限定されておつたようでありますが、監督の上司につきまして責任がないとは言えないであろうとも考えられます。そこでこれは考えてみますれば、事件が解決いたしましたときにはすでにその上司は他に転出しておられる、こういうのが実例として多いのであります。結局上司は、すなわち監督者といたしましては、責任を追究せられないままに放置せられるということになりまして妥当を欠くではないか、こういうような意見がしばしば出ておりまするし、確かに妥当を欠くものと思料せられます。よつて委員会におきまして、これらの関係の上司につきましても、事案の調査に従いまして適宜に委員会に招致したり、あるいは当時の上司の監督者に対しましても、不当と思料せられるような場合は、委員会の決議におきまして行政上の処分を要求し得るよう、ひとつ委員長においておとりはからいのほどを願いたいのでありますが、お諮りを願いたいと思います。
  52. 田中彰治

    田中委員長 ただいまの吉田賢一君の動議につきましてとりはからいたいと思いますが御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 田中彰治

    田中委員長 御異議なきものとしてそう決定いたします。  今後今までと違いまして、たとえば一年前の事故であろうと二年前の事故であろうと、ここに批難事項として上りました問題については、どこへ転任されておつても必ずその人を呼び出して、そうしてその人を審議して、不当なことがあつた場合は決算委員会の決議によつて行政処分の要求をするということにいたしたいと思います。それではさよう決定いたしました。  ときに農林省の事務次官の方と食糧庁長官に私ちよつと御参考にお聞きしたいのですが、私が今日まで黄変米を動物に試験したりして調べた結果、実は私は毒はないと認めておるのです。そこでどういうところとどういうところに有毒の試験を頼まれておるかいつごろ頼まれてどんな報告が来ておるかということを、書類にしてひとつ出していただけませんか。私はそれを見まして委員諸君と相談しまして私の方も参考書類を出して、その人を参考人として呼んで、それを聞くか、あるいは私らが実地検証か何か科学的なものがあるならば、そこへ行つて説明を聞くかして、これの決定に協力したい。もしこれが有毒でないということなれば日本にとつてたいへんな有益なことですから、ひとつそうしたいと思いますが、さつそく委員長あて書類を出してください。そういうぐあいに私ははかりたいと思いますので皆さん御了承願います。柴田義男君。
  54. 柴田義男

    ○柴田委員 一番問題になつておりました、二十六年度以降の三箇年にわたる輸入外米の中の黄変米の問題でございますが、ちようど東畑食糧庁長官もお見えになつておりますので、二十六年度以降の、しかも当初最も御関係の深かつた東畑さんに伺いたいと思いますが、私どもは今まで当委員会におきまして黄変米の問題を現在の前谷長官からしばしば承つておりましたが、このビルマ米輸入経緯というものは、政府政府の貿易と、商社が関係いたしました入札方法と二通りつたように承つておりますが、当時もそういう状態でありましたろうか、その点を承りたいと思います。
  55. 東畑四郎

    東畑参考人 さようでございます。
  56. 柴田義男

    ○柴田委員 そういたしますと、黄変米の大部分は政府政府の直接の関係のものに多かつたのか、それとも商社が介入した場合に多かつたのか、その点を比率でけつこうでございますから承りたいと思います。
  57. 東畑四郎

    東畑参考人 私が関与しましたものの大部分は政府政府のものでございました。若干商社の民貿のものもあとで来たように考えております。正確な比率は計算をして申し上げます。
  58. 柴田義男

    ○柴田委員 ちよつと古いことでございますが、昨年の二月何日かの朝日新聞で見たのでございまするが、現地におきまして商社の駐在員と、農林省の駐在員とがビルマ業者との間に、相当数量のものを良品と不良品と交換したというようなことが掲載されたように記憶しておりますが、こういう事実がございましたろうか。
  59. 東畑四郎

    東畑参考人 昨年の二月に、黄変米が非常に問題になりましたときに、朝日新聞の東京の地方版に大きくそういう記事が載りましたことを記憶いたしております。当時日本といたしまして外米の輸入ということは非常に大きな問題になつておりました。ビルマからの米が入るか入らないかということは非常に実は問題だつたのであります。われわれもビルマからいかにして米を輸入するかということについて努力いたしておつたのであります。雨季を過ぎまして、周到の注意をしなかつたためにこういう結果になつたのであります。当時そういう記事が新聞に載りまして外務省を通してビルマ政府と折衝もし、われわれ外国へ出張するみぎりビルマ等に立ち寄りまして、その間の事情を実は調査したことがございます。私の記憶に関します限り、領事館等におきましてそういうことはなかつたということでございます。新聞等に書いてありますような不正等は、官吏の方にはなかつたと思います。ただ商社が向うと絶えず折衝いたしておりましたので、ある意味において一つの外交的な形において、ビルマ政府と商社とが折衝いたしておる程度と思います。ビルマ国内部でどういうことになつておるのか、私つまびらかにするものではありません。日本政府の買いつけるところにおきまして、わざわざ黄変米を買つたというような経緯はなかつたように考えております。
  60. 柴田義男

    ○柴田委員 今の御調査状況から承りまして、はなはだ不的確なように考えられますが、少くとも朝日新聞と申しますと、われわれの最も信頼のおける超一流紙でございます。この一流紙が報じております事実が、しからば事実でなかつたといたしますならば、なぜ取消しの御要求をなさらなかつたのでございましようか。この点を承りたいと思います。
  61. 東畑四郎

    東畑参考人 朝日新聞の記事は、某氏がこういうことを語つたという記事のように実は私記憶いたしております。朝日新聞の報道といいますが、ビルマ駐在のある人が、抽象的にビルマの米の買付方がまずい点、商社の悪い点等を語られたことを論断されまして、その人の談話という形で載つてつたように実は思つております。
  62. 柴田義男

    ○柴田委員 商社が向うにおりますことはわれわれも聞いております。昨年かの農林委員参おけるいろいろな論議の記録も一通り見たのでありまするが、商社が、たとえば日綿実業は三名置いておる、第一物産は一人、東西交易が一人で五人しか向うに派遣していない。こういう小人数の人である。農林省当局はどのくらいの人を在住させておくのでございましようか、承りたいと思います。
  63. 東畑四郎

    東畑参考人 政府では外交一元化という方針に基きまして、農林省から派遣しましても、外務省に身分を移しましてやつておるのであります。すべてビルマの総領事が責任者になつておりますが、農林省派遣のものはその部員として一人でございます。
  64. 柴田義男

    ○柴田委員 商社が三社合せて五名で、農林省からはお一人、しかもあとは総領事が責任を負われて何人かそこにお手伝いをなさるかわかりませんが、そういう少人数の方々がおられまして、何万トンというような外来の検査、受取りの場合というものはどういう方法でお受取りになるのでありましようか。簡単でよろしゆうございますから、そのお受取りになる様子をひとつ承りたいと思います。
  65. 東畑四郎

    東畑参考人 率直に申し上げまして具体的にそのときに農林省出身の職員が船まで行つて立会つたということはなかつたかと考えますが、その後問題になりましてからは、積取りのときにもたしか立会つているようであります。商社の人はもちろん船積みの船のところで見ておりまして、麻袋で揚つて来るものをここで一々検査をする。現にはしけで断つたものもあるように記憶いたします。なお日本側は念のために精米所まで行つて精米所で輸出物の現物に立会つておるというように考えておりますが、もちろん実際その物を運んだり動かすのには現地人を利用しておると思いますが、責任者が立会つて受取つておるというように聞いております。
  66. 柴田義男

    ○柴田委員 そういたしますと、われわれは朝日新聞の報道だけではなしに、今日までのいろいろな輸入経緯をずつと一通りつておりますと、何か受取りの場合にも不正が行われるではないかということが想像されます。農林省当局が今後も続けなければならぬでございましようが、この輸入米に対しまして、現地における操作の方法というものに欠陥があるとお考えになりませんか、この点を承りたい。
  67. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げますが、ビルマ米輸入につきましては、柴田委員お話のように、われわれといたしましては、本来ならば産地から精米所、それから港、こういう三段階にわたつて検査をいたしたいわけでございます。ところが産地につきましては、御承知のように、ビルマの現在の状況におきましては、まだ日本人が入るという段階に立至つておりません。従いまして産地におきまする倉庫の検査ということは、現状においてはできないわけでございます。昨年度の途中まで、精米所におきましての検査も、どの精米所から物を出すというビルマ政府からの通報がないものでございますから、これもなかなか困難でございましたが、昨年の中ごろから、その点をビルマ政府と交渉いたしまして、精米所における倉庫を検分し得るようにいたしたわけでございます。現実の問題といたしましては、ただいま東畑次官からもお話がございましたように、責任は日本側の商社が立会いまして。インスペクターの補助といたしまして、相当ビルマ人を使つて船積みのところで検査をいたしておるわけでございまして、昨年度におきましてもそれが相当量そこでもつてはねましたために、ビルマ新聞にもいろいろ問題が出まして、日本側は黄変米を口実にしてビルマの米をたたいておるというふうな逆宣伝もあつたわけでございますが、そういうことをやつておるわけでございます。さらにそれに続きまして、国際的なインスペクターが同時にその際に立会うということも交渉をいたしまして、ほぼこれも了承を得たと思います。それによりまして問題が起りましたものにつきましては、相互の委員会を設けまして、そうしてそのビルマ側とわれわれ日本側との委員会でもつて、具体的なその品質についてのクレームを処理して参るということも、ビルマ政府と交渉をいたしておるわけでございまして、必要な場合におきましてはわれわれの方から出張の形で応援を派遣する。また同時に国際的な検定機関に対しましては、日本人の職員をとつてもらいまして、そうしてそれがビルマ側に派遣されまして、同時に立会うというふうな点もいろいろ交渉しておるわけでございます。
  68. 柴田義男

    ○柴田委員 なお伺つておきますが、今問題になつておりまするところの黄変米に対しましては、クレームが成立しない、こういうことになつておるように聞いておりましたが、今後はどういうような御契約になつておるのでございましようか、その点を承りたいと思います。
  69. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。昨年度からビルマ側におきまして黄変粒の混入を規格の中に入れまして、一%以上混入しておる場合においては日本側において値引きまたは拒絶できるという契約にいたしております。ただ現地におきまする検定の場合には、先般も申し上げましたように、検定機関ビルマ側にあるわけでございます。それに対しましてこちら側といたしましては、国際的な検定機関の立会いを要求しておるわけでございまして、これは事実上の立会いとして認められた形になるわけでございます。そういたしますと、それに基きまして各地におきましてそれ以上のものがありますれば、ビルマ側に対する求償の関係にもなりますし、また商社の場合におきましても、規定以上のものが到着いたしました場合におきまして、それが船中において発生いたしました場合におきましては、保険事故なりやいなやということで求償の関係が成立し得る。つまり現在の契約面におきまして、善良な管理者としての注意において、故意または重大な過失があつた場合においては、これは求償できぬ建前になつておりますが、規格がはつきりいたしませんためにその点が明瞭でなかつた。それがビルマ側との間におきまして規格が明瞭になつ関係がございますので、ビルマ側に対しましても、もしその場合におきまして混入がございますると、拒絶なり値引きの交渉クレームが成立するというふうに考えております。
  70. 柴田義男

    ○柴田委員 商社が介入して輸入いたします場合には、たとえば向うの、ビルマならビルマの輸出業者が、一旦ビルマ政府に売り渡して、その政府かり日本の輸入商社が買付けるのでございましようか、それとも向うの輸出業者と日本の輸入業者との、商社と商社との自由な契約によつて成立するのでございましようか、その点を承りたいと思います。
  71. 前谷重夫

    前谷政府委員 政府間の貿易の場合におきましては、政府間におきましてそれを禁止することができます。それから国際入札の場合におきましては、ビルマ政府ビルマ人に対しまして国際入札を行うわけでございます。それで落札いたしましたビルマの商社から日本の商社が買う、こういう段階であります。ただつけ加えて申し上げておきたいのでありますが、本年度からは三十万トンの政府間の契約ができましたので、本年度におきましては、全部政府間の契約のものをビルマから輸入するということで、民間のものはない予定でございます。
  72. 柴田義男

    ○柴田委員 そういたしますと、輸入に関する今後の改善、まつたくもう改善して、こういう方針で行けば、黄変米がかりにあつて政府自体は損失をこうむらなくてもいいんだ、こういう何か画然とした御方針がお立ちになつたのでございましようか、その点を最後に承つておきたいと思います。脚
  73. 前谷重夫

    前谷政府委員 ビルマの問題につきましては、二つの方法を考えておるわけでございます。一つは、従来も申し上げましたように、黄変粒の混入を契約条項としての規格の中に入れる、これが第一点でございます。それから第二点は、積み期を限定する、つまり六月末までに、雨期を越さないで積み出す、こういう対策が現在としては可能な対策でなかろうか。さらに、もちろんわれわれといたしましても、専門家を派遣するということと、それから国際的な検定機関を立ち会わす、こういう付随的な方法を考えておりますが、そういう方法で対処して参りたいというふうに考えております。
  74. 柴田義男

    ○柴田委員 先ほど来承つておりました、商社が介在いたしました場合には、商社に責任を負わすのでございますか、その点を承りたい。
  75. 前谷重夫

    前谷政府委員 ビルマ側におきまして、そういうふうに黄変粒の規格というものが契約に入りまするから、われわれといたしましても、当然商社との間におきましても、その規格を契約の中に入れて参るということにいたしております。
  76. 柴田義男

    ○柴田委員 現在すでにそういう方途を講じておられるでじようか。
  77. 前谷重夫

    前谷政府委員 昨年の十月にビルマから入りました二万トンにつきまして、そういう条項が入りましたから、そういう契約をいたすわけでございますが、ただ今後ビルマから入りまするものは、先ほども申し上げましたように全部政府間の貿易になるわけでございます。従いまして商社は運送の取扱いをするわけでございまして、その運送上につきまして代行者としての契約条項はもちろんつけるわけでございますが、品質はビルマ政府との間の直接の契約になるわけであります。
  78. 柴田義男

    ○柴田委員 そういう輸入の場合の状況というものは、多少安心が置けるようになつて参つたようでございますが、ただ現実にどうしても将来そういう損失がないのだというようなところまで保証ができましようか。その点をひとつ次官もお見えのようでございまするから、次官という立場で東畑さんに承りたいと思います。
  79. 東畑四郎

    東畑参考人 この前の国会に黄変米責任をもつて入れないかという御質問があつたのでございますが、当時の私といたしましては、責任をもつて入れないということを申し上げるわけに参りません。これは要するに雨期前に米を買うべきである。雨期後に買つた米については、現在の態勢ではどうしてもむずかしいと思います。実はその後も黄変米が入りましたので残念に思つておるわけであります。黄変米というもの自体が入らないかと申しますと、私は雨期後に来たものは絶対ないという自信まだまだございませんが、クレームの点につきましては、だんだんと日本の力がついて参りましたから、これはあくまでクレームとしての追究をして、ビルマ以外のところにつきましても、できるだけ商社に求償するという形において契約をするという方向にしたいと思います。その事態が来ないかということにつきましては、自信をもつて来ないというだけの確信はございません。
  80. 柴田義男

    ○柴田委員 日本にとりましてはこの食糧問題は大きな問題ではございます。ことに外米が向うの方では非常に生産過剰で、日本を目当にどんどんと売つて行きたいという諸国家がたくさんあるわけでございます。こういう場合には、外交的にも日本の食糧輸入に対しましては、もつと確然とした方針を立てて、がつちり組んでやるというお考えでございましようか。その点をもう一度承りたいと思います。
  81. 東畑四郎

    東畑参考人 米は国際的にも大分緩和いたしております。国内的にも粉食奨励その他によつて外米の輸入を大分減らして行くという方向にございますので、われわれといたしましては、いわゆる国際的な米の買付につきましては、だんだんと日本に有利な条件が出ておりますので、これはそう無理をして世界各国から買い争うという過去の非難はなくなつて来たのじやないか、従つてこのときにもつと日本に有利な米の買付方につきましては、さらに検討しなければならぬと思います。幸いビルマとの貿易協定ができておりますので、むしろ向うが米を売りたいという形になつて来たと思いますので、品質の点につきましては、こちらからの発言も相当強くできるのじやないか、かように考えておる次第でございます。
  82. 柴田義男

    ○柴田委員 輸入状況は大体わかつたのでありますが、そういたしますと、私どものいただいておる資料——二十七会計年度と二十八会計年度黄変米によつた損失金額というものが、五億七千百十九万余でございますが、その後に前谷さんから承りますると、この金額は訂正されたように記憶いたしております。この金額以上に損失があつたようでございまするが、正確な損失の金額はどのくらいで、ございましようか。
  83. 前谷重夫

    前谷政府委員 二十七会計年度におきましては、二億一千三百十七万円でございます。二十八会計年度におきましては五億八千百二十七万円で、合計いたしまして七億九千四百七十五万円が損失というふうになつております。
  84. 柴田義男

    ○柴田委員 これは黄変米だけのもので、このほかに、たとえば砕米その他の分は別個でございますね。その点あらためて承つておきます。
  85. 前谷重夫

    前谷政府委員 事故米等はこの以外であります。
  86. 柴田義男

    ○柴田委員 その他の事故米の問題は別に譲るといたしますが、二十七、二十八両会計年度におきまして事故米と、現在承つた七億九千四百万円余の分を合しまして、輸入米に対する一切の損失というものは、総額どのくらいでございましようか。概算でよろしゆうございますが、ちよつと承つておきます。
  87. 前谷重夫

    前谷政府委員 数学的に正確を期しますために、もう少し調べましてお答えいたしたいと思います。
  88. 柴田義男

    ○柴田委員 責任を云々とは申しませんが、先ほどの七億九千四百万円以外に大体五億くらいある、十億くらいあるという概略でよろしゆうございますから、おわかりになりませんか。
  89. 前谷重夫

    前谷政府委員 今までの私の考え方から申しますと、砕米につきましてはほとんど損失はないと思います。事故米につきまして損失があろうかと思いますが、なお二十七年度につきましては、会計検査院等の御報告もあろうかと思います。二十八年度につきましては、また精細に出ていませんが、やはり外国食糧として一番大きいものはこの黄変米の問題でございまして、あとは水ぬれとかその他のものが、そう大きな数量ではないかと思いますが、あると思います。
  90. 柴田義男

    ○柴田委員 今の問題を、会計検査院でおわかりになつている範囲でけつこうでありますが、ちよつとお知らせ願いたいと思います。
  91. 小峰保栄

    ○小峰会計検査説明員 黄変米以外はちよつと今即座にわかりかねるのでありますが、黄変米だけ申し上ます。先ほど政府当局から七億九千四百万円という御報告がありましたが、私どもの方で計算いたしますと、少し金額は違うのであります。昨年末のこの委員会で中間報告をいたしましたが、あの金額が少し狂つて参りましたので、御訂正をかねて御報告さしていただきます。これは検査報告に載つておりますが、合計で八億三千万円、こういうことになつております。前回には八億四千二百万円と申し上げましたが、あれは中間報告で、ちよつと資料が不備でございまして、現在のところ二十七年度売却分それから二十八年度売却分合せまして八億三千万円、こういうことになつております。
  92. 柴田義男

    ○柴田委員 概略の損失状況はその程度でわかつたのでありますが、もう一つ、東畑さんにはしよつちゆうお目にかかれないから、今承つておきますが、この前にも当委員会において前谷さんからその点を承つたのですが、ちよつと不得要領だつたと思いますので、重ねて承ります。日本糧穀株式会社食糧庁長官東畑さんとの間に御契約なさいました昭和二十七年四月二十四日付かの契約書を見ますると、ちよつと一つ二つふに落ちない点があつたので承りますが、日本糧穀と食糧庁長官が御契約なつた場合に、契約保証金は全国販売農業協同組合連合会長猪飼清六をして売買金額の百分の十以上を現金をもつて食糧庁に納付せしむるという条項があつたのであります。全国販売農業協同組合連合会は、どういう関係で保証金だけをこの契約に基いて納入しなければならなかつたか、この点を承りたいと思います。
  93. 東畑四郎

    東畑参考人 この点をよく取調べをいたしたのでありますが、日本糧穀は三月末までは中金等から員外貸付ができるということになつております。そこで政府とアルコール特別会計といろいろ折衝をいたしておつたのは、二月、三月のころからがそうであります。そこで値段等をいろいろやつおりまして、三月末までは金がない、四月にならないと金がないというようなことになりまして、そこで日本糧穀との契約をいたしました。この間四月以後は中金の員外貸付しかなくなるものですから、そこで全販連と日本糧穀とが契約をされたということで、政府としてはあくまで売払い代金の債権を確保するということで、全販連から金を支払うということにいたしたのであります。従いまして契約保証金のみならず、売買代金も全販連からとるということにおいて、政府の売払い代金の債権を確保したい、こういうことになつております。
  94. 柴田義男

    ○柴田委員 どうも私ども普通の経済常識では、判断のつかない方法契約のように見受けられるのです。契約の相手が保証金を納め、契約の相手が当然金を納めて現物をもらうのが普通の常識だと思うのだが、そこに今のような全販連というものが介入しまして、この契約の面から見て参りますと、全販連というものは何か利益があるということは全然見受けられません。こういたしますと、当然保証金を出して金を納めるという人が、何かそこに利益が伴わなければならぬ。全販連は利益という対象でなしに、たとえば手数料といいましようか、そういう手数料がなければならぬというふうに常識で判断されるのです。これを今度は片柳さんに承りますが、日本糧穀株式会社と全販連との関係はどういう関係でございましたか。
  95. 片柳眞吉

    片柳参考人 この関係は、ただいま実際上の理由は東畑氏からお答えになつ通りであります。かつこうとしましては、そういうようなちよつとかわつた形と仰せになることはもつともと思いますが、私どもの方では全販連と今後もいろいろ取引をして行きたいというような考えもございまして、そこで全敗連と私の方と、共同作業といいますか、資金の方の準備は全販連にお願いいたしまして、具体的な輸送その他の実務は私の方の会社でいたします。従いまして全販連にも資金等の準備なり、債権確保というような責任を持つてもらつておりますから——お手元に資料が行つていると思いますが、やはり一定の危険負担料は当然全販連にお支払いしております。要するに共同作業として全販連の方は大体資金関係を持つ、私の方は現品の輸送その他の方を担当する、こういうことであります。かつこうとしてはそういう例はあまりないと思いまするが、共同作業としてやつたわけであります。
  96. 柴田義男

    ○柴田委員 われわれは全販連という団体は、末端の農業団体を中心といたしまして組織されておる、こういう常識論は知つているのですが、そういう全販連と日本糧穀というものは、何かの御関係でこういう契約が成つた、こういうことでございますけれども、国民大衆の疑惑はこういうところから起きるのじやないでしようか。この間から数字上で議論しておりましたように、四千何百トンかの場合に、通産省のアルコール工場へ納入いたしましたのは百七トン不足を来しておる。そうしてそれは全部食糧庁からもらう場合にはあり姿のままでもらつてから、事故が起きて百七トン不足になつた。百七トンの不足と申しますと莫大な数量でございます。こういうものがなくなつたということは、保証金でも出してくれた全販連等に横流し等があるのじやないか、こういう疑いを持たれるのですが、そういうものによつて、全販連との間の何か手数料とか利益というようなものは、御相談はなかつたのでございましようか。これも承つておきます。
  97. 片柳眞吉

    片柳参考人 共同作業でありまするから、私の方から全販連に一定の手数料といいますか、危険負担料は当然お払いをしております。実務は私の方で全然別個にやつておりますので、現物等を全敗連にやつたということは絶対にございません。要しまするに資金関係の方面だけを全敗連の方へお願いしておりますので、そういう現物の点では全然関係はございません。
  98. 柴田義男

    ○柴田委員 全販連と常にこういうような方法で共同の商行為をおやりになつておるのでしようか。この問題はこの問題としまして、そのほかにもそういう問題がまだございましようか。日本糧穀の社長に承りたいと思います。
  99. 片柳眞吉

    片柳参考人 これが最初でございまして、その後一、二件あつたと存じますが、現在は全然この取引はありません。
  100. 柴田義男

    ○柴田委員 会計検査院に承りますが、こういうような契約食糧庁と日本糧穀が結んでおるというのは正当だとお考えでございましようか、会計検査院から承つておきます。
  101. 小峰保栄

    ○小峰会計検査説明員 日本糧穀と政府契約の中に全販連が介在したわけでありますが、これは日本糧穀に資金がございませんので、全販連が農林中金から借りまして、そうして出した、こういう関係に立つております。もとの起りは、先般来問題になりましたように、現物をあり姿のまま引取る、金を先に払う、これが事の起りなのであります。で政府間の契約でありますから、当然に代金をあと払いができるわけであります。そういう点はかまわずに、日本糧穀が中へ入りまして、そうして一般の民間相手の取引と同じように、物を渡す前に先に食糧庁が金をとる、こういう形式をふんだために、こういう問題が起きたわけであります。そこで全販連に百分の一——百二十八万円かと思いますが、そういう手数料も払う、あるいは金利も払うというようなことで、出費が増大したわけであります。国の間の取引ならば、そういうものは全然いらないわけであります。そこで私どもの方としては、農林中金がそういうものを貸し出していいかという点が第一点であります。それから全販連がそういうことをやつて定款上よろしいかどうか、これが第二点であります。この点も調べたのでありますが、どうも全販連の定款には、こういうふうに、いわば中間に立つて金を貸しつける、組合員以外に融資をする、こういうことになるわけでありますが、これは定款外の行為であります。定款にそういうものは入つておりません。それから農林中金といたしましても、日本糧穀に融資するのがわかつておるわけであります。そういう金を貸し出すということも、規定の上から申しましておもしろくない行為でありまして、その点、農林省に特にこういう取引はおもしろくないということは、注意書として出しておるのであります。
  102. 柴田義男

    ○柴田委員 非常な詳細な説明を承つのでありますが、われわれもそういう点は別個に農林中金等を調査してみたいと思つております。ただこういう契約は会計検査院としてごらんになつた場合に妥当でない、こういうお考えだということに承つておいていいのですね。
  103. 小峰保栄

    ○小峰会計検査説明員 その通りであります。
  104. 柴田義男

    ○柴田委員 もう一つ常識的に承つておきますが、片柳さんは日本糧穀の社長であられますが、ちよつと前までは食糧庁長官で交られた、そうして食糧庁とこういう契約をされて莫大な利益をとつておられる。こういうことはだんだん調査をして参りますとわかつて来るのでありますが、日本糧穀株式会社の全体的な経理の状況を拝見いたしますると、大した利益をあげておらぬように決算面では現われておりますけれども、この問題一つとらえてみましても、相当莫大な利益を収めておる、こういうように見受けられるのですが、前の食糧庁長官であつた方がこういう会社の社長で、しかも食糧庁を相手として商取引をされるということは、どうお考えでありましようか。これはあたりまえだ、もうかるからやつているので、君たちからそういうことまでとやかく言われる必要はない、こうお考えでしようか、常識的に承つておきたい。
  105. 片柳眞吉

    片柳参考人 実はこの問題につきまして、当委員会の御審議まで煩わしたことは、非常に恐縮に存じております。私も実は株主その他から特に懇望されてこの会社の社長になつたわけでありますが、その後静かに考えて参りますと、御指摘のように、手数料も——この前も申し上げましたように、見方はいろいろあると思いますが、大体三%程度と思うのでありまして、私の考えでは、決して普通の商事会社として特に不当な利益を得たとは考えておらないわけでありますが、たださようなことでありましても、関係省なりその他に非常な御迷惑をかけたことは、私は非常に遺憾に思つております。実は私はこの問題が出ましたときに、会社の社長を辞任いたしたいと考えておつたわけでありますが、株主総会等の御了解が得られす、今日に至つております。ただこの問題が当委員会の前に、すでに大蔵委員会の問題になつたことがありました。そのとき以来私は会社の実務者に命じまして、一切かような取引は中絶、停止をさせておりまして、ともかく私は商事会社としては特に不当というふうには考えておりませんが、しかしいろいろ御審議を煩わし、特に私の知つておりまする農林省その他の各位に非常な御迷惑をかけたことは、私は非常に恐縮に存じておるわけであります。私の心境は大体以上の通りであります。
  106. 柴田義男

    ○柴田委員 片柳さんの御心境も承つて、今後どういう方法でおやりになられるのかは別個といたしまして、大分良心的なお考えのようでありますから、これ以上は申し上げませんが、ただ私どもは、この委員会で何も事を好んでそういう問題を取上げたのではないのであります。前の十六国会に国鉄の問題を糾明いたしました場合にも、やや似通つたような問題だつたのであります。かつての国鉄総裁が、株式会社鉄道会館というものをつくつて、それに無償で東京駅のどまん中を借り受けてその中に厖大な建物を建てた。その大将が加賀山之雄氏であり、専務はかつての施設局長であるというような形、また今度も調査を進めておる間に、はしなくも日本糧穀株式会社というのは、前食糧庁長官片柳さんが社長であるということがわかつた。何ということであるか、国民大衆がいろいろ疑惑を持つのは無理ない、こういう感じを深くするのであります。諸官庁をやめました方々は、民間にこういういろいろな会社等を組織されまして、元おられた官庁との取引が継続されるというのは、これは調査を進めて行くに従つてまだまだあるのではないか、こういうようなことが考えられるのであります。ことに片柳さんは、国民代表として今度は参議院にも席を置かれておられるのでありますから、こういう点は十分御考慮つて、今後国民からこういう疑惑を持たれないようにやつていただきますならば、日本糧穀という会社もりつぱな会社でございましようから、もちろん御活躍をなさるのはけつこうでございますが、こういう問題に対しましては、私どもは非常に遺憾であつた、こう思つておるのであります。それでこの黄変米の問題も、一通りピリオッドを打ちたいという考え方から、そういうことを申し上げているわけでございますから、今後十分御考慮願いたいと思います。
  107. 片柳眞吉

    片柳参考人 柴田委員から非常に御親切なお言葉をいただきまして、非常に感銘しております。私も長らくの間農林省におりましたが、少くとも私の過去の行動から推して参りまして、口はばつたいことですが、こういうような御審議をいただきましたことは、私の不徳のいたすところでありまして、現在は一切かような業務は会社にはいたさせておりませんので、その点はひとつ御了承願いたいと思います。
  108. 柴田義男

    ○柴田委員 もう一つ承つておきますが、この日本糧穀とそれから全販連との共同の事業であつて、百二十万か百三十万の表面的な利益のようでありますが、それに対しまして国税庁は、税金はどういうようにおはからいになつておりますか、国税庁関係の方は御出席ございませんでしようか。
  109. 田中彰治

    田中委員長 前国税庁長官が見えておられます。
  110. 柴田義男

    ○柴田委員 参考に承りたいと思います。
  111. 高橋衛

    高橋参考人 私は一昨年末に国税庁をやめておりますので、その後の状況については何ら承知しておりません。その前のことでございましても、実は昔のことで記憶いたしておりません。
  112. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 司計課長にちよつともう一点尋ねておきたいのですが、食管特別会計法の第八条の三によりますと、「内閣ハ毎年度末会計ノ歳入歳出決算ヲ作成シ一般会計ノ歳入歳出決算ト共ニヲ国会ニ提出スヘシ」こうありまして、添付書類が書かれているのでありますが、そこでさきにお尋ねした食管特別会計一般の損益のしりにおきまして、黄変米のごとくかかる特殊の案件について、数億円の損失を生じているというものが現われずに、プールされたごとき計算で損益として出てしまつておりますが、たとえば、ここには貸借対照表及び財産目録というような添付書類がございますが、こういうところへ、重要な損益の計算のごときは、何か説明的に書いて出すということが、国会の側から見れば非常に便宜でもあるし、また国の特別会計の決算の、国会べ審査を求めるという手続からいたしましても、もつともであろうと考えるが、何かそういうようなことについて大蔵当局といたしまして相当な措置が希望されるべきでないかと思いますが、ひとつ御意見伺つておきたいと思います。
  113. 柳沢英蔵

    ○柳沢説明員 お答えいたします。食管特別会計ばかりでなく、他の特別会計につきましても、実は貸借対照表、損益計算書の様式につきましては、不備の点が多いということについては、われわれも十分に考えている点でございます。従つて特別会計の貸借対照表、損益計算書等の財務諸表につきましては、研究してできる限り御期待に沿うように改善いたしたい、かように考えている次第であります。
  114. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それから、食糧管理法及び同施行令等によりまして、大体食糧とは何ぞやという定義もあり、主要食糧とは何ぞやということにもなつて、米穀、大麦等いろいろあるのですが、この食管法にいわゆる食糧は、物品会計規則の国の所有の動産というのに律せられないのですか。それとも国の所有の動産である物品会計規則に対しては、特別法の立場に立つということになるのですか。実は物品会計規則というものは明治二十二年六月の制定でありまして、内容が非常に粗雑でもありますし、不備でもありますし、器具、機械、消耗品といつたものかおもなものらしいのでありますので、今の時勢には適しない法律規則のようにも感ぜられ、その後できておる警察予備隊の物品に関する規則は、かなり詳細なものが出ておるようでございます。こういう点も考えてみまして、食糧管理における食糧なるものと、物品会計におけるその関係、物品会計規則が基本法規で、食管法が特別法規の関係に立つやいなや、その点と、なお物品会計規則がかりに基本法規であるといたしましても、内容はもつと充実することが必要であろうとも考えられます、当委員会におきましておりましたときに、国の有する債権債務についての根拠法がはつきりせず、また物品の問題を扱つておりましたときにも、動産関係についても非常に不備な法律しかない。従つて法制的にこの会計法規を、物を対象とし、あるいはそういう債権を対象としておるときに、相当整備しなければならぬのじやないかということをかねがね考えておるわけでありまするが、ただいま質疑しまする点について、何か御意見がありましたら聞いておきたい。
  115. 柳沢英蔵

    ○柳沢説明員 お答えいたします。食糧につきまして物品会計規則の適用を受けるものであるかどうかという点につきましては、これはやはり動産でありますので、物品会計規則の適用を受けるというように解釈いたしております。それから御指摘のように、物品会計規則は非常に不備欠陥の多いものであるという点につきましては、しばしば当委員会におきましても御指摘を受けたのでありまして、その後いろいろ研究をいたして参りました結果、非常に遅れましてたいへん申訳ない次第でありますが、今度の国会に提出すべくほとんど準備を了しておるという状態でございますから、今度の国会に必ず提出される運びになると思います。それからもう一つ債権の問題につきましても、その後大蔵省におきましてもいろいろ研究をいたしておりますが、今度の国会に間に合せようという予定をもちまして、一応債権管理法という法律の制定を目下企画いたしておる、こういう状態でございます。
  116. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 食糧庁長官にちよつと参考に伺うのですが、米麦、大豆等のばら輸入の量は年額どのくらいありますか。
  117. 前谷重夫

    前谷政府委員 大体年によつて違いますが、大麦は本年度の輸入計画から申しますと、大体百三万トンでございます。これはばらであります。それから小麦は、本年度の輸入計画といたしましては百九十七万トン、約二百万トンでございますが、これもばらでございます。そのほかに米につきましては加州米がばらで参ります。これはその年度によつて、そのときの状態によつて違いますが、大体十万トンから十七、八万トンまでが参ります。
  118. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 これは利害得失の問題でありまして、私が十分研究してないのですが、麻袋の問題なんです。もう麻袋問題にもどつて行くわけじやありませんからどうか御心配のないように願いたいのですが、外国から麻を輸入して麻袋をつくつたり何かするよりも、これだけのものを入れるところの俵を百姓につくらせてこれを買つたら、農村のつくるわら工品のために、農村に入る金がたいへん多くなるので、私は非常にいいことではないかと思うのです。どうも麻袋でああいう大きな営利会社ばかりもうけさすよりは、むしろ百姓に俵をつくらせて、それを政府が買うということをすれば、その俵はまた動物の飼料にも使えるのです。しかしこれはそろばんの問題もあると思いますので、ただそういつたことについて御研究を願いたいと思います。別にこれについては御答弁を求めるわけではありません。  次に委員長にお願いをいたしたいのですが、先ほど柴田君の質問を聞いておつたのですが私も実はそれを聞こうと思つてつた点でありまして、非常に重大な点だと思いますので、この点を明らかにしておく必要があると思います。金額にしてはわずか百五十万——しかし百五十万といつてもわずかなことではないと思うのです。ほかのいろいろな批難事項から見れば、ほんとうにわずかですが、しかしその性質がきわめて重要なことであると思う。ということは、日本糧穀という会社は、これは営利会社、金もうけ会社である。この金もうけ会社食糧庁から米の払下げを受けるのに、全販連から保証金を積ませた。全販連というものは、私が説明するまでもなく公共団体であります。農民の集つたところの団体である。それにまた今度は農林中央金庫から金を出して、そうしてこれを日本糧穀と食糧庁との売買契約の保証金にしたのだ、こういうのです。そこでそれには別に何ら関係がない、従来いろいろなことをやつてつたからどうとかこうとかいうことをおつしやられておるのですが、大体私は中金がそんなところへ金を出すべき性質のものではない。全阪連においてもそんなところへ融通する金があつたならば、農民の方へ融通して……(「農林中金を呼べ」と呼ぶ者あり)そういう意味で農林中央金庫の理事長を呼んで、この点ははつきりいたしておきませんと、こういうことが将来行われますと、これはたいへんなことになると思うのです。農林中央金庫は、名前のごとく農民を救済するためにできておるところの金庫である。それが普通の営利会社の商人の手先になつて保証金を積む、それのあと押しをするというようなことではたいへんなことになるので、一応農林中央金庫の理事長を呼んでけじめをつけさしていただきたい、私はこう思うのです。それからなお日本糧穀にとつてはちよつといやな感じがするかしれませんが、こういうときにはつきりしておいた方がいいと思うので、先ほどいくら金がもうかつたとかいうようなことがありましたが、そういうことについても、それの納税関係がどうなつておるかということについて当時のこれに関する明確な答えのできる国税庁責任者を呼んでいただく方がいいのではないかと思いますので、その点もお願いしておきます。それと全販連の会長を呼んでいただきたいと思います。     〔「理事会できめたらどうか」と呼ぶ者あり〕
  119. 田中彰治

    田中委員長 理事会なんて言わないで、ここで皆さんの御意見を聞いて決定したいと思いますが、どうでしようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  120. 田中彰治

    田中委員長 御異議なしと認めて、呼ぶことにいたします。
  121. 柴田義男

    ○柴田委員 最後的にひとつ……。麻袋の問題と黄変米の問題は一応わかつたのでありますが、ただこういう問題が完全にわかつた場合に、当委員会から最後的な結論が出ると思います。出ました場合に、麻袋のような問題の場会でも、刑事上の問題が云々ということでなしに、あれだけ莫大な損失をこうむるような起案をされた責任者、それに対しましてあるいは実際何かスキャンダルはないといたしましても、相当これに対する責任農林省当局は感ぜられておると思いますが、そういうような当委員会でその結論が出ました場合に、責任者等が出まするようなときには、責任を負つて、そういう責任者処理をなさる御意思があるかどうかということを、食糧庁長官と次官のお二人から承つておきたいと思います。
  122. 東畑四郎

    東畑参考人 麻袋、黄変米につきましていろいろ御批判を賜わりましたが、私の在職中のことで、ございまして、責任を痛感いたしておりますが、決算委員会におきまして結論を出していただきまして、農林省に御通違いたされました上は、大臣とも相談いたしましてこの責任の分野をはつきりいたしたい、こういうように考えております。
  123. 前谷重夫

    前谷政府委員 大体次官と同様に、結論を得ましたら、大臣とも相談してはつきりいたしたい、かように考えております。
  124. 田中彰治

    田中委員長 皆さんにお諮りいたしますが、これは重大な人事に関する問題ですから、理事会でよく協議してその上でということでいかがでしようか。委員長におまかせ願えますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  125. 田中彰治

    田中委員長 それではそう決定いたします。  以上で本日の議事を終了いたします。参考人各位には、長時間調査のために御協力をいただき、委員長より謝意を表する次第であります。御苦労さまでございました。  なお、理事各位に申し上げます。散会後理事会を開きますから、そのままお残りを願います。理事会は非公開といたしますから、理事並びに関係者以外の方は御退席を願います。  これにて本日は散会いたします。     午後四時三分散会