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1954-02-03 第19回国会 衆議院 決算委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年二月三日(水曜日)     午後一時五十五分開議  出席委員    委員長 田中 彰治君    理事 天野 公義君 理事 大上  司君    理事 松山 義雄君 理事 安井 大吉君    理事 河野 金昇君 理事 柴田 義男君    理事 吉田 賢一君       有田 二郎君    徳安 實藏君       牧野 寛索君    藤田 義光君       阿部 五郎君    山田 長司君       杉村沖治郎君  出席政府委員         国税庁次長   大槻 義公君         食糧庁長官   前谷 重夫君         通商産業事務官         (軽工業局長) 中村辰五郎君  委員外出席者         大蔵事務官         (関東財務局         長)      井上 義海君         会計検査院事務         官         (検査第三局         長)      小峰 保栄君         専  門  員 岡林 清英君     ————————————— 二月二日  委員舘林三喜男君及び山田長司辞任につき、  その補欠として竹山祐太郎及び片島港が議長の  指名委任に選任された。 同月三日  委員片島港君辞任につき、その補欠として山田  長司君が議長指名委任に選定された。 同日  理事藤田義光君の補欠として河野金昇君が理事  に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  国有財産管理に関する件(旧虎の門公園敷地  の原形復旧)  昭和二十六年度一般会計歳入歳出決算昭和二  十六年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十六  年度政府関係機関決算報告書  黄変米の輸入、保管及び処分等に関する説明聴  取     —————————————
  2. 田中彰治

    田中委員長 これより決算委員会を開会いたします。  それに先だちまして、ただいま理事会決定いたしました重大事項について委員諸君に申し上げておきます。造船問題でありますが、これをどう取扱うかということを理事会で再確認したのでありますが、全理事の承認によりましてこの造船問題をいよいよ明日から決算委員会で特別な調査部を設けて、委員長が十日以内に資料を提出さしたり、また調べたりいたしまして、資料のそろつた上で、これはどの政党に傷つこうとも、どういう問題が出ようとも徹底的にこれをやるということに決定いたしましたから、委員諸君も御多忙中お気の毒でありますが、どうかひとつ決算委員会の名誉にかけてこれをあれするように御努力願います。     —————————————
  3. 田中彰治

    田中委員長 まず理事補欠選任についてお諮りいたします。藤田義光君から理事辞任の申出がありました。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 田中彰治

    田中委員長 御異議なきものと認め、辞任許可するに決定しました。先例により委員長より後任理事指名いたしたいと思いますが御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 田中彰治

    田中委員長 御異議なしと認め、河野金昇君を理事指名いたします。     —————————————
  6. 田中彰治

    田中委員長 次に前会本委員会において安井委員から要求がありました二ユーエンパイヤ・モーター株式会社にかかる虎ノ門公園に関し、その後の処置経過について本日関東財務局長出席を求め報告を受けることにいたしました。それでは報告を願います。関東財務局長井上君。
  7. 井上義海

    井上説明員 ただいまの御質問の点につきましてお答えを申し上げます。六月二十日の省議決定によりまして、虎ノ門公園処理につきましては建物の撤去、土地明け渡し原状回復を強硬に遂行するということに決定を見ましたので、九月十六日付をもちまして関東財務局長の名でニユーエンパイヤ・モーター株式会社社長あてに、土地原状回復についてという題目で明け渡し要求したのであります。委員長内容は簡単ですが読みますか。
  8. 田中彰治

    田中委員長 どうぞ読んでください。
  9. 井上義海

    井上説明員 「昭和二十四年二月一日建公収第二〇四号で東京都知事貴社に対し虎の門公園の一部六百五拾坪敷地の上に仮設用材による木造二階建建物の建設を昭和二十四年二月一日より昭和二十八年一月三十一日に至る四年間(但し更新しない)の条件行政処分により許可したものであるが期間満了後現在に至るも未だ原状復旧されていないので使用条件に照らし昭和二十八年十月三十一日までに原状復旧の上返還して下さい。」こういう土地返還要求社長あてに出したのであります。これに対しましてニユーエンパイヤ・モーター株式会社社長から十月六日付をもちまして懇願書が出ております。懇願書の大要も読み上げることにいたしたいと思います。  「昭和二十八年九月十六日付御書面により旧虎の門公園敷地原状回復について御申入れに接しましたが同敷地に対する当社土地使用当社が御庁初め関係各庁に屡々申上げました通り東京都から御許可を得ました使用権が今日も依然有効であると固く信じております。然るに御庁が御申入れ趣旨を強行せられるような場合当社としては会社事業は破産し役職員二〇〇名その家族及び下請関係者を合すれば約一五〇〇名にも達するものが路頭に迷い生活にも困窮する如き悲惨な結果を生ずることは必定であります。  因に当社事業は御承知の通り貿易庁長官からの御委嘱に基いて政府代行機関として発足し国の為に相当なる貢献を為し来つたものと自負しております。又今日一般交通自動車の負う役割と駐留軍始め在日外国人に対する自動車サーヴイス政府御期待に貢献を為し得る確信責任とを有するものであります。  如上の趣旨を御了承願い当社の死命を制すべき土地使用関係継続御容認願うか、或は御指示に基いて昭和二十八年六月十二日附当社からの土地払下申請を御許可願うか、何れかの線に添い本件土地の円満な解決の結果を得られますよう何卒良識ある御処置を仰ぎ度懇願いたす次第であります。」  こういう趣旨懇願書が十月六日付をもちまして提出されました。これに対しまして、関東財務局長の名前で、さらにニユーエンパイヤ株式会社社長あてに、再び土地原状回復についての要求書を十月二十八日付をもつて出しております。それによりますと、「当局所管左記財産について昭和二十八年九月十六日付関財管二第一三七六号をもつて貴社に対し土地原状復旧要求したとおりすみやかに施設を撤去し原状回復のうえ明け渡して下さい。重ねて要求いたします。なお昭和二十八年十月六日付内容証明便貴信による使用継続又は払下申請に応ずることは困難であるから御了承願いたい」こういう土地原状回復要求を重ねて出したのであります。これに対しまして社長から関東財務局長あてに、十一月三十日付をもちまして、「土地原状復旧についての御紹介に対する回答」として、「昭和二十八年十月二十八日付内容証明郵便による首題の件に関する御紹介については前回昭和二十八年十月六日付申上げました通り弊社としては正当権限に基いて使用いたしているつもりでありますので期限経過後の使用継続か或は払下申請について格別の御詮議を得度重ねて御願いたします。追つて本件土地の地代はその後に於ても供託いたしておりますから御指示があれば何時でも供託受領証持参の上御引渡しいたしますにつき併て御了承願います。」という回答が出されたのであります。さらにこれに対しまして、財務局より社長あてに十二月十六日付をもちまして、「土地原状復旧について昭和二十八年十一月三十日付内容証明便貴信東京口六一三同六三〇による使用継続又は払下申請に付ては関財管二第一三七六号および関財管一訟第一〇四号により再三これに応ずることが出来ないむねを回答しておりますので御了承願います。すみやかに施設を撤去し原状回復のうえ明け渡して下さい。」その後こういう書面上のやりとりをやりましてそれとともに、さかのぼつて二十八年の十月に財務局長から法務大臣あてに「建物収去土地明渡請求の訴提起について」、内容は非常に長いのでありますが、「所在および数量、相手方、」それから「沿革」を詳しく書きまして訴え提起の文書を出しております。その最後を読みますと、「以上の経緯でありこのまま放置することは国有財産管理上当を得ないことであり他に対しても某影響をおよぼすし、前例を残すことにもなるので当局としては強硬措置を講じたく建物収去土地明渡の訴ならびに昭和二十八年六月一日より明渡しに至るまでの使用料相当額損害金要求提起願いたく御依頼致します。」こういう訴え提起書面を出しております。法務省訟務局の第一課でこの内容をその後検討しておられまして、近く法務省意見もまとまつて訴えを具体的に提起される段階にあるように聞いております。
  10. 安井大吉

    安井委員 承りましたが、向う使用権が存続しておるというように今お読みになつた内容に書いてあります。大蔵省としては使用権が存続するということはどういうふうにお考えになりますか。ここで問題となるのは、公用営造物使用許可でない、公法上の問題でない、大蔵省が取上げたことによつて一種私有財産としていわゆる賃貸契約式になつてしまつて訴訟によらざるを得ないということになつておる。大蔵省扱い訴訟にまつよりほかになくなつたことは遺憾に思うのでありますが、使用権の存続ということについて大蔵省のお考えをお聞きしてみたいと思います。どうお考えになつておりますか。
  11. 井上義海

    井上説明員 ただいまの御質問、一番問題のところだと思うのでありますが、大蔵省省議決定し、訴え提起いたしましたのは、東京都がニユーエンパイヤモーターに貸しましたのは普通の賃貸契約に基くものではなくて、行政上の措置として貸しておるのだ、従つて借地借家法の適用はない、こういう建前で訴え提起しております。この問題は法務省の専門の方、今河津検事が担当してやつておられますが、十分法律的に専門的に御検討しておられまして、いずれ訴え提起されて裁判所においてそのいずれが正しいか判定されるものだと思つておりますが、大蔵省の方の見解としましては、普通の賃貸契約ではなくして行政上の措置としてやつた公法関係である、こういうような解釈で訴え提起しておるのであります。
  12. 安井大吉

    安井委員 そうすると大蔵省は元の公園にもどすつもりでお考えになつているのか、あるいは一種財産として私有するという意味でお考えになつているのか、またこの手続公園として復活せしむるというようにして、東京都知事もしくは建設省の方へ管理をまかして、公有財産としての処理をし、さらにこの命令を出す措置に出なかつたというのはどういうわけですか、それをひとつ伺いたい。
  13. 井上義海

    井上説明員 お答え申し上げます。大蔵省としてはこの土地公園にするかしないかという積極的意見は持つておらないのでありまして、これを管理しておられます東京都の方で公園を除籍して、引継がれたのであります。それを大蔵省としては引継いで、普通財産としてのこれからの処分をやろう、こういうことであります。公園として適当であるかどうか、除籍するのがいいか悪いかということは、むしろ東京都の方で認定されて、引継いだわけであります。大蔵省が積極的に引継ぐことを要請し、あるいは会計検査院の方からそういう書類の出て参りましたのは、現状公園としての体裁をなしていないので、公園にするなら公園にするし、公園にしないなら引継ぐ、こういうことを要求したのであります。公園として適当であるものを無理に普通財産として引継げ、こういうことを申したのではないのであります。現状公園でないようだから、公園でないものなら公園でないような手続をとるし、公園なら公園として管理していただきたい、こういうことであります。その結果東京都の方で公園として適当でないと認められたのでありましよう。これは建設省との合議であつたと思うのでありますが、除籍して大蔵省が引継ぐ、大蔵省はこれを普通財産として引継ぎまして、普通財産としての管理処分をする、こういう考え方であります。
  14. 安井大吉

    安井委員 それは少し前の説明とでい違いがあるような感じがする。東京都は四箇年間使用許可したのである。ところが建物が建つた建物を建てるということは、公園に復帰せしむべく四年間を切つてつたのである。たまたま検査にあたつて期限は過ぎている。実物がある。現に建物が所在している。公園効用をなさないではないか、従つてこれは普通財産だということは、公園使用後において東京都が申請したのでなくして、大蔵省財産管理立場から、現に公園ではないじやないかという意味をもつて普通財産にしたのであつて東京都が除籍を申請して来たから、大蔵省はそれによつて普通財産に編入したのだというように、この前は聞いていない。これはほかの、委員の皆さんも聞いていることでありますが、(「その通り」)そう私は考えている。従つて東京都が積極的に意思表示をして除籍すべきものだと言う。それなら東京都が公園を廃止して貸すべきである。東京都は公園として使用を許している。あなたのお話とはまるで意思がかわつている。むしろ国の方が、公園効用をなしていないのだから、すでに公園の価値はないのである、ある建物が実在している、従つて公園として使用しない、これは普通財産だと言つて一種の取上げたかつこうになつているのである。東京都知事は決して公園を廃して普通財産に入れてくれと言つたのではない。私はそういうふうに考えておる。この食い違いは前の速記録を見ればわかる。おそらく他の委員もそういうふうに聞いていると私は思う。あくまでも公園にしたい。われわれ決算委員会も、公園として適当なる管理をすべきであつて、四年間を切つて貸したけれども、その後においてはやはり公園に復帰すべき土地である。そういう意味をもつてこれを明け渡すべきである。普通財産管理という立場において論じたのではない。公園として使用許可したのだという意味から、なるほど公園がいい、四年間たつてもぐずぐずしていることはいけないというので、今の局長答弁——あなたではなかつたかもしれませんが、前の答弁をお読みになつたらわかる。大蔵省の今の考え方東京都が進んで公園を除籍して普通財産に編入してくれという申請に基いてやつたのであるという点について、いささか答弁食い違いがあるように思う。
  15. 井上義海

    井上説明員 お答え申し上げます。私の申し上げる言葉があるいは足らなかつたかとも思いまするが、またこの前の管財局長答弁と多少齟齬した点があるというようなお話もあるのでありますが、大蔵省といたしましては、ことに出先としての財務局といたしましては、行政財産につきましては——あるいはこれは公共用財産でありますが、公共用財産につきましては、総括大臣としての立場から、それが本来の目的に使用されているかいないかということを監督する権限があるわけであります。虎ノ門のあの現状を見ましても、どうも公園としての用をなしていないということで、これはむしろ公用財産を監督する立場から、こういう書面東京都の方に差上げた。これが一番もとなんです。これは財務局から東京都の方に照会しております。しかし東京都の方ではこれを四年間の期限付使用で、その経過原状に復帰して公園にするんだということであり、現にそういう措置がとられるのであれば、大蔵省としてはそういう状態にあるものまでしいて普通財産にしようという趣旨ではなかろうと私は思うのです。あの状態をいつまでも続けられるということであれば、公園の用をなさないから、公園の用をなすように復帰せられるか、あるいは原状に復帰できないならば普通財産として引き継いでいただかなければならぬ、こういう趣旨で、大蔵省東京都がぜひ公園にしたいというものを普通財産として引継げと強要して引継いだということではないと私は考えております。
  16. 安井大吉

    安井委員 東京都知事公園使用期限が切れたから、それに対して退去を命じたが言うことを聞かなかつた。聞かないから、やむを得ず期限が延びておつた。それをたまたま公用でないとして大蔵省普通財産扱いをしたのであつて東京都知事意思公園として復帰せしめたいから、すでに東京都知事から立ちきの書面が出ているはずだ。従つて東京都知事公用を廃止して、普通財産に編入しようという意思は毛頭なかつた建物を貸すときにも、大蔵省建設省東京都も相談の上で貸したはずである。だからあなたの答弁東京都知事意思とはまるで違つている。その扱いは、たまたま四年の期間経過したからどきなさいと言つたがどかなかつたという事実はあつたかもしれぬけれども、そのことによつて普通財産にただちに編入されるということはない。公園使命を持つて公園としての効用を廃止しないで、すでに公園としてある間に退去を命じておる。従つて東京都知事意思は、あなたのお話とはまつたく異なつている。私はそう思う。その食い違いは、東京都知事も出てここで十分審議を重ねた後にこうなつておる。今の答弁ははなはだ不満足である。同時に、私に言わせるならば、むしろ大蔵省がこれを普通財産として取上げるのには、よほどの検討を要して、東京都知事意思を聞いて行くべきである。それを現在になつて普通財産から見ればこうだという見方は、はなはだ財産管理として不適当だと思う。東京都知事公園としての使命を全うせしむるために、公用を廃止することをがえんぜない。従つて四年たつたからどんどん退去の催促をしておる。東京都知事意思は、あくまでも公園として存続せしめ、公用財産として、行政財産として取扱おう、その趣意にほかならないと思う。
  17. 柴田義男

    柴田委員 今の議論は当時の速記録をお調べになれば簡単にわかると思いますが、ただ今の安井委員のお説を伺つておりますと、東京都を中心としての御論議のようでありますが、この問題は一番大きな責任東京都にあつた東京都が公園として使用しなければならぬものを、五百万という多額の寄付をもらい、あれを貸し付けておつた、こういう問題から出発したのであつて東京都に責任があるんだが、東京都といたしましてはその責任を全うし得ないので、現実は公園でなかつたから、普通財産として大蔵省返還になつた、こういう形から今日に至つているので、われわれのこの委員会としての希望は、その後における処理をどうされているか、これを本日財務局長の御出席を願つて伺うことが趣旨であつたと思います。今後はこの問題につきまして別個の御相談をいたすといたしまして、本日の予定の黄変米あるいはその他の問題に入つていただきたいと思います。
  18. 安井大吉

    安井委員 今打切りのお話が出ましたが、なるほど経過はよくわかりました。しかしその要旨を摘録して委員長の方へ提出していただいて、さらにこれを検討していきたいと思います。
  19. 杉村沖治郎

    杉村委員 私は今柴田君が言つたと同じようで、過去のことは、責任問題とかあるいは今の受渡しの問題等速記録を見ればわかるので、ここで水かけ論の議論をしたところで時間を空費するだけである。ただ今報告されたことについてちよつと伺いたいのですか、今報告されたところでは行政処分である、公法上の契約であるということは、最初東京都が貸付をするときかり賃貸借、いわゆる私法上の契約ではない、公法上の契約である。しかも期限満了の場合においては代執行契約かあるわけですね。代執行責任を負わしている。いわゆるニユーエンパイヤ・モーターの費用において東京都がこれを執行するということがちやんとうたわれている。これは大蔵省も当然にそれを引継いでいるのですが、その点について何ゆえ行政処分条項に基いて代執行もやらないで訴えを起すのか。訴えを起すということは、大蔵省公法上の処置であるが、それとも私法上の契約であるかということを明らかにするための訴えなんですか。それとも普通の私法上の土地明渡し訴えなんですか。公法上の行政処分であるということは、東京都も大蔵省もはつきりしているとすれば、一応あの条項に基いて代執行をやつてしかるべきであると思うのであるが、それにもかかわらず地方裁判所へ訴え提起するということは、どういうお考えからやつているのか。それを伺いたい。
  20. 井上義海

    井上説明員 ただいまの質問の点は非常に専門的な問題になるのでありますが、私の方といたしましては、本件につきましては法務省の方とよく連絡をとりまして、法務省の方が原告になりますので、法務省見解において今おつしやいますような代執行の方法が適当であるということになれば、あるいはそういうことも考えられないこともないと思いますが、今では成規手続……。
  21. 杉村沖治郎

    杉村委員 われわれは法務省意向を聞いているのでは、ございませんよ。そんな人の方へ責任を転嫁しちやいけません。いやしくもあなたの方は財産管理責任者であつて、しかも東京都がやはりあなたの方から貸下げを受けておつて、そうして行政処分をしたということは、当委員会においても明確なるところの表示がなされておつて速記録にも明確になつている。しかもまた大蔵省も、行政処分なりということをあなた自体がおつしやられている。あなたの方で、大蔵省がみずから行政処分なりということを認めておき気ながら、何ゆえ法務省意向を伺うのですか。どういうわけで法務省意向を伺うのか、その考えを聞いておきたい。
  22. 井上義海

    井上説明員 先ほどの経過で申し上げましたように、相当強硬に書面立ちのきも要求したのですが、なかなか聞き入れられないということで、私の方も部内でいろいろ相談したのですが、訴え提起して正式にこれをきめた方がいいという見解法務省の方に訴え提起したのであります。いずれこれは……。
  23. 杉村沖治郎

    杉村委員 そういうあやふやなお答えでなく、行政上の処分で代執行条項が加わつておるにもかかわらず、それをやらないのは、あなたの方ではこれは行政上の処分であるのかないのかということがいささか疑問になつたために、そういう処置をしたのか、あるいはわれわれ当委員会において明らかにしておるところの行政処分であるということはあなたの方でも確信を持つておるのか、そこはどうなのですか。そういうあやふやなことでなく、これはどうも行政上の処置としては受取ればいという考えがあるので、いわゆる民事裁判にかけるようにしたのか、どちらであるのか明確にしていただきたい。そんな不明確なお答えではいけません。
  24. 井上義海

    井上説明員 その問題は、今御指摘になりましたように、行政上の処置民事処置かということについても全然疑義がないわけでも、ございませんことと、もう一つは代執行をやりましても、会社としてもなかなかそれに応じない、非常な問題を起すだろう、むしろ正式に訴え提起して争つた方が適当だろう、こういう考えをもちまして訴え提起したのであります。
  25. 杉村沖治郎

    杉村委員 あなたはとんでもないことをおつしやつている。代執行をしても会社の方が応じないだろう——代執行というのはそういうものですか。代執行というのは大蔵省が日本の全国民、いわゆる国家の力によつてやるのであつて、何もニユーエンパイヤモーターが応じないだろうなんて、そんなことを言つて済むのですか。そんなばかばかしいことを言つてそれではあなたは何にも役はせんじやないですか。そんなばかばかしいことを答えていいのですか。     〔「もう少しわかるように言えよ」「政治的な圧力が加わつておるなら加わつておるとはつきり言つた方がいい」と呼ぶ者あり〕
  26. 田中彰治

    田中委員長 安井君、あなたの質問に対して委員長として重大なものを考えているのです。あなたは東京都の公園だから、それをあくまでも元の公園にしなければならないという御意見ですか。それともどういうところで質問されておるのですか。
  27. 安井大吉

    安井委員 私はそれは公園にしようとまでは言わない。ただ公園の性質を失わないものであるならば、もつと強制的に行くべきで、向う使用権を持つていると言うが、使用権が認められるはずはないじやないか。何とならば請書を出して、向うは四年間たてばおつしやる通り明け渡すといつておる。それを使用権があるということは大蔵省はなまぬるいじやないか、使用権は現品にないじやないか、公園にする、しないはあとの問題で、撤去の命令がもつと手きびしく行くべきである、こういうことを言つておるのであります。
  28. 杉村沖治郎

    杉村委員 ただいま委員長安井委員にお尋ねになつたのですが、われわれは元の公園にするとかしないとかいうことは問題外といたしまして、いやしくも当決算委員会におきまして、大蔵省が必ず元の通り原状回復をさせますということを明言した以上は、今日になつてまだそれがやつてないということ自体がはなはだ不都合千万な話なのです。しかも本日来てお答えになるところによれば、どうも行政処分についても疑義がないでもないというようなことを言つておる。また一面においては、どうもニユーエンパイヤモーターが応じそうもないと言う。こんなばかばかしいことを答えておるのでは、決算委員会を何とお考えになつて出ておるのか、私ははなはだ心外千万だと思う。いま少しはつきりと、あなた方でわからなければ大蔵大臣に来てもらう。——だめだ、あなた方は問題にならぬ。やはり大臣に出てもらつた方がいい。委員長、この人たちはてんで問題にならぬから、大臣の出席を求めたい。これは日を改めて聞くことにして、本日はほかの日程に入つた方がいいのじやないかと思うのですが、皆さんいかがでしよう。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 田中彰治

    田中委員長 そこで井上説明員に申しますが、これは私が調べた事件ですが、私らはこういうふうに考えておる。あなたの方は、悪く思うわけではないが、普通財産にされたということは、払下げをする前提だと私は見ている。普通財産にされて払下げできるように、法律でそういうぐあいにつくり上げて、そうしてこれを代執行へかけられるものを民事の方に持つてつて、それを長引いてされるということ。もう一つ疑うのは、委員諸君が気をつけておられるが、貸した土地は六百五十坪ですが、実際は千二百坪です。そうするとあとの六百五十坪を明けてありますか。あなたは決算委員会を何と思つているのか。あそこは千二百坪じやないか。六百五十坪貸したのなら六百五十坪はあいていなければならないじやないか。ほかの委員会で言うようなことを言つてはだめだ。大臣を呼んで調べてやる。
  30. 山田長司

    山田(長)委員 この問題は私たちにはどうもふに落ちないものがたくさんあります。そこで結論を出すためには、大臣を呼んで、大臣に断を下してもらうよりほかにないと思う。大臣もこのことについて断が下せないようなことがあつたら、国有財産というものは保持されない。断固として大臣に断を下してもらいたいと思う。
  31. 井上義海

    井上説明員 ただいまの私の説明が少し足りなかつたのでございますが、大蔵省普通財産として引継ぎましたあとは、これは行政上の代執行というのは非常にむつかしいので、東京都が公共用として使用しておりましたときには、行政上の代執行は可能でありますが、大蔵省普通財産として引継ぎました後は私法上の問題でありますので、こういう措置は非常に困難ではないかというような解釈もありますので、私法上の措置をとつたわけであります。
  32. 杉村沖治郎

    杉村委員 たいへんおかしなお答えをなさいますが、東京都がやつたときには公法上の処分であつたものが、大蔵省に行つたならば私法上の契約にかわるというのは、それはまたふかしぎなお答えですね。公共団体にかわりがありますか。いつ私法上の契約をしたのですか。公法上の処分はどこまで行つて公法上の処分じやありませんか。そんなばかばかしい理論では私は納得できない。
  33. 田中彰治

    田中委員長 これは払下げしたいからやつたんだろう。普通財産にすれば払下げができるのです。全部で千二百坪です。貸したのは六百五十坪です。六百五十坪あいておりますか。(「答弁する前に一ぺんぐらい現場を見て来たらいいじやないか」と呼ぶ者あり)貸したのは六百五十坪しか貸してないから、六百五十坪は無断で使つておるということになる。金も千二百坪の土地から六百五十坪分しかとつていない。今度は大臣を呼んで聞きます。
  34. 井上義海

    井上説明員 正式に東京都が貸し付けておる坪数は六百五十坪です。
  35. 田中彰治

    田中委員長 ところが向うは千二百坪使つておるじやないか。
  36. 井上義海

    井上説明員 その状況は、別途使用状況に応じて、大蔵省としては会社に対して使用料をとらなければならない……。
  37. 田中彰治

    田中委員長 いや、使用料じやない、貸しておらぬのだから、使用料をとれば貸したことになる。そこの土地をかつてに使つたのだからたいへんなことになる。
  38. 井上義海

    井上説明員 大蔵省が引継ぎました現状はそうであります。東京都が正式に貸しましたのが六百五十坪です。事実土地としては千百三十六坪あるのです。事実は使つておるのでありますが、それを……。
  39. 田中彰治

    田中委員長 黙つて使つておるのをなぜ立ちのかせないのだ。地代も払わないで黙つて使つておるのをどうしてほつておいたのか。
  40. 井上義海

    井上説明員 目下その手続をとりつつあります。     〔「ちようど一年たつじやないか」と呼ぶ者あり〕
  41. 田中彰治

    田中委員長 それじや大蔵大臣を呼び出して聞きます。     —————————————
  42. 田中彰治

    田中委員長 それでは前会に引続いて麻袋並びに黄変米に関する調査を進めます。質疑の通告がありますので、ただちに質疑に入ります。柴田君。
  43. 柴田義男

    柴田委員 会計検査院も御出席でございますので、今の麻袋と黄変米の問題に関しまして前提として承りたいと思いますが、昭和二十七年度の農林省所管食管特別会計の決算書の一番最初の二十七年度特別会計の貸借対照表に、麻袋が八億七千八百十七万四千三百七十五円七十九銭、こう計上されておりますが、この麻袋は単価をどういう計算において八億七千八百余万円に計上されておつたのか、会計検査院で御調査がすでにお済みでございましようか。この点を承りたいと思います。
  44. 小峰保栄

    ○小峰会計検査院説明員 ただいまの御質問でございますが、これは八億九千八百万円になつておりますが、単価の点はまだ調べてございません。さつそく調べましてお答えいたします。
  45. 柴田義男

    柴田委員 会計検査院は私ども最も御信頼申し上げておるのでございますが、こういう貸借対照表が提示されました場合に、単価をごらんにならないで、単に数字だけをごらんになつたということはあまりにも怠慢じやないか、こう思わざるを得ない。会計検査院で単価をお調べにならなければ、今の問題としてはやむを得ません。しからば食糧長官に承りますが、この単価がどういう単価で計上されたでございましようか。一般の民間会社でございましても、少くも決算におきましてはその当時の時価あるいは多少の損失も見込んだものをもつて計上されることを常識としておりますが、そういう計算をされたのかどうか、この点を承りたいと思います。     〔委員長退席、松山委員長代理着席]
  46. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げます。ただいまの損益の問題な、実は決算でございませんで、予定損益として一応計上いたしておるわけでございます。その際の計上といたしましては、お説のように大体時価を標準といたしております。ただその場合におきまする新袋あるいは一空のもの、あるいは破袋と、種類にいろいろ差がございます。それに応じまして大体時価を推定して、予定損益としての価格を掲げてあるわけでございます。
  47. 柴田義男

    柴田委員 昭和二十七年度の決算において八億七千八百余万円というこの計算でございますると、おそらく大体の単価の想像から推してみましても、この金額に該当する枚数というものは四、五百万枚、こういうことになると考えられますが、一番今問題になつておる三百万袋の購入単価が二百九十円であつたはずであります。しかもその後随時そのものが暴落しておつた昭和二十七年の初めにおきましては百七、八十円だつたと記憶しておるのですが、そういう単価から推してみても、八億七千八百万円と申しますと四、五百万枚だと思いますが、その枚数が大体該当しておりましようか。
  48. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 ただいま申し上げましたように、中には一空、新袋がございますが、大体の枚数としてはお話のようなことになろうかと考えます。
  49. 柴田義男

    柴田委員 そういたしますると、今まで前谷長官からこの麻袋の問題で伺つておりまする範囲におきまする状況と現実は非常に相違して来るんじやないか、こう思うのです。この間の委員会におきましても、もうその当時の状況から三百万袋は買つたけれども、だんだんに使用されて来ておる。使用されて来ておるけれども、小麦の輸入の目標も立つたので重ねて五百万袋お買いになつた、こういう御答弁でございましたが、この決算の表に出ております金額から推定する枚数と、今まで長官がわれわれに御報告の枚数とには、非常な相違点が出て来るのではないかと想像されますが、何か計算におけるお間違いがございませんでしようか。
  50. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げます。その予定損益の場合におきましては、時期的に二十七年の三月の状態からしての二十七年度中の予定損益を立てたわけでありまして、今年の三月までに幾ら使用されるかという見込みを申し上げまして、大体三十万枚程度になるだろうということをこの前申し上げたわけでございます。
  51. 柴田義男

    柴田委員 この麻袋の問題は、どういう角度から見ましても、不要な麻袋を多量に購入したということがうかがわれるのでありますが、なお一つの見方といたしましては、当時納入をいたしました諸会社の布地の保有状況を本委員会が調査いたしましたものを見ましても、相当多量の布地を持つておる。いわゆる麻袋をつくる布を持つてつた。こういう手持ちの保有の状況あるいは小麦が輸入されるであろうというお考え方から見ましても、小麦に対する必要量、こういうような計算をいたしましたものがございますか。たとえば大型の麻袋が七十五キロ入れでございまするし、小型は四十五キロ入れである。そうして一トンについて、たとえば小型の場合でございますと二十二・二枚という必要量がここに出て来るわけであります。こういう必要量から推して参りましても、現実の小麦の輸入状況等を参酌いたしまして、あとから五百万袋を買つたという根拠がどこからも出て来ないのでありますが、どういうお考えから五百万袋を購入されたかという私どもの質問に対しましては、しばしば小麦、大麦の輸入に対する手当としての購入であるというようなお答えでありまして、やはり単にこの五百万袋買つたということを正当化なされるというお考え方からの御答弁としか承れないのですが、そういうことでなしに、実際この五百万袋は生産者を擁護するために買つたものであつて間違いであつたというようなことをはつきりとできないのでございましようか。間違いであつたということがはつきりされますならば、この問題は同じことを繰返して何べんも何べんも委員会を開く必要もございません。こういう問題に関しまして、何とか率直に食糧庁長官からお答え願いたいと思います。
  52. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げます。当時の事情といたしましては、米はごく少量でありますが、大麦、小麦、それから米を合せまして十二月から三月までの輸入見込みを七十五万トンと押えたわけであります。そうしてそのうち袋詰を要するものを七十一万トンということに考えたわけでございます。そういたしますと、全体といしたまして要袋詰数量が八百二十七万枚という形になるわけでありますが、そのうち回収見込みが四百五万枚でありますので四百二十二万枚の不足になる。ただその際における政府手持ちが五百万枚ございましたので、それを使つて参りますと三月末におきまして二十二万枚になる。ところがその際におきまして、先般申しましたように、パキスタンとのバーターの関係で五十万枚は返還という問題がございましたので、それを差引くと三十七万枚不足になる。常時食糧庁といたしましては、輸入総額といたしましてはある程度の手持ちが必要だということで考えたわけでありますが、その後における実績を検討いたしますと、回収の見込みにおきましても齟齬があつたわけであります。同時に輸入数量もバンクーバーにおけるストとの関係もありまして、六十二万トンというふうなぐあいにこの期間の輸入がずれたのであります。そういうふうに需給の見込みについて非常に齟齬があつたということについては、非常に遺憾に考えておる次第であります。
  53. 柴田義男

    柴田委員 前谷長官のお答えは、いつでもお買いになつたことを間違いであつたということは言えないようなことにしか聞えないのですが、これは私どもも前谷長官が直接その当時の長官でなかつたので、どうもほこ先も鈍るような気もいたしますけれども、私どもはこういうことが再びあつてはいけないということで十分この問題を論議しておるのであります。追つて、当時の長官は安孫子さんかと記憶しておりますが、最後には御出席をお願いしなければならぬ、こう思つておりますけれども、こういう多量の購入をなさいます場合でも、前の委員会でも御承知のように非常な短時間に処理されておる。決済も一日で決済をとつておる。それから今度は検収にあたりましても神わざでなければできないような早わざでされておつて、ただちに金を支払つておるというような状況から判断いたしましても、どうも生産業者に何かだまされておるのじやないか。お役所というものは甘いものだ。そうして国民から集めた税金をもつて非常な簡単な取引をやつておるというような印象を、国民大衆に与えては将来のためにならぬ、こういう考え方からこの問題を繰返して申し上げておるのであります。ことに麻袋の問題でございますと、最小限度四回ないし五回は回収されて使われておる、こういうことでございますと、前の三百万袋を使用する期間が相当長くかかりまして、民間倉庫にそれを眠らせておつて、莫大な保管料を支払つてつたという現実もあつたのであります。それに重ねて五百万袋を購入したということは、どうしても納得ができない、こういうことでありますが、問題はその購入にあたりましてどういう方々が関係されたのであるか。五百万袋あるいは前の三百万袋の購入の——単に長官だけでなしにどういうところでこれを起案され、そうして買付けの決定をされるのであるかということをもう一度承りたいと思います。
  54. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 柴田委員の御指摘のように、その当時としては、私は善意でやつたのじやなかろうかと思います。ただその場合におきまするいろいろの見込み違いがありまして、結果としてこういう国損をかける形になつたことは非常に遺憾に存じておるわけであります。現在の麻袋の取扱いの形といたしましては、食糧庁の第二部の輸入業務におきまして担当いたしておるわけでございます。それからだんだんに書類が関係課と連絡の上に決済がされる、かような形になつておるわけであります。それにつきましての担当者につきましては資料として差上げておると考えております。
  55. 柴田義男

    柴田委員 ほかの委員の方もございますので、麻袋の問題はこの程度にいたしまして留保いたします。  次に伺いますことは黄変米の問題でありますが、黄変米の問題を論議いたします場合に、輸入米の問題に対して、たとえばビルマならビルマ、インドならインドという政府対日本の政府との貿易関係もございましようし、あるいは商社を介しての輸入という場合もあると思いますが、今問題になつております黄変米はいずれに属するもので輸入されたもので、ございましようか、その点承りたいと思います。
  56. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げます。ビルマ米につきましては、御承知のように、GGの場合と国際入札の場合とがございます。当該のこの黄変米の場合におきましては、大部分は追加輸入五万トンのGGでございます。ただ前後いたしまして民貿の国際入札によるものもその前後には多少入つて参るかという形になつております。
  57. 杉村沖治郎

    杉村委員 今柴田委員からお尋ねになつたことなんですが、これは私はこの間大臣に質問したのです。それは三百万枚の在庫品があるのにもかかわらず、五百万枚を新たに買うということはどういうことであるか尋ねたところが、その前に長官の答えに大量の麦の輸入が見込まれておつたので、こういうことで当委員会速記録に載せられておるわけです。そこでその大量の麦はどういうのか。入れるもの、つまり麦の量によつて袋というものの数量はきまつて来るのだから、その麦の数量は幾らかということを聞いたけれどもわからない、そこで長官にせひ正確なものを文書で出してもらいたいと言つたのだが、あるいは今日出ておるのかもしれないが、ただ私どもの方の調査によりますと、昭和二十七年の十一月末、すなわち五百万枚の麻袋を買う前月——十二月に買つたのですね、その前月の十一月におけるところの政府が持つてつた麻袋の在庫品というものは、四百三十八万八千三百二十一枚あるわけです。これを小型に換算いたしますと七百三十一万三千八百八十枚になるわけですね。さらにそのほかに政府機関の麻袋の配給会社というものがある。これはいつ何どきでも政府が必要の場合においては配給会社から——政府要求に応じて麻袋を提供するところの配給会社、この配給会社に大型が百二十三万九千二百三十三枚あるわけです。これをさらに小型に換算しますと、二百六万五千四百八十四枚、こういうことになる。このようにたくさんなものがあるのにもかかわらず、こういうように買入れておるのですが、そこでさらに私どもが調べたところの麦の買入れ見込みが昭和二十七年の十二月におきましては、輸入見込み数量大麦が十五万九百六十六トンであつて、これに対するところの所要の麻袋というものは、三百三十五万四千七百六十五枚、こういうことになるのです。さらに一月から三月までの輸入見込み総数というものは、大麦が七万一千三百九十二トンであります。これに要するところの麻袋が百五十八万六千四百七十二枚、さらに小麦につきましては十二月中に輸入見込み総数が四万二千六百九十七トンであります。この所要麻袋は七十一万一千六百三十一枚、さらに一月から三月までの輸入見込み総数は十五万七千六百五十二トン、これの所要麻袋が二十六万二千五百七十枚、さらに米につきましては十二月中の輸入見込み総数が九千三百トンであります。これの所要麻袋が十五万五千三枚であります。     〔松山委員長代理退席、柴田委員長代理着席〕  さらに一月から三月までの輸入見込み総数が二万五千五百七十二トン、これに対する所要麻袋が四十二万六千二百十枚であります。以上によりますと、麻袋の購入の契約締結後十二月末まで、米麦類が契約通りに輸入され、内地各港に到着するものといたしましても、十二月に要するところの麻袋は四百二十二万一千三百九十九枚であります。これに対して十一月末に、保有麻袋は九百九十六万三百八十二枚あるのであります。これによつて五百万枚を購入せなくてもまだなお残が五百七十三万八千九百八十三枚あるのであります。それにもかかわらずこういうようなものを買い入れるということはどうもわれわれには納得が行かない。あるいは私の調査によりますところの昭和二十七年十二月からの大麦、小麦の輸入数量が、私のただいま申し上げたことに相違がありまして長官の方のおつしやられますところの輸入見込み数量が、いわゆる私がただいま申し上げた在庫袋数と並行して行くことになれば私の方が誤りでありますが、これを私は実は確かめたいために——これを確かめ得られますならば、その五百万枚の麻袋が必要であつたかどうかということはおのずから判明して来るのでありまして、問題はそこで大量の大麦、小麦等の輸入数量は、この五百万枚の袋の必要、不必要を決するところのかぎになるのであります。かるがゆえに私は昨日農林大臣にこの点を質問したのですが、大臣は閣議ではそういうことをやつたような記憶はないというようなことを言つておるのでありますし、あるいは長官も当時長官でなかつたとすれば、これは書類の上から見なければならぬのであろうと思うので、そこで特に——私はただあなた方を責めるのではありません。事実を明らかにすればよろしいのでありますから、ただ問われたらすぐ答えるということではなく、ひとつよく調べて、そうして正確なところの答えが願いたい。こういうことをこの間申し上げておいたのでありまして、本日そのお答えがいただけるかと思つてつたのですが、私がただいま申し上げましたそれと相違があるかないか、そういつたようなことを伺いたい。実はそれから、先ほど柴田君が言つたように、売買契約が十一月二十三日でしたか、中二日休みの日を入れてそれが二日であるにかかわらず、ああいうような遠くの方の三箇所ですぐに受渡しをされたというようなことが、どうも私ども全体を総合的に判断いたしますと、何だか暗い影がさすのであります。でわれわれがこういうように、あなた方の方から見ればだいへんしつこく考えられるでしようけれども、これは数字上出て来ることですから、やはり一と一を寄せれば二であるということにならないと納得が行かないのであります。それで私がこの間特に大臣にも断り、あなたにも明確なる数字でひとつお答えが願いたいと申し上げたのだが、そういうことを言つてつても日がたちますので、私の方の調べたところをあなたの方にお話申し上げたわけですが、その点いかがでありますか。
  58. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げます。ただいまの杉村委員の数字はわれわれの当初の見込み及び実績と多少違いがあるかと思いますので、私の方で考えました数字について申し上げたいと思います。大麦につきましては、輸入数量の総輸入といたしましては、十二月には二十八万一千六百五十二トンという見込みでございます。一月の見込みは十二万八千トン、二月が二万九千トン、合計四十三万八千六百五十二トン、こういう見込みであつたわけでございます。このうち袋詰めを要するものは、十二月の二十八万一千六百五十二トンのうち袋詰めを要するものといたしましては二十七万八百五十二トン、一月の十二万八千トンのうちばら積みを要するものが十万六千トン、二月の二万九千トンのうち二万トン、合計三十九万六千八百五十二トンというものがばら積みの袋詰めとして必要である。大麦につきましてこう考えたわけであります。ただ実績からいたしますると、要ばら積み数量は三十四万九千トンというふうにずれております。小麦につきましては、十二月が十二万四千二百八十トン、一月が六万二千トン、二月が四万五千トン、三月が四万八千トン、合計二十七万九千二百八十トン、こういうふうに考えておつたわけでございます。ただこの実績は二十三万七千トンとやはりずれております。それから米がごく少量でございまするが、十二月には九千三百トン、一月には六千五百トン、二月には九千トン、三月には九千トン、合計三万三千八百トン、これはそのほかに麻袋詰めのものがございます、加州米等のばらで来るものの数量でございますが、三万三千八百トン、こういうふうに見込んでおりまして、全体といたしまして総輸入数量は十二月から三月までにおきまして七十五万千七百三十二トンの輸入見込みであつたわけでございます。それに対して、七十万九千九百三十二トンというものが袋詰めを要する、こういうふうな見込みでおつたわけでございますが、その実績を見ますると、先ほど申し上げましたようにずれておりまして、約十万トンずれて六十二万トン程度に——今実績につきましては、各品目について申し上げましたが、そういうふうにずれているわけでございまして、ここに輸入数量の見込みと実績の違いがあつたわけでございます。この点は御承知のように、当時バンクーバーにおきましての港湾ストがございまして、その後にずれて、五月、六月というようなぐあいにずれております。この七十一万トンの総ばら積み数量から申しますると、先ほど申しましたように八百二十七万枚が大型に換算しているだろう、それに対してただいま御指摘のように、回収して会社が持つているもの、まで今後回収し得るものを見込みました場合におきまして四百五万枚というものが回収されるだろう、そこで差引四百二十二万枚が足らないだろう、これを大型のものとして政府から供給し、またさらに先ほど申し上げましたパキスタンとの米と小麦とのバーターで返還する五十七万枚というようなものを見込みますと不足するので、輸入食糧の政策上やはりこの程度のものが必要でないか、こういう判断でやつたように承知いたしておるわけでございます。ただその点につきまして、ただいま申し上げました輸入見込みの問題、同時にまた国内におきまする回収見込みの問題、これが非常に齟齬いたしておつたわけでございます。この点は私は事務上手落ちがあつたのではないかというふうに考えますが、これは結果でございまして、そういう点の見込みの違いがあつたということは申訳ないというふうに考えておるわけでございます。
  59. 杉村沖治郎

    杉村委員 ただいまのわれわれが調たのも、われわれはあなた方と違つて外から調べることですから、決してこれが正確なりと保証するわけではないのですが、しからばといつて、あなたが今答えられたそれだけでは、私どもはそれを全面的に認めるというわけには行かない。と申しますことは、いわゆる日本の食糧政策として——それゆえに私が昨日農林大臣に、日本の食糧問題として、当時どれだけの買入れをするという閣議なり何なりが行われておつたか、こういうことを聞いたのですが、さつぱり要領を得ない。もうとんちんかんの答えで、あれ以上あの人と論争してもしかたがないので、これはあなたから答えていただくことにしておるのですが、あなたのただいま答えられましたその数量は、何によつてそれが裏づけられるのでありましようか。
  60. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げます。この食糧の輸入につきましては、当初の全体的な計画は一応予算でもつて国会の御審議を受けてきまるわけでございますが、実行上の問題といたしましては、具体的には外貨予算の面から決定されるわけでございます。この外貨予算の編成は、御承知のように、四月からと十月からの上半期と、下半期の二期にわかれるわけでございます。この下半期、上半期のそれぞれの二期の要輸入量につきましては、総体としまして閣議決定になるわけでございます。しかし具体的にその月別の到着数量をいかにするかということは、買付の面及び国内の集荷の面、また需要の面等々を考えまして、事務当局でございます食糧庁の月別の計画は立てるわけでございます。総わくは外貨予算におきまして閣議決定でもつて決定を願う。ただこれも食糧のことでございまして、国内の集荷も一つの非常に未必的な分子もございますし、海外の事情等もございますので、その大きな変更につきましては、外貨予算の面におきまする追加を要します場合におきましては、外貨予算の追加として閣議で御決定を願うわけでございます。ただ予定通りに進行いたさない場合においては、それは外貨予算の次の繰越しという形になつて買付を進めて参る、かような仕組みになつておるのでございます。
  61. 杉村沖治郎

    杉村委員 あなたの御説を私は決して否定するものではございませんが、とにかくこれだけ問題化されて暗い影がさしているというような見方をしておるのですから、あなたの方でそのことを書面で出していただけばいいのじやないかと私は思う。外貨予算のこういうような計画が出ておつた昭和二十七年度におけるところのその予算は、月別はこういうふうにこうなつてつて、ここでこれだけの数量を輸入することになつてつたということは閣議を経ておるわけですよ。あなたが今言つている月別のものは別としまして、全体的な数量については閣議で決定されておるわけです。だからその全体的な数量の閣議決定事項と、昭和二十七年の十二月までの各月の輸入見込み並びに輸入量というものをずつと表に出して行けば、おのずから昭和二十七年の十二月及び昭和二十八年の一、二月の輸入到着見込みというものが数字で現われて来るわけでしよう。それをお出しになればこんなに議論をしなくても済むのじやないかと私は思う。それをお出しにならないで、ただ空でやる。三百万枚あつた、五百万枚あつた、これはこうだ、ああだと議論しておつても、根拠なくしてやつておるからいつまでも私は解決せぬと思うし、まだこんな問題は今日では終りますまいから、次までにはどうかはつきりとした、こういう予算のためにこういうふうに月別でやつて来た。そこでまだ十二月及び、一月、二月、三月に輸入すべき数量はこれだけ残つてつて、これを輸入見込み数量で引当てておつたから、三百万枚では不足でこれを買つたということをあなたの方から立証されれば、きわめて簡単に解決するのじやないか。それで私はそれを要望して、まだほかに聞きたいことはありますけれども、その点はその程度にしておきます。  次は麻袋の問題ですが、このあなたの方の契約の規格は一インチ内について縦横七本ということに承知しておるのですが、その点いかがですか。
  62. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げますが、まず第一点の外貨予算の総体としての資料は、ただいまお手元には差上げておりません。従いましてこれは差上げたいと思いますが、その後におきまする十二月から三月までの輸入予定についての資料は差上げております。ただ全体の外貨予算がどういうふうに総わくとしてなつておるかという外貨予算の閣議決定内容については、資料として差上げたいと思います。ただその際にお含みおき願いたいと思いますのは、外貨予算の場合は、御承知のように予算を使う買付計画でございまして、たとえば四月から九月までの……。
  63. 杉村沖治郎

    杉村委員 発言中ですが、そんなにくどく言わないで、さつきあなたが答えられたように、月別の計画はあなたか立てることになつておるのでしよう。それだから起点をはつきり示してもらいたい。起点が定まらないであなたがそういうふうに答えられたのでは、われわれは納得できないと言うのです。ここから東京駅までは幾らあるかということになると、ここからか玄関からかということになる。だからその外貨予算の総額が閣議を経たものがあれば、おのずからわかつて来るのであるから、その点だけを明確にしてもらいたい。そうすれば、月別のものが出されておつても、私はまだ見ていませんが、そういうようにたくさんな書類を出さぬでもきわめて簡単にわかると思う。どうも複雑過ぎはしないかと思いますから、外貨予算の総わくを、あまりたくさんなことを言わぬで、簡単にすつとわかるように出してくれませんか。  それでこの麻袋の契約は、ここに麻がいろいろあるのですが、このいろいろの麻を、大体三いろの麻を使つて織るということになつておるのです。これは一昨日も聞きましたが、規格は一インチ内に縦横七本で織つたものという契約になつておるようですが、その点はいかがですか。
  64. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 契約の規格といたしましては、私もよくわからぬのですが、青筋三本入ガンニー・バツグで三十六・五インチかける二十四・五インチということになつております。これは糸の目方から来たものだろうと思いますが、そういう形の規格になつております。
  65. 杉村沖治郎

    杉村委員 今のあなたの答を割つて行くと、一インチの中に縦横七本ということになつて来るのですよ。これは私が割出したわけじやない。これは調査させる者に割出させておるのですが、まことにはつきりしておる。だからそれをお認めくだされば次の質問に入るので、何もたいへんなことじやないのです。
  66. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 その通りだそうであります。
  67. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると、あなたの方に納めた麻袋は非常に違うのです。政府が注文したものより非常に目方が重い。目方が重いということは、これは縦横九本麻が使つてある。それだから非常に重い。材料がたくさん使つてあるのですよ。そこでなんぼ商人でも、政府が七本の糸でいいというものを九本使つて政府に納めるという者は、常識判断でないわけなんです。ところでここにもはなはだ陰に暗いことがあるようなふうに考えられる。ということは、縦横九本の麻袋は、朝鮮事変の砂袋にこの小泉会社ほかが注文をされるか、あるいはこれを売るべくつくつたのですね。ところがこれが売れなくなつてしまつて会社のストツクとなつたから、これを食糧庁に買つてもらおうというところで、ああいう神がかり的な早い契約、受渡し等が行われたんじやないか、まあこういうことになるわけです。こういうような縦横七本のこんなものは砂袋には漏つてしまう。これを縦横九本にしたというのは、これは砂を入れるのだからこういうふうにしなければ砂袋にならない。こつちでは砂袋にならない。砂袋にするためにはこつちでなければならない。だからこういうふうなたくさんの材料を使つて、せつかく政府ではこれでいいというにかかわらず、これを納めるということには、何かそこに話合いでもあつたのじやないか。お前の方にこれだけのストツクがあるなら、おれの方で買つてやろうというような話合いができて買つたのじやないかということなんですが、その点はどうですか。
  68. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 ただいまご指摘のように、一応の規格といたしましては、食糧麻袋の規格というのは最低限度こういうものでなければいかぬということは、その通りだと思います。そこで、先ほども申し上げましたように、一応見込み違いはございましたが、先ほどの数量を入れるとするとやはり必要じやなかろうか。ただその場合在庫がありました場合におきましては、その在庫を買い入れたということはあろうと思います。ただその場合におきましても、この在庫をそういう高いと申しますか、砂袋用なら砂袋として買つたのではなくて食糧用として七本入りのものでも、九本からございましても、われわれとして最低規格のものをその規格に応じた価格で買うという建前で、その当時の市価で申しまして九十三円でございましたかの価格で買つたのであります。
  69. 杉村沖治郎

    杉村委員 大体においてあなたがお答えになつたので、それ以上私は追究しようとは思いませんが、やはりそういうふうに会社に在庫のあつたことはお認めになつて、それをお買いになつたけれども、金は七本のいわゆる規格の価格だけしか払つておらない、こういうことなんですね。だから別に政府としては、品物は、悪い品物の契約にもかかわらず、いいものが入つて来たから損はしていない、こういうようなお答えなんだが、ただ在庫にそういうものがあつたのを買つたのだということだけはお認めになつたので、それ以上のことはどうも言えないことでありましようし、あるいはまたそんなことをわれわれがここでただ押問答してもしかたがないことなんですが、われわれから見るととにかくそれがおかしい。七本で済むものを九本でつくつたの会社が納めるということはどうもおかしい。それは会社としてはストツクを処理しなければならないので買つてくれというようなことで政府が買つたのだろう、こういうことを私どもは聞いておるようなわけなんですが、この程度にしておきましよう。
  70. 柴田義男

    柴田委員長代理 小峰説明員から先ほど質問のありました金額に対する単価を御説明申し上げます。
  71. 小峰保栄

    ○小峰会計検査院説明員 とつさのことで資料が出ませんで失礼いたしましたが、出ましたので御説明いたします。貸借対照表に載つております麻袋が八億七千八百万円になつておるが、八億九千八百十七万四千円が正しいものであります。八億九千八百万円のうち古袋が入つておりますので、新袋だけ申しますと、八億八千二百万円になります。八億八千二百万円のうち一番大きいのは、一袋九十三円というので、六百九十八万九千枚ありまして、価格にいたしまして六億五千二万円であります。それから一袋八十円というのが二百六十七万枚で、二億一千三百八十二万円、あとこまかいのはありますが、大きいのはその二つであります。結局九十三円と八十円というのがおもなものであります。八十円というのは中味入りのものであります。九十三円は空袋であります。
  72. 柴田義男

    柴田委員長代理 山田長司君。
  73. 山田長司

    山田(長)委員 先日伺いました東洋醸造のアルコール原料にした事件の国税が納めてあるか伺つておきたいと思います。
  74. 大槻義公

    ○大槻政府委員 お尋ねの国税が納めてあるかという御質問でございますが、これはそれが蒸溜されましてアルコールとなつて酒の原料に使われている、そういう関係の税という意味で御質問があつたのでございましようか、その辺もう一ぺん質問趣旨をお教え願いたいと思います。
  75. 山田長司

    山田(長)委員 東洋醸造で払下げた黄変米が関西地方に横流しになつているわけです。それでその横流しになつた黄変米のかわりに関東地方の栃木、茨城、埼玉、千葉、神奈川からさつまいもを東洋醸造が買つているわけです。それでそれをアルコールないししようちゆうにした、その分の税金が払われているのかどうかということをお尋ねしたわけです。この前お見えにならなかつたので突然の質問のようで、あるいは不明確であつたかもしれませんが、そういう内容を持つた国税が払われているかどうかという質問であります。
  76. 大槻義公

    ○大槻政府委員 お尋ねの税と申しますのは、ただいまのお話で私の理解するところによれば、酒税であろうと思いまするが、そうでございまするならば、工場に受入れた原料からつくりました製品が原料として酒あるいはしようちゆうの形で工場を出ました場合においては、酒税が当然徴収されていると思つております。
  77. 山田長司

    山田(長)委員 そこで伺うのでありますが、東洋醸造が横流しした分がわかつている分は、和歌山へ行つた分しか今日わかつていないのでありますが、これらについて何か農林省でそのほかの大阪あるいは神戸、京都、広島、愛媛、これらにやみ流しになつている分でわかつているものがあつたら、それらの事情を伺いたいと思います。
  78. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 横流しの点につきましては、実は和歌山に事件が発生いたしまして、その取調べの結果としまして、歌和山におきまして五百十四トンの横流しがあつた、こういう事実を確認いたしておりますが、そのほかの点につきましては確認いたしておりません。
  79. 山田長司

    山田(長)委員 さらに伺いますが、これは私の調査が粗漏で間違つているならば、あなた方の方で正確にいたしてもらいたいと思いますが、実は昨年朝鮮に米が大分行つております。その米がやはり黄変になつているのだという理由で行つているという話があるのですが、これは黄変米として出したのか、それとも普通の米を朝鮮に流したのか、これをちよつと伺いたいと思います。
  80. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げますが、米麦につきましての輸出は許可制にいたしております。それで麦につきましては輸出許可をいたしておりますが、米につきましては、輸出許可をいたしておりません。
  81. 山田長司

    山田(長)委員 輸出許可と言いますが、それは全然売つてもないしあるいは貸してもないというのか、それをちよつと伺いたい。
  82. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げますが、米麦につきましては、われわれといたしましては厳重な輸出統制をいたしておるつもりでございます。それで輸出するものにつきましては、必ず輸出許可を受けなければならないということになつておりますので、われわれといたしましては、麦につきましての輸出許可は今までいたしておりますが、米についての輸出許可はいたしておらないわけであります。
  83. 山田長司

    山田(長)委員 それではさらに伺いますが、去年の九月に台湾の蒋介石政権に——五十万石の米が神戸に陸揚げになるはずだつたが、買つたのを陸揚げせずに台湾にやつてある、そういう事実が私の調査であるのですが、五十万石台湾に出ているかいないか、これを正確に答えてもらいたい。
  84. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げます。台湾の問題につきましては、その当時台湾が非常な豪雨でありまして、国内集荷が不円滑でございまして、台湾内の郡市におきます米が逼迫しておつたわけであります。そこで台湾政府から現在日本が買付中の米を貸してもらえないか、こういう話があつたわけでありますが、船を調べてみますと、その当時に輸送中のもの及びただちに船積みをするというふうな適船がありませんので、下関に外米がございましたものを五千トン貸与いたしました。これは事実でございます。その契約につきましては、外務省を通じて台湾政府と正式の契約をいたしまして、その五千トンに対しましては全部運賃及び搬出の費用は台湾持ちで、そしてその品物はタイ米でございますが、それよりもいい台湾米を同量返還するという契約にいたしたわけであります。その同量の米はその後四、五箇月いたしまして返還になつたわけであります。
  85. 山田長司

    山田(長)委員 黄変米を調べているうちにこういう五千トンもの米が台湾に出ているということがわかつたわけですが、今あなたのおつしやることは、台湾にないということで貸したことはわかつたが、それではあなた方が国会に出している書類の中に報告がなされていますか。それを一応伺いたいと思います。
  86. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 この点につきましては、具体的には台湾政府とそれから外務省の間におきまして、われわれも加わりまして調印をいたしたわけでございます。ただ国会に対します関係におきましては、全体の貸し借りという形で行つておるわけでございまして、全体の輸入数量なり買入れ数量の中に含めて御報告申し上げておるということになつておるわけでございます。この点につきましては、御承知のように従来からも、たとえばセイロンにつきましてもそういう事例がありましたし、またわれわれの方からいたしますと、借りたという場合もあるわけでございます。
  87. 山田長司

    山田(長)委員 日本の国内が去年はあれだけの凶作で、日本の国民が米を食うか食わないというような情勢になつておるときに、何で台湾に貸さなければならなかつたか、これは私は実にけしからぬ事件だと思うのです。何で日本国民に米を食わせないで台湾人に米を食わせなければならなかつたか、理由があるのか、もう少し詳細に説明してください。
  88. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げます。その事実はたしか二十八年の四月か五月という時期であつたかと思います。それで御承知のように、二十八年度米は政府の収買も二千八百万石というふうに順調に進んでおりましたわけでございまして、いわゆる二十八米穀年度のことでございます。従いましてわれわれといたしましては、国内の配給に支障はないという考え方のもとにそういうことを契約いたしたわけでございまして、昭和二十九米穀年度の事実ではないわけでございます。二十八米穀年度としての事実でございます。この際は御承知のように、作柄も六千六百万石でございまして、政府の収買も二千八百万石を上まわるというふうな状態でございまして、最近の米穀年度の年次といたしましては、もちろん全体的にきゆうくつだということは言えますけれども、比較的楽なときでございました。しかもその米穀年度におきまして、四月に貸してそれをその年度内にいい米でもつて返してもらうという形になつて、また事実それが実行されたわけでございます。
  89. 山田長司

    山田(長)委員 その返済期日とか、一件書類を出していただきたいと思うのです。去年のような不作のときにそういうものをそのままほうつておいて報告がなされなかつたということは、まことに私たちとしてはふに落ちない点です。ぜひひとつこれについての一件書類を出していただきたいと思うのです。
  90. 柴田義男

    柴田委員長代理 さようとりはからいます。
  91. 大上司

    ○大上委員 ただいま山田委員から言われた東洋醸造の点についてでございますが、大槻次長から、酒税のことだろう、必ずこれは徴収しているというような発言がありましたけれども、本問題はわれわれ大蔵委員会におきましても相当問題になり、平田国税庁長官が大蔵委員会においてこれを発言しておられますので、次の委員会には平田長官をぜひお呼び出し願うように、委員長にとりはからつてもらいたいと思います。
  92. 柴田義男

    柴田委員長代理 さようとりはからいます。
  93. 山田長司

    山田(長)委員 ただいまの問題は外務省と台湾政府だけの調印で処理されたようですが、これは閣議を経ているものか、経ていないものか、ついでに伺つておきたいと思います。
  94. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 具体的にはもちろんわれわれも参画いたしたわけでございますが、閣議にはこの点を事後におきまして報告をいたしたわけでございます。当時新聞紙上におきましてもその旨を発表いたしたわけでございます。
  95. 柴田義男

    柴田委員長代理 他に御質疑はございませんか。
  96. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私はまず黄変米につきまして、いろいろと御質疑の漏れている問題につきましてお尋ねしたいと思います。  第一に、長官に伺います。昨年十二月十二日ごろ、トルコ米についてさらに五千トン黄変米が出たということが伝えられておりますが、それについて御説明願います。
  97. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 昨年十二月にトルコから輸入いたしましたものにつきまして、ただいまのお話のように、これは全部じやございませんが五千トンの事故米が発生いたしたわけで、ございまして、これにつきましては保険の問題として目下専門家に委嘱しまして、保険事故として求償すべく、法律的な内容、約款等について検討いたしてもらつている次第でございます。
  98. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 事故米とは、もう少し詳細にお述べ願つたらどうなるのですか。この五千トンの米はどうなつたというのです。
  99. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 具体的な五千トンの処分につきましては、現在保留いたしているわけでございますが、この船はトルコからギリシヤ船をもつて輸入いたしたわけでございまして、この場合に買取り後おきます水ぬれの問題、汗の問題、それから品質の問題につきましても規定の品質になつていないという点がございますので、出港地におきまするインスペクターの証明は規定のようになつているわけでございますが、われわれが引取り検査をいたしました場合におきましては、その規定に合致いたしておらないという形になつております。そこで今その点についての求償をいかにするかという点で検討いたしております。
  100. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 さよういたしますると、今の御説明ではこの五千トンのトルコから輸入した米は事故米であつて、水ぬれ——それから何と何ということになつておりますか。そうじやなしに黄変米もしくは黄色粒であつたというのではないのですか。
  101. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 ただいま申し上げましたように、水ぬれ、それから汗をかいた場合、それから黄色粒、それから被害粒ですね。被害粒、黄色粒につきましては規格以上にのぼつております。この原因につきましては、ただいま申し上げましたように当初のインスぺクターの発地における検査と、それから着地における検査とが、その混入量について非常に違つております。これが海難によつて発生したのか、あるいはまたそのインスペクターの検査自体が正しかつたかどうかという点について検討いたしているわけでございます。内容はただいま吉田委員お話のように、被害粒、黄変粒も入つております。
  102. 山田長司

    山田(長)委員 議事進行に関して。とにかくさつきからずいぶん長い間野党の議員三、四人しかいないで、このまま進行させるということはまずいと思うのです。自由党の連中を即刻呼んで来るまで休憩してもらいたいと思います。こんなばかなことはない。
  103. 松村謙三

    ○松村委員 私もそれに賛成します。何か宣伝的のことでもあるとおれの方へまわせとかなんとか言つて、今度は自分の方が都合が悪くなればみな帰つちまつているということは、決算委員会を軽視していることではないかと思います。私はこれは慎しまなければならぬと思います。
  104. 柴田義男

    柴田委員長代理 ただいま手配いたします。二十分間休憩いたします。     午後三時三十四分休憩      ————◇—————     午後三時四十七分開議
  105. 柴田義男

    柴田委員長代理 休憩前に引続き再開いたします。  質疑を許します。吉田委員
  106. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ただいま伺つたトルコ米の五千トンの問題でありますが、これはまだどういう事故に属するか、きまらないという状態であるわけですか。
  107. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 この問題はただいま申し上げましたように、船底から水が入りまして——従来われわれは黄変米等につきましても一%以内、被害粒につきましても三%以内と一定の規格をきめて契約をしているわけでございまして、発地におきまして、国際的なインスペクターがその証明をいたしておるわけであります。ただ、ただいま申し上げましたように、船の浸水等のために被害粒がふえておる。また水ぬれ等も起つたということで保険事故といたしまして、これをどういうふうに法律構成をいたしましてそうして請求するか。われわれの現在までの状態におきますと、松本博士を煩わしまして検討いたしましたところが、保険事故だというわけでございますので、保険事故として請求をいたしておるという段階にあるわけでございます。
  108. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 これはわれわれの調査では江商株式会社の輸送らしいのですが、その点に間違いございませんか。
  109. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お話通りでございます。
  110. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ところで保険事故にいたしましても、やはり輸入の計画に支障を来すべき事情にもなると思いますが、そういつた場合には商社に対しまして相当の求償関係に立つのは当然ではないか。まずその方が第一ではないか。商社と保険会社との関係において処理すべき順序ではないか、こういうふうにも見られるのですが、その点いかがですか。そうであるとするならば大体どのくらいの損害が求償すべき関係になるのか、その辺についての推定をお聞きしておきたい。
  111. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げます。商社との契約につきましては、先般も申し上げましたように、故意または重大なる過失がある場合には求償する、こういう形になつております。それでただいまの場合におきましては、現在の研究の結果といたしましては、保険事故ということになりますので、商社が保険事故として保険会社に求償すると同時に、その保険事故による分は、当然政府としてもその結果の確定をまつて求償するという形になろうかと思います。
  112. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それではその問題は調査中であるようでありますから、一応この程度にしておきます。そこで前会に大臣の御説明によつて黄変米は今後根絶するだろうというような根拠として、何か十二月に各取引先の国と協定ができたように伺つたのですが、それはいつどことどことの国々との間に、またどういう協定をしたか、その点を明らかにしておきたいと思います。
  113. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げます。従来からこの黄変米につきましては、その発生状況がほとんどビルマに限られております。それでビルマ政府との関係におきましては、御承知のように、大部分が政府間の契約、その規格もビルマ政府のきめました規格ということになつておりますので、ビルマ政府と従来から交渉をいたしておつたわけでございますが、昨年の十月の二万トンの輸入につきまして、その契約条件の中に黄変粒一%以内に限る、それ以上のものにつきましてはリジエクトができる、こういうふうな契約条項を入れたわけでございます。もちろんわれわれといたしましては、対商社との関係におきましては、一定の規格を定めまして取引をするわけでございますが、その際におきましては黄変粒の規格を入れておるわけでございます。問題は従来から政府間の取引におきまして、政府が渡す場合におきまする規格の問題としまして、ビルマ政府との間に紛争があつたわけでございますが、その点が昨年の十月にビルマ政府も了承いたしまして、二万トンの契約につきまして黄変粒というものの規格をビルマ政府が認めまして、契約条項に入れることに同意をいたしたわけででございます。
  114. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そういたしますると、ビルマ政府との間に将来も取引の全量についての適用がある協定ではないのですか。
  115. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 この点につきましては、われわれといたしましては、この第一回の協定をビルマ政府が同意いたしたわけでございますから、今後の取引については当然そういう契約が結ばれる、こういう考えでおるわけでございます。ビルマにつきましては、その売買契約の際政府との間に一万トン、二万トンあるいは五万トンというその都度の契約において契約条項はつくられるわけでございまして、その際には当然その規格は入り得るというふうに考えております。
  116. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 民貿の場合には、同じような趣旨が適用される根拠はあるのですか。
  117. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 民貿の場合におきましては、ビルマ政府の規格が国内規格としてそういう規格を認めたわけではございませんから、原則的には入らないかと思いますけれども、商社との契約におきましては、われわれの方はその条項を入れておりますから、当然商社としても先方の民貿の契約をする場合にはそういう条項を入れた契約をなさざるを得ないという形になると思います。ただ具体的な問題といたしましては、現在の状態におきましては、取引数量がほとんど国際入札ということが行われませんで、政府間の取引が全部ということになろうかと思います。
  118. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ちよつと前に落しましたが、トルコ米の事故米の件です。その中に黄変色というのが相当あつたらしくわれわれ推定したのですが、これは黄変米だとすれば、また別個の法律関係が生ずるのではないかと思いますが、その点はいかがですか。
  119. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 この規格といたしましては、黄変米一%以内という規格を契約条件に入れております。それが海難等のためにその量が一%を越えております。ですからこれは一つの契約条件の規格に合わないということになりますが、その発生した原因が浸水によるものだ、つまりハツチにおきまするインスペクターの証明では、そういう一%以内ということになつております。これは国際的なインスペクターでありますが、その原因が浸水によるものというふうに考えられまするので、保険事故として請求いたしたいと考えております。
  120. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 一応政府説明を信用しておきましよう。  続いて日本糧穀の問題をお尋ねいたしたい。前会大臣に日本糧穀を介在せしめたことがまことに根拠が薄弱であるという論拠に立つて質問したのでありますが、これは検査院の方に伺います。日本糧穀が扱いました黄変米政府から買いました数量、それから通産省アルコール会計の方に売り渡した数量、これらを総括いたしまして、大体検査院としては、その数量及び利益はどのくらい出ておるだろうかということをお調べになつておられましようか。この点を御説明願いたいと思います。
  121. 小峰保栄

    ○小峰会計検査院説明員 お答えいたします。アルコール会計と神豆酒造株式会社外十会社に売りました量は、合計して五千六百四十九トンでございます。そうしてこれを日本糧穀が買いまして、アルコール会計と今の国税庁の要請による酒造会社に転売したわけでありますが、アルコール会計の分につきましては、会社の出した資料によりますと九十二万五千円もうけたということになつております。こういう資料を出したのでありますが、私どもの方で内容を検討いたしますと、直接費は間違いないのでありますが、間接費におきまして会社の割掛方が非常に多い。黄変米に対する割掛が非常に多いのでありまして、これを正当な金額に換算いたしますと、今の九十二万五千円は四百二十七万七千円見当になるようであります。間接費は御承知の通りいろいろ計算の方法がございますが、まず一般に採用されておる妥当な方法というので計算してこういう結論が出るのであります。  それから国税庁の要請によりまして会社に売りました分につきましては、日本糧穀としては百二十七万六千円もうけたという資料を出したのでありますが、これも先ほどのアルコール会計と同じような方法で、間接費の過大計上を修正いたしますと三百二十六万九千円という数字が出ます。アルコール会計の分と今の分を合せますと七百五十四万六千円、これが大体日本糧穀の利益ではなかつただろうか、こういうふうに私どもは現在のところ考えておるわけであります。但しアルコール会計に売りました分の中には、いつぞやのこの委員会でも非常に問題になりました全販連を通したというような事実があります。これはかりに直接国同士の売買、食糧庁からアルコール会計に売つたということになりますと、こういうむだな経費はいらなかつたわけであります。全販連を通したことによりまして、日本糧穀の直接の経費が二百六十二万九千円計上されておりますが、この二百六十二万九千円というものは直接にアルコール会計に食糧庁が売つたならば当然にいらなかつた経費であります。これをかりに加算いたしますと合計して千万円余り、こういうことになるかと思います。
  122. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 食糧庁長官に伺います。ただいまの検査院の利益の計算の仕方は、大体数字はそういうふうに確認されるのですか。その点はいかがですか。
  123. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 間接費の方の仕方等にあるいは議論があろうかと思いますが、われわれといたしましては、検査の結果といたしまして、同様な考え方をいたしております。金利の関係をどう見るかということは、これは会社側としていろいろ議論があろうかと思いますが、大体検査院と同じ見方をいたしております。
  124. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そこで通産省の中村政府委員にお伺いしたいのですが、昨年十二月四日の当委員会におきまして、柴田委員質問に答えておらるるのによりますと、柴田委員の方からは、要するに日本糧穀を中間に介在せしむることはまつたく無意味な存在ではなかつたか、こういう御質問であつたのですが、これに対しまして、日本糧穀を介在せしむることは、代金の延納が認められる便宜がある、こういうようなことをお述べになつております。あるいは当時の取引の仕方としては、直接取引することができなかつた、だから中間の業者を使う、こういうようなことをここでお述べになつております、これは何か間違いでないかと思うのであります。一体代金の支払いの問題につきましては、食糧庁も政府なれば、通産省のアルコール特別会計も政府事業であります。政府政府間の物品の売買なんでありますが、政府政府間の物品の売買だといたしますと、売主側におきましては、国の所有に属する物品の売渡代金の納付に関する法律、これの一条の二並びに第二条の一項第一号、第三条の第二項、これらによりますと、各省庁内部相互間の物品の売払いの代金でありますので、担保を提供しなくとも代金の延納が認められるような規定になつておるのであります。それから予算決算及び会計令の五十七条によりますと、前払い代金の問題につきまして、これは買主の方の問題、あなたの側の方からするのでありますが、これは第一項六号に、官公署に対し支払う経費というのがありまして、前払いすることができる。だから売主、買主両方の側からいたしまして、政府間の売買でありますから、あなたが御心配になるような延納を、中間機関を置かなければできないというような事情ではなかつたと思うのですがいかがですか。
  125. 中村辰五郎

    ○中村(辰)政府委員 ただいまの日本糧穀を介在せしめました問題でありますが、先般の当委員会におきまして、二点その理由について申し上げたように記憶いたしております。一点はただいまも御指摘がございましたが、食管特別会計の方におきまして、国有物資の売渡しについて、あり姿のままの売買ということを原則といたしております。その関係でございまして、引取るわれわれといたしましては、不足量その他の欠量等につきましての実際上の損失を当会計で持たなければならないという規定がございまするので、その点を避ける意味からいたしまして、そこに中間業者を介在せしめたのでございます。  もう一点代金の支払い関係でございますが、これは当時私の方といたしましては、現実に物品を受取りまして代金を支払うということが、取引としては一番適当だというふうに考えておるのであります。物品を受取りまして後に代金を決済する方が安全と申しますか、必要でございますので、そういう原則をわれわれの方でとつておるのでございます。そういう事情がございまして、また食糧庁の方におきましては決済関係につきましてやはり出庫表と申しますか、それを出します際にやはり原則がございまして、この二つの原則を実際に運用いたしますのには、ここに中間機関を必要とする、こういうぐあいに考えておるのでございます。
  126. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 これは中村政府委員に申し上げておきますが、この問題はやはりあなたの方のやり方が正当であつた、何ら批難されるべき根拠はないのだということに終始なさるならば、また私の尋ね方もあるのです。前のときにはいろいろこういう御説明はありましたけれども、今法律の根拠をお示ししてお尋ねすれば翻然として適当な御答弁があるものとして私は質問したのであります。ところが今伺えば、実はそうではない、やはりやつたことが正しかつたという見解に立つておられるらしい。しかし後段の問題、政府同士の売買において、先に品物をもらわなければ安全でないというような、そんな根拠があるのでしようか。食糧庁におきましても全責任をもつて食糧は保管しておる。一物一品といえども、それが紛失するような危険のない状態に保管しておる。その他の政府から通産省が買うのでありますから、前もつて品物を受取つておかなければ安全でないという原則があるのだというようなことは、子供だましのまことに筋の通らぬ御答弁だと思うのです。そういう点はどうなんですか。
  127. 中村辰五郎

    ○中村(辰)政府委員 ただいま御指摘のように、二十七年度におきましては、ただいま申し上げたような理由で実際いたしたのでございます。二十八年度につきましては、当委員会における審議の過程において、これにつきましての取扱いについての考え方を拝聴いたしておりまして、二十八年度の黄変米の取引につきましては、官庁間の問題でございますので、御指摘のように、政府間の直接契約ということにして実施いたしたのでございます。その際あり姿の倉庫にございます品物の実在の状況につきましては、農林側におきましても実地に実情をお調べ願うということをいたして契約の基礎にいたしたのでございます。なお代金の関係につきましては直接契約いたしまして、引取りましたものについて適時決済して参る、こういうぐあいに運用を改めまして、御指摘のような線に沿うことにいたしたのでございます。これが二十八年度における実際の状況であります。
  128. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それは私が次に聞こうとする問題であります。私の伺つておるのは二十七年の問題なんです。直接取引なさつたという理由についてはこれから逆にまた尋ねるべき問題なんです。今問題になつておるのは二十七年です。日本糧穀からあなたの方が買つた問題を今論議しておるのです。その論議しておる問題について、食糧庁と直接取引することについて前もつて品物をもらわなければ、あるいはあとから代金を払わなければ不安だという根拠はおよそ子供だましでないかということを言つておるのであります。また前段の御説明としまして、あり姿のままであるので、直接手を入れないで中間の機関を置いた方が経費が少くて済むだろうというような御説明でありますが、これもまた筋が通らぬと思います。これについて、今会計検査院並びに食糧庁長官の御説明になつた四百二十二万円、さらに全版連の二百六十二万円、その他にあなたの方の一般管理費がいつたかとも存じますが、少くともこういつた中間の空費と申しますか、経費がいつておるのであります。あなたの方が直接買えばそれより多くかかるというならば、二十八年の直接買うということもまた根拠がなくなつて来るわけです。やはりこれはそうではなくして、日本糧穀に食糧庁が売るという一つの建前でもあつて、それを通さなければならぬようなことがあつたのではないかというのが私どもの疑問なんです。でありますからあなたの御説明によつてはどうもこの点解明しないのです。政府は、アルコール特別会計もおもうけにはなつておらないのでありましようから、たとい数百万円の経費にいたしましても、やはりこれは節約することが本来の建前でなくちやならぬ。関係法律によりますならば、すでに古い法律ですから、当時ももちろん適用されておるのでありますから、食糧庁と何とでも相談ができる。また政府間においての売買でそんなむずかしいことのあろうはずがない。国家の利益のために適当に協議して代金の支払い方法、品物の受渡し方法が適当になし得るようにそれぞれの法制の準備もあるわけですから、何を好んで日本糧穀を介在せしめたか、こういうのであります。日本糧穀を介在せしめた理由についてひとつはつきりと御答弁が願いたい。あなたが答弁できないというならば今度日本糧穀の社長も呼びますから、また別の角度から検討します。御答弁願いたいと思います。
  129. 中村辰五郎

    ○中村(辰)政府委員 中間機関を介在いたしたことにつきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、当時の取扱いといたしまして、やはりあり姿の取引ということが原則でございまして、当会計といたしましては、できるだけその際の荷くずれというものが明らかになりませんので、やむを得ずこういう措置をとつたのでございます。また代金の問題でございますが、これはただいま申しましたように、現実に引取りました品物について順次決済して行くという建前をとつておりました関係で、その中間機関を介在いたしたのでございます。当時アルコール会計の原料関係につきましては、いろいろ原料の不足というような状況もありましたので黄変米の方につきましては、私の方としてはアルコールの原料費の引下げその他に相当貢献ができる、こういうぐあいに考えましたので実行いたしたのでございます。
  130. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 くどいようでありますが、日本糧穀を通して買うた問題については、これはどちらが——食糧庁側からですか、あなたの側からですか、売ろうということを申出たのはどちらからです。これは申出に基くのですか。
  131. 中村辰五郎

    ○中村(辰)政府委員 ただいま触れましたように、当時アルコール原料としては相当不足状況でございましたので、アルコール需要の情勢から黄変米といわず、とにかくこれが原料に適するものがあるかどうかというような意味合いで、われわれの方では食糧庁に御相談いたしたというわけであります。
  132. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 あなたの方は、この黄変米を二十六年の八月からどんどんと多量に売りさばきつつあつた。あるいは食糧庁が入札をもつて民間の会社にそれぞれ譲り渡しておつた、こういう事情は御承知であつたのですかなかつたのですか。
  133. 中村辰五郎

    ○中村(辰)政府委員 二十六年にアルコール原料として私の方が買いましたのでございまして、それ以前はございません。そのときに初めて……。
  134. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 あなたの方はお買いになつたのは二十七年の四月以降でしよう。
  135. 中村辰五郎

    ○中村(辰)政府委員 二十七年でございます。
  136. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ですから私の伺うのは、当時随意契約も若干あるけれども、大部分は入札によつて他へ売却しつつあつた、こういうふうに多量の黄変米があつたことは御承知であつたかいなや、こう聞いておるのですが、いろいろほかにも聞かなければならぬので、ひとつ簡単に願います。
  137. 中村辰五郎

    ○中村(辰)政府委員 二十六年の十二月には当時食糧庁に御要請いたしましたが、当時におきましては、黄変米の無害ということにつきましては了承いたしておりません。二十七年の四月に初めて黄変米の問題が出現したわけでございます。
  138. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 二十七年の四月、初めて黄変米を御存じになつたわけですが、しかしながらやはりあなたの方としては、穀物その他の原料がアルコール原料に使用できるのであるから、黄変米ということは政府機関において相当内部で物議をかもした問題だつたと思うのですが、そういうことを知らなかつたということは常識上考えられない。長官に伺いますが、日本糧穀を介在せしめて、食糧庁の持つてつたものをずいぶんと安く半値以下に売りまして、中間のものがどう考えてもなくてもいいように思う。なぜならば翌年は通産省とあなたの方と直接売買されておる。二十七年は中間のものがあつて、これの計算によると千万円がともかくどこかが損失になつておる。あなたの方直接ならばなかりしかもしれぬというような事情にあるのですが、それでもやはり日本糧穀があつた方が、通産省と食糧庁との間の取引は便宜であつたというのでしようか。なくてもよかつたとおつしやるのでしようか。その点は今から考えてどうお考えになるでしようか。
  139. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げます。その前にただいまの通産省との関係でございますが、実は黄変米につきましては二十六年の暮れから発生いたしたかと思います。第一回の売却は二十七年のアルコール特別会計が第一回でございます。その後蒸溜酒用としまして入札その他をいたしたわけでございます。ただいまの御質問の点でございますが、実はわれわれといたしまして政府同士の契約ということはなれてなかつたのでありまして、従来一般に食糧庁が払下げております場合におきましては、民間を相手にしておつたわけであります。民間を相手にいたしております場合には、やはりあり姿のまま代金が納入されて、そしてその納入告知書を持つて払い出しの指令を発するような形になつておるわけでございます。一般の売却と同様にアルコール特別会計について取扱つたわけでございましてそういう点についてはさらによく政府間の関係考えまして、そして政府間同士の場合におきましては、一般民間とは異なつた扱い考えられてしかるべきではなかろうかというふうに考えまして二十八年度におきましては、直接取引も現実の問題とし可能である、いろいろ当委員会におきます御意見もございましたので、研究いたしましてそういうことは可能であるということで、二十八年度においては直接取引をいたしたわけであります。つまり従来はほとんど一般民間に対する取引が主でありますので、官庁間の取引につきましても、そこに何らの区別をせずに、同じような方法でもつて取引をしたということにつきましては、事務上不注意があつたということを考えておるわけでございまして、御指摘等もございましたので、二十八年度におきましては考え方を改めたわけでございます。そういう意味におきましてわれわれの不注意の点は非常に申訳ないというふうに考えておるわけでございます。
  140. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 官庁間の売買についてはふなれだつたとかいうお説でありますけれども、そうするとこれもまた民間のものとしては想像されないのでありまして、現にまたそれに関する法規もできておりますし、あるいはまた莫大な物資をお扱いになつておる食糧庁でありますし、あるいはまたアルコール特別会計にいたしましても特殊な事業をなす特別会計でございますから、およそ商行為的なことについては最も精密に御調査になつておるべき筋合いであるのだから、知らなんだ、なれなかつたんだというようなことではどうもはつきりしないのであります。はつきりしないのだが、そういうような御答弁であり、その後直接取引に改善したというような御趣旨でありますので、一応了承しますが、日本糧穀にともかく何百万円とか何千万円とかいつたような利益を与えなければならぬということがどうも理解ができませんので、そういうようなことについては——これは臆測が入りますけれども、前の長官であつたというような方、あるいはまた重役陣——株主の名簿を披見してみますと、いずれも食管特別会計に関係しておる各種の会社社長、代表者、たとえば東洋醸造の代表者も大株主になつております。でありまするので、いずれもがそういうような諸君がお寄りになつてつくつた会社であります。こういう会社というものはおよそ問題を起すもととなる。会計紊乱のもととなる。そういうものが介在することによつて、いらざる経費がいらぬところに消えて行つていらぬ時間と設備と人間が浪費されて行くもとになるというふうに、どうもわれわれは結論的に考えるのであります。こういう点について食糧庁長官はどうお考えになりますか。大臣に聞きたかつたのですが、一応あなたに聞いておきます。
  141. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 われわれといたしましては、ただいま申し上げましたように、善意を持つて考えたわけでございますが、莫大な食糧を取扱い、また食糧の事情からいたしまして、そういうような疑惑を受けるというふうなことはまことに申訳ない、今後ともにわれわれといたしまして、そういう疑惑を受けるようなことのないように十分注意をいたしたい、かように考えておるわけであります。
  142. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 日本糧穀会社につきましては、ひとつ次の機会に糧穀会社社長をお呼び願いましてそうしてこれらの点についていろいろと忌憚のない所見なり当時の事情なり伺つておく必要があろうと思いまするので、適当におはからい願いたいと思います。  それから、あまり多く時間をとらないようにして、できるだけ簡潔に進めますが……。
  143. 柴田義男

    柴田委員長代理 吉田委員に御相談いたしますが、四時半ごろまででいかがでしよう。
  144. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それではあと五分しかない。もう二十分ぐらいやらしていただきたいんですが——それではもう一点だけ伺つておいて、あとは次に保留することにいたしましよう。  麻袋のことについて少し聞いておきたい。結論的な問題を伺うのですが、このたびの黄変米の損害と、なお実在するものについて伺いたいのです。二十八会計年度に処分になつたもの——二十七会計年度に処分になつたものは聞きましたが、その後入つたものが百八十五トンほどあつたはずでございますが、その後の数量及び処分の有無、損失の額、こういうものの御説明をちよつと聞いておきたいのです。
  145. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げます。ただいま御指摘のございましたその後に発生いたしましたものにつきましては、まだ処分をいたしておりません。と申しますのは、実は先般の当委員会におきまして専門家から黄変粒の問題については御説明申し上げたかと思いますが、黄変粒の場合におきましても、その原因の菌がいろいろございますが、一応われわれとしましては大事をとりまして、厚生省と連絡をいたしまして、菌の培養をして有毒なりやいなやということを判明をしてから処分をいたすことにいたしておりますので、相当時間がかかる関係上まだ処分をいたしておらないわけであります。数量につきましては、正確を期しますために、調べましてからあとで吉田委員のもとまで御報告申し上げたいと思います。
  146. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 きようはこの程度で、あとの質疑は保留いたしておきます。それから次会はやはり根本の方針等に関連いたしまするが、なるべく大臣に来てもらつて、農林省として責任ある答弁をしてもらわぬといかぬと思いますので、どうぞそのおつもりで。
  147. 柴田義男

    柴田委員長代理 きようの理事会でもこの問題はお話申し上げたはずでございましたが、次には食糧関係では日本糧穀の社長、それから当時の食糧庁長官の御出席を願いたいと思います。  本日はこの程度といたしまして、次会は二月五日金曜日午後一時から開会いたします。  これにて散会いたします。     午後四時三十分散会