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1954-02-01 第19回国会 衆議院 決算委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年二月一日(月曜日)     午後一時三十六分開議  出席委員    委員長 田中 彰治君    理事 天野 公義君 理事 大上  司君    理事 松山 義雄君 理事 安井 大吉君    理事 藤田 義光君 理事 柴田 義男君    理事 吉田 賢一君       有田 二郎君    徳安 實藏君       舘林三喜男君    阿部 五郎君       山田 長司君    杉村沖治郎君  出席国務大臣         農 林 大 臣 保利  茂君  出席政府委員         食糧庁長官   前谷 重夫君  委員外出席者         会計検査院事務         官         検査第三局長  小峰 保栄君         専  門  員 岡林 清英君     ————————————— 昭和二十八年十二月二十一日  委員山田長司辞任につき、その補欠として淡  谷悠藏君が議長指名委員選任された。 昭和二十九年一月二十一日  委員淡谷悠藏辞任につき、その補欠として片  島港君が議長指名委員選任された。 同月二十九日  委員大矢省三辞任につき、その補欠として山  村新治郎君が議長指名委員選任された。 同月三十日  委員石橋湛山委員辞任につき、その補欠とし  て徳安實藏君が議長指名委員選任された。 二月一日  委員町村金五君及び片島港君辞任につき、その  補欠として河野金昇君及び山田長司君が議長の  指名委員選任された。 同日  委員熊本虎三君は死去された。 同日  理事山本勝市君の補欠として大上司君が理事に  当選した。 同日  松山義雄君が理事補欠当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  昭和二十六年度一般会計歳入歳出決算昭和二  十六年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十六  年度政府関係機関決算報告書  黄変米輸入保管及び処分等に関する説明聴  取     —————————————
  2. 田中彰治

    田中委員長 これより決算委員会を開会いたします。  審査に入るに先だちまして、当委員会に最も熱心に務めていただきました熊本虎三君が、今朝突如死去いたされました。これはただに当委員会のみならず、わが国の大なる損失といわなければなりません。ここにこの訃報をお知らせいたしますとともに、委員各位とともに深甚なる哀悼の意を表する次第であります。それでは各位とともに一分間黙祷をいたしたいと思います。御起立を願います。     〔総員起立黙祷〕     —————————————
  3. 田中彰治

    田中委員長 理事補欠選任についてお諮りいたします。去る二十八年十一月三十日自由党分党決算委員自由党に復党されましたに伴いまして、理事補充が生じて参りました。すなわち自由党から新たに理事一名を選出し得られることになつたわけでありますが、先般理事松山義雄君が理事辞任いたされましたままで現在に至つておりますから、今回補充の分を合せて理事二名の欠員となつておるのであります。従いましてこの機会に理事二名の補欠選任をいたしたいと存じますが、選任につきましては、この際先例によりまして、選挙の手続を省略いたしまして委員長から指名いたすことにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 田中彰治

    田中委員長 御異議なしと認めます。それでは松山義雄君、大上司君の二名を理事指名いたします。     —————————————
  5. 田中彰治

    田中委員長 次に去る一月二十九日の理事会で協議決定いたしました事項について御報告申し上げます。  昭和二十六年度決算については従来通り運営方法によりまして、報告項目につき重点的に検討して参ることに決定し、近く提出される予定昭和二十七年度決算が付託あり次第、その大綱について当局から説明を聴取した上、各省所管につき昭和二十六年、七年両年度分を並行審議して参ることに決定いたしました。従いましてその間昨年来調査を進めて参りました黄変米及び麻袋に関する問題を引続き検討することにいたし、当分の間毎週月水金の午後一時から開会いたす予定でございますから、委員各位におかれましては努めて御出席の上、調査に万全を期されますよう、委員長として特にお願いいたしておく次第であります。
  6. 田中彰治

    田中委員長 それではこれより麻袋購入並びに黄変米横流し等に関する継続調査審議をいたします。まず麻袋に関して質疑を許します。柴田義男君。
  7. 柴田義男

    柴田委員 食糧庁長官にお尋ねいたしますが、十八国会だと思いましたが、麻袋の問題を大分詳細に承つてつたのでありまするけれども、まだ納得の行かない点が二、三ございますので、お尋ねいたしたいと思います。  小泉製麻から百二十八万袋、帝国産業から八十四万袋、六日繊維から七十八万袋、こういうような購入が行われておりましたが、この三会社月産高をわれわれが調査いたしまするに、小泉製麻月産八十万袋の生産能力を持つております。それから帝国産業月産二十五万袋、六日繊維は十七万袋、こういう相当多量生産量を持つておる諸会社に対しまして、何の必要があつて一度に三百万袋を購入されたのであるか、この根拠をまず承りたいと思います。  次に承りますることは、この三会社からの購入の当時、食糧庁手持ちのものが相当あつたとわれわれは記憶しております。たとえば昭和二十六年の三月をもつて廃止になりました当時の食糧営団からの引継ぎ麻袋が百万袋ぐらいあつたと存じておりますが、この百万袋は間違いがないかどうか。それからそのほかに食糧営団以外の食糧庁自体が持つてつた手持麻袋が六十数万袋あつたようにわれわれの調査ではなつておりまするが、その調査に間違いがないかどうか。これが二つとも間違いがないといたしますると、百六十数万袋の手持ちがあつたにもかかわらず、しかも前に申しましたように、小泉製麻月産八十万袋、こういうような十分生産能力がある会社が存在しておる。こういうことを考えますると、どうしてもこの三百万袋という一度の購入ということに対しまして、国民大衆は何のためにこれを多量買つたのかという疑いを持たざるを得ない。私ども常識で判断いたしましてもそうでありまするから、いわんや国民大衆——ことに今度の議会におきましては、国民大衆に対しましては耐乏生活を訴え、しかもこういうさ中でございまするので、この問題はさかのぼつた問題ではございまするが、食管特別会計多額の金額を確保されると、食糧庁はどういうことをやつてもかまわぬ、こういうお考えであるのかどうか、この点をまず承りたいと思います。
  8. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。ただいま柴田委員の御指摘になりましたような、二十六年度におきまして公団からの引継ぎ及びその当時の政府在庫があつたわけでございます。その点は御指摘のように事実でございます。ただこれは御承知のように、従来の回収の麻袋でございますから、古麻袋という形になつております。それに対しまして三百万枚の麻袋購入をなぜしたか、こういうことでございますが、これはいろいろ資料を提出いたしておりまするように、その当時におきまする外米輸入及び当時のインドパキスタン間におきまする紛争関係による麻袋の国際的な需給関係不足ということからしまして、外米輸入をいたしまするために、外国政府からの申出もございまして、これを手当いたしまするために購入を決定いたしたわけでございますが、御承知のように、その後タイ米輸入につきまして、従来タイ国政府の申し出ておりました日本側手当は必要がないというふうなことを申して参つたわけでございますが、その当時におきましてはすでに発注をいたしておつたような次第で、購入をいたしたわけでございます。
  9. 柴田義男

    柴田委員 しばしば食糧庁長官からは、外米輸入にあたつて相手国から、袋がないから日本で用意すべきだという要請があつたのでお買いになつた、こういうお答えを承つておるのでありますが、しからば当時タイなりパキスタンから、袋がなければ日本に米はやれないということが文書等によつてございましたならば、その文書を御提出願いたい。私どもが今日まで食糧庁へ参りまして承りました場合にも、そういう文書は発見されておりません。あるいはパキスタンやビルマから長距離電話か何かでそういう交渉を受けたのかどうか、あるいはまたどなたか向うに行かれた場合に、口頭でそういう交渉を受けたかどうか、その交渉を受けました根拠をお示し願いたいと思います。
  10. 前谷重夫

    前谷政府委員 その交渉経緯につきましては、麻袋に関する交渉経緯文書としてお手元に差上げてあるかと存ぜられますが、タイ米輸入交渉に関しまして、向うから商業省の次官が参られまして、インドパキスタン状況からして、タイ国政府においても麻袋不足を生じるおそれがあるから、輸入については日本の側においてその手当をやつたらどうかということは当初は口頭であつたわけでございます。その後いろいろのやりとりが中間におきましてあつたわけでございますが、当時といたしましては、タイ国政府は大体日本側に対しましては三十万トン程度輸出考えておつたわけでございますが、日本側といたしましては四十五万トン程度はぜひほしいというふうな希望を持つてつたわけでございます。そういう事情等もございまして、先方がわが国希望輸入数量を聞き入れまする場合におきましては、麻袋不足するというふうな見通しでございましたので、そういう購入をやつたようなわけでございます。
  11. 柴田義男

    柴田委員 今インドパキスタン等から三十万トン輸出の話があつた、だが実際日本としては四十万トンから四十五万トンほしかつたのだ、こういうお話のようでございまするが、たとえば四十万トンと仮定いたしましても、四百万袋あれば十分であつたと思うのであります。四十万トンの購入で四百万袋あればいい。なおこの麻袋というのは最小限度三、四回回転ができるということがほとんど常識になつております。こういう場合に、たとえば四回回転ができるものといたしますると、四十万トンに対しまして百万袋あれば足りるわけである。私どもは計算の上からこういう数字が出るわけでありますが、それに対してどうしても三百万袋購入するという根拠——こういう委員会をあまり手間どらせないで、何か小泉製麻なら小泉製麻を擁護するために、この会社に莫大な利益を得させるためであつたということならば、率直にそうお答え願いたいと思います。
  12. 前谷重夫

    前谷政府委員 ただいまのお話のように、タイからの当時の輸入は、タイ側といたしましては三十万トン、われわれの方といたしましては四十五万トンを希望いたしておつたわけであります。御承知のように、タイ米出まわりは大体一月からでございます。そして大体上半期に多くをとつて参るということは、米の出まわり状況からいたしまして当然のことであります。船積み等関係からいたしまして、やはり獲得いたしまする場合においては、これを早く獲得しなければいかぬ。御承知のように、当初のタイ側割当につきましては、割当がきまりますと引取期間がございます。さらにそれに対しまして追加要請をする、こういう形があつたのでございますから、割当られたものは早急に引取つて、さらにその上に追加輸入交渉するという段階になるわけでございます。これを年間通じて平均的に輸入するということは非常に困難なことでありまして、やはり米の出まわり数量に応じまして、当時の食糧事情としてはできるだけ早く入れるということが必要でございます。これは上半期の早い期間において入れまして、さらにその結果によりましてプラスの要求もしたい、こういうような食糧事情でございましたために、これは年間必ずしも回転考えるという考え方ではなかつたわけでございます。
  13. 柴田義男

    柴田委員 食糧長官としてはどうしてもこれを正当化なさろうという御努力をお払いになるのは当然かもしれませんけれども、当時の状況から判断いたしまして、朝鮮事変の勃発当時でもあつたから、諸物価が高いということも了承されるのでありますが、ただいろいろな経済状態からわれわれが調査いたしまして、当時の買入れ価格が二百九十円であつた。こういう価格の面におきましても非常な高いものを買つた。しかも最高のところをねらつて何で高いものを買わなければならなかつたか。これに対しましても非常な疑問を私ども持つものであります。しかも前に申しましたように、百六十数万袋の手持ちがあつて、それに重ねて三百万袋を購入した。その重ねて購入いたしました結果といたしましては、昨年の八月にわれわれが神戸、大阪に参りまして倉庫等調査いたしました当時で、すでに民間倉庫に対しまして二千五百三十八万円という莫大な倉庫料支払つてつた。こういうことを国民大衆が見ました場合にどういうことを考えるであろうか。まつたく私ども常識では判断のつかない状態であるということを考えざるを得ないのであります。なおこれに二十八年度でございまするが、また五百万袋を購入されておる。こういう問題に対しましては、血税をしぼり上げて担税力はもうこれ以上ないと国民大衆は非常に困つております。あるいはまた中小商工業者倒産寸前状態でおりまする場合に、特定の三業者からこういう多額の量を買い上げるということが、今後あつては大変なのでございまするが、しからば今後長官としてほんとうに良心的にどういうお考えをお持ちになるのか。この問題を議論いたしますことはまだ留保いたしまして、今後に対する食糧長官のお考えを承りたいと思います。
  14. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。ただいまのようないろいろ需給見通しの問題なり、そういう点について、われわれとしましても見通しの誤まりがあつたというふうなことで、御指摘のように在庫の生じたということは、まつたく申訳ないというふうに考えておる次第であります。幸いに当時の在庫は、現在におきましては二百万枚に減りまして、本年度におきまする凶作のために相当量大麦及び小麦増加輸入がございますので、この現在の在庫はほぼ三月末には使用し得るのじやなかろうかと考えております。御指摘のように、私といたしましては当委員会のいろいろな御審議なり御意見を十分体しまして、今後におきましてそういう齟齬のないように十分注意をいたしたいと考えておるわけであります。
  15. 山田長司

    山田(長)委員 ちよつと関連して。この麻袋をどういう形式で民間に払い下げられたか、それを参考に聞きたいと思います。
  16. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げますが、麻袋払下げにつきましては、御承知のように、港にばらで参りまして、そのばらのものを袋詰めにいたしまするために、輸入業者にそれをまわすわけでありまして、その同じ価格でもつて政府袋詰めでもつて買いまして買つたものを配給いたすわけでございます。でございますから、輸入食糧ばらで参りましたものを政府が買いまする場合に、輸入業者に対しまして渡しまして袋詰めにさせまして、袋詰め価格でそれを買う、それがだんだんに卸、小売に流れて参りまして、回収してまた元にもどつて来ます、こういう形になつております。政府で払い下げまする場合におきましては、そういう港におきますばら詰め用として払いさげるわけであります。
  17. 山田長司

    山田(長)委員 昭和二十六年十二月のことなのでありますが、中央区日本橋の鎧橋ぎわの東邦商事という会社が、外務員多数を使つて、この払下げをした麻袋民間に値段も非常に安く売りさばいて歩いたのであります。東京都の交通局証明書をこれに出して払下げをしておるわけなのでありますが、これらはどういう理由で一体払下げをされておるものか、具体的にこれをお知らせ願いたいと思います。
  18. 前谷重夫

    前谷政府委員 ただいまの御指摘の場合は、従来入札によつて売却いたしましたヘシアンの袋ではないかと考えます。ヘシアンは、御承知のように、麻袋不足のときに代用品として使つておりましたが、その後ヘシアンを使わないということになりましたので、破袋として入札によつて払い下げたものではなかろうか、こういうふうに考えます。
  19. 山田長司

    山田(長)委員 品物も実は今農林省の方の話では違うように話されますが、実は本物です。それで東京都の交通局では、電車のいすの下へこの麻袋を張りたいというので買おうとしたけれども、どうも出先が不明瞭な点が考えられますので、交通局ではこれを買い得なかつたのですが、こういう点についてどうもふに落ちない点があるわけですけれども、もう一ぺんはつきりした御回答を願いたいと思います。
  20. 前谷重夫

    前谷政府委員 ただいまのヘシアンにつきましては、その当時入札によつて売却をいたしたというふうに考えておるのでございます。
  21. 山田長司

    山田(長)委員 それでは伺いますが、いつどのくらいな分量をどこで入札して落札したのか簡単に伺いたい。
  22. 前谷重夫

    前谷政府委員 入札の結果十二万枚落札いたしたのであります。
  23. 山田長司

    山田(長)委員 枚数はわかつたが、いつどこで、価格はどのくらいで入札されたか。
  24. 前谷重夫

    前谷政府委員 二十六年十二月に、今御指摘のように入札いたしたのでありますが、その価格につきましては、今調べましてお答えいたしたいと思います。
  25. 田中彰治

    田中委員長 農林大臣に対する質問を許します。杉村沖治郎君。
  26. 杉村沖治郎

    杉村委員 大臣に伺いたいのですが、問題は、三百万枚の麻袋があるのにもかかわらず五百万枚の麻袋を買い入れた、こういうことについてなのですが、何の必要があつて三百万枚も麻袋があるにもかかわらず、五百万枚をさらに買い入れたか、こういう質問をいたしましたところが、これは第十八国会の十二月八日の当決算委員会における速記録なんですが、この質問に対してこれは前谷政府委員からの答弁で、それは昭和二十七年六月ごろに麦の統制がはずされて、今度外国からたくさんの大麦小麦等を買い入れることになつたので、それを予定して五百万枚を買い入れた。こういう御答弁があつたのですが、ここに大量の大麦小麦を買い入れる、ただこういう御答弁で、数量等が何も示されていないのでありますが、このときの輸入数量がどういうふうに閣議等できめられておつたか、大麦幾ら小麦幾らというようなことをまず伺いたい。
  27. 保利茂

    保利国務大臣 この間から問題になつている麻袋の問題であろうと思いますが、だんだん御審議をいただいていることと存じますけれども、私の承知いたしておりますところでは、かなり外米輸入に手を焼いておるときに、たまたまタイ国麻袋の入手が、インドパキスタンとイランの関係でできなくなつて、そこでどうしても外米輸入するについては、その入れ物を日本から持つて来てもらいたいということが、そもそも麻袋を大量に発注して調達したゆえんで、それから問題が起きているようでございます。そこで今お話の大量に小麦大麦買つてその方に転用したいということが問題であろうかと思います。それでは外地食糧買付については、閣議では一体どういうふうな手続をとつておるかということが問題点じやないかと思います。これは大よそ特別会計予算を編成いたしますときに、需給関係見通しまして、主としては、補給金関係でございます。それからもう一つは外貨予算関係外貨予算を決定するにあたり、また特別会計予算を決定するにあたつて、これは閣議で総括的にきめるわけでございます。ただそれではいつ、どこから、どのようにして買いつけるかということは、これは食糧庁の責任においてやつておるわけでございまして、個々の買付について、今度はここから買う、今度はどこから買うというようなことは、閣議協議事項にはなつていないわけであります。従いまして当時大量に大麦小麦を買いつけたと申しておりますれば、食糧庁の申すところが正しいことだと思いますから、お聞き取りを願いたいと思います。
  28. 杉村沖治郎

    杉村委員 それはあなたに私の質問の要旨がよくわからなかつたかしれませんが、食糧庁長官答えは、御承知のように、大麦小麦につきまして相当大量のものをばらで入れざるを得ない状態でございまして、本年度におきましてはこの麻袋はほとんど使用する見込みになつております。こういう答えなんです。たから私があなたに問うておるのは、三百万枚すでに在庫品があるのです。先ほどあなたがおつしやつたように、外米輸入するためにばらで来るのであろうということを見越して三百万枚買つたというのだが、その三百万枚は、実は最初はばらという話であつたが、あとからちやんと袋に入れて送つて来るからそれはいらないということになつて、その通りに袋がいらないで三百万枚買つたものが余つてつた、こういうわけです。その三百万枚余つているのにもかかわらずさらに五百万枚買つたちやんと倉庫にあるのにもかかわらず、昭和二十七年にまた五百万枚買つたのはどういうわけか、こう言うのですよ。ところがそれに答えていわく、昭和二十七年の六月ごろから麦の統制がはずされ、また外国から多量大麦小麦輸入を見込んでいるから、これに使用するための予定にこれを買つたんだ、こういう答え長官がされているのです。それだから私は、ただ多量大麦小麦というだけじやわからないじやないか、五百万枚と前の三百万枚で八百万枚ということになるのだから、そうすると、すなわち前の三百万枚だけの袋では足りないほどの輸入をするのかどうであつたかということを聞きたいので、そこで農林大臣に、このときのいわゆる麦の輸入状況、どれだけ輸入するかということをきめたのか、それが伺いたいというのです。それで、それは大麦幾らとか、小麦幾らとか、それが聞きたいというのです。今あなたのお答えは、遺憾ながら私の問うていることとは少しピントがはずれているのですが、あなたでわかりかねれば長官でもけつこうです。
  29. 保利茂

    保利国務大臣 その辺の事情は、ひとつ前谷長官からお聞き取りいただきたいと思います。
  30. 杉村沖治郎

    杉村委員 その点は、大臣にまだほかの方が質問されましようから、長官お答え大臣答え終つた後でけつこうです。
  31. 柴田義男

    柴田委員 保利農林大臣にお尋ねいたしますが、私どもは十八国会以来、この麻袋の問題を調査検討を加えているのでありますが、結論的に申しますと、昭和二十六年の八月に三百万袋の購入契約食糧庁行つたのであります。そういたしますると、当時百六十数万袋の手持ちがあつた。その百六十数万袋手持ちがあつたにもかかわらず、三百万袋の購入契約をやつている。しかもその購入契約をやつたのが八月で、現物が入りましたのは九月三万、十月九万、十一月二十五万、十二月五十一万、二十七年一月七十二万、二月七十三万、三月六十七万、こういうように契約をやつて単価はきめてしまつて、そうして現物が入つたのは半年後に大量入つている。こういうべらぼうな契約食糧庁がやつたが、こういう点がはなはだけしからぬじやないかという点を申し上げているのであります。しかも朝鮮事変が終りました後においての麻袋一般的状況と申しますのは、朝鮮事変砂袋が盛んに売れておつたが、その朝鮮事変終つたものでありますから、もう砂袋の用途がなくなつてしまつたので、麻袋というものは食糧関係の麦あるいは米に使用してもらいたいということを業者は望んでやまなかつた時代であつたのであります。しかも麻袋業者は非常な休業状態に陥つてつて、まつたく窮乏を訴えておつたという当時の状況であつたのであります。こういう関係にあつた場合に、食糧庁はその麻袋業者を救うために、三百万袋というような大量契約をここで行つて、しかも現物あとからあとからと入つている現状であります。そうして買い入れたものが、今度は民間倉庫保管をしまして、昨年の八月までに二千数百万円の保管料支払つている。こういうむだがあつたことをわれわれは指摘いたしまして、食糧庁長官とは大分この問題を議論いたしたのでありまするが、農林大臣といたしましてこういう問題をどうお考えになつておるのか、こういうことであります。まつたくむだなことであつて、それを重ねてまた五百万袋を追加購入しておる。しかもわれわれの調査によりますると、当時の最も多くを納めた小泉製麻という会社のごときは、払込み価格五十円の株価が六百円まで暴騰しておつた事実をわれわれ調査しておるのであります。小泉製麻というものは、朝鮮事変終局とともに砂袋も売れなくなつたし、非常に困つていた矢先に、何億という購入をやつてもらつたものですから、この会社の株価が暴騰しておるのであります。こういう現状をわれわれは見ておつて食糧庁長官に対しまして痛烈に御質問申し上げておるが、長官といたしましては何でもこれを買つたことを正当化しようというお答え以外に一歩も出ていない。しかも国民代表であり、政党代表であられる農林大臣が、国民大衆に向つてどういうお考えをお持ちなのか、これを伺いたいと思うのであります。
  32. 保利茂

    保利国務大臣 この麻袋の問題は、私の就任直後国会の御論議もありまして、どういう必要をもつて買い込んだものであるか、そしてその買い込んだ目的に十分に用いられたのか、あるいは途中でこれはやめてもよかつたのじやないかという点については、私は私として当局によくただして来ておりますが、必要は確かに外米輸入と、タイ麻袋事情によつて日本で調達をしなければ、タイ米輸入を確保することができないであろうという情勢のもとにその調達をいたしたものでございますから、そのことは私はとがめ立つべきことではない、当然やらなければならぬことであつたと思います。しかしその後事情が変化して、必ずしも持つて行かなくても向うで間に合うようになつた、こうなつたときに、それじやそれはそこで解除をするとか、あるいは麦のために新たに必要があるならば、麦のために必要を生じたときに調達をするとかいうことはやつてよかりそうなもんだということは私も感じます。実際は民間の仕事の仕方と官庁の仕事の仕方にそこら辺は非常に違うところがあるのじやないかというようなことを感じておるわけですけれども、しかし何さま食糧庁は、本会議でも申し上げますように、内地の米は一手に買い取る、麦も農家が売るだけのものは買わなければならぬ、それにもつて来て外地の三百万トンに上る外地食糧は一手に管理をしておるという、きわめて大きな経済行為をいたしておるわけでございますから、その経済行為というものは当然国民全体の利害に相通じて来るものでございます。従つて個々の業態については、いやしくも国民から疑惑を受けるようなことがあつては、とうてい公正な業務をとつて行くことはできない、そういう感を非常に強く持つておるわけでございまして、麻袋問題はともあれ、そういう上から行きまして、なるほど三百万袋を発注して、それが必ずしもいらなくなつたときに解約をするよりも、持つてつた方が経済的にはあるいは国が得をしているかと思つております。その後の値上りあるいはその他によつて(「とんでもない、どんどん下つている」と呼び、その他発言する者多し)あるいはそうであるかもしれないけれども、しかしそうでなくても、そこらがきれいに……。もしそうでなければ、これは私は失言として取消しますから、その辺はお許しをいただきたいと思います。そういう売つた買つたといつたような行為が簡単にやられていないというところに、私は確かに官庁事務の改善のポイントがあるんじやないかという感じを深くいたしております。就任後、一番大きな金目の、その大きなものを扱つております行政庁でございますから、再び疑惑を受けるようなことのないように十分注意はいたしておるつもりでございますけれども、しかし事態についてはこれはよく国民的御審議を仰ぐということが私は正しい、こういうふうに考えております。
  33. 柴田義男

    柴田委員 農林大臣は就任後日が浅いと言えばそれまででございますが、今の麻袋問題にいたしましても、先ほど申し上げましたように、二十六年の八月に契約を一枚単価二百九十円で行つた。そういたしまして二十七年の十一月には百五十円から百六十円に下落しております。それから二十八年五月には、ちよつと値上りをしまして、百八十円。二百九十円などという単価は、どこの経済市場を調査いたしましてもございません。現在は八、九十円だと思います。最近の相場は聞いておりませんからわかりませんが、私どもの経済常識から判断いたしますと、八、九十円だと思います。こういうように八月の二百九十円という買付を頂点といたしまして、どんどんと下落しておるのであります。そういう経済情勢下におつて、これだけの莫大な麻袋買つて、しかも現物はそのあとからあとからと、しかも市場が百五、六十円に下つておるときに、二百九十円の現物食糧庁に入つておる。こういう矛盾を私どもはついておる。つくというより御注意を申し上げておるのです。しかも官僚の方々は、間違つても何かこれを正当化しようとして、それだけに汲汲としておられる。一国の農林大臣ともあられる保利さんは——国民の代表の農林大臣は、官僚のこういう点がいけないならいけないから、今後こういうことは断じてさせない。こういう御確言を私どもは欲するものであります。この問題はもう過ぎ去つた問題であるからいいというのでなしに、今後のこともございますので、農林大臣の責任のある御答弁を承りたい。数字を羅列いたしまして、差引がどうだというようなことは、小学校の五年生か六年生でわかります。これは実際問題として申し上げておるのでありますから、農林大臣の責任のある御答弁を願いたい。
  34. 保利茂

    保利国務大臣 先ほど来申し上げますように、そういうふうに大きな業務を国民のために行つておる官庁でございます。従つて、いやしくも国民から疑惑を受けるような行為が繰返されるようなことは断じて許されぬ。正直に申しますけれども、何さまあれだけ大きなものを扱つておりますから、これを動かして行く上にはいろいろなあやがあるだろうと思います。しかしそこに一点の間違いも起らぬように、私どもとしては全責任をもつてつて行かなければならぬという考えのもとにやつておりますが、いろいろお気づきのこともあろうと存じますから、そういう点につきましては、いかなる機会においてでもよろしゆうございますから、十分御注意いただきますようにお願いを申し上げておきます。
  35. 田中彰治

    田中委員長 農林大臣に申し上げるが、二十七年度の農林省の批難事項は千以上ありますよ。あなたあんまり役人をかばわないで、もう少しはつきりした方がいいですよ。農林省が一番批難事項が多いのです。
  36. 杉村沖治郎

    杉村委員 大臣は一昨日も本会議で、社会党左の高津君の質問に対しまして、麻袋の点についてあなたの答えを聞いておると、もう麻袋はほとんどわずかしかありません。こういうお答えをなさいましたね。私どもそれが非常に意外なんですが、あなたはもうほんの少ししかないとおつしやられたのだが、今幾らつておるのですか。このごろはとおつしやられますけれども、昨年、昭和二十八年の十月ですか、会計検査院で検査した数量では相当たくさんのものが残つておるのだが、あなたのごくわずかしか残つていないというのは幾らのことか、これをちよつとお伺いしたい。
  37. 保利茂

    保利国務大臣 私も一々点検いたしておるわけではございませんし、これは食糧庁長官の補佐によつてつておるわけでございまして、食糧庁長官の報告によりますれば、大体この三月中にはほぼ使い果してしまうというような見込みでございます。従つて、三月といえばもう二月しかありませんし、大体総量から申しまして、二箇月で消費し尽す程度のものであるという意味で申し上げておつたわけでございます。
  38. 杉村沖治郎

    杉村委員 いや、私は大臣がそういうこまかいことまで何も一々承知しておらなければいかぬと言うのじやないが、あなたが本会議で堂々とああいう答えをされたから私はあなたにきよう伺うのであつて、この会計検査院の検査報告書のうちにおきましても、相当多数のものがある。これは長官の手元にもありましよう。批難事項のうちにも載つておりましよう。ですから、そういうようなことを本会議で述べられた以上は、この委員会に来られて私どもが問うたときに、そういうこまかいことは長官にとおつしやられますと、本会議ではあれだけたくさんの傍聴者、国民が聞いておるのです。それを私どもがさらに伺つたときには、今度長官にとおつしやられたのでは、いささかあなたの責任がどうかと思われるのであります。しかも本日は黄変米並びに麻袋に関することを伺つておるのでありまして、もう少し御研究あつて出て来ていただきたいと思うのであります。先ほど柴田委員から、小泉製麻からの麻袋の買上げ等につきましても非常に疑義があるという話があつた。それは朝鮮事変のために、小泉製麻等におきましては、砂袋に売るつもりでたくさんつくつてつた。それが売れなくなつたために、そのストツクを食糧庁に売ろうという考えで、あるいは食糧庁と製袋会社との間にそういうきたないことがあつたかないか、そういうことを私は申し上げるのじやないが、食糧庁の規約によりますと、一インチ内において糸が七本でありましよう。これはあなた方の契約書でおわかりになる。ところが製袋会社の方から納めたものは一インチ内に九本の糸が使つてあるのです。だから実際からいえばこれはもうけておるのだ。一インチ内に七本使つてつくつた麻袋と九本の糸でつくつた麻袋とでは、九本でつくつた麻袋の方がよろしいのでありますから、政府としては損をしておるのじやない。しかしここにわれわれが疑惑を持つのです。政府は一インチ内に七本の縦横の糸でつくつたものを契約しておるにもかかわらず、何ゆえに——その民間会社が九本のよけいな糸を使つて納めるはずがない。ところが九本の糸を使つたのは、先ほど柴田委員が言つたように、朝鮮事変によるところの砂袋をつくつてつたのじやないか。縦横七本の糸でつくつたのでは砂が漏つてしまう。それで九本の糸を使つてつくつたところが、朝鮮事変がだめになつたために不要になつた、さあ困つたものだからこれを食糧庁に売つた、こういうふうにわれわれは見るほかはないのです。なぜならば、政府の方では七本でいいというやつを、何も会社が苦しんでよけいな麻を使つたものを納めるはずがないでしよう。そういうようなところにわれわれは非常に疑義をはさんでおるのですよ。大臣は農林行政全体に対するところの重要な御職務柄、そういうこまかいことはお気づきにならぬでしようが、しかしこれが一たびこの国会決算委員会におきまして、昨年来非常な問題になつておる今日におきましては、そういつたようなことについても少しく御研究あつてしかるべきじやないかと思うのですが、いかがでありますか。
  39. 保利茂

    保利国務大臣 御説はまつたくごもつともでございまして、十分お答えいたすのに、皆様よりも私の方がうといという実情にあるのじやないかという感を私は深うしております。そこで私は、委員長の御注意もありますように、役所を不当にかばうという気持は毛頭ございません。でき得ますならば、かくかくの問題、かくかくの点はどうなつておるかということは、私はおそらくここで即答はできないのじやないかと思いますから、もし必要がありますならば委員長を通じていただいて、それについて私としても私の責任において十分調べまして申し上げるようにする方が、いいのじやないかというような感じを持つわけでございます。
  40. 杉村沖治郎

    杉村委員 これは先ほどから申しますように、われわれは大臣に一々こまかいことを求めようとするのじやありませんが、しかしながら事が農林関係には非常に重大でありまして、農林省の批難事項はたくさん出ておりますので、やはり大臣に出ていただいて、ときには十分な御説明をしていただかなければならぬ。国民もまたそれを期待しておるだろうと思いますので、どうか批難事項等につきましては、御出席くださるときには、ここでわれわれに問われる前に、長官なり、その他の政府委員と十分御研究の上出て来ていただくようにひとつお願いを申し上げておきます。
  41. 田中彰治

    田中委員長 吉田君。
  42. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 二、三大臣にお尋ねしたいのです。今の麻袋の件をまず一応補足的に伺つておきたいのです。麻袋につきまして、後に買つた五百万枚、昭和二十七年十二月に、いわゆる検査院の言葉をもつてすれば不急の麻袋を五百万枚買つたというこの案件でありますが、これについていろいろと御説明はあるのであります。ありますが、しかし最も好意的に解釈いたしましても、食糧庁において、古い麻袋の回収が非常に多量に順調に増加して参りまして、新麻袋は不要になつて来るというこの見通しが全然欠けておつた、少くともこの点はいなむことができないだろう、こう思うのであります。そこで不要の麻袋、古い麻袋を回収するということは、すでに政府麻袋需給の計画の上におきましては重要な要素として取上げられておる。幾ら不要麻袋の回収があるか、あるいは幾ら新しいのがいるか、幾ら手持ちがあるか、幾らの食糧に対して何ほど需要があるかということについて重要な要素として取上げられておる。ところがこれについて大きな見込み違いがあつたと、好意的に解釈しても見えるのであります。それが一つは原因になつておるのではないかと思うのですが、こういうような点につきましては、そういう明らかなものが見込み違いになるということは、われわれにはちよつと想像されぬのであります。これは一体どうなのでありましよう。こう御質問すると大臣は、事情を詳しく御承知でないと、あるいは御答弁は困難かと思いますが、いずれいろいろと御調査になつたあとと思いますので一応伺つておくのでありますが、そういう大きな見込み違いということはちよつとしろうとには考えられぬ。御所見を伺います。
  43. 保利茂

    保利国務大臣 この入れ物の問題は、外地食糧ばら積み輸入関係と見合つてむろん需給関係を立ててやつておると思いますが、業務を運営して参ります操作上の必要がこれをもたらしておるものと存じます。従つてこういう計画が操作をして行きますのに必要であつたかなかつたかということについては、業務をあずかつておる当局者かりひとつ御聴取をいただきたいと思います。
  44. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それならば伺いますが、麻袋需給数量について見込み違いがあつたかなかつたか、あるいは他の委員質問したごとくに、麻袋製造会社からいろいろな要請があつたのかどうか、その原因のいずれであるかは一応別といたしまして、とにかく政府はいらざる麻袋を一年以上倉庫に遊ばして置いた、こういうことによつて莫大な国損が生じておる、そういう国損について一体あなたはどういう責任をお感じになるのですか。
  45. 保利茂

    保利国務大臣 もし私が責任を負うべき点があれば、むろん責任を負うことに躊躇するものではございませんが、しかしこれはいずれにいたしましても、政府が国民の利害とつながつた業務を営んでおるわけでございますから、だれのときとかかれのときとかいうことでなしに、再びもしそういうむだがあつたとするならば、むだを繰返さないようにする責任は私にはもちろんあるわけでございます。そしてそれがあつたかなかつたかということをただすべき責任もあろうかと存じておるわけでございます。お話の点はこの場合に適合するとも言えないのじやないかとも思いますけれども、とにかく朝鮮動乱で物資の調達に各方面ともいろいろ困難が伴つて来ておる、そういう際ですから、先行きが下つて来たからそんなに必要はなかつたんじやないかということだけでも論じられぬ点もあろうかと存ずるわけでございますから、諸般のいきさつについては、当時運営に当つておりました、あるいは運営に当つていなくても、とにかく日々引続き業務を担当しておるものでございますから、業務担当者でよくその辺の事情がわかつておると思いますので、その方から事情をお聞きいただきたい、こう申しておるのであります。
  46. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私はなお少し聞きたいのですが、黄変米が少し残つておりますので、大臣の時間の関係でその方に入つて行きたいと思います。  これも一応本会議における質疑があり、詳細に農相の答弁があつたので、事実の詳細は御了承、御調査の上ここに臨んでおられるという前提でお尋ねするのであります。この黄変米が二十七年及び八年度に処分せられまして——これは会計経理面から伺うのでありますが、その結果国は、会計検査院の説明によりますと、二十七年において二億一千万円、二十八年売却において六億三千二百万円、合計八億四千二百万円の国損が生じておるのであります。そこでいろいろと質疑応答を検討いたしてみますと、どうもこれは不可抗力ではない。契約の際、あるいは現品引渡しを受ける際などに、適切な処置を講ずる余地はあつた、確かにそう思える。しからば損害を未然に防ぎ得たのにもかかわらず、その損害の事態が生じている、こういうことになるのであります。この事実について、大臣としてどうお考えになりますか。
  47. 保利茂

    保利国務大臣 その点は私は本会議でも申し上げましたが、この黄変米の問題を一番先に私耳にしましたときに、一体この大事な外貨を使つて輸入するのに、一割も変質というか、配給できないそういう不良の米が入つて来るのをなぜ返すわけに行かぬのか、なぜそういうものを受取つたかということを、かなり強く私自身も当局にただしてみたわけであります。私の感じから申しますと、おそらくそれ以前にもそういう形で輸入されておつた、ただ黄変米についての調べと申しますか、検査と申しますか、特に栄養研究所でこれは有毒だという指摘を受けまして、にわかにこれが問題になつた、それではそれまではそういうものはなかつたかというと、必ずしもそうじやなかつたのじやないかという感じを——これは事実は別といたしまして、私はそういうふうな感じを持つております。しかしながら一たび国としてそういうものが主食の用に供せられないとなりました以上は、それをどうしても防止しなければならぬ。そうすると国内の食糧事情は逼迫をする。特にこの問題を起しております黄変米輸入せられた当時は、雨の時期を通り越した米を五万トンか緊急輸入をした、その結果が非常に大きな一割からの黄変米を生じたということになつているようでございます。従いまして爾後はそういう雨の時期を過ぎた米は入れないこと、同時にビルマ当局とも交渉をして、こういうものは日本では食べられないのだから、そういうものを入れた米は遺憾ながら返すという方向でひとつ交渉をしてみたらどうかというので、外交当局を通じて交渉いたしました結果、昨年の暮れに協定できておりますのは、一%以上この種のものが入つているときは日本は引取らないということに持つて行つて、再びかような失態を繰返さないようにという手はずはただいまとつているわけでございます。従つて今後におきましては、大量にかくのごとき黄変米が入つて来るということは避け得ると思いますけれども、それまでは、話を聞きましても、どうしてもそういうものは入つていない、認めないという、要するに買手泣かせと申しますか、売手一方の状態輸入せられておりましたような事情もありました。むろん船が着いて、これはとれぬといつて返せば、返し得る条件であればそれは返せたのだと思いますけれども、遺憾ながらそういう条件がなかつた。そういう苦しい中において輸入しておつた結果が、こういうものを引起したということになつておると、私は一応調べまして、考えます。しかし、これから入れます分につきましては、そういう処置をとつておるわけでございます。
  48. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 今の、昨年十二月の暮れに、一%以上も入つておるのを受取らないという協定ができたという、対策の点については了承いたします。私の聞きたいことは、よつて来るところに、一つの根本的に共通した事情を認めざるを得ないのであります。これは、一つはやはり非常に大きな食管会計において六千億以上も持つておりますので、かなり大きな金が、ほとんど自在に、簡単に支払いされる。そういうところから、無造作に何億円の損をして、あまり重大に考えなかつたというようなことが、一つの原因じやないかと思います。あるいは、売手市場であるから、いろいろ交渉することが困難だという趣旨の大臣の御答弁が、本会議であつたように記憶するのであります。しかし、いくら売手市場であつても、物資逼迫の事情にあつても、やはり国家の損になるのです。国家の損になつて、表向きは八億四千万円ということになつていますけれども、その他一般管理費とか間接のいろいろな損失があろうと思います。むだな人間もずいぶん使つておるのであります。これを損害額に加算いたしますと、十億円も越えやしないか。こういうことが起るゆえんは、やはり国のこういう米の買付が、もつと厳格に交渉されなければならぬという、根本的なものが欠けておるのではないかとわれわれは思うのであります。ですから、いろいろそういう問題が起るのです。最近ビルマで米が氾濫して、過剰生産になつておるから、楽にこういう協定ができたとあるいは御答弁になるかもしれません。しかしそうであるなしにかかわらず、私どもとしては、こういう莫大な損を生ずるということは、人為的であつて、なすべき手を打たなかつたので、もつときつい、もつと厳格な、もつと適切な時と方法による措置が講ぜられたならば、この黄変米は未然に防ぎ得たであろう、どうもこういうふうに思われるのであります。そこで尋ねておるのであります。だから、年末にそういうようなことを御処置になつたことはいい。しかし、生じたところの十億円になんなんとする損害、そのよつて来るところの原因に対する政治的な責任、そういうことに対して、大臣として一体何をお考えになつておるか。今後交渉するということは了承します。けれども、二十七年度の会計検査院の批難事項は、農林省が大部分です。こういうことにもかんがみまして、会計紊乱、経理紊乱の顕著な原因がそういうところにあるのではないかと思うので、大臣のほんとうのところを聞きたい。ほんとうにあなたのお考んになる所見を、この際聞いておきたいと思います。
  49. 保利茂

    保利国務大臣 実は昨年の秋、もはや凶作を免れないという事態に立ち至りましたときに、食糧当局に対して、外米の大量輸入考えろということを指示いたしました。これは余談のようになりますけれども、ビルマから大量買付をすることは、非常に危険だということを申しておりました。それらから考えましても、食糧庁当局も非常に苦心をしておることだけはよくわかるわけです。同時に私は、今日ではいろいろ申しますけれども、当時の切迫した食糧事情のもとにおきましては、けだしあれはやむを得なかつた、もし入つて来たものか、それはいかぬ、こうやられたのでは、すべはなかつたのじやないかというように、私は率直にそう感じております。ただ、それじや今まで黄変米を一つも調べてなかつたのか、一体なんでそんなことが問題になつて来たのだといえば、さつきも申しますように、私はどうもそこのところで、あの当時あれだけの緊急輸入をしますについて、結果から、もつとほかに手はあつたのじやないかと言うことは、ちよつと無理じやないかという気がいたします。
  50. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 食糧庁長官初めあなたも、この問題につきましては、もつと国民に済まなんだという気持から御答弁にならなければいかぬと思うのです。けだしやむを得ざる事態であつたとか、もしこれをはね返したならば米の買付ができなんだだろうというようなことでは、それこそ不可抗力論で責任を他に転嫁するということになるのであります。それではいかぬのです。そういう態度で政治をおりやになつて、国費を浪費するということは、もつてのほかであります。それでは、検査院が不当と指摘しておることと完全に対立するのであります。われわれも先般来の委員会の経過にかんがみまして、やはりこれは食糧庁、農林省の失態であるという前提に立つてこれを議論しておるのであります。これを動かすべき何の反対論拠も出て参りません。でありますから、いかに食糧逼迫の状況にあろうと、何億円、何十億円の損を平気でする、そんな権限は官僚にはありません。いかにどうあろうと、それはまた別の政治の問題であります。そういうことを考えますと、国費を十億円損した。十億円というのは少し行き過ぎかもわかりませんけれども、その原因に対しては、もつと真剣な反省的な批判がなければならぬ。そうしないと、ほかにまだ二、三聞きたいことも解決しない。これは完全対立ですが、どうでございましようか。
  51. 保利茂

    保利国務大臣 その点は私も全然同感でございます。
  52. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 わかりました。同感であるということであれば、われわれが指摘しておるごとくに、行政上の相当の手落ちもあつたというようなお感じも持つておられるというように了承したいのであります。  そこで一つ聞きたいのですが、たとえばビルマにおきまして指名取引商社というものがあります。第一物産、口綿実業、東西交易など三つの会社のみ指名されております。私は前回の委員会におきまして食糧庁長官に、なぜこの三社に独占さすのでありますか。われわれから見たらこういうような大きな国損を生じた、失態であります。こういうことのよつて来るところは、漫然と国費を使うところの出先代行機関にこれがなつておるところに、一つの原因が胚胎するのではなかろうか。なぜ三社が独占せねばならぬのか。われと思わんりつぱな適格者が世間にあるならば、それも取引にというくらいな、広い含みを持つてこういう指定商を指定すべきではないかと問うたところが、いや実績がものを言うということが根本の理由であつた。実績を言うならば、これらが実績を持つておるのだから、新たに介入するものは不可能なのです。そういうようなことも、改めねばならぬ一つの大きな問題ではないかと思います。これはやがてあなたに伺う機会が来るのですから、これからまた論争しなければなりませんけれども、どんどんと出て参ります外米の問題につきましても、あるいは外麦の問題につきましても、やはり指定業者が介在する。その間にいろんな含みのある問題が生じて来るので聞くのでありますが、こういう特別な指名取扱い商社数箇を設定して動かさないというようなあり方で、一体いいのでありましようか。これは大きな問題が生じたなら、反省なさらなければならぬ。行政上の失態もあつたということもお認めになりましたならば、あらゆる機関においても再検討を加える。ひとり黄変米のみの問題ではありません。不適格米として倉庫に積み上げてあるものもぎようさんあります。これはあとでまた問題にしますけれども、こういうこともあるのでありますから、やはり出先の代行機関指名取引商社というようなものについて再検討を加える、こういうことが必要だろうと思いまするが、そういう御意思がありましようか。またそれに対する御意見を聞いておきたいと思います。
  53. 保利茂

    保利国務大臣 全体の問題にかかつての御質問のようでもございますが、問題の米はおもに政府間の契約になつている分について起きています。商社を入れかえたり、あるいは取消したり、ふやしたりということは、もともとは終戦後食糧の買付のためにおびただしい商社を使つてつた、それが非常にわざわいをして、むしろ内地商社が競つて買付をあせりますために、買入れ価格のつり上げをする、不当にわれわれ国民は高いものを食わなければならないということになるから、これを整理しなければならぬのじやないかという議論は、終戦後も相当あつたわけでございます。しかしそれは事実なかなか困難であつたようですけれども、相当大幅に整理をして、お話のようにビルマについては三社になつていると思います。その三社は、従来ビルマ米を取扱い、買付をした経験、実績を持つている順からこれを指定しているようでございます。よけいなことですが、もつとビルマに商社を指定してくれということもひんぴんと来ます。けれどもそういう大きな趣意からいたしまして、私はこれを受付けておらないわけでございます。むろん扱い上において政府あるいは国民に対して著しき害を及ぼしたとかいうものについては、今後といえどもそれはもう必要な処分をいたして行くのに私は決して躊躇するものではないわけでございます。
  54. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 大臣、その点はこういう論理になるのではないでしようか。国会におきましては、すでに黄変米の問題について、発生の原因、取扱い、あるいは政府がそれを処分した結果生じた大きな国損、こういうことが明らかになつたのであります。そこでそういう間におきまして、一体行為の上において何らか指定商社についても再検討すべき余地があるのではないだろうか、こういうふうにも考えられますので、指名取扱い商社という名前で呼んでおるようでありますが、こういうものにつきましても、この機会にやはり再検討を加える、こういうような含みですべての角度から食糧輸入の問題に対処すべき段階が来ておるのじやないだろうか。外食の輸入問題については食管制度の根本に触れる問題でありますから、別の機関においてもいろいろ審議もされることであろうけれども、やはりビルマ等、あちらの方面の商社につきまして、こういうあり方について再検討をするという段階に来ておるのじやないだろうか、少くともそういう必要があるのじやないだろうか。この通りに維持するのがいいのか悪いのかは別といたしまして——この三社が必ずしも悪いというのじやありません。ありませんけれども、もう十二月以降は一%以上は入らぬから心配いらぬというのでは、問題解決にならぬ。それは政治じやない。事務の末端だけの問題であります。あなたのお立場といたしましては、やはり内閣の行き方といたしましては、その面までも触れるべきでないだろうか、こう思いますので、分配の問題じやない、必ずしもこの適、不適を言つているのじやないのですよ。それについてどうお考えになつているか、それを聞いておる。
  55. 保利茂

    保利国務大臣 検討いたすべきものは検討いたして参ります。
  56. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 御検討を願います。  それではこういう点をひとつつてみたいのですが、この黄変米の問題を調査いたしておる途中、はしなくも出て参りましたのが元の食糧庁長官の片柳氏のやつている日本糧穀の問題であります。一体日本糧穀という会社の存在は、一つの中間機関、代行機関のようになつております。どちらの代行かというようなことまでここで議論になつてつたのであります。そこでたとえば一例をあげましたら、食糧庁から通産省のアルコール特別会計の方へ買入れた黄変米でありますが、これもまた日本糧穀を通しております。そうして相当な口銭が出ているのであります。しかも会計検査院の報告によりますと、百七万トンは行方不明なんであります。これにつきましては、どうもはつきりした資料として何ものも出て来ておらぬのであります。そこで一体日本糧穀会社は何ぼほどもうけておつたのか、こういうこともずいぶんと前会にも柴田委員その他の委員からも質疑が出たのですけれども、これは民間の一つの会社であるためでしようか、国損はおよそ見当がつくのでありますけれども、しかしその会社は何ぼ利益をあげておつたかということを委員長も聞いたのですが、答弁が出て来ないのであります。だからこれは一応わかつてもわからないでもしかたがありませんけれども、ともかく無用なトンネルが中間にあつたということにみな考えている。しかもそういうように百トン以上は行方不明になつちまつたということなんですが、一体こういうものが出るということは——社会の民生に重要な関係のある黄変米の動き等に関連して、こういうトンネル会社に扱わしめて損をするということは、一体何という醜態であるか、こういうことなんですが、どうお考えになりますか。そういう中間会社は、一体必要なりやいなや。それについて御承知でなければやむを得ませんけれども、本会議であんなにも堂々と御答弁になりましたから、これは相当精細に御検討になつているものと考えている。どういうふうにお考えになつておりますか。
  57. 保利茂

    保利国務大臣 そのときの処分の便宜から、実需者の要請もあつて日本糧穀会社を通してやつた。しかしながらそれに対して一部から相当の疑惑が出ている。実際実需者に直接処分をして行くということは、手数の上からいえばたいへんかもしれませんけれども、原則としてそういう仲介機関を通さずして、実需者に払い下げる方法をとつて行くようにということを、食糧庁当局にも厳命をして、爾後そのように直して来ていると思います。糧穀会社の問題については、私が承知しておりますのは、当時処分をいたしますために糧穀会社を用いたということは、それが適否は別として、それは疑いを持たれる筋があるから、さようなことは今後絶対にやらぬという建前で参つているのであります。
  58. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私の聞きますのは、ほかのたくさんの需要者、たとえば養命酒醸造株式会社等々、たくさんな需要者は直接買うている。そこで通産省のアルコール工場は需要者なんですが、それだけが直接買うのは不便である、こういうところにやはり疑惑があるのです。そうすると、何かあと払いであるから便利だというような、この間通産省の政府委員の御説明がありました。あと払いが便利であるからたくさんな損をしなければならぬのかというところにまた問題がある。そんなことは国と国との関係ですから、方法を講ずればどうにでもできると思うのですが、一般の民間会社が直接買つているのに、政府が直接買わずに民間のトンネルにしなければできないという、そんなばかな道理は私はないと思う。ところが莫大な数量を中間トンネル会社を使われておるのでありますから、こういうものの存在は無用の存在であろう、こういうふうに私どもは判断しておりますのでそれを聞いたわけです。今後なるべくそうしないという御趣意なら、それはそれでいいといたしまして、とにかくこの黄変米はこれまでの事実といたしまして、これについてあなたの最終的な御判断、意味があつたのか、無意味であつたのか、いらざるものであつたのかどうか、この辺についての大臣の御答弁を伺いたいのであります。
  59. 保利茂

    保利国務大臣 そういう御趣意もございますし、処分をいたします便宜の上からいえば、一括してやつた方があるいは便宜であろうけれども、あるいは個々に何するということはたいへんな手数と何もいるかもしれませんけれども、しかし手数がかかつても、疑惑を持たれるようなやり方はやらないようにという方針でやつて行くつもりでおります。
  60. 大上司

    大上委員 先ほど大臣が来られましたので、二、三お尋ねします。さいぜん田中委員長からもお話がありましたが、昭和二十六年度の会計検査院の批難報告から見ますると、これは批難事項が一貫番号で、千百九十八あつたのです。ところが農林省の所属が三百二十五件ざつと見積り三〇%あまりになる、ところが昭和二十七年度の同じく会計検査院の報告事項を見ておりますと、これが全部の批難事項として約千八百十三件あります。その中に農林省所管は番号から言うならば、批難番号六百から千五百十三、すなわち約五〇%に近いパーセンテージを占めております。さてそこで、こういうふうなことが出て参りますると、われわれは一応農林大臣がどのような態度で行政事務を施行しておられますか。そこで特に本黄変米または麻袋の問題もわれわれは非常に関心を持つており、予算面におきましても相当額を持つておる、食管特別会計という会計を持つておる。本委員会で、特にこれがまた本会議その他でわれわれが慎重審議をしておるということは、この影響たるものが非常に大きいものがある、あながち政府または政府関係機関として何も食管が取上げるべき性質のものでないとおぼしめすかもしれませんが、われわれはそうじやない。そこで何がその原因でこのような批難事項が出たのか、まず第一点にそれを承りたいと思います。
  61. 保利茂

    保利国務大臣 農林関係において会計検査院から批難せられております事項が非常におびただしい件数に上つておりますことは、まことに申訳のないことだと思います。私が一番困つて、何とか処置はならぬかと思うのは、農林関係において一番大きいのは災害復旧だと思つております。災害を受けました件数が非常におびただしいので、一々現地査定が行われずして予算措置を講ずる。そしてそれが工事を施行せられたあとに会計検査院が行つてみると、ずいぶん水増しや不正な使い方をしておる。そのために農林関係予算全体がいかにもむだに使われておるのじやないかという、特に一般公共事業や食糧増産対策事業が同様のルーズな扱い方になつておるのじやないかという印象を広く与えておることは、私は非常に残念に思つておるわけであります。いずれにいたしましても、予算の執行の面において、相当考えなければならぬ点があるのじやないか、特に小さいと申しますか、国が直接査定あるいは執行の責任を負えないものを国が負わなければならないような今日の建前、すなわちこれはむしろ府県なら府県に仕事を——災害復旧等国の手が届き得ない面は大幅に、これはもう府県の責任においてやつていただくような仕組みに持つて行くことが妥当じやないかというようなことも私は考えておるわけでございます。いずれにいたしましても、執行上相当の考えなければならぬ点があると思います。
  62. 大上司

    大上委員 ただいまの御答弁で一般公共事業費あるいは災害が多いと言つておられますが、それは認めるといたしまして、農林大臣は御就任以来本件について、特に農林行政の予算執行面において閣議でもつて御発議なさいましたか。すなわちこういう点はこういう機構を改革しなければならないという点があろうと思います。もし閣議で御発議なさつたらどのようなことを発議なさつてそれが二十九年度予算においてどのような処置をなされておるか、また第二点は特に黄変米、また麻袋の問題があれだけ本会議場においても問題になつたのだから、われわれはこの問題から見まして、大臣は就任なさつてこの委員会の運営はよくおわかりと思いますが、そこで今度は内部的に、たとえば各省の局長を寄せて省議と申しますか、省議は行政機構上ありますが、その席においてこれを特に議題となさつてお話なさり、なお部下の監督面においてこのような処置をすべきである。これはこういうふうな会計へ持つて行くべきである、あるいは出納係と申しますか、それに特別な教育をなさつたか、なさらないか、今後省議の決定事項等を拝見すれば当然出て来るんだから、その点において二点伺います。  その次にわれわれが従来一番問題にしておるのですが、こういうふうな批難事項が各省に比較して多いということは、何らかそこに行政上の欠陥ありと私は思う。それを大臣は特別に調査なさつておられるか、おられないか、この三点を総合的にお尋ねをいたしたいと思います。  そこで最後の第四点は、将来このような問題があるいは起きるかもしれぬ、あるいは大臣の施策、行政指導その他によつて起きないかもしれませんが、本件のごときは大きな国民感情的な面から見ますと、非常に当局も反省してもらわなければならぬ、どのような方針で将来進まれるか、この点を伺いたいと思います。
  63. 保利茂

    保利国務大臣 特にこの災害復旧の批難件数が多い点につきましては農林省しかり、建設省も同様の点において悩みを持つておられるわけであります。私どもとしてはただいまそういうことでつまり国の監督の行き届き得ないところを国があずかつておるところに多く発生するのでございますから、これは何とか改善をして行く。先ほど申しますように府県の監督に移すべきものは府県の監督に移す、しかし本来国が監督して行くことが直接予算を扱いますから一番正しいことだと思いますけれども、しかしそれにも限りがあるわけでございますから、そういう方向で改善をして行きたいと考えておるわけでございます。  黄変米麻袋等の問題につきましては、だんだん各方面を煩わして恐縮に存じております。私としましても再びかような大きな非難を受けるような事態を起さないようにということを、次官、食糧庁長官を通じまして、私の及ぶ限りは監督をいたしておるわけでございます。むろんこれはほかの席でも申し上げておりますけれども、少くとも食糧庁においてかような疑惑を持たれるような事態が起きることは、とにかく待遇もよくないが一生懸命働いておる公務員諸君のために私はむしろ気の毒だ、そういう事態が起らないようにということで監督を厳にいたしておるつもりでございます。  なお今後どういうふうにやつて行くか。これはもう予算執行を厳重にやつて行くほかはない、そういう考えでひとつ全庁員と力を合わしてやつて行きたいと考えておるわけであります。
  64. 田中彰治

    田中委員長 大臣はちよつとお知りにならないでしようが、麻袋が問題になつておるのは、十二月に麻袋を何百万袋買えといつて来て、それが話になつてから判をついて金を出すまでに一日半しかかからない。農林省に一億八千万円の物を売るのに、一日半で決裁をとつておる。そうしてそれを神戸、岸和田、大阪と、そういう倉庫に入れるのに、ちやんとそのあくる日に倉庫に品物が行つておる。こういうことを考えるとあなたはもう少し長官などを——これからも長官が反省しないならこれは問題にしなければならぬが、これはだれが見ても非常に不正です。あなたがそういうところをお考えにならないで、いやそれはしかたがないのだということになると、これは問題を起しますから、長官にもよく言つておいてください。長官答弁など誠意がないのです。
  65. 杉村沖治郎

    杉村委員 今の麻袋の問題は十二月二十三日に東京契約しておる。二十三日に東京で売買の契約をしておるのにもかかわらず、その翌々二十五日に神戸、尼崎、岸和田において現品を二百万枚受渡しをしておる。それですぐに領収証を出して、一月早々一億八千六百万円という金が出されておる。まるで手品みたいなことです。だからこういうことは、あらかじめ何か話合いができていなければ、こんな手品みたいな仕事はできないわけです。私は日本の安定というものは食糧問題いかんにあるだろうと思うのです。そこで今は簡単に伺つておきますが、日本では外米輸入は今から六十年も前から行われておるわけです。あなたは御存じだろうと思う。それであるから今ごろになつて黄変米のことが研究されておらないというに至つては、これは日本の食糧政策をどうしてやつて行くかということについて、農林省はまつたく零点だと思うのです。先ほど吉田委員が聞かれましたけれども、いわゆる貸担保の問題、買入契約者の問題については、先だつて私が長官にお尋ねしたのでありますが、長官から将来はこういうふうにしたいというような御答弁があつたので、先般の十八国会のときの答弁のようにこれから御注意なさればそれでけつこうだと思うが、何も在外商社に頼まなくても、六十年も外国米を食つておる日本人が、いまだにこの外国米の素質のことがわからないなどというに至つては、これは食糧政策において零点だと私は思うのです。だから今後こういうような黄変米等のことについては十分御研究を願いたい。と申しますことは、この黄変米がやみ流しされて、和歌山検察庁で検挙されて問題になつていることは長官も御承知だろうと思う。そこで先ほど私が伺つたときに一%以下のものは菓子として食わしておいてさしつかえない、菓子としてつくつて食わせればさしつかえないものなら、何も菓子でなくても食わしていいじやないか、こういうことを私が問うた。そうしたところが、二百度以上の熱を加えなければならないのだからと言う。今日はじやがいもや何かで米の形にして人造米すらつくつておる。しからば現実の米なんだから、これを政府の力で何らか国民に食えるような方法くらいは、これほど食糧問題が叫ばれておるにもかかわらず研究されないということは、私はいかにも食糧政策については零点だと思うのです。しかもこれを食えば人間のからだに毒になる、生命にかかわるというようなことを宣伝されましたけれども、この黄変米を食べたために死んだという者が一人もないじやありませんか。政府が十億に近いところの損害をして、一石一万何千円で買つたものを、わずか四千円で民間に随意契約で払い下げて、これが民間にやみで流されて、これを食つて死んだという人が一人もいないというに至つては、これは実に驚くべき話なんです。食糧の安定なくしては日本の経済の安定などは断じてない。それにもかかわらず、今言つたようないわゆる食えば毒になるというような黄変米を随意契約で流して、やみになつて検察庁でどんどん引上げられておるが、これを食つて死んだというものが一人もないということになると、これは実にふかしぎきわまることなのです。もう少し徹底的に御研究あつてしかるべきだと思うのですが、どうか大臣におかれましても、いま少し食糧政策、食糧問題についてほんとうに堅実に取組んでやつていただくことを私は希望してやみません。
  66. 保利茂

    保利国務大臣 ただいまのお話の点は私も全然同感でございます。そういうつもりでやつております。ただ黄変米をやみ流しをしてそれを食べたが、だれもさわらないじやないか。それで私は冒頭に申し上げておきましたが、今問題になつております黄変米が入る前にも、私は入つてつたと言うのです。それが入つてつたのが、食品衛生法とかいう——栄養研究所ですか、これは有毒だ有毒だと言つて、国の研究所が有毒だというものを配給するわけには参らぬ。そこでどうするのだ。だからそういうものを入れないようにしなければならぬじやないかということについて、先ほど来申し上げて来ておるようなことでありまして、私はお話に全然同感でございます。そういう趣旨でやつております。
  67. 田中彰治

    田中委員長 長官に申し上げておきますが、あなたは答弁でこの決算委員会を言い抜けてやろうと思つてもそうはさせません。ここに来た以上正直に白状する以外にないのです
  68. 柴田義男

    柴田委員 先ほど来の麻袋の問題をまず片づけたいと思いますが、黄変米の方まで一緒になつたのでありますけれども食糧庁長官から、インド、ビルマから袋の要請があつたというお話でございましたが、実際文書等であつたのか。どうかそういう文書がございましたら、委員長の手元まで参考資料として御提出願いたい。  次に、その後にタイ国から、麻袋づきで日本へ米をくれるという意思表示があつたようでありますが、そういう意思表示があつたかどうか、この二つを書面で参考資料として御提出願いたい。  それから、ここまで私ども議論をいたしましてもどうしてもふに落ちないのでありますが、小泉製麻ほか関係会社食糧庁のかつてのお役人が入つておるかどうか、これをお調べ願いたい。もし入つておればどういう地位に入つておられるか、この二点を、もし今御存じでございましたらお答え願いたい。
  69. 前谷重夫

    前谷政府委員  お答え申し上げます。先ほども申し上げましたように、当初タイ米交渉麻袋の問題が起りましたのは、交渉の際に口頭で起つたのであります。その後この問題につきまして文書の往復がございました点は、外務省を通じていろいろ往復がございました。この点につきましては資料としてお手元にお配りいたしてございます。  なお第三点の小泉製麻ほか三社につきましては、食糧庁あるいは農林省からだれもそこに就職しておるというふうなことはございません。
  70. 杉村沖治郎

    杉村委員 食糧庁に伺う前に会計検査院にちよつと伺つておきたいのですが、二十七年の批難事項の二百八十九ページをごらん願いたい。あなたの方で批難事項として出しておるうちに、麻袋の問題がやはり取上げられておる。私が先ほど聞いたのは、このところにある輸入食糧、これなんですよ。すなわち三百万枚袋があるのにもかかわらず、あとの五百万枚買つたというのは不都合じやないか。これはやはり二十七年にも前年に引続いて同じ批難事項になつているのです。そこでこの批難事項のうちに五十七万八千九百三十二トン——あなたの方の計算によれば、政府当局は五十七万八千九百三十二トンの食糧の買入れを予想して買つたのだということを政府から検査院は聞いたのでしよう。そこでこの五十七万八千九百三十二トンの品種、種別、数量、区分というものは何でございますか。
  71. 小峰保栄

    ○小峰会計検査院説明員 お答えいたします。この五十七万八千トンでありますが、これは大部分が大麦というふうに承知しております。
  72. 杉村沖治郎

    杉村委員 大部分じやなくて、もつとこまかく。そういう大ざつぱな答えでは困ります。
  73. 小峰保栄

    ○小峰会計検査院説明員 こまかい数量はわかつております。この五十七万八千トンと申しますと、日本の麦の輸入量の約三分の一であります。
  74. 杉村沖治郎

    杉村委員 発言中ですが、麦だけですか。大麦幾ら小麦幾らということで、約などという大ざつぱなことは聞きたくない。なぜ私がそういうふうに聞くかというと、麻袋が五百万枚いるというのは、結局これだけの麦があるからこれだけの袋がいるということなのでしよう。だから約とか大体ということではそろばんが出て来ない。それだから聞くのです。
  75. 小峰保栄

    ○小峰会計検査院説明員 これは大麦が三十七万六千トンであります。それから小麦が十八万六千トン、それから米が一万五千トン、こういうことになつております。
  76. 杉村沖治郎

    杉村委員 そこで長官に伺うのですが、あなたの方のお答えは、先ほど私が大臣に伺つたこれなんですね。何ゆえ三百万枚あるのにもかかわらず五百万枚買つたのかというと、大量の大麦小麦を予想した、こういうのですが、これはあなたの方でどれだけの買付をする計画であつたのですか。
  77. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。二十七年度におきまする当初の成立予算におきましては、大麦を七十一万トン、小麦を百七十九万トンと予定いたしたわけでございますが、御承知のように、その年度の途中におきまして、麦の統制撤廃というようなことがございましたので、さらにこれを増強いたしますために、予算の補正におきまして特に大麦につきまして百十四万トンに変更いたしたわけであります。小麦につきましては、その当時の需要状況からいたしまして、これを百五十八万トンに減じたわけであります。従いまして大体大麦におきまして四十二万トンの増になりまするし、また小麦におきまして二十一万トン、ネットといたしまして二十一万トンの増加輸入ということになつたわけでございます。
  78. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると、それの総額が五十七万八千九百三十二トン、こういうわけなんですか。あなたの方の答えを聞いたものだと思うのですが、会計検査院が批難事項として掲げた数はそういうことになるのですか。そうすると会計検査院の今の答えと少し違つて来ますが、その点どうなんですか。
  79. 前谷重夫

    前谷政府委員 ただいま申し上げましたのは年間の数字でございます。それで会計検査院におきましては、その時点から以後の輸入数字を押えられたものと思つております。われわれの方は大体この計画によつてつております。
  80. 杉村沖治郎

    杉村委員 私が伺つておるのは年間のことを聞いておるのではない。すなわち三百万枚あるのにかかわらず五百万枚さらに買つたのでしよう。だからその五百万枚買つたときにおける輸入数量というものは、その必要性を認めたから買つたということになるわけです。それを聞いておるのです。年間ではなくして、三百万枚在庫品があるのにもかかわらず五百万枚買うということになつたのだから、買うときにおけるいわゆる輸入計画数量を伺つておるわけであります。
  81. 前谷重夫

    前谷政府委員 麻袋購入の場合におきましては、御承知のように、その以後におきまする到着を考えまして、麻袋需給考えたわけでございますが、その当時におきましての、十二月から三月までの到着につきましては、大麦が三十九万七千トン、小麦が二十二万三千トン、米が三万四千トン、合計六十五万四千トンが到着するであろう、こういう計画のもとに考えたわけでございます。
  82. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると、会計検査院が調べたときの五十七万八千九百三十二万トン、これとは違うわけなんですか。それだから私はさつきから会計検査院に聞いておるのですが、それはいかがですか。
  83. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。御承知のように到着をもつて押えておりますので、調査の時期によりましては、到着がずれる、あるいは早くなるというふうな変更がございまして会計検査院のお調べになつた当時の数字と、——ただいま申し上げましたのは、当初これを購入する場合の見込みでございますので、その間に時点の違いがございますと、到着数量の見込みがやはりかわつて参るということになろうかと思います。
  84. 杉村沖治郎

    杉村委員 あなたの今おつしやる到着見込みの年月はいつを基準としておつしやられておるのですか。
  85. 前谷重夫

    前谷政府委員 二十七年の十一月にその見込みを立てました当時の数字でございます。
  86. 杉村沖治郎

    杉村委員 昭和二十八年一月までの到着予定はどういうぐあいですか。
  87. 前谷重夫

    前谷政府委員 ただいまのは一月から年間でございますか、一月だけの到着でございますか。
  88. 杉村沖治郎

    杉村委員 あるいは今すぐお答えができなければあとけつこうです。たた聞かれたから何でも答えなくちやぐあいが悪いと思つて、いいかげんと申しては失礼だが、確信のないことをやたらしやべられても困るわけだから、今おわかりがなければ、今即座に答えられないから次に答えますというようにしていただいた方がいいのじやないかと思う。と申しますことは、すでに会計検査院があなたの方を当つておるのだから、その会計検査院の当つておることについて、あらかじめ私がお聞きのように会計検査院に聞いておるのだから、ああ、あのことかなというふうにあなたの方でもわからなくちやならぬ。それにもかかわらずそういうように答えが食い違つて来るようでは、今あなたの方でわからないのじやないかと思う。そこでこういうふうに申し上げておきますから、はつきり答えてもらいたい。三百万枚の麻袋があるのにもかかわらず五百万枚もさらに買つた。普通であれば倉庫に積んであるから買わなくてもいいでしよう。それにもかかわらず五百万枚買つたというゆえんのものは、その買うときに三百万枚の袋じや足らないから買つたわけでしよう。その買うと決定したときの輸入見込み数量、すなわち昭和二十八年一月までに到着する見込み契約数量をはつきりと答えていただきたい、こういうことなんです。それを会計検査院の方に私が伺えば、昭和二十八年の一月には五十七万八千九百三十二トン、こういうふうにはつきり数字が出ておる。この数字はおそらくあなたの方から会計検査院の方へ答えた数字じやないかと思うんです。ところが今私が伺えばそれがどうも食い違つておるから、あなたの方はまだそこのところの整理ができておらないか、あるいはとつさで答えができないのかもしれませんから、はつきりしたことがわかれば、次会でけつこうですから文書ではつきり答えてもらいたい。
  89. 前谷重夫

    前谷政府委員 ただいまの会計検査院との食い違いにつきましては、次会に明白にいたしたいと思います。
  90. 安井大吉

    ○安井委員 私も麻袋についてお尋ねいたしたいと思う。ただその当局者をいじめるという考えじやなくして、この事柄の実態が非常に国民に問題になつておる。それを明らかにしなければならない。だから立場があるからかばうとか、あるいは会計検査院のりつぱにあげた事項を否認する意味の事柄は、役所の仕事として私は非常に遺憾だと思う。そこでまず私の伺いたいのは、主としして三百万枚の方を伺いたい。タイ国と話をしたのは二十六年の二月のころである。しこうして二十六年の八月に三百万枚を買おうという約束をした。そうしてその買つたものが二十七年の十一月まで一年三箇月の間ほとんど使用されていない。こういう事実であつて、八億七千万の金を払つておる。一体タイ国が袋をほしいと言つてから後、折衝の結果、二十六年の九月にはすでに袋もこちらから輸出するということについて返事が来ておる。それを納入したのはその年の暮れ、あるいは翌年の一月及び三月である。どうしてそんなつまらない見通しのきかないことをしたか。一ぺん契約したからということでなくて、契約の内容には、いらなければ返すぞと書いてある。いらなければ返すぞと書いた契約があるにかかわらず、なおかつ不用になつたのは九月である。買つたのは十二月であり翌年の一月、三月である。これは一体どういうわけであるかということと、三つの会社がぐるになつて、そうして常に三つの会社として働いておる。一つに響けばすぐ三つにぴんと響くというような購入の仕方は、物を買うのに高く買うもとではないか。なぜ競争をさせて多くの会社から——三つのうち一つでもいいじやないか。しかも生産額は月産八十万俵も擁するならば、何もあえて買いだめをしておく必要はない。これは前からいろいろお話があつたにもかかわらず、三つの会社小泉製麻のほか二社、すなわち三社一体で常にやつておる。これがなぜ改善できなかつたか。またこういう契約があるにかかわらず、一年も一年三箇月も倉敷料を払つて積んでおくようなものをなぜ返さなかつたか。なぜ返す力がなかつたか。こういうことは最も世間の疑惑を招くもとである。月産八十万俵もある会社であるならば、一時に買いだめをして八億の金を支払う必要はない。  なおここで会計検査院にもお尋ねしたいのは、八億七千万円の金を支払つたのは一体契約の後いつであるか。入つたのは一月から三月に二百十二万枚も入つておる。そんなものは当然いらないものである。しかるにこれをあえて買つておる。その後における五百万枚もさることながら、この三百万枚からして、すでに疑惑を招くべき購入の方法である。これを会計検査院の方に伺う。八億七千万円の支払いは、物が入つて後であるか、契約の当時であるか。この書面を見ては、批難事項のこの記載に不明でありますから、あわせてまず御返事を願いたい。
  91. 前谷重夫

    前谷政府委員 ただいまの安井委員お話のように、この麻袋の問題がタイ国から起りましたのは昭和二十六年二月でございます。その後昭和二十六年九月ごろに至りまして、日本から調達しないでタイ国の方であつせんして、日本にその分を買わないかという話がありましたのはお話通りでございます。その後交渉を続けておつたわけでございますが、日本側におきましては、国内の生産をもつてまかない得るという返事を出しておつたわけでございますが、その交渉経緯が九月から十二月まで続きまして、十二月におきまして大体了承が得られたわけであります。ただいまのお話のように、その当時の見込みの問題といたしましては、見込み違いがあつたということはその通り考えられますが、契約をしてその後タイ国との交渉が十二月までかかつた。また朝鮮事変等の事情からして、国内の状態麻袋をある程度政府手持ちしなければならないというのがその当時の判断だつたというふうに考えます。
  92. 小峰保栄

    ○小峰会計検査院説明員 お答えいたします。八月一日に契約したのでありますが、第一回に入りましたのは十月であります。第一回に支払いましたのは十月九日で三百万枚入つたのであります。小泉製麻の分は十一月十七日に二百万枚払つておるのが第二回で、これは全部現品が入つてからあとで払うわけであります。結局三月二十六日までに全部八億七千万円、三百万枚分を払つておるわけであります。
  93. 安井大吉

    ○安井委員 会計検査院に伺います。翌年の三月二十六日に入つた。そういたしますと会社との契約は、会計検査院としては、この中に不用の場合には返還するといつたような条項があるようでありますが、これに対してはどうお考えになつておるか。
  94. 小峰保栄

    ○小峰会計検査院説明員 これは八月に契約いたしまして、九月に外務省あての公電がありまして、タイ麻袋付でなければいかぬということを強く意思表示をした。それを私どもとしては気がついたのは相当あとでありまして、批難でも今おつしやつた御趣旨のことを言つたのであります。二百二ページのところをちよつとごらん願いたいのであります。なお、本件は、契約上納入を中止させることができる条項があるのに、二十六年九月、タイ国政府から麻袋輸出をする旨の意思表示のあつた後も適宜の処置をとらないで三、〇〇〇、〇〇〇枚の全部を納入させた。これがいかぬ、こういうことを意思表示をしてあるのであります。
  95. 安井大吉

    ○安井委員 そうすると会計検査院のお調べに対して食糧庁長官は、この事項は不用であつた、非常に購入がまずかつた、国民に損害をかけた、まことに悪かつたというふうにお考えになつておるのか。会計検査院のこの調べに対して、何か御答弁なさる材料がおありですか、伺いたい。
  96. 前谷重夫

    前谷政府委員 その際の判断といたしまして、外米輸入の問題、それから国内におきまするサウンド・バッグの需要というふうな点を考えまして、需給が相当逼迫するのではなかろうかという判断をいたしたわけでございます。結果といたしましては、ただいまの会計検査院の御指摘もありまするよりに、その見通しにおいてあやまちがあつたために、不要の経費を要したというふうに考えておるわけであります。
  97. 安井大吉

    ○安井委員 二百九十円で買つた麻袋を、民間へわける場合には幾らおとりになつておりますか。お調べによれば約百八十円のようである。先ほどの説明を聞いていると、当時二百九十円は高くはないのだ、もつと高くなるかもしれぬ、大臣は、買つておいた方が得だつたかもしれぬとまでおつしやつておる。それを何ゆえ百八十円で会社に売つたのか。その差額は明らかに損になる。なぜ二百九十円の価格のものなら二百九十円で売らなかつたか、それをお伺いします。
  98. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げますが、御指摘のようにその契約の場合におきましても、また払下げの場合におきましても、時価を出しまして買入れをし払下げをいたしておるわけでありまして、その際におきまする時価の見通しと申しますか、その後におきまして時価が下つて参りましたために、その当時の時価で払下げをいたしたのであります。これは御承知のように、麦の配給の場合におきまして、その麻袋分の価格は、政府が売却いたしました価格でまたそれを卸小売に流して行くわけでございまして、麦の価格とも関連いたしまして、その当時の時価でこれを売り払つたわけでございます。
  99. 山田長司

    山田(長)委員 麻袋の問題をなぜ三社に特別随意契約しなければならなかつたか、その実情を伺いたいと思います。
  100. 前谷重夫

    前谷政府委員 御承知のように、製麻会社は三社ございます。三社間におきまして指名競争入札をするという方法も考えられるわけでございますが、その当時の時価の状況等を考えまして、ある程度価格をきめまして、随意契約をいたしたわけでありますが、むしろ競争入札によるよりも随意契約による方が、その当時の判断といたしましては、より有利ではなかろうか、こういう判断のもとに随意契約でやつたのでございまして、指名競争入札いたしましても、他に競争会社はございませんで、三社とも購入しなければならない、こういう事情になつたわけでございます。
  101. 山田長司

    山田(長)委員 随意契約をしなければならなかつたという実情については、まことに私たちにとつてはふに落ちない点です。これが一つ。  次に伺いたいことは、ちようどあたかも朝鮮事変の勃発された直後のことであつて、これは何か戦争に関係があるような気がするのです。それで警察予備隊なりあるいは海上保安庁なりから、こういうものを緊急に買つて確保しておけというようなことを農林省は言われたことがあるのか、まずこれを伺いたい。
  102. 前谷重夫

    前谷政府委員 これは外米輸入の点から出発いたしましたので、海上保安庁あるいは警察予備隊から、そういう申入れがあつたということは聞いておりません。そういうことはないと思います。
  103. 山田長司

    山田(長)委員 黄変米の問題ですが、一年くらいのことならば了解ができるのですが、三年も四年も五年も続けて毎年米をタイから買つているのに、なぜ貿易商社三社にだけ米の品質その他を見て来ることについて責任を持たしておいて、農林省から役人が行つて調査をするようなことをしなかつたかということを一応伺いたい。
  104. 前谷重夫

    前谷政府委員 黄変米につきましては、御承知のように第一回が起りましてから、その後におきまして外務省の在外高官を通じまして、この規格の点につきましていろいろ交渉いたしたわけでございます。同時にまたこれにつきましてはわれわれの方からも調査に参つたわけであります。ただ先般も申し上げましたように、黄変米考え方と申しますか、黄変米につきまして向う側は毒性がない、こちらは毒性がある、こういう見解の違いが当時はあつた。それでビルマの国立検定局におきましても、ビルマの国内規格におきましても、黄変粒の混入につきまして全然規格がないし、また混入が商取引上一つのフレームの問題になるということにつきまして、ビルマ側としては、こちらの見解を了解しないということで交渉を続けておつたわけであります。それで先ほど大臣からもお話ございましたように、昨年の十月に至りましてようやくビルマ側におきましてその事実を認識して参つた、かような事情にあります。
  105. 山田長司

    山田(長)委員 その黄変米が関西にやみ流しされて、一応関西でこれが検挙を見るに至つたわけなんですが、実際上は何らの障害が起きてないということが私たちにおいては事実だと見られるわけです。そこでもう一つ私は伺うのですが、東洋醸造が関西にやみ流ししたことによつて、東洋醸造ではしようちゆうなり、あるいは酒なりを当然つくらなければならない事態にあつたわけです。その東洋醸造はこの配給を受けた数量に従つてしようちゆうなり酒なりをこしらえていると思うのですが、その分についての税金は国税庁で一体どういう形でとつておるのか。実はそのしようちゆうの分量というものは関東の茨城、埼玉、栃木、千葉、神奈川の五県の農家六十万戸の人たちが出しておるさつまいもでつくておるわけです。こういう事態になつておるので、一体会計検査院は、東洋醸造がつくつたしようちゆうないしアルコールの税金を国税庁でどういうふうにとられておるか調べたかどうか、参考に伺つておきたいと思うのです。
  106. 前谷重夫

    前谷政府委員 毒性の問題でありますが、これは人体実験という問題ではありませんで、はつかねずみの検査におきまして厚生省の方で検討いたしておるわけであります。この黄変米につきましてはいろいろ菌がありまして、菌の種類によりましては毒性がないものもありますし、あるいはまた有毒のものもあるということでありますので、黄変化いたしております場合におきましては、これを国立の研究所に持ち込みまして、そこで培養試験の結果有毒性なりやいなやということを検討いたしてもらうわけであります。その結果が出た場合に、われわれの方におきましてその処分方法について衛生面との打合せをいたしまして、これを売却するわけでございますが、それまでの間、決定いたしまするまでは配給を一時中止いたしておる、こういうふうな事情になつております。ただ御指摘のように、これはごく少量の場合におきまして、それが人体にどういう具体的な害があるかというふうな点については、まだその面におきまする研究が決定いたしておらないというふうな実情であろうと思います。
  107. 小峰保栄

    ○小峰会計検査院説明員 東洋醸造の酒税のことにつきましての御質問でございますが、私実は税の方を管轄しておりませんので、税の方を管轄しております部局の方に帰りまして、打合せてさつそく御返事申し上げたいと思います。
  108. 柴田義男

    柴田委員 この三百万麻袋購入の問題は、どういう角度から見てもお買いになつた事態に非常に疑問があるということはどの委員からの発言の要旨からいつても明らかでありますが、この三百万袋を買いましたあとの、昭和二十七年の十一月末で大型の麻袋で四百三十八万八千袋余、小型に換算すると七百二十一万五千袋余の保有があつたように計算されるのです。そういたしました後に、五百万袋を買つた根拠がまつたくこれまた奇怪至極だ、こういう結論になるわけでありますが、それを今度は数字的に計算いたしまして、前谷長官の十八国会における御答弁を承りますと、麦の輸入多量に目標とされておつたので、その必要からお買いになつた、こういうお答えであつたのですが、小麦の十二月中の輸入見込み数が十五万トン、それからこれに対する必要麻袋が百五十八万六千袋前後だと思います。こういう計算から言いますと、たとえば十二月中における小麦輸入石数を見ましても、なおかつ不必要なものではなかつたかという計算がわれわれにはなされるのですが、それでも何か食糧庁で、計算上やはり五百万袋を購入しなければならない根拠があつたのかどうかこの点をまず承りたいと思います。
  109. 前谷重夫

    前谷政府委員 先ほど杉村委員からもお話がございましたが、詳細の数字は会計検査院との調整をいたしまして、数字の根拠を明らかにいたしたいと思いますが、御承知のように、大体月別に到着数量考えまして、そうしてその月の回収の見込み数量ということを考えまして、麻袋需給を年間として立てておるわけであります。その年間として立てました場合におきまして、あの当時におきましては三月末の持越しが十二万枚になる見込みであつたわけでございます。さらにそれにパキスタンから小麦と交換に五万トンの米を買う約束になつておりました。その際に麻袋を返還するという附帯条件がついておつたわけでございます。その分も見込みますと、その当時の回収見込みからいたしますと、十二万枚からさらにその五万トンの米の麻袋の返還の分を差引ますと、三月末においてストックはゼロになる、こういう計算になつたわけでございます。その需給のもとにおきまして購入をいたしたわけでございますが、その後における回収が相当良好になつて来たという点が一つの見込み違いとなつたというふうに考えております。
  110. 田中彰治

    田中委員長 お諮りいたします。二月三日、水曜日に、国税庁の間税部長山本菊一郎君、熊野酒税課長、この二人を呼びますがいかがでしようか。
  111. 柴田義男

    柴田委員 それに関連して。前の理事会ですでに決定を見ておられるようでありますが、例の造船疑獄を中心といたしまして、開発銀行等からまだ造船会社に現に金が出ておらぬ。相当莫大な金額が残つていると思いますので、開発銀行その他の関係金融機関の調査もやつていただきたいと思いますが、お諮りを願いまして、急速にこの開発銀行その他の金融機関よりの参考人をお呼び出し願うこと、もう一つは造船関係に対しまして、どういう金の出入りがあるか調査をいたしたいと思いますので、あらかじめ資料を整えて出席をさせていただきたい、こう思いますので皆さんにお諮り願いたいと思います。
  112. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ただいまの動議でありますが私も賛成であります。賛成でありますが、こういう順序にしていただいたらどうかと思うのであります。これは運輸省、大蔵省あるいは政府関係機関の融資などの予算とか、あるいは融資に関する国政調査事項に該当する事案であります。そこで第一は、日本開発銀行、日本興業銀行、日本長期信用銀行、こういうふうに限定いたしまして、この三つの金融機関から、第六次造船、昭和二十五年十二月一日以降の貨物船、昭和二十六年十二月一日以降の油槽船、これらの建造に関する融資の一覧表、特に借主である船会社の本店社名、あるいは船名、種類、トン数など、貸付けた年月日、あるいは契約の条項、貸付方法、元利金の支払いの実績と期末の残、並びに貸付金につきまして、元利金につき昭和二十八年八月十五日当時の残高、すなわち十六国会において議決いたしました例の外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法、あれの法律の施行のときであります。大体こういうようなこと、及び造船所など明細わかりますような資料、第二には運輸省につきまして、やはり資料を要求した方がいいだろうと思います。運輸省の資料といたしましては、第六次計画造船以後の、特に査定いたしました造船単価の変遷など、あるいは借主船会社などの計画造船についての許可の申請の要旨、あるいは船会社についての重役の氏名、及びこれらに関連いたしまして、融資をめぐる各般の資料をひとつ出すようにおはからい願いたい。私はまずこの資料に相当日がかかるだろうと思います。資料は正確なものを出していただいてそれから調査に入る、こういうことの方がいいじやないかと思います。柴田さんの御趣旨には同意でありまして賛成いたすのでありますが、取扱いの方法についてさようにできましたならばたいへんけつこうだと思いますので、おはからい願いたいと思います。
  113. 杉村沖治郎

    杉村委員 私はこれは非常に賛成で早くこれはやらなければならぬと思う。悪いことをするやつは証拠湮滅をはかる。そこで私はひとつわれわれの方からは資料を委員長を通じて提出をお願いしますが、会計検査院は独自の立場でひとつ検査してもらいたい。利子補給、融資関係について、もうこまかいことは申し上げませんでもおわかりであろうと思う。どうぞそういうふうに願いたいと思います。
  114. 田中彰治

    田中委員長 お諮りいたします。二月三日に理事会を開いて、今の杉村沖治郎君の御提案の、この問題について、皆さんから持ち寄つていただいて、それについて会計検査院で調べていただく、また吉田賢一君の今の資料を取寄せる、この御提案に賛成の方の起立を求めて多数によつてきめたいと思います。     〔賛成者起立
  115. 田中彰治

    田中委員長 起立多数。よつて決定いたしました。
  116. 安井大吉

    ○安井委員 ニューエンパイヤが公園敷地を使用して、あの跡片づけがどうなつているかまだわからぬ。あれをひとつ確かめていただく。  もう一つは、一昨々日の本会議にニユーエンパイヤの顧問あるいは何かにおいて、山口喜久一郎議員が車をどうかして乗りまわして云々、その端は決算委員会から発した、こういう話もあつたのであります。決算委員会の名誉のためにも、また同僚議員の名誉のためにも、理事会を開いてこの取扱いを検討していただきたい。
  117. 田中彰治

    田中委員長 安井委員に申し上げますが、実は山田長司委員お話しして……。
  118. 山田長司

    山田(長)委員 うつかり話をされてしまうと、ちよつと実は私の立場がなくなりますので、委員長の発言中に発言をとつたわけですが、実はこの間同僚高津議員が本会議場において、ニューエンパイヤ問題について山口喜久一郎氏のことについて発言をいたしたのであります。このことにつきましては、党といたしまして国会対策委員会がこの問題をやはり取上げました。その結果、わが党としては綱紀粛正委員会をこしらえて、一応この問題を徹底的に調べてみる必要がある、こういう結論に到達したわけであります。そこで決算委員会から出た問題でありますけれども——委員長がどういう発言をされるかわからないうちに私発言をとつたわけでありますけれども、そういう実情になつておりますことをお含みおきを願いたい。どうぞひとつよろしく願います。
  119. 田中彰治

    田中委員長 委員諸君にお諮りいたしますが、あのときに、山口喜久一郎君がニューエンパイヤの顧問である、自動車をもらつたのではないかという山田長司君の発言に対して、みんなが調査をした結果、その事実なしということにして——私も責任を持つてその調査には当つたのですから、一応委員会としてはそういうものなしと考えておるのでありますが、これについて安井委員の言われる通り理事会を開いて善処することにいたしましよう。
  120. 杉村沖治郎

    杉村委員 日本通運の問題が、やはり刑事上の問題として今展開されておりますが、あれはまだ外郭団体は済んでいないのだから、そういうような点も考えておいてもらいたいと思います。
  121. 山田長司

    山田(長)委員 実は本日栃木県におきまして、農林省から払い下げた外麦の問題について緊急農民大会が持たれておるわけでありますが、そのことについて一言農林省に伺つておきたいのです。飼料需給安定という形で外麦を農林省で払い下げておるわけですが、それを栃木県の安佐酪農組合の組合長の荒川幸平という人が、去年の八月以来毎月五十トンないし百トンずつ払い下げを受けておつたわけであります。そうして十一月十九日に東北線の間々田の全購連の倉庫からこれを全部持ち出しまして、栃木県安蘇郡の葛生町にある相子製粉という会社に持ち込みましてこれを全部粉にいたしました。それで田沼町の上町にある安蘇製菓という製菓工場へこの粉を持つて行きまして、全部かりん糖につくつてしまいました。それでそのかりん糖で不当利得と目されるものが千五百万程度の金があるようであります。そうして栃木県下の酪農者にただの一粒の麦も配給していないのであります。きよう田沼町り耕地会館という事務所で酪農者が全部集まりまして大会を開いております。そういうわけで、農林省ではこの外麦を幾らで払い下げておるのか、ひとつ参考に伺つておきたいと思います。
  122. 前谷重夫

    前谷政府委員 価格につきましては後ほど調べて申し上げますが、この飼料需給安定法は、御承知のように、輸入をいたします飼料用の小麦、大体マニトバ五号となるわけでありますが、これを入札によつて食糧庁が払い下げをいたしております。その入札の場合におきましては畜産団体を限定いたしまして、畜産団体に指名入札で、そのときの時価によつて払い下げをいたしておるわけでありますが、そのときどきによりまして国内の飼料価格が変動いたしまするから、入札価格は時期によつて違うかと思いますが、払い下げの価格は調べまして後刻御報告いたしたいと思います。
  123. 田中彰治

    田中委員長 それからこの事件の内容を調査して、この次資料を出してください。三日までに間に合わなければその次でもいいですが、重大な問題ですから……。
  124. 山田長司

    山田(長)委員 今のにつけ加えて申し上げるのですが、数量価格、これを次の委員会に出される前に、あした済みませんけれどもとつ私のところに特別に出してもらいたい。私すぐ使いを出して酪農組合の方に知らせたいと思いますから、どうぞひとつお願いいたします。
  125. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げますが、ただいま申し上げましたように、時期によりまして価格が違いますから、どの団体に行つたかわかりませんが、入札価格をお知らせいたしたいと思います。
  126. 田中彰治

    田中委員長 本日はこの程度といたし、次会は二月三日水曜日午後一時から開会いたします。これで散会いたします。     午後四時七分散会