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竹谷源太郎君 ただいまから
国土開発中央道事業法案の提案理由を説明いたしたいと思いますが、これに先だちまして、本
法案を提出いたしました基本的構想について若干申し述べたいと思います。
わが国の
人口はすでに八千七百万に達し、近い将来一億に達するのでありますが、これだけの
人口が二十七万方キロの狭小な国土に
生活しているのであります。しかるにこれら
人口の大部分は、この狭小な国土のわずか二〇%足らずの平地地帯に蝟集している状況でありまして、国土の八〇%の地域は人間の住むに値いしない地域として残されているのであります。そこでここに思いを一新し、この残された国土のうち、自然地理的に人の住み得る範囲の土地を、経済的社会的に人の住むに値いする領域といたしますならば、国土の中に新たな国土が現われるごととなり、いたずらに限を外に向ける必要はないこととなります。このためには、この地域を経済的社会的地域たらしめなければならないのでありますが、それには交通条件の整備を先行さすべきであります。
今、近代的自動車道をこの未開発地域に貫通させ、この地域に残された啓源の開発、耕地、牧野の造成、適地産業の立地等を促しますならば、ここに新たに
人口を定着し得ることとなるのであります。これは迂遠の方策に似て、今日及び将来のわが
国民経済の再建、
国民雇用の達成の上に欠くべからざる
施策であるのであります。
その理由は、わが国の国際収支を見ればわかりますように、それははなはだしく不均衡でありまして、その
原因の最たるものは、食糧、衣料原料及び工業原料の輸入量の大きいのに対し、輸出すべき製品の少いことによるのであります。これの改善のために目先種種な
対策も必要でありますが、根本的には、まず食糧及び衣料原料の輸入を減らす一方、わが国独特の産業を振興させることが必要であります。
食糧については、単に米麦の増産にとどまらず、総合食糧
対策を立て、酪農、牧畜等の振興をはかる必要があるものと思われます。そしてそのためには、今日放置されている原野、草地の利用高度化がはかられなければならないと同時に、
人口、都市及び諸施設が、農耕地として最適の平地地域に蝟集し、または過度に集中し、年々数万町歩の農地壊廃を来しつつある状況を改める必要があります。
衣料原料につきましては、綿、羊毛にかわる合成繊維工業の発展をはかるべきであります。また、材料を外国に仰ぐことを少くして、附加価値の大きい精密工業のような、または大部分の原料が国内で得られるセメント工業等の振興をはかるべきであります。東南アジア諸国が着々として軽工業圏となりつつある現状において、わが国はすみやかに産業構造を転換させ、その生きる道を発見しなければなりません。これは今日産
業界の先覚者の強く主張する
ところでもあります。
従つて今日わが国は、国土の中に新たな国土をつくり出し、ここに今後増加する
人口を定着させ、平地地帯における
人口の蝟集、都市の過大化を防ぎ、貴重た農地はできるだけこれを保存し、一方この山地地帯において土地利用の高度化をはか
つて、酪農等の発展をはかるとともに、精密工業等、前記工業が内陸工業たるの性格にがんがみ、ここに立地条件を整備して、これら定業衣誘致する根本
施策を講ずべきであります。ことに今日、極度の
金融引締めによ
つて中小企業の倒産は著しく、また潜在及び顕在失業者は日一日と増大し、
国民は前途に光明を失い、社会不安は憂うべき
状態にあり、これが
対策は焦眉の急とな
つておりますが、国土開発道路の建設は、失業者及び未就業者に就業と新たなる天地を与え、
国民に光明を与えるものであります。
以上の構想はなお十分に意を尽しませんが、その構想に基いて、その第一期計画として本
法案を提出した次第であります。これより本
法案の説明に入りたいと思います。
まず本
法案の目的といたします
ところを申し述べたいと思います。その第一は、国土開発中央自動車道と名づけます
ところの高速自動車道を、中部山地地帯を貫通させまして、
東京・伸戸間に開通し、東西の経済圏を最短距離、最短時間で連絡しようとすることであります。
その第二は、この自動車道の開設と相ま
つて、これにかかわる自動車道事業及び自動車運送事業、または沿線の土地、森林、電気事業等を一体的に
経営することによりまして、沿線地帯における豊富な森林、水力、地下、観光、土地等の未開発資源の開発、精密工業または酪農等の避地産業の立地振興、これに伴う新都市及び新農村の建設等いわゆる総合開発をはかろうとすることであります。
その第三は、以上の自動車道及びこれにかかわる諸事業、すなわち国土開発中央道事業の
経営を一体的、能率的に行わしめますために、国土開発中央道事業公社の設立をはかろうとすることであります。
その第四は、国土開発自動車道は、
国民経済力の発展と
国民の
生活領域の拡大を期して、国土の新たな開発をはかることを目的とし、従来の
人口稠密地帯を縫い、都市と都市を結ぶという常識的な道路建設の目標や、経済的測定の尺度を根本的に一新し、国土計画の見地から縦長なわが国土をできるだけすみやかに連絡するとともに、未開発地帯の開発、新産業の立地振興、
人口の再配置等をはかることができるよう、主として国土の脊梁部を縦断または横断させて、国土の全土にわたり逐次建設することを目途とする高速幹線自動車道路の第一期事業として着手することであります。
従つて本事業の成功をまちまして、東北自動車道、九州自動車道のごとく、逐次これを開設するとともに、これにかかわる事業の
経営をはか
つて行くことを期しておるわけであります。
次に中央自動車道の性格について申し述べたいと思います。
第一にその総延長は四百九十キロメートルでございまして、その経過地は、地図でごらん願いたいと思いますが、
東京都区内を起点とし、
八王子を経て神奈川県与瀬町を通り、山梨県大月町から富士吉田市を経、富士山北麓を富士を左に富士五湖を右に見て精進湖畔に達し、ここから富士川におりてこれを渡り、支流の早川沿いにきかのほ
つて赤石山系の東側に深く入り、約七キロメートルのトンネルをくぐり赤石山の内ふ
ところに顔を出します。ここが静岡県の大井川上流で、ここの標高か九百四十メートルで、本経過地中の最高標高地点であります。ここから本経過地中最長の約九キロメートルのトンネルをくぐ
つて、長野県の天龍川の支流遠山川が赤石山系の西側に深く入
つたところに出ます。これからしばらくこの川に沿うて下り、途中からこれをはずれて約五キロメートルのトンネルを二つくぐ
つて、ちようど天龍峡で天龍川を渡り、今度は恵那山系に近づき、約六キロメートルのトンネルで岐阜県の中津川に出て、ここからは一路多治見市を経て愛知県に入り、名古屋市と岐阜市の中間を抜け、大阪市の北方から神戸市に至るわけであります。このコースは、地図を一覧願えればわかりますように、
東京・神戸間を直線で結ぶコースの上をほぼたど
つておることとなりまして、
従つて四百九十キロメートルの総延長は
東京・神戸間の最短距離となるのであります。
このコースは、従来中部山地地帯が障害とな
つており、特に赤石山系は富士川と天龍川にはさまれた間が約四十キロメートルもありまして、とうてい横断不可能と思われていたのでありますが、先刻申し上げた通り、この赤石山系はその東側に富士川の支流早川が、その西側に天龍川の支流遠山川が、それぞれ東西の流れで深く入り込んでいることと、大井川がこの山系を縦に真二つにわけていて、しかもその地点の標高は九百四十メートルにすぎない上に、その緯度も
東京より南寄りで、この地点を通過する限り、さして雪害の
心配もないという天与の地形をなしていることによりまして、七キロメートルと九キロメートルの二つのトンネルを貫通すればここを突破することができるのであります。この赤石を突破しますならば、中部山地地帯のその他の地点はそれほど困難な地形ではないのであります。
以上の経過地をたどるのでありますが、巧みな設計によりまして、最急勾配四%、最小曲線半径二百メートルないし三百メートルを保持し、乗用車は時速百キロメートルないし百二十キロメートル、トラックまたはバスは時速六十キロメートルないし八十キロメートルの高速自動車道とすることができ、これにより
東京・神戸間を乗用車で約五時間、トラックまたはバスで約七時間の最短時間で連絡することができるのであります。
第二に中央自動車道は、ただいま説明いたしました通り、九キロメートル、七キロメートル、六キロメートル、五キロメートル、五キロメートルの五つの長大トンネルを貫通させることが特色となるのでありますが、これをおそれてトンネルの延長を短かくしたり、またはこれを避けるためただいま述べましたコースをはずれて迂回し、または標高の高い
ところを通過しようとしますならば、道路延長が増し、曲線が多く、勾配が急となり、また地くずれ、なだれ等の被害をこうむることとなり、高速自動車道の本質が失われるのみならず、後に述べますように、この地帯の資源開発、産業振興上の効果を著しく減殺するものとなりますので、本
法案の第三条におきまして、中央自動車道の満たすべき要件を規定いたしたのであります。
長大トンネルにつきましては、もちろんわが国従来の旧式土木施工法によ
つては不可能視されるのでありますが、本自動車道を施工します場合には、最新の土木技術と機械力を縦横に駆使しなければならないのでありまして、これによりますならば、従来七キロ延長のトンネル掘弊に十年を要しましたものが二年で足りることとなるのであります。
従つて中央自動車道の開設工事によ
つて、わが国の土木技術の
近代化と施工の機械化が期待されるわけであります。
第三に、以上の近代土木技術と機械力の活用によりまして、工事期間は五箇年、その総経費は約一千億円の予定でありますから、年間約二百億円の投資によりまして中央自動車道は開設されるのでありますが、この投資額に比して、
国民経済上プラスされる
ところははるかに大きいのであります。
第四に中央自動車道は、その経過地が主として山地地帯であるため、農耕地の壊廃、人家の移転等の被害損失を住民に与えることがきわめて少く、また買収すべき用地の地価“安く、このことは開発事業の実施上重要な要素をなすものと思われます。
第五に、中央自動車道は
東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸の六大都市、すなわちわが国の経済中枢部を最短時間で連絡すると同時に、未開発の中部山地地帯、特に富士山麓、赤石山系、長野県南部、恵那山系、岐阜県東美濃等の地域を貫通することにより、重要経済圏の連絡と未開発地帯の開発を同時に達成することができるのみでなく、連絡道路を整備することによりまして、表
日本、裏
日本を容易にその勢力圏に収めることができるのでありまして、国土の開発上もつとも経済的、社会的効果の大きい路線であることであります。
また本自動車道は、現在開発または
調査中の富士・白根、天龍・東三河、木曽等の特定地域または
調査地域を貫通し、その開発を促進するものとなります。すなわち中央自動車道は、単に既開発地域の交通輸送のスピード・アツプ路線にとどまるものでなく、また単に未開発地域の開発道路にとどまるものでもなく、その両者を兼ねるとともに、表裏
日本をも結ぶ新たな幹線道路となるものであります。これが国土開発中央自動車道と名づけるゆえんであります。
次に本
法案の意図します
ところは、ただに自動車道の開設にとどまらず、その開設を根幹事業といたしまして、自動車道事業および自動車運送事業または沿線の土地、森林、電気事業等の一連の事業を
経営いたしますことによ
つて、文字通りの総合開発、すなわち自動車道を中心とする総合開発をはかろうとするのでありまして、この点につきまして申し述べたいと思います。
第一に申し述べたいことは、本地域と申しますか、本事業と申しますか、ここにおいては総合開発が実際に行われやすい条件を具備しているということであります。総合開発を効果的に実施して行くことが、今日わが
国民経済に課せられた最重要課題であることはここに申し述べるまでもないのでありますが、この
施策は、国土総合開発法その他に基きまして、近年ようやくその緒についたとはいえ、なおその真の成果が発揮されているとは言いがたいのでありまして、その
原因は種々あると思いますが、その一は、
電源開発を除き苦しては、開発事業の多くはただちにペイしない、いわゆる長期投資的な事業であるため、今日の財政状況ではその投資が渋られがちであること、その二は、種々の開発事業がそれぞれいわくつきであ
つて、その調整が容易でないため、これらの開発事業のうちただちにペイする事業と長期投資的事業とを巧みに組み合せ、できるだけ
企業的に実施して行く仕組みがないことによる点が大きいと思います。
国土開発中央道事業におきましては、中央自動車道の開設は、もちろんそれ自体は長期投資的事業でありますが、幸いなことに、それはわが国の経済中枢を最も有利な条件で連絡する路線であると同時に、この沿線地帯における森林、水力、観光、土地等の未開発資源は、この自動車道の開設によ
つてただちにその経済価値を発揮するに至るものでありますから、この自動車道事業及び自動車運送事業と森林、土地、電気事業等の
経営とを組み合せて行きますならば、その
企業的
経営は十分に可能となるのみならず、一方これら事業は従来その事業化が放置されていた、いわば何らいわくつきのものでないので、こうした一体的
経営を妨げることが少いと
考えられるので、ここにおいて総合開発の実を上げることが十分に期待できるのであります。
第二に、国土開発中央道事業の内容について具体的に申し述べますならば、この中央自動車道沿線の未開発資源のうち、特に本自動車道の開設によ
つて直接事業の対象となるものは次のようであります。
その一は、赤石山系、恵那山系における奥地未開発森林でありますが、その蓄積は一億石を越えています。これは現在文字通り未開発でありまして、本自動車道はこのどまん中を貫通しますので、林道または水路の附帯建設によ
つて年間二百万石、石千円としましても二十億円の用材の伐採、搬出が容易となるのであります。ここから、たとえば
東京からわずか一時間半の距離となりますから、ちようど奥多摩の山系に赤石山系が忽然として移転したと同じことになります。
その二は、早川、大井川、遠山川における未開発電源でありまして、約五十万キロワットに達します。資材運搬の容易と、これらはいずれも人家の水没等に対する補償問題を伴なわないのでありますから、その発電コストは極度に引下げられます。また、その貯水池群を巧みに連絡することによりまして、木材搬出のための水路を兼ねさすことができるのみでなく、これらはいずれも河川の最上流部に属しますので、治水、砂防上有効となる等の多目的効果が期待されるものであります。
その三は、富士山麓、長野県南部、岐阜県東濃等の地域における広大な土地の利用であります。これらの地域は、大都市地域からいずれも短時間で達せられることとなりますので、大都市地域の近郊または背後地とな
つて、これらの地域の持
つている自然的、社会的条件に経済性が加わり、特に精密工業については、湿気、潮風、塵埃のないこと、地盤の強固なことによ
つて、従来のわが国精密工業が海岸地帯に立地しており、そのため精度に欠くる
ところがあるのに対して、東洋のスイスに比すべき地域を与えることとなるほか、内陸工業の立地を促し、または大都市地域を控えた集約的酪農等の振興の
原因となり、また観光、文化等施設の立地誘導等が可能となり、その土地利用の高度化、土地価格の高騰が見込まれるのであります。
その四は観光であります。富山山麓は言うに及ばず、南アルプス、恵那山系の景勝は驚くべきもので、特に大都市地域から短時間で達せられることとなることは、その利用価値を一層大きくするものでありまして、国際および国内観光上東洋のスイスたるにふさわしい新たな境地を開くものであります。
その五は地下資源であります。石灰石、蛇紋岩等のほか、金、銀、銅、亜鉛等の埋蔵があり、恵那山系は特にわが国に残された豊庫であるといわれています。
その六は、本自動車道による自動車道事業及び自動車運送事業でありますが、この事業は、第一に中央自動車道の勢力圏の広さにより、第二に以上説明いたしましたような資源開発、産業立地、
人口集中等により、その採算性につきましては、容易に御判断していただけると思うのであります。
第三に、
企業的、採算的ということを申し上げましたが、もちろん一
企業におけるそれを言うのではないのでありまして、国土開発中央道事業が
国民経済へのプラスをできるだけ大きくすることができるよう従来のような非能率的実施を排し、能率的効果的実施を期するためにとられる方途として
考えられていることは申すまでもないのであります。
次に、本
法案におきましては、国土開発中央自動車道の開設と、これにかカる事業を国土開発中央道事業と称し、これを個々の事業としてでなく、一体的事業として
経営し、その効果をすみやかに上げ、も
つて公共の福祉を著しく増進することを期しているのでありますが、このために、まず国において基本計画を確立し、これに基く実施の大部分を国土開発中央道事業公社をして当らしめることとしているのでありますが、これについて申し述べます。
第一に、国において基本計画を樹立することにつきましては、その一は、昭和三十年度を開始年度とする五箇年計画として国土開発中央道事業審議会の議を経て決定することとし、本年度中にその基礎
調査を完了することを義務づけております。その二に、本計画は、国の根本
施策に属するものであり、かつその実施は長期にわたり、また従来と異なる方式によらしめるものであるので、その計画について
国会の承認を求めさせることとしております。
その三に、本計画の内容は、自動車道の建設計画と、この沿線地帯における資源開発、適地産業の立地振興、新都市及び新農村の建設、治山、治水、水道、
電源開発、電気通信計画とし、これに加え、これは本
法案の特色でありますが、これらの事業のため損失をこうむる住民に対しては、単に金銭補償というにとどまらず、彼らができるだけこの沿線地帯においてその損失を償われ、またはその
生活を再建し、環境を整備することができるよう、定住地設定等の事業をその補償の範囲内で、または補償と関連して行うよう補償計画を含ましめることとしているのであります。
第二に、国土開発中央道事業公社につきましては、その
一つの業務として、中央自動車道の建設と、これにかかる自動車道事業及び自動車運送事業の
経営を主とし、これに沿線の土地
経営、この自動車道の開設によ
つて開発が可能となる一定範囲の奥地未開発森林の
経営、適地産業の立地振興をはかるためのパイロット
工場または試験場の
経営、これらの事業と関連して必要な範囲の治山、治水、水道、発送電、電気通信をあわせ行い、このほか補償事業を直接行うこととしております。その二は、これらの事業を行うため必要な土地、奥地未開発森林等の国有財産を、国有財産法第十八条の規定にかかわらず本公社に出資することを規定しております。その三に、本公社の資本金は、前記の現物出資のほか、一千億円の
現金出資による
政府の全額出資とし、
関係地方公共団体、民間受益者からは、
政府保証による事業債によ
つて資金募集をすることとしております。その四に、公社の予算は、その事業を
企業的に
経営することのできるよう、需要の増加、経済事情の変動、その他予測することができない事態に応ずることができるよう弾力性を与えるようくふうしてあります。その五に、公社の
経営については、役員として
理事長一人、
理事二人及び監事二人の少数精鋭主義をとり、
理事会かその業務
運営の重要事項の決定
機関となり、
理事長及び
理事は、その決定に従う業務の執行
機関となるものとし、その責任を明確にし、全責任をも
つてその業務に当らしめることとしております。その六に、公社は、諸般の事業にわたるため、内閣総理大臣が二元的に監督することとし、その業務計画については、国土開発中央道事業審議会の
調査審議を経て、一元的に内閣総理大臣がこれを承認することとしております。
最後に、中央自動車道事業が、
国民雇用の上に及ぼす
影響について申し述べたいと思います。この事業の遂行のため、延べ約八千五百万人の技術者、事務従事者及び労働力を必要とします。今日職を得べくして得られざる数百万の地方青年を組織し、技術的訓練を与えつつこれに従事させるならば、その与える好
影響ははかり知れざるものがあります。以上は直接必要な労働力でありますが、開発事業の進展に伴い、さらに新たな需要を来たすものであることは言うまでもございません。
以上をもちまして、
国土開発中央道事業法案の提案理由の説明を終えたいと思いますが、
委員会におかれては、本
法案の意図します
ところを十分に御理解いただきまして慎重に御審議あらんことをお願いいたす次第であります。