○
佐々木政府委員 お
手元に
資料を差上げてありますので、その
資料に基きまして、初めただいま
委員長から御指摘がありましたように、
電源開発基本計画の
説明をいたしまして、それが済みましてから、引続き
国土総合開発計画の御
説明を申し上げたいと思います。
四月七日、今週の木曜日でございますが、第十四回の
電源開発調整審議会を開きまして、二十九
年度の
電源開発計画をきめていただいた次第でございます。従来二十七年からこの
審議会が開催されたわけでございますが、御
承知のように、
促進法が成立いたしましたのが二十七年の七月の末でありまして、いろいろの準備の
関係上
基本計画が
はつきりきまりましたのは、たしか九月か十月ごろだ
つたというふうに考えておりますが、二十八
年度におきましても、
皆さん御
承知のように
予算の成立が延びまして、実際にきま
つたのは七月くらいだ
つたと思いますので、これもやはり九月くらいにきま
つたわけです。それで
委員の
方たちから非常に
要望がありますし、実際また
委員の
要望通り運営するのが至当だと考えられましたので、今
年度はそういう
年度の途中で
基本計画をきめるというような行き方をやめまして、
年度の初頭に
基本計画を定めまして、そして
継続分並びに
新規に
着手になりますものは
着手するという態勢をとるのが、本筋だと思いまして、そういうふうに本来の姿に返
つたわけでございます。ただ
予算の中で、
国家予算の分は、大体
了算が
通りましたわけですから、そのまま計上できるわけでございますけれども、特に
社債とかあるいは
増資等の九
電力分といたしましては、現在の
経済の諸
情勢からいたしまして、なかなか見通しが困難な
情勢でございます。これは、
一つにはまた
料金等も関連する問題でもございまするし、すぐ現在の状態で、一年間これでやれというふうに、
はつきりきめるわけにも参らぬような
状況でありますので、実はそういうものが
はつきりいたしましてから、特に
新規の
地点等を定めたいというふうに考えておりましたが、そういたしますと、この
計画を定めるのが、また昨年、一昨年のようにだんだん遅れてしまうということでは、また弊害も起
つて参りますので、若干の未確定の分があ
つても、全体をスムーズに進める上からいたしまして、とりあえずこの
基本計画の
大綱だけをまず定めてもらいまして、そうして
年度の途中におきまして
変更等が生じますれば、それに応じて
審議会を開催して修正するというふうな
建前にしたらどうだろうということで、この
基本計画を定めたわけであります。
基本計画の
概略の方針といたしましては、根本的な態度は今の
通りでございます。ただ
基本計画の
内容といたしましては
三つございまして、これは政令できま
つているわけでございますが、
一つは、毎年
長期の
電源開発の
目標というものを発表することに
なつております。それから二番目は、その
当該年度で
開発する
資金量、
工事量等をそれぞれ発表することに
なつております。第三番目は、
電源開発株式会社の
新規地点名あるいは
規模様式という、細部の点にわたりましても、これは
基本計画を定めるという
三つの問題が、
基本計画の主たる
内容でございます。
第一点の将来の
開発目標に関しましては、ただいまのところ、前にいつか御
説明申し上げたと覚えておりますが、
岡野構想当時に定めました三十二
年度の大体の
日本の
経済規模、従いまして産業の
規模というものから想定いたしました
電力需用を
基礎にしております。それではその後この問題はまだ
改訂していないのかという御質問があろうかと思います。実はしばしばその
改訂を企図したのではありますが、
ちようど緊縮財政という時期に逢着いたしまして、まず
経済の安定ということが
経済政策の主
目標に出て参りましたので、もう少し
財政政策なり、金融
政策なり、貿易の趨勢なり、諸般の
政策の推移を見まして、実際の
効果がどういうふうに出て来るかという点を見定めた上で将来の傾向を、定めた方が、しばしば将来の
目標をかえるよりは、かえ
つてベターじやなかろうかというふうにも考えられます。
従つてただいまのところは、将来の
目標をかえないで、とりあえず今まで持
つておりました三十二
年度の
目標をそのまま採用して、その
目標を
中心に
開発を進めるということにいたしてございます。もう少し
経済の
安定点と申しますか、こういう点が明確に
なつて参りますれば、当然この
改訂の要はあろうかと思いますが、ただいまのところは、従来の
計画をかえないで、その
計画をそのまま遂行するという
建前で進んでございます。
それから二番目の二十九
年度そのものの
開発の
規模なり
所要資金等に関しましては、先ほど御
説明いたしましたように、一応定めておりますけれども、これもこの
年度の途中で
社債あるいは
増資等、いろいろ変化があろうと思いますので、こういうものがかわ
つて参りますれば、ある程度
変更を要するということで、
大綱のみを定めた次第でございます。そのねらいといたしましては、
継続工事に
重点を置きまして、これはどんどん推進して行く。
継続工事の中でも、特に二十九
年度に完成するもの、あるいは三十年の初頭に完成するとい
つたようなものは、特別に力を入れまして、これだけは
予定通り完成してしまうという
建前をと
つてございます。
従つて新規のものはどうしても
資金が非常に圧縮されるような次第でございますので、きゆう
くつに
なつて参るわけでございますが、今まで
継続工事でや
つておりました
工事の完成を見たときに、その
発電力が最も有効に活用できるためには、今からそれにマッチする、
調整のとれた
新規地点の
開発の必要が、どうしても起
つて来るわけでございます。たとえば
水力の
地点でございますれば、
水力ができたあかつきにおきましても、
水力がフルに活用できるためには、それに附帯しまして
火力も同時に完成して行きますと、その
継続事業の完成した設備が非常に
効果的に動くというような点もございましよう。あるいは本来の
ダムを完成しまして、それに附帯した逆
調整池というものをつく
つておきませんと、その本体ばかりではなく、
国土総合開発その他にも非常に影響が多い、こういうものは、やはりそれと並行して
開発をして行かねばなりません。
従つて形式は
新規ではありまするが、実態的にはむしろその
継続であるとみなしてもさしつかえないものを
最小限度にやりまして、これを
新規地点として、若干
地点だけ
計画されております。その他送
変電、
配電あるいは
ロス軽減のための
改良工事等に関しましては、従来より以上に力を入れるように考えてございます。大体の考えといたしましては以上の
通りであります。
以下お
手元に差上げました表の
数字によりまして御
説明申し上げたいと思います。一番初めに、二十九
年度企業者別電源開発資金見込みというのがございます。二十九
年度の
所要資金の総額が千五百九十三億、二十八
年度は千六百七十九億で、大体千六百億台で五箇年
計画を遂行したいというのが従来からの主張でございましたが、先ほど御
説明申し上げましたように、
緊縮財政の結果あるいは金融引締めの結果、
開発資金そのものが非常にきゆう
くつに
なつて参りまして、こういうような結果に
なつた次第でございます。この中で特にきゆう
くつになりましたのは、
九つの
電力会社の面であります。
開発会社は昨年の二百五十億から本年は三百億というように、むしろ増加してございます。
公営はほぼ同じ、
自家用は非常に
減つたようにここでは見えますが、これに関しましては、今までの
継続のみを取上げております。今までやりました中で、どんどんや
つておるのはもう完成しておりますので、
残つた事業のみを遂行するわけでございますから、これは別にさしつかえないと思います。従いまして特に問題の点は、
九つの
電力会社にあろうかと思います。今の
自家発のところの二十九
年度のところに十億あるいは二十億、四十億あるいは三十億とありますのはどういう
意味かと申しますと、実は
自家発の方は
開発銀行の
資金の中で
——本年度の
開発銀行の金の出し方は九
電力会社並びに
船会社の分だけは明確にきめまして、それ以外の鉄とか石炭とい
つたようなものは、全部まとめてたしか九十億だ
つたと記憶いたします。あるいは
数字が
ちよつと違うかもしれませんが、そういうふうにきめておりまして、その
内訳はまだ明確にきめてございません。そこで
電気の方といたしましては、その中に
自家発の
部分が入
つておりますので、十億から二十億くらいはどうしてもほしい、できれば二十億ほしいというのに対して、まあ十億くらいが
限度ではなかろうかという
議論もございますので、十億
——二十億というふうに幅をもたせて、そのいずれかにきめるということでこう書いてございます。
二番目に
公表事項というのがございます。これは
基本計画が定まりますれば、それを
公表するわけでございまするが、この
公表の
意味は
皆さんも御
承知のように、
新規の
地点等でありますれば、
公表後一箇月以内に
関係の第三者がこれに対して
異議の
申立てをする。
異議がございますれば、それに対して
主務官庁がそれぞれ
解決する。
主務官庁で
解決がつかなければ、
審議会で
調整をと
つてきめるというふうに
なつております。特に
公表というものは、法律で定められた
事項でありますので、現在までや
つておるわけでございますが、
公表事項の
内容は、
長期目標と、二十九
年度の
水火力別あるいは
新規、
継続の別、あるいは
最大出力あるいは
所要資金、二十九
年度にどれほど金を出すかという点を各
担当社別に掲げまして
公表することに
なつております。
それから三ページに
添付事項がございまして、この
添付事項の中には、
新規事業でありまして今まで大体これでや
つてよろしいというふうにきま
つたものは、
添付事項で掲げるわけであります。なぜ
添付事項にするのかと申しますと、
電源開発株式会社の
新規地点に対しましては、これは成文によ
つて公表することにいたしてございますが、それ以外の
地点あるいは九
電力あるいは
県営とかいう分は、具体的な
地点に関しましては
審議会そのもので
地点まできめるというのじやございませんが、これはむしろ
参考資料として
公表いたしまして、そうして異見の
申出を受けるというための
資料でございまして、
審議会直接の
決定事項には
なつてございません。ここで
新規事業として四つございますが、実はこのほかにもう
一つあるのでございまして、それは東北の
法量という青森の
地点でございます。ところがこの
添付事項等で
公表するのは大体
出力一万キロ以上のものに限るということに
なつておりますので、
法量は実は六千キロぐらいで、一万キロに満たないものですから、この
公表事項から省いてあるわけですが、実際は
着手することになります。従いまして
水力地点は
三箇地点、
火力では
二箇地点というふうなぐあいに
なつてございます。
それから次の表で
総括表というのがございますので、その表をお開き願いたいと思いますが、第一ページは
継続新規別所要資金表でありまして、ここで御注意を願いたいのは、送
変電の部門でございまして、
新規のものが非常にふえてございます。これはなぜかと申しますと、去年がたしか百三十万キロ、その前の年が百万キロ近くでございますが、厖大な
開発を現在進めておるわけでございまして、その
開発を
変電、
送電、
配電で結びませんと、実際の
効果がないわけでございますので、開が
発進むにつれましてだんだん送配電業務の方がふえて参るわけでございます。従いまして
新規の中でもさつき申し上げましたような
新規の
地点は、去年はたしか三十箇
地点ぐらいあ
つたわけでありますが、今
年度は非常に減退しております。けれども、反対に
送電の方は非常に増加して参るというふうな結果に
なつております。
それから第二表は
企業形態別の
所要資金でありまして、たとえば
電力会社はさつき申し上げたような千八十一億の金を本
年度所要するわけでございますが、それが
工事の
内容として、
継続、
新規あるいは
改良工事あるいは
送配電等にどれだけ金を使うかという点を詳細に記してございます。
開発会社等も同様でありまして、
公営事業、
自家用はこの表を見ていただけばわかると思います。
それから四ページ、第三
表資金の
内訳がございますが、千五百九十三億の中で
政府資金が七百四十四億、それから七百五十四億と二つありますが、これはさつき申しました
開発銀行の
自家発分の
関係でそういうことに
なつておりますが、約半分が
政府資金、それから
民間資金が七百九十億から七百八十億というように
なつております。この
外資と申しますのは、今までの
電力会社の例の
三箇地点の去年成立した
外資というものが主でございまして、
開発会社の中にも
外資は若干ございますが、これは佐久間の
開発に伴いましてアメリカから借用いたしました短期の
工事用機械の
借款分でございます。
第四表、五ページでございますが、毎年々々の
出力が各
企業体制によ
つてどういうふうにふえて行くだろうかという表でございまして、この表でごらんのように
出力の増加のテンポは二十九年、三十年
——今年、来年が山でございまして、今の
計画では三十一年、三十二年から逐次減
つて行くというようなかつこうに
なつております。もちろんこれは今二十九
年度までに
着手する分までの計算でございまして、三十
年度等に
着手するものを加えますと、さらに三十一年、三十二年というものはだんだんふえて参るのでありますが、ただいまのところでは、来年、再来年にどれだけ
着手し得るかということは
資金等の面からまだつまびらかでありませんので、そういうふうな表にしてございます。
次は
開発地点別表でございまして、これの第一ページには
新規の
地点がございます。これは先ほど申しました
五箇地点を明瞭に出してございまして、東北
電力の
法量もその中に入れてございます。
それから第二表の一は今までの
電力会社がや
つておる
工事名を全部出しておりまして、これをごらん願えれば
継続分に関しましては全部詳細な
内容がわかるように
なつてございます。
九ページは
電源開発会社の現在や
つております
開発地点が載
つておりまして、ただいまのところはこういう
予定で大体
開発を進めることに
なつております。
それから第十ページは
県営の分でありまして、これは毎年
電気の
計画の中では一番ごてる問題でありまして、ことしも非常に苦しか
つたのでありますが、主として多目的の
ダムを
中心としました。
従つて治水あるは
農業利水、
電力とい
つたものをかみ合せた
発電様式をと
つた開発でございます。県が主に
なつてや
つておるのでありますが、これは
公共事業費と、それから
地方起債と両方で
事業を遂行するわけでございますが、その間の
調整問題が非常に困難であるということばかりでなしに、
地方起債の分は、先ほども申しましたように最近の
情勢からいいますと非常に困難の度を加えて参りましたので、今
年度の
着手にあたりましては非常に苦しいような
状況に
なつて来ました。この中で
県営の分に関しましては、
新規のものはまだ実はきめていないのでありまして、
各省から、それぞれ
予定地点を取上げまして再三
検討を重ねたのでありますが、まだ最終的な
話合いがついておりません。従いまして今回の
決定には
新規の
地点は抜かしまして
各省話合いの上、あるいはもう少し
研究した上で
新規地点がきまれば、またそれを追加発表したらいかがなものかというふうに考えております。
新規と申しましても、実際は
公共事業費でも
つてダムそのものの
工事はや
つておるのでありますが、
電気の方の
地方起債の分が
新規だ、こういう
意味でございます。
それから
最後の分は
自家発電の現在の
状況でございます。
以上で大体二十九
年度の
電源開発の
基本計画に関しまして
説明を終えたいと思いますが、引続きまして
総合開発の御
説明を申し上げたいと思います。
これもお
手元に詳しい
資料が参
つておりますので、その
資料に従いまして御
説明を申し上げたいと思いますが、まず一番初めの
資料は
国土総合開発審議会委員名簿というのがありまして、
委員の名前が載
つてございます。この
委員会は他の
委員会と非常に違いまして、特色のありまするのは、衆議院、参議院の
議員の
方たちの
委員が非常に多うございまして、
会議の実際の運用も一番活発にこの
会議を指導してくださるのはこの
議員の方でございまして、非常に熱心に
会議にも御出席くださいますし、実際の
計画の作成にもみずから当
つてくださいます。その
委員の
名簿の
最後に
審議会の
部会の構成がございますが、これをごらん願いますと、大体や
つている仕事の
内容がわかりますので、これを
基礎にして御
説明申し上げたいと思いますが、一番上に
総合部会というのがありまして、ここで大体の大きい
検討の点
はつくるわけでございます。
分科会は
地域設定分科会、
開発目標分科会、
経済効果分科会等三つにわかれておりますが、一番上の
地域設定分科会というのは、主として
特定地帯の
設定の
分科会でございまして、今までは大体この
地域設定の
部会の任務はある程度
分科会として
終つて、
現実にはその下の三番目にあります
特定地域部会というところに
重点が置かれております。それから
開発目標とか、
経済効果の問題は全部の問題にも関連いたしますので、これは
あとで詳しく申し上げたいと思います。
それから
資金部会というのがございますが、これは文字
通り、
所要資金の量あるいは
調達方式等をやるわけでございますが、この中で一番問題になるのは、何と申しましても、
地方財政と申しますか、
地方の
財政上
総合開発に一体耐え得るものかどうか、
地方の
開発計画でありますから、どうすれば
一体国の
分野あるいは
地方の
開発の
分野の
財政的な
負担区分等が合理的に行くだろうかとい
つたような問題が非常に大きい問題になろうかと思います。
それから
特定地域部会というのは、これも
あとで御
説明申し上げますが、十九の
特定地帯の
審議をしておるわけでございます。
それから
河域部会というのは、これは前の
河川総合開発協議会というものが
安本時代にありまして、それをそのまま受けておるわけでございますが、ただいまではそれほど活発に動いてはおりません。
その次の
水制度部会というのは、これは非常に今
中心でありまして、この前もこの会長をや
つていただいております
蝋山先生に来ていただきまして、
部会の今までの
経過なりあるいは、ただいま
審議しているものの
内容をごひろう願
つたわけでございますが、毎週一回ずつ開きまして、非常に活発にや
つております。
それからその下は
国土調査部会とありまして、これは測量とかあるいは
水調査、
土地分類、こういうものが主でありまして、現在の主力は
地籍調査の問題、
基準点の
設定の
問題等が実際の
事業としては
中心問題でございます。ただ非常に
要望の強うございますのは、
水調査の問題でございまして、これは
日本で非常にバラバラでありますので、これに大いに力を入れてや
つてもらいたいというので、この前の
予算分科会等でも非常に
要望か強うございましたので、
予算の許す限り力を入れてみたいと思います。特に水のみでなしに、雪の
問題等も積極的にや
つてもらいたいという希望が多いようでございます。
あとは
幹事会でございますが、大体そういうものが
中心でございまして、このほかに
特別委員会と申しますのは、
北上と
利根と
木曽の
三つが、この
特別委員会の
内容に
なつておりますが、
特定地域の
部会の中から特に重要なものを選んで掲げてございます。
これが大体全貌でございますが、このほかにさらに二つこの
審議会には加わ
つておりまして、それは何かと申しますと、例の
議員立法で定められました
特殊土壌地帯対策の問題と
離島振興の問題でありまして、同時にこれの方は
国土総合開発審議会と並行いたしまして
審議しておりますので、これもお
手元に差上げました
資料につきまして御
説明申し上げたいと思います。大体の
概略を申し上げますと以上の
通りでありますが、その
内容に関しまして逐次詳しく申し上げたいと思います。
まず一番初めは
国土総合開発計画でありますが、
国土総合開発関係法令というのがございまして、これは
関係した
基本法を掲げてございますのでごらん願えればけつこうだと思います。
国土総合開発計画の
経過及び概況というのがございまして、これが先ほど申しました各
部会等でや
つておりますものの
事業の概要でございます。これを御
説明申し上げたいと思います。
まず
特定地帯の問題でありますが、十九の
特定地帯を二十六年の十二月に定めまして、そうしてそれを各
関係府県で一県あるいは数
府県が協同いたしまして、それぞれ
計画を作成して建設省を通しまして
審議庁の方へ出て来ることに
なつておりますが、大
部分の
計画は目下できつつありまして、ただいままで
審議会でも
決定し、そうして
はつきり閣議で
決定いたしまして
計画として最終的にきま
つたものは
北上と
阿仁田沢、最上の
三箇地点でございます。それ以外の
地点でただいま
計画の出ておりますのは、
対馬、
天竜東三河、
利根、
出雲大山、錦川、
南九州、
北九州、
阿蘇、
木曽、飛越、能登、
四国西南、芸北の十六
地域でありまして、
あとの
三箇地点はまだ出ておりません。この十六
地点の中で大体
申込順と申しますか、出て来た順に
調査審議を進めたわけでございますが、ただいま問題に
なつておりますのは、
天竜東三河と
出雲大山と
南九州の
三箇地点が
地域部会を
通りまして、三月の末に
審議会を開きまして、実はその
審議会で御
決定願おうかと思
つておりましたが、非常に
議論が沸騰いたしまして、もう少し問題を練
つてもらいたい、と申しますのは各
行政官庁等で
現実の問題としてまた
解決のつかぬような問題も若干その中に含まれておりますので、その問題を
解決の上できめたらどうだろうという御意見もございまして、この次の
審議会でやることにして延ばしてございます。これも近く今月中にはおきめ願いたいと思
つております。それから
北九州と
阿蘇の
二箇地点に関しましては、
特定地域部会で
目下審議中でありまして、第一回の
地域部会ではこれもいろいろ問題が出まして、もう一ぺん再
調査と申しますか再
研究しようということで、これもそのまま
問題点を整理中でございます。それ以外の
地点に関しましては、
目下資料を受付けまして
研究中でございます。ただこの中で
対馬の問題に関しましては、
離島振興法との関連もございますので、それとあわせて
研究中でございます。それから
利根に関しましては、これは非常に問題が複雑でございまして、私も実際や
つてみてびつくりしたのでありますが、むしろ只見の問題の
解決よりも、ああいう問題が各箇所にあるくらい、非常に錯綜した諾権利の
解決を要する問題のみでございますので、これは特別
部会を開催いたしまして、しよつちゆうと申しますか、特別に
審議をしてございますが、なかなか困難な問題でございます。ただいまの
特定地域部会に関する進捗
状況は、以上の
通りでございます。
それから次は全国
計画でございますが、この全国
計画に関しましては、どういうぐあいに
なつておるかと申しますと、次の四ページ以下に若干触れてございますが、これはまた確定したわけではございません。事務当局案でございまして、
審議会にも何らかけてございませんし、
委員の意見もまだ聞いてございません。初めての
資料でございまして、
委員の皆様にお見せするのには、はなはだはずかしいのでございますし、あるいは
決定したように誤解されますと、
審議会の
委員の
方たちにもおしかりを
ちようだいしますので、むしろほんとうの原案の原案というふうに御理解願いましてお読み願いたい、と思います。
ただいままで進んでいる
状況を申し上げますと、全国
総合開発計画に関しましては、やはり将来の一定の
目標を想定いたしませんと考えがまとまりませんので、昭和四十年を
目標にいたしまして、人口の伸び等を勘案し、それに
従つて主要なものの生産あるいは貿易等、あるいは国民所得等を一応想定したわけです。これはあくまでも想定でございます。こういうふうに一応
数字を想定いたしましてここにまとめてあるわけでございます。その中から国土の
総合開発面から考えると、どういう主要な面が出て来るのかという
問題点を拾うわけです。たとえばこの下に
問題点がございますが、総合食糧対策、これは昭和四十年を
目標にした場合には食糧対策というものを総合的にどうしたらいいかという点を、広い視野から、あるいは資源的な面、あるいは技術的な面から深めて行きたいというので、総合食糧対策という
意味で掲げてございます。そういう問題を大きく拾いますと、森林資源の培養と合理的利用、あるいは国土保全
事業の
規模と配置の問題、あるいは産業立地適正化の問題あるいは総合エネルギー対策の問題、あるいは輸送力の総合的増加対策、あるいは都市
計画及び住宅建設の問題、技術の進歩と
基礎産業の将来の
問題等が主たる問題になろうかと思います。これはまだこれからの問題でありまして、今こういうテーマに従いまして、さつき申しました
目標を
中心に考えると、どういう問題が一体その中から生れ出て来るのかという点の
資料を整備中であります。たとえば総合エネルギー対策の面を申し上げますと、上にもありますが、
電力が約八百億キロワットアワーで、約一千万キロワットアワーぐらいさらに今後
開発しなければならぬことに
なつております。ところが一千万キロの
電力と申しますと、
日本ではそういう余裕はありません。
水力でもほとんど大きい
水力は
開発し尽されまして、それ以上
開発するということになりますと、非常に困難な事態にもなりますし、あるいは水
そのものが足らないという状態になりますので、
水力面では問題にならぬのであります。そうなりますと、
火力でありますが、これは石炭なりあるいはその他の燃料資源で制約を受けますので、今後十何年先におけるエネルギーのベースというものを何に置いたらいいかを考えますと、また新しいエネルギーに対して今からどういうふうな順序で問題を進めて行かざるを得ないのかという点が出て来るのじやなかろうかと思います。これは当面のみを考えますと、こういう問題は問題にならないのでありますが、長い間を考えますと、
はつきりこの点は出て参りまして、少くとも現在では地熱とか、あるいは長い話でありましようが、原子力の
電力化の
問題等が非常に大きい問題に
なつて来るのじやなかろうかという考え方でございます。
四の産業立地適正化の問題にいたしましても、
皆さんも御
承知かと思いますが、たとえば工業用水等は今のように無秩序のままの
開発をいたしておりますと、非常に足らなく
なつて参ります。たとえば千葉の川崎製鉄の問題がしかりでございますが、あるいは大阪地区にいたしましても、名古屋地区にいたしましても、あるいは
北九州地区にいたしましても、東京地区にいたしましても、どこまでも工業用水は現在もきゆう
くつに
なつておりますが、将来になりますとたいへんな問題になります。そこでそういう点を兼ね合せまして、将来の産業の立地というものはいろいろな資源面から考えてどうあるべきかとい
つたようなことも根本的に考えてみようじやないかというのがねらいでありまして、ただいまのところは先ほど申し上げましたように、事務局として非常にわがままな、単に思いつきのようなことをや
つておるわけでございますが、近くある程度固ま
つて参りますれば、
審議会に出しまして、
委員の
皆さんから指導を受けながら、順次問題を深めたいという考えでございます。
それからもう
一つの
総合開発の面で、この表には載
つておりませんが、主として企図しておりますのは、
経済効果の面でありまして、
日本の
経済は各国と非常に違いまして、
財政投資の面のウエートが大きうございます。
公共事業費といわず、あるいは
公営事業、たとえば鉄道とか、通信とか、専売とかというもののみならず、主要
基礎産業のほとんどが国の投資が三でありますが、そういうものの
経済効果というものが一体どう
なつておるのか、最近非常に新しい問題としてアメリカの方でや
つておるわけでありますが、共同使用の振りわけの問題もございまして、たとえば
一つの多目的
ダムをつくる際には、その
ダムにかか
つた費用を治水の
部分で幾ら負担し、
農業利水の
部分で幾ら負担し、あるいは
電気の
部分でどのくらい負担するとい
つた問題が起きて来るわけです。そうしますと、自然各
分野における
経済効果が明瞭でありませんと、その計算が出て参らぬわけであります。そういう
意味合いからいたしますと、最近のいわゆるサービスという公共
事業的な部面におきましても、これを
経済的に考えてみました場合にはどういうふうな
経済効果を生むであろうかという点が非常に問題に
なつて来つつございます。それこれ兼ね合いまして、少くとも国の
財政投資全般の中でどういうふうな
経済効果に
なつており、また将来そういう点を考えてどうしたらいいのかという点も大きい問題であろうかと思いますので、
経済効果の測定と申しますか、そういう点を主として取上げて行きたいという考えでございます。これは先ほど申しました
資金分科会の主たる任務になると思いますが、全国
総合開発計画の問題に関しましては、そういう面が大きい柱になろうかと思います。
それから
特定地帯の概要はその次にそれぞれありますのでごらん願えればけつこうかと思います。なお詳しくは別表に「
特定地域総合開発計画概要」というのがありますので、それをごらん願えれば、さらに詳しく今きま
つたもの、あるいは
目下審議中のものの
内容が出てございます。それから今まで御
説明しました中で、十六ページに
調査地域というのがございますが、これは全国で十箇
地点ばかり今選びまして、その
地点の今後の発展のための
基礎調査をしてございます。その
調査の概要に関しましては、
調査地域の概要というのがありますので、これをごらん願えばけつこうかと存じます。
それから次は
離島振興法と特殊土壤地帯対策
事業概要に関しまして御
説明申し上げたいのでありますが、
離島振興の方は、大体今までの
審議会の開催で、対象になる島々の指定を一応終りまして、目下その
事業計画を
検討中でございます。さらに今まで指定しましたもの、あるいは追加分等に関しまして、
改訂の問題も起きてはございますが、そういうものをあわせまして目下
検討中でございます。
それから特殊土壤地帯は、御
承知のように火山灰地帯の土壤の改良の問題でありまして、どうして
審議庁でこういうものをや
つたかと申しますと、特殊土壤の災害防除、あるいは振興の問題は、主として砂防の問題あるいは土地改良の問題あるいは河川の改修の
問題等が主に
なつておりますので、
各省に非常に関連が深い問題でありますので、単独省で持たないで便宜
審議庁の方で持つべきだというので、
経済審議庁の方でこれを主に
なつてや
つたのでございます。この方も対象になる
地点は指定を終えました地帯は主として
南九州、それから四国の西南方面、あるいは山口県等が主でありますが、その概要に関しましては十三ページに
事業の
経過概要がございますので、ごらんになればけつこうかと存じますが、大体主たる
事業は治山、砂防、農地保全、防災、耕地培養というのが主に
なつてございます。九州の方であればもちろん御
承知の
通りでございまして、しらすとかぼらとい
つたような特殊な工火山灰地帯でございます。このほかに水制度の問題もございますが、これはこの前も御
説明いたしましたのできようは省略させていただくことにいたします。
以上で大体
総合開発の
説明を終えたいと思いますが、この
予算の今
年度の
関係等に関しましては、
概略さつきの
北上、
阿仁田沢、最上が特殊地帯では
はつきり指定されまして、目下
予算がついておるわけでございますが、これはさつきの
国土総合開発計画の
経過及び概要の三ページに載
つておりまして、
北上の方は去年よりも今年は減
つておるのはどういうわけかというのでたびたび御質問がございまして、よく
説明申し上げるのでございますが、実は
北上に関しましては、今までや
つておりました胆沢、猿ケ石等大きい
事業が完成いたしまして、今度
新規のものに
着手するという段階に
なつておりますので、若干時間的のずれがあるわけであります。それから
阿仁田沢、最上等に関しましては、大体前
年度よりも若干ふえ、あるいは少し減
つたということもありますが、これは今までの
事業の
関係上でありまして、ある程度
事業の一部は進行中だと御理解願
つてけつこうだと思います。
それから離島に関しましては、
離島振興対策概要の中で、一ページにございますが、二十八
年度には三億九千万円の
予算が組んでありまして、二十九
年度には四億五千九百万円ですから約四億六千万円の
予算がついております。それから特殊土壤に関しましては大体二十八
年度と大差はありません。
以上概要を申し上げました。