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1954-03-30 第19回国会 衆議院 経済安定委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月三十日(火曜日)     午前十一時十九分開議  出席委員    委員長代理理事 加藤 宗平君    理事 小笠 公韶君 理事 武田信之助君    理事 松原喜之次君 理事 菊川 忠雄君       内田 信也君    岸  信介君       迫水 久常君    西村 久之君       根本龍太郎君    南  好雄君       園田  直君    水谷長三郎君  出席政府委員         総理府事務官         (経済審議庁次         長)      長村 貞一君         総理府事務官         (経済審議庁計         画部長)    佐々木義武君         農林事務官         (農地局長)  平川  守君  委員外出席者         通商産業事務官         (公益事業局経         理長)     大堀  弘君         建設事務官         (河川局次長) 植田 俊雄君         専  門  員 円地与四松君         専  門  員 菅田清治郎君     ————————————— 本日の会議に付した事件  電源開発及び電源開発資金計画に関する件  電気料金政策総合調整に関する件     —————————————
  2. 加藤宗平

    加藤委員長代理 これより会議を開きます。  電源開発及び電源開発資金計画に関する件及び電気料金政策総合調整に関する件の両件について調査を進めます。  これより両件の質疑に入りたいと存じますが、今般の電気料金値上げの問題につきましては、本委員会として、過般二回にわたり消費者並びに電気事業者より参考意見を聴取いたした次第でありますが、また通産省当局においても、この問題については全国各地において聴聞会を開催し、広く各方面意見を聴取した次第でありますので、この際政府当局よりこれら各方面意見に対して、政府当局としての御見解を聴取いたしたいと存じます。通商産業省公益事業局経理長大堀弘君。
  3. 大堀弘

    大堀説明員 通産省といたしましては、電気料金値上げ申請に対しまして、過般三月十二日から十九日の間にわたりまして、全国九地区において聴聞会を開催いたしました。聴聞会によりまして発言しました各発言者意見概要を一応費目によつて整理いたしました参考資料をお配りいたしてございますが、それについて概略説明申し上げたいと思います。  発言しました総人員は五百二十三名、但し欠席が四十一名おりましたので、実際発言されましたのはその差になるわけであります。発言されました内容は、需用家が大多数でありますが、公共団体あるいは一般婦人団体電燈需用家、その他多数の発言がございました。お手元にあります資料総括のところをごらんいただきますと、これは各人の発言相当ニユアンスがございますので、数字に出ております通り申し上げますと誤解があるといけませんが、大体におきまして分類いたしますと、総括事項といたしまして、値上げがいいかどうかという問題と、料金制度改正についてどうか、この二点を中心として見ますと、最初の1、2、3に出ておりますが、値上げ反対、低物価政策に反するので反対という結論を言つている人が百九十八名、それに対しまして適正な値上げは認めるべきであるという意見が八十六名、極力合理化をやつて、最低の値上げはやむを得ないという言い方の方が八十二名。それから次のところへ参りまして、6に金利税金公租公課、こういつたものにつき、国が料金値上げを抑制するための措置をとるべきである、こういう発言が二百十二名ございました。料金値上げ問題につきましては大体の趨勢はそういつた数が出ております。  それから制度の問題につきまして発言しておる方の意見制度改正については賛成であるという意見が百十七名、制度改正反対であるという意見は四十一名でございます。これは全体のごく総括的な概数でございまして、次にずつと各項目につきましてそれぞれ意見発言のありました内容を集計いたしてございますが、大体の傾向といたしまして、やはり原価はできるだけ削れという意見が、当然でありますが多数ございまして現在税率の軽減措置で二・二%の値下げができるという見込みもございますが、それ以外に石炭費相当高いのではないか、石炭費等相当削減余地がある、あるいは企業合理化をもつとやつて原価をできるだけ削減すべきであるという意見か、各般にわたつて相当多数出ておるわけであります。制度の方につきましは、今申し上げましたようにかなり多数の賛成論があるわけでございますが、これは結局料金値上げ以上に、制度改正によります影響出方事業部門によつて相当区々に出ておるわけであります。一言に申しますと、従来料金制度が二段料金制度になつておりまして、標準割当をもらつてそのわく以上に電気を使いました場合は、追加使用料金をとられておるわけでありますが、その追加料金使い方の多い方にとつては今度の制度改正相当有利になつて来る。今まで標準料金だけで使つておるような需用家にとりましては、今度の制度改正いたしますと、大体同じような電気使い方をする人については同じように追加料金を払わなければならぬというようなかつこうになつておりますので、そういう人々にとりましては、料金制度改正によつて相当影響がございますので、大体賛成反対意見がそういうような傾向で現われておるように見受けられるのであります。たとえて申しますと、大口電力の中でも、従来も標準だけでやつておる事業相当ございます。こういう事業につきましては、今度の新しい制度によりまして、標準割当をどのくらいもらえるかという計算をしてみますと、現在は使つておりませんが、新制度によりますと追加相当とらなければならぬというようなかつこうが出ますので、大口需用家方面相当強い反対意見が出ておる状態であります。  内容の個々につきましては、ごらんいただきまして、なお御質問がありましたらお答え申し上げたいと存じますが、大体の趨勢といたしまして一言申し上げますとそういう関係になつております。私どもといたしましては、原価の面も相当査定余地があると思いますが、制度につきましては、発言内容について相当採用して行く余地が少くないのであります。これらもなお目下検討いたしておる際であります。  なお地域差調整の問題、各地域間の料金差の問題でありますが、これらにつきましては、水力地帯つまり水火調整金をとられておる地帯においては、これはすみやかに撤廃すべきであるという意見が圧倒的でありますが、火力地帯の方では、むしろ水火調整金はそのままにすえ置け、あるいはもつと料金差を少くすべきであるという意見が圧倒的でありまして、大体地域の利害によつて五分々々の発言である、かように存じておる次第でございます。  大体聴聞会概要についての御説明を終り、あと御質問によつてまたお答いたします。
  4. 加藤宗平

    加藤委員長代理 この際質疑があればそれを許します。菊川忠雄君。
  5. 菊川忠雄

    菊川委員 これはただいまの御説明に直接関係はございませんが、電力料金の総合的な改訂という問題について、先般来新聞を通じて、愛知通産大臣は、当分電力料金改訂しないというふうなことを言明しておられるやに聞いておるのですが、通産省としては、こういうような聴聞会その他いろいろ調査をされた結論として、大体そういうことに決定しておられるのかどうか、その経過、今までどの程度になつておるかということを参考にひとつつておきたいと思います。
  6. 大堀弘

    大堀説明員 料金値上げ申請書は、四月一日に認可されるということを期待いたしまして、申請が出ておるものでありますが、聴聞会が終りまして、大臣といたしましては、申請の事案についてなお相当検討余地もあるということで、四月一日には認可ができないということを含みまして、当分の間値上げを行わないという御発言をなさつたように承つておるのであります。私どもは直接立会つておりませんが、御発言内容についてはそういうふうに承知しておる次第でございます。
  7. 菊川忠雄

    菊川委員 そうすると、省議でそういうふうに決定しておる、たとえば公益事業局ですか、そういうところからそういう上申があつて省議としてそういうふうに決定をしているという段階じやないですね。  それからもう一つは、四月一日からするためには調査が間に合わないからという、時間的な理由だけなんですか。新聞で見ますと愛知通産大臣の話として、真偽はどうか知りませんが、電気料金改訂はその時期が悪いというふうなことを書いておるのがあるのです。これはこういう電気料金改訂が時期的に見て結局物価引下げあるいは緊縮政策等に非常に大きな影響を及ぼすという意味で時期が悪いというのか。  もう一つは、従つて今はその時期でないというのだが、そうすると将来、ここ数箇月後にはやはりこの申請を何らかの形で取上げるという意向があるのかどうか。そこまでつつ込んだ御質問はどうかと思いますが、ひとつあなたのお考えの点だけでよろしいから……。
  8. 大堀弘

    大堀説明員 事務当局といたしましては、申請案についての聴聞を終りました結果、原価内容及び制度内容につきまして、現在も引続いて検討を加えておりますが、まだ相当修正余地がありますので、案の内容そのものについての検討を続けております。  大臣の御発言内容につきましては、先ほど申し上げましたように私ども間接に伺つておるだけでございますが、時期の問題については当分の間上げないということを言われた以上には、はつきりわからない次第でございます。なお事務的検討の結果と全般の政策との調整その他の協議検討は、今後も引続いて行われるものと考えておる次第でございます。
  9. 加藤宗平

  10. 小笠公韶

    小笠委員 事務的な、簡単なことですが、二ページ目の需給想定のところに、一として、水力発電量の見積過小というのがあります。私が伺いたいのは、この前平井参考人から、過去十年の平均とつたという説明を伺つておるのでありますが、昭和二十五年のときの水力の見方は幾らになつてつたか、それだけちよつと伺つておきたいと思います。
  11. 大堀弘

    大堀説明員 ちよつと今二十五年の数字を持ち合せておりませんので、調査いたしまして御報告いたしたいと思います。
  12. 小笠公韶

    小笠委員 私の記憶に誤りがなければ、たしか過去七年の平均とつたはずであります。今回は十年をとつたということであります。そこで毎年の水の出方の過去十年の傾向を、おわかりになりましたらひとつ適当な機会でけつこうでありますからお教えを願いたいと思います。
  13. 菊川忠雄

    菊川委員 今の御説明に関連してですが、この陳述概要の中の総括的事項のところに、電源開発進捗最高でないのに、全国最高値上げ率は納得できないということについて陳述をされておる方もあるのですが、これについてもう少し詳しく内容がおわかりでしたら御説明を伺いたいと思います。というのは、確かにこの点は一つの問題だろうと私ども考えておりますが、これについてどういう陳述があつたのか、またそれについて電力会社方面から何らかの釈明があつたかということです。それとあわせて、電力会社のこの申請がかりにそのまま受入れられないという場合において、電源開発計画はどういうことになるかという点もできましたらひとつ説明願いたいと思います。
  14. 大堀弘

    大堀説明員 ただいま御質問電源開発進捗最高でないのに全国最高値上げ率は納得できないという意見は、中部電力に二名ございました。これは中部電力値上げ率が一番高く出ておりますが、開発の方から申しますと東北その他の大きな地点があるわけであります。全体の傾向といたしましては、たとえば北陸のような会社の大きさの割合開発の大きかつたものは、電気料金値上げ率が大きく出ております。中部の場合におきましては、前回の値上げの際の原価の比較をとつてみますと、中部出方割合に低く出ておりますのでそういう関係ではないかと私どもは推察しておるのであります。従いまして中部は、開発といたしましては全国最高ではありませんが、値上げ率としては非常に高く出ておる、こういう結果になつております。  御質問の第二の点は、料金開発関係であるかと思います。この間通産委員会の方で御説明があつたことでありますが、かりに料金を押えました場合に、開発の方にどういう影響があるかという御質問がありました。今回の原価の値上りの要素は、主として建設による資本費の増でありますので、かりに押えました場合、経費合理化によりましてどの程度原価の高騰を吸収し得るかということを考えてみますと、最大限度にやつてみましても全体で三百億という原価の差を全部吸収することは、計算上は非常にむずかしい数字が出て参るのであります。そこで結局増資を見合せて配当にかかつて来る税金の負担を軽減するということが一つ、もう一つは二十九年度に減価償却を二百数十億見ておりますが、この減価償却をしないで行くという方法——金利その他は払わさるを得ないものでありますし、俸給その他も払わなければならぬものでありますが、結局会計の決算といたしましては、増資を見合せることと、償却を落して行くこと以外に方法はないということになるのではないか。そういたしますと来年度もやはり開発資金といたしまして増資で約百億以上の期待をいたしております。内部留保としての償却によつて約二百数十億の開発資金を期待いたしておるわけでございますが、これがごくラフな計算をいたしましても二百億くらいは穴が明く計算になるのじやないか。従いまして来年度の開発資金計画といたしまして一千八十億の開発資金を含んでおりますが、もしそういう事態が出まして、かりに今申し上げましたような方法以外に原価の抑制をする方法がないといたしますと、結局開発資金の方にそれだけの影響を持つて来る。ごくラフな計算をいたしますと、五十万キロワットくらいの発電所建設が一年間ずれる計算が出るわけでございますが、これはまあ見通しでございますから正確なことはなお検討を要するかと思いますが、概略そういう影響があるのではないかという計算をいたしております。
  15. 菊川忠雄

    菊川委員 それから今の陳述概要の中の六のところで、金利諸税及び公課などについて国家補償などの措置により料金値上げを抑制せよというのが全体の陳述の中に二百十一人という計が出ておるところを見ると、一番多いわけですね。そこでこういうことについて陳述者の中から何か具体的な要求かあるいは要望が出ておりましたかどうかということをひとつ。それからそれに関連して、たとえばダム建設などで水没するというような場合の土地、家屋あるいは山林などの補償について問題が起つております。それは結局補償された補償額に対して国税が現在かかるわけでございますが、せめて補償農家あるいは補償民家に対して税金を減免してくれということは、これは非常に切実な問題であるのです。もしそういうことができれば、それだけ補償をする費用もあるいは大分軽くなるのじやないかということになるのですが、そういう問題がこの陳述の中にありましたかどうかということ、これは一つ例を申し上げますと、宮城県の鳴子ダム、これは建設省が直接やつておりましたが、あそこの地元農民諸君はせめて税金だけでもただにしてくれぬかとか、負けてくれぬかとかいうここが切実な要求になつておることを私はこの間聞いたのです。私直接関係しておりません。これは確かに一つの問題じやないか、こう思うのでありますが、そういうことについて何か陳述があつたかどうか、そういうことについて何かお考えになつておるか、そういうことをひとつお尋ねいたします。
  16. 大堀弘

    大堀説明員 最初の御質問金利諸税公課などについての措置によつて料金値上げを抑制せよという陳述につきましては、現在政府といたしまして法人税軽減、それから固定資産税及び事業税、これは地方税でございますが、軽減措置電気事業料金原価へのはね返りを抑制する意味におきまして法案の改正を提出されておりますが、大体発言内容も今申し上げましたような税及び開発銀行金利をさらに下げよというような御発言が大多数でございまして、特に具体的な御意見というものはなかつたように考えております。大体全体といたしましてそういうふうにすべきであるという政策的な発言が多かつたように思います。なお後段の水没地補償の減税の問題についての発言聴聞会の際にはございませんでした。本件につきましてはかりに水没補償に対する税が軽減されました場合には、料金関係からいいますと、建設原価が下りますので、それだけ原価としましては金利なり税なり建設費が下つただけの影響としまして間接影響がございますが、電気事業関係からいたしますれば、そういうこができますことは望ましいことと考えますが、なお検討いたしたいと考えます。
  17. 菊川忠雄

    菊川委員 それからもう一つは、この中には出ていないようですが、結局この電源開発のために多くの資金が出る、その償却金利のために料金値上げが必至である、そういうことが根本の問題だと考えるのですが、そうしますと、今申しましたように、水没補償という問題についても何かやはりそこに間接的であるが建設費軽減さすというような問題があるわけですから考慮しなければならぬと思いますが、それと同じ意味において、やはり建設費そのものをもつと合理的に節減をさすというための電力会社における努力も必要でしようし、それからまた電源開発会社との関係においてもつと合理的なやり方も必要でしようし、さらに一つ一つ建設現場を見る場合、これはもう請負つて渡してしまつたのだからどうやろうと今度土建会社やり方でしようけれども、それにしても私はまだまだ経費を詰めるべきものが見られるわけなんです。いわんや建設省直轄仕事あるいは県直営仕事というふうなものにおいては、これは国なり自治体がやることですから、当然そういうことはやるべきなんですね。ところが間々そういうものを見ますると非常にむだが多いようにわれわれ見えるのです。場所のことはこの席上で申しませんが、これはある建設省直轄タム建設工事になつておると思います。そこへ行つてみると、わざわざ川向うから川底を通してそこの建設省現場監督者あるいは職員諸君宿舎のために温泉を引いておる。一町も行けば大衆の温泉があつて湯がどんどん出ておるのに、何を好んで川底を通して自分宿舎一体温泉まで引くような費用を使う必要があるか、これは一つの例にすぎませんが、私は問題だと思うのです。地元諸君には、そういうことやる金がああるのにわれわれの水没費用を出し渋つておる、こういう感情を与えております。これなどは国が当然もつと監督を厳重にすべきである。ところがそこへその省の次官が行かれたそうですが、その次官もまた調査行つたのだろうが、ダム現場一つも見ないで、町民の諸君が来たのだから現場を見てもらいたいと言つたら、いや見ないでもわかつているという調子なんです。ただ一晩だけ料理屋で飲んであくる朝帰つてしまつた。これなどは私はよほどお考えにならないといかぬと思う。ここにむだがある。こういうことについては聴聞会などでは出ておりませんが、私は出なかつたのは幸いだと思います。けれどもこういうことのために建設費相当高くかかつて、それが電気料金にはね返つて来たのではたまつたものではない。私はこういう点については何らかの形でやはり当局は十分調査されるべき問題だと思いますが、調査をしておられるかおられないのか。もし御存じないというならば、われわれがお知らせしてもよろしゆうございます。それからまた場合によつては当委員会から調査行つてもしかるべきことだと思いますが、そういうことについて気がついておるかどうかお聞かせ願いたい。
  18. 植田俊雄

    植田説明員 ただいまの菊川先生お話ごもつともでございます。お話になりませんでも、温泉がありましてダム建設をしておる土地と申しますと、大体見当がつくのであります。御承知通りあの場所は非常に繁華な場所でございますが、またきわめて僻遠な場所でございます。実は多くの職員か入つておりますけれども、絶えず待遇が悪いということの苦情ばかり受けているところでございます。なかなか繁華なところでございますから物価が高い。しかも家もない、家族と別居していなければならぬ。しかしそういつた別居手当というものは、今の公務員制度では出ないということで——実は私の想像している地点は、おそらく菊川先生もその地点お話なつたと思いますが、あの地点職員待遇の問題では非常に苦しんでおる地点でございます。温泉考えましたのも、おそらくそういつた場所におりまして、家族とわかれて多くの若い者が生活しておりますので、そういつた対策としてやつたものかと承知いたしております。この点は御了解願いたいと思つております。私ども承知通り数年以前におきましては、建設省直轄直営工事につきまして、会計検査院よりも多くの批難もございましたし、またその他の方面でも相当多くの非難もありましたので、建設省あげてこういつた問題の粛正に努めまして、最近は会計検査院からも建設省直営工事大分よくなつたというおほめをいただいておる段階でございますので、お許し願えることはお許し願わなければならぬかと存じますが、それ以外の問題につきましては、私帰りましてすぐ上司に申し上げまして、むだな金を使わないように特に注意して参りたいと存じております。  なお立ちましたついでに、先ほど水没補償の問題がございましたが、これは農地その他を買いましたときに、昔の価格と現在の売買価格とが違つておりますので、その差額について再評価と同じような性格の税金がかかつておる点は事実でございます。これは土地収用法の適用によりまして、土地を収用いたしますと、これはかからないという建前になつておるのであります。それ以外の任意売買におきましてはかかることになつております。これはダムに限りませず堤防、道路の買収の際につきましても、絶えず問題になりまして、先日はダム水没町村連盟の方々からもこの点は強い要望がありましたので、私どもこの問題は真剣に考えて行きたいと思います。しかし側分にもその所管は大蔵省でございまして、大蔵省方面の了解をつけることもそう容易なことではないと思つておりますが、ダム原価を下げる一つ方法でもございますので、今後研究さしていただきたいと存じます。
  19. 菊川忠雄

    菊川委員 最後に一つだけ、今私が申し上げた例は、そういういろいろ御当局の御苦心の事情もございましようから、適切でなければこれはいつでも取消すことにやぶさかでございません。  それからこういう聴聞会で見ますと、今申しましたように、国家補償というような問題についても、主として電力会社の経営の部面だけのことになつておりまして、これから受ける一般国民あるいは地元影響というふうな面からの国家補償というものが出てない、こういう面は御研究願いたいということを申し上げておきたいと思つております。  それから、それに関連して聴聞会では出なかつただろうと思いますが、こういう問題で一番困つておるのは、たとえば水没あるいは道路の問題ということで、かえ地を見つける場合に、その仕事建設省でやつておる、ところが、国有林はすぐ隣りにあるのだが、それは農林省で管轄しておる、そこをわけてさえもらえば簡単に解決するのに、一方は自分のなわ張りだから譲れないというふうなことから、非常に不可解な問題が、地元民からいうとあるわけなのであります。それがまた非常に問題を紛糾さしておるのみならず、それが使えないために、わざわざ他に高い土地を見つけなければならぬ。そのために経費も高くつくという問題があるのです。こういう問題については、おそらく聴聞会では意見がなかつたと思いますが、そういう電源開発国土総合開発の問題に関して、今政府部内では何らか統制をおつけになる方針をお持ちになつておるのかどうか。この点をひとつつておきたいと思います。
  20. 佐々木義武

    ○佐々木政府委員 ただいまの問題でございますが、御承知のように電源開発促進法の第三条では、一応年度の当初に新規に着手する地点に関しましては、政令の定めるところによつて公表することになつております。そこで公表いたしますと、利害関係を持つた人からそれぞれ主務官庁に意見を申し出ることになつておるわけでございますが、ただいまのような問題に関しましては、そのきめる前に、密接な関係があるものですから、各省間で十分相談をいたしまして、ある程度解決の目途がつくというので新規の事業に着手するわけなのでありますけれども、御承知のように、そういう調査漏れ等もあろうかと思いまして、実際公表して異議の申立てを受けるわけでございますが、その受けたあとの処置に関してはどうかと申しますと、主務官庁同志で話合いをつけまして、話合いのつかないものは、電源開発審議会に持ち込んで、そこで調整がつくというふうな法の建前で現在まで進んでおるわけであります。お話のような点も、従来でありますと、各省間の話合いもなかなかむずかしい点もあつたかと思いますが、補償要綱をつくりまして、そういうかえ地等の問題もあわせて、特に建設省事業であつても農林省はこれに積極的に応援するという建前も、各省間で了解がついておりまして、今言つたような法の手続もとりつつ、現実の問題としてはその解決が円満にやれるようにというので、各省協力の態勢に向いつつあることは事実なのでございまして、不手ぎわその他で円満に行かない点もあろうかと思いますが、順次そういう方向に向いつつあるので、その点御報告申し上げます。
  21. 加藤宗平

    加藤委員長代理 ほかに御質疑はありませんか。——質疑がなければ、本日はこれにて散会いたします。  次会は公報をもつてお知らせいたします。     午前十一時五十九分散会