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中島政府委員 ただいまお手許に配付されました二種類の
資料のうちで、白い紙の方から御
説明申し上げます。
新旧料金収入比較表というのがあります。これが今回
申請されております
改訂料金の
総括表でございまして、この表の一番下の一番右に一一四・四という
数字がございますが、これがいわゆる一割四分四厘という
全国平均の
値上げ率を示しておるわけであります。これは上と下にわかれておりますが、上の方が
電灯の
料金、まん中のところが、
電力、
下段がこれを全部総合したもの、こういうふうにな
つております。
電灯の方の
値上げ率を見ますと、
北海道一二一・二%、
東北一二四・七%、以下
全国の計が一一六・一八%という率にな
つております。
電力の方は、
全国計で一一三・一九という
数字にな
つておりまして、この
数字で見ますと、
電力の方の
値上りが
電灯よりも低い、こういうふうな
数字にな
つております。ところがその下に
括弧をして、
全国計で一一七・七四というのがございます。これは
電力料金につきましては、
石炭条項というのがございまして、炭価が下
つた場合には、それに応じて値引きをするということにな
つております。
従つて今年の
石炭価格が、当初の
料金を算定いたしましたときに予想したよりも下
つております
関係で、実際には
電力料金の
支払額というものは、この規定よりも下
つておるわけであります。
従つて現実に払われておる
電力料金と今度
申請されております
料金とを
比較をいたしますと、
括弧の
数字のように
値上率が高くなる、こういうわけであります。
従つて現実の姿と今度の
申請の
値段と比べました場合には、
電力の方が
電灯よりも
値上率が高い、こういうことになります。
地区別に見ますと、
北海道、
東北、
北陸の三
地区は
火力がほとんど入
つておりません。
従つてこの三つの地点につきましては、いわゆる
石炭料金がないのであります。それから
電灯と
電力との
値上率の
比較は、今のように
括弧つきのもので見ますと、大体似かよ
つた引上率にな
つております。特に
関西から西の
方面におきましては
石灰をたく率が多い
関係上、
石炭の
割引をする前の
値段と比べますと、
電灯は高くな
つておりますけれども、
割引後におきましてはむしろ低くな
つておる、こういりふうな
数字になります。一番
下段の
数字はそれを総合いたしましたものの
数字であります。それからこの一一四・四というのは何を
基礎にして一割四分と出したかということになりますと、現在の
料金制度がそのまま二十九年度に持ち越されまして、
制度もかえず、また
値上げもしないという場合におきましてどういう
料金が支払われるであろうか、こういう
想定をいたしております。二十八年あるいは七年と比べまして、二十九年度におきましては当然
供給力もふえますが、また
需用の
構成もおのずから違
つて参るわけであります。
想定されます
需給計画に基きまして
料金をはじき出しましたものを
ベースにいたしますと、一一四・四という
値上りになる。
従つて実際に、たとえば二十八年度におきまして各
需用家が払
つております
単価と比べますと、この率は違
つて来るわけであります。そういうふうな
基礎で一一四・四というものが出ておるということをあらかじめ御了承願います。
その次の表は
小口の
電力の
値上率であります。これは初めの表が
低圧の
小口料金でありまして、十
キロワツトの
契約で五百五十
キロワツト・アワーを
使つた場合、こういう
想定をいたしまして
新旧の
比較をいたしております。これによりますと
中部が一三三・五%、この
値上率が一番高くな
つておりますが、その他
東北、
北陸が二割五分から二割八分、それ以外のところは大体一割五、六分というところで、
値上率はほとんど大きな開きはございません。ところがその次の高圧のものを見ますと、次の表にな
つておりますが、これは百
キロワツトで月に一万四千
キロワツト・アワー使つた場合、こういう
想定で
比較いたしますと、やはり
中部が一番高いわけでありますが、一四一・三%の
値上率、その他の月もいずれも
小口低圧に比べますと若干高くな
つておりまして、
東京の一割六分三厘、
関西の一割四分五厘を除きましてはいずれも二割以上にな
つておる、こういうことでございます。
その次の表は、
生産費中に
電力費がどれくらいの
パーセンテージを占めるか、こういう表でございます。
従つてこれは
値上げの
影響は別に全然考えておりません。現在のいわゆる原
単位といたしまして
電力費がどの
程度になるか、こういうものを
業種別に出してみたわけであります。これは
四半期ごとに
料金が違
つて参りまして、これは
標準電力の
割当量の変化によりまして全体の
単価が違
つて参ります。そういう
関係で
四半期別に出しております。たとえば一番上の国鉄におきましては、
全国計で三・六%から七・九%ぐらいまでが
電力費であります。私鉄は若干高くな
つて八%以上にな
つております。それからその次の水道が
電力費が
相当に大きく占めておりまして、三割前後が
電力費である、こういうことにな
つております。これで見ますと、そういうふうに
電力費が
コストの中で
比較的多く占めておりますのが、
鉱山精錬が一割前後それから
鉱山精錬の中でも、
アルミニュウム関係は一割五分から一割八分ということにな
つております。それから
電気銑あるいはフエロシルコンとい
つたようなものは
電力を使います
関係で、やはりいずれも一割五分あるいは二割以上、こういう
数字にな
つております。その他次の
ページで
窯業あるいはカーベイト、
化学肥料、こういうこうふうなものは、
電力費がかなり大きなウエートを占めるということが現われております。
それから次の黄色い紙の方でありますが、
改訂料金制度を実施した場合にどういうような
影響があるかということを
調査したものであります。これはむろん
電力業者から出されております新しい
料金をそのままと
つてあります。
従つて申請通りに認可された場合にはどうなるかという調べであります。
二枚目の表から御
説明申し上げますので、
単価比較表というのをごらん願いたいと思います。
これで左の方にAとしまして二十七年十月から二十八年九月までの
実績使用電力量という欄がございますが、これはいわゆる
実績をもとにしまして、過去一箇年に
使用いたしました
電力と同じ量を使いました場合に、現在の
料金の場合にはどうなるか。それを今度の新しい
料金制度で
行つた場合にはどうなるか、これが1、2という
二つの表にな
つております。たとえば一番初めの
北海道の
鉱業におきましては、現在のままでは三円四十九銭払
つておる。それを今度の新しい
改訂料金によりますと、四円二十九銭になるわけであります。これは各
業種別のところの次に1とか10とかありますが、これは実際調べました
需用家の数でございます。
従つてたとえば
石炭で三円五十銭あるいは四円五十銭というのは、十箇所の
主要炭鉱の
平均でございまして、
個々のものにつきましては、またこれより
違つた数字が出ております、こういうことになります。
その次のBとありますのが、二十九年度
予想使用電力量といたしまして、つまり二十八年に使いましたと同じだけの
電力を二十九年にも使うということは実際といたしましては考えられませんので、それが二十九年度においてはどの
程度使うか、こういう
想定をいたしまして、その
使用電力量を
基礎にいたしまして、
現行制度の
料金の場合と、新しい
制度の場合、この
二つの差を
比較して表に現わしたものであります。そういたしますと、二十九年度で、たとえば
北海道の
鉱業におきましては、過去一箇年の
実績は、二千三百万キロワット・
アワーであ
つたものが、二十九年度においては二千五百万キロワット・
アワーになる、これだけふえるわけであります。このふえた
数字を
基礎にいたしまして、現在の
料金ではじきますと、
実績は三円四十九銭でありますのが、
料金を
改訂いたさなくても三円七十三銭であります。それから新しい
料金と比べますと、
使用量がふえるということのために、
実績のままであれば四円二十九銭のものが四円三十四銭になる、こういうことになるわけであります。この
比較を
パーセンテージにとりましたのが、右の方にあります一分の二、一分の四等々であります。この一分の二というのが現在の
使用電力量、
実績の
使用電力量で現在の
料金を
払つた場合に比べまして同じ
電力量を来年の新しい
料金によ
つて使つた場合その
比較が一分の二であります。それから一分の四というのは
実績と
比較いたしまして、新しい
料金で新しい来年度の
予想電力を
使用した場合、これが一分の四であります。三分の四とありますのは、これは現在の
料金で来年度使うと予想されます
数量を
使つた場合と、その同じ
数量を新しい
料金制度で
使つた場合、これが三分の四でありまして、これが
電気事業者が言
つております一割四分四厘という
数字に大体当るわけであります。それが
北海道におきましては、この
業種全体の
平均が三割三分ということにな
つております。
現実には、
北海道の全体の
値上率は二割一分一厘というふうにな
つておりますが、このいわゆる
大口の
工場につきましては、これが二割三分ということで少し違いますが、大体これに当
つておるわけでございます。それから一分の三は、現在の
実績とそれから実際に
使用量だけが来年度ふえる、
料金はそのまますえ置いたものとを
比較した場合が一分の三でございます。このどれを
比較するかによりまして、こういうふうに
値上り率というものが違
つて参りますので、
需用家といたしまして、
需用家側で言
つておりますものと、
電力事業者側で言
つておるものと
値上り率が違うというのは、この辺の相違から来るわけでありまして、
需用家は大体この一分の四
あたりを考えておる、ところが
電気事業者は三分の四と言
つておるので、この辺の
食い違いが出て来るわけであります。それからこの表には間違いがありましたので、別に
訂正表を差上げてあると思います。
東京では、たとえば
ガス事業が一番安くて、こういうところはむしろ下るような
傾向にな
つております。それに反しまして、
肥料あるいは
化学工業におきましては、このままで行けば八割以上も上るというような
数字にな
つております。それから
中部では、
化学工業が五割五分にな
つております。紡織が三割
——この辺が一番安くて三割でありますが、全体の
平均が四割四分という
数字にな
つております。
関西におきましては鉄鋼が
比較的安くて八分の引上げで、
窯業は三割九分という
数字にな
つており、以下それぞれそういうような
構成でできておるわけであります。以上の表は
東北と
北陸を除いておりますが、この
東北、
北陸の二
地区につきましては、他の方と違いまして、一本
料金制をと
つております。それ以外の
地区はやはり二段
料金制をと
つておりますが、
東北、
北陸はこれを一本化いたしております
関係で、
平均の出方も違
つております。それで別の表にな
つておりますが、これで見ますと
東北では全体の
値上り率か二割五分くらいにな
つております。その
内容といたしましては、
鉱山のごときは割合低くて、むしろ値下りの
傾向にな
つております。繊維の一
工場が八割くらいの
数字にな
つております。
北陸も同様でございます。それから一番
最後の終りから
二枚目ほどのところに
特約予定需用家調査というものがございます。これはただいまのように
値上り率が非常に大きくなるようなものにつきまして、特に
電解電爐等の
需用に対しましては
負荷調整をいたしまして、別の
料金をもらうというふうなことを考えております、それがいわゆる
特約でございますが、その
趣旨は要するにピーク時あるいは
豊水期に、
——渇水期にはできるだけ
電気をセーブしてもらいまして、
比較的
余裕のあるときに使う、こういう
使い方をすることによりまして、いわゆる
電気の
需給調整に協力してもらう、そういう
趣旨で
割引をいたしております。これはいずれも
個々の
需用家ごとに
契約をいたしまして、
需用家が実際にそういうふうな
負荷調整のできる
範囲内において行うわけでありますが、これは通産省の認可を一件々々につきまして必要とすることにな
つております。まだこの
契約はできておりませんけれども、それぞれのものにつきまして
話合いを進めておりますが、その
話合いの状況を大体とりまして、その結果どうなるのかというのが一番
最後の表でございます。そういたしますと、たとえば一番初めの
北海道の
化学肥料というのがございますが、現在の
制度そのままで、いわゆる
特約をいたしませんと、一分の四のところにありますように一五三%、五三割分上る、それを
負荷調整いたしまして、
特約をいたしますと三割五分まで上げられる、こういうことであります。特に
東京等におきましては、この
東京の集計にありますように、このままであれば四割六分上るのが一割四分
程度で済む、こういうふうなことをねらいまして、
個々の
需用家に対して
特約の相談をいたしておるわけであります。これは今後まだこの表に上
つております以外にもふえる
可能性がございます。またその
内容もむろん最終的にはかわ
つて来るわけでございますが、大体
傾向としてこういうことがあるということでございます。
それから
資料にはございませんけれども、一分の四とか三分の四とか、こういう
比較をいたしますときに非常に混乱をするのでありますが、結局どれだけ上るのかということを一言にして申し上げますと、現在の二十七年度に
改訂をいたしました
料金の
ベースにな
つております
原価を、二十七年の
供給量で割りますと、一キロワット・
アワ—当りの
原価が出るわけであります。それから今度二十九年度に予想しております
原価を二十九年度に供給されます
電力量で割
つた場合に、これまた一
キロワツト・アワ—あたりの
原価が出るわけであります。その
原価と
原価とを
比較いたしますと一割八分六厘の
値上りにな
つております。これが一割四分になるとか、一割七分になるとかいうことは、別に
収入を
想定いたしますときにそこで少し
数字が違
つて来るわけでありますが、
原価だけを見ますと一割八分上ります。
料金は、当然この
需用家の種別によ
つて高いものと安いものとできますが、高いものが
比較的よけいあるというふうな場合には、
値上り率は少くても済むわけであります。そういう
関係から
原価の
値上りと、
収入想定をいたしました後の、いわゆる
電力事業者が言
つておりますところの
値上りとは
食い違いが出て来るわけでありますが、
原価だけを比べますと一割八分六厘の
値上りにな
つておるわけであります。