運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1954-06-07 第19回国会 衆議院 議院運営委員会 第72号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年六月七日(月曜日)     午後一時四十五分開議  出席委員    委員長 菅家 喜六君    理事 荒舩清十郎君 理事 今村 忠助君    理事 坪川 信三君 理事 渡邊 良夫君    理事 椎熊 三郎君       江藤 夏雄君    尾関 義一君      岡村利右衞門君    川村善八郎君       田渕 光一君    三和 精一君       三池  信君    森   清君       山中 貞則君    山本 友一君       園田  直君  委員外出席者         議     長 堤 康次郎君         事 務 総 長 大池  真君     ————————————— 六月七日  委員生田宏一君、加藤常太郎君、助川良平君及  び田嶋好文君辞任につき、その補欠として川村  善八郎君、三池信君、尾関義一君及び岡村利右  衞門君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  懲罰動議取扱いの件  院内警察及び秩序に関する件  本日の本会議の議事に関する件     —————————————
  2. 菅家喜六

    菅家委員長 これより議院運営委員会開会いたします。  高橋英吉君外四名提出、賛成者二十七名によつて議員堤ツルヨ君、山口シヅエ君外四十四名に対する懲罰動議が提出されました。これを議題としてお諮りいたします。
  3. 田渕光一

    田渕委員 さる六月三日夜の本院におきまする本会議議場並びに当議院運営委員会等における社会党両派集団暴行事件は、わが国憲政史上曽有不祥事件でありまして、民主議会政治保持上、憲政擁護上、最も厳粛に本事件を取扱わなければならないと私は思います。すなわち、翌六月四日より今朝に至る国内の輿論及び世界各国報道機関等を通じまして、本件は非常に重大に取扱われております。わが国の敗戦後九年間つちかわれて来ました民主議会政治が、一夜にして、社会党両派集団暴力行動によつて危うく崩壊の寸前に追いやられんといたしたのであります。われわれ議員といたしまして、現行憲法第四十一条の、「国会は、国権最高機関であつて、国の唯一の立法機関である」という、この最上の名誉と品位を傷つけられましたことは、何とも言葉あるいは文字に表わせない次第であります。内、国民に対し、外、世界各国に対しまして、この不祥事件真相をつまびらかにし、一日も早くわが国民主議会政治制度に片鱗もゆるぎないというところの事実を証明しなければなりません。ここに私は国権最高機関に列する名誉を持つ一員といたしまして、かかる不祥事件のあつたことを国民に深厚におわびをいたさなければならぬと思うのであります。この事案の真相の把握と、これが措置につきましては、ただちに関係者憲法国会法衆議院規則のそれぞれの条章に基いて、懲罰委員会に付託されんことをお願いする次第であります。
  4. 菅家喜六

    菅家委員長 ただいま田渕君より、懲罰委員会にこれを付託すべしという御意見がありましたが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議がなければ、全会一致をもつて右の懲罰動議懲罰委員会に付託することに決定いたしました。     —————————————
  6. 菅家喜六

    菅家委員長 次に、委員長よりお諮りをいたしたい事柄があります。それは、言うまでもなく院内秩序治安保持関係する対策の事柄であります。院内秩序を維持すること、治安を守ることを委託され、諮問される機関は、本委員会の中にあります警察小委員会でございます。しかしこれは、しばしば警察関係する小委員会議が開かれておりましたが、遺憾ながら社会党両派諸君審議権を放棄して、当委員会にも出席をいたしておりません。よつて法規の示すところによつて、むしろ小委員会でなく、全員委員会において決定をいたしておきたいことがあるのであります。これについては、議長並びに事務総長にも意見をたださなければなりませんので、一応委員長の考えておるところを申し述べまして、なお委員諸君の御意見によつて決定いたしたいと思います。  その一つは、この国会できめております国会センター、すなわち議事堂中心とする区域、この国会センター内を集団デモ禁止区域に指定いたしたいと思うのであります。今回の不祥事件のみではございません。しばしばこの国会センター内において不穏なる集会あるいはデモ等がありましたために審議支障あることは、前の委員会において認めたのでございまして、先般は議長職権において集団の陳情は受けないということまで両院決定しておるのであります。これによりまして、今回国会センター内は集会デモ禁止区域にするということを議長より参議院議長に申し出て、両院協議の上に指定をいたしたいという考え方でございます。  その次は、正門は久しきにわたつて議員以外の者の出入を禁じておつたのであります。最近少しこの秩序が乱れまして、議員以外の者が正門より出入することによつて事故が少からず起きております。今回の事件にかんがみましても、衆議院参議院ともに、正門議員のみの出入といたしたい、こういう考え方であります。  次は院の正面玄関、これはやはり正門と同じく、玄関も今日までは議員のみの出入でございましたが、最近はこれが乱れまして、その結果秩序を乱すことしばしば起きております。これは厳然と、院の正面玄関議員以外の者の出入を禁止するという建前をかたく堅持して行きたいと思います。次は、院内を通行する通行証の件でありますが、これもしばしば全員野党諸君のおりましたときから問題になつた件であります。これを整理しなければならないということは、社会党左右両派も了承しておる事柄でございます。長きにわたる慣習で、容易にバツジ整理というものが今まで行われなかつた。今回はこの事件にかんがみまして、やはり一応バツジ整理をいたさなければならないと思います。不規則なる方法によるバツジの使用によつて院内を乱された事実にかんがみましても、院の秩序を守るために、バツジは正当なる者以外は行使ができないような方法を指示しておかなければならないと思います。  次に、議会中の院内見学の件でございます。これも野党諸君のおられたときからしばしば問題になつて会期中はいずれの国においても内部見学というものは禁止しておる。それで本会期中にこれを実行したいという意見がありましたが、せつかく院内見学をいたしたいということであれば、次の国会からは別にしたいがというようなことで延期をして参りました。今回不測計画的暴行事件が行われたということにかんがみますと、今後いかなることがこれを悪用して行われるかということも想像してみなければなりません。われわれの考え及ばざることが今回の事件において計画的に行われたということは、天下ひとしく認めるところであります。従いまして、先般来問題になつておりました会期中は院内見学を禁止するということにいたさなければならないと思います。閉会中はもちろんこれ以外でございます。  それから、各常任委員会傍聴の問題でございますが、これも国会法の研究の過程において、各会派とも非公開という立場をとりまして、大体の意見一致を見つつありました。不幸にして種々なる案件審議多忙のために、国会法の改正が次の国会でということになりましたので、各常任委員会傍聴、主としてこれは議員傍聴関係することでございますが、どの委員会の問題につきましても、紛糾の種をまきましたのは各常任委員会における議員傍聴に端を発しておるように委員長は考えられます。ここにおいて各常任委員会は、議長より傍聴というものを禁止したる上において、神聖なる委員会審議が取運ばれるような方向を保つて行かなければならないと思います。  以上六項目でございますが、これらを本日決議といたしまして、なおただいま事務総長議長よりも御意見を聴取した上において決定いたしたいと思う次第であります。これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 菅家喜六

    菅家委員長 それでは、まず事務総長の見解を一応お聞きしておきたいと思います。
  8. 大池真

    大池事務総長 ただいま委員長より御質問のありました六項目の問題でございますが、国会センターと申しましても、この議事堂周囲中心としての考え方であろうと思います。国会周囲議長警察権外にありまして、これをデモ禁止区域と指定する方法に二つあろうと思います。イギリスあたりでも例のありますように、法律をもつてこれを禁止区域と指定するか、さもなければ今のように、日本の現在のように、デモの道を、一定のものは禁止せられるという規定法律がございませんで、その都度警視庁の方で一定時間においての許可事項となつております。そこでその都度許可を与えることになつております関係から、国会の方で、これはきわめて不穏だとか、あるいは不時のことを予想しましておもしろくないという事情がございますれば、両院議長協議をいたしまして、一致意見として警視庁の方へ申し入れて、今後許可をする場合には、ここは絶対に許可をせられないように配慮を願いたいという正式の申入れをして、これが実効を期するという方法以外にないではないか、こう考えておる次第であります。  なお、正門並びに正玄関議員のみの出入の件でございますが、これは従来から正門並びに正玄関というものの権威を保持するために、衆議院はかなり厳格にこれが実行をして参つたのであります。ただ議員のみとするか、政府委員もしくは議員に同行した場合の者のみに限るかというようなことが議論になりまして、議員のみという原則に差加えるに、これに同行した場合の、かりに今で申しますれば秘書あるいは特に秘書の自動車に同乗する者をあの前でおろして、一人だけ入れるというようなことはできないので、そういう者は認めるという建前で従来やつて参りました。その後参議院の方においては、通行証を持つておる者は全部認めておつたのであります。ところが衆議院正門から入つて来るときにはとめられるが、同じく並んでいる参議院正門からはぞろぞろ入れるということになると、いかにも衆議院が非民主的であつて参議院は民主的であるように見えるというような議論庶務小委員会でありまして、それでこれを許可しておつたという事実になつてつたのであります。従いまして、当委員会正門並びに正玄関議員のみにするか、あるいは政府委員もこれに入れるか、国会職員等は別にそういうことは許さぬ、一般の人も許さぬ、こういうふうに御決定願えば、その取扱いは簡単にできることでございます。  なおバツジの問題でございますが、バツジは最近国会が開かれるごとに、最初に当委員会において御決定を願いまして、新聞記者には何個、各政党には何個というようなことで所定のものを出しておる次第であります。それ以外に、長い慣例に基いて当然に出しておつたものも相当数ございます。従いまして今後これが制限の問題は、どれだけをどうするかということを、ただちにこういうところで正式に御決定を願えば、事務的にはきわめて簡単にこれはできることでございますので、具体的に御決定をお願いいたしたい、こう考えておる次第であります。  なお、国会参観の問題でございますが、従来は、開会中に限つて参観を許さないというのが建前実行して参つた次第であります。その後、便宜国会開会中であつても、本会議が開かれ、あるいは委員会が開かれる十時前ならいいではないか、あるいは散会して支障のない時間の間ならばいいではないかということで、開会中といえども、会期が非常に長きにわたる現状において、あるいはほとんど閉会がなかつたというのが第一回、第二回の国会で、一年中国会が開かれたという形に沿いまして、いろいろの便法が設けられたのであります。従つて開会中に限つては、国会参観は許さぬということに御決定願えれば、これまた簡単に行使のできることであります。  なお、委員会の非公開問題並びに傍聴整理の問題でありますが、これは委員会秘密会とすれば一人も傍聴者をそこに入れることができませんけれども、ただいまの国会法規定においては、全然これを入れないということは、秘密会にあらざる限りちよつと無理ではなかろうか、どうも今のところでは、その傍聴は、委員長が認定して特にこれを許すことができるという形になつておりますから、ただいまの規定に基いて、議長より各委員長に申し上げて、委員会支障のないように十分に委員会整理の万全を期するための御制限を願うという意味で、議長から各委員長に依頼するという形で実行が可能ではないか、こう考えております。  以上、事務的な関連だけをお答え申し上げます。
  9. 堤康次郎

    堤議長 ただいま事務総長から申し上げました意見は、議長におきましても全部同感でありますから、さよう御了承願います。
  10. 菅家喜六

    菅家委員長 なお、ただいま事務的に事務総長より御説明があつたことにつけ加えておきたいことがあります。バツジ整理の件ですが、特に臨時に時間を制限して出した通行証が、今回の事件にはなはだしく支障を来しておる。各党三名なり五名なりに警務部において臨時の時間を制限した通行証を出しても、その時間内にみな警務部に返つておりません。それが数時間あるいは数日返らないということになりますと、院内の混乱の場合に、どれが時間制限通行証であるかということの判定がつかないのでございます。これは今後絶対に禁止して、多少今までよりも不自由を感じますけれども、これを悪用されますと、十名なり二十名の者であつても、それによつて今回のあの事件のように、院外の者がこれを使用したことが現実に証拠となつて現われて来たということにかんがみましても、これは禁止しなければならないと思う。また新聞通信関係バツジ、これは前からしばしば非公式に限定をしてもらいたいということの話があつた次第であります。新聞報道関係と言いましても、一口にいつて日刊もあり、あるいは年に一回のものもあり、あるいは週に何回というようなものもあり、それの同じような院内における行動は、まつたく区わけがつかないで非常に迷惑することもあるという非公式の交渉はしごくもつとものことであろうと思います。またその他の各政党事務所に配付されるバツジ等も、幾らか乱れて来たような傾向もあると思うのでありまして、これはいずれ本日でなく、日をあらためてこの委員会に諮りまして、何日までに整理をするというようなことをとりきめたいと思うのであります。これは全員一致意見によつて決定をいたしておきたいと思います。本日のところはバツジ整理することだけをおきめ願つて、具体的な整理方法は、いずれ委員会にかけて決定したいと思います。  その次は、事務的にお話になることでよろしゆうございますが、国会センター集会デモ、その他の禁止区域とすることであります。こればただちに法律規則によつてやる必要はないと思います。イギリスでもイタリアでもそういうことをやつておりますが、まず事務総長が御説明になりました通り参議院議長協議の結果、警視総監に申し入れまして、警視庁の方においてこれを禁止区域として実効をあげる、それができざるときにおいては規則をつくることもできると思います。まず第一手段としては、両院議長協議のもとに警視総監に申し入れるということが適当であろうと思います。  右、六項に関係することの中で、各常任委員会傍聴制限の問題は、これは本委員会権限に属しないことですから、議長を通じて各常任委員長に通達して、スムーズに行われることを要望することにいたしたいと思います。当該委員長が、委員長権限においてある程度秘密にするとか、制限を付するとかいうことは、本委員会の関知せざるところでありますが、ただ今日までの経験にかんがみますと、運営上、傍聴せる議員によつてその委員会審議が阻害されておるという事実は、しばしば現実に行われておるという事実にかんがみて、議長より各常任委員長に申し入れるということが穏当であろうと思います。右六項目は、ただいまこの席から決議として正式に議長に申し入れたということにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。  なお、ついでに院の秩序保持の件に関して、当委員会として、議長並びに事務総攬者である事務総長希望意見を述べておきたいと思います。御承知の通り、院は議長警察権その他議長権限によつて秩序が保持されるべき性質のものであります。従いまして内部取締りの操作というものは、日ごろ厳重に行われておらなければならないものもございますが、三日前のごとき集団暴行といいますか、騒擾といいますか、これは何人も予測せざるところでございます。不測突発事件と見なければなりませんが、あの光景を見ましたときに、今後においてもかくのごとき不測なる状態によつて秩序を乱すような行動があつたときには、院内取締りの任に当る議長として準備がなければならないと思います。われわれ内部取締りに対して容喙すべき性質のものでございませんし、事務総長並びに議長監督のもとにいかなる方法によつてやるかということは、外部に発表すべき性質のものではございませんが、われわれ委員会としては、強く議長並びに事務総長にこのことを要望して、万遺憾なきを期してもらいたい。すなわち、議長職権をもつて行い得るような状態とは、いかなる事態があつても、つまり議員議場に安心して入場して議場内において審議が進められるような方途を講じてもらわなければならないと思うのであります。その観点に立つて、場内、院内秩序保持については、一段の計画的の方法を樹立しておいていただきたいということを、委員長から議長並びに事務総長に要望いたしたいと思いますが、右御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議がなければ、右の件を議長並びに事務総長に強く要望しておきます。     —————————————
  13. 菅家喜六

    菅家委員長 本日の本会議は、議長が公式の事故がありますので三時に開会をいたしたいと思います。本会議は午後三時に開会することに決定して御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議がなければ、さように決定いたします。  次の本会議公報をもつて御通知することにいたしたいと思いますが、明日はとりあえず本会議は開かないということに決定いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議がありませんから、明日は本会議は開かず、その次の本会議公報をもつて御通知いたすことにいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後二時七分散会