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松井(政)
委員 椎熊さんからいろいろ
反対の
理由がございましたが、遺憾ながら、われわれと考え方を異にする。
提出者でありますから、
提出者側からそういう理論的には異なる理論の立て方ができると思いますので、一応申し上げたいと思います。
指揮権の
発動と、
総理大臣の
外遊の
決議案は、
行政府を立法府が制約するかのごとき考え方を持たれるのでありますが、私は、それとは逆な考え方を持
つておる。というのは、何と申しましても、立法府と
行政府の職務の違うことば明らかであります。立法府は、
行政府の行政事項についての常時監査の職能を持
つておることは御承知の
通りであります。従いまして、政党内閣でもございますし、たとえば
総理大臣が、この時期にこういう
方法で
外遊することがよろしいと考えれば、
行政府を構成しておる政党の
諸君も、当然その考え方を持つものであります。行政の執行の上から正しい、こういう考え方を持つのであります。ところが
行政府の
行動について、やはり常時監査の権能を持
つておる立法府の中の構成の一部分は、あるいは大多数は、こういうときに
行政府がそういう
行動をとるべきでない、こういう物の考え方から出発しておるのは明らかであります。やはり
全会一致でなければ
決議案は出せないのが従来の
建前だというのでありますが、
内容その他を
検討して、
全会一致に持
つて来る努力をして
全会一致にな
つておる
決議案が、従来の
取扱いの大多数だと考える。そういう立場からわれわれは出しておるのでありまして、
意見の食い違いはございまし
ようけれ
ども、そういう考え方で
提出をいたしました本
決議案は、われわれとしては、従来の内政あるいは特別の経済問題についての
決議案よりも重要に考えておりますので、
各党においても御
考慮が願いたいと思います。
指揮権発動の問題については、
法律ができておるから、その
法律を適用したまでであ
つて、その撤回
決議案は
行政府の干渉になるという考え方でありますが、この解釈は、必ずしも同一理論で、あらゆる国内の国民の考え方が
一致しておる
指揮権発動ではございません。これは政治上の問題が起きただけでなく、十四条の解釈についても、こういう場合に十四条を適用すべきかどうかという、
法律の執行に関する異論が出ておることは御承知の
通りであります。従いまして、この考え方も
一致しないでございまし
ようけれ
ども、われわれの方は、そういう間違
つた時期に、間違
つた法解釈によ
つて、間違
つた行政執行を
行つた場合には改めなければならぬ。それを警告する職務は立法府だと思う。
行政府に対して、そういう
意味の立場から警告を発し、常時監査をする機関は立法府でなければならぬ。従いまして、立法府を構成するわれわれとしては、こういうことをやることは国民の輿論に見てもぐあいが悪い。
従つてこの点は、はつきりと立法府の
意思を明らかにしなければならない。そういう物の考え方から
提出をしておるのでございますから、
意見の相違はございましても、再度御
検討願いたいと思います。
海外派兵禁止に関する問題は、本来ならば、協定されました条項の中にうたうべきが妥当だという議論は、改進党さんも、左右
社会党も、みな議論をして来たところであります。ところが
政府は、その協定の中にも入れずに、談話
程度で出しておりますけれ
ども、国民の大多数は、やはり
海外派兵について非常な疑惑を持
つておる。
従つて今日の議会を構成しておる国民の代表は、
海外派兵をしないという
決議をも
つて国民に対処することが立法府の
責任であり、立法府を構成しておる人々の当然やらなければならない事柄だと考えております。従いまして、
海外派兵禁止に関する
決議案は、立法府を構成しておる国民の代表として、協定
内容によるべきもの、あるいは立法化すべきものをしないで、
政府が答弁をしたので明らかに
なつたというだけで済まされない重要問題でありますから、やはり院の
決議として、はつきりと疑惑を持つ国民を安心させたいという考え方でありますから、やはり
意見の相違はございましても、いろいろ御
検討願いたいと思います。それから
生活保護法の
決議案でございますが、これは
内容については、
各党ともおそらく
反対がないでし
よう。
内容について御
検討が必要ならば、十分提案者側との間に
内容を
検討して、
全会一致に持
つて行く
ように御協力を願うことが一番時宜を得たことだと思いますので、この四つの
決議案は、
会期末も近づいておりますから再度御
検討願
つて、ぜひとも
上程の運びに至る
よう御協力願いたいと思います。