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1954-04-22 第19回国会 衆議院 議院運営委員会 第49号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年四月二十二日(木曜日)     午後一時四十五分開議  出席委員    委員長 菅家 喜六君    理事 荒舩清十郎君 理事 今村 忠助君    理事 坪川 信三君 理事 渡邊 良夫君    理事 椎熊 三郎君 理事 土井 直作君       生田 宏一君    江藤 夏雄君       鍛冶 良作君    助川 良平君       田嶋 好文君    田渕 光一君       森   清君    山中 貞則君       山本 友一君    小泉 純也君       園田  直君    長谷川四郎君       青野 武一君    井手 以誠君       辻原 弘市君    山田 長司君       山本 幸一君    池田 禎治君       長  正路君    松井 政吉君       中村 英男君  出席政府委員         内閣官房長官  福永 健司君         法務政務次官  三浦寅之助君         検     事         (刑事局長)  井本 台吉君  委員外出席者         議     員 安藤  覺君         事 務 総 長 大池  真君     ――――――――――――― 四月二十二日  委員櫻内義雄辞任につき、その補欠として佐  藤芳男君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  議員荒木萬壽夫君の逮捕について許諾を求める  件  決議案取扱いの件  漁港審議会委員任命につき同意を求めるの件  日本国有鉄道経営委員会委員任命につき同意を  求めるの件  緊急質問取扱いの件  本日の本会議議事に関する件     ―――――――――――――
  2. 菅家喜六

    菅家委員長 これより委員会開会いたします。  第一に、漁港審議会委員任命につき同意を求めるの件並びに日本国有鉄道経営委員会委員任命につき同意を求めるの件について、事務総長より御説明申し上げます。
  3. 大池真

    大池事務総長 お手元に各候補者履歴並びに政府の方の任命要求理由を書いた印刷物が差上げてありますが、漁港審議会委員はすでに欠員となつてつた方の補充をいたしたいということで、政府からの申出であります。最初の井出君と小田君の二君については、従来おられた方をそのまま、任期が八月六日に済んでおりますので、再任をいたしたい。板垣松平池田の三君については、その上に書いてあります通り板垣君は横田象三郎君の後任にいたしたい、松平君は岩田留吉君の後任にいたしたい、池田君は伊藤佐十郎君の後任にいたしたい、こういうことで、この三君の履歴並びに任命理由等が次に書いてございます。つきましては、各党で御審議の上態度を御表明願いたいと思つております。
  4. 椎熊三郎

    椎熊委員 漁港審議会委員各党が割当で推薦をしておる。これは発足以来そういう慣例なんです。官房長官が来たら、これはどの党の推薦かということを明らかにしていただきたい。人物については、北海道に関する松平君などは、私ども相談を受けておりますし、賛成ですが、その他はどの党の推薦か、再任される人はいいが、新たにかわる人はどの党が推薦しておるかということを明らかにしてから……。
  5. 大池真

    大池事務総長 それから次の承認を求めております国有鉄道経営委員会委員でございますが、阿部、工藤、佐藤、佐々木、村田、この五君とも従来日本国有鉄道監理委員会委員ということになつておりましたのが、国有鉄道法が一部改正になりました結果、経営委員というふうに名前がかわつておるだけでございます。従いましてこの五君とも経営委員お願いをいたしたい、こういうことで申出があるわけであります。この点についても、大勢の人事でございますから、きようというわけに参りますまいが、次会までに各党の御態度を御決定願いたいと考えております。
  6. 菅家喜六

    菅家委員長 両委員とも、次回の委員会までに各党態度を御決定願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕     ―――――――――――――
  7. 菅家喜六

    菅家委員長 次に、緊急質問取扱いについて御協議願います。お手元に配付になつておりますが、先ほど理事会にお諮りしたのでありますが、同一内容のものが四件出ておるわけであります。今日までの慣例上、この種の場合には、全部を包含して一人にまとめてもらいたいということで、理事会において、左右両派、改進党と出ておりますが、三党間で話合いをつけまして一本になつて、それを代表して緊急質問をするということに理事会話合いがきまつたのであります。理事会決定に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議なければさよう決定いたします。  そこで、三党間の交渉の結果、どこがやりますか。
  9. 山本幸一

    山本(幸)委員 私の方でやらしていたいただきます。
  10. 椎熊三郎

    椎熊委員 左派は二人も出ておるが、どういうわけですか。
  11. 山本幸一

    山本(幸)委員 ぼくは取消します。
  12. 土井直作

    土井委員 念を押すまでもないが、理事会で申し合せました事項の中で、三党を代表してということになる。その点をはつきりしておいてもらいたい。
  13. 菅家喜六

    菅家委員長 三党を代表して一本の緊急質問をする。左派猪俣浩三君で、時間は大体十五分以内でいいでしよう。
  14. 山本幸一

    山本(幸)委員 二十分くらいにしてください。
  15. 椎熊三郎

    椎熊委員 三党代表だから二十分以内、そのかわり厳格にやる。
  16. 菅家喜六

    菅家委員長 厳格に二十分ということにお願いします。緊急質問取扱い決定いたしました。     ―――――――――――――
  17. 菅家喜六

    菅家委員長 次に、荒木萬壽夫逮捕についての件ですが、昨日は御承知のような事情によつて質疑を行うことができませんで、本日二時ごろまでということでございましたが、まだ法務大臣後任等も未決定でありますので、一応本会議を開きまして、本日は満場一致案件だけでありますから、緊急質問と、満場一致案件取扱つて、その後にこの質疑を行いたい。それまでに正式に法務大臣決定を見れば、もちろん法務大臣出席、もし法務大臣が未決定の場合でも、政務次官事務次官刑事局長をこの委員会に招致して質疑を行いたいという考えでございますので、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議なければさよう決定いたします。  池田君から官房長官の御要求がありましたが、記者会見中で、終り次第来るそうであります。もう一応催促いたします。     ―――――――――――――
  19. 菅家喜六

    菅家委員長 では、その間に議事日程のことをきめておいていただきたい。緊急質問の場合、理事会では一応そういうことを申し上げておきましたが、なお全委員の御了承を得たいことは、総理はきよう登院いたしましたが、前からの参議院の要請によつて、今参議院に出ております。この時間には副総理答弁するということになりましたから、御了承願います。
  20. 山本幸一

    山本(幸)委員 総理参議院予算委員会ですが、本会議ですか。
  21. 菅家喜六

    菅家委員長 本会議です。
  22. 山本幸一

    山本(幸)委員 本会議は何時ごろの予定ですか。
  23. 菅家喜六

    菅家委員長 本会議はもう始まつておるんじやないかと思います。
  24. 山本幸一

    山本(幸)委員 大体本会議の時間はわかりませんか。
  25. 菅家喜六

    菅家委員長 わからないが、向うと交渉して、こちらの方は二時半ごろになるが、二時半ごろまでに都合できるならば、無理をして出て来るということを申しております。もしそのことがいけない場合があるから、副総理ということで、都合つけば総理に出てもらう。
  26. 山本幸一

    山本(幸)委員 私は、いない人を無理に出て来いと申しませんが、どうも先般来、総理参議院の方はたまたま出ておる。意識的ではなかろうと思うが、衆議院が本会議をやるときには、やはり少くとも衆議院には総理が出てもらわなければならぬと思う。
  27. 菅家喜六

    菅家委員長 ごもつともで、交渉しておりますが、なお官房長官も見えますから、その点は強く言いまして……。
  28. 山本幸一

    山本(幸)委員 ですから、一応官房長官が来られてから、官房長官に時間の打合せ等を聞いて、しかる後あらためて……。
  29. 菅家喜六

    菅家委員長 それでは日程のことを……。
  30. 大池真

    大池事務総長 本日の議事日程の順序について御協議願いたいと思いますが、ただいま御決定になりました緊急質問をまず第一にお願いを申し上げまして、それから日程に入ります。日程の方の第一、第二は、一括上程いたしまして、運輸委員長關内正一君が御報告になりまして、全会一致でございます。日程第三ないし第五の三案は、一括上程で、大蔵委員会理事黒金泰美君が御報告になりまして、これも全会一致でございます。それからお手元緊急上程お願いいたしたい案件を差上げてありますが、審査終了予定案件のうちで、すでに審査終了いたしました外務委員会法案は、外務委員長上塚司君が御報告になりまして、全会一致承認でございます。大蔵委員会のはまだ上りません。次に厚生委員会厚生年金保険法案が上つておりますので、これは厚生委員会理事青柳一郎君が報告されまして、全会一致であります。これに対しては討論があると聞いております。各派討論は、先ほどの理事会では十分以内でというお話でございます。ただいま各派のうちで出て参つております分は、左派長谷川君、右派の岡良一君、二君の通告がございます。それから建設委員会の二案は全会一致で上りました。従いまして久野委員長が御報告になります。外務厚生建設委員会のこの四件を緊急上程お願いいたしたい、こういう予定でございます。
  31. 菅家喜六

    菅家委員長 なお、厚生年金保険法案討論は、改進党、自由党は今申出がございませんが、留保されておるので、場内において、やる場合には申し上げます。
  32. 椎熊三郎

    椎熊委員 改進党は多分佐藤芳男君だろうと思います。一応場内で……。やらないことになるかもしれません。
  33. 菅家喜六

    菅家委員長 場内決定することにいたします。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 菅家喜六

    菅家委員長 ただいま事務総長説明通り日程決定いたしました。  官房長官はまだ見えませんか。――官房長官を迎えに行きましたから、暫時休憩いたします。     午後一時五十八分休憩      ――――◇―――――     午後一時五十九分開議
  35. 菅家喜六

    菅家委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。
  36. 椎熊三郎

    椎熊委員 ちよつと官房長官にお伺いしたいのですが、新聞の伝うるところによると、犬養法務大臣緒方総理のところへ辞表を出したということであります。そういう事実があつたかどうか。もしあつたとすると「内閣はそれを受理したかどうか。受理したとすれば、後任はどういうことになつておるか。大体現状を率直に御説明願いたい。
  37. 福永健司

    福永政府委員 犬養法務大臣緒方総理のところへ参りまして、辞意を表明いたしましたことは事実でございます。それは昨日のことでございます。昨日、緒方総理吉田総理にこの点につきまして打合せましたところ、慰留するようにということで、緒方総理が、犬養法務大臣に、そうした考え方での話合いをいたしたわけでございますが、犬養法務大臣といたしましては、なかなかそのことで簡単に志を翻すというわけにも行かない模様でございます。そこで、昨日の話では、けさ総理大臣に会いまして、よく考えた結果の自分考え方を申し上げるなら、さらに総理大臣からお話を伺う、こういうことであつたのでございますが、実はもう午後二時になりますが、今までに犬養法務大臣は、もう少し御猶予をいただきたいということで、総理大臣のところへ参つておりません状況でございます。従いまして、ただいま椎熊さんのお尋ねの第二点たる手続上の点からいたしますと、正式に書類等辞任手続を進めているという段階には至つてないわけでございます。その事前の、今どうすべきかということでの過程でございます。内閣といたしましても、この種のことをできるだけすみやかに明確にいたしたいと考えておりまして、ただいま、そういう観点から、犬養法務大臣の方へも、さらに総理大臣のところへ参ること等について急ぐようにということも言つております次第でございます。まことに不明確な状況で、ただいまはそういう状況であります。遺憾でございますが、実情はさような次第でございます。
  38. 椎熊三郎

    椎熊委員 お話によると、犬養法務大臣現実にはやめておらぬということですね。
  39. 福永健司

    福永政府委員 犬養法務大臣向うでの御意思は、やめさしていただくように申し出たというつもりで、かたくその決意でいるやに思われるわけでありますが、それを正式に受理いたしまして、それじややめるという手続を事務的に進行をさせるという域には至つていない次第であります。
  40. 椎熊三郎

    椎熊委員 いろいろ形容詞を抜きにして、現実には犬養さんは法務大臣たることは間違いない。そうであるとすれば、単にきのう辞意を漏らしたにすぎない。犬養法務大臣責任において、同僚荒木萬壽夫君の、これは内閣の閣議を経たのですから、全体の責任でしようが、逮捕許諾請求が当院に参つております。それは先般の説明伺つても一刻も猶予できない、猶予するにおいては証拠隠滅のおそれがある、そういう説明から、案は当委員会に付託になつておるのですが、そこで私ども質問等もあるにかかわらず、犬養さんの個人的都合で今日までそれを審議することができない状況にある。たとい将来やめるにしても、現実法務大臣である以上、法務大臣として責任を持つて処理して来た案件を、ただ単に自分心境だけで国会審議が進められないというような状態に置くということは、無責任もはなはだしいと思う。即刻官房長官は、犬養法務大臣に当委員会出席するように御交渉願いたい。
  41. 菅家喜六

    菅家委員長 なお、委員長からも、この際官房長官お願いしたいのですが、ただいま椎熊委員の御発言しごくごもつともなことに思うのでございます。まだ正式手続をとらざる不明確のもとに、昨日もそのために本委員会が付託された案件につき質疑を行うことができなかつた。今日も辞意を漏らしたという程度でそのまま放任されるならば、今日もまた質疑責任ある大臣のもとに行われないということになります。この荒木君の逮捕許諾請求は、すでに五日以上を経過するということになります。審議に非常に重大だと思う。そういうようなことは、内閣内部事情で、手続がとられたとか、とられないということでなく、内閣としての責任上、まだ辞職しないで、ただ辞意を漏らしたという程度で二、三日置かれるということは、まことに遺憾だと思う。もしそういう事態がありますならば、即刻そういうことは解決さるべきである。国会開会中でありますから、一日といえども所管大臣が不明確のもとに開会中あるということは、非常に重大だと思う。どうぞ内閣においては、おそらく本委員会全会一致の意見だろうと思いますから、すみやかに明らかにされて、もし単なる辞意を表明したということならば、本日の委員会犬養法務大臣出席してもらわなければなりません。出席を正式にこの委員会決議によつて要求するという形になるのであります。どうぞ、官房長官におかれましては、その点を、本日はそのために本会議を先に開くことになつたのでありますから、本会議終了までに、ひとつ御処置をお願いしたい、こう思う次第であります。
  42. 福永健司

    福永政府委員 委員長並びに委員各位からのお話の点は、重々私どもも承りました次第でございます。できるだけすみやかにただいま御指摘の点等を明らかにいたしたいと存ずるわけでございますが、実際問題といたしまして、本会議終了までにということがどうなりますか。できるだけ努力しまして、明確にいたしたいと思う次第でございます。先ほども申し上げました通り、私どもの解釈をもつていたしまするならば、いまだ犬養氏は法務大臣であることには間違いないと考えておるわけでございますが、ただ本人辞意を表明いたしましたただいまの状態からいたしまするならば、すでに辞意を表明いたしておる者が出て、いろいろ申すことはいかがかというように、おそらく本人の方では思つておるかと思うわけでございます。そこいらの点等につきましても、ただいまの委員会の御意思を伝えまして、本人並びに内閣において、できるだけすみやかに善処をいたしたいと思う次第でございます。
  43. 菅家喜六

    菅家委員長 お言葉を返すようでございますが、ただいまの官房長官のお答えでございますが、それにこだわるのではございませんが、このことは今後の運営上必要なので、各委員からも今御発言があるようでありますが、委員長として、もう一応官房長官お願いをしたい。ただ手続上の問題は内閣内部のことでありまして、私どもしろうとから言いますと、これは官房長官が正式な書類をもつて辞職手続をすればできるのでありますが、しかし本人辞意を副総理にということならば、総理に直接行つたとも解することができるのであつて、ただその間、本会議終了までに、やめたのか、やめないのか、不明確になつて、やめたようでもあり、やめないようでもあり、その事柄によつて国会審議に臨めないということになると、事は非常に重大だと思う。それでありますから、やめたのであればやめたと、手続の問題は別として、やめたのであるが、その後任者のことで、ただその手続上のことがとられないのならば、国会においては、これに代理すべき政務次官があり、その上に総理、副総理という責任者もあることでありますから、大体ざつくばらんに申し上げるが、私どもの問題は法務大臣所管責任大臣であるが、その責任者辞職せられた。後任者が未決定であるとすれば、政務次官なり、事務次官なり、刑事局長を呼んで、審議を進めるという方法もある。しかし、それが不明確になつたままで、政務次官事務次官刑事局長を呼んでやるというようなことは、審議が軽率だということになる。やはり責任大臣の臨席のもとに行われなければならぬ。この委員会取扱いが非常にむずかしくなる。しからば、きようもそのために審議をしないということになると、やはり内閣においても、国政の審議の上に支障を与えたという結果になる。あまりやかましいりくつを申し上げるわけではございませんが、ひとつその点を明確にされるのがむしろ望ましいと思いますから、その点をもう一度御配慮を願いたいと思う、こういう意味でございます。
  44. 山本幸一

    山本(幸)委員 委員長の言われた通りで、そこで問題は、ここでめどをつけたらいいと思う。本会議が始まつて、一応計算してみると、おおむね本会議終了までには一時間ないし一時間二、三十分です。従つてその間に正式に辞表手続がとられれば別です。後任者をつくるまでには、必ずしもそれから十分や二十分でできるわけでもございませんので、その場合は別だが、もしその間に正式の手続ができなかつたときには、休憩後開かれる議運には当然犬養さんの御出席を願いたい。但し正式な手続をとられて辞職が明らかになれば、後任者が選ばれるまで待つわけに行きませんので、至急に選んで、選ばれた人が出て来ればよろしいが、もし選ぶについて時間がかかれば、委員長の言われたように、両次官並びに刑事局長でやることに私たちはあえて反対いたしません。従つて一応めどをつけてやつていただきたい。そうしないとはつきりいたしません。
  45. 椎熊三郎

    椎熊委員 山本君が言われたような、そういう取扱いをしていただければけつこうであります。もう一つ官房長官にお伺いしたいのは、犬養法務大臣は、ことに所管行政事務の上に重大な問題を扱つておる今日、辞意を漏らすということについては、相当の理由がなければならぬと思う。内閣に向つて辞意を漏らした、やめるという理由を、ひとつ明らかにしていただきたい。
  46. 福永健司

    福永政府委員 できるだけすみやかにめどをつけるということにつきましては、皆様の仰せの通りでございます。内閣といたしましても、できるだけすみやかにめどをつけなければならぬと痛感をいたしておる次第でございます。ただ、先ほど申し上げましたように、現実は、総理大臣といたしましても、犬養本人会つて、さらに話を聞いて、そこではつきりとけじめをつけたい、こう考えておるわけでございますが、犬養氏はまだ総理大臣に会うに至らずして現在に及んでおります。総理大臣は、ただいま参議院の本会議から出席要求がございましたので、そちらに行つておるわけでございますが、さようなことでございますので、今からどれだけの時間ということは、必ずしも正確には申し上げられないのでございますけれども皆様お話の御趣旨を体しまして、できるだけすみやかにめどをつける、ないしはけじめをつけることにいたしたいと考えております。従いまして、このいわゆるめどをつけるということが、辞任と明確にきまります場合においては、この辞任ということにつきましての本人の申出等をもとより明らかにすべきことでありまして、従つて椎熊さん御質問点等申し上げたいと思いますが、実は、もし慰留ということになりますと、ちよつと問題が今不明確のままの状態でございますので、結論に行く前でございます現在の状態では、本人心境等も私十分にはそんたくし尽せないところもございます。この点も、本人の気持、申しております趣旨等につきましても、もうしばらく御猶予を願いたい。あとでけじめをつけますときまで御猶予をいただければと思います。
  47. 椎熊三郎

    椎熊委員 もつともだと思いますから、待ちましよう。それでは、辞任したというとき、あるいは慰留して再びその地位にあるというとき、いずれにでも確定した時分には、いかなる理由緒方さんのところへ辞意を漏らしに行つたか、それを明らかにするという約束ができたと私は信頼してよろしいですね。あなたは明らかにしてくださいますね。
  48. 福永健司

    福永政府委員 とどまるというような場合等におきましては、どういうわけでそういう経過を経てまたとどまることになつたかというようなことにつきましては、御当人から聴取していただくことが最も明らかになることだと思います。ただいまの御発言趣旨に従いまして、御当人にその旨告げます。やめたという場合においては、やめた人に何でやめたかということは、なかなかそうなりますと、若干事情が違うということになります。その場合においては、しかるべき方法でまたお答え申し上げることにいたします。
  49. 椎熊三郎

    椎熊委員 了承しました。
  50. 池田禎治

    池田(禎)委員 どうも官房長官のただいまのお言葉では納得が行かぬ。やめたるがごとく、やめざるがごとく、しかもその心境はどうだ。当委員会でまことに迂遠な話でございまして、私ども委員としてそういうことは了解するわけに行きません。実は、繰返しますと、先ほどの理事会において、法務大臣が午後二時ごろまでに後任者決定を見ない場合には、本委員会に付託されておる議員荒木萬壽夫君の逮捕許諾に関する審議を、委員会としてはこれ以上放任することはできない。改進党も、また荒木君も、まことにりつぱな態度で、すみやかに審議をせられることを望んでおる。委員会としては当然付託されたものを審議しなければならぬ。そこで、午後二時までに法務大臣後任決定せざる場合は、政務次官事務次官及び刑事局長を呼んで質問に入るということに、理事会では内定しておりますが、ただいまの官房長官のお言葉によると、私はまたその決定さえもくつがえしてもらわなければならぬ。あなたもう一ぺんはつきり言つてください。やめるがごとく、やめざるがごとく、私ども一向わからぬ。辞表を出したか出さないか。その辞表を出したならもらつた。しかしこれは撤回させようと思つておる。もう少し何とかはつきりと明快に御答弁を願いたい。それができなければ、本委員会としては付託された案件を扱うという方法がない。いわんや、法務当局はすみやかに許諾を与えられたしということで、本委員会請求して来ておる。しかもそれは改進党の国会対策委員長なるがゆえに、たとえば自由党の人ならどうなる。私は、この点は官房長官に聞くことじやないが、そういうことも関連いたしますから、明快なる御答弁をいただきたい。本委員会としては明確にいたさなければならぬ。その点伺いたい。
  51. 福永健司

    福永政府委員 ただいま池田さんが、やめたるがごとく、やめざるがごとくとおつしやいましたが、見方によつてはそういうことになります。と申しますことは、犬養さんは、やめたいということで、総理のところへそういうように申し出ましたわけでございます。そういう意味においては、本人はもとよりかたくやめると申し出ておるわけでございますが、皆さんも御承知のごとく、現実においては、本人が言つたから、それでただちに辞任の効果が全面的に発生するとは言い切れないと思うのであります。総理大臣の方においても再考をしないかということを言いまして、ただいまになつておるようなわけでございます。こういうことは、速戦即決で、そのときにどつちかにきまつてしまうことが一番望ましいわけでございますが、しかし、一面現実はしかく簡単にのみも行かないわけでございます。ただいままでにいろいろそういうことが長くてはいかぬとおつしやることにつきましては、まつたくごもつともで、私どもも、さような状態で長く経過することを非常に遺憾とし、もとより希望しないところでございます。先ほど申し上げましたような実情でございますので、できるだけ急ぎますから、その点はひとつもうしばらく御猶予願いたい。
  52. 山本幸一

    山本(幸)委員 私がさつき申し上げたのは、大体結論を申し上げたのですが、今池田君の言われたように、先ほどの理事会では、二時までに正式な態度が明らかにならなければ、政務次官事務次官、局長を呼んで質疑を続けようということになつておるわけです。ところが、今の官房長官の話によると、まだ正式な辞表が出されていないのだ、早くいえば口頭で申し込まれた、同時に、正式の辞表が提出されたとしても、手続の上においては、まだ辞表の最終決定には来ておらぬのだ、こういう状態なんですね。そこで私の言うのは、官房長官がどう聞き違えられたか知りません。あるいは意識的にうまいことそらされたか知りませんが、きようの本会議は、大体本会議が始つてから一時間ないし一時間二、三十分で終了するわけであります。その間には議運は開かれませんから、本会議終了してから議運を開いて、そこで質疑を行うということになるわけであります。従つて、私の申し上げためどというのは、本会議の時間が一時間ないし一時間三十分という一つのめどがついておるから、その間に犬養さんの方の辞任正式手続が了した場合には、後任者を至急選んでいただいて、できるだけ責任のある法務大臣が議運における答弁に立たれるようにしていただきたい、但し、それに時間をとるようなことなら、それは次官並びに井本局長にわれわれは質疑をしてもよろしい、従つて一時間ないし一時間三十分なりの間に正式に手続の了しなかつた場合は当然、犬養さんは法務大臣の職にあられるから、その際には必ず議運に出席してもらつて答弁に当つてもらいたい、こういう意味で私は申し上げたわけであります。そういう点を明確にしてもらわぬと困る。
  53. 福永健司

    福永政府委員 分析してのお話でございまして、その意味において「私もそれに対応してお答えを申し上げますが、一時間ないし一時間半本会議がかかる。この間において、犬養氏が総理のところへ参りまして、最終的に、今不明確の観ある状態になつておりますことを明確な結論に到達することに、できるだけ努力をいたします、いたしますが、参議院の本会議も始まりましたので、これはそうあまり長くかからないかと思いますが、一時間ないし一時間半はかかるんじやないかと思います。しかし、もうすでに始まつておりますから、こちらよりも早く総理大臣が手があくのではないかというように思います。従いまして、今申しました措置をできるだけすみやかにとりたいと思います。ただ、そういうことになりますと、もちろん、これによつて、ただいま皆さん仰せの、辞任はした、後任がきまるとか、きまらないとかいうことが明確になるわけでございますから、それによる措置はもとよりございますが、その時間すれすれくらいに、いろいろお話しておりまして、なお考慮の余地が残つておるという場合が万々一起ります場合においては、そういうような心境状態のままで犬養氏がやめるという意思で、その意思を翻すに至らない状況のままで、正式な意味において総理大臣が認めたとか認めないとかいうようなことと関連して、完全なる明確なる結論が出ていない状況のもとで、一時間半なら一時間半の後にはこの委員会へ出て来てということにつきましては、ちよつと……。もとより皆さんの御意思は伝えますが、(「それはおかしい」「現に法務大臣だ」と呼び、その他発言する者あり)形式的にはもちろんおかしいと思いますが、実質的には……。(「辞表を出しておるのか」と呼ぶ者あり)辞表は出しておりますが、これを総理大臣が、それでけつこうということで、すでに結論を下しておるところに、ちよつと行つてないということであります。しかも、その状況は、できるだけすみやかに明確な結論の方へ持つて行くべきは当然でございます。私ども非常に……。     〔発言する者多し〕
  54. 菅家喜六

    菅家委員長 ちよつとお待ちください。こういうことに願いましよう。この問題でいくらやつても、官房長官の御答弁がうまいのか、言いまわしが巧みなので迷いが生ずるのですが、分析しても総合しても、形式的にも実際的にも、この問題は簡単でございます。委員会意思は、今のところ不明確であるというが、先刻開きました理事会においては、新聞等には辞職したということが出ておる。二時までに法務大臣決定を見ない場合は、その代理たる政務次官事務次官、局長を呼んで審議を進めよう。まことに簡単であります。しかし今度は、まだ辞職しておらないのであるということになりますと、現存いたしておる法務大臣を除いてこの重大なる議員の身分に関することを論議することは、ちよつと軽卒だということになり、審議は至難になります。そこでかくのごときことは、実際的にも、形式的にも、内閣内部手続等の問題において、国会開会中、しかも重要なる問題の所管事項のあるときに、当該大臣がやめたのかやめないのかということがはつきりしなければ、国会としては重大なことになるというのです。それであるから、やめたからすぐあとをきめろなどということを言つておるのでない。内閣の御都合によつて、すぐきめろと言つても、きまることでもない。辞職したものであるか辞職しないものであるか明確にならないということは、二日間もあり得ないことであります。それであるから、決してやかましいことを申し上げるのではないが、辞職したのであるが、後任がきまらない。そういう慰撫することが二日間もかかつておるということになりますと、やはりこれは、公平に考えまして、審議の上に非常な支障を来すことになる。しかし、これ以上官房長官に御質問申し上げても、官房長官の立場上御答弁ができないならば、委員会は、また別個の方法によつて別個の質問もいたすことができるのであります。官房長官に対する質問はこの程度で打切りまして、その他のことは委員会において……。
  55. 池田禎治

    池田(禎)委員 まだ他にもございますから……。ただいま質問しておる以外のことについて私は出席を願つたのであります。委員長の今おつしやつたことは、まことにごもつともだと思う。本委員会は、法務大臣がやめたものなりと考え、さようなもとに本日これから行われる緊急質問につきましても、法務大臣辞任に伴う緊急質問委員会で可決しておる。ただいま官房長官の御答弁によると逆だ。本日行われた理事会決定も、本委員会の先ほどの決定も、一度御破算にして、新たなる事態のもとにおける審議を進めて行かなければならぬ、私はかように思う。そこで、もしかりに、今官房長官のおつしやるように、法務大臣がやめるという意思をもつて辞意を表明しておるなら、その人に委員会に来いと言つてもなかなか来にくい。これは、理論は別としても、実際問題としては、あなたの申されることはある意味においてわかります。従いまして、委員会は付託された案件をこのまま放置することはできない。憲法五十条の国会開会中議員は逮捕されないという条文を賭して、法務当局議員荒木萬壽夫君の逮捕要求して参つておる。それほど緊急にして、かつ憲法に保障されておる項目を曲げてもらいたいということをもつて委員会に付託されておる案件です。きわめて重大なものでなければならぬ。いわんや、一党の国会対策委員長としての荒木君の立場を思うときに、ゆゆしき重要法案です。それを法務大臣の進退のために等閑に付されてしかるべきものなら、むしろ緊急にあらざるものを、野党の国会対策委員長なるがゆえに、曲げてまで逮捕請求したという議論さえも成り立つ、こう思わざるを得ない。そこでどうしても法務大臣辞任問題が氷解しないならば、当然所管大臣が出られないならば、内閣責任において議員荒木萬壽夫君の逮捕請求した以上は、総理大臣ないし副総理大臣が、本委員会に参つて、これに対する説明をし、かつまた答弁の衝に当られることが、責任政治、政党政治の上から当然であると思う。従つて犬養法務大臣辞任の点が明確にならなければ、内閣総理大臣吉田茂氏ないしは副総理緒方竹虎氏は、本委員会出席して、委員質問に対して答弁せられるよう、官房長官責任を持つておとりはからいを願いたい。その点の見解を伺いたい。
  56. 福永健司

    福永政府委員 本人はもとより辞任するという意向を明らかにしたわけでございますが、先ほど申し上げましたように、それのみで全面的に辞任の効果が生じたとは言い切れないわけでございます。私の観測では、犬養法務大臣が参りまして総理大臣に一度会うことになれば、そこで大体決定すると思います。さようなわけでございますから、辞任に関する云々ということでございますが、私はそのどの面をとらえてということによつて辞任であるかないかということは、りくつはもちろんあると思いますが、いずれにいたしましても、(発言する者多し)本人としてはその意向だろうと思います。ただ形式的意味においての何でございますから、その形式的意味においてのことも、できるだけすみやかに明確にいたしたいと思いますから、もうちよつと御猶予いただきたいのであります。
  57. 山本幸一

    山本(幸)委員 問題を簡単にしてもらいたい。要するに、本委員会が再開されるまでに、犬養さんの辞任正式手続が終らなかつた場合には、当然犬養さんは現職大臣なんだから、本委員会に御出席願いたい。もしそれができなかつたときには、今池田君が言われたように、総理なり副総理なりが出て答弁に当られるのか、それとも、私の申し上げたように、次官あるいは刑事局長質問をするのか、その点をひとつ委員長の方できめていただいて、あとは、官房長官にいくら言つても、まるきりうなぎと話をしておるようなもので、問題にならない。そこで私ども決定内閣の方に申し入れる、こうしてもらいたい。
  58. 松井政吉

    ○松井(政)委員 関連して申し上げたい。運営委員会取扱い山本君のことでけつこうだと思いますけれども、私は、関連してひとつ官房長官にお伺いしておきたいのは、委員長が先ほどから言つておるように、われわれの場合は、犬養法務大臣がやめた、やめない、あるいはやめたと認定するのかという手続の問題をわれわれはお伺いしておるのでない。要するに、われわれは真剣に審議をしなければならない案件を持つておる。これは犬養法務大臣が昨日出席していただけないので延びておる。従つて各派委員諸君が、重要な件だから、きようは審議をしようということである。その場合に、法務大臣がやめたのかやめないのか、内閣の都合だけで審議ができるかできないかということについて、われわれは憂慮をしておる。従つて国会審議権を、悪い言葉でいえば妨害した形になつておる。犬養法務大臣の進退問題に対する内閣としての国会に対する責任は、どうお考えになつておるかという点を明らかにしていただきたい。
  59. 福永健司

    福永政府委員 御指摘のごとく、審議に支障あるということが生じますならば、まことに遺憾なことであります次第で、さようなことはできるだけすみやかに解消せしめなければならないと存じます。その意味において、ただいまのお気持を尊重いたしまして、できるだけすみやかに明確にいたしたいと思いますので、もうちよつと御猶予をいただきたいと思います。と申しますことは、先ほども申し上げたような総理事情でございますから、先ほど申し上げたようなことによつて明確にいたしたいと思います。
  60. 松井政吉

    ○松井(政)委員 先ほど来いきさつをあなたはおつしやつておりますけれども、私の方は、いきさつはよろしゆうございます。ただ、この前の議運で、与党の方の委員の中から、重要案件だから、答弁等も刑事局長にさせないで法務大臣みずからが当るべきが当然だという議論が出まして、当委員会は多少混乱をした。従つて、かような重要案件は、当然法務大臣が主管大臣として直接答弁に当ることが妥当だという議論は、与党、野党を通じて一致しておるけれども法務大臣出席しておるところで、刑事局長が重要なことについてのこまかい答弁を行うことはさしつかえないということで、一応の妥結を見ておる。従つて法務大臣出席できなければ、やむを得ないということが理事会であつたが、出席できないという意味は、やめたという判定の上に出席できない場合はやむを得ない、こういうことだと思う。やめないということならば、いかなる事情であろうとも、法務大臣出席しなければならぬ。ところが、やめたがごとくやめざるがごときままで法務大臣出席できないとすれば、内閣はどなたを出席させて、法務大臣に該当する立場において、国会のわれわれの審議に対処しようという考えであるのか。その責任考え方を明らかにしていただけば、あとは議運独自で問題がきめられると思う。その責任と、どなたを出席させて審議をさせようというのか、その点を明らかにしていただきたい。
  61. 福永健司

    福永政府委員 ただいま皆さんからいろいろお話の御趣旨に従いまして本会議終了後運営委員会をお開きになるまでに御返事を申し上げます。
  62. 菅家喜六

    菅家委員長 委員長はこういうふうに取扱いたい。ただいま官房長官から御答弁がありました通り、本会議終了後本委員会開会までに、それらの点をすべて明確にして善処するというお答えでございます。これに間違いないと思いますが、もしかりに、その場合に、そういう手続きやいろいろな問題等において、本委員会の満足するようなことができ得ないときは、本委員会は、委員会として審議をいかにするかということを決定することができるのであります。法務大臣がやめたかやめないか不明確なもとでは開けませんから、そのときはそれを明らかにするため、代理者として、内閣責任者が本委員会において答弁するのが当然でございます。従いまして、総理大臣もしくは副総理が本委員会に出るという結論になると思います。それから後のことは、あまりここで論議しなくともよろしいと思います。ただいまの官房長官の御答弁によつて、その問題は打切りたいと思います。
  63. 山本幸一

    山本(幸)委員 参議院の本会議はいつごろ終りそうですが。
  64. 福永健司

    福永政府委員 大体一時間から一時間半――本会議全体は相当かかると思いますが、総理出席を必要とするのは緊急質問だけでございますから、一時間少しだろうと思います。しかも、もう少し前に始まつておりますから、これから一時間という意味でございません。ただ、実は前々からの約束で、本院においても、例のMSAの関係の特別会計の予算審議に半日だけ出て来るようにという御要請で、本院の方は済みましたが、同様の取扱い参議院でいたしまして、それが今日の午後ということになつております。それに出席いたしまするということを前々から申し上げておつたのでありますが、参議院の本会議がその前にありましたので、本日の場合、本会議後にその予算委員会議事がありますかどうかは、まだ向うで協議を願つております。本日やるか明日に延ばすかということは、参議院で御協議をいただいておりますので、まだその点はどちらになつたということは聞いておりません。本会議の方だけは先ほど申し上げましたような状況であります。
  65. 山本幸一

    山本(幸)委員 実は委員長の方からお諮りいただきたいのですが、官房長官説明総理大臣の時間的なことはわかつたのですが、われわれはかねがね総理大臣に対して出席要求をしておつたが、不幸にして病気だということで、衆議院にあまり御出席をしておられない。きようは参議院の本会議出席しておられて、かりに、本会議総理大臣出席時間が終つて、ただちに参議院予算委員会でMSAの問題についての質疑に対して御出席をされても、ぜひひとつ、その方をあとまわしにしてもらつて衆議院の本会議総理大臣出席をしてもらいたい。従来、かねがねの要望であるけれども、本会議には実現しておらぬ。従つて、きようの本会議には、ぜひとも総理大臣出席を強く要望する。参議院予算委員会ば、衆議院の本会議で首相の役割を果した後開いていただけるように、さように議運で諮つていただきたいと思う。
  66. 池田禎治

    池田(禎)委員 ちよつと今山本さんのは聞えなかつたのですが、総理大臣は本日参議院には出席なさつておる。衆議院にはどういうお考えですか。
  67. 福永健司

    福永政府委員 別段、参議院には出席いたしまして、衆議院の方は出席いたしかねるということをもちろん申しておるわけではないのであります。時間的に、参議院の方の議事がすでに始まつておりまして、その方に出ておりますというのが現実でございます。  なお、予算委員会のことは、先ほど申し上げたように、前々からこの日を予定いたしまして、この日の午後、大体三時間出席するようにというお話を前々から伺つておる次第でございます。
  68. 池田禎治

    池田(禎)委員 歴代の内閣官房長官は、いかにすれば議会に総理大臣出席させ得るかということで、御苦労なさつておることと思う。福永官房長官も、しばしばのことで、もう耳にたこができるほどお聞きでございましよう。しかし、総理大臣が病気で診断書までつけて出したものを、失礼なことを言つて悪いけれども、首になわをつけてまでひつぱつて来るわけにも行かぬ。そこで、少くともあなた方の方で、病状が快方に向つておるなら、進んで登院して、重要案件のみならず、すべての議案に対して総理出席が望ましい。私は、本日の場合だつて参議院予定しておるが、衆議院は出ないというのではないけれども、時間の都合でと言つておる。ほんとうを言つたら、そういうことはない。私は、あえてくどいことは申し上げません。進んで総理大臣が登院して、緊急質問はもちろん、その他の案件につきましても当然審議をお聞きになることが、この際ぜひとも必要なことで、参議院には出席するが、衆議院には出席しない、たまに来れば半日だけ、まことに期限のついておるような、条件付のような、いかにも恩を着せるようなことは、衆議院としてはまことに迷惑千万なことだと思う。どうかその点は十分、本日でも、参議院終了すれば、ただちに衆議院に御出席のほどを私は希望いたします。
  69. 菅家喜六

    菅家委員長 本会議は三時に開きたいと思います。
  70. 山本幸一

    山本(幸)委員 総理出席要求ですが、総理の時間のあくころを見はからつてもらいたい。三時という目標で……。
  71. 菅家喜六

    菅家委員長 ごもつともなことであつて、先ほど来からも総理出席のことを要求いたしましたが、参議院に出ておつて、こちらにとうてい登院できないというので、そのために緊急質問ができないならば、緊急質問をあとに延ばすしかないと思う。しかし、今までの取扱いも、代理の副総理で重要法案答弁に当つてつて来たのであるから、本日の緊急質問は、むしろ、しばらく休まれた総理よりも、副総理の方がこの緊急質問に答える場合には明確を得ると思つておる。むしろ副総理で見解をお聞きに……。(「そんなことはだめだ」と呼び、その他発言する者多し)それじや延ばしましよう、出られないときの場合。出られるときは問題ないのだ。
  72. 山本幸一

    山本(幸)委員 委員長、怒らずに……。時間的にいえば出られる。
  73. 菅家喜六

    菅家委員長 怒つてはいません。しやべつておるだけです。出られる場合は問題はないのです。この議論はないわけであります。出られるように極力やりますが、どうしても出られないときには、緊急質問を延ばすか副総理でやるかという問題しかないのであります。
  74. 椎熊三郎

    椎熊委員 緊急質問は、緊急だからやるのですから、総理出席いかんにかかわらず、きようやりたい。
  75. 山本幸一

    山本(幸)委員 参議院予算委員会は二十分か三十分で、それを理由にこちらに出て来られないということは納得できない。
  76. 椎熊三郎

    椎熊委員 三時間です。
  77. 山本幸一

    山本(幸)委員 従つて参議院総理の役割は三時ごろに済む。そうしたら参議院予算委員会は一時間ばかりあとまわしにしてもらつて、出て来てもらいたい。
  78. 菅家喜六

    菅家委員長 そういう交渉はするが、それができないときに、また議場へ行つて、いるとかいないとかいう騒ぎをしないようにというのです。
  79. 椎熊三郎

    椎熊委員 緊急質問を延ばすのですか。
  80. 井手以誠

    ○井手委員 やるのです。
  81. 菅家喜六

    菅家委員長 交渉はしますよ。だから私は、そのことを強く内閣にも言つております。
  82. 井手以誠

    ○井手委員 きようは委員長は特に名委員長ぶりを発揮したから、それで了承する。
  83. 菅家喜六

    菅家委員長 本会議開会は三時十分か十五分程度にいたします。  それでは暫時休憩いたします。     午後二時四十八分休憩     午後六時十五分開議
  84. 菅家喜六

    菅家委員長 休憩前に引続きまして会議を開きます。 議員荒木萬壽夫君の逮捕について許諾を求めるの件を議題にいたします。先例によりまして、これより秘密会にいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  85. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議なしと認めます。よつてこれより秘密会に移すことにいたします。議員並びに事務関係の職員以外の方の退席を願います。     〔午後六時十六分秘密会に入る〕     〔午後七時二十分秘密会を終る〕
  86. 菅家喜六

    菅家委員長 秘密会を終りまして、会議を公開いたします。  この際御報告を申し上げておきます。先ほど社会党左右両派より内閣不信任案が議長の手元に提出されました。続いて、時間的には一時間くらいあつたでしようが、日本自由党から内閣不信任案が提出されております。提出された以上は、本委員会でその取扱いについて御協議願いたいと思います。これは提出された党から要求がございましたので、その取扱いをお諮りいたします。
  87. 土井直作

    土井委員 御承知の通り内閣不信任案というものは、内閣の構成の上に非常に重要な関係がございまして、行政府と立法府の関係においてもきわめて重要な関係を持つておるのであります。提出されました限りにおきましては、次回の本会議、すなわち二十四日の本会議にこれを上程いたしまして、審議を進めることが妥当だと思います。従つて、二十四日の本会議に上程するということを御決定願いたいと思います。
  88. 山本幸一

    山本(幸)委員 ただいま土井さんから御発言がございました通り、私どもは、この不信任案の取扱いについては、きわめて早急におやりいただきたい。先例によれば、堂々陣を張る不信任案については、過去の記録を調べてみましたところ、翌日上程いたしております。しかし明日は本会議の定例日でもございませんので、明後日の定例日の本会議に上程できるように御決定おきいただきたいと思います。
  89. 園田直

    ○園田委員 これは社会党並びに日本自由党から出された不信任案でございますから、早急にこれを上程するには反対ございません。しかし、今出された問題で、わが党としては、率直に申し上げれば、これに対する態度はきわめて重大な関係がありますし、いろいろな意味で相談する点もございますから、明後日に予定されておる議院運営委員会でその取扱い決定するようにしていただきたいと思います。
  90. 土井直作

    土井委員 ただいま園田君の方から、明後日の本委員会取扱つてもらいたいという御説がありましたが、不信任案ということの性質から行きまして、本日中に明後日上程するということをはつきり御決定つておいて、討論その他技術的の関係においては明後日の運営委員会で御相談することもよろしいが、上程することだけははつきりきめておいていただきたい。
  91. 園田直

    ○園田委員 土井さんの御説も、ごもつともですが、事務的のことももちろんですけれども、わが党と自由党においては、ただいま重要会談を申し込んでやつております。また不信任案のことについては、提案者の方にいろいろ御相談すべきこともありますから、そういう点もにらみ合せて、明後日の議運で取扱つていただきたいと思います。
  92. 山本幸一

    山本(幸)委員 改進党の党内事情はよくわかりますが、私はこれを明後日上程していただきたい。改進党には恐縮ですけれども、明日中にそれぞれの党内事情をおまとめ願つて、なお自由党の方とも、折衝があるならば、それもまとめていただきたい。そうして明後日上程ということにお願いしたい。討論のことについては、土井さんの言われたように明後日でけつこうでございますが、一日あれば改進党の態度もきまると思いますし、そうべんべん延ばせないものですから、お願いをいたします。
  93. 菅家喜六

    菅家委員長 これは、改進党からそういう申出がありますが、今まで取扱つた先例等もありますし、内閣の不信任案のごときは最も重要であると思いますので、従来のルールを乱すようなことでなく、いついかなる場合でも正正堂々と与野党が決戦をすべき性質のものでありますから、従来の取扱いからあまり離れた取扱いをすることは、将来に非常に悪例を残すと思いますから、今の園田君の御意見もまことにごもつともと思いますが、今日出ますれば、明後土曜日の定例日にこれを上程することはいたしかたがないのじないか。自由党の諸君が、今党に相談に行かれましたから、すぐ帰ると思いますが、委員長の方では、自由党もやむを得ないだろうと思うし、本日出た場合に、土曜日にやらざるを得ないのじやないか。今までの慣例を破つて来週に持ち越すということになりますと、今後こういうことが一つの例になりますので、その場合期間を延ばしてしまうことができることは、いずれの党が与野党になりましても、この取扱いが至難になつて来ます。やはりこれは土曜日というのが最も穏健なやり方であると思うから、園田君の御主張の、党の関係も御折衝にならなければならないと思いますけれども、ひとつそういうことに……。
  94. 園田直

    ○園田委員 委員長の御意見は了承しております。もちろん私は、本件は、これに反対という発言ではなく、提案された方々の考慮が願えるならばという意味の発言でございますから、委員長発言でけつこうでございます。
  95. 菅家喜六

    菅家委員長 それでは、内閣不信任案は、二案とも一括して、明後日の本会議に上程することに決定をいたします。  なお、この種議事日程は、公報に従来はあまり載せなかつたような部面もあつたのでありますが、これだけの重大案件でありますから、本日決定いたしました以上は、公報に載せたいと思います。これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  96. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議がありませんから、さよう決定いたしまして、不信任案の取扱いは明後日の土曜日に上程する、このことを公報において知らせるということに決定いたします。  なお、当日の議事の順序その他は、土曜日の午前中にこの委員会を開きまして、討論時間その他の打合せをいたしたいと思いますが、異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  97. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議ありませんから、さよう決定いたします。
  98. 山本幸一

    山本(幸)委員 この際委員長にひとつ諮つてもらいたいことがあります。先ほどの本会議におけるいろいろな手違いで、せつかく各党で御承認つた猪俣氏の緊急質問が流れてしまつたわけです。これは、御承知のように、議院運営委員会理事会並びに運営委員会で、私どもは、あくまで、せつかく参議院に首相が出席して見えるのなら、この際衆議院にも出席をしてもらいたいという強い要望をいたしたわけです。そこで、委員長としては、趣旨はもつともであるけれども、悪いことには参議院と重なつておるので、その場合には副総理でがまんしてもらいたい、こういう委員長発言があつたわけです。しかしわれわれは、あくまでも、参議院話合いをしてその時間等もよく連絡の上で、首相の出席要求したわけです。委員長は、最終的にはせつかく努力しよう、こういうことになつたと記憶しております。ただ努力するが、努力の結果どうしても首相の出席がなかつた場合には、やむなく副総理でというお説もございました。われわれとしては、副総理出席では、従来の一、二の例に見ましても、本会議場で社会党両派から相当騒ぐ結果が起るであろう、従つてあくまでも首相の出席要求するということで、議運はそのまま休憩なつたわけです。そこで本会議を開きましたところが、私どもが予想しておりました通りに、副総理では両派の議員諸君が了解せずに、本会議は混乱をいたしたことは言うまでもありません。その結果、私どもは存じませんが、既定の日程が先に上程せられて、その日程の後に緊急質問を行うようなことに、いつの間にかなつてしまつて来たわけです。この点私どもは了承したわけではありません。その手続がどういうふうに行われたのか知らぬわけです。そういうことがある場合には、ぜひひとつ議運のそれぞれの者に了承を得てやつていただきたいということを、私はこの機会にお願いすると同時に、またその混乱中に、一応私ども各党とも折衝をいたしまして、たまたま参議員の本会議が終りそうである、従つて少し持つて、首相の出席をしてもらおうということで、いろいろ努力いたしましたけれども、しかし万一どうしても首相が出席しなかつた場合には、副総理によつて緊急質問を行う、こういうことになつたわけなんです。ところが副総理出席がその後遅々としてなされずに、逐に日程終了し、空白の状態になりまして、議長は職権で散会を宣したわけです。私は、これはせつかく議運できめた取扱いが不幸にして実施されなかつたということでありますので、ひとつ至急に緊急質問ができるようにお取扱い方を委員長の方で諮つていただきたいと思うわけです。
  99. 菅家喜六

    菅家委員長 ただいま山本君からるるお述べになりましたその通りの経緯でございます。まことに本日の先ほどの緊急質問取扱いは遺憾であつたと思う次第でございます。ただいまお述べになりました中で、一応申し上げておきたいことは、かなり自由党の方に強い要望はしたのでありますが、参議院の方に総理出席しておるということであるから、その後も交渉をいたしましたところ、どうしても時間がつかない、二人とも都合がつかないということになりましたので、緊急に理事の諸君にお集まりを願いまして、どうも両名とも来ないということになれば、しかも副総理も出られないということになれば、この緊急質問は意味をなさないのであるから、副総理が出て来られるように交渉いたした結果、副総理は四時十分になるとこちらに出られるからというので、それを待つて四時十分に開会ということで、副総理の出たところで本会議を進めようということに各党理事諸君の了承を得て、四時十分になりまして振鈴を鳴らしました。それが途中で副総理が来られないというので、本会議開会時間も幾らか延びるという事情でありました。しかし、いず九にいたしましても、このことは当初の議運におけるお互いのきめ方に、各党間において行き違い等もありましたために紛糾を見たことは、まことに遺憾だと思います。これはもう少し委員長の方においても詳しいきめ方をしておけばよかつたと、あとから気がついた次第であります。そのことを申し伝えまして、帰る途中で、山本君が私のところに来られて、どうしても総理が出られないならば副総理でもいいからというので、私が副総理を呼んで出そうと言つておるときに、散会になつたのであります。まことに遺憾でございます。これは、別にどこにどういう齟齬があつたという問題ではなく、最初からもう少し具体的にこのことをきめておけばよかつたと思いますが、今後は十分注意をいたしまして、ただいま山本君から御希望があつたような運営をいたして行きたいと思います。その点についての手落ちは十分今後注意いたします。どうぞ御了承を願います。
  100. 山本幸一

    山本(幸)委員 私は過ぎたことは言いませんけれども、今後委員長のそういう取扱いについては異論はないが、私が申し上げておるのは、そういうことでなくて、問題はお流れになつ緊急質問を、明日本会議を開いてやつてもらいたいということです。
  101. 土井直作

    土井委員 ちよつと懇談にしてください。
  102. 菅家喜六

    菅家委員長 それでは懇談にいたします。速記をとめてください。     〔速記中止〕
  103. 菅家喜六

    菅家委員長 それでは速記を始めてください。懇談をとじまして、委員会を開きます。  本日の緊急質問取扱いは、土曜日の委員会のときにさらに改めてお諮りをいたしまして、その上で決定いたしたいと思います。  それでは、本日はこれで散会いたします。     午後七時四十八分散会