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1954-04-01 第19回国会 衆議院 議院運営委員会 第39号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年四月一日(木曜日)     午後一時十一分開議  出席委員    委員長 菅家 喜六君    理事 荒舩清十郎君 理事 今村 忠助君    理事 坪川 信三君 理事 渡邊 良夫君    理事 椎熊 三郎君 理事 山本 幸一君    理事 土井 直作君           鍛冶 良作君    助川 良平君       田渕 光一君    森   清君       山田 彌一君    山中 貞則君       園田  直君    青野 武一君       井手 以誠君    辻原 弘市君       池田 禎治君    小林 信一君  委員外出席者         副  議  長 原   彪君         議     員 安藤  覺君         事 務 総 長 大池  眞君     ————————————— 本日の会議に付した事件  議員藤田義光君の逮捕について許諾を求めるの  件  決議案取扱いの件  本日の本会議議事に関する件     —————————————
  2. 菅家喜六

    菅家委員長 これより会議を開きます。  議員藤田義光君の逮捕について許諾を求めるの件を議題といたします。本件につきましては、先日の秘密会において、すでに法務当局に対する質疑を終了いたしておりますので、この際、各党の御意見を表明願いたいと思います。内容にわたらないのでありますから、公開のままこれを行いたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。  それでは本件について各党から意見を開陳願います。まず自由党
  4. 鍛冶良作

    鍛冶委員 私は、憲法五十条で認められたる議員身分保障ということは重大でありますので、特別の事由がなくては、国会開会中に逮捕すべきものでないという意見は、常にかわりありません。従つて、先日の秘密会における質問応答では、特に議員をこの際逮捕しなければならぬ理由は乏しいと考えます。その上に、本心としては反対したいと思いますが、大勢はそうでないというなら、しいてこれを固執いたしません。やむを得ず許諾いたす次第であります。
  5. 山本幸一

    山本(幸)委員 私どもは、やむを得ぬと思います。
  6. 土井直作

    土井委員 わが党はいろいろ理由もありまするが、この際そういう点は省略いたしまして、許諾を与えることに承認したいと思います。
  7. 椎熊三郎

    椎熊委員 わが党のことですから言いにくいのですけれども、先般来司法当局の話などを聞いても、私は、本案件に関する限り、逮捕を承諾するのには要素が少し足りないのじやないかという感じがいたしました。党内へ帰つていろいろ議論がありました。しかるところ、本人藤田君はみずから進んで議員総会に出て、こういう問題を国会が反対されるにおいては、社会の疑惑が一層深まるんじやなかろうか、自分は、犠牲になつても事態の解明を期待したいから、その意味でこそ、みずから進んで二度まで任意出頭して取調べまでも受けたのであります、この上は躊躇すべきでないと思いますから、同僚諸君においても、どうか議をまとめて逮捕許諾を与えてくれという、私ども聞いておられないような悲痛な本人言葉がありましたので、私は、個人的にも藤田君に会つて、なお確かめてみたが、それがほんとうの藤田君の信念のようであります。この際は、藤田君の信念をも貫かしたいという気もあります。同僚議員をそういう場所へ陥れることは、諸君とともに悲しむべき事実でありまするけれども、この際、ことに私どもは、有田君の逮捕のときにも無条件で許諾を与えるべしとしたのでありますから、人によつて異なつた態度もできません。内容はまるで違つておるから、一尺別な回答を与えてもしかるべきですが、世間はそうは思わぬでしよう。この際は、残念でありますけれども藤田君の逮捕要求には許諾を与える態度をわが党はとつております。従つて、本日もし本会議上程せられるのであれば、そういう態度を表明したいと思います。
  8. 菅家喜六

    菅家委員長 それでは本件については、許諾を与えるべきものとの多数の御意見であります。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。  本件に関する委員会報告書は、従前の例によりまして委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議なければ、さよう決します。  なお、本会議における委員長報告においては、秘密会ではございますが、各位の御了承を得て、質疑応答の概要の一部分を本会議報告をいたしておきたいという考えを持つおる次第であります。それは、たくさんあるわけではございません。一、二だけをここで御了承を得るために、ちよつと申し述べておきたいと思います。詳細の報告は差控えたいと思いますが、委員会了承を得て、特に委員諸君から質疑が集中されました点を申し上げますれば、憲法五十条の、会期中における議員の不逮捕の大原則からいつて議員逮捕許諾要求は軽々に行うべきものではなく、さらに刑事訴訟法の精神から見ても、また従来の例にかんがみても、身柄を拘束せず、任意出頭の形において取調ぶべきものではないか、またその理由とされる証拠隠滅の点については、関係者のほとんどが身柄を拘束されており、これらのことから考えても、証拠隠滅のおそれありとは思われず、むしろ身柄拘束による取調べによつて自白を促すのが目的のようにとれる、しかりとすれば、きわめて事重大な問題と思うが、どうかという質問に対して、法務当局からは、何人も不利な供述を強要されないことは、憲法の保障するところであつて身柄拘束によつて自白を期待するなどの考えはまつたくないが、関係者身柄拘束の期限が切れた後における証拠隠滅のおそれがあるため、捜査の必要上、任意出頭をもつてはその目的を達することはどうしても困難であるとの立場から、議員の不逮捕の特権についても十分考慮の上、やむにやまれぬところのこの要求を出した次第である、との答弁がありました。この一項だけを加えておきたい、こういう意味であります。
  11. 土井直作

    土井委員 大体委員長におまかせしたのでありますが、任意出頭の形というのは、任意出頭によつてとして、形という言葉とつた方がいい。
  12. 菅家喜六

    菅家委員長 お説の通りでありますが、なお、文章はよく練ることにいたします。     —————————————
  13. 菅家喜六

    菅家委員長 次に、決議案取扱いについてお諮りいたします。原子力国際管理に関する決議案、これはすでにしばしば委員会において各党間の折衡を重ねて来まして、いよいよ本日これを上程することになりました。趣旨弁明は改進党の須磨彌吉郎君、これは国際的にも重要な問題であると思うので、各党それぞれ一人ずつ賛成討論をいたすことにして、社会党左派志村茂治君、右派の木下郁君、自由党佐藤虎次郎君、この三君でございます。
  14. 園田直

    園田委員 順序は違うでしようね。
  15. 菅家喜六

    菅家委員長 順序は、佐藤虎次郎君、志村茂治君、木下郁君、時間は、この前から申し上げておる通り厳守するという建前で、従来ならば十分とか、十五分になるが、今回はおのおの二十分ということにして、この時間は正確に各党それぞれ厳守するように御協力を願いたいと思います。
  16. 鍛冶良作

    鍛冶委員 中原君は入らないのですか。
  17. 菅家喜六

    菅家委員長 小会派クラブの方から、中原健次君の討論要求がございましたが、先刻理事会等においてその御協議をいたしましたところ、この問題に限り、御遠慮願うということに決定した次第であります。その点、本委員会においても御了承願いたいと思います。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 小林信一

    小林(信)委員 委員長、それはどういう理由ですか。
  19. 菅家喜六

    菅家委員長 小会派ですから、当然な発言権があるという次第でもございませんので、各派の御了承によつて。……
  20. 小林信一

    小林(信)委員 あまりむずかしい意味じやないですね。
  21. 菅家喜六

    菅家委員長 むずかしい意味ではございません。  次に、犬養法務大臣不信任決議案取扱いについてお諮りいたします。先般来、この問題もしばしばこの委員会あるいは理事会等協議を重ねておつたのでありますが、おのおのの党の党議決定その他種々な事情をも勘案しまして、今日までこれが延期になつておりました。先ほど理事会にも一応おかけしたのでありますが、日本自由党、改進党界びに自由党三派からは、種々な事情により土曜日まで延期してもらいたい、ということであります。いろいろな事情があることだろうと思いますが、そういうふうに延ばしてもらいたいという申出がありました。左右両派は、それに対して理事会においても極力反対されましたので、この委員会においてこのことを決定するということでございましたが、もう議論は尽きておりますから、延べる延べないの理由は時間的にもどうかと思いますので、ここでは、ただちにそのことを決定に付するよりほかないと思います。なお、これについて両派より申入れもありますので、ここで今ただちに採決いたしますと、多数で不信任案は延びることになりますから、本会議において動議を出したいということであります。それは、正式取扱いとしてはどういうことか別としまして、一応ここで否決になつたのを、ここに話さないで本会議に突然出すことはよろしくないという意味において、事前に、そういう御申出委員長まであつたということを御了承願いたい。
  22. 土井直作

    土井委員 これは先ほど理事会でいろいろお話あつたが、社会党両派では、これを土曜日まで延期することは非常に困るわけであります。そこで、運営委員会でこの問題について決定をしていただくことになるのでありますが、さらに、ただいま委員長お話のように、本会議で、本日ただちにこの不信任案上程しろという動議を出したい。そこで動議を出すについて、委員会採決並びにその他の関係で土曜日まで延期するというような決定があつたのに、その上動議を出しておるというようなこともどうかと思いますので、運営委員会としては、多数の意向として土曜日まで延期しろという意見があつたという程度にとどめておいていただいて、本会議でやはりわれわれとしては当然本日上程をすべしという動議を出すことによつて問題の処理をした方が、形の上において非常にいいのじやないかと思われるわけですから、そういう取扱いを、ひとつ左の方も御了解願えれば、やつていただきたいと思います。
  23. 椎熊三郎

    椎熊委員 私は、それはそれでいいと思うが、関連して、こういうことはできないですか。おそらく、内閣不信任案が出されるということは新聞にも報道されておる。私は、それは当然だろうと思う。その前に、散発的に個々の人をやつても、結果はほぼ想像される。とうも不信任案という巨弾を放つのに、野党としては不利益のような気がする。この際、あんなものをいつそひつ込めて、あるいはひつ込めなくとも流しておいて、内閣不信任案に強力な力を加えてはどうでしようか。そのときはわが党も十分協力できる態勢にあると思う。
  24. 山本幸一

    山本(幸)委員 椎熊委員の言われることは、そういう立場で言われるのですけれども、われわれは、やはりわれわれの考え方があるのです。大体今までさんざん議論して来たから内容に触れたくありませんが……。
  25. 菅家喜六

    菅家委員長 それでは土井君からお話があり、山本君からもしばしば申されたことでありますが、取扱い方法は、ここで別に採決をしなくとも、多数で、土曜日に犬養法務大臣不信任決議案を取扱うということに委員会決定することにします。本会議でそういう動議が出ることも、成規の手続でありますから……。ただ趣旨弁明はない。
  26. 土井直作

    土井委員 動議ですから、趣旨弁明はありません。
  27. 菅家喜六

    菅家委員長 そのままで採決いたします。さよう決定いたします。
  28. 菅家喜六

    菅家委員長 本日の日程について事務総長より簡単に説明いたします。
  29. 大池眞

    大池事務総長 本日の議事について御相談を願いたいのでありますが、ただいま当委員会で、藤田義光君の逮捕について許諾を求めるの件が御決定になりましたので、これは議員身分上の最も優先的なものだと思いますので、最初に日程に追加して、委員長報告を求めて御決定か願いたいと思つております。つきましは、委員長報告後の採決方法でございますが、大体御一致で許諾を与えることになりましたようでございますので、起立採決にいたしますか、異議を問うて異議なしということできめますか。     〔「異議なしでよい」と呼ぶ者あり〕
  30. 大池眞

    大池事務総長 それでは異議を問うことにいたします。  それから、ただいまの犬養法務大臣不信任決議案を上げろという動議は、この次に優先的なものだと思つております。従いまして動議の提出は、藤田議員のものが解決したあとでお出し願う。その動議は、あらかじめ文書でお出しくださいますか、それとも口頭で……。
  31. 山本幸一

    山本(幸)委員 文書で出します。
  32. 大池眞

    大池事務総長 それでは、こういう動議が出ておるからということで、その動議採決いたします。その動議採決方法は、起立でよろしゆうございますか。——では、その動議決定をいたしまして、それから、ただいま御決定になりました原子力国際管理に関する決議案、これを緊急上程をお願いいたします。そこで須磨さんの趣旨弁明佐藤志村木下三君の賛成討論あと採決、この採決起立採決にいたしますか。
  33. 椎熊三郎

    椎熊委員 かつこうをつけるために、異議なしということでなく、起立総員ということで……。
  34. 大池眞

    大池事務総長 そこで決議案がきまりますれば、そのあと外務大臣の御発言があれば、それを承る、これはまだはつきりしておりません。  次に日程に入りまして、日程は、先日おきめを願いました事務局職員定員規程の一部を改正する規程案でございまして、満場一致でおきめ願いましたから、議院運営委員会の方で、理事の方で御説明になるそうであります。大体坪川理事がおやりくださるそうであります。
  35. 土井直作

    土井委員 理事坪川君だけじやない、椎熊君にやつてもらつたら……。
  36. 大池眞

    大池事務総長 それでは椎熊理事がおやりくださるそうです。本日の日程はそれだけでございます。あと、今上つておるものでは、内閣委員会統計法の一部改正案があります。これは急がないそうですから、次の機会の種に残しておいていただきたいと思います。
  37. 菅家喜六

    菅家委員長 開会は二時にいたします。  次の本会議定例日の明後三日、定刻より開きます。  本日はこれにて散会いたします。     午後一時三十分散会      ————◇—————