○大橋(忠)
委員 この台湾の問題は、悪くいたしますと非常に大きな問題になる。ラドフオード統合参謀本部議長は、機会があつたならば中共に全面的に原子攻撃を加えるという強い主張を持
つていると伝えられているのでありますが、もしも中共がこれを力をも
つて奪取するというようなことになりますと、極東の平和のみならず世界の平和にまで及ぼす大問題である。そこで、これが大きくならないうちに円満に収めるということこそ、世界の政治家が今日最も注意を払わなくちやならぬ問題である。さきに労働党の議員団が参りましたが、アトリー前首相のごときは、これを国際連合の管理にまかせて中立化すべきであるというような
意見を出しておるのでありますが、
日本においても芦田均氏のごときはそういうような
意見を
発表したことがあるのであります。私もこれには賛成でありまして、元来台湾の本島人というものは蒋介石政権に対しても好感を持
つていない、中共政権に対しても好感を持
つていない、実は五百万内外の民族が長い間支那
本国から独立して住んでおる、違つた環境のもとに住んでおるがために、民族的な
関係は福建人と同じでありましても、やはり自分らだけで自治でや
つて行きたいという希望が非常に強いのであります。従
つてそこの民族の
意見も聞かずにカイロ宣言でか
つてに支那に返すという宣言をしたのが誤りである、私はより根本的の大西洋憲章の
規定に基きまして、やはり台湾の民族は自分で自治をして、少くとも支那の政権のもとにおいて、自治の形で進むのが一番本島人のためにもよろしいし、極東の平和のためにもいいと私は思うのであります。従
つて私は、さしあたりこれは国際連合の管理のもとに移して中立化して、将来は島民の
意思によ
つてそのステータスをきめるということが最も合理的であろうと思うのであります。しこうして
日本は現在武力もなく、非常に無力ではありますが、長年台湾の本島人との間には同胞の
関係を結んだ
関係もあり、また極東平和という大局的に非常に重大な問題でありますから、われわれの力の及ぶ限りにおいて、私はそういう方向に努力すべきものだと確信しておるのであります。従
つてできてもできなくても、極東平和の非常な
責任者である
日本といたしましては、そういう
意思を何らかの方法において世界的に知らせる。そうしてこの台湾問題が平和裡に解決する方向に向
つて積極的にやるべきものであろうと思うのでありますが、こういう根本問題について
岡崎外相はどういうお
考えを持
つておられるのか、この機会にお伺いしたいと思います。