○前谷
政府委員 ただいまの中小企業の能力の問題でございますが、これは実は
加藤先生も御
承知のように、非常につかみにくいわけでございます。これは三交代二十四時間ということでありますと今
お話のような形になるかと思いますが、実態といたしまして三交代三十四時間という作業は、御
承知のように基準法その他の
関係で、現実問題として非常に困難な点もあるわけであります。また一面から申しますと、昨年から本年にかけましてのパンの消費は、東京都におきましても三割
程度ふえておるわけでございます。従いまして相当消費がふえておることは事実でございます。そのふえた消費のうちのある部分が機械製パンにかわ
つて参るということでございまして、これによ
つて中小企業を壊滅せしめるとか、あるいは非常な打撃を与えるということは、そうないのじやなかろうかというふうにも考えられますが、われわれといたしましては、中小企業に対する点も十分に
考慮しなければなりませんから、そのために販路の
協定なりいろいろ提携をするよう、
双方で協議するようにということを勧めておるわけでございます。御
承知のように、パンにつきましては、いわゆる菓子パンの形態が多いのでございまして、食パン専門の工場というものは少いのであります。大体は菓子と食パンとがあわせてつくられておるという状態でありますので、中小企業といたしましても、他の菓子パンの面は十分に残
つておるわけでございますし、また食パンは菓子パンに比べますと、利潤的に見まして非常に少いのでございます。そういう面、それから規格の齊一の面からいたしまして、やはり進歩した形態をとることが必要ではなかろうか。これは今回に始ま
つた考え方ではございませんで、先ほ
ども申し上げましたように、たしか二十六年でございましたか、前からいろいろ
検討されたてお
つたわけでございまして、各地にもいろいろそうい
つた計画があり、すでに大阪におきましてはできております。その初歩といたしましては、戦後すぐ名古屋にそういう形態の――これはアメリカ式そのままではありませんが、大企業製パンができておるわけでございます。われわれといたしては、ただいまも申し上げましたように、これに対して
政府資金を融資しないという考え方を持
つております。ただ機械の輸入につきましては、これは国内のパンの製造、パン機械の進歩発達というふうな面、一般的に合理化を促進する意味においての機械につきましては、これは食品工業、パン工業に限らず、いろいろ行われておるわけでございまして、食品工業を担当しておりますわれわれといたしましても、この面からいたしまして食品工業の発達に寄与するということで、全体的に中小企業はこれによりましてそのままの方式は採用できないかと思いますが、それぞれの部門々々につきましては、新しい機械が入
つて来ればその機械に刺激されまして、部門々々の
日本食品工業の機械部門が向上するという面もございますので、そういう考え方をいたしておるわけでございます。