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穗積委員 MSA
審議中に発言いたしますことは、何もMSAの
審議を妨害する
目的ではなくて、緊急必要なことが生じたので、
質問いたしておるわけでありますが、
委員長が非常にMSAの
審議の進行を気にしておられますので、できるだけ協力する
意味で、一括してお尋ねいたします。
都築博士が今一番の責任者にな
つて、被害漁民の治療に当
つておられるようですが、都築博士が今当面希望しておるのは、被害漁民の治療をできるだけ早く最も有効な
方法でやらなければならないが、そのためには東京の病院に移して、そこで一括して管理治療することを希望しておる。そのためには、被害漁民並びにその家族の生活の補償をだれかがしなければならないということで、それを最も強く希望しておられます。先ほどの大臣のお答えによりますと、その治療のために、漁民に対して
政府は何らかの
措置をとるということでございますので、私安心をいたしておりますが、今申しました
通り、それに関連してお尋ねいたしたいのは、被害漁民並びにその家族が安心をして治療のできる程度の補償をされるつもりであるかどうか、先ほどのお答えに関連して、具体的にお答えをいただきたいのであります。
その次には、再々この
委員会において、私がこの問題に関してお尋ねいたしましたが、治療のために必要なことは、放射能の
性質がどういうものであるかということを
日本の治療医学者が知る必要があるので、それを早く
アメリカからこちらに知らしてもらうようにという要望があ
つて、それをお尋ねいたしましたら、
外務省を通じて向うへ要求しておるが、なかなか来ないということでございましたが、その後来ましたかどうか、その後どういう交渉をしておられるかどうか、そうしてその見通しについて、第二点としてお尋ねいたします。
その次には、船の問題でございますが、船は考慮中だということでございますが、あなたの属せられる自由党の方も、おそらくは
日本の科学者の要望を強く反映されて、そういう意見を持たれたと思いますが、考慮中であ
つて、さつきのお
考えでは、
アメリカ側へ渡すか、こつち側で保存をするか、その根本方針について考慮中なのか。大体
日本の科学者の言うことを信じて、そしてそれに益するために、今後の原子科学の研究と国際的な奉仕のために、
日本政府の力でも
つて、それをこちら側で
保護するという根本方針でいろいろな交渉をやり、考慮されておるのか。その根本方針について、われわれは、言うまでもなく、あなたの自由党の方々と同じく、
日本の信頼すべき科学者の要望に
従つて、これはぜひ保存して、世界の科学のために、
日本の民族の安寧のために、また将来のためにも、ぜひこれはやるべきだ。都築博士の意見を申しますと、まず第一はこの被害漁民の治療のために、第二には魚類の放射能の研究のために、第三は将来原子爆弾の被害が起きた場合にその被害都市の清掃のために、さらに第四には
日本の学界の自主性のために、どうしてもこれは
日本側で確保しておく必要があるということを強く熱心に要望されております。これは単に都築博士個人の要望ではなく、
日本の学界全体の要望であると思いますので、これらのことはすでに大臣のお耳に入
つておると思いますが、その線で考慮し、交渉されるようにお願いしたいと思います。しきりに考慮中と言われたのはどういう
意味なのか、その点も明らかにしていただきたい。第三点は、聞き及ぶところによりますと、
アメリカの学者が参りまして、今度の被害に伴うもろもろの調査研究を
日本の学者と合同してやりたいと言う。
日本はむろん緊密な連絡、提携はするが、勉強のスケジユール、
方法論等については、
日本の学者の自主的なスケジユール、
方法論でやりたいという意向を持
つておられるようですが、この問題に対しましては、言うまでもなく、
外務省がそれをいずれかに決定するわけではありませんが、
アメリカ側の要望を
日本側に伝え、
日本側の要望を向うに伝えるのは、
外務省の当面の任務に当りますので、その問題に対するかじのとりようというものは非常に大事な影響を持つと思います。これまた
日本の学界の発展のために、
日本の学者の要望を聞かれて、どうぞそういうふうに処置していただきたいと思いますが、御所見はいかがでございましようか。
第四点にお尋ねいたしたいのは、聞き及ぶところによりますと、すでに
アメリカは危険水域の拡大をいたしました。それは近く次の原子
兵器の実験をするためだということを聞いておりますが、これは今の実情から申しまして、また人心の動向から申しましても、他の場所でや
つてもらうか、太平洋でやられるならば当分延期してもらわなければなるまいと思いますが、この太平洋におきます次の原子
兵器の実験を延期すること、中止することを申し入れるべきだと思いますが、そのお
考えはあるかどうか、それをお尋ねいたしたい。
最後に、この前ここで、
条約局長でありましたか、
欧米局長でありましたかに、私見を申し述べまして、三たび世界の民族に先んじて原子爆弾の被害を受けました
日本人は、それであるからこそ、世界に向
つて発言する権利と
義務があるが、この原子
兵器の国際管理並びに平和利用の憲章設置について協力すべきであるし、みずからそれに対して率先して提唱べきである。これを議会でやるのも
一つの
方法でしよう。各政党その他の団体がやるのも
一つの
方法ではございましようが、
政府が国際的にそのことを強く要望されることが、さらにまた一層有効であろうと存じますので、現内閣は、原子
兵器の国際管理、原子力の平和利用憲章設置の問題についての要望を世界に向
つてされるつもりがあるかどうか。それはまことにけつこうなことであるからそういうふうにしたいという
局長のお答えでございましたが、きようは幸いにして大臣がおられますので、それに対する御所見をあわせて承
つておきたい。
以上五点について一括してお答えをいただきたいと思います。