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穗積委員 これはしかしか
つてに期限をつけてやるということが、私はどうも
考えられないので、その権利行使そのものが、少し権利の濫用じやないかと思うのです。ですからそれを行使する場合に、われわれの方の船舶または人員に危険がないようにや
つてもらいたいという
方法論について、
要望を申し述べられるだけでなしに、これは公海
使用の自由に対していささか権利の濫用だと思うのです。それはお互いでございますから、相手の自由を認めないで、自分だけ自由を認めることは独善でございまして、自由でもなんでもない。ですからどうもおかしいと思う。その点は岡崎さんはあまり当てにならぬかもしれないから、吉田さんにわれわれの意図も報告されて、この公海自由の原則の一方的濫用というものは、この際一本や
つておきませんと、特に島国に住んでおるわれわれとしては、公海に多くの生活の基礎を求めようとする民族にと
つて、ゆゆしい問題だと思うのです。公海自由の原則はどんどん消滅しておる。ごく最近の傾向はみんなそうです。実質的な領海の拡張である。こういうことにな
つて来ております。しかも法的根拠のない、一方的な水路
協定により、水路部の通報で各国に知らせるだけのことで事足れり、そんなばかな話は決制下においては
考えられないことでございます。ですからこれ以上私は申し上げませんが、その点をひ
とつよくや
つていただきたいと思います。
続いてあと一点まだ残
つております。それはこの前の一九五三年の通報と、それから五二年にあ
つたとも伺いましたが、そのときの漁民に対する通達の
方法、経過、これをこの前お尋ねいたしまして、よく調べて後にお答えをするというお約束でわかれておりまして、まだお答えをいただきませんが、事のついででございますから、この
機会にお尋ねいたしておきたい。それが一点。
第二点は補償問題でございます。これは大体先ほど来の
お話によりまして
日本船が
危険区域外にあ
つて、
日本の船は無
責任、無過失であ
つたということはわか
つたわけでございます。そうでありますならば、アメカは包み金でやろうとしておるようですが、それが包み金でも満足なものでありますならば、これは何も事荒立てて
損害賠償請求権を行使して
損害補償料としてとらなくてもいいと思います。しかしもしそれが足りないような場合におきましては、当然司法裁判所に提訴するなり、あるいはその前に単独
交渉によ
つて日本政府が向うの
政府に要求しなければならぬと思いますが、補償に対する標準、
範囲——
範囲と申しますのは、これは重要でございます。今申しました
通りに、まだおそらくは直接
被害者以外の間接
被害者というものは出ておらぬと思いますが、たとえば
放射能を持
つたまぐろを食
つた者もあるかもしれません。それを食いましても、きよう食
つて、あした
反応が出るわけじやない。恐るべきものが十数年の後に出るようなものもあろうと思います。それが後にわか
つた場合に——直接
被害者に対する補償金を払いますときはまだわからないが、後にそういう形で間接
被害をこうむ
つた者、これに対する補償の問題も一本入れていただきたいと思います。補償の
範囲というのはそういうことでございます。
さらにもう
一つは、今
お話にあるように、無制限、無期限にどんどん
危険水域を
拡大して参りますれば、漁業権の侵害になると思います。公海自由の原則、漁業権の侵害になる。そうなりますと、その漁業権の行使の
損害賠償請求というものは当然できるわけでございまして、そういうことも一体
損害賠償請求の
範囲としてお
考えにな
つておるかどうか。それを直接
被害者に対する
損害賠償の問題を話をされるときに、
事前に同時にそれを一本入れておくべきだと思います。それらのことについて一体どういうふうにお
考えにな
つておるか。
それから基準と申しましたのは、この前お尋ねいたしましたように、国際的に見ても、国内的な補償の基準から見ても、十分な場合はこれでよろしいが、不十分な場合、そのときは、
アメリカが国内ではこういうことをや
つておるのだ、だからおれの方の法律
通りにやるのだというようなことが万一起りましたならば、そういう場合においては、むろんわれわれはこういう国際的な事件につきましては、
アメリカ国内法による補償でなくて、国際主義によ
つて、やはり国際的な通念、標準によ
つて補償基準をきめるべきだと思います。この補償基準と補償の
範囲、これらについて一体どういう
考えを持
つておられるか、今まで何か
交渉があ
つたのか。これから直接
被害者に対する補償決定をする場合に当然申し込むべきだと思
つておりますが、それに対して一体どういうお
考えを持
つておられるか、あらかじめ承
つておきたいと存じます。
最後にもう
一つお尋ねしたいのは、原始力の
使用等の
国際管理についての問題であります。だんだん
被害が大きくなり、また近く
水爆の
実験があるというようなことになりますと、やはり第一の
関係国は
日本になるので、しかもその
日本人だけが
世界に先んじて不幸にして
水爆の洗礼を受けている国でございますから、率先して
世界の人々に向
つて、この
原子兵器または
原子力利用について
国際管理をし、
人類の平和と福祉のために
原子力を使うような憲章をつくるように唱道する、主張する。これは当然の権利であると同時に、義務でもあると私は思いますが、それについて
政府はそういうお
考えを持
つておられないかどうか。実は去る十九日に大阪におきまして憲法擁護国民連合の大会がございましたが、異口同音に、この案が出まして、実はこの国民連合といたしましては、国連加盟各国と赤十字社に向
つてそのことをアツピールいたしまして手続を
とつたわけでございますが、これは
政府がおやりいただければ、さらに国際的な影響も強かろうと思いますので、重ねてこの点の決意を促しながら、その決意を伺うわけでございます。以上三点についてお尋ねいたします。