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1954-04-23 第19回国会 衆議院 運輸委員会 第34号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年四月二十三日(金曜日)     午前十一時一分開議  出席委員    委員長 關内 正一君    理事 松井 豊吉君 理事 山崎 岩男君    理事 岡部 得三君 理事 山口丈太郎君    理事 竹谷源太郎君       天野 公義君    岡本 忠雄君       木村 俊夫君    徳安 實藏君       有田 喜一君    青野 武一君       楯 兼次郎君    吉川 兼光君       館  俊三君  出席政府委員         運輸政務次官  西村 英一君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      植田 純一君  委員外出席者         日本国有鉄道総         裁       長崎惣之助君         日本国有鉄道理         事         (営業局長)  唐澤  勲君         日本国有鉄道理         事         (施設局長)  佐藤 輝雄君         専  門  員 岩村  勝君         専  門  員 堤  正威君     ————————————— 四月二十二日  委員松浦周太郎君辞任につき、その補欠として  臼井莊一君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  東北線及び常磐線列車事故に関する件  経営委員会委員の改選に関する件  民衆駅等運営委員会答申に関する件     —————————————
  2. 關内正一

    ○關内委員長 これより開会いたします。  民衆駅等運営委員会答申に関し、国鉄当局より発言を求められておりますので、これを許します。長崎国鉄総裁
  3. 長崎惣之助

    長崎説明員 かねて当委員会要望もございました次第でございますし、また私どもといたしましても、当然出さなければならないと考えておつた次第でありますので、かねて御報告いたしておきました通り、民衆駅等運営委員会におきまして、民衆駅等あり方がどういうふうであるべきかということを、いろいろ御審議願つてつた次第でございます。今回、結論ではございませんが、中間的報告として、一つ原則的な報告がございました。これはもとより諮問委員会でございますから、その通りいたすという意味ではございません。当委員会の御意向等をもしんしやくし、また私どもといたしましても十分考慮した上に、できるだけ、あるいは場合によつてはその原則従つて、今後の民衆駅等あり方考えて参りたいと存ずる次第でございます。その中間報告につきまして、唐澤説明員から詳細に御説明申し上げたいと思います。
  4. 唐澤勲

    唐澤説明員 民衆駅等運営委員会の中間的な答申がございましたので、これを御報告申し上げます。この委員会は去年の十月二十九日に第一回を開きまして、その後引続き会合を重ねまして、この四月二十一日に十一回目を開きました。そしてその結果がただいま御報告申し上げる答申となつたのでございます。答申を朗読申し上げまして、そのあと、説明員として私どもこの委員会に列席しておりましたので、内容等について御質問があればお答えいたしたいと存じます。では読み上げます。    昭和二十八年十月二十九日付国鉄総裁諮問第一号「民衆駅の建設及び運営に関する基本事項」について答申   当委員会は、昭和二十八年十月二十九日付国鉄総裁諮問第一号「民衆駅の建設及び通常に関する基本事項につき、十一回にわたる審議の結果をとりまとめ、とりあえず次の意見を付して別記の通り答申する。    意 見   民衆駅は、国鉄財政状態が、戦災をうけた駅舎の復旧を意の如く進めること許さず、復興途上各方面からの要望に応えることができないでいる事情の下で、生れたものである。  この構想は、国鉄財産有効利用をはかりつつ交通利便を増進し、又大都市における土地経済的有効利用という点で新生面を拓くものであり、加えて都市計画との関連において、近代的都市形成に寄与するもので、国民経済的に見て是認することができる。   然しながら、民衆駅が十分に理解されないで、単に利権的なものとして見られることは遺憾であるから、国鉄民衆駅の公共的使命がそこなわれることのないように、その建設及び運営を公明に処理し、いやしくも、独善のそしりをうけることのないようにしなければならない。   「民衆駅の建設及び運営に関する基本事項」   昭和二十九年四月二十一日      民衆駅等運営委員会一 民衆駅の建設   民衆駅の建設は、国鉄駅舎の整備を促進し、併せて経済的価値の高い鉄道用地をその価値にふさわしく立体的に活用できること、及び都市計画の要請にこたえ都市美形成に貢献すること等の利益がある。併し、反面において営業施設における営業者企業性は、駅の公共性と必ずしも相容れぬ場合もあり、また将来の輸送事情の変化に伴う駅施設改良等を制約するおそれもあるので、民衆駅の建設に当つては、国鉄はこれらの弊害を生ずることのないように、一定基準を設けて承認をすべきである。二 建設の対象となる駅   民衆駅として建設する駅は、次のような条件の一に該当するもので、国鉄が早急に建設を必要とするものであること。(一)災害を被つた仮駅。(二)老朽で取替工事施行しなければならない駅。(三)都市計画との関連改築、移転を必要とする駅。(四)輸送需要の増加に伴い、改築を必要とする駅。三 建設承認相手方   建設承認は、駅舎建設を完遂する上から資力信用十分なる地方公共団体、法人、もしくは団体にして鉄道業務に十分協力するもので、原則として爾後の民衆駅の営業運営についても適確且つ、継続的に処理する能力のあるものに対して行うものとする。   建設承認相手方地方公共団体で、建設完了後の営業運営を行わない場合は、あらかじめ適格な事業主体を確定して建設承認をする。   建設承認をする場合は、公平なる第三者の意見を徴することとする。四 工事設計及び施行   駅の公共性を確保するために、設計については国鉄が自ら行うことを原則とするが、出願者設計を行わせる部分についても、国鉄がその内容を審査の上決定するものとする。   工事施行については、国鉄専用部分及び共同使用部分のほか、少くとも基礎ならびに躯体及び外装部分国鉄が行うことを原則とする。   出願者負担工事費は、工事施行に支障のないように前納させることとする。五 工事費負担   国鉄工事費の一部を負担する場合においても、工事費国鉄負担額限度は、国鉄が専用する部分国鉄負担とし、駅に出入する旅客及び公衆の利用する待合室、広間等共用部分については、折半負担として計算される額とするも、国鉄が必要とする駅舎建設工事費額をこえないことは勿論である。六 財産の帰属   財産工事費負担にかかわらず国鉄所有にすることを原則とするが、全部を国鉄所有とする必要がない場合には一階及び地階国鉄財産とし、二階以上については国鉄専用部分及び将来業務上必要となる可能性のある部分財産国鉄財産とすることを建前とする。七 営業承認相手方   営業承認は、原則として建設承認をしたものに対し、営業の種類を指定して行うものとする。   但し地方公共団体があらかじめ営業についての事業主体を定めて建設承認を受けた場合は、その事業主体に対して営業承認を行うものとする。八 営業承認方式及び時期   営業承認方式として現行日本国有鉄道構内営業規則による直営者に対する個別承認は、民衆営業の実態に即さない場合が多いので、あらかじめ一定の制限をつけて、経営委任又は常業施設の賃貸を認める包括的な承認の形式をとることができることとする。営業承認の時期は、営業開始の具体的な見とおしの確定した時とする。九 営業監督   国鉄は、民衆駅の営業について、駅の公共性を維持する上から旅客及び公衆に対するサービスの確保、品位の保持、衛生保全、防火及び危険防止等について必要な限度監督を行うこととする。   この場合の監督は、必要に応じ営業受託者その他実際にその業務に従事する者に及ぶものとする。   営業承認を受けた者の経営内容についてする国鉄の監査は、国鉄固定財産の適正な管理運用を期する限度で行われることが必要である。十 料金算定方法(イ)民衆駅の営業については、その営業規模が大きく営業内容も複雑なものがあるので、現行日本国有鉄道構内営業規則による売上総収入額に百分の一の料率を乗じて算定する営業料を主とし、それに財産使用料を加算した料金を一律に徴することは必ずしも適当ではなく、適正な時価評価による財産使用料を徴することを原則とすることが適当である。(ロ)民衆駅で二階以上及び地階を使用する場合の土地使用料は、一階を使用する場合の土地使用料限度として、土地利用度によつて評定するのが適当である。(ハ)営業開始前の土地使用料は、営業開始後の場合と同様の算定方式によつて評定するが、率を定めて料金の減額をすることが適当である。十一 料金徴収始期   料金徴収始期は、営業開始の時からとする。   常業開始前の土地使用料金は、工事に着手し得る時期から徴収すること。  以上でございます。     —————————————
  5. 關内正一

    ○關内委員長 この際竹谷委員より、国鉄事故につき質疑の通告がありますので、これを許します。
  6. 竹谷源太郎

    竹谷委員 去る四月十七日午前、東北線金谷川駅において列車が三輪車をひつかけて転覆し、相当被害を出した事件がございました。なお当日午後四時ごろ常磐線の同じく福島県平駅付近において、砂利を積んだトラツクに貨物列車が衝突をいたしまして転覆の上、川に転落して、機関士その他死傷者を出した不祥な事故が発生したのでございますが、この原因はどんなところにあつたのか、いかなる被害であり、また責任国鉄にあるのか、あるいは自動車にあつたのか、この際御報告をお願いいたします。
  7. 佐藤輝雄

    佐藤説明員 十七日に東北本線常磐線に、ただいまお話のごとく二つの事故がございました。一つ東北本線金谷川構内で起つた事故でございます。これは朝のたしか六時五十分ごろであつたと思いますが、金谷川構内踏切りがございます。その踏切りをオート三輪が通つて行つて、先に道が二またにわかれておりまして、違つた方向オート三輪がつつ込んで、これはいけないというのでバツクしましたところに急行貨物がやつて参り、オート三輪にひつかけた事故でございます。安全側線砂盛りがございますが、そこに転轍器のてこがついている。あいにくそれにオート三輪がひつかかつて来ましたものですから、今度は転轍器が回転いたしまして——普通は本線の方に行つているのが、安全側線の方に転換してしまつた。従いまして、これは勾配機関車重連でございますが、それが安全側線の方にひつかかりまして、つつ込みまして脱線転覆したわけであります、損害は私今はつきり覚えておりませんが、オート三輪の方の運転手は即死でございます。こちらはたしか機関助士重傷をした、そういうふうに覚えております。損害の額につきましては今資料を持つておりませんが、御必要でしたらまたあとでお届けいたします。従いまして、この事故はまつたオート三輪の運転手過失によるものというふうに私見ております。  なお常磐線事故は、ここに鉄道線路の西側から南側に出る——山の方から海岸に出る道が鉄道を横断しております。当日この付近砂利関係自動車三台が、山側の道から海岸の方の道へ並んで来たのであります。この踏切りから四十五メートルと思いますが、離れたところに隧道がございます。それで三台の自動車が並んで来たのでありますが、最初自動車がこの踏切りに来ましたときには——ここには警報器がございまして、すでに警報器は赤になりまして、鐘が鳴つていた。それを無理して横断いたしました。続く第二の自動車も、また無理して横断した。第三番目の車が横断するときに、その踏切りで待つておりました歩行者が、あぶないあぶないと制止したのですが、聞かずになお横断しましたところに——これもやはり貨物列車てございますが、来まして、この自動車ひつかけてしまつた。それでここでもたしか自動車運転手の方は即死したと思います。また重傷者が三、四人出たというふうに記憶しております。物的損害の額は今つまびらかではございません。以上でございますが、常磐線事故警報器がございまして、しかも警報器は作用していたのでございますから、道路交通取締法による踏切りのところの一旦停止、これを無視してやつた、まつた遺伝手責任に帰す事故ではないかというふうに私考えております。
  8. 竹谷源太郎

    竹谷委員 常盤線の方は警報器の設備があつたようでありますが、金谷川の方は、構内といつて踏切りであろうと思います。ここには警報器があつたのか、また交通安全のためのいかなる装置があつたのか、またなかつたのか、それをお尋ねいたします。
  9. 佐藤輝雄

    佐藤説明員 金谷川駅につきましては、第四種踏切りと申しまして、ここには警報器踏切番もついておりません。全国で鉄道踏切りは相当数ございますが、交通量によりまして基準を設けまして、一種三種、四種というふうにきめております。一種というのは二十四時間中踏切番がつく踏切でございまして、三種というのは、御存じのごとく警報器がついておる。四種というのは踏切番も、警報器もつかない踏切りでございます。交通量によつてその基準を設けておるのでございますが、ここは交通量が少いという考えのもとに、四種の踏切番もつかず、警報器もつかない踏切りになつておるわけであります。
  10. 竹谷源太郎

    竹谷委員 ただいまの事故責任は、いずれも自動車運転者過失にあるように認められますが、そうした場合に国鉄は、責任法律上ないというので、被害者といいますか、その事故によつて死亡その他損害を受けた者に損害賠償を全然やらないのか、あるいは何らかの方法損害賠償もしくは見舞金慰藉料というような方法を講じておるかどうか、それをお伺いいたします。
  11. 長崎惣之助

    長崎説明員 向うのあやまちが明瞭である常盤線のような場合、むしろこちらの方が会社に向つて損害賠償の請求をするということになるわけでありますが、事実上の問題としては、何千万円、何億ということになるかもしれませんが、そういう金をとる見込みは全然ございません。ただしかし死んだ方に対してはお気の毒でありますから、香奠ぐらいのものはやつておるかと思います。
  12. 竹谷源太郎

    竹谷委員 法律上の責任がいずれにあるかということで裁判上争つて、負ければ出すが、負けなければ一文も出さないというのが、従来の国鉄の態度であり、私鉄等に比べて非常に冷酷であつたように思う。これは交通の安全及びこれに対する責任という観点から、責任のない者に、自分列車ひつかかつたような者に損害賠償をするというようなことはむろんよろしくございませんけれども、とかく私鉄等に比べまして、国鉄のこういう事故に対するやり方が温情を欠くきらいが私はあつたと思う。これは社会的な常識というものもあるのでございまして、大企業をやつて、それによつて公益のためにもなるが、また自分目的も果しておるという観点からいたしますならば、単に法律上の問題のみに拘泥をしないで、国家的事業である国鉄としては、被害者に対しては、その場合法律的な責任は別といたしまして、道義的に温情をもつて臨むように希望をいたしたいと思います。  立つたついでといつては何でありますが、実は国鉄経営最高機関である日本国有鉄道経営委員の任命に関して、内閣から本院に対して同意を求めて来ておるのでございまするが、この内閣から経営委員候補者としてあげられておる人々は四人でありまするが、これらの人々は、いずれも昭和二十四年に日本国有鉄道法施行になりまして最初から任命されており、そして昨年からは監理委員という制度が経営委員改正になりまして、一箇年間経営委員としての任務を行つて来た人々ですが、それについてまた同意を求めて来ておるようであります。国鉄は、日本国有鉄道法によつて能率的な経営をし、運営をやつて、これを発展せしめ、公共福祉を増進することをもつて目的とする、このために日本国有鉄道最高指導統制機関としてやつて来たはずである。その間にいかなる功績があつたかということになりますと、何ら見るべき功績がない。逆にその間、国有鉄道日本国有鉄道という公社になつたのたが、昨年来問題となつている多くの非難を受くべき事態を惹起しておる。こうした経営に関しまして、指導統制の任に当るべきこれら監理委員、引続いて経営委員となつたこの候補者人たちは、この五箇年間における職務の遂行について非常に遺憾の点があつたと思う。それらの人々を再びここに重任をさせるということについては、大いに疑問があると思う。一週間に一ぺんずつ会合を開いて、国鉄経営最高方針を協議する重要な経営委員でございます。それぞれいわゆる知名の士ではございますけれども自分の専門の職業に忙しいのか、それともこの日本国有鉄道職務に怠慢なのか、あるいは経営委員としての職責を十分果す熱意を持つておらぬのか、いずれにしても、これは不適任であつた人々と断定せざるを得ないのでありまして、こうした点も内閣は十分考慮いたしまして、日本国有鉄道経営委員として革新的な企業合理化をはかつて赤字に悩む国鉄経営に起死回生の妙薬を与えまして、重大なる公共企業である国有鉄道発展のできるような人々人選すべきであると思うのであります。運輸大臣が見えておりませんが、西村政務次官はこの人選に対していかなる御考慮をお払いになりましたか。そしてこの点は、私の申し上げることが妥当であると思うのでありまするが、人選をやり直すお考えはないかどうか、承りたいのであります。
  13. 西村英一

    西村(英)政府委員 今回従来の監理委員の力が、法律改正によりまして経営委員となりましたので、内閣から国会承認を求めるように御審議を願うことになつているわけでありますが、実はただいま過去の委員業績があまり芳ばしくないじやないかというお尋ねであります。しかしそれにはいろいろな理由があるわけでございまして、前のいわゆる監理委員会性格が非常にはつきりしていなかつた。あの法律制定当時非常に押しつけられたようなことで、うのみにしてやつたために、それらの委員会ないし国鉄総裁との間の権限とか、いろいろな面で非常にはつきりしていなかつた。それでこの前の国有鉄道法改正法律案のときに、この委員会性格をさらにはつきりさせようということで、経営委員にしまして、任期もかえたと思いますし、また経営委員職責も十分明確にしたわけであります。従いまして、ただいままでの業績云々の問題がありましたが、とりあえずこの委員をこの際かえてはどうかという考え方も全然ないわけではございませんが、そのうち一部の委員の方はその後かわつておられる方もあるわけでございまして、この際全委員を推薦いたしたような次第であります。従いまして、ただいま竹谷委員の御質問にあつたように、それらの方々がいずれも社会の重要な職に実はある方々でございまして、非常に忙しいのであつてしかも何らのサービスも出しておらないのですが、今後どれだけの実績を上げるかどうかというようなことにつきましても、多少の危惧の念は持つておりまするが、これはいずれまた業績を見た上におきまして今後に処して行きたいと思います。とりあえずこの前の監理委員会から経営委員会にしたということについて、職務権限等も非常にはつきりしていることでありまするし、また委員方々にも一段の御努力を願うことによりまして、必ず業績を上げ得るものと期待して、内閣から国会の御承認を求めるように提出いたした次第でございます。
  14. 竹谷源太郎

    竹谷委員 今次官お話によると、改正前の法律権限責任等が不明確であるとおつしやいますけれども、旧法の第十条は「監理委員会は、第一条に掲げる目的を達成するため、日本国有鉄道業務運営指導統制する権限責任を有する。」これは非常に明確であつて日本国有鉄道に対するオーソリテイ、全権威を持つて総裁以下を指揮監督して、日本国有鉄道が能率的な経営によつて公共福祉増進に寄与する、そういう方向に十分に国鉄を指導する権限責任を持つものでございまして、何ら不明確なことはない。ちようどアメリカにおけるテネシー・ヴアリー・オーソリナイ、TVAのようにこれが全権威を持つて総裁以下職員を指揮して、公私各企業を含めて日本最大の、五十万人の従業員を有する、しかも一箇年に、五千億の収入を上げておりますこの大企業——これらの委員人々はあるいは銀行家であり、あるいは運輸面経験を有し、あるいは海運業商業等にそれぞれ堪能な人と認められる人々であるのでございまして、これらの人々がその経験を生かして国君鉄道業務運営行政指導最高機関としてやりますならば、昭和二十四年以降五箇年間において国鉄赤字を黒字に転換をし、真に国民要望にこたえ得るような国鉄建設ができたろうと思う。これらのことを何らなされなかつたということについては、これらの委員方々は大いに責任を感じなければならない。内閣から推薦を受けても、辞退しなければならぬのではないかと私どもは思うのであります。  なお改正されて監理委員会経営委員会とかわりまして、その文句は違い、具体的に国鉄業務運営に関する重要事項を決定する機関とし、そして予算とか事出来計画資金計画、決算、借入金あるいは債券の発行、その他経営に関する重要事項審議するわけでありますけれども、何もこういうふうにかわつたからといつて経営委員会監理委員会時代よりも権限責任が明確になつて一層仕事ができるのだとは考えない。これは同じことだと思うのであります。結局法律改正になつたからといつて、従来の人々をもつてしてはとうてい画期的な国鉄経営合理化、あるいは国民要望に沿うような国鉄経営の新しい方向がここに生れて来るとはわれわれは考えることができないのでございまして、旧套を追うというようなことなしに、昨年来国会において運輸省及び国鉄は非常な批判を受けているのでございますから、まず第一着手として、この国民批判要望にこたえるために、この経営委員会組織そのものにまず新しい構想とあふるる熱意を持つて当る、この意味合いにおいてぜひともこの経営委員の選任については、私は御再考を願いたいと思う。今、西村次官はここでただちに御回答は困難かと思いますが、これは党派問題等は超越いたしまして、真にわれわれの大切な国有鉄道を生かて行くための最高の、そして最初の大事なこの経営委員会組織につきまして、真剣な気持でひとつぜひとも御再考を願いたい。私は党派根性や何かで言うのではありません。真に国家的な見地に立ち、また日本最大の国営の企業が最も合理的に、成功裡に進めて行けますように、私は誠心誠意熱意を持つて申し上げておるのでございます。案として内閣から出したから、それをひつ込めるのは体裁が悪いというような、そういう区々たる感情や面目にこだわらないで、ぜひともひとつこれはお考え願いたい。この経営委員国鉄法によりますと名誉職となつて無償で奉仕する、単に旅費その他の実費を受けるにとどまるように書いてあります。この点も再考を要するかと思う。真に心身を打込んで国鉄経営に当るためには、あるいは専任の人が必要であり、あるいは専任でないとしても、十分の給与を与えて、相当の力をこの国鉄経営に注ぎ込むようにし、またそういう人を選んだらどうか、そうでなければ国鉄経営の改善あるいは合理化ということは困難でないかと私は思う。これは党派を超越してぜひとも内閣において御再考を願いたい。そうしてわれわれの愛する、また非常に大切な日本国有鉄道が、りつぱな発展を遂げるように私は希望してやまないのであります。
  15. 西村英一

    西村(英)政府委員 従来の監理委員会のときは、これはさいぜんも申しましたように、国有鉄道法ができた最初でございまして、いわゆるアメリカ式の考え方によりまして、ボード・オブシレクターズの考え方によりまして、すべての業務運営を指揮監督する権限責任を持つというふうにきめたのでございますが、やはりわが国の実情ではそれがなかなか運用がうまく行かない、また監理委員会があつても何にもならぬじやないかというような批判もありました。それというのは、アメリカと非常に事情が違うというようなことから、この前の改正法律案になつたのでございます。電電公社におきましてもこの経営委員会になつておりまして、それらも参酌いたしましてこの前の国有鉄道法改正になつたのであります。人選につきましても、私は現在の方々にやつていただけば十分ではないか、かように思つておりますし、また各委員は任期がそれぞれ一年、二年というふうになつておりまして、年々徐々にかわつて行く制度になつておりまずので、御心配の点はないじやないか。委員の方も非常に繁劇な業務を持つておられ、正直に申せば非常に忙しいので、その点は多少心配いたしておりますけれども内閣の推薦した人事で、またそれがずつとやるわけではございませんので一年、二年と任期があつてかわつて行きますから十分ではないか、私はかように思うわけでございます。
  16. 竹谷源太郎

    竹谷委員 このような経営をやるということは、結局単なるロボツトをそこに飾つておくというにすぎない結果になり、結局それは国鉄総裁以下国鉄の幹部が自分の思うなりにできる。ただ民主的に運営されているという看板だけをそこに掲げた結果に陥るのでございます。それならばこれは全然置かない方がよろしい。かえつて経営委員会最高の議決指導機関としてあるので、責任はそこにあるというふうに逃げ隠れて、民主主義の仮面のもとに、実際は官僚の独裁をやるという結果を招来する。それならば責任を明確にして、総裁責任があるというのならば、こうした委員会を全然やめて、そして全責任総裁が負うという方が明確で、しかも国有鉄道経営がうまく行くのであります。しかしながら、この法律において経営委員会というものを厳として設置する以上、この経営委員が全権限責任を持つて、そして国会なりあるいは国民に対して、あらゆる責任をこの経営委員会負担するという建前でなければならないと思う。私は国鉄経営に関して、これら経営委員人々にこの委員会に来てもらいまして、そして従来の国鉄経営に関する経営委員の心構えなり、あるいはやつて来た実績なりについて、またその結果に対する責任の追究をいたしたい、かように考えておつたのでありますが、ここに人選のし直しをしても同じ人がまた出て来ている。こうなりますと、われわれはますますこの人選に反対をして行かざるを得ないのであります。これは何べんも申すように、国家にとつて非常に重大な国鉄の死命を制する大問題でありますので、党派的な考え等は全然抜きにいたしまして、ぜひとも政務次官責任を持つてこれを内閣に持ち帰つてそしてひとつ選考のし直しをやつてもらいたい。そうした誠意と熱意があるか、重ねてお伺いいたしておきたいのであります。
  17. 西村英一

    西村(英)政府委員 竹谷さんの御議論でございますが、今の経営委員会を前のように責任を絶対に持つてもらうようにしたらどうかということでありますが、ときどきしか出ないものが責任を絶対に持つのだというあいまいな規定であつたからうまく行かなかつた。前の監理委員会のときにはその責任はつきりしなかつた。それである事項につきまして総裁の諮問機関にすることが、日本の現在の事情に合うのだということ、この前の法律に直したのです。それをまた元の法律に直してくれというふうにちよつと聞えるのでありますが、それでは法律改正ということになるのでありまして、これはそういう委員会がいいとか、あるいは議決機関にするとか、あるいは諮問機関にするとかいうような、いろいろ意見があつたのであります。しかしこの前の改正法律案のときには、諮問機関にしようということで改正法律案が通りまして、それに基いて人選をいたしまして、ただいまの方に継続してもらうということになつたような次第でございますので、今私たちの方でそれをひつ込めるという意思は持つておりません。
  18. 竹谷源太郎

    竹谷委員 今の次官の答弁は、私の質問の的をはずれたことで、しかもおかしいことをおつしやつている。改正法律によると、経営委員会国鉄業務運営に関する重要事項を決定する機関で、これは国鉄最高の議決機関でございます。この議決に基いて総裁以下が忠実にその議決の内容を執行しなければならない。それでありますから、この点従来は業務運営指導統制する権限責任、こうありましたが、これが議決機関であるということが言葉の上でもはつきりいたしましたわけで、大なる変更はないと考えます。議決機関が諮問機関にかわつたのではなくて、もつと明確に、重要事項を決定する議決機関でありまして、一層責任が明確になり、はつきりしたのでございますから、どうかこれは次官も前説を翻して訂正をするとともに、そういう次第であるから、ぜひともこれは自説を固持されることなく、内閣に持ち帰つて——これは決して党派的な理由で言つているのではない。真に国鉄を愛するがゆえに申し上げておるのでありまして、私の真剣な意見に対して、十分ひとつ御反省を願つて、ぜひとも内閣に持ち帰つて考え直していただきたい。考え直す意思があるか。それをぜひとも尋ねておきたいのであります。
  19. 西村英一

    西村(英)政府委員 私ただいま諮問機関ということを申し上げましたが、それは誤りでありまして、ある限られた事項につきまして、重要なことについては議決機関になつておるのであります。その改正の当時に諮問機関にするか、議決機関にするか、あるいはなくするかというようにいろいろな議論があつた。しかしはつきりとある重要事項について議決機関にした、こう申したので、誤りの点は訂正いたします。それからすぐ変更をするということは、ただいまここでは申されないわけでございます。
  20. 竹谷源太郎

    竹谷委員 今国鉄経営委員会権限は議決機関であるということに御訂正になりました。その訂正の中に、限られた事項に関してのみ議決の権限を有するかのような口吻であります。これはそういう考えでこの経営委員会というものを考えたら、とんでもない間違いである。これは予算、事業計画及び資金計画、決算というような、国有鉄道の根本となるべき事業の基礎を決定する権限があるわけでございまして、これ以上重大な、しかも全体に及ぶ議決の権限ある規定はないといつてもよろしい。これがごく限られた、ごく一部分だけの権限を持つものであつて、大部分総裁なり職員がやるのだというお考えならば、これはとんでもない法律解釈の誤りであり、また経営委員会に対する認識不足でございます。そういう権限の乏しい、また責任の軽いものではなくて、国鉄経営の全体に対する重要な権限責任を持つということを自覚せられまして、ぜひともわれわれの主張に沿うようにひとつ御反省を願いたいと思う。
  21. 西村英一

    西村(英)政府委員 非常に議論になつたようでございますが、私が限られたと申しますのは、第十条で今までの監理委員会が漠然と日本国有鉄道業務運営を指揮監督するというようなことを言つておるので、その運用も実際面ははつきりしておらなかつた、それで第十条に掲げられたような重要な事項について議決機関にしてたのだ、こういうことを申しただけでございます。委員方々責任が重大だということは、私は竹谷さんと同意見でございます。
  22. 楯兼次郎

    ○楯委員 今の竹谷委員質問関連して、私からも御質問をいたしたいと思います。今度の経営委員会になりまして、重要事項を決定するということになつております。ねらいとしては資金計画がうたわれており、条文の中にその他重要な事項という字句があつたことを記憶しておりますので、国鉄運営に関する国鉄内における最高の決定機関にかわつて来たと思います。私どもは前の監理委員の個人々々については、かれこれ批判する点はないのでございますが、過去の実績によつて、この人たちではこの法律がかわつて来た責任を遂行することは困難であろう、そういう感じがするわけであります。過去一年有余の国会におきましても、国鉄にとつて相当重要なる問題が起つております。しかもこの問題については、私ども寄り寄り審査をいたしておつたわけでございますが、監理委員の名前すら出て来ない。はたして国鉄で起きた重要問題について、監理委員が真剣になつて委員会で討議をし、決定をしたかどうかということについて疑義があつたわけです。個人については私ども何ら批判をする余地はないのでありますが、経営委員会というようにかわつて来たその責務を遂行する点からいつて、この人たちでは困難ではないか。そういう点から再度ひとつ諮つていただいて、その責任を遂行することのでき得る妥当な人にかえていただきたい。こういうふうにわれわれも考えておりますので、ぜひその方向に持つて行かれるよう、私からも再度お願いする次第であります。
  23. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 私も、これは関連質問としてではなくして、独立的にひとつやろうと思つてつたわけですが、今竹谷委員から質問がありましたから、それに関連して質問をいたしたいと存じます。大体今政務次官がお答えになりました国鉄法の中にあるこの経営委員会というのは、今答弁を訂正されたので明らかになりましたように、やはり国鉄経営に関する議決機関なのです。この法律改正前の方がむしろ総裁のまつたくの御用機関であつて、いわば民主的にやつておるという看板を掲げて、実は総裁のまつたくの意のままになるようなもので、少しも民主的なものでなかつた。そこで今度は改正をして、委員を新たに任命をするにあたつて——御承知のように今日まで国鉄が他の関連企業との間において、いろいろの醜態を起している。たとえば交通公社のごときも、日通のごときも、あるいは日本特殊産業のごときも、その他数え上げれば切りがありませんが、この多数の関連企業との間における業務運営上の問題にいたしましても、まつたく醜態以外の何ものでもない。しかもこれらの外郭団体人々は、いつも申しますように、いわば国鉄現役の先輩ばかりなのです。その先輩が後輩に圧力をかけるものですから、そういうことが起らないように、総裁が一個の考えをもつて自由にやろうとされても、この圧力でそうできないようになるのはあたりまえだ。だからそういうものを防止して行くためにも、経常委員会というものが必要になる。そして今日のような問題が少しでも起らないように、今の国鉄の管理者が本来の姿になつて運営ができるように助けて行くためには、こういう委員会が必要になる、そう私は思う。そういう意味でこの委員会がもう少し忠実に責任を果せるようにすべきである。そういうためには、このような社会の疑惑を深めておるときでありますから、人心を一新する意味においても、この委員というものはこの際これをかえるべきが適当である。これをただ単に今までのようなお座なりの委員でそのままにしておく。特に今の委員というものは、ここにも履歴書があるのですが、現在何ぼ役職を持つているか自分でもわからない、それほどに忙しい人を、このような重要な委員会ひつぱり出して、適当なことをやつておるものですから、議会でいつも総裁をいじめたりしなければならない。われわれはいじめようとは思わないが、そういうことになつているから、やむを得ずそれを追究しなければならぬということになる。そういうことは運輸省当局としてもよほど考えるべきだと思うが、一体この委員の選任についてどういう経過をたどつて、またこういうような委員を出して来たのか、その経過をひとつ聞きたい、どういう考えでやられたか。
  24. 植田純一

    ○植田政府委員 監理委員会経営委員会になりました点につきましては、先ほど政務次官から御説明の通り、現在国会同意を求めるために提出いたしております五人の方々は、監理委員として——もちろん従来も発足以来毎年それぞれ一人ずつ任期が切れまして、新しく選考し直しまして今日に至つておりますが、従来の各委員の経歴あるいは知識等から見まして、この委員として最も適任な方々である、かように考えたわけであります。もちろん先ほどちよつとお話が出ましたように、新たに委員の解任と申しますか、新たな委員を任命するということにつきましても考慮いたしましたが、従来やつておられました方々が最も国鉄経営委員として適当である、かような結論に達したわけでございます。
  25. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 あなたはそういうぐあいに適当である、適当であると言われますけれども、おそらくこの委員の方の中には適当であるという人ばかりじやない、私はそう思う。少しも適当じやない。しかも昭和二十四年からずつとこの監理委員をやり、経営委員に肩がわりしてずつとやつている人です。ところが今日の国鉄は、悪口を言えば外部の先輩から経営上圧迫を受けている。現役の管理者に対してとやかくいろいろのことを申し込んで来られると断りも言えない。経営委員というものはフリーな立場で、そういうことを防止するような措置が講ぜられなければならぬのに、何をしていたのです。何もしていないじやありませんか。だから今日こんな交通公社の問題も起きるし、日通の問題も起きる。ものすごい問題が起きて来る。鉄道会館の問題にしてもそうなんだ。一体何を協議していたかということになる。そういうような人を、そのまま一人もかえないでこの委員に持つて来るというのが私にはわからない。それがこのように自分でもわからないほどたくさんの肩書き、一枚や二枚じやない、一人の人が数ページにわたるような肩書きを持つておる人、この肩書きを読み上げましようか、現職だけでも……。あほらしいから読みませんけれども、こんなものは適当だとは考えられないですよ。これはいかに運輸省が国鉄経営に対して無関心であるかということを、われわれに明らかに示しておるものだ。監督官庁である運輸省は、もう少し国鉄経営に対して熱意を示してしかるべきじやないか。このような委員の任命の仕方というものはなつてない、このこと自体、運輸省の国鉄に対する熱意を私は疑わざるを得ないと思うが、一体どういう考えをあなたは持つておるのか。運輸大臣が来られたら、私は運輸大臣に徹底的にこの点については聞きたいと思つておるのだが、輔佐役としての政務次官は、この点に対してどうお考えですか。
  26. 西村英一

    西村(英)政府委員 現在の方々が非常に忙しい職務を持つており、たいへんな肩書きを持つておるということでありますが、しかしこれらの人は国有鉄道の毎日の実務をやつておるのではないのでありまして、国有鉄道の国家に占める大きい問題につきまして、大所高所から国有鉄道総裁に対して指示をするのだ、事務をとるならひまな人がいいでしようが、私はそうは参らないと思うのです。国家の事情がよくわかり、国有鉄道の国家に占める地位等のよほど認識のできる人ということが、人選の主眼にならなければいかぬじやないかと私は思うのです。そういう意味から申しまして、それらの方々が現在任命されていないいずれの人よりもいいということは申しませんが、年々歳々任期があつてかわるわけなのでございますから、あなたの言うこともそれは私たちある程度は認めます。しかし現在の委員が全然不適当であるというふうに私たちは認めないのでありまして、その程度で私は御了承を願いたい、かように思う次第であります。
  27. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 私は全部不適当だとかなんとか言つておるのじやないのですよ。一人もかえないで、そのとまま持つて来るから私は文句を言うのです。このようなたくさんの肩書きを持つている人は、ろくに委員会にも出て来ないことがあるのじやないかと思う。あなたは適当々々と言われるが、この委員会は一体何をしていたのですか。今国鉄が追究されるような問題は、何ぼ名誉職であろうと何であろうと、すべて議会が認証して、そして国家の委員としてこれを任命した限りにおいては、当然その責任を負うべきである。一体何をしていたのですか。鉄道会館の問題にしても、そこらの民衆駅の問題にしても、日通の問題にしても、何にしてもそうです。しかもすぐ統制の問題にひつかかりそうな人もおるのです。そうでしよう。あなたは一番よく知つておられるでしよう。だから、全部が全部そうだとは言わないが、しかしやはりそういう問題が起きた。そしてこれだけの大きな疑惑に包まれたその中心の人事を、われわれは審議しようというのです。そうでしよう。その場合に、今までこれだけの疑惑のあるものについての一半の責任というものは、国家の権威において認証したものに対しては、当然負うのがあたりまえじやないですか。それをそのまま横すべりをして、これがあなた方の推薦される最大のものだ、他に候補者は全然選考もしなかつたというなら、そこでまた人事についてまで国民が疑いを持つということになる。これは一体どういうふうに今まで考えられておるか。今後の委員会あり方についても、この方法に基いて、一体どういうふうにお考えになるか。どうも私はその点に疑問を持つのですが、当局はどういうお考えですか。
  28. 西村英一

    西村(英)政府委員 同じことを繰返すようでございますが、さいぜんも申しましたように、全然考えなかつたというふうにとられても困るのであります。全部をかえた方が適当であろうか、あるいは部分的にかえた方が適当であろうか、十分に考えたわけであります。しかし結論といたしましては、これらの方々は、最高の人が今度は任期が四年になつたと思いますが、一年交代でずつとかわつて行くのでありますから、選考の機会は十分あるわけでございまして、そういう観点に立ちましてこの際とりあえず、と申してはたいへん悪いのですけれども監理委員会から経営委員会に直つたので、そういうふうにいたしたのであります。
  29. 楯兼次郎

    ○楯委員 どうも委員が不適当であるかどうかという個人的な批判に入つておるように考えられる。われわれはそういうことを言つておるのではありません。過去いろいろな問題が起きて来た監理委員会の実績というものについて、はなはだ疑わざるを得ない。この前鉄道会館の問題が起きましたときに、一体監理委員会としてはどういうような協議をしたか。これについては、協議をしたとは言つておりますけれども、速記録等を見ましても、はつきりしたものは出ておらない。従つて監理委員会経営委員会というふうに、国鉄最高議決機関という任務が生れて来たので、この人たちではできないであろう、そういう点に立つて委員のこの人たちをかえたらどうか、こういうことを言つておるわけであります。今出ました委員の中に、個人の名をあげてははなはだ失礼でありますけれども、村田省藏さんがおるわけですが、この人たちは現にフイリピン等に行つておられて、会をやろうと思つても参画ができぬじやないですか。こういう事例は相当将来にわたつて起きるであろうと考えますけれども、現実に協議をし、重要事項を決定するその場に間に合う人にひとつかえていただきたい。そういう点からわれわれは用請をしておるわけであつて、誤解をされないように、もう一回再考をお願いしたい。
  30. 西村英一

    西村(英)政府委員 村田さんは現在ああいうふうな状態になつておりますが、委員でありますので、承認を求めるにいたしましても、その間だけは発令を延ばすようにいたしたい、かように思つておる次第であります。  それで、いろいろ過去における国鉄のことにつきまして手落ちがあつた。しかし国有鉄道法改正当時から、監理委員会というものが非常にあいまいな存在であつたのだ、そういうことも一つの問題になつて、今まで業績を上げ得なかつたのであろうと私は思うのであります。従いましてこの前の改正法律案になつたわけでございまして、委員方々も十分権限を認識されて、今まで鉄道会館その他で国有鉄道総裁から委員会が問題をどういうふうに受けておるか、私は知りませんけれども、今後十分能率を上げ得るものだ、かように思うわけでありまして、私は今取下げる気持は持つておらないのでありますが、御趣旨のほどは十分了解をいたしておるつもりでございます。
  31. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 政務次官の答弁はどうもあいまいだけれども、重点ははつきりしておるのです。読み上げるとこうなるのです。「経営委員会は、日本国有鉄道業務運営に関する重要事項を決定する機関とする。」これは議決機関ですよ。これは私ども法律改正をやつたときに携わつておるのであるから、一番よく知つておるのだ。そうして「左の事項は、経営委員会の諸決を経なければならない。」一、予算事業計画及び資金計画。二、決算。三、長期借入金及び短期借入金の借入並びに鉄道債券の発行。四、長期借入金及び鉄道債券の償還計画。五、その他経営委員会が特に必要と認めた事項。こういうことになつておる。ですから国鉄経営の根本から具体的な細目に至るまで、きちんと細大漏らさず、これは経営委員会にかけなければ何にもできないことになつておる。しかも議決機関でありますから、議決しなければならぬことになつておるのですよ。これをあなたははつきりしておいてもらわないと、ある限界においてどうだのこうだのとあいまいなことを言うが、それはあなたの頭があいまいなのであつて、こんなはつきりしておるものはない。そうでしよう。そうすると今言うように、これから行きますと、やはり今までの私は一つの実績を言うのです。実績を言つた場合に、くどいようでありますが、この国会においても問題になりましたようなことは、国鉄の管理者を一方的に責めるということではいけないと思います。今申しましたように外郭団体等で巣くつておる人たちは、今の現役者の先輩になるのであります。あるいは運輸省の先輩なのであります。そういう人たちが退職後それらの外郭団体に行つて、後輩である現役者を圧迫して来て、いろいろの断り切れないような、口で言えないようなことを必ず言つて来ておるのです。これは現場の者に聞いたらわかるのです。そうして国鉄経営というものをあいまいにしておるのですよ。そうでしよう。それを詰腹を切らされて、国鉄の現役者が国会などにひつぱり出されて、いろいろととやかく言われておる。その言われておることをやつておるというのは、何といつてもこの委員会責任があるのですよ。これだけ法律はつきりしておるのですよ。そうでしよう。それに総裁だけつるし上げても何にもならないのですよ。そういうことになつておるでしよう。それにこの委員は、今までの実績に徴しても、こんな者は適当ではないじやありませんか。あなた方が適当だと言うのは、一体どういうことを基準にして適当だと言うのですか。全委員が適当だというなら、私は反駁いたしますよ。一体あなた方の適当だというのはどういうことですか。こういう問題をこのままなおざりにしておいて、委員会はそのまま黙認しておいて、何ら国鉄運営についての適正な措置を講じない、こういうものが何が適当か、私はそれを聞きたい。
  32. 關内正一

    ○關内委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕
  33. 關内正一

    ○關内委員長 速記を始めて。  国鉄五箇年計画の説明に関する質疑は、次会に譲ることにいたします。  他に御質疑はありませんか。——なければ本日はこれにて散会いたします。     午後零時十六分散会