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1954-03-19 第19回国会 衆議院 運輸委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月十九日(金曜日)     午後一時四十四分開議  出席委員    委員長 關内 正一君    理事 鈴木 仙八君 理事 關谷 勝利君    理事 山崎 岩男君 理事 山口丈太郎君       天野 公義君    岡本 忠雄君       木村 俊夫君    徳安 實藏君       伊東 岩男君    臼井 莊一君       松浦周太郎君    青野 武一君       楯 兼次郎君    正木  清君       中居英太郎君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 石井光太郎君  出席政府委員         外務政務次官  小滝  彬君         水産庁次長   岡井 正男君         運輸政務次官  西村 英一君         海上保安庁長官 山口  博君  委員外出席者         農 林 技 官         (水産庁生産部         海洋第二課長) 増田 正一君         専  門  員 岩村  勝君         専  門  員 堤  正威君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  運輸省設置法の一部を改正する等の法律案(内  閣提出第一〇二号)  船舶安全航行に関しビキニ環礁附近における  爆発実験による日本漁船被害事件に関する件     ―――――――――――――
  2. 關内正一

    關内委員長 これより開会いたします。  中居英太郎君。
  3. 中居英太郎

    中居委員  昨年の当委員会におきまして、交通公社の経理の内容に関連いたしまして私が質問したのでありますが、この内容御存じ通り国鉄から依頼せられて販売しておる切符代金が公金であるか、ないしは公社のいわゆる礼金であるか、この性格について私は当局側にお尋ねしたのでありますが、これについて明確なる回答がなかつたのでありますが、この点について国鉄は昨日からきようにかけてどのような結論を出されたか、重ねて私はお尋ねしたいと思うのであります。
  4. 關内正一

    關内委員長 委員長からただいまの中居君のお尋ねに対して申し上げます。ただいまの問題につきましては、国鉄といたしまして目下せつかく調査中のことでございますから、質疑の続行は次会まで保留を願いたいということで御了承願いたい。
  5. 中居英太郎

    中居委員 了承いたしました。     ―――――――――――――
  6. 關内正一

    關内委員長 次に船舶安全航行につき、山口委員より質疑通告がありますのでこれを許します。山口丈太郎君。
  7. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 私は特に委員長にお願いをいたしまして、最近行われました太平洋上におきますアメリカ側爆発物実験に関します被害については、すでに新聞紙上あるいは当院におきましても各委員会においてそれぞれ論議せられておるのでありますが、私は、この運輸常任委員会といたしまして、運輸行に関連をいたします船舶のすべての航行安全確保の見地から、政府の所見をただしておきたい、かように考える次第でございます。  まず初に運輸省並び運輸省所管であります海上保安庁外務省水産庁等の、この爆発物実験に対してとられました措置について、概略御説明を承りたいと存じます。
  8. 山口博

    山口(博)政府委員 お答えいたします。このたびの第五福竜丸遭難事件につきまして、事件発生日は三月一日でございますが、当該船現場を離れまして焼津へ帰つて参りましたのが十四日の朝六時でございます。その後船としては多少の疑いを持つておられたようでありますが、このことに関する正式の届出は別になかつたのでありますが、越えて十六日の朝読売新聞にこの問題が報道されましたので私どもこのことを知りまして、さつそく関係官庁にも御連絡をいたしますし、それから私どもの方の出先では、この第五福竜丸の行動、その当時の模様、あるいはその他詳細な調査にとりかかつたわけであります。経過はいろいろな資料並びに船員の供述によつて大体のことはわかりましたが、最後に問題となります遭難地点の正確なる位置の決定につきまして、引続き調査をいたして、昨日の正午に大体これで間違いないという最後の断定を出し得るようなことになつたわけであります。その他のことにつきましては、それぞれ外務省水産庁と常時連絡をいたして、昨日もお互い資料を持ち寄つての会合もございましたし、これ以上のことは私の方では御報告できないのであります。
  9. 小滝彬

    小滝政府委員 外務省の方では、三月十六日、すなわちこの事件が報道せられました日、さつそくまず在京米国大使館の方へ電話でもつて本件について照会いたしましたところ、そういう報告は何も聞いていない、さつそく本国連絡しようというので、私どもはそうした報告を通じて事実の調査を依頼いたすと同時に、在米日本大使館の方へ電報いたしまして、この爆発の事実に関する先方情報を要求するとともに、いかなる警戒措置をとつたか、それを具体的に知りたいということを訓令として申し出たのであります。ところがその翌日になりまして井口大使から返事が参りましたけれども先方では関係各省事情を取調べるよう連絡中であつて、まだ関係各省から確答がないので、まだ何とも返事をすることができないのだが、事情が判明次第至急大使館連絡をとるという返事が参りました。しかし同日その後いろいろ関係省連絡いたしまして、船の位置など取調べまして、最初よりもさらに正確な情報を得ましたので、そうした追加情報をこちらの方から井口大使に電報いたしまして、先方回答を督促するように訓令いたしたのであります。なお十七日には、最初ハル司令官からも電話外務省連絡がありまして、事件は非常に重大なようだから、米軍側としては医療に関してあらゆる協力をすると同時に、また病院の施設なども必要であつたら、自分らの方から提供するということを申し出たのであります。さらにまたアリソン大使奥村次官を来訪いたしまして、速急に必要な手当あるいは被害を受けた船舶の消毒、あるいはそれに関連する諸般調査について十分協力する用意があるから、必要な申出をしてもらいたいということを申しますと同時に、東大の方からの要求もあるので、広島にあるいわゆるABCCの米人の医者三名と日本人の医者三名は、さつそく上京せしめるように手配をしたいということの申出があつたのであります。その後井口大使からは、まだ国務省の正式な回答は通知がございませんけれども国務省が発表いたしました声明文は本省の方へ打電して参つております。これもその責任問題などはまだ触られておらないのでありまして、日本の漁師が原爆試験の際に非常な被害を受けたということについては憂慮にたえないのであつてアメリカ政府日本当局と協力して、現に諸般の事実に関する調査を進めておるところであるという趣旨声明でございます。  なおアメリカ情報を総合して申しますならば、この最近の一両日に至りまして、いろいろ社説なども掲げておるものもあるようであります。また上院の原子力委員長をしておるコール氏のごときも、もしアメリカ側の過失によつてそういうことになつたならば、速急に日本側に対してその救済措置を申し出るべきであるということを言つております。なお、ただいま受取りましたUP情報によりますと、下院議員のヴアンサントという人のごときは、どうもアメリカ側が十分な警戒措置をとつたかどうかについて疑いなきあたわざるものがあるので、議会としてはだれが一体これに対して責任があるかについて十分の調査を進めなければならぬというような、相当強いことも言つております。この問題は今後もいろいろ論ぜられるでありましようが、米国でも重大なる関心が払われておるということは、AP、UPその他の情報によつて察知することができる次第であります。
  10. 岡井正男

    岡井政府委員 水産庁といたしましては、事件がわかりますと、ただちに焼津漁業協同組合、これは漁港の管理者であると同じに、あすこが漁業根拠地でありますので、魚の販路、いわゆる該当魚類の販売については一番よく事情がわかつておりますので、その焼津漁業協同組合へただちに電話をもつて、その状況をできる限り詳細に報告するように求めまして、実情を把握し、その後人も派遣いたしまして、なおその他の関係実項も調査させたのであります。  まず水産庁として一番気になりますことは、その標業場所が那辺にあつたか、操業事情がどういうような関係下に置かれた際に、そういう被害をこうむつたのであるかという実情を把握して、しかも他の同種漁船が同海区あるいはまた他の海区におりましても、それらにいち早く注意を与えるということが一番肝要であろう、かように考えまして、焼津からの情報をキヤツチすると同時に、ただちに三崎の無電局から出漁している船にはそれぞれ注意を与えました。  それから第二の、早急に手当をしなければいかぬことは、漁獲された魚の行く先々で、一般大衆に御迷惑をかけるようなことがあつては困るという点で、荷揚げされた場所、送られた場所をできる限り迅速に把握する。東京へ来たものについてはただちに東京都と連絡して、応急措置をとるというような手配をいたしました。なおその後、やはりあの海区で操業しなくても、あの海区に近いところを航行して帰つた船は若干の危険があると思われますので、全国で主としてまぐろかつお等が陸揚げされる港を五港指定いたしまして――なおこれは追加するかもしれませんが、さしあたり五港を指定いたしまして、そこで陸揚げするものにつきましては、厚生省連絡して一応検査をする。そうして安全であるという検査証票をつけて売らしめるというような手配をして、まず大衆に御迷惑をかけないようにすると同時に、大衆が魚を食わぬために、漁業者及び小売業者仲買業者あるいは市場関係者が、非常に困難をいたしております現状を早くただしてやりたい、かように思いまして、そういう手を打つたわけであります。なお御質問がありましたらさらに……。
  11. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 私はまずただいまの報告を基礎にしてお伺いをいたします。外務省からお伺い申したいのですが、アメリカ側では、太平洋上における原爆実験につきましては、たびたびこのことが行われ、しかも行われるたびに威力のさらに強大なものが、逐次実験に供されつつあるようでございますが、私は国際法上のことはしろうとでわかりませんが、しかしこのような危害を加える、あるいは科学者等の厳密な検査よりもその効力範囲が非常に大きくなるような、そして非常に危険の拡大を予測されるようなこういうものの実験に際しては、それぞれ関係国に対してその都度通報をして、これらの被害を最小限に食いとめるような措置を講ずることが私は必要だと思いますが、外務省アメリカ側から今までに何回こういうような通告を受けておるか、あるいはただ一ぺんの危険区域指定通告だけで、こういうものの実験のたびに危険区域指定拡大等に関する通報を受けていないのか、ひとつその点お伺いしたいと思います。
  12. 小滝彬

    小滝政府委員 この戦略地域に対して閉鎖区域というものを設けましたのは一九四七年で、安保理事会でもこれは承認せられています。そして日本に対し特に外務省を通じて警告いたしましたのは、昭和二十七年九月十八日でありまして、在米日本大使館に対して、最近日本漁船アメリカ側指定する危険区域の方へ入つて来たものがあるが、これは非常に危険であるから、これの周知方をとりはからうようにという申出があつたのであります。その地域はもうすでに新聞などにも出ておりますから御承知と思いますが、それに基いて海上保安庁の方で、今までも告示されておりますのをさらにもう一度注意のために、同年の十一月に告示をするという経緯でございました。でありますから外交のチヤンネルを通じましての申出というものは、一昨年の九月十八日だけであります。そして実験が行われるたびに通報して来たことはないようでございますが、その通報の詳細につきましてはこれは水路部関係でございまして、運輸省の方から、御説明があるかと存じます。  ところで一体こういうことをやつていいのかどうか、これが国際法上さしつかえないもにであるかどうかという点につきましては、過般も新聞横田博士その他がいろいろ論じられておりますけれども、今までの外務省のとりあえずの見解といたしましては、クローズド・エーリアを設けることは、これは先ほども申しましたように、安保理事会でも認められており、そしてそれはここへ通報されておるのでさしつかえないものと見ております。ただ現在日本で問題となつておりますのは、閉鎖区域の問題ではなくして、先ほど通報があつたのはこれは危険区域、この問題であります。原爆実験をやるのはアメリカ行政権を持ち、支配をしておるところの領土及び領海内だけれども、その危険がそれを越えて公海に及ぶだろうから、あらかじめ注意してもらいたいという、この危険区域の問題であるのであります。この危険区域が、今度は非常に狭くて、ああいう被害を受けたということに今までの調査ではなつておりますが、この危険区域性質というものを考えてみますと、これは一九四八年七月のアメリカ政府告示趣旨から考えてみまして、この爆弾実験に伴う危険についての一般的な事前の計画といつた性質を持つているものだろうと解します。でありますから第一次大戦中に問題になりましたいわゆる国際法の本などに書いてある危険区域のように、事前宣言のみをもつて、この区域内で生ずることのある損害に対する法律的責任が、全然免除せられるということにならないだろうと考えております。すなわちこの危険区域を設定するということは、そこらへ近づくものに対する警告の第一歩であり、実際に実験を行うときには、現地において十分の警告予防措置を行うという建前でなければならないと考えるのでありまして、こうした意味において危険区域設定そのものは、事前警告であるというように解すれば、それが国際法上どうこうという性質のものではなかろうと思います。ところでそれでは一体その都度通報すべきか、通報すべきではないかということは、現実の問題でありまして、この点はむしろ運輸省の係の方がよく御存じかと思いますが、それはあるいは各国政府を通じてやる場合もあるし、一部新聞でも報道いたしておりますように、これが事実であるか、事実でないか、まだ正確な報道は来ておりませんけれども、B36を使い、無電使つて、その界隈全部に警告を与えて歩いたのだというふうにもいわれております。しかしいずれが最も有効な措置であるかということについては、個々のケースについて考えなければならないことでありますけれども、とにかくこれは最終的にまだ何もアメリカ通告したものでありませんし、外務省として今まで考えて来ました見解は、先ほど申しましたように、一つ事前警告というような趣旨に解しておる次第であります。
  13. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 この外務省の今のお説を聞いておりますと、国際法上は特定の政府に直接通告をやつたのではなくて、いわゆる一般的宣言国際法上の一般的宣言に基いて、危険区域通告したのだ、こういうふうに解釈されているように思いますが、それに間違いありませんか。
  14. 小滝彬

    小滝政府委員 詳細を申し上げませんでしたが、ビキニ環礁につきましては、その閉鎖区域を設定した旨告示いたしますと同時に、北緯十度十五分から十二度四十五分の間、また東経百六十度二十五分から百六十六度十六分、これを危険区域として設定した旨を告示したのであります。そうしてこれはたしか国際水路協定によつて各国に伝えられることになつております。それで各国へ伝えられたということになるのでありますが、それで一体いいか悪いかということは、先ほど申しましたように、私どもの方はその都度また通報せられなければ、責任免除にはならないというふうに一応考えております。但し新聞でも発表せられましたように、横田教授のごときは、たとい危険区域の外にあつたにしても、これは予想以上の爆発力を持つた予期し得ざるような結果になつたために、米国側としては一応範囲指定して、予防措置をとつたものと見るべきであるから、これは損害賠償なとを要求する対象にはならないというような学説を述べておられるようであります。これは直接横田君から聞いたのではありませんで、新聞ではそういうようになつております。そういうようにいろいろ解釈はあるでありましようが、最初に申し上げましたのが外務省として考えておる見解であります。
  15. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 私は今の御説明を聞きますと、用語は知りませんが、やはりこれは危険区域一般的宣言に基くものであつて各国に対する固有なものについての通告ではなかつたように考えます。そういたしますとこの一般的宣告に基いて、アメリカ危険区域を設定した。しかしそれは安全保障理事会という国際機関によつて、その指定区域が承認されておる、こういう状態になりますと、アメリカはやはりここに根拠を置いて、世界に向かつてその危険区域一般的宣言によつて通告をした、こういうふうに解するわけであります。しかしそれにいたしましても、やはりこれは日本だけではなくて、各国ともにその国の所属いたします船舶航行安全のためには、あらかじめ予測せられます危険区域外であつても、あるいはその結論予想以上に被害の大きいものであつてアメリカ側としては不可抗力であるという結論になるかどうかは私は存じませんが、しかしそれに基いて特に日本漁船、―一般航行船でありますとこれはまた別でありますけれども、そこで操業をして漁獲物国内に運んで参る。そうなりますとそれは単にその区域の危険だけにとどまらず、当然生きもののことでありますから、区域外にその魚群が出て、それがとられる危険もあり、その場合にその有毒物国内に運ぶ危険もあるのでありますから、従つてただ単に事務的に区域だけを指定して、その区域内の出入りを禁止しておるだけでは、万全の措置とは申せないのではないかと私は思いますが、これについて外務省あるいは関係当局といたしましては、どのような措置をとつておられたのか、ひとつ聞きたいと思います。
  16. 山口博

    山口(博)政府委員 ちよつと私今ほかの話をしておりまして、十分にお聞きしなかつたので的をはずれるかもしれませんが、このたびの危険区域につきましては、前後三回にわたつて告示をいたしております。先ほど外務省の方からも御説明がありましたが、第一回の分につきましては日本がまだ占領当時で、GHQの指示で第一回の告示をいたしたのでございます。それから第二回の二十七年の十一月一日の告示は、それと同じ内容を、先ほどお話のようにアメリカ日本大使を通じて連絡されて、特に注意しろということでございましたので、同一内容のものをそのとき再掲いたしたわけでございます。それから越えて昨年の十月十日に三回目の告示をいたしたのでありまするが、このたびの告示内容は一回、二回の区域にさらに東の方に百四十マイルばかり区域を拡張いたしまして、今度のビキニ環礁を中心とする区域追加になつておるわけであります。これはアメリカ水路部告示を入手いたしまして――これはそれぞれ各国国際水路会議というものを持つておりまして、この加盟国お互い資料を交換いたしておるわけであります。それでアメリカから参りましたその告示を、日本の私の方の水路部といたしましてもこれは必要だという考えで、これを転載いたしたわけであります。それでなお先ほどお話で、そういう告示は一応一般的で、爆発試験あるいは実験なるものをやることそれ自体について、何か警告はなかつたかというお話でありますが、これにつきましては今日まで何らの連絡も受けておりません。それからまたこのたびも現場において警戒といいますか、いろいろ実験をする前に飛行機によつて出ろとか、あるいは無電によつて出ろとかいう、何らかの警戒を受けたかという点を確かめましたが、そのような形跡は認められませんでした。
  17. 岡井正男

    岡井政府委員 水産庁といたしましても、ただいま山口先生の方から御指摘があつた点を非常に心配いたしまして、昨日も大学の方の動物学の魚に関係する権威者の学者が集まりまして、ご研究を願つておるわけでありますが、元来まぐろの習性が、相当水中深く百メーター程度の層を泳いでいる魚でございますので、今までの段階におきましては、いわゆる爆風によつてもたらされる灰が放射能を持つておるというような点でありますと、割合にそう心配はいらぬじやないかというような中間的な希望的観測が今されておるわけでございますが、しかし念には念を入れなければいかぬと思いますので、なおよく研究いたしたいと思います。必ずしも全然無害であるというように割切るのにはまだと早い考えております。
  18. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 私は今いろいろ説明を聞いたのでありますが、しかし水産庁のお考えで行きますと、ただ灰に対する放射能の危険というものだけをお考えになつておるように伺うのですが、昨今の新聞を見ますと、やはり海流を通過して参る船には相当の放射能が認められる。特にかぶつておりました帽子などにまで、海水をかかつたと思われる帽子に、多量の放射能が検出されるということを聞くのでありますが、そういたしますとそのような海流の中に棲息いたしております魚群というものは、やはり相当危険なものじやないかというふうに考えるわけでありますが、いかかですか。それを一つ。  それから外務省に、お急ぎでありますからもう一点お伺いをいたしますが、このような、もちろん先方としては厳密な科学測定によつて危険区域を定めておるものと考えますけれども、しかしながら万一ではなくて、現在現実の問題として、その科学的に測定をいたしました危険区域以外へ非常に多くの被害を出した。しかも船のみならずその南方の周辺の諸島の原住民にも、予想外のところに非常に多い犠牲を出したというようなことも報ぜられておるのでありまして、その真偽を私どもは確かめることはできないのでありまするけれども、将来私はこのような大きな爆発を実際に実験しなくても、小範囲にとどまる爆発物をもつて足りるのじやないか、それをこのような莫大な被害を受けるようなことが実際に行われるとするならば、私どもはこの太平洋上を安全に航行することは、船舶だけではなくて、いわゆる航空機におきましても、どのような放射能を有する気流に遭遇しないとも限らないような危険性があれば、私は国際上ゆゆしい問題ではないかというふうに考えるわけでありますが、これに対して外務省はどのような安全策をとろうとされるか、ひとつ承りたいと思います。
  19. 増田正一

    増田説明員 ただいま御質問がありました爆発物により生じました灰が、海流に乗つて相当広範囲に広がるであう、そこを航行した船舶が内地に放射能を持つて帰る、その影響が非常に甚大であろうという点につきまして、実は昨日三崎にまぐろ漁船が八隻入港いたしました。この八隻につきまして、厚生省連絡をとりまして、ガイガー計数管をもつて測定したわけでありますが、その結果によりますと、漁獲物自体には二OKC前後の反応が見られました。それから全員のかぶつておりました帽子が一番多いのでありまして、二千二百五十KCという数字を示しております。そのほかその中間に作業衣とか魚の箱、あるいはほうちよう、ハツチのカバー、こういつたものがございますが、厚生省専門家にただしますと、大体人体に有害なのは一万七千KCの八時間以上当つた場合に人体に有害である、従いまして昨日三崎に入港した漁船漁獲物はもちろんでありますが、帽子その他の部分に反応を示しました程度は、人体にはまつた影響がない、このような結果になつておりまして、なおこれは厚生省の方のいろいろ専門家の御意見でありますが、二OKC程度反応といいますのは、宇宙線関係一般的に見られる状況である、かように意見を出しておられます。
  20. 小滝彬

    小滝政府委員 ただいまのご質問は将来の問題として、こういう非常に強度の原子爆弾と申しますか、水素爆弾と申しますか、これらの実験が行われるということになれば航行中の船のみならず、航空機にも甚大な影響があり、これは今後いかに処置すべきかという点だつたと存じます。一体今私ども米国側と話合いをしなければならないと考えておりますのは、一つ現実に起つた問題をいかに解決するかという問題と、その点がはつきりして参りますれば、当然仰せのような将来の問題にも及ばざるを得ないと存じます。とりあえず今回の問題に関連いたしましては、危険区域範囲が狭かつたようだということはアメリカ側でも言われておりますので、この点はとりあえず問題になりますが、しかし将来は、非常の犠牲を出したとうとい経験にかんがみまして、絶対にこうした危険のないような処置をぜひとも話合いをして解決しなければならぬ、こういう考えを持つておりますので、せつかくこちらの方でもいろいろ資料を集め、また向うの方でも協力して調査をやろうということでありますから、その調査の結果に基いて、万全の処置を講じたいと考える次第であります。ただしかし原子力の管理なり、あるいは原子力による人命に対する被害をできるだけ少なくするようなことのためには、ただ単に日米間のみならず、国際的に話合いをしようということもすでに提起せられておりますので、日本に対しては、日本赤十字社へ招聘が参つておりまして、来る四月にゼネヴアにおいて世界の最も優秀なる原子の専門家が集まることにあるのでありますが、その際いろいろ経費の関係どもございますけれども外務省も日赤を円状いたしまして、現在考えておりますのは、都築博士に出席をお願いしようという段取りをきめておるような次第であります。もちろん原子力の問題は政治的に大きな米ソ間の問題でもあしますので、日本だけで運行いたしましても、速急に解決するということはできなおでありましようが、この被害を最小限度にとどめ、被害のないようにする、そのときにどういう処置をとすかということにつきましては、今申し上げましたようなこともありますし、またこれを契機といたしまして、世界的にも相当与論が喚起せられるであろうと思いますから、幸い日本には相当な専門家もおられるようでありまするし、また近藤の事件についての直接の被害国でありますから、相当なる発言をいたしますように、われわれといたしましても、これから準備をいたしたいというように考えておる次第でございます。
  21. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 今いろいろな処置を外務省としてはおとりになつておるようでありますが、私はこの際外務省としては、戦時中における原子爆弾の使用等についても、当然一定の限度以上のものを使用し得るような自由放任の今のような形は、当然国際管理によつて私は規制されるべきだと思います。しかしその戦時中のことは別といたしましても、平時におきましては今申したようにその実験などというようなことは、よれよりも小範囲な小規模のものをもつていたしましても、その目的は十分に私は達せられるものと考えるのであります。従つて外務省としては、まずこの原子力の管理の第一歩として、平和時におきまするこの原子兵器の実験に関しても、ある程度国際的にこれを管理して、一定限度以上のものの使用を国際的に禁止するような法律を、当然私は国際会議に持ち出すべきではないかと思いますが、そういう御意志があるかどうか、それをお伺いしたいと思います。
  22. 小滝彬

    小滝政府委員 原子力の平和的利用につきましては、ゼネヴアにおきまして、日本の方でもできるだけ早く協力するようにという機運が起つております。しかしこうした軍事的な意味に利用せられるということが、相なるべくは各国の話合いによつて解決できるようになることは、私どもの希望してやまないところであります。しかしそれでは日本の方で音頭とるということになりましても、日本の方は実は原子力を持つていないというような関係がありまして、非常に困難があると思いますけれども日本としては最大限にこうした運動に協力いたしまして、今仰せのような管理が行われることを熱望してやまないものであります。
  23. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 それから大臣はおられないようでありますが、今申しましたようにまだ将来さらに大きな原子力の実験が行われるように新聞に報道されておるのでありますが、こうなりますと、付近を航行する船舶並びに付近を航空いたします航空機等についても、私は将来非常に不安な気持を持つと思いますし、これについては当然の所管事項として完璧な安全措置を講じなければならぬと考えますが、それにつきましてどのような具体的手段を講じようとされておるか、特に漁船などはことごとくが無電などを装置いたしまして、その無電を利用して周知徹底せしめるようなことは不可能の場合もあろうかと存じますが、海上保安庁としてそれらの保護対策についてはどのような措置をとろうと考えられるか、ひとつこの点もあわせお聞かせを願いたい。
  24. 山口博

    山口(博)政府委員 私の方で考えております今後の対策でございますが、まず航路告示について考えますことは、これは御承知のように官報にも載せ、各所に配布しておるわけで、遠洋航海に出る人は必ずこれを確めて、自分の手持ちの海図を修正するのがこれらの原則なんでありますけれども、今度のような事件の実際を検討いたしてみますと、漁船が全部こういうことをわきまえておるというようなことも若干不安がありますものですから、今まで航路告示として出し、あるいは官報にも掲載いたしましたが、今後はさらに何らかの方法で、と申しますのは、要するに関係官庁あるいは漁業組合とか、そういうところの注意を十二分に喚起して、各個の漁船に対して、こういうことについて十分注意するように、積極的な援助を要望して参りたいと思つております。  それからなお今後の事件にかんがみまして、一応の危険区域がございますが、今度のように被害が相当の範囲に及ぶというようなことがございますので、――これは場所日本を去る二千海里でありまして、私の方の船が出かけていろいろ監視に当るということはできないのでありますから、できればこのたびの事件にかんがみてアメリカへ交渉される際に、今後かような爆弾実験をされる前には、予告をしてもらうことを要望してもらいたいと思つております。そういうことがかなえられれば、われわれの方としては事前に航路告示以外に、さらにまた警告関係方面に流してもらうということによつてかなり周知徹底をはかつて、災害の未然防止をやりたい。そう考えておりますので、海上保安庁としては今回も外務省を通じて、場合によつて危険区域のある程度拡大、さらにまた実験をやる場合には、事前にできればひとつ外交機関を通じて通告をしてもらいたいというようなことを要望しようと思つております。
  25. 關内正一

    關内委員長 青野武一君。
  26. 青野武一

    ○青野委員 私は外務政務次官がおいでのようですから、一、二点簡単にお尋ねいたしたい。実は五、六点お尋ねする用意をして出席いたしましたが、山口委員質問で大体了承することができました。今回御交渉になつております経過なり、後答弁を聞いておりますと、確かにアメリカ側も、関係の深い当事者が、結果は実験して見なければわからぬことだが、危険区域範囲が狭かつたことは是認しておるようです。これは事実ですか。
  27. 小滝彬

    小滝政府委員 先ほど最初に申し上げました通り、アメリカからは公式の回答は全然ございません。まだ関係省から確答がないから、確答あり次第返事をするということでございます。ただ私がちよつと言及いたしましたのは、アメリカ新聞などに出ておるところを見ると、今申しました下院議員の発明した原子爆弾はまるで日本民族が実験台に立つておるようなものである。広島の場合でもあるいは長崎の場合でも、大部分は非戦闘員が大きな犠牲を受けておる。長崎の場合は七万人が一挙に殺され、七万人が生れもつかないかたわにされておる。広島の場合は二十四万九千名といわれておる、しかも二十六万人が原子爆弾によつて大けがをしておる。これば昨年十二月三日に予算委員会で私が数字を申し上げた内容です。勝てばよいという考えのもとに、B29を飛ばして、その大部分が非戦闘員であるのに、しかも無差別に二箇所に爆弾を落したといつたようなことは、戦争に勝つても負けても、これは世界人道の上から許すことはできない。日本の軍の首脳部その他政治上の責任を負つた人々は、御承知の通り巣鴨に長らくほうり込まれて、一部の人は絞首刑になつておる。少くともその当時のトルーマンを中心にした関係者は、国際裁判にかけて厳重に処罰すべきであるという質問演説をやつた。これは日本人がみな心の中に持つてつたことをたで言わなかつただけである。そういう点を明確に私は質問の形式をとつて申しましたが、今回でもそうである。実験してみた結果、非常に爆発力が今までに比べて甚大である。従つて結果においては、アメリカ政府の公式の通知はございませんでも、アメリカの有力なる下院議員の話を聞いても、われわれが推定しておる危険区域範囲が狭かつたことは確かに事実である。そうすると、今度でも敗戦国の日本であつて、相手は世界の強国であり、軍事力、経済力で国際的に世界を動かす力を持つておるといつて遠慮しておれば、またこういうことが次々に起つて原爆、水爆に実験によつて日本人が受けなくとも、たれかが受ける結果になる。こういう点はわれわれは科学者でございませんから予測することはできませんが、常識的に考えても将来のことを考えると、この原爆被害を受けた日本民族が、世界各国の先頭に立つて補償すべきものは補償させる、将来の日本の国民の安全のためには、この機会をおいてまたこういう機会はありません。そこで来週の火曜日に運輸委員会が開かれるということでございますから、それまでにアメリカ側日本外務省に持つて来た公式の回答あるいは情報、その他質問に御答弁になつ範囲でなく、もつと明確にアメリカ側の意向、被害を受けた諸君の被害状況、あるいは将来の安全のために日本側の意向もある程度はまとめて、火曜日の運輸委員会にその報告を求めたい。それに合せましてこの被害を受けた諸君に対するたとえばアメリカ側の補償、これについででございますが、B29が誤つて落ちた。日本人の家を焼いたりあるいは人を殺した。軍用トラツクが子供をひき殺した。これは厚生省規定で御存知の通りですが、今から四、五年前は、ひき殺されたり火災その他で焼け死んだ人は、わずかに六万五千円程度日本人は至るところで片づけられた。埼玉県の金子村に落ちたときもそうです。福岡県のしようゆ醸造元に落ちた戦闘機のごときは、十一人の人を殺しておいて、一人当り平均六万五千円で片づけられた。しかもその金はアメリカ本国から持つて来た金じやありません。終戦処理費の中から、日本人の血税でアメリカのそういうあやまちを償つてあるという実例を考えましても、この機会にひとつ腰をしつかり落して、被害を受けた日本国民の意思を代表して、将来の日本国民の安全、その他よその国の国民の安全を考えて、実験するなら断じて人に迷惑をかけないという準備のもとにやつてもらいたい。日本政府アメリカ側に交渉するにあたつては、どこの国よりもそういう強い主張ができる立場に私どもは立つております。それと火曜日までにもつと私どもが納得するような経過と内容アメリカ側の意向と日本政府の基本的な態度というものを――私どもはご質問を申し上げるかもわかりませんが、御用意くださるようにお願いしておきます。この点委員長もひとつお含みを願いたいと思います。
  28. 關内正一

  29. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 西村政務次官にお尋ねしますが、これは外務省アメリカ大使館とを通してアメリカとの交渉になると思いますが、今の宣言のような漠然としたものでなく、いつ何日にどいう実験をするから、どこそこに区域はあぶないというような発表をしてもらいたい。今のところはこういうことではない。そうでなくてはわれわれ運輸委員として航行の安全を考えておるものとしましては、これは非常に危険千万なので、何日にやるということが少なくとも秘密保持上不可能だとすれば、その海域を航行するに支障のない最小限の期間、たとえば何月の第何週の何曜から何曜までの間というような、きわめて限つた期間を設定せよと要求することが、私は最も安全な措置ではないかと思いますが、政務次官はそういうふうにこれを考えられますかお伺いします。
  30. 西村英一

    ○西村(英)政府委員 さいぜんも漁船及び船舶、飛行機等の安全の問題につきまして、山口長官からも対策をちよつとお答えしましたのは、とりあえずのことでございまして、根本策ではなかろうと思うのであります。しかし今お話にありました、時間をおいて云々という話も、やはり相当研究しなければ、なかなかただちには解決策は出ないのであります。その点につきましてもう少し時日を貸していただきたいと思うのであります。運輸省といたしまして、これはもちろん国際的にきまる事柄が多い問題でございますので、ただちにわれわれのみで最善の方法はとり得ないと思いますが、もつとも将来もこういう実験等が行われるということになりますれば、少くとも今度の経験にかんがみて、われわれとしても万全の索をとらなければならぬと考えておる次第でございますが、具体案は今のところ持ち合せておりません。とりあえずのことはただいま海上保安庁長官のおつしやつた通りのようなことでございます。
  31. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 私は西村政務次官の答えではどうも弱いと思うのです。今同僚青野委員が申されたように、私どもの感じとしては、このアメリカの原子兵器に対しまする実験台は、まつた日本人だけが負わされておるようなかつこうである。そうすれば私はこれについては最も発言力を国際的にも認めらるべきものであると考える。そうしてもつとアメリカに対して今申したように、その実験期間のきわめて短期間の通告をされて、この私ども被害を皆無ならしめることは当然の措置であつて政府はそれだけの準備と度量を持たれてしかるべきだというふうに考えますが、さしあたりのところは考えておつても、将来の具体策についてはまだ何ら考えられておらないし、それからアメリカとの交渉の用意はない、こういうわけなんですか。
  32. 西村英一

    ○西村(英)政府委員 私が申し上げましたのは、この被害をなくするにつきましても、危険区域がこういう広さでいいかどうかということも問題であろうと思うのであります。従いまして十分科学的調査をした上において、危険区域を広めるということも出て来る問題であろうと思います。さい実験に際しまして、あらかじめこれをわれわれの方に知らせることにつきましても、もう少しやはり研究しなければならぬと思うのでありまして、これはないがしろにしておるわけではありませんが、今私は、運輸省としてこういうふうにするという具体案は持つていない、とりあえずの対策につきましては、海上保安庁長官が言いましたように、船舶等について告示以外にさらに注意を与える、海域等のことにつきましても、いろいろの注意を十分与えておるということを申し上げたわけでございます。
  33. 山口博

    山口(博)政府委員 今政務次官がお答えになつた通りであります。先ほどの私の御説明が少し足りなかつたのでありますが、航海安全の見地から、お話のように事前実験については通告を受けたいということが一つと、その事前程度につきまして、今一定期間とお話がございましたが、これはもうちよつと調査しないと具体的に申し上げかねますが、そのことと、そうしてもらえればわれわれの方でも手を打ちたいと思うし、またもう一つ足りなかつたことは、そういう実験をされる前には、今回はどういうことであつたか詳細にその真相がわかりません。今後の調査にまたなくてはなりませんのですが、アメリカ側としても実験の直前に適当に危険範囲、飛行機によるなり無電によるなりして、船舶がそこら辺にいないように、特別の警戒をやつてもらうということも要望しておる一つであります。
  34. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 山口海上保安庁長官の言われるようにするためには、危険区域の設定はもちろん必要です。しかしその危険区域の設定だけで万全でないことは、今回が証明しておるのです。そうすればさらに将来に安全を求めるためには、どうしても実験日というものを正確に、いわば何月何日何時にこういう実験をするということが、当然通知をされてしかるべきである。しかしそれがやはり軍事秘密の保持上困難だというのならば、私は今のような漠然とした宣言的な通告ではなくて、もつといわゆる期間を切つた通報をする義務があるように、国際的にも交渉しなければなりませんし、またわれわれは被害国でありますから、この際直接アメリカに交渉して、これを強力に実現に移すような努力をして、日本政府としては何らさしつかえないと私は思う。このことは具体的計画がどうのこうのという問題じやなくて、今ただちに実行しなければならない問題だと考えるわけなんです。それでなければ、私は日本周辺における海上の安全というものは期せられないと思う。一体そういう計画があるのかということをお尋ねしている。
  35. 西村英一

    ○西村(英)政府委員 今度の場合ではもちろんそういう無線その他によつて何らの実験の予告は受けませんし、その日も無線その他によつて船に告知されたこともないわけでございますが、ただいまも海上保安庁長官が言いましたように、その点は外務省を通じて要求したい、こう言つてつたので私はそう申し上げたのでありまして、ぜひともそういうことは最小限度知らなければ、これは今後非常に危険であろうと思うので、さように答えた次第でございます。
  36. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 今の西村次官の答弁は、私はひとつその通りを実行に移していただきたいと思います。臼井委員から関連質問があるようでありますので……。
  37. 臼井莊一

    ○臼井委員 水産庁の方にこの機会にひとつ伺いしたいのであります。今まぐろ恐慌といいますか、魚が大分恐慌を起して、日本でも相当損害であるようです。まぐろならまぐろに汚染された病毒は、これが船に揚げたときに放射能の灰に触れたから汚染されたのでありますか。それもあると思うのですが、それとも海中に灰が落ちて、その海水中を泳ぎまわつていた魚がある程度放射能を持つに至るのでありますか。これはもし公社のような場合であると、なかなか大きな問題だと思うのですが、その点をひとつ伺いしたいのです。
  38. 岡井正男

    岡井政府委員 お答えいたします。先ほど山口先生の御質問にお答えしたのでつが、大学の教授など交えまして研究した結果、大体灰に触れておるところが放射能が出る、まぐろの肉質からはあまり出ない。と申しますのは、まぐろは間頼無機物的なものは餌料等の対象にはいたしません。それから海水を飲みましても、これがただちに血に変化するものではないことは、先生も御承知と通りでございます。従いまして直接触れるというのでなければ出ないのではあるまいかというのが、昨日までに研究した結果でございます。それで早く言いますと、まぐろなどが出にくくて、さめ類が非常に濃く出るというのは、御承知ようにまぐろは、とりまして運ぶまでの間にも、丁寧に水洗いして冷凍水につけ、カバーをしそして運ぶのでございまするが、安つぽいさめの方はぞんざいに扱います。従つて灰がかかつてつても、安い魚だしということで、これを乱暴に扱う関係もあろう。かように今までの段階では思われておるのでございまして、海水を飲んだからというようなことが直接とは思えないわけであります。
  39. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 私時間の関係がありますし、他の委員質疑もあろうと思いますので、残余の質問を後日に保留しまして、本日はこれで打切りたいと思います。     ―――――――――――――
  40. 關内正一

    關内委員長 運輸省設置法の一部を改正する等の法律案を議題とし、まず政府より提案理由を説明を求めます。西村政務次官。
  41. 西村英一

    ○西村(英)政府委員 ただいま提案になりました運輸省設置法の一部を改正する等の法律案の提案理由及びその概要について御説明申し上げます。  第一に、運輸省の付属機関につきまして宮崎海員学校を廃止して、口之津海員学校を設置しますとともに、新たに航空従事者を養成する機関として航空大学校を宮崎市に設置することとしさらに、水先審議会に従前の審議事項のほか船舶職員法に定める徐行その他海上における航行の安全に関する重要事項をもあわせて審議させることとして、その名称を海上航行安全審議会と改めることといたしました。  第二に、ただいま国会に提案されております防衛庁設置法案におきましてさきに第十三回国会において成立を見ました海上公安局法を廃止することとしておりますので同法の制定に関連して、第十三回国会において成立しました運輸省設置法の一部を改正する法律は、存続の意味を失うこととなりますので、これを廃止することといたしたのであります。なお右の措置に伴いまして、水先法及び船舶職員法に所要の改正措置を講じました。  この法律案の施行期日につきましては、原則的には本年四月一日を予定いたしておりますが、航空大学校は七月一日開設を予定しておりますので、これに関する改正規定につきましては、本年七月一日からといたしております。  何とぞ慎重ご審議の上、すみやかに可決せられるようお願いいたします。
  42. 關内正一

    關内委員長 運輸省設置法の一部を改正する等の法律案航空法の一部を改正する法律案、この二案に対する質疑次会に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後二時五十八分散会