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1953-12-11 第19回国会 衆議院 運輸委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十二月十一日(金曜日)    午前十一時四十六分開議  出席委員    委員長 關内 正一君    理事 岡田 五郎君 理事 鈴木 仙八君    理事 關谷 勝利君 理事 原   彪君       木村 俊夫君    世耕 弘一君       南條 徳男君    臼井 莊一君       岡部 得三君    正木  清君       松原喜之次君    山口丈太郎君  委員外出席者         運輸事務官         (海運局長)  岡田 修一君         運輸事務官         (航空局長)  荒木茂久二君         運 輸 技 官         (船舶局長)  甘利 昂一君         専  門  員 岩村  勝君         専  門  員 堤  正威君     ————————————— 十二月五日  委員岡本忠雄辞任につき、その補欠として田  中伊三次君が議長指名委員に選任された。 同月六日  委員高橋圓三郎辞任につき、その補欠として  岡野清豪君が議長指名委員に選任された。 同月七日  委員岡野清豪君、田中伊三次君、楯兼次郎君及  び熊本虎三辞任につき、その補欠として高橋  圓三郎君、岡本忠雄君、多賀谷真稔君及び竹谷  源太郎君が議長指名委員に選任された。 同月八日  委員賀谷真稔辞任につき、その補欠として  楯兼次郎君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 十二月十日  日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(参議  院提出、第十六回国会参法第七号)  の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  国政調査承認要求に関する件  運輸行政に関する説明聴取の件     —————————————
  2. 關内正一

    關内委員長 これより開会いたします。  この際お諮りいたします。衆議院規則第九十四条により、国政調査承認要求書議長に提出いたしたいと存じます。その内容前回通りといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 關内正一

    關内委員長 御異議なければ、さよう決します。     —————————————
  4. 關内正一

    關内委員長 次に、海運事業につき政府より説明を求めます。岡田説明員
  5. 岡田修一

    岡田説明員 最近の海運状況につきまして、簡単に御説明申し上げます。  一般海運市況は依然として横ばい状況でございまして、何ら改善状況はございません。ただ内航方面E型解体による船腹の減少の反面、石炭を初めとする荷動きが多少ふえまして、市況相当引締まつております。従いまして、外航をやつておりまする各社の九月期決算におきましては、依然として相当赤字を占めておりまして、日本郵船、大阪商船三井船舶あるいは山下、こういうところはいずれも償却で一億五千ないし二億の欠損でございます。前々国会利子補給法成立いたしましたが、前期の決算におきましてはその恩恵を受けるところがまだ少いのでございまして、従つてこのような結果になつているのでございます。来期の見通しといたしましては、この利子補給を受けることによりまして、償却前の欠損額については大体利子だけ払えるという状況に相なると考えます。  一方定期航路状況でありますが、新船建造が進むにつれまして、定期航路の方も漸次充実して来ております。しかしニューヨーク定期航路、あるいはインドパキスタン航路、こういう方面におきましては、依然として相当はげしい競争が続いているのでありまして、非常な採算割れ運航をしているのでございます。しかしこれは私どもとしては、日本海運定期航路に進出するためにやむを得ない現象である、かように見ているのでございます。しかしそれにしても、できるだけすみやかにその安定方策を講ずるようにということを、業者に要望しているのでございます。ニューヨーク航路につきましては、近来その安定の空気が非常に強くなつております。それからインドパキスタン航路におきましても時日の問題である、かように考えております。それから欧州定期航路は、郵船と商船航路同盟に入つて航海をやつておるのでございますが、これに対して三井船舶盟外船として月一航海配船をいたしております。その他欧州航路に対しまして新たな計画をしているところもあるのであります。こういうところも今後ある程度困難が起るかと存じますが、ただいま申しましたように、日本船が伸びるための確実な現象として喜ぶべきであろう、かように考えております。私ども利子補給法成立を見まして業者が多くの恩恵を受けるのでございまするから、同時に業者の方において経営合理化という面に極力努力をするようにということを強く要請し、また運輸省といたしましても海運監査室というものを設けて、海運会社経営内容に厳重なる監査の目を光らしておるのでございます。従いまして海運会社としても、経費の切詰めという面に非常なる努力の跡が見られるのでございます。さらにただいま申しました経営上の競争の面におきましても、邦船間においてできるだけ提携するように——外国船会社関係において提携の困難な面が相当あるわけでございますが、その中においても日本船間提携には最善の努力をするようにということを要請しておるのでございます。この日本船間提携につきまして、たとえば大同海運あるいは山下汽船商船の傘下で南米航路をやる、あるいは最近新規航路を三社が開設したにつきましても、その三社でジヨイント・サービスをするというような提携の実が上つておるのでございます。業者側の自粛と経営合理化に対する努力というものは、相当つてしかるべきじやないかというふうに考えるのでございます。私どもとしてはなお一層の努力をいたしたい、かように考えております。国際競争力の強化の点につきましては、前々国会におきまして利子補給損失補償法成立を見、また固定資産税についても特別の措置が講ぜられまして、相当改善を見たわけでございます。一応日本海運としては、こういう国の協力はよつてこの難局を乗り切つて行くべきじやないか。あるいは今日のような情勢がもうちよつと長い期間続きますれば、さらに一段の国の協力を必要とするかと思いますが、現在のところは一応この程度のことで業者としては邁進すべきである、かように考えるのでございます。  なお私ども海運行政の当面の問題といたしましては、二十九年度予算編成にからみまして、二十九年度の新造船計画でございます。運輸省といたしましては依然として三十万トン計画を遂行して行きたい、かように考えるのでございます。三十万トン計画を遂行して参りますためには、財政資金として約二百六十億の金を要するのでございますが、この二百六十億の船舶に対する財政投資を確保いたしますことは、来年度予算見通しから行きまして、非常にきゆうくつで、困難のように考えられるのでございます。しかし一面日本海運船腹需要の面から申しますると、一部におきましては、海運会社が非常に不況だから、従つて船腹というものは過剰でないか、こういう御想像をなさつておる向きがあるかと存じますが、この船腹需要の面におきましては、各船会社とも船腹不足をかこつている状況であります。ただ、荷物の手当には困らないが、さてそれをいい運賃で契約をすると、そこに外船が出て来て運賃がたたかれる、従つて船会社採算が割れる、こういうふうになつております。荷物の点においては何ら事欠かない。ある船会社のごときは、外船を用船してその荷主の需要に応ずるというような状況でございます。トランパーの船腹においてしかり、定期航路におきましても、各船会社それぞれの定期航路をやつておりますが、その船腹の中には、たとえば九ノツトあるいは十ノツトというごとき、まつたく定期航路に適さない船を相当数使つているのであります。現在の定期航路を維持するだけでも不足状況で、ましてや今後新規定期航路を開拓するという面からいたしましても、相当定期航路船拡充をはからなければならぬというふうに、船腹増加の必要を痛感するのでございます。他面造船所の面からいたしましても、造船所造船能力が六十万トンあるいは七十万トンに達するかと存じますが、それに対して造船量というものが非常に減少している。従つてこの造船量の保有という点から申しましても、相当量船舶建造を確保いたしませんと、いろいろの困難な問題が起るであろうと考えるのでございまして、来年度予算編成にあたりましては、ぜひとも運輸省としては予定建造量を確保するようにいたしたいと考えている次第でありまして、運輸委員会においても御高察をお願いいたしたい、かように考えているのであります。  簡単でございますが、以上御説明を申し上げます。
  6. 正木清

    正木委員 二点ほどお尋ねしたいと思います。船全体に対して国はその経営状況に応じて利子補給する道が開かれたわけでございますが、この法律によつて運輸省では監査室を設けて会社経理の実際の調査、及び同時に監督もされているわけですが、今局長からもこの点について御説明があつたか、一言お伺いしておきたいと思いますことは、監査室が実際に各会社経理内容状態を御調査になつて、今日まで会社に対して、この法律に基く監査室として何か注意をされたような具体的な事実があつたかどうか、この点を御答弁願いたいと思います。  第二点は、実は新聞にしばしば大きく取扱われております新造船計画に対する財政資金見通し及び市中銀行等関係、こういう点についてよほど当局一つの自信と新年をもつて今後に処しませんと、業界に以外の混乱と、しこうして今後の日本海運というものに対してさらに非常な困難を来すような結果になりはしないか、こういう点を私は非常に心配いたしておりますので、この点さらに具体的に答弁を願いたいと思います。
  7. 岡田修一

    岡田説明員 監査室が発足いたしましてまだ日が浅いものでございますから、十分会社内容把握というところまで至つておりませんが、ただ九月期の決算におきまして、船会社の中にはいろいろな会社事情から、償却を十分しないで配当したいという希望のところがあつたのでございますが、しかし私どもといたしましては、少くとも普通償却一ぱい償却しないで配当するということは、この際遠慮すべきであるということを指示いたしました。従いまして九月期におきましては、各船会社とも配当をとりやめたという状況に相なつております。中には償却が十分できる会社もあつたのでございますが、しかしまず社内の充実という点に重点を置きまして、この際自発的に配当をやめて償却するという措置をとつたところもございます。このことは、これら船会社利子補給を受けたことにより、いかに会社経営改善努力しておるかということを示す一つの証左であろうかと考えるのであります。  なお後段の造船資金の点でございますが、財政資金の点はこれからの予算編成にからんで、政府部内での折衝にかかるわけでございますが、私どもとしてにできるだけの力をいたしたい、かように考えております。これに対しまして市中銀行側意見でございますが、先日も銀行協会理事会に私出席いたしまして、来年度計画説明したのでございます。その際に銀行側から出ました意見は、今日金融事情が非常にきゆうくつになつておる。特に日本銀行金融の引締めをやつておる結果、市中銀行としても貸出し余力は非常に減つて来た。従つて年度造船に対する金融は、ことしからの状況からして想像できないほどきゆうくつになるであろう。従つてそういう点を考慮に入れて造船計画を考えてくれ。できれば財政資金——現在七割でございますが、これを八割程度まで引上げるようなことが考えられないか、さらに今まで屡次の造船によつて船会社の持つております担保余力がほとんどなくなりかけておる。これが来年度造船計画を進めます上における一大障害であろうと思います。この担保余力をどうするか、この問題の解決が先決じやないか、こういう要望があつたのでございます。これに対して私どもといたしましては、財政資金七割というのは最高限度であつて、これを八割に引上げるということは、来年度財政事情その他から困難ではないか、一応来年度は七割程度で進むということを申しました。それから担保余力の点は今私どもの方で、各船会社が持つております担保力詳細調べ中でございます。その調査の上で何らかの措置を講じたい、かように考えておるのでございます。いずれにしても市中銀行側といたしましては、来年度造船に対する融資相当引締めるであろうという強い警告を私どもの方に発せられておるのでございます。これはなお来年度造船に対する財政融資のわくがきまり、何万トンつくるかということが決定いたしました際に、これをどういうふうに円滑に取進めて行くかということについて十分検討し、また場合によりましては国会の御協力を願うようなことが出て来るのではないか、かようにも考えておる次第であります。
  8. 正木清

    正木委員 ただいま局長から具体的な中心点の御説明があつたので、深くは質問をいたしませんが、私の心配いたしておりまする点は、今局長が述べられました点とまさに一致するわけであります。私は二十九年度予算編成を通じて見て、国家資金割当等においてはたして二十九年度の新造船計画に二百六十億という巨大な国家資金が一体割当てられるかどうか、この点では残念ながら私は悲観説を今は持つておるわけであります。従つて市中銀行側がこうした二十九年度国家予算編成及び今の国家資金のこの状態から見て、市中銀行として非常に大事をとることもまた当然ではないか、こういうふうに実は見ておるわけであります。今局長が御指摘になつたように、まさに担保物件というものは枯渇の状態に漸次来ておるわけでありますから、そこでこれらの問題をどう一体調整し、解決をして行くか、もしこのことが従来の既定計画通り進行しませんと、しばしばこの問題のために運輸当局、また当委員会等において繰返し苦労したことが、再び来るのではないかという懸念を実は持つておるわけであります。どうかひとつ運輸当局政府とも十分折衝されて、規定計画が完全に実行できるように、私は特段の努力を払つてしかるべきであるという点を要望して、当局に対する質問を打切ります。  なおこの際、当然航空関係事務当局から御説明があろうかと思うのですが、その前に航空関係で簡潔にお尋ねしておきたいと思います。八月一日に日本航空株式会社法が施行されて、実際に実行に移つたのですが、その後の会社経営の実態及び経過、どういう形になつて今この航空会社仕事を進めておるのか、その点ここに資料は頂戴いたしておりますけれども、具体的に御説明を願いたい。
  9. 關内正一

    關内委員長 次に、航空事業に関し説明を求めます。なおただいまの正木君の質問も、あわせてその際御答弁を願います。荒木説明員
  10. 荒木茂久二

    荒木説明員 御存じのように八月一日に日航法が施行せられまして、さつそく準備をいたしまして、十月一日に新日航ができたわけであります。仕事といたしましては、旧日航がやつておりましたものを引継いで、北海道二往復、九州二往復大阪往復、これだけを現在運営をしておるわけでございます。非常にお客さんも多くなりまして、大体運航率は百パーセントということであります。乗機効率は八五%程度に相なつておるわけでございます。そこで、国内線だけを切り離して見ますると、十月以降新会社年度内の決算はとんとんに行く予定であります。しかし国際線飛行機を買つて来ますし、国際線のための乗員訓練、その他沖縄及びサンフランシスコにおける解説準備等について相当経費を要しますので、本年度予定といたしましては、一億八千万円くらいの赤字が出て来るのではなかろうか、こういうふうに考えておるわけであります、以上簡単でございますが、正木委員の御質問に対してお答え申し上げます。  なお航空関係の一般的な問題でございますが、現在わが国の民間航空状況がどういうふうになつておるかということは、お手元に差上げましたわが民間航空の現況に記載しておる通りでありますが、これをかいつまんで申し上げますと、航空のための問題として今力を入れなければならない点を申し上げますと、やはり路線拡充であります。路線国際国内と両方にわかれるわけでございますが、国内は、大体日航がやつております現行路線はそのまま日航がやつて行く。それからその他のローカル・ラインで、来年度予算要求をいたしておりますものは、大阪・高松・大分・別府、これが一つ、それから福岡・熊本・鹿児島が一つ、東京・新潟・小松・大阪、これが一つ、それから本年度におきまして、千歳から釧路、千歳から稚内まで、この四つであります。  なおこれらを運営するにつきましては、日航の現在の飛行機ではそういう飛行場に着けませんので、中型機になるわけでございますので、これを他の会社に移して行わしめるという方針のもとに、現在日本ヘリコプター株式会社極東航空株式会社と、この二社に経営の免許を与えまして、大体の見当として、東は日本ヘリコプター、西は極東航空というふうに運営させることが適当でなかろうか、こういうふうに考えておるわけであります。  なお国際の方でありますが、国際の方につきましては、乗り入れて行くについては、それぞれ乗り入れて行く国との話合いをつけなければなりませんので、今必要な国々と交渉を開始しておるわけであります。現在国会承認を得て正式に批准をして航空協定の効力の発生しておる国は、北欧三国、すなわらスエーデン、ノールウエー、デンマーク、それからイギリス、オランダ、タイ国アメリカ、これだけであります。従つて日航が来年早々から始めようといたしますアメリカまでの乗入れと沖縄までの乗入れは、もはやさしつかえない、こういう段階になつておりまして、準備を進めておるわけでございます。来年度におきましては、この路線南米まて延ばす。それから台北、バンコツク、カラチ、この辺まで延ばすことを考えているわけでありまして、ブラジル及び南米に参りますときの経過地でありますメキシコ・シテイ、それから南米諸国、主としてブラジルでございますが、この間におきましては大体話が妥結するところまで来ているわけであります。西の方につ来ましては、中国との間におきまして今話合いを進めておりますが、これはまだ妥結し得るという段階に来ておりません。なおインドは向うから申入れがございまして、遠からず話合いを進めるということになつております。来年度計画についての協定関係は以上の通りであります。  なお国際航空に関しましては、日本が先般加入いたしまして六十一箇国になりましたが、国際民間航空協定に加入いたしたわけでございます。その結果といたしまして、国際航空業務通過協定というものがあるわけであります。これに国会の承諾を得まして一方的に加入を宣言いたしたわけであります。この協定に加入いたしますと、別な協定を結びませんでも、その国の上空を飛んでいい、あるいはその飛行場におりまして、旅客、貨物を積まないで油の補給を受けることが出来ることになつているのでありまして、商売をしないで、空を通過して行くような国には別に交渉をせぬでいいということになつておるのであります。  次に問題になるのは、航空交通管制というものでございます。御存じのように、日本上空におりますところの飛行機は全部キャッチできる態勢になつているわけでありますが、それとあわせまして定期航空機や、それ以外の連絡の飛行機が飛びますにも、空に道ができておりまして、五十五マイルの幅で航空路というものを指定し、告示しているわけであります。米軍作戦行動以外におきましては、全部このルートを飛んでいるわけであります。そのルートの下には全部ビーコンをつけまして、私の方で運営をいたして電波流しているわけであります。そのルートに乗つて飛ぶわけてございますが、しかし視野の悪いときは空中衝突の危険がございますので、高さを食い違える、これをアルテイチュード・セパレーションと言つております。それから時間的に感覚をつくる。これをタイム・セパレーションと言つておりますが、この二つ衝突を避けておりますが、こういつたことは統一意思でやらなければなりませんので、日本を東と西にわけまして、東は人間用、西は仮付で全体のコントロールをいたしているわけであります。そのコントロールは目下米軍によつて行われているわけであります。  それから飛行機飛行場に発着する場合において、きようのような日でございますと、よく見通しがきくから目でどのくらいということもわかりますか、夜とか、視野の悪いときは耳で聞いていいるわけであります。それは飛行場GCAというレーダーを備えつけまして、それで下にいて飛行機を誘導し、確度をもう少し下げろとかいうことで、耳で発着しております。これらを航空交通管制と申しております。これは現在米軍によつて行われているわけでありますが、日本側がこれを行い得る実力を備えたと認めたときに、日本側に引継ぐということに相なつているわけであります。ところが米軍がやつておりますので、日本語ではやつてくれません。それで現在の定期航空その他の航空は、そういつたことが全部英語によつて行われておりますので、パイロット英語を知らなければ飛べないという状態であります。すなわち日本の空が、航空交通管制に関する限り、日本の空になつていないという状態であります。これをすみやかに日本側にとりもどすという態勢を整えなければなりませんので、これが所要人数養成ということか、きわめて重要なことになるわけでありまして、航空局でおおいに努力いたしておるわけでございます。  次は乗員の問題であります。申すまでもなく、終戦とうじにおきましては、相当たくさんの乗員がいたわけでございますが、それが八年間のブランクが出来ておるわけでございます。なおその間におきます航空技術の進歩というものは非常なものでありまして、定期航空等運航の方式が全然かわつて来ておりますために、その新しい飛び方には全然なれていないというような問題がございますので、これをすみやかに近代的な航空に適応するものに再訓練をしなければ使えないという状態であります。従つて現在日航で飛ばしております飛行機には、まだ六人しか日本人パイロットが乗つていないという状態でありますので、こういつた点からもすみやかに日本人に切りかえるという態勢を整えなければならないのであります。なお国際に出ますについても、これはすみやかに日本人に切りかえて行かなければならないという問題があるわけでございます。一方また戦争が済んでから八年もたちまして、だんだんとみんなが年寄りになりまして、おそるべき年齢のギヤツプが出ておるのであります。このギヤツプをすみやかに埋めなければなりませんので、フレッシュマン養成しなければならないという緊急の必要に迫られておるのでありまして、いわゆる古い連中を再訓練し、数ではありますけれどもフレッシュマンを新たに訓練する、この二つの目的をもつて委員養成所をつくりたい。そして遺憾ながら、ああいつた旅客機を日本でつくつてコマーシャル・ベースで買うというところまでは参りませんので、飛行機外国から買わなければなりませんけれども、これを運営する者は、本来的に十分優秀な素質を持つておる日本人をもつて行うという態勢をすみやかに確立しなければなりませんので、このために乗員養成所をすみやがにつくりたいというふうに考えておるわけでございます。数字等もこまかく書いてございますので、時間がございますれば、さらに詳細に御説明を申し上げて御認識をいただきたいと思いますが、一応大きい問題を申し上げた次第であります。
  11. 原彪

    原彪委員(改) 大分時期遅れでありますけれども、私が一応当局の見解をはつさりしておいてもらいと思いますのは、日本航空社長推薦にあたつて新聞紙上によると、稲垣平太郎氏が内定しているという話がありました、それに対して藤山愛一郎氏は、自分は長い聞この方の経験も積んで来ておるし、自分はほかの会社にたくさん関連を持つておるけれども、あえて航空に対してひけをとらぬといつて声明書まで発表されたようなごたごたが、つい数箇月前にありまして、われわれが横から見ておりますと、この両者が相拮抗して、けんか両成敗で原邦造氏に社長がきまつたというようにどうも見受けるのであります。一般大衆もおそらくそのように見ておると思うのでございます。あえて原邦造氏が悪いとは私は申しません。人格的にもりつぱな人でございますし、御経歴も財界において異存のない方だと思いますけれども、あの稲垣氏と藤山氏が相抗争したことについて、どうしても私が一応お聞きしておかなければならぬことは、政府が半分出資の会社であつて政府がどのような発言権を持ち、またこの選考委員会がどのような筋道ですつきりした選考をおやりになつたかどうか。その点、時期遅れでありますが、どうおやりになつたかという筋道だけひとつお聞きしたいと思います。
  12. 荒木茂久二

    荒木説明員 御指摘の通り、その問題は新聞でも多く取上げられまして、新聞の感じから申しますと、原委員のおつしやるような印象を与えたことは事実かと思います。しかしこのことに関しましては、私、一局長として、この経緯というものを御答弁申し上げるだけに、深く存じておらないのでありまして、あるいは大臣から御答弁申し上げるのが適当ではないかと考えております。ただ形式的な手続といたしましては、政府といたしましては半分の出資をいたしておりますので、出資者的な見地において発言することができると思うのであります。なおまた会長、社長は、向うの定款によりまして代表取締役ということになつておるわけでございますが、日本航空株式会社法によりまして、代表取締役の選任の手続は運輸大臣の認可にかかつておりますので、従いまして選考委員と申しますか、設立委員において役員を準備するのが筋でございますが、設立委員の間におきまして、選考される事前におきましていろいろいきさつはあつたと思いますけれども、認可権を持つております運輸大臣と設立委員との間におきまして、いろいろと相談のあつたことは事実でございます。このいわゆる人事に対していかなる面からタッチするかという御質問でございますが、その点につきましては、今申しました二つの面があります。しかしいわゆる株主的権利を主張いたしまして、株主総会で争うというようなことは、はなはだまずい次第でございますので、事前に十分に交渉したことは事実と思います。しかしその事前交渉内容につきましては、私もよく存じませんし、私から御答弁申し上げるのは少し適当ではないと存じます。
  13. 正木清

    正木委員 私は四、五点簡潔にお尋ねしたいと思います。  日本航空が発足いたしましてからまだ日が浅いわけでございまするが、現在の営業の実際の成績状態は一体どのようになつているのか。当初の事業計画通り旅客もふえて来ており、貨物もふえて来ておるかどうか。さらにこれと関連して、やはり航空会社としては相当大きな事業計画を持つておられると思うので、従つてこれに要する事業資金という点でも、相当巨額な資金を必要とするのではないか。一体この資金計画というものは完全に見通しが立つているのかどうか。これに対して監督の立場にある運輸省としては何か具体的な方策を持つているのかどうか。  さらに私はこれと関連してお尋ねしたいのですが、今の御説明の中にもあつたように、この国内航空事業で、定期、不定期等ですでに認可をとつている会社があるのですが、一体その会社は具体的にどういう事業を今なさろうとしておるのか。すでに事業を開始したとすれば、その事業の内容等はどうなつているのか。さらにその民間航空会社の事業資金等については、一体現在どのような実際の姿にあるのか、この点も御答弁を願いたいと思います。  その次、航空専業に対する諸税の問題ですが、これについて運輸当局は今日まで大蔵省とどのような折衝を実際は重ねて来たのか。単にこういう問題がある、こういう問題があるということではなくて、運輸当局としては一体大蔵省と具体的にどういう話合いを進めて来たのか、これも伺いたい。  次に、民間航空団体があるわけでございますが、これに対しては今日までどのように補助政策というようなものがとられて来たのか。具体的にいえば、相当額の補助金でも出して、航空関係するこういう団体の助長育成という点について、何か今日まで具体的な措置をとられて来たのかどうか、まずこれらの点をお伺いしたいと思うのです。  最後に、私簡潔に私の気持を申し上げてみたいと思うのですが、私過日国会から派遣されて世界十七箇国ばかり歩いて来たのですが、ほとんど飛行機を利用いたしたわけです。私はもちろん汽車も、ちよつとした時間を利用して四箇国ばかり見て来たわけですが、汽車のことは別といたしまして、航空で私の非常に強く感じたことは、各国共通して言えますることは、国が非常なる責任の上に立つて航空事業というものが目ざましい躍進をしているということ、従つてその航空に必要な施設、たとえば飛行場等も、おそらく私の知つている羽田であるとか、ローカル線にはなりましようけれども北海道の千歳飛行場であるとか、ああした貧弱な飛行場は珍しいですね。   〔委員長退席、鈴木(仙)委員長代理着席〕 たとえばローカル線の一つの代表的なものに入りましようが、カナダのオッタワの飛行場へ参りますと、これはまつたく貧弱です。しかし御承知のようにカナダのオッタワなどはまつたくのローカル線の雄たるものですが、世界各国私の歩きました範囲内におきましては、私が率直に感じたことは、羽田の飛行場ももう少し何とかならぬものかということ、それからたとえば私の経験からいつて、北海道の千歳飛行場もまた何とかならぬものかという感じを非常に強く受けました。これなどもいろいろの関係があろうかと思うので、そういう点もあわせてお答えを願いたいと思います。  もう一つ、これは、航空会社に対する注文ですが、本日に当局に注文をつけるわけです。日本航空では、私は札幌と東京しか経験がございませんが、私の承知している範囲では、札幌と東京の旅客というのは非常に多いようでございます。私どもも都合のいい時間をとろうと思えば、少くとも三日くらい前に申し込まなければ座席がとれないというのが現状ですから、そういう面からいうと、旅客という面においては予想の通り成績が進んでおるのではないか。ところがサービスの点になりますと、日本航空会社は実際は問題にならぬ。私は今度各飛行機を利用してきたわけですが、サービスの点では非常によろしいのです。私は旅客が多いからもう少しそまつにしてもいいのだというものの考え方はなかろうと思いますが、もしあるとすればこれは注意すべき事情ではなかろうか。ことに日本航空国際路線に進出をするわけですから、そういう点は細心の注意を払つてしかるべきではないか、こういう点を考えさせられます。特に私いい面で感じを強く受けて参りましたのは、アメリカ等においても国内線では強い感じを受けませんでしたが、サンフランシスコからホノルル間の航路等における航空会社のわれわれ一般乗客に対する細心な注意、それから非常に感謝に近いような気持すら起させるサービスぶりというものは、ぼくなどは非常に感じを深くいたして帰つて来て降ります。欧州各国で受けた感じもそうですが、日航がやつておりますのを見た私の経験から言えば、東京都札幌間、札幌と東京間のような、乗員の諸君の取扱いが悪いというよりか、すべての者に対するサービスが非常に落ちておるのではないか、このことがひいて今国際線に進出して行こうとしておる日航の全体の営業方針だとするならば、これは残念ながらアメリカその他の航空会社にそういう面ではひけをとるのではないか、こういう感じを抱きました。こういう点についてもやはり注意すべき事柄であるわけですが、当局で何かお気づきにたつた点があればお答えを願いたいし、なければないでお答えを願いたいと思います。以上で私の質問を終ります。
  14. 荒木茂久二

    荒木説明員 営業のことでございますが、これは今むしろ予想を上まわるくらいの旅客の状態でございます。現在の正確な数字を持つてきておりませんが国内線だけを分計してみますと、国際線の方に非常に力を入れておりますので、幹部その他の総係費的なものを、どれだけ国内線と国際線に分計してコストに割込むかという技術的な点もありますが、大まかに申しまして十月以降の新会社の第一事業年度におきましては、若干のプラスということになると思います。しかし現在国際線開設のために飛行機も買い入れて、乗員準備し、いろいろな準備をいたしておりますので、その方の出費も非常に多くなりますので、本年度一億以上の赤字が出ると思います。  それから事業資金のことでございますが、現在DC4を六つ、DC6Bを三つ買つてきたわけでありますが、これは開銀から四億五千万円、別口外貨貸付で二十一億なにがし、それからDC6Bの最近入りました二機分は、十七億を市中銀行から政府保証によりまして借りたわけでございます。なお手付その他の問題で、十億近くの金が今年度いるわけでございますが、それにつきましては、外国銀行その他と目下交渉中でございまして、本年度分は予定通りに参る考えでございます。それで先ほど申し上げましたように、サンフランシスコまで今年中にやります線を、来年度はサンパウロまで延ばす。それから台北・バンコツク・カラチまで行く。それからあわせて今御指摘がありましたように、国内線のお客が増えましたので、DC4を二機ふやすということから考えてみますと、三十億ちよつとの金がいるのでありますが、それにつきましては現在政府出資十億、民間増資十億で、民間、政府十億ずつを、四十億にしても半々にする、それで二十億、それから借入れ融資を十五億受けるべく目下折衝をいたしておるのでございます。  それから次は日航以外の事業者に対する免許でございますが、これはお手元に配付した資料にもございますが、宣伝びらをまくとか、いわゆる運賃をとつてお客さんを乗せるという事業でない事業は、資本金も比較的少なくて済みますので、非常に希望が多く、二十社ばかりをすでに免許いたしておりますが、これは需給関係を調整するという法律の建前になつておりませんので、申請がありましたものを、安全基準から考えまして今まで許可して来ておるのでありますが、これは十社ばかり現実に飛ばしておりますけれども、営業収益は非常に芳ばしくない状態であります。  それから不定期を許しておるものは現在四社でございますが、その不定期を許しておりますのは、いわゆる遊覧飛行でありまして、二地点間をお客さんを運ぶのではなく、小さい飛行機で遊覧をいたしておるのであります。ほんとうの定期を許しておりますのは、先ほど申し上げました二社でございまして、これは中型機をもちまして、さしあたり東京・三沢・札幌、それから向うは東京・名古屋、それから大阪・岩国・福岡と、こういつたところを全部急行便でなしに、各飛行場に寄る。三沢のごときは、一週上下各二回しかおりておりませんけれども、これを毎日おろすというような、いわゆる銀行といいますか、俗にローカル・ラインと申しておりますが、それを始めるということで準備をすすめておるわけでございます。まずさしあたり夜間貨物、郵便を積んで運搬するということで、東京・大阪間におきまして、近くこの事業を開始する予定でございます。  次は税金のことござでいます。お配りした資料の六ページにございますが、これに対しましては、運輸委員会でも十分御認識をいただきまして、今まで実現いたしておりますのは、まず第一に通行税でございますが、通行税は御存じのように、汽車その他乗物の一等、二等とか、いわゆる上級のものに対して二割かかつておるわけでございます。その二割を航空機に関しましては、来年の三月三十一日まで、約一年間一割に減ぜられたわけでございます。これは汽車の方は税が内わくになつておりますので、税がなくなつても二等の運賃は下らないわけでございますが、航空の方は外わくになつておりす関係から、先般通行税が一割になりましたので、飛行機運賃は、一割だけは完全にこれを下げることができたわけでございます。  次は揮発油税でありますが、揮発油税は一キロリットルに一万一千円いるわけでございますが、航空ガソリンは百二十オクタン価くらいのものを現在使つておりますが、こいうものはわが国では現在出ないわけでございまして、全部輸入に仰がなければなりませんのでこの分につきましては、三十一年の三月三十一日まで免税になつておるわけであります。関税につきましては、航空機及び発動機については一割五分かかるわけでございますが、これがゼロになつております。揮発油及び潤滑油につきましては、それぞれ二割、三割が一割、二割と一割減税を受けておるのであります。  事業税につきましては、私が申し上げるまでもなく正木委員御承知のように運送事業全般につきまして、これを水揚税でなしに、収益にかける方式にしていただきたいということが、運輸事業全体に対する多年にわたる強い要望でございますが、現在御存じのようにまだ現実をいたしていない次第でございます。  次に固定資産税でございますが、固定資産税に着きましては、国際航空に使われます飛行機についてのみ、昭和二十八年度に限りまして線分の十六を千分の四に減税をしていただいたわけであります。  以上申し上げましたように、われわれの方の希望は相当実現されておりますけれども、なおかつ実現されていない分もございますし、なおその実現されたものも、期間的に非常に短くなつておりますので、これを延長するということと、残つておる分を実現すべく大いに努力折衝いたしておる次第でございます。  次は民間団体に対する補助の関係でございますが、これは私の方でいろいろ事務的と申しますか、米軍等に対する折衝あるいは技術の面等、いわゆる金のかからない援助をいたしておりますけれども、遺憾ながら戦前と違いまして、こういつた団体に対します財政的な援助といいますが、いわゆる補助金を支出するという予算がとれておりませんので、遺憾ながらこれに対する財的援助ということはできないのでございまして、これにつきましてはできるだけほかの面において援助をいたしたい、こう考えておるわけであります。なお来年度予算につきましては、若干の予備金を要求いたしておる次第であります。  次は国際航空について、正木委員が最近世界をまわつて来られましての御感想でございますが、羽田の問題でございます。緒外国からお帰りになられました皆様が、羽田の状態を見て、まことに情なく思われるのは、私もその一人でございますが、まことに皆様と同様の感じを持つわけであります。羽田の問題について考えますと、いわゆる飛行機のオペレーシヨンという面と、いわゆる接客面と二つあると思うわけでありますが、オペレーシヨンの面につきましては、まだ相当余力があるわけであります。現在百機ないし百二十機発着いたしておりますが、そのうち四割が外国航空会社日航等のいわゆる民間機で、大体六割が軍の飛行機、こういうことになつておるわけであります。羽田のランニング・ウエイのキヤパシテイーから申しますと、三百機くらいまでは行けるキヤパシテイーを持つておるのであります。そのうち現在なお六割な占めておりますマツツ、つまりミリタリー・エア・トランスポート・サービスがあそこを撤退いたしますれば、それが減る。従つて羽田における飛行機の発着のオペレシヨンの点から申しますと、まだ相当余力を持つておると言えると思いますが、ターミナル・ビルその他接客面においては、完全にゼロであります。極東の唯一の玄関——日本の玄関であると同時に、極東における最も重要な飛行場であるにかかわらず、ああいう状態でありますことは、まことに残念にたえない次第であります。そこでターミナル・ビルデイングを別に建てるべく予算要求をいたしたわけでございます。諸外国の例は、アメリカで申しますれば大体政府、州、ポート・オーソリテイー・シテイーというような公共団体がつくりまして、これを民間航空会社に有料で貸しておるのでございまして、その方式でもつて羽田のターミナル・ビルデイングの改築を計画いたしたのでございますが、日本におきましては戦前から、いわゆる民間が使う部分は政府は出さないという建前でございますし、なお終戦後におきましても待合室、いわゆるブツキング・オフイスというような民間航空会社の使います部分は、航空会社が負担してつくることにも相なつております。あわせて財政的の束縛も受けまして、大蔵省といたしましてはそういう金は出せない建前でございます。財政的余力がない、しかしいつまでもほつておくわけに行きませんので、そこで税関とか、出入国管理とか、植物検査とか、検疫とか、気象とか、航空局の航務関係とか、いわゆる役所側のものについては政府が出す。民間側のものについては民間側の資本によつてやらせるべきである、こういうことでございましたので、外国航空会社を呼んで来たわけでございますが、外国航空会社は権利金を出すというような問題には応じません。いろいろ苦心をいたしまして、政府側のものは政府側で負担する、民間側のものは民間側でやるということで、日本ターミナル・ビルデイング会社ができまして研究をいたしております。相当時日を要しましたが、これは世界的にまたターミナル・ビルデイングの見本といいますか、それができていない模索の状態でございますし、また各国でターミナル・ビル等を計画いたしましても、それができ上るころにはお客さんの力がすでにふえておるといういたちごつこのような状態で、そこで日本の実情に合し、美観も備え、そして将来の拡張余力も残すということを考えますと、現在のターミナル・ビルではとうてい追つつきませんので、別に現在は羽田の入口の海老取川を渡つて左に行つているのを右の方へ行きまして、新たなるターミナル・ビルデイングを建設すべく計画いたしております。しかし、何といたしましても設計が非常に困難でございますので、ターミナル・ビルデイング会社、税関関係、各役所、外国航空会社、私の方、それに前東大総長で建築の大家であります内田先生、岸田先生その他建築の専門家を集めまして、一緒にお願いをして委員会をつくりまして、相当回数を重ねまして、大体成案を得る段階に来ておるわけでございまして、これは来年度一ぱいには必ず完成するものと考えておる次第でございます。  なおサービスの点で御指摘がございましたが、日航のサービスが不完全であることはもちろんであります。なお特に国際路線に進出することとなりますと、運賃協定運賃でございまして、日航だけが安い運賃でお客を吸収することはできないことになると思いますので、勢い外国会社と対抗するためには航空機の安全性とか、サービスの問題にかかつて来ると思います。サービスによつてお客を吸収する以外に競争手段はございませんので、日航もこれにせつかく努力を払つておりますし、われわれもまたこの点に十二分の注意を払わなければならぬと考えておるわけでございます。御指摘の点は日航にも伝えますし、一体になりましてこのサービスの問題は努力いたしたい。日航のお客がふえるかふえないかに、国際線は特にそうでございますが、一にそのサービスの良否にかかつて来ることは御指摘の通りで、営業上最も重大な問題であると考えておる次第でございます。
  15. 臼井莊一

    ○臼井委員 今エア・ターミナルの話が出ましたが、現在十一からの外国航空会社が入つておる。これが大体、私詳しくは存じませんが、ばらばらになつておるということで、ただいま日航国内線を利用するについても、その会社へ行つて、そこからさらにバス等で羽田へ行く、こういうような状況であります。これを一箇所に全部集めて、そうしてその一つのビルデイングに各社がみな入るということが非常に便利であろうと考える。特に現在まで問題になつておりました八重洲口の鉄道会館ですが、国鉄にあすこでやらせることは、要するに交通機関を利用する方々の便利ということを目標にしておるのでありますから、航空路と国鉄との連絡という上において、各社を全部集められるようにしたら非常に便利じやないか。羽田ヘターミナル・ビルをつくることはもちろんけつこうであります。現在のように非常に狭いのでは接客の面で困るということは当然でありますけれども、せつかくあすこへ大きなビルができるのを、ひとりデパートのようにするというのでは、交通という面ではむしろ混乱を起す状態であろうと思います。そこであのビルの、たとえば二階なら二階を各国の共通したターミナル・ビルということにして、あすこから羽田の方へ連絡すればあながち羽田で長い時間待たぬでも、その連絡によつて、東京駅にできる鉄道会館で待つていて行くということもできるのじやなかろうか。私は外国の例はよく知りませんけれども外国へおいでになつた方々の話を聞くと、ターミナル・ビルというものが都会の便利な所にあつて、そこからエア・ポートへ行つておるということを聞いておるのでありますが、そういうことについて何か局長の方でお考えがあつて、国鉄方面と御折衝する御意志があるかどうか、その点をひとつお伺いしたい。
  16. 荒木茂久二

    荒木説明員 御指摘の通り外国、ロンドンにおいても、パリにおいても、ニユーヨークにおきましても、大体ターミナルというものは、飛行場の中のターミナル・ビルと都心のつまりダウンタウン・ターミナル・ビルと相対立して行つておるわけであります。そこでお客さんは全部東京の中心に一つのダウンタウン・ターミナルを設けまして、そこへやつて参りまして、そこで荷物を渡してしまう。それでお客さんはダウンタウン・ターミナルから飛行場のターミナルまでバスで行くということで、飛行機に乗るには都心の一箇所にやつて来ればよろしいということで、こういうことか便利よく行つております。原則としまして税関、出入国手続は飛行場のターミナルでやる。スイスあたりは一部町の中でそういう手続を済ませてやつておるところもありますが、各国ともそこまでは行つておらない。そこでいろいろそういう計画もございまして、外国航空会社を集めて話をいたした場合もあるわけでありますが、遺憾ながら日本におきましては——外国に行きますと見送り、出迎えということがほとんどないわけであります。お客さんだけであります。ところが日本では羽田がそう遠くもございませんので、見送人も直接いらつしやるし、また飛行機外国に行かれる方は相当な方でございますので、大体自分の車やハイヤーで直接あすこに行かれる場合が多いという点と、ダウンタウン・ターミナルをつくる資金の問題ということで具体化してないのでありまして、御指摘の通りに参りますと、非常に理想的な形になると思うわけでございますけれども、実現に至らないのであります。特に私の心配いたしますのは、ターミナルができましても、国内線は見送りが比較的少うございますけれども国際線になりますと、どうもそこが外国と違いまして、日本の国情によりまして、それを強行するということができかねるのではなかろうか。ことに外国航空会社協力を求めなければできないわけでございますから、外国航空会社におきましても、その点を危惧いたしておりまして、そういつた形に進んでいない次第であります。
  17. 臼井莊一

    ○臼井委員 やはり外国でそういうふうになつておるということは、日本よりは長い先進国としての経験上、便利だからそうされておるのだろうと思うので、われわれしろうとから考えても東京駅の中に、もちろん今度国際線のそれをおつくりになるのかどうか知りませんが、そういうものをつくつて、他の会社よりは便利であるということになれば、お客もよそよりは吸収できるのではなかろうか。汽車で来られて、それからまたさらにハイヤーで羽田まで行く、こういうより、あすこでもう荷物も渡せるということになれば、非常に手軽に行ける。ことに希望の会社だけでも集まれば、これはほかの会社が不利になるので、私は東京駅の中にダウンタウン・ターミナルというものができれば、持つて行きようによつてはできると思いますが、割合にそういうことについて熱がないのでできないのではないかというふうに思います。鉄道会館がそういうものに一部をまわすことによつて相当交通方面に貢献することになりまして、ビルとして名誉回復もできるのではないか。さらにひとりエア・ターミナルだけでなく、交通公社というものもありますけれども船会社などにも来てもらつて国内を旅行するには鉄道会館に行けばすぐ用が足りるというようにすれば、非常に便利になるのではないか。さらにもつとサービスをよくして、外務省の一部があそこへ出て来て旅券の扱いくらいしなければ、外国からの観光客を大量に迎えるというサービスににならないと思うのですが、これは私の意見でありますが、よく御研究をしていただきたいということを申し上げて私の質問を終ります。
  18. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員長代理 本日はこれをもつて散会いたします。    午後一時四分散会