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1953-12-04 第18回国会 参議院 予算委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十二月四日(金曜日)    午前十時二十八分開会   —————————————  委員氏名    委員長     青木 一男君    理事      西郷吉之助君    理事      高橋進太郎君    理事      小林 武治君    理事      森 八三一君    理事      中田 吉雄君    理事      松澤 兼人君    理事      堀木 鎌三君    理事      三浦 義男君            石坂 豊一君            伊能 芳雄君            泉山 三六君            小野 義夫君            鹿島守之助君            小林 英三君            佐藤清一郎君            白波瀬米吉君            高野 一夫君            高橋  衛君            瀧井治三郎君            中川 幸平君            宮本 邦彦君            吉田 萬次君            井野 碩哉君            岸  良一君            新谷寅三郎君            田村 文吉君            高木 正夫君            中山 福藏君            村上 義一君            江田 三郎君            亀田 得治君            小林 孝平君            佐多 忠隆君            藤原 道子君            三橋八次郎君            湯山  勇君            天田 勝正君            加藤シヅエ君            棚橋 小虎君            永井純一郎君            寺本 広作君            武藤 常介君            千田  正君            鈴木  一君   —————————————   委員の異動 十一月三十日委員鈴木一辞任につ き、その補欠として、木村禧八郎君を 議長において指名した。 十一月三日委員千田正辞任につき、 その補欠として平林太一君を議長にお いて指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     青木 一男君    理事            西郷吉之助君            高橋進太郎君            森 八三一君            松澤 兼人君            堀木 鎌三君            木村禧八郎君            三浦 義男君    委員            石坂 豊一君            伊能 芳雄君            泉山 三六君            鹿島守之助君            小林 英三君            佐藤清一郎君            白波瀬米吉君            高橋  衛君            吉田 萬次君            井野 碩哉君            岸  良一君            新谷寅三郎君            田村 文吉君            高木 正夫君            亀田 得治君            小林 孝平君            佐多 忠隆君            藤原 道子君            三橋八次郎君            湯山  勇君            天田 勝正君            加藤シヅエ君            棚橋 小虎君            永井純一郎君            武藤 常介君   国務大臣   大 蔵 大 臣 小笠原九郎君   政府委員    大蔵省主計局次    長       正示啓次郎君    食糧庁長官   前谷 重夫君   事務局側    常任委員会専門    員       野津高次郎君    常任委員会専門    員       長谷川喜作君    常任委員会専門    員       正木 千冬君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○理事補欠選任の件 ○昭和二十八年度一般会計予算補正  (第2号)(内閣送付) ○昭和二十八年度特別会計予算補正  (特第2号)(内閣送付) ○昭和二十八年度政府関係機関予算補  正(機第1号)(内閣送付) ○昭和二十八年度予算執行状況に関  する調査  (報告書に関する件)   —————————————
  2. 青木一男

    委員長青木一男君) これより委員会を開きます。  先ず理事補欠互選についてお諮りいたします。互選成規の手続きを省略して、先例により委員長において指名することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 青木一男

    委員長青木一男君) 御異議ないと認めます。それでは理事木村禧八郎君を指名いたします。
  4. 青木一男

    委員長青木一男君) 次に、昭和二十八年度一般会計予算補正(第2号)、昭和二十八年度特別会計予算補正(特第2号)及び昭和二十八年度政府関係機関予算補正(機第1号)を議題といたします。  先ず大蔵大臣説明を求めます。
  5. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 昭和二十八年度第二次補正予算編成に関する基本方針並びにその大綱につきましては、すでに本会議において説明いたしましたが、予算委員会の御審議をお願いいたすに当りまして、改めてその内容を御説明申上げます。  先ず、歳出について申しますと、前回の補正予算は取りあえず緊急に支出を要する災害対策費等に限定いたしたものでありますが、今回の補正予算においては、右以外において当初予算編成後の諸般事情変化に対処して、米価改訂公務員給与改善等真にやむを得ないものの計上にとどめたのであります。  第一に、食糧管理特別会計への繰入であります。本年産米につきましては、供出完遂奨励金石当り八百円の半額一般会計負担とし、義務供出量約一千四百万石に対応する分五十六億円を食糧管理特別会計に繰り入れることとしたのであります。最近の供出見込数量は、超過供出数量約七百万石を含め、二千百万石と当初の見込みよりかなり減少した結果、生産者に対する平均手取価格超過供出早場米等割合増加すると共に、供出完遂奨励金のほか減収加算も加わつて、一万円を超えることとなり、この結果すべての原価を織り込んで消費者価格を算定すれば、精米十キロあたり八百九十円程度となる見込みであります。併しながらこの際大幅な値上げをするのは、消費者家計費には勿論のこと、経済全般に対する影響も大きいので、極力急激な負担増加を緩和すると共に、他方財政負担増加財政規模を膨張することは財政健全性確保という基本方針に反することになりますので、前に述べた一般会計繰入のほか、食糧管理特別会計繰越利益を以て所要継費の一部を負担することとし、差当り明年一月以降消費者価格現行内地精米十キロ当り六百八十円から七百六十五円に改訂する考えをとつているのであります。  第二は、公務員給与改善費であります。公務員現行給与水準は、昨年十一月に定められたのでありますが、最近の民間給与状況等に鑑み、政府は、先般の人事院勧告を尊重し、現行勤務地手当の一部を本俸に組み入れ、俸給表中だるみ是正を考慮しつつ、明年一月以降一万五千四百八十円ペースを実施することといたしました。又本年末の特別手当につきましても、今夏繰り上げ支給いたしました期末手当〇・二五月分を補てんする外、勤務手当〇・二五月分を追加計上することといたしました。地方公務員につきましては、地方税自然増収等により所要経費の一部を賄うことといたしました。以上これらの給与改善のための経費として百六十八億円を計上いたしております。  次に、公共企業体等職員につきましても、さき仲裁裁定を尊重いたしまして、明年一月以降仲裁裁定のべースを実施いたしますと共に、今夏繰り上げ支給いたしました期末手当〇・二五月分を補てんする措置を講ずることといたしました。  第三は、義務教育費国庫負担金であります。義務教育費国庫負担金につきましては、財政の現状に鑑みいわゆる富裕都府県に対する交付は十二月以降打切るため、義務教育費国庫負担法臨時特例に関する法律案を別途提出いたすこととし、十一月までの富裕都府県に対する所要額約二十五億円を計上いたしました。  以上が歳出増加の主なものでありますが、右のほか租税払戻金三十億円その他郵便貯金特別会計赤字補てん町村合併の促進に必要な経費等必要止むを得ないものに限定いたしたのであります。  次にこれらの歳出に対する財源について申上げます。  第一に、歳入増加であります。即ち、租税収入におきましては公務員給与改善に伴う所得税増収等により百三十三億円の自然増収見込まれ、これに最近の実績に基く専売益金増加七十億円及び雑収入等増加六十九億円を加えますと、歳入において二百七十三億円の増加と相成るのであります。  第二は、既定経費節減であります。即ち、さきの第一次補正予算における公共事業費等節約に引続き補助金及び営繕費節約八億円、その他の既定経費の不用二十四億円、計三十二億円の節減をはかることといたした次第であります。  次に、特別会計及び政府関係機関予算におきましても、以上申し述べました給与改善等に伴いましてそれぞれ所要補正をいたしておるのであります。  以上をもちまして、昭和二十八年度第二次補正予算の概要の説明といたす次第であります。
  6. 青木一男

    委員長青木一男君) 次に正示主計局次長から補足説明を願います。
  7. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 大蔵大臣の御説明補足をいたしまして、お手許に差上げました昭和二十八年度予算補正第二号の説明に即応いたしまして簡単に申上げたいと思います。  只今大臣から御説明申上げましたように、今回の補正予算の項目は米価関係と、公務員給与関係、それから義務教育国庫負担金関係その他というふうに大体分れておるのでございます。そこで先ず米価関係から御説明申上げますが、お手許に差上げました予算説明の一ページの左側の下のところの歳出(イ)米価改訂というところに大体のことを書きまして、更に九ページの第三特別会計というところの左側の上から五行目に、食糧管理特別会計のことを書いております。この説明で大体尽きておるのでございますが、いささか補足を申上げたいと思います。  先ず第一ページのところに書いてあります通りに、先般の当初予算の最後の修正の段階におきまして米の供出完遂奨励金石当り八百円のことが御承知のようにきまつたのでございますが、そのうち半額一般会計から食糧管理特別会計に繰入れることにいたしまして、その五十六億円を、正確に申上げますと五十六億四千万円でございますが、今回補正いたしました一般会計といたしましては、米の関係はそれだけなのでございますが、これをきめるに関連いたしまして、食糧管理特別会計内容をきめなければならなかつたのでございまして、その関係を九ページの特別会計のところで詳しく申上げている次第でございます。  先ず米の本年の産米並びにその買上げ計画でございますが、すでに御承知通り本年は非常な凶作でございまして、いわゆる平年作大体六千六百万石と言つておりますが、それに対しまして去る十月十五日の見込では、九頁に書いてあります通りに五千三百四十七万石というふうに押えているわけでございます。これを作況指数で申上げますと八二%になるのでございまして、まあ二割八分程度減収である、こういうふうなことでございまするので、かねがね申上げましたように、供出見込に対しまして相当大幅に減少いたしているのでございます。義務供出数量千四百十万石に今回押えておりますが、これはかねがね申上げました数量は二千百万石でございます。又超過供出数量は逆に殖えまして、かねがね四百五十万石と申上げておつたのでございますが、六百九十万石になつているのでございます。即ち総量におきまして二千百万石というふうに相当減少いたし、而も超過供給数量割合がぐつと殖えているということが今回の産米買上げ価格の従来の計画に対する大きな変化でございます。かように総量において相当の減少に相成りましたので、政府といたしましては、当然いわゆる食糧輸入計画改訂をいたさなければなりませんことになるのであります。そこでそこに書いてございます通りに、右側が当初の計画でございますが、真中のところに米のことを書いてありますが、米は従来九十万トン程度輸入というふうに申上げておりましたのを、百四十五万六千トン余りというふうに、約五十五万六千トン強の増加に相成つておるのでございます。かように輸入数量が大幅に増加をいたしますために、いわゆる輸入食糧価格調整補給金が本来ならば相当殖えることに相成るのは当然なのでございまするが、幸い海外におきまする最近の食糧事情相当緩和しておりますことが一つ、そのために輸入価格が大幅に値下りと相成つております。これは誠に幸いなことでございます。  次に、他方におきまして、あとで申上げますように政府といたしましては、来年一月以降の消費者価格を或る程度引上げるという計画をいたしております。その両方の要素のために、当初の補給金予算額三百億円というものは、大体このままで相済むというふうに見込んでおるのでございます。そこにございます通り輸入価格左側の下から四行目くらいのところに輸入価格といたしまして、米が当初が、右側にございます二百十三ドルのものが百九十八ドルに減る。麦等につきましても相当の低下に相成つておるのでございます。こういうことで輸入食糧価格調整補給金は当初予定の三百億円をそのまま据置きまして、大体今のままで行けるという計画であります。  第三に書いておりますのは産米の買入価格のことでございまするが、今回の補正予算の大きな特色は、申上げるまでもなく、すでにここに以下申述べますような産米の買入価格等は、いわば既成の事実と相成つておるところでございます。又あとで申上げます給与改訂等も、大体民間給与生計費等の騰貴に伴いまして人事院勧告なり仲裁裁定等が下され、これが善後処理経費でございまするので、大体におきまして、以下申上げますように、既成経済社会の状態に追随をいたしまして、いわばその善後処理をいたす上におきましてそれに伴う副次的な弊害を最小限度に食いとめるには如何にすべきかというようなところに心を砕いて作つておるというふうに、私どもとしては考えておるのでございます。産米の買入価格につきましては御承知のように、当初予算におきましては、物価水準の想定が困難でございましたので、取りあえず二十七年産米生産者基本価格石当り七千五百円と超過供出奨励金とを一本にして、これを石当り七千七百九十二円と予定いたしておつたのでございます。その後農業バリテイ指数等米価算定上の諸条件の確定に伴いまして、産米生産者基本価格石当り七千七百円、パリテイ価格七千二百四十五円、特別加算額四百三十円で、七千七百円ということを申上げたのは御承知通りであります。これに対しまして、更に供出完遂金先ほど申上げました石八百円というものが三派共同修正の結果きめられ、なお又その後判明いたしました異常なる冷害に伴う減収加算金というふうなものも、先ほど申上げましたように、作況指数八二%というようなところから、石当り五百円を交付するというようなことがきめられたのであります。それから又早場米奨励金も、これは相当当初の予定に比較いたしまして殖えた次第であります。早場米奨励金は当初予算におきまして八十一億円程度を見ておつたのでございますが、これが百二十六億円程度に殖えております。それから超過供出見込数量が、先ほど申上げましたように、四百五十万石が六百九十万石というふうに殖えました。こういうふうな諸要素を入れまして考えますると、生産者平均手取価格は二十七年産米の八千六百四十五円に対しまして一万三百三十五円というふうに、相当大きく引き上げられる結果に相成ります。その間、差は一千六百九十円でございまして、割合で申しますると、約二割の引上げに相成る次第であります。いわゆる一万円米価というものが文字通りここに実現を見ることに相成つたのであります。先ほども申上げましたように、大体これはすべては国会において未だ御審議を願つたわけでは無論ございませんが、大体のところ既成の事実としてこういうことがございまして、その結果、以下に申上げますような米の消費者価格につきましての今回の決定のいわばバツク・グラウンドになつておるということを御了承願いたい次第であります。  そこで、米の消費者価格でございますが、以上申上げましたような一切のコストを、いわゆる原価主義で織込んで算出いたしますと、そこに書いております通り十キロ当りが約八百九十円、一升にしまして約百二十五円程度に相成ります。現行は御承知通り十キロ当り六百八十円でありまして一升は約九十六円くらいに相成ります。従つて、このすべての原価を織込むということは、これは非常に大きな引上げに相成るのであります。政府といたしましてはいろいろその点諸般情勢を検討いたしたのでありますが、御参考に、いわゆる家計米価ということを私ども申しておるのでありますが、これは家計費が全体として或る程度ふくらんで参りますると、その中におきまして米の消費者価格が或る程度ふくらみましても実質的な負担増にならないというふうな考え方の家計米価でございますが、これは最近の資料によつて算定いたしますと、十キロ当り七百八十一円くらいに相成るのであります。それからもう一つの方法といたしまして、いわゆる供出完遂奨励金凶作に伴つた異常なるいわゆる減収加算金、これだけはいわば異常なる、アブノーマルなるコストではないか、従つてこの二つを除算してその他のコストで算定すればどうなるかということを試算いたしますと、これが十キロ当りが七百九十二円という数字に相成ります。併し先ほど申上げました八百九十円にいたしましても七百九十二円にいたしましても、七百八十一円といういわば家計米価相当上廻るわけでございまするので、なおいろいろと検討いたしました結果、取りあえずそこに書いてございます通りに、食糧管理特別会計繰越利益を一応今回の米の消費者価格の据置き、或る程度引上げ緩和を図るために食い潰し得る限度というふうなものを考えまして、一方におきましては消費者負担の急激な増加を緩和いたしますと共に、又他方におきましては、財政負担の急激な膨脹から、いわば財政インフレの悪化、これに伴う経済社会への悪影響を最小限度に食いとめるという二つの配慮を加えまして、最終的には明年一月以降消費者価格を七百六十五円、一升にいたしまして約百七円に相成るのでありまするが、そういうことに改訂するということに決定をみた次第でございます。現行の六百八十円に対しまして、約一割二分五厘の引上げに相成つておる次第であります。こういうことに伴いまして、食管会計内容はどうなるかということを五番のところに書いてあるのでございますが、これによりまして、いわゆるすべてのコストを織込みました八百九十円に対しましては、相当低く消費者米価がきめられておるのでございまするので、食管会計のほうの負担は二百十五億円、その次の頁にございますが、というふうに相成ります。これは先ほども申上げました一般会計から繰入れますところの供出完遂奨励金を勿論除算しての計算でございます。そのほか食管会計といたしましては、すでに二十七年産米或いは内麦の売買・甜菜等、澱粉及び切干し甘藷等の損失が七十九億円に上つておりまするために、本年度末の食管会計は二百九十四億円の損夫でございまして、前年度からの繰越利益三百四億円に対しまして、僅か十億円のマージンが出ると、こういうことに相成つておる次第でございます。以上米価関係は非常にむづかしい問題でございまするが、大体私ども考えはそういうところから来ておるということを申上げた次第であります。  次に、一ページにお戻りを願いまして、説明の一ページのところの右側に(ロ)としまして、給与改善ということを謳つておりまするので、この関係を簡単に御説明いたします。  御承知通り公務員現行給与水準は昨年の十一月国会におきましておきめを願つたのであります。昨年十一月におきめ願いました公務員水準は、ここに書いておりませんが、一万三千四百七十七円ベースでございます。この水準に対しまして、去る七月人事院勧告をお出しになりました。本年三月の資料を基礎にいたしまして、そのときの三月のベースは一万三千五百八十七円でございますが、そのベースに対しまして一万五千四百八十円という新ベースを御勧告になつたのであります。その引上率は一三・九%ということに相成つております。この勧告に引続きまして、御承知のように公共企業体等労働関係法の適用を受けまする三公社五現業の職員に対しましては、調停或いは仲裁裁定が引続き下されまして、新らしいベースを去る八月以降に実施すべきであるということが裁定の結果きめられておるわけであります。政府といたしましては、前臨時国会におきましていろいろと御審議を願いました災害復旧費その他の情勢等に鑑み、非常にこの給与の問題については苦慮いたして参つたのでございまするが、まあ何とかこれを尊重いたし、処理を図らなければならんという方針の下に、先ほど大臣も申されましたようないろいろの財源をやり繰りいたしまして、先ず一般会計といたしましては、すでに累次に亘る既定経費節約を更にこの際重ねて行う、又あとで申上げますような義務教育費国庫負担法につきましては、すでに国会臨時特例法案を出したのでございまするが、審議未了終つた経緯もございます。併しながら重ねてこれをお願いいたしまして、そういう一切の手段を講じて財源を調達し、一般公務員給与を少くとも人事院勧告に示されましたベースに持つて行くということを一つの目標にいたしまして、種々工夫をいたしました結果、この一ページに書いてございます通りに、先ずこの夏に繰上支給いたしました期末手当を補填し、更にそのほかに勤勉手当〇・二五カ月分を増額計上するということをきめました。その上に給与水準といたしましては、このベース・アップの機会に勤務地手当の一部を本俸に繰入れるということと、かねがね懸案となつておりますところの俸給表中だるみ是正ということを合せて行うという方針の下に、いわゆる一万五千四百八十円という人事院勧告ベースを来年一月から実行する、こういうことに方針をきめられた次第でございます。その所要額はお手許右側の下に書いてあります通りに、期末及び勤勉手当といたしましては八十六億二千七百二十五万四千円であります。只今申上げたような勤務地手当の一部本俸繰入れ並びに俸給表中だるみ是正を併せ行なつての人事院勧告の実施というものが、給与改訂費として八十二億五千八百五十五万九千円、その総額合せまして百六十八億八千五百八十一万三千円、こういうことに相成つております。この金額の平年度所要額を御参考に申上げますと、この百六十八億八千五百八十一万三千円に相当いたします平年の額が四百四十四位四千万円余りになります。これは更にベース期末手当に分けて申上げますと、期末勤勉手当で百二十六億四千万円余りベース改訂で三百十七億九千万円余りということに相成つておる次第であります。昨日来衆議院の予算委員会におきまして、来年度予算の骨格について種々御質問がございましたのでございますが、私どもといたしましてはこの給与改訂につきましては、只今申上げましたような一般会計並びにこれに準ずる地方財源の調達を先ず考えて見ましたところ、この仲裁裁定を一月から完全に実施いたしますと、特別会計並びに政府関係機関におきます来年度給与増加額が三百八十一億円ぐらいに相成つております。この三百八十一億円に、只今申上げました四百四十四億円を合せますと八百二十六億円ぐらいに相成るのであります。この八百二十六億円の給与費の増加が一応現在の所得税率で弾きますと、大体それの三割ぐらいがいわゆるはね返りとして出て参る。そういたしますと、これで二百四十億見当のものが入つて参りますので、先ほど申上げました四百四十億に対しまして、二百四十億の自然増収を差引きますと、二百億ぐらいの持出しで支弁できる。こういう趣旨で一応算定をいたしておるのでございます。その点昨日大蔵大臣から衆議院の予算委員会に口頭で申上げたわけでございます。  以上のように非常に苦しいやり繰りでございますので、人事院勧告につきましては、これを一月にずらしますと共に、今申上げましたような勤務地手当というようなものを、その枠内において処理いたしておりますことは、上でに御承知通りであります。  三公社五現業につきましては、御承知のように、仲裁裁定におきましていわれております通りのことを一応一月以降に実施いたしております。人事院勧告は、もとより勤務地手当のことは触れておららないのでありますが、これは財政の立場上必要を認めたこと、なお勤務地手当につきましては、かねがね衆参両院の人事委員会におかれましても、その方法論について多小疑義がございますが、全体としては圧縮の方向に持つて行くべきである。現在の一級地から五級地の五段階の制度を、全体として圧縮の方向に持つて行くべきであるという御決議がございました趣旨等を考慮いたしまして、私どもといたしましては、やはり今回のベース・アップの機会にこれを行うことが正しい方法であると存んじまして、かような措置を講じた点も併せて御了承を願いたいと思います。給与の問題を一応大ざつぱに申上げますと只今の通りでございますが、次に説明の二ページの(ハ)というところに、義務教育費国庫負担金のことを書いておりますので、この点につきまして簡単に御説明申上げます  御承知のように義務教育費国庫負担法は、本年四月から施行を見たのでございますが、政府は、暫定予算の期間は止むを得ないといたしましても、本予算の成立を見ました八月以降につきましては、現下の国家の財政事情に鑑みまして、又国と地方との財政関係等に鑑みましても、将来いわゆる財源偏在是正の措置を講じ得るまでは、是非ともこの富裕なる府県、詳しく申上げますと、基準財政収入が基準財政需要を超過するような地方団体については、これをその超過する分だけを調整いたしたい、こういう考えを以ちまして、八月にその点に関する法律の御審議をお願いいたしたのであります。ところが不幸にして、その法律は成立いたしませんものですから、今回の補正当りまして種々検討を加えました結果、一応経過期間、即ち八月から十一月までの経過期間については、これは法を守るという精神から申しましても、当然その間の経費を計上すべきであるという考えを以ちまして、ここに書いてあります通りに約二十五億、正確に申しますと、二十四億七千五百万円ですが、この経過期間に対する分を先ず計上いたした次第であります。併し、先ほど申上げましたように、総与改善その他につきましても非常に財源的にも苦しいときございまするし、又かねて国会方面等の御協力を得まして、非常に活撥に御審議を願いました地方制度調査会の答申も、すでになされておることでございます。即ち地方制度の改革も目睫の間にございますので、是非共その方向に沿いまして、地方公共団体のうちの富裕なる団体に一層の財源の偏在が起ることのないように、これを調整いたしたい、こういう心組みを以ちまして、義務教育費国庫負担金臨時特例法案を提出いたしておる次第であります。この法律の成立を見ますると、本年の十二月から来年の三月まで、大体二十七億五千万円くらいのものが打切りに相成ります。これは新ベースで計算をいたしております。二十七億五千万ぐらいのものが打切りになりまして、先ほど申上げました基準財政需要を超過する額ということに相成りますと、東京、大阪、神奈川の三団体がこれに該当いたすのでございまして、大体東京が十五億六千万円、大阪が十億、これは全額でございます。神奈川は超過額だけが差引かれまして、一億七千万ぐらいのものが打切りに相成ることになるのであります。政府としましては、こういう措置を講じて、何とか給与改善その他の点にも不十分ながらも加えて参りたい、こういう気持を以て提出いたしている次第であります。  以上で三つの重要な項目の概略を御説明申上げたのでありますが、そのほかに大臣から申されましたような租税の払戻金、これは説明の四ページの左の上のほうに、3として払戻金の増加ということを書いてありますが、すでに既定予算に六十億円ございまして、しまして九十億円、これだけの予算で、納税者のかたがたに御迷惑をかけないように、迅速に過誤納金の払戻しをいたしたいと考えている次第であります。  それから、そのほかの雑件でございますが、雑件のところはやはり四ページの右側の中ほどに、5雑件といたしまして、郵便貯金特別会計損失補てんの増加の御説明を申上げております。これは特にこの際申上げるまでもないかと存じますが、五ページの左側の(3)というところに町村合併促進対策費というのがございますが、これは御承知のように、先般参議院のほうにおかれまして、議員立法で町村合併促進法というものをお定めになつたのであります。御趣旨誠に御尤なことでございまして、政府におきましても、この法律の精神を体しまして、去る十月三十日に町村合併促進基本方針というものを閣議決定をいたしております。今後三カ年間に町村数を現在の大体三分の一に減少するという非常にドラスティックな案を考えております。即ち丁度七千八百三十三の町村がなくなつてしまうわけです。そのうちの一割五分を今年度内に是非やりたいということで、七億円のこれに対する促進対策費を計上いたしたのであります。これも詳しいことは関係政府委員から申上げますが、この法律は参議院と特に御関係が深くございますので、一応附加した次第であります。  その他の雑件のこまごましたことは申上げるまでもないと思います。  なお、財源といたしましては、ここから更に一枚めくつて頂きまして、六ページから歳入のことを書いてありますが、七ページの上のほうを御覧頂きますと、租税及び印紙収入の追加額が百三十三億六千二百万円となつております。このうち三十億円は、先ほど申上げました租税払戻金に見合う自然増収というふうにお考えを願いたい。残りの百三億六千二百万円、これが本年度内における期末手当或いは勤勉手当或いはベース・アップのはね返りの増収ということに御了解を願えれば結構でございます。その次の専売納付金は、最近のたばこの売行等を勘案いたしまして、七十億六千万円を計上いたした次第であります。  それから政府資産整理収入、これは貿特からの繰入でございますが、整理収入でございます。それから雑収入は、ここにございますように五十五億ほどの追加を見ておりますが、このうち最も大きな項目といたしましては、そこにございますように、指定預金の利子収入が三十一億円余り、これは御承知のように国庫予備金を民間金融機関に指定預金として日歩一銭六厘で運用いたしておりますその利子でございます。  それから農林漁業金融公庫の納付金等は小さなものでございますが、下から二行目に国有林野から十億円の受入れをいたしております。それから米国対日援助物資等処理特別会計から十三億三千五百万円、これは別途繰入れに関する法律を提出いたしております。  以上のような収入のほかに、歳出節約、不用を更に最初に申上げましたように、二一十二億余万円を計上いたしておる次第でございます。たびたび申上げましたように、今回の補正は全くいわばあと始末的な現在の事態に追随いたしまして、これをカバーするために一切の財源を持ち集めたような予算であります。今後よろしく御審議をお願いいたします。
  8. 青木一男

    委員長青木一男君) 只今の大蔵大臣及び主計局当局の説明に対しての御質疑、並びに只今食糧庁の長官と経済審議庁調整部長が出席しておりますから、これらの政府委員に対する御質疑がありますれば、この際発言を許可いたします。
  9. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 超過供出数量のほうは当初と今度の差額、つまり金額のほうで行くとどうなんです、超過供出の金額ですね、当初幾らで……。
  10. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) お答え申上げます。  超過供出につきましては、当初はその数量も、作況の状態等もわかりかねましたので、一応基本価格の七千五百円と合せまして超過供出をいたしまして、当初予算は十四億三千百万円ということになつておつたわけでありますが、実態が明白になりましたので、今回の補正予算におきましては二百億四千九十万円ということになりまして、増加が百八十六億ということになつております。
  11. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これは超過供出のときには、超過供出量に対しては、完遂奨励金プラス超過供出奨励金、両方もらえるんですか。
  12. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) お答え申上げますが、完遂奨励金は、先般の補正予算の場合におきましても、義務供出に対しまして完遂奨励金が交付されるということになつておりますので、超過供出には完遂奨励金は交付されないことになつております。
  13. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしますと、義務供出の場合は八百円ですね、そうしますと今度は超過供出の場合は石当り幾らですか。
  14. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 超過供出奨励金につきましては二千七百円の奨励金と、別に手数料が従来百円ございました。
  15. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしますと、こういう場合が予想されませんか、成るべく義務供出を少くして、超過供出を多くしたほうが余計金がもらえる、これは非常に素人的な質問ですが、そういうことになるでしよう。
  16. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 超過供出は、総額といたしまして一万五百円で手数料込みで支払うことになるわけであります。義務供出は、只今お話のございましたように、義務供出七千七百円に八百円の完遂奨励金が交付される。従いまして、その差額は農家の希望といたしまして超過供出するという形になるわけでございます。
  17. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしますと、これはまあわかりやすく理解するために、義務供出するより超過供出したほうが、一石当り幾らぐらい得になるかということは……。
  18. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) お答え申上げます。超過供出の場合におきましては、農家手取りは一万四百円になるわけでございます。義務供出の場合におきましては七千七百円に八百円足しまして、八千五百円でございますので、千九百円の相違になるわけであります。
  19. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 その場合に税関係は別なんですか。これは税金を別にした手取りですか。
  20. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) お答え申上げますが、これは支払額でございますから、税関係はこれは別途でございます。
  21. 永井純一郎

    永井純一郎君 この食糧庁の関係は非常に重要だし、数字的にもう少し詳しく説明が欲しいと思いますので、食糧管理庁からも来ているのですから、需給の状況ですね、特にこれからの米穀年度の需給の状況、それから例えば繰越利益、含み資産等の内容、なお且つ今日まで含み資産と称せられたものを食つて来た経過等一連に亘つて一遍説明をしてもらつて、それから質問するようにしてもらいたい。
  22. 青木一男

    委員長青木一男君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  23. 青木一男

    委員長青木一男君) 速記を始めて。
  24. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 もう一つ簡単に…。さつきの税金のほうで、百三十二億のうち三十億が租税払戻金に見合う自然増収という御説明があつたのですが、それはどういう意味ですか。
  25. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これはやや経過的に申上げないとわからないのでありますが、第一次補正、第二次補正というふうに分けて出しました時に、租税の自然増収租税払戻金三十億、丁度同じものを従来一応留保いたして参つたわけであります。即ち第一次補正にはそれだけ含まずにおりまして今回租税払戻金を三十億円組みます際に、その自然増収で賄う、こういうことに予算を組んだのだという趣旨と御了承願います。
  26. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それから三十億払戻金が殖えたということは、その事情はどういうわけで、この前六十億を見込んでおつたのを、又三十億殖やしちや九十億になりますね。どうしてそう、殖えるのですか、その事情をちよつと……。
  27. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) それは細かくは更に資料を差出したほうがいいかと思うのでありますが、本年は御承知のように災害等がございまして、相当いろいろ払戻しが殖えたのであります。これは御承知のように予期しない災害であつて、そういうものが相当殖えたという点は御了解頂けると思います。なお、ほかの事由もございまするので、場合によりましたら資料として差上げたいと思います。
  28. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この前六十億払戻金か、第一次補正ですね、出た時には。これは災害関係以外の原因だつたのです。ですから、今のお話のように災害以外のやはり景気変動によるそういうものの事情もあると思いますが、その点詳しく資料を出すようにお願いしたいと思うのです。それから、これは資料要求みたいになるのですが、各種補助金ですね、何か補助金に関する計数的な資料があつたら、これは二十九年度予算審議する時にも必要になるのですが、各種補助金、或いは補助金的なもの、今後の予算節約或いは節減の対象となるようなものを、資料として出してもらえたらいいんですけれども……。
  29. 青木一男

    委員長青木一男君) そのほか御質問ございませんか……。若し御質疑がありませんければ、明日午前十時から予備審査を継続いたしまして、先ほどの食糧庁当局の説明をお願いして、更に質問をやりたいと思います。なお、その際政府当局の出席を求められる御希望のかたは今お申出頂いて置いたほうが好都合でありますが……。
  30. 湯山勇

    湯山勇君 人事院のほうを若し何でしたらお願いいたしたいと思います。
  31. 永井純一郎

    永井純一郎君 経審は勿論、それから食糧庁も当然ですが。
  32. 青木一男

    委員長青木一男君) 次に、昭和二十八年度予算執行状況に関する調査報告の件でありますが、これは先例によつてその手続等を委員長に御一任願いたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 青木一男

    委員長青木一男君) 御異議ないと認めます。なおこの報告に御賛成のかたは御署名を願います。  多数意見者署名     西郷吉之助  森 八三一     松澤 兼人  堀木 鎌三     木村禧八郎  三浦 義男     石坂 豊一  伊能 芳雄     小林 英三  佐藤清一郎     白波瀬米吉  高橋  衛     岸  良一  新谷寅三郎     高木 正夫  佐多 忠隆     藤原 道子  三橋八次郎     湯山  勇  天田 勝正     加藤シヅエ  永井純一郎     武藤 常介
  34. 青木一男

    委員長青木一男君) 本日はこれにて散会いたします。    午前十一時二十五分散会