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1953-12-01 第18回国会 参議院 農林委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十二月一日(火曜日)    午後二時四分開会   —————————————  委員氏名    委員長     片柳 眞吉君    理事      宮本 邦彦君    理事      森田 豊壽君    理事      白井  勇君    理事      戸叶  武君            雨森 常夫君            川口爲之助君            佐藤清一郎君            重政 庸徳君            関根 久藏君            横川 信夫君            上林 忠次君            北 勝太郎君            河野 謙三君            河合 義一君            清澤 俊英君            小林 亦治君            松浦 定義君            鈴木  一君            鈴木 強平君   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     片柳 眞吉君    理事            宮本 邦彦君            森田 豊壽君            白井  勇君            戸叶  武君    委員            雨森 常夫君            川口爲之助君            佐藤清一郎君            重政 庸徳君            関根 久藏君            横川 信夫君            上林 忠次君            北 勝太郎君            河野 謙三君            河合 義一君            清澤 俊英君            松浦 定義君   政府委員    食糧庁長官   前谷 重夫君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君    常任委員会専門    員       中田 吉雄君   説明員    農林大臣官房会    計課長     増田  盛君    林野庁長官   柴田  栄君   —————————————  本日の会議に付した事件 ○農林政策に関する調査の件  (報告書に関する件)  (昭和二十八年度農林関係補正予算に関する件) ○食糧政策に関する調査の件  (報告書に関する件)  (昭和二十八年産米供出に関する件)  (昭和二十八年産米生産者及び消費者価格に関する件) ○審査報告書に関する件 ○小委員会設置の件 ○小委員の選任の件 ○小委員長の指名の件   —————————————
  2. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 只今から農林委員会を開会いたします。  先刻の理事会におきまして、今国会中における当農林委員会予定をお手許にお配りした予定表のように決定いたしましたから協力をお願いします。  次に、農林政策に関する調査及び食糧政策に関する調査についてお諮りいたします。本件につきましては閉会調査を進めて参りましたが、未だ調査を完了するに至つておりませんが、参議院規則第五十五条によりまして調査報告書を提出いたすことになつておりますから、これを提出いたしたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  未了報告書内容につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に、委員長の提出する報告書には多数意見者署名を附することになつておりますので、順次御署名を願います。    多数意見者署名     白井  勇  清澤 俊英     河合 義一  川口爲之助     北 勝太郎  河野 謙三     宮本 邦彦  重政 庸徳     戸叶  武  関根 久藏     佐藤清一郎  上林 忠次   —————————————
  5. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 次に、臨時硫安需給安定法案及び公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(国有林野事業)についてお諮りいたします。  本件につきましては、閉会審査を進めて参りましたが、未だ審査を完了するに至つておりませんが、参議院規則第五十五条によりまして審査報告書を提出いたすことになつておりますから、これを提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  審査報告書内容につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に、委員長の提出する報告書には多数意見者署名を附することになつておりますので、順次御署名を願います。    多数意見者署名     白井  勇  清澤 俊英     河合 義一  川口爲之助     北 勝太郎  河野 謙三     宮本 邦彦  重政 庸徳     戸叶  武  関根 久藏     佐藤清一郎  上林 忠次   —————————————
  8. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 次に、農業災害補償制度に関する小委員会はまだ結論が出ておりませんので、従来通り存置することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に、小委員選定及び小委員長選定委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 御異議ないと認め、小委員長松浦定義君、小委員佐藤清一郎君、関根久藏君、河野謙三君、清潔俊英君、戸叶武君及び鈴木強平君を選定いたします。   —————————————
  11. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 続きまして農林政策に関する調査として、昭和二十八年度農林関係補正予算の件を議題といたします。先ず農林当局から説明を願います。
  12. 増田盛

    説明員増田盛君) お手許に非常に簡単でございますが二種類の書類が差出されております。一つ一般会計一覧表でありますし、もう一つ特別会計一覧表でございます。そこで一般会計のほうから概略をお話申上げます。  今回の補正予算要求は項目的にも極めて事項が少いわけでありまして、而も金額的に見ますと要求額大半を占めますものが食糧管理特別会計への繰入でございます。従いまして食糧管理特別会計への繰入問題に関しましては、特別会計全体と睨み合せて御説明いたしたほうがよいと思いますので、ここに食糧庁長官に来て頂くことになつておりますので、この問題に関しましては、一般会計関係した事項を簡単に申上げます。事項を追いまして申上げます。  先ず番号の1でありますが、これは農業協同組合再建整備指導に必要な経費といたしまして九百七十万六千円、摘要に書いてあります通り、これは団体編成の一環として当初の予算の中にこの金額が織込まれておつたの一でありますが、団体編成が延期になつておりますので、この金額を今回特に補正要求いたしまして、都道府県で従来までの予算を組みまして現実に指導いたしておりますので、これに対して補助をする、こういう経費でございます。  それから番号の2の農業協同組合再建整備に必要な経費六千五百六十九万三千円、これは御存知の通りでございまして、ここ両三年以来、こういう形式で要求しているわけでございますが、今年の増資奨励金が相当不足する見込みになつて参つたのでありまして、これは実は実績を見て奨励金を出すという性質のものでございますので、又翌年度奨励金を払うということになつておりますので、そういう問題で諮つて参りますと、大体六千六百万円ほど不足になるわけでございます。なお固定化資金減少による利子補給金が若干減少なつておりますので、差引しまして要求いたしました。  それから番号3の農業委員会に必要な経費が三千十七万五千円、これはやはり団体編成の問題に関連して来るわけでございますが、当初予算におきましては、団体編成法律案の通過を見越しまして予算を組んだわけでございます。これによりますと、市町村の農業委員会が従来は予算的に見ますと十八人という定数になつておつたのでありますが、年度当初にこれを再編成しまして十五人にするということでありまして、その実施の時期を見込みまして九月までは十八人で行つて、十月からは十五人に切替える、こういう予算の建前になつておつたのであります。ところが法律案審議未了になりましたので、九月までというやつを来年の三月までやはり十八人を必要とするわけでございますから、差引三人分に委員の手当てを請求いたしまして、これが三千万円の要求経費なつたわけでございます。  それから4番の供出完遂奨励金支払財源繰入に必要な経費五十六億四千万円、これは先ほど触れました通り供出完遂奨励金八百円の財源といたしまして、御存じ通り半分は食管会計自体の中から生み出し、半分は一般会計から繰入れる、こういう原則に基きまして要求いたしたわけでございます。これの対象となります一千四百十万石、これは義務供出でございまして、これの全体の供出数量は二千百万石を予定しておりますが、超過供出を除きました義務供出、これに対して完遂奨励金を支出するということになつたわけであります。  それから5を飛ばしまして次の頁の6番に、その他給与改訂等に必要な経費として六億一千七百万円組んでおりますが、これは御承知通り、今度行われます政府職員給与改訂に伴ないますいろいろの追加分要求いたしております。  以上で以ちまして今回の一般会計追加額が六十五億四千七百万円に相成るわけでございますが、ここに書いてあります通り節約と或いは不用額というものが差引かれておるわけでございます。節約分が三億八百七十万二千円、不用額がその下にあります二億七千五百三十七万円、従いまして、それぞれ差引きまして補正要求額が五十九億六千三百万と、こういう数字に相成るわけでございます。  ここで参考までに申上げますが、節約額のほうは、前国会におきまして公共事業費関係節約は一応予算に織込み済みでありますので、公共事業費を除きましたその他の一般会計部分がここの三億八百万でございます。かようにいたしまして、農林省所管の全体の予算額といたしましては、全部を合せますと千四百五十二億と相成るわけでございます。こういうことになるわけでございます。これは農林省所管で申上げたのでございまして、このほかに農林関係予算といたしましては、御存じ通り農林漁業金融公庫への繰入がすでに二百六億ほどあるわけでございます。それから北海道開発庁所管食糧増産その他の公共事業費がやはり六十数億あるわけでございます。そういうものを全部加えますと、千八百億になんなんとする予算なるわけでございます。それから参考でございますが、この不用額のことに関して簡単に申上げておきますが、不用額は二億七千五百万円でありますが、一体どういう経費が不用になるかという点でございますが、これはこの大半を占めますのは、例の麦の検査手数料が二十円が十円になりましだので、これの関係で二億七百万円不要額として立てたわけでございます。収入が減りますので、それに見合うように検査手数料として組んでおります。以上不用額としてこの関係で二億七百万円、それから学童給食のミルクの利子補給関係が当初の予想よりも少額で済むことになりまして、この関係が四千五百万、その他小さい経費がいろいろあるわけでございますが、予算上当然不用になるという額が合せまして二億七千五百万と、こういうことに相伐つておるわけでございます。  簡単でございますが、一般会計事項はそれを以て終りにいたしまして、次に、もう一枚の紙の特別会計に関しまして、お手許に差上げてあります特別会計縦書の紙があるわけでございますが、この中で特に重要なものが食糧管理特別会計と、それから国有林野事業特別会計の二つでございまして、その他の会計は一般的に申上げますと、給与改訂に基く所要の補正要求をいたしたのでございます。従いまして特別に申上げる点はございません。なお国有林野事業特別会計に関しましては、食糧管理特別会計説明が済んだあとで給与改訂或いは冷害対策予算のようなものが盛込れておりますので、この点に関しましては林野当局より御説明申上げたいと、かように思う次第であります。
  13. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 食糧管理特別会計につきましての概要につきまして御説明申上げます。  この当初予算補正予算との違いにつきまして先ず申上げますると、歳出の面におきまして食糧買入費増加いたしておりまするが、これは別に申上げまする生産者価格関係におきまする点と、それから国内食糧数量変更輸入食糧数量変更ということになつておるわけでございますが、先ず国内産の米について申上げますると、当初におきましては、買入を四百二十三万七千五百トンと当初予算においては予定いたしておりましたわけでございますが、本年度の作況によりまして、三百二十一万六千八百トンとなつたわけでございます。これは二千百万石というふうに予定をいたしておるわけでございます。  次に大麦、裸麦につきましては、当初十五万トンと予定していたしたわけでございますが、その後の実績によりまして四十万五千八百トンと実績を計上いたしたわけでございます。小麦につきましても、同様当初の見込が三十六万二千トンでございましたが、実績四十万トンといたしまして買入費の中を変えたわけでございます。  輸入食糧につきましては、先ず米でございまするが、当初九十万トンということで予定いたしたわけでございますが、その後需給計画上百六十万トンということに計画を組んでおるわけでございますが、そのうち年度内の分といたしまして百四十五万六千二百トンを来年三月までに買入れる予定をいたしたわけでございます。大麦につきましても、当初の予定が六十二万トンでございましたのを八十五万トン、小麦につきましても、当初予定百五十七万二千トンが約四十万トン増の百九十七か三千トンということに数量変更をいたしたわけでございます。これに関連して申上げますることは補給金でございまするが、御承知のように当初補給金につきましては、先ほど申上げました米九十万トン、大麦の六十二万トン、小麦の百五十七万三千トン、計三百九万三千トンと予定いたしまして三百億の補給金を組んだわけでございますが、米につきましては、百四十五万六千二百トンと増加いたしましたし、又大麦につきましても、先ほど申上げました八十五万トン、小麦につきまして百九十七万三千トン、合計四百二十七万九千二百トンと、原トンにいたしまして約百二十七万九千トンほどの増加を見たわけでございまするが、輸入価格か当初予定いたしましたよりも低落いたしましたことと、一月以降消費者価格改訂予定いたしておりまするので、その両面からいたしまして、現在当初予算におきまして予定いたしました三百億で以て、この輸入補給金で以て賄い得るというふうに考えておるわけでございます。輸入価格につきましては、例えば当初においては二百十三ドルというふうに予定しておりましたが、大体今後の見通しといたしまして、平均いたしまして百九十八ドル程度予算におきましては予定いたしておるわけでございます。又大麦につきましても、当初の予算の九十三ドルを八十一ドル、小麦につきましては、当初の予算の九十ドルが八十六ドルというふうに海外市価が低落いたしました点と、今後の消費者価格改訂という点によりまする国内基準価格の増と両面から考えまして、この予定いたしました三百億で以て賄えるというふうに考えておるわけでございます。  その次に、農産物買入費でございまするが、農産物買入費につきましては、従来当初予算におきましては甜菜糖と飼料を予定いたしておりまして、澱粉及び切干しにつきましては、その数量及び切干しについては項目が予定されておらなかつたわけでございまして、農産物価格安定法の成立に伴いまして、従来生産者団体自主調整をいたしておりましたものを、澱粉につきましては数量の増、それから切干しについては新らしく加えましたので、これを十九億ほど買入として増加いたしたわけでございます。  管理費につきましては、生産者価格増加に伴いまして、金利、保管料等増加予定いたしたわけでございます。  次に、食糧売払代につきましては、需給計画に従いまして売払数量を決定いたしておるわけでございまするが、一月以降の価格改訂に伴いまして、その価格によりまして売払を計上いたしておるわけでございます。農産物売払代につきましては、澱粉、切干しにつきまして、現在の状態から考えまして、この売払年度末におきまして持越す公算が多いということで、そういう点を考慮いたしたわけでございます。  一般会計からの受入につきましては、先ほども会計課長からお話し申上げましたが、供出完遂奨励金受入がございます。で、お手元にお配りいたしましたように、本年度におきましては義務供出といたしまして一千四百七十六万一千石ということになつておりまするので、それの売払分というものが繰入ということになつたわけでございます。なおこれに伴いまする消費者価格との関係につきましては、お手許資料をお配りいたしてございまするが、現在の内地米につきましては、現在の六百八十円が七百六十五円として予算案におきましては歳入に組んであるわけでございます。外地米につきましては、準内地米につきましては内地米と同様、普通外米につきましては六百五十円、大体従来におきまする内地米普通外米との比率と同様の幅を以ちまして普通外米価格予定いたしたわけでございます。この七百六十五円につきましては、別の算出の基礎がお配りいたしてございまするが、生産者に対する支払額といたしまして九千四十一円、これに相当いたしまするものは昨年度におきましては八千百七十六円となつておるわけであります。ただこの九千四十一円には、減収加算額の五百円、完遂奨励金石当り五百三十七円及び超過供出数量の二百万石分が除外されておりまするので、実際上の平均生産者に対しまする支払額は一万三百三十五円となるように計算されておるわけでございます。これに対しまして、二十七年産米生産者に対する支払平均額は八千六百円程度になろうかと考えております。以上のように、減収加算額完遂奨励金及び超過快出の一部を食糧特別会計の益によつて差当り処理いたしまする関係上、食糧特別会計の損益の問題でございまするが、食糧特別会計におきましては、決算によりまして二十八年度当初の繰越益が三百四億ございますが、そのうら本年におきまして損失と見込まれますものは、二十七年産米の本会計年度中に買入れたものの超過供出数量増加が十六億、それから二十八年産米供出完遂奨励金が、その半額を食糧特別会計で処理いたしまするので五十六億、二十八年産米減収加算額が百四億、それから先ほど申上げました超過供出の一部を負担する関係上、それが五十五億、そのほかに二十八年産麦損失が二十五億ございます。なお甜菜等損失澱粉、切干し等の時価評価によりまする予想さるべき損失が約三十八億ほどございまするので、合計二百九十四億が本年予想される損失になるわけでございまして、繰越益としては十億程度になるわけでございます。先ほど申上げましたように、今回の米価の単記によりまして、差当り消費者価格に織込まなかつたものが完遂奨励金の五十六億と減収加算額、それから超過供出の一部、合計二百十五億が本年産米による損失ということになるわけでございます。
  14. 河野謙三

    河野謙三君 長官に御説明頂いたのですが、ちよつとここで書き取れなかつたものですから……。買入費内訳ですね、それから農産物買入費内訳、今御説明頂いた数字に亘る分ですね、外米の当初の予定の九十万トンが百六十万トンになつたという、こういう御説明資料で頂きたいのです。それと年度末の繰越数量ですね、品種別にこれを一つ資料として頂戴したい。
  15. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 次に林野関係の御説明を願います。
  16. 柴田栄

    説明員柴田栄君) このたびの第二次補正に、林野庁から予算要求いたしまして御審議を願うことになつておりまするのは国有林野事業特別会計予算でございまするが、資料にも記載しておりまする通り収入財源といたしまして、窓預で二十五意二千八百八十一万六千円、その主なるものは業務収入でございまして、主として林産物払下価格増加に伴うものなのでございます。その他に雑収入が二億五千万円、一般会計からの繰入九百七十四万七千円、合計いたしまして、先ほど申上げました二十五億二千八百八十一万六千円というものを財源といたしまして事業必要経費要求をいたしておる次第でございます。その歳出内訳を申しますると、管理費の増一億七千六百四十五万二千円というものは、主として職員期末手当或いは仲裁裁定に基きまする一月からの実施に要する経費等を主体といたしております。それから伐木造林関係経費でございまするが、これは異常気象によりまする冷害対策といたしまして、特に冷害地域国有林所在地域に非常に関係が深いということで、この際事業計画増加いたしまして、救済事業にも宛てたい、併せて二十九年度への準備或いは二十八年度への繰上等計画いたしまして、一面におきましては、冷害地域賃金収入機会を与える、併せて事業の合理的な経営に振り向けて劣参りたい、こういう考え方で計画いたしたのでございまして、事業内容を簡単に説明申上げますると、冷害対策事業費といたしまして七億七千七百万円を計画いたしておりまするが、その内容は、林道事業におきまして一億九千万円、製品事業におきまして、一億二千万円、造林事業におきまして四億円、治山事業四千万円、官行造林事業千七円万円、林産物処分調査費一千万円、以上合計いたしまして、事業費七億七千七百万円、ほかに旅費として二千三百万円を夏衣一々しまして、冷害対策としては合計八億を要求いたしております。これによりまして賃金取得機会を与え得るものが人頭数で三万五千人の計画でございます。これを延べにいたしますると百八十三万五千人で、平均二万円程度賃金収入というものを目標にいたしております。  この際参考に申上げたいのでありまするが、既定計画によりまする国有林野事業冷害地域におきまする事業経費が二十五億八千万円秘匿今後に残されておりまするので、これによりまして、延べ四百十六万人程度賃金取得機会を与える。これらを組合せまして、事業の運営と併せまして冷害対策に活用いたして頂く、こういう計画であります。そのほか災害復旧事業といたしまして、本年度春以来の各地の災害に対しまする緊急復旧計画いたして参つておるのでありまするが、国有林野事業といたしまし、て、総額三十三億七千五百五十五万九千八百円という被害総額に相成つておるのでありまするが、このうち緊急を要するものが十億足らずあるのでございます。一部予備費の支出によりまして、すでに九億二千百十万円を支出いたしまして、緊急復旧に努めて参つたのでありまするが、更に緊急復旧を要するもの、これを早急に実施いたさなければ事業計画に大きな齟齬を来たし、経理士も大問題になるということで、今回要求いたしましたものが四億五千万円組まれておるのでございます。そのほか国の財政上の立場からいたしまして、今回の第二次補正予算財源として、特別会計増収分に対しまして一般会計への繰入れを政府において決定せられたものが十億あるのでございまして、財源といたしまして、収入増によりまするもの二十五億二千八百八十一万六千円、ほかに節約によりまして三億三千一百万円余というものを財源として以上の計画をいたした次第でございまして、予備費といたしまして、従来の予備費の残五千万円を超えまして、今回の補正によりまして予備費一億八千八百十七万二千円というものを留保いたすという計画に相成つておる次第であります。  一応内容を御説明いたしますと以上の通りであります。
  17. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 以上で説明は終りましたが、御質疑があれば御発言願います。
  18. 河野謙三

    河野謙三君 食糧庁長官に細かいことを伺いますが、いずれ予算そのものの根本的な問題は明後日質疑を行うことにして、ちよつとここで伺いたいのは、従来から問題になつておりますが、これはもう末端の台所の問題ですが、米の消費者価格内地米、準内地米外米とを区分しておられます。併し末端の米屋さんの監督が十分できませんと、準内地米外米というものは、これは消費者のほうで完全に農林省が考えておるような区分によつて届いていない事実はたくさんある。これらにつきまして、今後過ちなく、この準内地米外米との区分、これは消費者の台所までこの区分が徹底するような何らかの別途方途をお考えになつておりますか。これは消費者から見ますれば、このタイだ、ビルマだ、イタリー、ブラジルというのはわかりません。これは農林省で区分するところの外米だというのを、準内地米というようなことで、内地米価格と同じもので台所へ届けられても、女房にはわからない。そこにいわゆる米屋さんの配給技術があるわけです。これは従来非常に米屋さんが各台所に向つてインチキをやつておるわけです。ところが御存じ通り、依然としてこういうふうな準内地米外米というふうな区別をして、而もその価格は、一升において十六円からの開きを持つておる。それなんか厳重に誤まりなく、繰返し申しますが、農林省の区分そのものが各台所まではつきり徹底されて行くことについて、監督上何か措置をとられておりますか、それを伺いたい。
  19. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げます。大体これは承知のように、毎月農林省といたしましても、地域別に県を通じ、或いは東京につきましては東京都を通じまして、各月分の配給日数と申しますか、内地米は何日、普通外米は何日、準内地米何日ということを発表いたしますと同時に、店頭にも掲示さすことになつておるわけでございますが、一時御指摘のように、内地米の入荷の状況と準内地米の入荷の状況とで、東京都において混合するというふうな事実が起つたこともございます。それに対しましては厳重な訓戒を与え注意をいたしております。ただ準内地米普通外米は、まあ形状・的に一応区別いたしておりまして、大体長細いものが普通外米で、内地米に近い中粒種のものを準内地米として扱つておりますので、形態的にもわかるようにはいたしておりまするが、これを徹底して、そのうち何日というふうな点をはつき場りいたしたいということで、それぞれ都道府県には注意をいたしておりますが、今後更にそういうことのないように注意をいたしたい。
  20. 河野謙三

    河野謙三君 それは私は今のこういう準内地米なんという制度をやるには絶対に監督の制度は期せられないと思う。成るほど各県、各都市ごとに、今月は外米を何日、内地米を何日と公示されております。そのこと自体さえも、なかなか家庭には徹底しないのでありますが、それはまあうつかりしておつたほうが悪いのであつて、仮にそれが皆徹底したとしても、外米には御承知のように配給辞退があるでしよう。その配給辞退の分を米屋さんが準内地米の中にぶち込むのですよ。そこに相当のものが浮いて来るでしよう。準内地米の中へ外米を二割や三割ぶち込んでも、わかりやしないです。これは外米外米なんだから、内地米外米というものはわかりますけれども、準内地米外米の紙一重のところにつきましては、あなたのほうの言われるところの外米を準内地米にぶち込んでもわからない。そこに米屋さんのインチキがあるわけであります。手品の種がある。その種をなくさなければ、食糧庁職員の一人ずつを米屋さんに朝から晩まで座らさなければならない。そうでないときは、この制度を変えるべきであると思う。準内地米というものもこれは外米だから、外米外米だから、準内地米外米というものの区分をやめて、外米外米と一本にして、別の方途で価格をプールするか何なりしてやる以外に方法はないと思う。こういうふうな外米の中に準内地米というものを入れて、それを内地米と同じように配給しておる、そうしてあなたのほうでいい気持になつていても、末端のほうはそうは行きませんよ、私は絶対に駄目だと思う。これにつきましては、もう少し私は従来の何にも理窟でない、配給の実績に鑑みて何とか私は考えなければいかんと思う。米価審議会でもこの問題は出ませんでしたか、例えば主婦代表の船田せさんあたりでも、こういうことが出まんでしたか、何か具体的に変えなければこの問題は解決しないと思いますので、重ねて一つ明確に……。
  21. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げますが、お説のように外米、輸入米につきまして準内地米普通外米とを分ける、これは同じ外米でございますが、実は準内地米と言いましては、アメリカの加州米でございまして、それと台湾米でございます。それとイタリー、スペインを準内地米にして扱つております。これは河野さんも御承知のように品種的には中粒種ございまして、大体加州米にいたしましても、或いは台湾米にいたしましても、内地米と同じ系統のものでございます。スペイン米も、イタリー米も同様の中粒種でございます。そのほかの南方米は長粒種でございまして、アメリカの南部米もこれは普通外米として長粒種の品種で外米として取扱つております。その辺の混淆を来たさないようにということは十分注意いたさなければなりませんが、むしろ従来の非難は準内地米内地米との混淆がありはしなかつたか、内地米に準内地米を入れて内地米と称して売つておらなかつたか、こういう御指摘はあつたわけでございます。それにつきましては、我々といたしましては厳重にそういうことのないように、日数をはつきりして注意するようにということを示達いたしておるわけでございますが、買入価格に違いがあるのでございまして、そういう点からそういう措置をとつているわけでございますが、これは将来外地米買入数量等の関連におきまして考えなければならない問題も多々あろうと思います。併し現状におきましては、内地米の収量が非常に数量が少くなります場合におきましては、我々としてはできるだけ単価は高くなりますけれども、準内地米の輸入を殖やすということの努力をいたしているわけでございますので、その点そういう現在の状態の苦しいところは一つ御了承願いたいと思います。
  22. 河野謙三

    河野謙三君 いや、苦しいところはよくわかるのですよ。わかるけれども、配給を受けている私たちの立場から見れば、米屋さんが準内地米外米というものをこれはいろいろかき混ぜて、そうしてごまかしているというこの事実は、長官が御承知の範囲以上にこの事実は多いのですよ。今お話のように台湾米であるとか、今は殆んどありません朝鮮米とか、こういうものは準内地米でこれはいいでしよう。これは確かに殆んど同じものであります。併し今加州米であるとか、イタリー米とかおつしやいましたけれども、これは専門家の人が言われるほど、これは配給を受けるほうから見ればはつきりと区分がないわけですよ。一般外米との区分が……。だから私は特に同じ加州米と言つたつて、イタリー米といつたところで、それはワン・ロットごとに多少の品質の違いはありますよ。今度入つた外米は品質が悪いから外米にしようということならわかるが、大きく国別で初めからイタリーのものは内地米と同じだ、加州米は又内地米と同じだ、こういうことで大ざつぱに分けることは非常に私は実情に副わないと思う。だからむしろ私は外米はどこまでも外米であるから、準内地米というような名前を付けないで、外米の中の甲乙ならまだわかりますけれども、それで外米の中の甲が内地米と同じでなくとも、例えば二円でも三円でも差を付ければいいと思う。これは何も同じ価格に持つて行つて、そうして米屋さんのインチキの材料を作つてやらなくてもいいと思う。そういう点でもつと工夫をこらさなければ、どうも私は少し細かい話になるかもしれないけれどもも、食糧行政の中に、各台所の主婦の声、主婦の苦心というものが届いていないと思う。私はその点につきましては、この間も今の配給量をごまかされておる。あなたのほうじや量が足りなければ、歩留まりが低ければ追加配給すると言つておられますね。併し現実に末端でやつてはいません。それで十キロのものは十キロの配給を受けてていません。こういうものを私はもう少し長官のところに、長官が直接歩くわけには行きませんから、もう少し各家庭の主婦の声というものが届かなければ本当の食糧行政にならないと思います。あなたのお宅へ、まさか近所の米屋さんが、あのお得意さんは食糧庁長官だからごまかせない。だからあなたのところ間違いなく行くと思うか。一般のところには決して定量のものが配給されておらん。そういう意味合で、私はくどいようでありますけれども、内地米、準内地米という、準なんというのはわざわざ付けなくていいじやないか、外米甲と乙でいいじやないですか。そしてその間に内地米と同じにしなくても、二円でも三円でも、五円でも開いて、外米の乙は十円なり、七円安くする。こういうふうにしてやればまだはつきりする。何だか米屋さんのインチキの材料にばかりなつているようなので、くどくなりますが、私は御再考を願いたいと思います。
  23. 松浦定義

    松浦定義君 私は今河野委員が御指摘になつておりましたように、配給機構というものについては十分検討すべき点があると思いますが、非常に細かいことでありますが、今年の凶作の事情等の関係から、割当につきましては、適正を期したいと思うのですが、或る一部の県におきましては相当余裕が出て来ておる。これは今日の本会議で大蔵大臣が説明しておりましたように、世界にないように高い、一万三百何がしという米価になつておるというようなことを言つておりましたが、そういう意味から行くと、生産の面は或る程度いいとしましても、それでもなお農家としては、いろいろの面から残つた米の処置に対しては、過去のあり方からして、いろいろの考え方を持つておるのでありますが、これを政府が全部買取るような方策というものができるか、できないかということについては、いろいろ問題がある思うのであります。特にこの米価の引上等によつて、五十数億というような、一部の金を出すことによつて、非常にインフレを生むとか何とかいうことも考えておられるようでありますが、今例えば本中残つておる米を、全部そういう措置を講じて買うとするならば、現在の政府が考えておるものよりももつともつと私は金額が多くなるのじやないか。これは考え方によりますというと、非常に私は結構なことだと思うのですが、それはそれといたしましても、今私が申上げんとするところは、そういう意味からいつて、非常に現在毎日のように新聞で或いは上町、或いは新宿というような形で闇米の取締りをやつておられる。これは私は非常に結構だとは思いますが、併し闇米の取締りというものは、全国一斉にどの府県でもやつておるのかどうか。これは非常に私は一部は強くて、一部は弱いというような印象を受けるのですが、こういう点について政府としてにとういうふうにお考えになつて措置されておるのでありまするか、先ずこの点をお伺いいたしたいと思います。
  24. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げます。闇米の取締りにつきましては、本年度の食糧事情でもございますので、我々としましては、国警本部と定期的な連絡会議を持ちまして、そうしてそこでいろいろ相談をし、国警本部におきましては、それを地方国警本部のほうに通達いたしまして、全国的に同じ方針で以てやつておるわけでございます。ただ御指摘のように、おのずから取締りの衝に当る地方のニュアンスは或いはあろうかと思いますが、考え方といたしまして、又我々といた、しましても、これは是非一つ同じようにやるということで、実は国警本部を中心にいたしまして、いろいろ相談し、そうして地方の取締り当局の協力を仰いでいる、こういう実情でございます。又一方、供出の時期でございまするので、地方の知事さんに対しましても、その点を十分申上げて、現地におきましても、取締り当局との連絡によりまして取締りを願つておる、こういうふうな実情でございます。
  25. 松浦定義

    松浦定義君 長官の御説明ですと、そういうふうな考え方でおるというが、実態は私はそうなつていないと思う。若しそうでありますならば、決して米は上野まで来ないわけなんで、新宿まで来ないわけなんで、上野から新宿まで堂々と来て、そうしてあすこで取締るということは、私は長官のおつしやつたようなことが徹底していない。そういう面で起る犯罪というのは当然政府の責任であつて、それを輸送する者、売つたものの責任ではないと思う。そういう意味で私はとにかく米が汽車に乗るということ自体が実は間違つておる。そういう意味から申上げまして、そういう点を先ず一つ御考慮に入れられる必要があると思います。それからもう一つ、これはこれから年末にかかりますと、汽電がそれでなくてもいろいろの面で混雑をするわけですが、こういうことによつて非常に又いろいろ混雑をする。最近の新聞で見ますと、そういうような闇屋さんですか、そういうものが列車の中で乱闘騒ざをやつてお客の非難を受けたという記事も出ております。これは東北の汽車が多いので、我々せめて帰るときでも楽な汽車に乗りたいという者が迷惑いたしております。特に大衆の乗る汽車に対しましては、更にこの点についしは十分私は政府はやはり考えなければならん、こういうふうに考えまして、とにかく米を汽車に乗せないということがこの取締りの原則でなければならんが、乗せるということは、運輸省が金を、輸送料を儲けるというようなことも一応考えられますから、こういう点を一つ御賢察を願いたい。それから今申上げましたように、或る一部ではこの闇米というものを対象にしないで、商人と一般旅客というものを区別するために、そういう指定列車を作つている。例えば特定の区間距離だけ業者に対する御用列車と言いますか、そういう特定列車を指定しておりますが、そういうようなことをやつてでも一般旅客に対して迷惑をかけないようにしなければならん。特に米の問題等、主食の問題に関してでも、そういう点は非常に必要だと思いますので、こういう点についても一つ御検討を願いたいと思つているのであります。なおこれに関連しまして私は非常に疑義を感じておりますのは、現在国会におきましても、できるだけ闇米の主食を禁ずる意味におきまして、現在米を少しでも一般大衆に貢献するために、国会においてはまあ米を食わないというようなことまできめているのでありまするが、一度外へ出ますと、どこの食堂に参りましても、やはり現在どこでも一応外食券を必要とすると言いますが、その外食券が幾らでもどこでも手に入る。すでに東京都の大デパートあたりでも入口には外食券を頂きますと書いてあると同時に、片一方の手のほうでは外食券が幾らでも自由に買える、そういうようなことでは、私は米で来なくても外食券で来る、こういうふうなことでありますので、現在政府は外食券というものをどういうような扱い方をしてどの程度果して実効が挙つているか、挙つていないかということについて、今後改正する必要はないと考えられるか、或いはあるとお考えになつておりますか、この外食券の取扱いについて詳細な一つ説明を願いたいと思います。
  26. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げます。第一点の産地の取締り、我々も全く同感でございまして、実は供出の場合におきましては、特に産地におきまする取締りは重要だと考えられますので、第一段の取締りは、実は我々としましても産地に主眼をおいて取締り当局と連絡等をいたしている次第でございます。ただ各産地からの列車を全部、毎日というわけにも参りませんので、そういう事態も起るかと思いますが、我々としても取締りはますますこれを励行して参りたい、かように考えております。ただ只今の指定列車の問題はこれは運輸当局ともよく検討いたしますが、間違つておるかも知れませんが、我々指定列車として承知いたしておりますのは、極く近県の統制物資以外の場合におきまする行商に対して列車を指定するというふうなことが、各近県の場合に通勤と同じような形で行われるのじやないかと思いますすが、米についてそういうことを考えられておるとは考えておらないのでありますが、よくその点につきましては実情を取調べたいと思います。それからなお外食券の問題でございますが、御承知のように外食券は一般の家庭の配給通帳と並びまして、独身者その他の者に対しまして通帳の代りに外食券を交付いたしておるわけでございまして、これは一般の家庭用の通帳と同様のものでございまして、これを以ちまして外食者が外で米飯提供を受けるという取扱いになつておるわけでございます。ただお話のように外食券の売買が行われておるというような点につきまして問題があるわけでございまして、これは我々といたしましても、その外食券の売買のほうについてはこれは取締らなければならんというふうに考えておりますが、外食券の発給をとめるというわけには、これは現在の日本におきます住居の関係或いは世帯の関係等におきまして、これはむずかしいと思います。これは結局その外食券は一般の基準配給量の範囲内において出しているわけでございますので、一般家庭世帯に対する米の通帳と同様の取扱いのものであります。
  27. 松浦定義

    松浦定義君 お話を聞きますれば御尤もだと思うのですが、私は外食券を必要としないような消費者が多くあるということを非常にどうかと思うので、こういう点についてはやはり相当私はお考えになることが必要だと思うので申上げるのですが、やはりこの外食券を最も効果的に使わなければならない人がたくさんあるわけだと思うのですが、多くはそういう人のために少数であつても闇で売るという消費者があるということにつきまして、私は現在の消費量でも十分であるし、なお余つておる、或いは又その人の考え方によつて外米は要らんから外米の分を外食券にする、或いは粉の分を外食券に替えて内地米を闇で買つておるというものもあるかも知れません。そういうことについて実際末端でこれを発行する市町村はわかるはずです。どういうような取扱いをして、どういう家庭でそういうことをやつておるかということはわかりますので、そういう点について十分市町村に対しまして、取扱機関に対しまして、私はこの点について十分再調査をするなり、そういう点について遺憾のないように十分して頂きたい、私はこういう工合に考えますので、私どもはどこへ行つても外食券は幾らでも自由に買える、幾らでも自由に買えることによつて非常な一面から配給制度というようなものについていろいろな矛盾が起りますので申上げますのですが、こういう点を一つ重ねて御検討願いたいと思います。
  28. 河野謙三

    河野謙三君 ちよつと伺うのですが、これは長官にも御無理な御質問かも知れませんけれども、最近米の管理というものが現行制度では全く行詰つた、何らか根本的に考えなければならん、こういうことを大蔵大臣や、農林大臣がしばしば公の席で発言されておりますけれども、勿論これは省内においてもこの意見は盛んに大臣との間に取交わされておると思いますが、行詰つておることは間違いないのでありますが、どういう方法をお考えになつておりますか。一カ月や二カ月前にできた内閣なら別でありますけれども、もう五年も続いている内閣が今頃考慮しておりますでは私はちよつと話が違うと思います。大抵ばかだつて五年経てば何とか方法が付きますよ。どういう方法を考えているのか、この行詰つたことは間違いない、これは私もそう思うし、あなたも行詰つていないとは言わない。然らばどういうことをやるか。自由販売にするのですか、それともふんどしを締め直すのか、どういう方法なのか、若しいけなければ長官御自身の御意見でも結構ですから、どういうことになつておりますか、御意見をお示し願いたいと思います。
  29. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) この制度全般の問題といたしまして、私個人といたしましては現在の管理制度と申しますか、管理制度自体はこれは今後の食糧事情の下においては私は必要だと思つております。ただ現在の価格制度、それからその下におきまする供出制度というものが、強権供出というものが一定の価格制度の下において非常に困難になつて来たということは我々も痛感いたしている次第でございます。これをどういうふうに改善して参るかということで実は頭を悩ましているわけでございますが、その点につきましては、どういう方法がいいだろうかと毎年実はいろいろ考えて見ますけれども、ちよつと名案がなくして従来の方法をとつて参るというのが、これが偽わらざる実情かと思います。併しだんだんそういうような形におきまして進んで参りますると、必らずまあそこに行詰りが来るということはこれは実態なんでございまして、私としてはこの現在の管理制度の下においてどういう改善をなし得るかということについて検討いたしている、こういうふうに申上げたいと思います。
  30. 河野謙三

    河野謙三君 管理制度を前提にしておられる、要するに管理制度を強化しなければいかんということだと思うのでありますが、それは結構であります。私も同感でありますが、ただこういうことをこの際考えてもらいたいと思いますが、今年はいろいろのお負けが付いて平均米価は一万三千何円になるけれども、遅場所の特に災害を受けた場所において、供出さえもやつとできるというような農家があるわけであります。又超過供出をやつても僅かしかできないというのがある、一方においては一万数千円の米代をもらつているかと思うと、一方においては今申上げるような地帯におきましては、これは基本米価だけしかもらえない、こういうふうな非常に今不公平が起つているわけであります。こういう問題は私は要するに米の管理制度というものが緩んだ結果非常に不公平が起つていると思います。こういう問題を私は重点において価格の面において強化されなければいかんと思いますが、それはどうお考えになりますか、今年のようにいろいろな完遂奨励金とか、早場米奨励金であるとか、何であるとか、かんてあるとか、汽車の中の物売みたいに、もう、もうと思つていると次から次とお負けが出て来る。理想から言えば基本米価一本にするということだと思いますが、そういう方面ですか、管理制度について検討しなければならんというのは………。これをお伺いしたい。それからついでにお伺いしますが、人造米が非常に流行しておりますが、私は人造米というのは闇米を誘い出す私は元だと思います。今のように人造米を自由販売にしておれば、人造米の今度は協会とかできたそうですが、こういうところでそういうものをお調べになるわけですが、人造米の売行を見ると、人造米の販売先というものは業者が多いんです。業者は人造米が出てから、これを二割から三割混ぜる、あとの七割、八割は闇米であります。すから人造米を自由販売にして業者に売るということは、闇米を誘い出すこれは一つの元ですよ。でありますから、最近のように食糧対策として、米穀対策として農林省がこれまで人造米に金を使い、うつつを抜かすのならば、いわゆるこの一般の米との抱き合せにおいて、私は人造米の配給制度というものを確立しなければならない。いわゆる人造米の販売先というものはどこまでも一般消費者家庭であるということに私はしなければいけないと思うのですが、一方において闇米の取締をしておるかと思うと、一方において闇米がなければ飯にならないような人造米を業者に売らせておるのですよ。これはどうお考えになりますか。私は若し何だつたら人造米協会というのができたそうですから、早速調べてもらいたい。人造米の各会社が一体どういう方直に人造米を売り捌いておるか、これは調べればすぐわかります。一般の各家庭にも売るでしようが、業者も大量に買うと思う。すし屋や、天ぷら屋、一般料理屋が大量に買う。この人造米には必ず大量の闇米がくつついておるわけです。そういう方面に、そういう闇料理屋に人造米を売るために、何も政府特別会計の中から澱粉を安く売つてみたり、粉を安く売つて料理屋に御奉公することはないでしよう。これはどこまでもさつきのお話の各家庭の台所のために私は人造米の奨励をやり、人造米について予算を使つておると思う。それが料理屋や何かのために私はそういう人造米の奨励をやつておるのじやないと思うのです。こういう点におきまして、人造米も今後大量にできて来ましたときには、人造米の販売、配給について根本的に何か今から私は準備がなくちやいかんと思いますが、何かお考えになつておりますか、これを伺いたいと思います。それからもう一つお伺いしたいのは、早場米の奨励金の問題ですが、これは締切りの日をいずれ考慮するというようなことを言われましたが、これは既定方針通りで、あれは最終は十二月の十日ですか、十日で打切るのですか、まだこの近県あたりを見ましても町村の割当さえもできないところもありますよ。そういう割当の困難なため米の出せないところがありますよ。農家自体はとつくに俵にしておるわけです。ところが割当の事務の遅延のために米が出せない、ぐずぐずしておると農家の意思ではなくて、そういう割当の事務のために早場米の恩典にもあずかれないということになる、そういう地区がたくさんあると思う。従つてそれらの地区のために、幾らか最終の十二月の十日を二十日にするとか、二十五日にするとかいうことをお考えになつておられるか、これを一つ伺いたいと思います。
  31. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げます。第一の価格の問題でございますが、価格の問題につきましては、只今の河野委員の御指摘のように、いろいろの制度が並立しておる、これが一本化したほうがよろしいじやないか、これはまあいろいろ各方面からも承わる御意見でございます。我々もそれにつきましては、何かそういうことにならないものかということを検討はいたしておりますが、実はこの一本化するものにつきましては、どういうふうな形で一本化したらいいかということにつきましては、河野さんも御承知のように小委員会でも三本案がありまして、いずれもそれぞれの御意見があつて、どの案がいいというふうなことにもまとまらなかつた経緯は御承知通りでありまして、実は我々も一本化してすつきりした形にしたいということは、これは抽象的には考えられますが、じや具体的にそれを何を以て一本化するか、生産費の問題につきましては、又(公)ラインをどう引くかといういろいろな問題がございまして、非常に困難でございます。又パリテイ方式にはそれに伴う一つの欠陥もございますので、これは非常にむずかしい問題でございますが、何とかそういうことの方法がないかということは、又我々としても改めて更に検討いたしたい、必要があれば委員会を設けてでも検討する必要があるのじやないか、かように考えております。併し現在のデーターの関係、具体的に価格を決定する基準ということになりますると、果してそういう形に行き得るかどうかということになれば、結論が出ておりませんが、河かそういう点で、今後どういうふうな価格体系が必要か、又とり得るだろうかという点について検討する必要があるんじやないかと思つております。それから第二の人造米につきましては、御承知のように現在におきましては、月産約三千トン程度でございます。これがだんだん多くなつて参りますると、私どもとしても当然只今河野さんのお話のように、これは消費者家庭に提供すべきものだと考えております。ただこれを配給統制というふうな形で行うのではなくして、むしろ現在におきまする配給業者と、それからメーカーとの間の十分なる、緊密なる連絡の下に、そういう方向に流れるように指導して参りたい。現にそういうふうな方向で話合を進めたいというふうに考えておるわけでございます。それから第三点の早場米奨励金につきましては、現在のところ只今お話のように、供出が末端において遅れておるという点もないではないかと思うのです。併し現在の状況から見ますると、大体先般十日間昨年度よりも延長して参りました。又その後御承知のように天候関係も順調でございます。脱穀調製等につきましても支障もないようでございますので、私といたしましては現在の期間でやつて参りたい、かように考えておる次第でございます。
  32. 河野謙三

    河野謙三君 たとえ僅かの地区でも、今申上げた供出割当その他供出事務が遅れたために、農家の責任ではなくて、事務か遅れたために十二月十日までの早場米の奨励金の恩典にあずかれないという地区がありますならば、それは特例お考えになりますか。全く農家の責任ではない、農家は俵をちやんと作つておる、ところが農家の者が、とにかく事務がすつかりきまるまでは出さないことにしようじやないか、こういうことになつておる、そういう地区につきましては、何か特例をお考えに私は当然なるべきだと思いますが、それはどういうふうなお考えか伺いたいと思う。それから凶作係数は、これは五百円に幾らプラスされるんですか。これはもうプラスされないで頬被りですか、それともこれはプラス・アルフアー、五百円か、八百円か知らんけれども、お考えになつておりますか、これを一つ伺いたいと思う。
  33. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 第一点の早場米奨励金のことでございますが、実はこれは我々といたしましては、割当関係は成るほどそういうふうな影で遅延いたす場合もあろうかと思います。併し割当の問題は義務供出の問題と、それから超過供出の問題との、何と申しますか、区分の問題になろうかと思います。で、仮に早場米を全部出されましても、あとにおいて義務供出がきまつて参りまして、早場米の期間のうちにおきまして超過供出なつたという場合には、それはダブつて支払う考え方でおります。従いまして是非一つ調製ができたものは早場米の期間に出して頂き、又早場米の期間に出たものは超過供出を取扱わないということになりますと、只今お話のように供出事務の関係によつて、損害を受けるということにならうかと思いますが、我々といたしましては、そういうことのないように、たとえ早場米の期間に出ましても、それがあとにきまつて参りまする供出によりまして、超過供出に該当する場合におきましては、それは同時に又超過供出の取扱いもいたしたいと、かように考えておるわけでございます。そういう取扱いをいたして参りたい、かように考えております。それから減収加算額の問題につきましては、現在いろいろな考え方があるわけでございます。これにつきましては、麦の場合にも一つの考え方があつたわけでございますが、正直に申しまして麦の場合には適用されておりません。今度改めて初めて適用されるわけでございます。目下米価審議会の委員のかたがたから推薦いたして頂きました五人の小委員の下におきまして算定方式を検討いたしておるわけでございます。その算定方式の結論を得まして、実収高を決定後におきまして減収加算の額をきめて参りたい。ただこの方式につきましては非常にいろいろな問題があるわけでございます。考え方の問題もございまするし、御承知のように先ほども御指摘になりましたように、一方において本年度の作柄といたしましては、地域によりまして、又同じ地域でも土地によりまして、品種によりまして非常に作柄の状態が違うということで、アンバランスというふうな問題が非常に多く指摘されておるわけでございまして、価格政策といたしまして、このアンバランスを調整するということば非常に困難な問題があるわけでございます。そういう点からいたしまして、価格政策としての上つの限界もあるのではなかろうかと、そういういろいろな議論がございますので、ここ一、二回、一回その算定につきましての小委員会の会がございましたが、更に今後回を重ねられて一つの妥当な算定方式が得られるであろう、その算定方式の下に実収高を見て決定して頂きたいと、かように考えておるのであります。
  34. 河野謙三

    河野謙三君 小委員会において算定方式について検討されておるというのは、その検討は五百円に、更に五百円プラスするのが妥当であるのか、八百百円プラスするのが妥当、であるかという金額の検討ですか、それともアンバランスが起る、この問題を検討するのが検討ですか、それともこの本質に入つて、米のような統制品と麦のような自由販売品と、これはおのずから違うのだ、豊凶係数の理論というのはもともと自由販売の商品を対象にして初めて豊凶係数の理論が出て来るのだ、こういう説をなす人もあります。それも私は一つの理窟だと思う。そういう本質論をやつておるのですか、そういう本質論で、従つてまあちよつと釣られて五百円という豊凶係数というものを出してしぎつたけれども、あれは失敗したとか、豊凶係数という結論を出したのはまずかつたと、米は統制品だから、統制品に麦と同じような豊凶係数というものは成立たないと、こういう本質論の検討ですか、今小委員会で検討しておるのはどういう方向ですか、私はそれを教えてもらいたいと思います。
  35. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 米価審議会の小委員会におきましては、減収加算額の算定方式ということで検討されておるわけでございます。算定方式の考え方といたしまして、只今御指摘のように、これを価格保障的な、つまり数量が減れば価格が需給関係上上る、そういう意味における考えでとるか、或いは又生産費保障と申しますか、生産費を保障するという意味、或いは又粗収入を保障するという、いろいろな考え方によつて算定の方式もおのずから異なるわけでございます。併しながら本来といたしましては、算定方式の検討でございまするが、大体或る程度減収加算の意味と申しますか、意味というふうなものについても議論が亘つております。更に又その適用する場合におきまする誤差率をどの程度におくことが適当であるかというふうな点についての議論も行われておるわけであります。ただ額につきましては、まだその算定方式の問題と同時に、その額は実収高が決定いたしませんと、当然減収率がきまつて参りませんからして、額の間額についてはまだ問題になつておりません。
  36. 河野謙三

    河野謙三君 額の問題はまだ結論は出ない、まあいずれにしても幾らかのプラス・アルフアーがそこに起つておるわけです。それと予算との関係はどうなつておりますか、予算は何もそれに関係したものはないと思いますが、それはどういうことになつておりますか。
  37. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) これにつきましては、額の決定と同時に支払時期の問題も関連すると思います。従来の麦の場合におきましても、又従来の考え方におきますると、バツク・ペイ等と同様に考えられておつたわけでございます。従いまして予算との関係におきましては現在五百円以外には予算等の見返額は計上いたしておりませんが、これは支払時期とも関係いたしますが、ただ予算の面におきましては予備費等の問題もございますので、一応年度内に払うということになりますならば、予算面においての支障はないかと思います。
  38. 河野謙三

    河野謙三君 どうもあと金で、バツク・ペイの形で片付けようとされておるようですが、これはどうも私は今年の年柄は違うと思います。営農資金がないなら金をあげます。食うものがなければ米も貸してあげます、麦も貸してあげます。そうして資金の面、物の面で農家に救済の手を差伸べるべきだが、それもしないで、そうして実際農家が権利としてもらうべき米作代は、凶作係数のプラス・アルフアーの面はいずれ来年の予算に組みます。来年の夏頃になつたらきまつたら戻してあげます。こういうことは私は違うと思います。税金の問題ではそんなものではないのです。この間もこの委員会で話したが、今年は六月に予定申告をした。その予定申告は昨年の農家収入を基礎にしてやつた。その後凶作があつた、冷害があつた。そこで十一月に収入申告を農家は出した。税務署は手を上げてしまつて、そんなものを出されては困る。今までのものを出してくれ、いずれ来年になつて清算したら戻しますからと言う、そういう手は駄目だと思う。いつもの年ならいい、併し冷害のあつたのは事実だ。三割、四割という被害のあつたのは事実だ。而もその被害の調査政府がした。それでその税金も、農家の収入申告を持たずして、内払いか何かという手を大蔵省は当然とるべきだ。こういうことを言つておるが、その大蔵省と農家の間ならわかるが、農林省と農家で当然基本計画に盛られる凶作系数のプラス・アルフアーを来年度予算に組んでバツク・ペイの形で払うということはいけない。一体救農国会とか、第十八回国会は何のために開いたのか。農家に資金を困らせないように、物を困らせないようにやつている国会の最中に、当、然農家が権利ししして要求し、当然政府は義務として払うべきものとして、出て来るプラス・アルフアーを、若し今数字が出て来なければこれは内払いをすればいいじやないか、一応三百円でも、五百円でも、一遍どうせ五百円内払いをやつたんだから、今場度はもののついでに係数が五百円、八百円出て来るでしよう。だけれども取りあえず三百円でも五百円でも内払いをやるべきだと思う。それをどうも農林省が大蔵省と一緒になつて農家をいじめるような形になつたんじや、政治になりませんよ。これは来年予算に組んで、前谷さん、これはバツク・ペイのつもりでおるんでしようが、それはいけませんよ。とんでもない間違いですよ。バツク・ペイとして片付けるというならば、私たちは敢然としてこの問題は反対しなければならない。これは若しここであなたがお困りならば、委員長を通じて大臣に出席の要求を出して聞かなければならん。農家が金がなければ金を貸す、それで安くて三分五厘から四分の利子をとる。利息の付く金を農家に貸して、来年プラス・アルフアーが三百円、五百円であろうと、そういう理窟は私は通らんと思う。これは若し大臣がそういうことを考えておるならば、長官も十分そういうことを主張して下さい。そういうことをやらないから米か出て来ない。そういうことをやらないから義務供出が出て来ないのですよ。これを重ねて一つ長官から御意見を承わりたい。
  39. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げますが、私の申上げましたのは、支払時期の点につきましては、検討、決定いたしておらないわけでございまして、従来の豊凶係数の取扱い方の考え方のもとにおいては、そういうことは考えられておつたということを申上げたのであります。ただ本年度の事情においてこれはどうするかということは、これはおのずから別問題でございます。従いまして先ほども申し上げましたように、本年度内におきまして支払う場合におきましては、食料特別会計予備費がございます。その予備費を以て支払い得るという、別に予算補正をなさなくとも、予備費を以て賄い得るということを申上げたんです。で、来年度に払う場合におきましては、来年度予算が計上されることになるだろうと、こういう筋道を申上げたわけでございまして、この点は一つ御了解を願います。
  40. 河野謙三

    河野謙三君 予備費は一体幾らあるのです。それはちよつと私は計算しても、仮に五百円プラスされるとして二千万石で百億でしよう。予備費は一体幾らあるのです。
  41. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 今国会に提出いたしておりまするのは、従来予備費が百億ございましたが、それを踏襲いたしております。
  42. 河野謙三

    河野謙三君 そうしますと、仮に五百円ときまつた場合には、その予備費というものはその凶作係数のプラスだけでとんとんになつてしまいますね。一ぱい一ぱいになりますね。あと何もないということですね。その他の予備費は何もないということですね、そういう経費は可能ですか。
  43. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) これはまあ額の問題ですが、お話のように五百円ときまれば百億になると思います。ただ昨年度におきましても、食糧買入関係におきましては、昨年度二千八百万石の買入をいたしましたが、六十万石以上のものは新年度買入れておるわけでございます。従いまして、その買入の期間がいつ頃になるかということも関連して参ります。現在におきましては一般の食糧買入費として考えられまするものは、ほかには現在特に輸入食糧増加するとか、或いは国内の買入増加するとかという場合も勿論予想されるわけでございます。そういうものとの見合つての考え方かと思います。
  44. 上林忠次

    上林忠次君 人造米の話に戻しますが、私も人造米の値打は余り体験もしませんけれども、二割程度つたのを食べた経験から行きますと、却つて裸麦を入れたほうが食べやすいのじやないかというような気持もしますのでお伺いするのですが、若し裸麦が人造米以上に有効に食糧の、米の不足を補い得るならば裸麦を増産せられていいのじやないか、小麦は世界の市場の余つた小麦がたくさんあるのですから、これを入れると安いし、わざわざ日本で小麦を作らなくても大麦に変えたらどうか。そうして耕作気勢をあおる、そうして人造米の前に裸麦を作らせる、大麦を作らせるというような方策を考えたらどうなのかと思うのですが、食糧庁長官のほうでどういうふうにお考えになりますか、人造米と大麦或いは裸麦についての問題ですが。
  45. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げますが、我々も勿論麦という問題を全然考えていないということではない、むしろ麦を主体にして考えておるわけであります。先般の、この春における価格決定の場合におきましても、御承知のように小麦の買上価格の割当と、大麦、裸麦の買上価格の割当とは相当の開きを持たしております。そのほかに麦の増産としてはいろいろの又技術的な問題があろうと思います。大麦、裸麦の増産ということについては我々としても十分に考えておるし、又それを阻害するという考え方ではないわけであります。それを主体にいたしまして、更に嗜好上米の形のものを欲しいという補完的な意味におきましての人造米は、あながちこれを否定するわけには行かないというふうに考えておりますので、これを以て麦と代えるというふうな考え方ではないわけであります。
  46. 上林忠次

    上林忠次君 それでは来年は大麦、裸麦を相当増産するようなお考えで方策をを講じられるというようなことを考えておられますか、大麦の増産、裸麦の増産……。
  47. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げますが、御承知のように日本の現在におきまして、面積といたしまして麦と競合いたしますのは「なたね」の関係でございますが、「なたね」もだんだんに安定いたして参りましたし、麦の生産も、まあ小麦減少傾向でありまするが、大麦、裸麦については価格は維持乃至面積は殖えております。面積関係は全体的には全国土の中においてどういうものを作るかとい問題があるのです。ですからそういう意味におきまして、面積関係でこれを急激に増加することは困難です。技術的な面で、又その他のいろいろな面において増産は関係当局として、直接私はやつ薫呈せんから、十分いろいろ指導しておるはずでございます。
  48. 上林忠次

    上林忠次君 私人造米の問題を、これは澱粉のよい消費の分野としてこれは歓迎すべきものではあると思いますが、澱粉に加えて小麦の粉も使うし、米の粉も使うということになるならば、それよりももつとうまいであろうはずの、はずにはならないかも知れませんが、私はうまいと思うのですが、大麦、裸麦、先ず大麦を増産しろ、そういうような方策を講ぜなくちやいかんのじやないか、来年の麦の増産方策に対しては裸麦、大麦を主体とするというようなところまで行かなければならんのじやないかという気がするのですが、これは私の意見だけです。附加えておきます。
  49. 白井勇

    白井勇君 消費者米価が仮にこの際実施をされますと、ほかの押麦を安くしますとか、「うどん」の盛りが小さくならんとか、パンの品質がよくなるというような対策を持つておられるのですか。
  50. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げますが、この消費者価格は一応家計で消化し得る範囲のものだと考えております。一方麦におきましては、先ほど申しましたように、大麦につきましては約二十三万トンほどの年度内の輸入増加をいたしたい。それから小麦につきましても四十万トン程度増加をいたしたい。現在小麦等につきましては、載る種の割当の売却方法をとつておりましたが、形式的には割当方法をとつておりますけれども、大体工場の能力の限度におきましては、我々として政府と玄麦を払下げるという気持を持つておるのであります。量的に相当原料を放出することによつて安定をさせたい、現に我々多少品種的に或いは地方的には高低がありまするけれども、大体現在の小麦価格は安定しておるのではないか、こういうふうに考えております。精麦につきましても政府払下価格を厳守いたしたい、そうして東京都におきましては十キロ五百円でございますか、で以て標準店式な形で価格の安定を図つておるというような形におきまして、そういう指定された店舗に対しましては、政府の委託加工によりまして製品を保証するというような考え方をとつております。現在その方法をとつておりますのは東京と神奈川と北海道でございます。なお多少ほかの府県にも希望がございますので、そういう場合には更に委託加工を殖やしまして、それによつてそういう善良なと申しますか、正規のマージンによつて販売するものに対しては原料の裏付をして参りたい、そういうことによつて価格の安定を図つて参りたい、こういうふうに考えております。
  51. 白井勇

    白井勇君 そうしますと、重ねてお伺いしますが、仮に米の消費者価格というものを上げざるを得ないという羽目になりましても、ほかの麦類の、押麦でありますとか、或いは「うどん」であるとか、ハンというものについては品質を下げたり、或いは大きさを小さくするというようなことなしに、少くとも現状の形で維持して行くだけの食糧庁長官としては確信を持つておられますか。
  52. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 我々としては原料価格についてはそういうふうにいたしたい、又そういうことができると確信を持つております。ただお説のように加工品の第二次加工品になりますると、その加工の方法によつて相当違うわけです。これは組合を通じてできるだけそういう指導をして参るということにいたしておるわけでございまして、現在麺類につきましては、御承知のようにほかの、種物の関係なんかで影響することがございますが、普通のそれだけのものについては従来の価格を守らしておるのであります。
  53. 白井勇

    白井勇君 そうしますと、食糧庁食糧政策というものは、原料確保の面においては現状価格を守つて行けるけれども、それがどういうふうに加工され、どういうふうに配給されて消費者大衆に値段が如何に渡されようが、これはかまつたことじやないということですか、どこまでも私たちお尋ねしたいことは、仮定の問題ではなしに、実際最後の消費者の口に入ります場合、現在の少くとも麦の価格なり、ハンなり、「うどん」の価格というものを現在よりも上げない確信があるかどうかという見通しなんです。
  54. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げますが、我々勿論原料価格を通じまして、最終の製品価格のコントロールと申しますか、指導をやつておるわけでございます。従いまして原料面から来る値上りということは、これは抑えたい、又抑え得ると思つております。ただ御承知のように加工品になりますると、労賃の問題もございますし、その他の問題もございますので、これは一つの水準といたしまして是非上げないようにしたい。ただそこには非常にいろいろな他の要素がございます。その他の要素を完全にコントロールするというわけにも行かない場合もあると思います。少くとも原料面を通じてのコントロールはやつて行きたい、かように考えております。
  55. 白井勇

    白井勇君 昨日総理大臣は珍らしく粉を食わせる、そして食生活改善をして、それによつて災いを転じて福となすという大方針を明示されたわけですが、あれの具体化をしますものは、これは大部分の現業というものは食糧庁にあろうと考えるのですが、それに対しまして今進んでおります具体案はどういうことを考えておられますか。
  56. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 我々といたしましては、御承知のように全体の主食といたしましては米が半分、麦が半分ということが日本の現在の需給の状態からいたしましては、これは又当然だろうと思います。従来米に執着いたして半分の米を更により以上にするというところに無理があつたのじやないか。こういう際でございますので、まあ大いに粉食も指導をして行きたい。ただ具体的に、それじや粉食の指導についてどういう具体策を考えているか、これにつきましてはいろいろの問題がございますが、現在とつておりまするのは、先ほど申しましたように原料面でのコントロールを考えてております。それからもう一つは今度の、先般成立いたしました予算におきましても、農村に対する粉食普及という意味で製パン、製麺の施設の補助ということが凶作対策の一環として行われております。同時に従来からございますように、生活普及員の配置転換その他の活動促進によりまして、農村に対する粉食の普及ということを考えているわけでございます。又一方におきまして、学校給食の点は従来通りにこれを実施して参りたい。そのほかに細かいものとしていろいろ展示会その他のものがございますが、そういうような大筋の問題があるわけでございます。その他の副食品につきましては、まあいろいろ関係局のほうにおきましてもやつているわけでございますが、これはまあ従来の、特にどうするという新らしい方向ではございませんが、そういう全体的な形において進んで参りたい、かように考えております。
  57. 白井勇

    白井勇君 これは私の意見になりますけれども、私はやはりないから食えないという政策よりも、やはり食生活というものは改善して行つて、自然に米に頼らなくてもほかのもので間に合つて行くというような方向に指導いたしますれば、ただ原料によつて、例えば食糧操作をいたしますだけじやなしに、自然そういう面からおのずと私は価格も上げずにやれるんじやないかというような感じをいたしまするし、大臣が言われる以上は、これは大いにこれから食糧庁としまして、もう少し積極的にあの面に立入つてもいいのじやないかと私は考えております。細かい問題ですがここにあります中間経費ですね。これは今年は一三・四を占めるということになつておりますが、従来から見ますと、これは上つておりますかどうか。それから従来から見まして増減があるのだとしますれば、そのうちの例えば事務費が上るとか、或いはロスが減つておるとか、いろいろな問題があると思いますが、主なところはどういうところから来ておりますか。
  58. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) この一二・四、これはもう少し私調べなければなりませんがこれは確かに間遠いで、一四・三じやなかろうかと思います。あとで調べて御訂正申上げます。従来の関係におきますると一四・二とか、或いは一四・六とかいうように、大体一四%程度であります。従いまして、その割合においては変つておりません。ただこのうちの政府経費におきまして殖えておりますのは、従来集荷手数料は昨年度におきましては、特別集荷制度との関係生産者価格の中に入つておりますのが、本年度は特別集荷制度が変りましたために、こちらに政府経費として戻つて参つたという関係がございます。そのほかに運賃、保管料等が殖えております。事務費はむしろこれは配分の関係におきまして、内地食糧が減少した関係上、負担割合が減少して参るという形で事務費のほうは減つておると思います。
  59. 森田豊壽

    森田豊壽君 大分遅くなつて質問をするわけですが、私は供出の問題につきまして、この際に供出をやめたらどうか、少し極端な論で、先ほど来の質問とは遠くく離れておるようですが、一体供出を廃するということにつきまして、どういう点で供出制度を廃することができないか、その理由を一つ詳細に承わりたい。凶作の問題がやかましく臨時国会で、取上げられておりまするが、一体凶作係数なんというものを出すことは、実際の凶作の農家が、要するに米のとれなかつた農家があんな凶作係数をもらう人は一人もない。むしろ凶作を食わない人が、出しておる人が、あの凶作係数の、先ほど来バツク・ペーだとか、いろいろな問題がありますが、五百円なり八百円なり知りませんが、それをもらうのでありまして凶作を受けた人は何も恩典はこうむつておらない。これらは非常な食糧増産を狙つての食糧政策として考えたら随が矛盾したことではないかと先ず第一番に考えられるのであります。あれやこれやを考えました場合に、或いは配給面におきまして、配給の行詰り、供出の行き詰り等、いろいろの問題を考えました場合におきまして、一体供出制度を何故に廃することができないかという問題は、ここに根本的に伺つておかなければならんと思う。是非そういリ点を先ず第一番に詳細に承わりたい。
  60. 前谷重夫

    政府委量(前谷重夫君) お答え申上ります。現在の主食の需給におきましては、米の消費量と申しますか、戦前におきましては殆んど米で以て三十日長つておつたわけでございますが、現在は十五日ということになつておるわけでございます。先ほども白井委員からお話ございましたように、全体的な需給の面におきまして、米麦合せての需給は或いは安定しておるかと思いますが、米のみの需給ということになりますると、これは現在の状態におきまする嗜好状態からいたしますと、やはり相当の闇価格が現出いたしておるという事情からいたしますと、これは相当米に対する需要がまだあるということを言わなければならないのではないかと思うのであります。これは場合におきまして、政府といたしましては、麦と同じように間接統制で以てその価格を安定する自信があります場合におきましては、当然そういう方向に行かなければならんと思います。そのためには政府が買上げまして配給いたしまするもののほかに、相当数量の予備のストックを持つて、そうしてそのストツクの操作によつて必要な場合には高騰を抑えるということがあつて、初めて間接統制というものが成立つのではなかろうかと思う。これが食生活なり、食嗜好が安定いたしまして、米も麦も同様に日本人の食習慣になりまして、いずれにも変り得るという場合におきましては、麦との代替性を考慮して、麦で大体抑え得る場合も考えられるかと思いますが、現状におきましては、まだ麦で以て米を抑え得るということは困難でございます。と申しますのは、麦の間接統制の場合、直接統制を廃止いたしまして関接管理いたします場合におきましても御議論がございましたように、小麦、粉、大麦、裸の代替性すら非常にむずかしいじやないか、こういう議論がございましたし、又現実に昨年一年の状況を考えますると、小麦の動きと、粒食でございまする裸、大麦の動きとが違つておる。又裸、大麦で以て米を調整すると申しますすか、抑制して参るという点につきましても、まだまだ今の状態においては困難な点があるのでございます。従いまして、間接統制を以てして政府といたしましては十分に価格の安定を期し得られるまでは、何らかの消費者に対するまあ最低限度の公平な配給と申しますか、そういうことが必要ではなかろうかと、まあかように考えておるわけです。従いまして、その場合において供出制度によつて米を集めるか、他の方法て集めるかという方法論の問題題になろうかと思います。で、現在におきましては、やはり消費者価格との関係におきまして一定の価格で以て集める場合にまあ供出制度をとつておる。これに代る他の十分消費者に配給し得るだけの米を集める方法というものについては非常にむずかしい問題があると思います。この点については、そういう方法があれば我々もそれを十分検討しなければならないかと思います。まあそういう考え方はなかなかむずかしいものでございまするから、そういう意味におきまして、まだ間接統制に入るのには時期が早いのではなかろうかということを先ほど申上げたわけであります。
  61. 森田豊壽

    森田豊壽君 ちよつと質問ですが……。
  62. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) 大分長時間の質問であれば次回に譲りたいと思いますが。
  63. 森田豊壽

    森田豊壽君 簡単です。極喜く簡単です。米で以てやるためには、米をみんなに食わせるためには、米のほうは供出で統制して置かなければならんというお話があつたのでありますが、米が不足だとすれば、現在九十万トンですか、あれを百六十万トンの買入にいつの間にかくるつと引つくり返つて外米をうんと持つて来た。まあ外米も米である。この外米を持つて来てこれに充てようということもあるが、早く言えば、国際米価格によりまして、それでやつて行こうというような考え方も、輸入する以上はそういう考え方もだんだん出て来るようにも思うのでありますが、一体余分なことのようですが、簡単に申上げますと、義務供出超過供出、現在この表あたりを見ておりまするというと、義務供出超過供出というのはどこからどこまでがそうだかわからない。これは本当は全部がみんな超過供出にしまいにはなつてしまうのじやないか、まあ極端なることを言いますれば……。それを無理に各府県に割当てまして、無理な供出をしているということが実態であると思うのであります。随分供出に対しましてはお骨折りになつておることは重々承知しておりますが、こんな無理をしなくても、麦と同じように米をやつぱり買上をなすつたならばどうか、間接統制とおつしやいますけれども、できればと言いますが、買上ということがいいんじやないか。私はむしろ需給係数によりまして、すべての米価がきまるべきものであつて、豊凶係数なんということを謳つておることは、若しうんととれたときにはそれだけ安くするのかという議論も立つと思うのであります。余り議論的には私は言いたくないのでありますが、一体の豊凶係数なんというものでやつていないで、実際において需給係数ということが最も価格を決冠するのに重要な係数でなければならん。而も自由経済下におきますところの関係から言えば、それが主でなくてはならない。麦と米とどれだけの開きをおくかということは、麦のほうは自由である。而も米のほうは統制されている。政府がきめる場合には別でありますが、自由である麦に対しましては、これが相当高くなつておりますことは、この需給関係が非常に強い。需要者が多いということにも相成るわけでありまして、そういつた係数で行くべきではなかろうかとも思うのでありますが、そういう点から行きますれば、自然とそこには米の買上価格というものは決定しやすいので、今までのように供出に対しまする莫大なる費用を使いまして、而も国民に好まれずそれが食糧増産に支障を来たしておるに至りましては、この供出制度こそ今日よほど考えるべき問題ではなかろうかと、こう思うのであります。要は、食糧を増産するのが目的でなくてはならんので、ただ米がとれなかつたから、何とかして出してもらつて、それで間に合わせるというならば、外国の食糧はたくさんあるのでありますから、それを持つて来て賄うということも今日ではできないことではないと言えるのであります。従いまして、この問題は私はこの供出制度というものを根本的に今の御説明のような程度でなく、もう少し米というものから、すべての食糧を総合的に見ましてこれを考えたならば、今日供出制度を廃することができないとは誰が断言することができましようか、こう私は考えるのであります。この点につきまして、外す気がないということであれば、それまでありまするけれども、これはよほど一つお考えを願わなければならんじやないかと思うのであります。この点に対しまして、先ほどそれだけの準備ができておらないから、間接的な問題ができておらないから、間接的な品物を以てそれで調節することができない。間接調整ができないから、従つてお米を供出させられるというように私は伺いましたが、この点につきましては、私はそう考えますが、外米をうんと入れたならば、それはできるじやないか、間接調整ができるじやないかと思いますが、その点は如何ですか。
  64. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 現在の需給計画につきましては別の機会に申上げます。百六十万トンの輸入によりまして、そうして十五日配給が維持できるという建前になつております。これは入つて参りましたものをやはり右から左に使うということであります。私が申上げましたのは、だんだんに間接統制に移りますには、それに相応した準備が要ります。それには例えば外国から輸入いたしまするにいたしましても、先般の水害のような場合を想起いたしますると、政府が相当の手持食糧を持たなければこれはできないことは御承知通りだと思います。現在の政府の需結状況からいたしますと、古米の持越は年度末においては殆んどないという状態なんであります。従いまして相当数量の古米の持越米があつて、そうして外国から輸入する場合には、やはり二カ月なり、三カ月なりの期間が必要でございますから、いつでも輸入し得る条件がありといたしましても、それだけの期間を支えるだけの手持量というものは必要なんでございます。まだ現在の国際情勢からいたしまして、そういうふうにいつでも如何なるものも自由に米について入手し得るという状態ではございません。そういう点、外貨の点等もございまするが、やはりそういう意味におきまして、米がやはりこれが一番食生活の中心でございますので、これについては慎重を期さなければなりません。やはり準備を十分にしなければならんというふうな段階でございます。
  65. 上林忠次

    上林忠次君 現在の情勢と反対の御意見が出ておりますが、大体米に余り執着し過ぎておる。国民も米に執着しておるし、為政者も米というものを余り重く見過ぎるじやないか、私は米の統制を廃して、反対に麦を統制する、元へ返して、そうして麦の値段をうんと下げて、米に対するような消費者価格をぐつと二重にして、麦ならいくらでも食える、粉食ならば安くやつて行ける、粉食ならば安い値段で上等の副食物を食つて、これでやつて行けるじやないか、アメリカあたり麦があるのですから、世界市場にあるのですから、これで賄つて行くということが又粉食を奨励する一つの方法じやないか、極端な意見かも知れませんが、そういうことも考えられるじやないかと思うのですが、御参考に申上げておきます。
  66. 河野謙三

    河野謙三君 資料要求、それからこの食糧問題は十八国会の中で一番大きな問題でありますから、私は農林委員会の中に食糧問題小委員会を作つて、もう少し掘り下げて私は検討する機会を与えて頂きたい。これを委員長から各委員のほうにお諮り願いたい、かように思います。  それから資料要求は、中間経費に関することでありますが、先ず集荷手数料の明細をもらいたいと思います。特にこの場合に全販連が幾ら、県連が幾ら、単位農協が幾らといつているか。私はなぜこういうことを要求するかというと、私が知つている範囲では、全販連は集荷数量が減つているにもかかわらず本年の全販連の予算というものは、収入手数料というものは、昨年の七億に対して本年は八億になつていると聞いております。こういうような農民と苦楽を共にするところの全販連が若しそうであれば、これは大変な問題だと思う。そういうふうな意味合から、集荷手数料の各段階別の手数料の明細をもらいたいと思います。それからこの間官房長に要求しておいたのですが、未だに出ませんから、取りあえずほかの局は別として、食糧庁の外郭団体と申しますか、あなたのほうの、私が品を悪く言えばあぶら虫的機関であるところの食糧庁附属の各協会の名前並びに収入、手数料並びにその協会の性格、これを一つ至急に明後日の委員会までに御提出頂きたい。かように思います。私はこの協会名につきましては大体承知しておりますけれども、特にそれを長官のほうで……最近又人造米協会というのが出ておりますが、そういうものも加えて食糧庁附随の協会並びに手数料の正確なものを、これを一つ御提出願いたいと思います。
  67. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  68. 片柳眞吉

    委員長片柳眞吉君) では速記を始めて下さい。  先ほど河野委員から小委員会設置の御動議がありましたが懇談の結果、小委員会は設定いたしませんで、むしろ当委員会で全面的、根本的に検討するということにお話が付きましたので、そういうことで御了解を願いたいと思います。  なお食糧政策のうち、米価問題だけは今回の予算とも関係ありまするから、当臨時国会においては、その問題に主として限定いたしまして、一般の他の全体の問題は通常国会において審議をいたしたいということで御了解を願いたいと思います。本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十二分散会