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1953-12-04 第18回国会 衆議院 通商産業委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十二月四日(金曜日)     午前十時四十六分開議  出席委員    委員長 大西 禎夫君    理事 小平 久雄君 理事 中村 幸八君    理事 福田  一君 理事 山手 滿男君    理事 永井勝次郎君 理事 伊藤卯四郎君       小川 平二君    小金 義照君       笹本 一雄君    長谷川四郎君       加藤 清二君    齋木 重一君       帆足  計君    中崎  敏君       山口シヅエ君  出席政府委員         通商産業政務次         官       古池 信三君  委員外出席者         通商産業事務官         (大臣官房長) 岩武 照彦君         通商産業事務官         (通商局次長) 松尾泰一郎君         通商産業事務官         (繊維局長)  吉岡千代三君         通商産業事務官         (公益事業局         長)      中島 征帆君         通商産業事務官         (中小企業庁振         興部長)    石井由太郎君         専  門  員 谷崎  明君         専  門  員 越田 清七君     ————————————— 本日の会議に付した事件  参考人招致に関する件  電気事業に関する件     —————————————
  2. 大西禎夫

    大西委員長 これより会議を開きます。  本日はまず電気事業に関する件について調査を進めます。  まず政府より最近の電力事情及び料金問題等について御説明を願います。
  3. 中島征帆

    中島説明員 ただいまお手元に二つ資料を配付してございますが、当委員会からいま一つ、将来の需給関係及び開発の進捗状況につきましての資料の御要求があつたのでございますが、これは目下印刷中でございまして、ただいま間に合いませんので、この二つのものにつきまして、資料の内容を簡単に御説明申し上げます。  一つ電気事業二十八年度需給並びに原価関係資料でございますが、この中に需給計画収支関係数字がございます。  まず第一の表が二十八年度電力需給計画でございまして、これは今年の四月に決定いたしまして、現在この計画基礎にして進めておるわけであります。第一ページの左半分が全国計ということになつておりまして、これが全体の総括した数字でございます。これによりますと、ここに二十八年度計画と二十七年度計画と、それから二十七年度の暦年の実績と、その次に比率が載つてございますが、この比率のところをごらんくださいますと、前年度に比べて今年がどういう程度の増で計画されているかということがわかるのであります。なお供給力というのが今国計のちようど中ほどにありますが、下の方にA/B一〇七、A/C一〇一となつておりまして、本年度計画を昨年度計画に比べると七%ふえておる。昨年度実績に比べると、本年度が異常な豊水であつたために、一%の増ということになつております。  それからロス率を引きましな残りの需用端供給量というのが次の欄に出て参ります。需用の方についてはその次の下の半分になるわけでございますが、たとえば上から七、八行目に電灯の欄の計というのがあります。このパーセンテージの欄に一〇八ないし一〇三とございますが、要するに電灯需用としては、昨年度よりは計画上は八%通旧であり、昨年度実績よりは二%増で計画されているということてあります。  下から三行目の特別六日電力でございますが、そのパーセンテージが一〇三、一〇四となつておりまして、いずれも四%ないし三%の増で計価しておるわけであります。  この特別大口電力の二十八年度計画の一番左の数字でございますが、百二十五億四千三百七十万という数字がございますが、この中の一部がいわゆる標準電力量として割当の対象となるものでございます。以下はこれは各社別なつておりまして、大体同趣旨で細分したわけでございます。  四、五枚目に昭和二十八年度特別六日電力配当計画というのがございますが、これは先ほど申しました特別大口配当計画でございまして、初めの表には百二十五億幾らとありましたが、ここでは総計の一番下の右の欄にございますが、全体のうちで標準電力量として割当てる数字を百二十三億、こういうように決定したわけであります。これは昨年度実績その他本年度需用等を勘案いたしまして、ここにありますように公平に配当をした、こういうことであります。  それから次は原価関係になりますが、七ページでございます。総括原価地域差比較表でありますが、これはいずれも現行料金基礎なつております数字でありまして、上から二行目に決定料金単価というものがございます。これの一番右に全国計四円七十三銭九厘とございますが、これが現在電力料金基礎なつております全国総括原価でございます。これをかりに地域別に見ますと、中ほどに北陸の欄で、二円三十五銭六厘とございます。それから一つ置きまして、中国というところに六円六十八銭五厘とあります。この二つ数字が要するに各地原価を裸で見まして、最高最低になるわけであります。つまり北陸では二円三十五銭六厘ででき上り、中国発電原価が六円六十八銭五厘になる、こういう各地別原価がこの欄でおわかりになるということであります。これに水火力調整金を添計いたしまして、若干この数字がかわるわけであります。  それからその表の下の方には、実際の全体の総合的な金額が書いてございまして、今の単価でなく、全体の総額が下の四、五行ほどに書いてございますが、それはそのままごらんなつていただけばけつこうだと思います。  それからその次の八ページでございいますが、いわゆる水火力調整金でございます。一定の算式によりまして、水力調整金各社ごとに出し、さらに火力調整金をもらう、こういうことになるわけであります。右から三行目の調整差額というのがございますが、これが結局やりとりをしまして、結果においてもらうか、あるいは払いになるかという最後数字でございますが、たとえば一番上の北海道でございますが、北海道水力調整金総額一億四千八百万円ほど出す。それから火力調整金といたしましては、六億七千五百万円をもらうことになる。結局それを差引きまして、結果において四億二千六百万円ほどの受取りになる、こういう数字でございます。従つて調整差額の欄をずつとこらんなつていただきますと、北海道がもらう分になる、以下東北東京中部北陸、いずれも出し分になる、あと関西以下が全部もらう、こういうかつこうになりまして、それぞれの出し入れの数字がこの欄にありますよう数字になるわけでございます。  その次のページでありますが、これは現在の総括原価費目別に見たものであります。これの詳細の説明は省略いたしますが、要するに全体といたしまして、右下の欄にございますように、総括原価千四百四十七億七千五百万円というのが現在の料金原価として想定されております一箇月分の総原価でございます。  それからその次の表が、昭和二十七年度収支実績でございます。これによりますと、二十七年度におきましては、合計におきまして、一番右の欄の下から八行目にございますが、三十八億二百万円、これだけが二十七年度としてはプラスであつたという結果でございます。  それから次に二十八年度収支予想がその次のページにございます。これは当初本年度需給計画を策定いたしましたときに、それに対応して収支がどうなるかということを想定いたした数字でございますが、年間百八億の赤字が出るということを申しましたときの基礎数字でございます。百八億のかわりにここでは百九億になつておりますが、これらを合計欄ごらんなつていただきたいのであります。一番上の収入のところの合計千七百七十四億、これに対しまして支出が下から六行目ですが、千八百八十三億六千百万円、結局におきましてその差額百九億千二百万円というものが年間赤字になる。その中で上期においては八億八千万円のマイナスであり、下期に百億三千万円ほどのマイナスになる、こういう想定が一応出たわけであります。  それから次の表が今年の上期の実績でございます。ただいまの想定によりまして、上期八億八千万円の赤字が出るという予想をいたしましたのに対しまして、上期の出水が非常に好調であり、約一割五分の豊水であつたために非常に経理状況が好転いたしまして、その結果この右下数字にございますように、マイナス八億のかわりに、二十五億四千九百万円ほどのプラスなつた、こういう結果になつております。これにはまた若干のこのほかの含みもございますが、この二十五億の中から配当金等は差引かれるわけでございます。さようにして上期は各社ともいずれもプラスでありまして、下期にこのようなかつこうになるかどうかということは今後の問題でございます。  大体これが表の説明でございますが、その次に今後の問題の一つ資料といたしまして、新しい発電所原価想定をいたしております。新規発電所水力にしても火力にしても、現在のものと違つた形になりますので、特に水力においてはどういうふうになるかという点をいろいろな想定のもとに計算をいたしたわけでございます。その想定はここへ文句で書いてございますので、説明は省略いたしますが、表によつてごらんいただきますと、十五ページの表にございますように、新規水力発電所原価はここで見ますと、キロワツト当り二円九十一銭二厘、この表の中ほどの一番下のところにございますが、二円九十一銭二厘というのが発電原価でございます。こういう推定になります。現在の姿では発電原価は幾らかと申しますと、ちようど一円五銭ということになつております。一円五銭にこれを対応せしめるためには、このほかにさらに一般管理費として二十一銭四厘をプラスしなければなりませんので、この二円九十一銭二厘が三円十二銭六厘になります。従つて現在の一円五銭の水力発電原価は、新しいものに対しては三円十二銭六厘、約三倍になる、こういうふうな推定になるわけであります。これにはいろいろな条件がございまして、将来金利あるいは租税等につきまして減免等が行われました場合には、当然この数字はかわつて来るわけでございます。それから火力発電所原価が次にございますが、これも同様の推定のもとに行つておりますが、特にこれからつくります新しい発電所でありますので、現在の平均火力発電所稼働率に比べて、稼働率は一層向上する、こういう想定のもとに計算をいたしております。つまり新規のものにつきましては、比較的有利に原価計算をしたということをあらかじめ御了承願いたいのでありますが、これによりますと、火力発電所の場合におきましては、新規のものは六円二十五銭八厘、これに先ほどの一般管理費を加えますと、火力の場合は十八銭六厘でありますから、六円四十四銭四厘になります。これは現行火力発電所発電原価七円二十六銭に比べますと若干の値下りになる、こういうことになるわけであります。それから一番最後に掲げてあります表は、これは最新鋭の火力発電所でございまして、これによりますと、今の六円何がしというものが五円六十四銭になり、さらに安くなるというわけであります。  この場合に特に御注意願いたいのは、水力発電所の場合におきましては、原価の構成上のパーセンテージが一番右の欄に掲げてございますが、要するに原価のうちで九三%が間接費でありまして、しかも全体の五七・六%というものが金利に食われておる、こういうことであります、それから火力の場合はそれが逆になつておりまして、間接費は三割一分であつて、実際の運転費としての石炭費が六割一分である、こういうふうな姿がここに出ておるわけであります。  それから次にいま一つ資料でございますが、これは最近の需給関係見通し並びに最近の実績の表でございます。第一ページ昭和二十八年四月以降の出水率があげてございますが、四月から九月までの上期におきまして一割四分九厘の豊水であつたということがこの表でわかるわけでございます。ところが十月、十一月、下期に入りまして非常に状況が悪くなりまして、十月におきましては、右から二行目の一番下にありますように、全国平均では六・一%の農水に落ち、さらに十一月においては月平均で九二%、要するにマイナス八%という出水率であつた、こういうことになるわけであります。  それからその次は石炭の表でございますが、実際の受入、消費、貯炭数字をあげてございます。上期におきましては、百四十三万七千九百トンという貯炭を期末に持つという当初の計画に対しまして、実際は百五十三万七千トン持つた、これだけ貯炭が増加したということになるわけであります。それから次の十月の表並びに十一月の表も同様なかつこうでつくつておりますので、これは説明を省略いたします。  その次に昭和二十八年度下期電力需給の見透しというのがございますが、これは問題でございます。ここに文章で説明がしてございますが、要するに上期におきましては一五%の豊水であり、それだけ水力発電は増加いたしました。それに対応いたしまして火力の方は若干落ちまして、実際の火力発電実績計画に対して八六%であつた。それから貯水池計画以上に水位が上まわつておる、こういう状況で下期に入つたわけでございます。ところが下期におきましては、上期における需用増加というものが予想以上にふえまして、そのために下期の需用も当然ふえるということを想定しなければならぬわけであります。それが一方におきましては当初の予定以上に発電量そのものを増す。これは貯水池関係もございますけれども、新しく運転に入る発電所が、当初の予定よりか繰上げられたものが比較的多い。そういうふうな関係から、下期の発電量というものが予定よりかふえる面がある。この二つ数字プラスマイナスするわけでございますが、説明の2の中ほどに書いてございますように、結局において、水害によるマイナスもございますが、そういうものをプラスマイナスいたしまして、当初計画に比べて二・五%が供給力としてふえる、こういう見通しになるわけでございます。これに対して需用の増というものを考えますと、需用増が約五%ございますから、その需用の増を考えまして、そして下期の全体の需用供給のバランスをとりますと、下期平水であつた場合には全国平均で約六%の不定になる、こういうふうな予想になるわけであります。これは全国平均でありまして、地区によつて非常に事情が違うわけでございますが、特に中部あるいは関東地域需給面で最も苦しい状況にある。現在中部関東におきましてはある程度の自主的な制限を行つております。十二月に入りますと水もだんだん減る一方でございますので、この調子で参りますと近く法的制限をしなければならぬかというよう段階にまで近づいておりますが、幸いにして昨日あたり若干降雨がございましたので、しばらく持つておるわけでありますが、現在のところ特に関東から中部につきましては需給状況が非常に苦しくなりつつある状況でございます。  表の方はそういうよう資料でございますが、第一表昭和二十八年度下期無制限需用増加率表、一番右の下にあります一〇五%、五%というのが当初の計画に対して需用がふえたわけであります。この内訳を見ますと、特別大口全国の欄で七%増、一般需用が四%増、この平均が五%ということになるわけです。一般需用というのはその上にあります駐留軍電灯電力という三つの欄の計でありまして、この表はわかりにくいのでありますが、その内訳として、たとえば上から二行目の電灯は二%増である。その他の電力大口から小口に至るまで、特殊需用を除く電力が六%増、こういうふうになつておりまして、若干のでこぼこはございますが、要するに全国で五%ふえたというので、この内訳はどの需用比較的一様に伸びている、特に産業方面についての伸びは割合多いということが言えると思うのでございます。  次の表は、下期の電力量最大電力とがどう不足するかという比較の表でございます。上の半分が量としての不足、下の半分が最大電力としての不足であります。量としての不足に対しましては、平水の場合と渇水の場合と二つ想定がございます。渇水も一〇%、二〇%二つ予定しております。おそらく二〇%の渇水は起らないと思いますが、一〇%くらいの渇水はすでに十一月あたりでも経験いたしておりますので、この辺の状況になるということも場合吉によつては考えられる。その場合におきましては全体として九・五%の不足になる、こういうわけであります。但しこれは昨年度に比べますとまだということになります。それから括孤内が昨年度、それから最大電力におきましては、全国平均というものは意味がございませんので出してございませんが、東京が一番苦しい。たとえば東京の欄で十二月におきましては一三・二%の下足、一月は一七%の不足であり、二月がピークとして一九・四%の不足を来しておる、こういうふうなことであります。それからあと中部東北関西等につきましては、電力としての不足が割合に多いということになつております。  それから一番下の欄は下期の制限段階想定でございまして、これは十一月の二十日に制限告示を出しておりますが、その告示によりまして、各地区別制限をする場合にはどういう段階になるかという、その段階の表を地区別にわけたものでございまして、これは特別の意味はございません。今後の需給状況あるいは水の状況等によりまして、こういうふうな段階が適用されるというわけであります。実績とは関係がないのであります。  大体以上のよう数字でございますが、要するに本年度のこれからの出水率いかんによりまして左右されるわけでございますけれども、すでに冬分におきまして大きな水が出るということは期待できませんので、だんだん苦しくなつて来る。従つてある時期に至ればまた遺憾ながら昨年度と同様の法的制限もやらざるを得ないことになるのではないかというふうに考えております。むろんことしにおきましても石炭の手当は十分であり、また火力発電所も最渇水時におきましてはフルに運転する計画をとつておりますが、予想以上に需用が伸びておりますために、必ずしも昨年度に比べて特別な好転を見なかつたという点をはなはだ残念に考えておる次第であります。
  4. 大西禎夫

    大西委員長 以上をもちまして政府説明は終了いたしました。質疑の通告がありますからこれを許します。帆足計君。
  5. 帆足計

    帆足委員 ただいま電力事情状況を承りましたが、実は一昨日御質問いたしました中国への硫安輸出のことと電力割当が連関がございますので、せつかく公益事業局長中島さんもお見えになつておりますからお耳に入れまして、来年春の電力需給につきまして格別の御配慮を願いたいと存じます。  輸出状況は、ますます国際的に過剰生産の傾向がありまして、特に今後通産当局の御考慮を煩わし、特に審議庁あたりで思料をいただきたいと存じますことは、アメリカでは鉄鍋年産額が一億二千万トンにも達しているといわれておりまして、それが軍需のみに使われておるかと申しますと、案外軍需の分は少くて、自動車工場の拡張とか、東部海岸における鉄鋼設備の増設などに使われておりまして、また非常な勢いで重工業の方が伸びておる状況でございます。一億二千万トンの鉄というと、もう人類史上いまだかつて見ざるところでございまして、アメリカは朝鮮の出血くらいではとてもびくともせず、火星にでも宣戦布告しなければ鉄の過剰生産はまず解決がつかぬのでなかろうかと、ある批評家が皮肉に言うているくらいの巨大な額に達しておりますので、早晩公式的な、いわゆる一九二九年刑の恐慌でなくても、相当深刻な恐慌ないしは不況が来るのではないかということを私どもおそれておるのでございます。そういう戦後の復興期を過ぎまして、安定期から不安期に今入ろうとしておる状況でございますので、今後の世界景気の変動及び輸出の前途については、ひとつ国をあげての対策が必要であろうと存じます。なおかつ間際市場は狭隆になり、諸国の競争は激甚であり、また日本国内的にインフレの脅威にさらされまして、諸物価は依然として高騰の状況でございますので、これはもう党派を離れてよく話し合つて相当根本に触れた対策を講じなければ、来年度非常事態ではなかろうかと憂慮されるのでございます。こういうときに中国との貿易が多少なりとも開けたのでございますから、行政当局としては、これを単に趣味の問題かさしみのつまのようにお考えにならずに、やはり新市場の開拓の一環として、相当重要な課題として与党野党の別なく、御配慮願いたいのでございます。中国貿易が過去のように三割にならずとも、せめて一割程度でも維持することができましたならば、よほど日本国際収支に寄与するわけでございますから、今日すでに中国から多数の発注が来ておりますのが、むざむざキヤンセルになまして、西ヨーロツパ諸国にとられてしまうというようなことのないおうに——外務大臣の岡崎さんですら、自由諸国との協調の許す限度で貿易振興一環としてこれに協力せねばならぬと言われているよう状況でございますから、どうか通産当局におかれましては、大臣、次官初め非常に御理解くださつておりますが、問題はすでに実施の過程に人つておりますので、担当者をおきめくださいまして、事務的にもう少し御推進願いたいのでございます。当面の問題は硫安が今一番の差迫つた問題になりまして、昨日もるる申し上げましたが、本日の新聞には岡野通産大臣が、硫安輸出は困難であると答えたというように誤つて読売新聞かに伝えられておりましたが、私が承りましたのは、困難とおつしやつたのではなくて、需給が逼迫しておるから農林省と十分に相談して、貴意に沿うように努力したいというよう伺つたのでありますが、多少新聞に誤つて伝えられた点は遺憾であると存じております。それはあと一週間くらいで中国側に返答しなければキヤンセルされるおそれがあるのでございます。と申しますのは見返りの開らん炭輸入の問題で値段がなかなか合わないのでございます。その折衝に相当忍耐力と時間をとりますので、硫安がきまらなければ開らん炭輸入の問題を中国と交渉することが困難で、かれこれあわせますともう期限が切れてしまいますので、たいへん問題が緊迫しているのでございます。従いまして、昨日参議院の農林委員会におきまして、結局硫安の問題は一つ電力事情にもよることである。そしてぜひとも通産委員として、公益事業局長並びに通産省に、硫安に対する電力割当は、来年度はまだ細目がきまつていないからひとつ今のうちに申し上げて、格別の御配慮を請うようにお願いしておいてくれないかということを、農林省当局からも御助言がありましたので、ひとつ格別この問題が差迫つた問題であることを御了解、御善処願いたいのでございます。三月までに五万四千トンの硫安を、国内相場に近い値段中国は買うと言つております。そのFOB価格は多分六十ドルをちよつと越すのではないかと思います。ヨーロツパではそれを五十数ドルで、また春が近づくにつれましてもつと安い値段中国市場に売り込もうといたしておりまして、非常にきわどいところでございますから、格別の御配慮を願いたいのでございます。それから農林省当局では、三月に五万トンくらい何とかできるだろうという御答弁も昨日ございました。また中国国内にはトラツクが非常に不足しており、報奨物資に使うものと存じますが、あの広大な地域のどこに配給するのか存じませんが、輸送の関係相当日数がかかるように申しておりました。それで多少でも早目にひとつ送つてくれないかということでありましたので、三月に五万トン余裕がありますのを、できれば五万四千トンまで何とか捻出していただきまして、二月に一部を発送し、三月に大部分を発送するというよう事務的御手順を農林当局と御相談していただきたいのでございます。農林省当局では、通産省からまだ一度も正式に御交渉がないからといつて、多少不満を漏らしておられましたが、私どもの方ではそういうことはないはずだと存じまして、昨日自由党、改進党、分自の同僚の皆様とも懇談会を開きまして、本日通産当局にはさらに農林省と連絡していただくように申入れをいたしておきました。こういうような次第でございますので、結論といたしましては第一に、通商局の松尾次長さんもおられまするし、官房長もおられますので、どうか新しい市場の問題を重要視していただいて、国際収支に非常な寄与をするわけでありますから、硫安輸出を促進するという方針でひとつ進んでいただきまするようにお願いしたいのでございます。第二には、五万トンを何とか五万四千トンにして、多少なりとも、断らずに——御当局の方で来年度計画ができて五十万トンくらい輸出余力かあるということになりますれば、十万トン以上くらいを中国に送つたらどうであろうかということで、政府当局かわりまして今プライヴエートに打診しております。先方も最初から公式的でない方がいいからというので、プライヴエートに意見の交換をいたしております。ややはつきりした様子がわかりましたら、硫安協会並びに通産当局に御連絡して、正式の御指導も受けようと存じておりますが、できれば値段もいいことでございますから、少しでも断らないで全額を無事に送り届ける方がよいのではないかと存じております。第三には、三月だけですと多少困難な感じがいたしますので、三月、三月くらいに何とか送るようなふうに事務的に御配慮願いたい。どこの商社にどうというようなことは、硫安協会並びに硫安輸出委員会等に相談して、公正合理的にとりはからえばよいことでございますので、国策としまして、とにかくこの大事な市場を拡大してもらいたい。中国市場は一応安定しております。治安もよろしゆうございますから、輸出市場として安定していると見てさしつかえないと私は思います。国際状況も、最近では、英国の動向は、まずその辺のところにバランスを置いておるようでございますし、アイゼンハウアー大統領も大分チャーチル首相との間を調整しておるようでございますから、やはり日本も多少そういうところに目を注ぐ必要があろうと存じております。従いまして、そういう三つの事務的方針のもとに、公益事業局長におかれましても、硫安に対する電力割当については来期格段の御便宜を——輸出第一主義という立場から、中共向けの硫安の生産が円滑に行き、多少でも増産できますようなふうに電力割当について事情の許す限り御考慮願いたいのでございます。この点につきまして、担当の松尾さんなりまた中島さんからお考えのほどを伺いまして、御協力をお願い申したいと思います。
  6. 中島征帆

    中島説明員 電気の方面からお答えを申し上げます。  むろん輸出につきましては、できるだけこれを伸ばすようにしなければならぬということはわれわれも全然同感でございますが、全般のバランスをとりました場合に、必ずしも要求通りに参らないというのはやむを得ない現状でございます。ただ硫安につきましては、下期に、上期の豊水の結果といたしまして、特別に七千万キロリツト・アワーほどの追加をいたしましたが、そのうちから千八百万キロワット・アワーを第三・四半期として追加増配いたしております。第四・四半期の分につきましては、七千万のうちの約半分がまだ残つておりまして、これを今後増配して行くというような問題がございますので、その際にはできるだけこの輸出用につきまして考慮しなければならぬわけでございますが、現在のところ実は私どもの方には、まだ硫安中国向け輸出につきましては、全然話が来ておりません。肥料部からも農林省からも来ておりませんわけですが、その話いかんによつてできるだけ御相談には応じたいと思つておりますけれども、全体のわくがそういう程度であり、かつ、結局ほかの産業をどういうふうに圧縮するかということになりますから、その辺に限度があるということはやむを得ないことであるということを御了承いただきたいと思います。
  7. 松尾泰一郎

    ○松尾説明員 実はこの問題は軽工業局長からお答えを願つた方がよいのかもしれませんが、お見えになつておりませんので、かわりまして申し上げます。  一般的には先ほど御説明いたしましたように、世界貿易が発展的な傾向よりはかえつて縮小的な傾向にある際でございますので、その中で日本輸出を伸ばすということは、今御指摘のように非常に困難があるのでありまして、この点からは、従来に増していろいろ施策の必要があることはお話の通りであります。その意味におきまして、対中共貿易につきましては、非常に困難はございますが、できるだけ努力をして参りたいつもりであります。その点につきましては大臣がかねがね言明なさつている通りであります。品目の発表につきましても、本日一部の品目の解除を公表することに相なつておるわけであります。そういうふうな状況下でふりまして、先般御締結になりました取引のうちでの硫安輸出につきましても、できることならばわれわれはそれが成り立ちますようにできるだけお手伝いを申し上げたいと存じておるわけであります。しかし現在のところ台湾向けの既契約、さらに韓国向けの既契約の関係もありまして、正直なところ若干むずかしいよう状況なつておるわけであります。しかしながら、市場としまして中共の市場というものに対して決して等閑視しておるのではないのであります。できることならばできるだけ出したいということで、軽工業局あるいは農林省等にも御配慮つておるわけでありますが、先ほど公益事業局長からもお話がありましたように、電力につきましても第三・四半期特配を願いまして、硫安の一部増産ができたのであります。第四・四半期あるいはそれ以降の問題になりますと、まだはつきりと結論が出しにくいよう状況なつておるわけであります。軽工業局としては、目下農林省と話合つてつていただいておると思うのでありますが、通商局といたしましても、今申しましたような気持でおりますので、できるだけ軽工業局なり農林省その他の同の御協力を得まして、全部と行かないまでも、できるだけ多くの輸出ができますように、努力したいというふうに思つております。
  8. 帆足計

    帆足委員 ただいまの御答弁を伺いまして了承いたしますけれども、私は通産当局の態度がまだ多少消極的でなかろうかと思うのであります。と申しますのは、昨日るる申しましたが、今貿易非常態勢をしいてもいいくらいの危機だということは、皆さん同じ意見だと思うのであります。世界の貿易水準が一三六というのに、日本輸出は三〇前後というよう状況でございます。そして全体として世界の経済が今衰退期に入りつつあるというのは、次長の言われた通りで、農林省当局では通産省からまだ相談もないからということを言われておりますが、私は非常にその点遺憾に存じました。  それから昨日、三月に五万トンの中共向けがあるというお話を農林省の肥料課長から伺いましたし、また参議院の農林委員会でも各派こもごもこの問題について御意見がありまして、農林省当局も大体出すということに決心をしたようでございます。従いまして、どうか通産当局においては、一段と積極的態度をもちまして、出すということにきめていただきたいのでございます。もしこれが不可能ということになれば、開らん炭、塩の輸入も不可能になつて、来年の見通しもつかなくなり、そして中国との貿易というものは、政府がこれに対して賛成促進すると言いながら、空理空論という結果に終るのでありますから、非常に困難な事情がありますことはよく存じておるのでありますが、打ちかちがたき困難というものはないのであつて、もし輸出ということが第一義であるというかたい決心があるならば、やるという方向で農林省当局と話合いましようという御答弁をいただきたいのです。すでに私は農民団体とも相談いたしまして——硫安の問題で一番心配するのは農民諸君でございますが、その農民組合の諸君がこぞつて中国市場を失つてはならぬ、そのかわり石炭が来、塩も来、将来は食糧も来、またその節約した為替をもつて綿花を買い、羊毛を買い、農民の必要なものを買うことができるのであるから、農民団体は率先して賛成するといつて、今日も大森眞一郎君が農林次官その他を訪れまして、農民組合の意見なども申し上げて、大いに促進するということになつておるのでございます。輿論のこういう帰趨もお考えくださいまして、昨日通産省に参りましたときは、輸出課長も非常に御心配くだすつておりましたが、かれこれ需給のことをお考えになつて、なかなか困難な点があるから一段と努力をするがということはごもつともな点でございます。でありますけれども、朝鮮の硫安が八万ポンドもヨーロツパ側に落ちまして、あの方も楽になり、余力もできた。朝鮮の入札が十四万トン全部落ちてしまえば一層困難でありましたけれども、朝鮮の入札の結果が、ヨーロツパに半ば以上落ちたよう事情に一昨日なりましたので、新しい事態とお考えくださいまして、通産当局に、断固として出す、あとは事務折衝だけであるということでやつていただかなければ、時間の点ではあと一週間ぐらいの期間しかないわけでございますから、格段のお骨折りをお願いしたいので、重ねて松尾さんにお願いする次第でございます。
  9. 岩武照彦

    ○岩武説明員 私昨日も帆足さんの話を伺いました。また硫安需給状況につきましては、昨日大臣から申し上げた通りであります。通産省といたしましては、従来から硫安輸出につきまして非常に積極的でありまして、むしろそのために農林省との間でいろいろ事務上の齟齬を来したことも御承知の通りであります。今度のことにつきまして、御案内のように、すでに台湾向けの契約も相当量行われております。また韓国向けも一部進捗しつつあるやの事情でございます。またちようど折から春肥の需要期に向いますのと、もう一つ硫安ように電気に依存します産業におきましては、ちようど渇水期に向いますので、その辺のことを勘案いたしまして、できるだけ協定の実現に努力をいたしたいと考えております。各局の意見をまとめて御答弁申し上げます。
  10. 大西禎夫

    大西委員長 次に齋木重一君。
  11. 齋木重一

    ○齋木委員 私は電気の問題について御意見を拝聴し、その決意をお聞きいたしたいと思うのであります。  電気それ自体は、日本の産業構造の一環をなすところの重要な問題でありまするが、簡単に申し上げますると、福井県すなわち北陸は、水力電気の電源地帯として見本的なところであることは、御承知であろうと思うのであります。しかるに福井県は、御承知の通り北配と関配との二つに分割されておりまして、そこに非常に差があるのであります。かつて電力会社を分捌いたしまして、福井県の発電所を関配の方にとつて行く、また北配の方にとつて行くというようなかつてなことをきめまして、福井県の産業界に重大なる影響を与え、迷惑をいたしておるのは、関配に所属するところの、福井県でいう嶺南地区であります。嶺北地区と比べて、電灯料金、動力料金等において、年間三千万円以上の高率なるものを、嶺南地区の民衆が負担いたしておるのであります。全圏的に見ますと、一、二箇所そういうところがあるそうでありまするけれども、これを是正して、同一県内その他におけるところの問題を統一して、北配なら北配、関配なら関配というようなぐあいにやらないと、同じ県内においてちようど中気のごとき半身不随の結果が生じて来るのであります。これらは長年の間、嶺南地区における民衆が要求をいたしておるのだけれども、技術的な理由か、経済的な理由か存じませんが、いまだに実現をいたしませんので、これらに対して当局はいかなる考えをもつて善処をせんとするのか、まずこの一点を伺いたいと思うのであります。
  12. 中島征帆

    中島説明員 一つの県が二つ電力会社にわかれているという例は、ほかにも静岡県等にございますが、特に福井県の場合におきましては、そこで非常に不都合が起つておるということは、一応承知いたしております。これがどういういきさつでああいうような形になつたかということは、私まだつまびらかにいたしておりませんけれども、いろいろ歴史的な事情があつたことだろうとは存じます。しかし現在においてあの形が適当でないとすれば、これを何とか適当な形に引直すことが望ましいということは、私も考えるわけであります。ただ現行の法規から行きますと、地域の変更ということを法律的に政府が強制的にできないことになつておりますので、いわゆる再編成の当時にもどつて、その再編成の内容をかえない限り、ちよつと強制的には行かない。それで現在の段階におきましては、両者すなわち北陸電力と関西電力との話を進めまして、両方が円満な話合いの上で、片方から片方へその施設を譲渡するというようなかつこうに持つて行くのが一番いいわけでありますので、そういう方向に円滑に行くようにわれわれとしてはできるだけのあつせんをしたいと考えております。現在の状況といたしましても、両者とも必ずしも固執をいたしておるよう状況でもないようでございます。結局は譲渡するときの条件いかんだということになると思います。問題は、たとえばかりに高い値段であの地域の施設等を北陸の方へ関西が譲渡した場合には、北陸としては、現在の自分の地域内における他の地域需用者に対しまして、料金改訂の折は高い地区原価を全部かけます。従つて現在の需用者に対しましては、若干ではありますけれども、多少迷惑をかけなければならぬということが一つの問題でございます。そういう点がございますので、その点に多少まだいろいろ折衝の余地はあると思いますけれども、原則的にあれは北陸地域の方に含めるような方向において今後まだ折衝を続けるということには、われわれも異存ございませんし、できるだけそういう方向にあつせんしたい考えではおります。
  13. 齋木重一

    ○齋木委員 考えておるだけでは進行しないので、同僚の福田君も長年主張されておつたことと存じておりますが、それらが今日に至るまで何ら解決されてない。くどいようですけれども、御承知の通り北陸三県は水源地帯であつて、福井県で水力発電されておるものは、どんどんと関配の方へ送電されておる。その由来を見ますと——私ども福井県の電力協議会の会長も長年やつてつて、戦時中には火力発電の石炭割当石炭序にもらいに行つたことがあるのですが、福井県は御承知の通り京都電灯株式会社という会社の管轄下に配電区域があつたわけであります。それがああいつたようなぐあいで統制され、また九分割したというようなことで、図上戦術でかつてにああいうばかなことをやつて、福井県が半身不随になつておるわけであります。事情は送電の技術的な問題としてもこまかいことは申し上げませんけれども、接続する電線地を木ノ本というところでやりさえすれば、実際において福井県の嶺北から送電したい発電所がたくさんある。それを若狭地区の嶺南の三郡だけを切つてつて京都電灯がああいうことをやつたというだけの問題で、実際は問題は何もない。若狭が高い関配の料金においてとられておるがゆえに、嶺南の若狭地区は産業面において重大な支障を来し、しかも民衆は嶺北よりは高率な料金を課せられておる。これを何と見るか。だから福井県においては実に半身不随の電力事情なつておる。これは長年要求され希望されておるにもかかわらず、今日まで調査しておる、考えておるで日を暮らしておる、そんなことでどうする。これは福井県の産業の発展のためにも公平な安い料金にしなければならぬ。これは福田君も長年苦労しておる、にもかかわらず今日まで実現を見ないということは、まことに当局の怠慢といわざるを得ない。だから腹をすえてさつそくいつからやるかということを答弁を願いたい。
  14. 中島征帆

    中島説明員 これは前からの問題だというお話でございますが、私これを聞きましたのは実はこの数週間前のことでございまして、そのときにはこういうふうに申し上げております。すでに再編成でああいうふうな地域がきまつた以上、先ほど申しましたように、これを簡単にこつちからあつちに移すということは法律的にはできないので、やはりまず会社の話合いが一番必要である、但しそれには地元なり何なりから相当そういう機運が醸成されて来ないと困る、かりにわれわれの方であつせんするにしても、実際の動きというものがそこで先行しないとまずいので、まずそういう機運を地元でも少し醸成してくれ、これはむろん嶺南地区としては当然前からの問題でございましようけれども、福井県としてもやはりそういう点につきまして、もう少し動いてもらう必要があるのではないかと思います。いずれにしましても、そういうことによりまして両電力会社間の話合いがある程度行われたときに、まとまるかまとまらぬかという段階におきましては、むろんわれわれの方もあつせんの労をとるのにやぶさかでないわけであります。あまり問題がはつきりしないときにこちらから積極的に出るということは、法律上の建前からいつてもできないので、今のところそういうふうなところで待機しておるというわけであります。当局といたしましても今日まで決して放任しておるわけではないのでありまして、そういう機運の醸成を待つているということでございます。
  15. 齋木重一

    ○齋木委員 まことにけしからぬことを聞く。私どもの質問することを福井県の民衆の声でないというのですか。失礼なことを聞くものである。同僚の福田委員も長年当局に対して要求していると、私は福田君からも聞いておる。それをわれわれの言うことは県民なり国民の声じやないとおつしやるのか、その言葉をひとつ聞こう。
  16. 中島征帆

    中島説明員 齋木委員の申されたことが県民の声でないということは、決して申し上げてないのであります。私の申し上げたことは、要するに地元として電力会社に対して相当な働きかけが必要だ、これはわれわれとしましては相手は電力会社でありますから、もちろん問題は外部でも起きてさしつかえないわけでありますけれども、電力会社としては、これは自分らの問題であるということで持ち出して来なければ、それに対しての話かけもあつせんもやりにくい、従つて電力会社として何とかしなければならぬという機運を県なり何なりで起すように持つて行きたいということを申し上げたわけであります。
  17. 齋木重一

    ○齋木委員 電力会社等に対しては足が棒になるほど言うておる、それが間に合わぬからわれわれはこちらにおいて皆さんに要求いたしておる、電力会社へ行けばこつちの方だというから、こつちの方へ来ればあつちだという、まつたくどつちに行つてよいかわからぬ、そういうことは私は詭弁だと思う。だからこれに対する調整は福井県の電力事情——また全国にも二、三あると思う、そういうような府県はこれらを一括して早急に解決するの御意思があるかどうかということを再び強くお尋ねいたします。
  18. 中島征帆

    中島説明員 先ほど申しましたように、法律的に強制はできませんけれども、そういうふうな環境ができ上りましたときには、むろんわれわれの方としても最後の努力はできるだけいたします。それからそういうふうな機運になるよう各社を指導するということも、これは現在の段階としてはいたさなければならぬと思いますけれども、結局においては会社同士の話合いになりますので、これがいつでき上るかということを今お約束するわけには参りません。
  19. 齋木重一

    ○齋木委員 そうすると会社がやらなければわれわれはそれまではしないとおつしやるのですか、どうなんですか。
  20. 中島征帆

    中島説明員 会社が申し出て来なければしないというのではなくて、会社の方にも相当な声が入り、向うでもかなり問題にしておるときにはあつせんするということを初め申し上げましたが、またその前の段階におきましても、こういう問題につきましてお互いに誠意をもつて話合いをしろというようなことは申すわけであります。
  21. 齋木重一

    ○齋木委員 そういうことの醸成はもうさつきから私はくどくど言うた通りです。会社の方に対しても、民衆の声として腐れ切つておるくらいに醸成されておる、実際においてはそれをあなた方がわからぬだけのものである、だからあなた方自身がはつきりやるということを決意になれば、これは解決する問題だと私どもは確信をいたしておる、それをよくお聞きを願わぬと——下から来るのを待つておるのだということではない、もうとうに来て腐つておる、機運は醸成しておる、それを問題にしておる県は全国にも二、三県あると思う、県内で二つに分割されておる配電区域がいろいろある思いますけれども、特に福井県のごときは電源地帯です。それを高い料金でほかにどんどんとやられておる。それが二つにわかれておつて、わずかなところが高い料金でやられておるために、若狭の方面におけるところの産業発展に対しては重大なる阻害を来しておる。特に今年は水災というような悲惨な目にあつておる。この被災民に対して高い電燈料金または動力料金を徴収されて、復興そのものに対するところの重大なる影響を私どもは経済面において受けると思うのです。これらもよく勘案して善処してもらわなければならぬので、民衆の声、県民の声、それははつきりわかつておる、醸成されておるのだから、私どもの言う声は福井県民の声、国民の声としてお聞取り願いたい。決して欺瞞でもなければ変な誇張やうそじやない。これをはつきり認識しなければ、私どもは遺憾な点があると思うのであります。当局におかれましては、これに対する断固たる決意をもつて、早く処断するように、心構えをもう一度国民のために聞いておきたいと思います。
  22. 中島征帆

    中島説明員 御趣旨は私どもまことに同感でございまして、できるだけ早くこれを実現したいと思いますけれども、先ほど申しましたように、すでにああいうふうに地域がわかれておるという事実と、それから合併した場合に福井県の東半分、さらにほかの県に対する若干の影響がある。従つて簡単にあそこだけをつなげばよろしいという簡単な問題じやないので、ある程度の曲折はあるということは御了解願いたいと思うのでありまして、私どもの方もできるだけそれが実現できるように努力いたします。
  23. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 これは議題からはずれているかもしれませんが、人絹糸の問題でちよつと聞きたいのです。きよう新聞で発表されているが、大体大臣というのは、ここへ来て満足な発表は一つもしたことはないのに、新聞発表だけは一人前にする。まことにけしからぬことだ。そこで人絹糸価格安定で勧告したというその勧告した理由と、どのような方針をもつて勧告をしたか、時間の都合もあるから、あまり長くなくていいから、かいつまんでひとつ重点的に説明をしてください。次に中島さんの方へ御質問申し上げます。
  24. 吉岡千代三

    ○吉岡説明員 人絹糸の価格は、御承知のように特に取引所の価格が非常に浮動性が多いわけでありまして、御承知のように、本年の九月におきまして、一時三百円台を越すという事情がございまして、その際には、最悪の場合には人絹糸の輸入も考慮するということを申しました。また人絹会社におきましても、取引所に対していろいろの手段をとつたようでございます。その後大体安定を見ておつたのでございますが、最近、ただいま御指摘の通りに、ここ数日間に二、三十円近く上げております。昨日はたしか十二月限で二百七、八十円まで行つておるわけです。ただここで申し上げておきたいことは、これは取引所の相場でございまして、人絹会社が機屋さんないしは商社に対して出しております、出し値と申しておりますが、これは必ずしもこれにつれて動いておるわけではないわけでございまして、最近のところで申し上げますと、一月限まで出しておりますが、大体三百四、五十円、会社によつてまた多少違いますが、大体その辺で出しておるわけでございます。しかしながら、これを放任しておきますと、自然相場にさや寄せするおそれがありますし、特に最近御承知のように機屋さんの不況が問題になつておる折柄でございますので、私どもといたしましては、人絹会社に対して、現在の出し値を当分少くとも上げないようにということを申したいと、実はその下相談をしておるわけでございます。正式には来週早々に、本社の責任者が大阪におりますので、こちらに呼びまして、話合いをいたしたいと思つております。  なおこの値上りの原因はいろいろ考えられるのでございますが、その一つとしては、本年の十月以降輸出のドライブのために、輸入の人絹糸に対しまして輸入パルプをリンクさせるという制度をとつておるわけでございます。これは昨日も御意見がございましたように、日本の人絹糸がイタリア製品その他に最近やや抑されぎみの関係がございますので、どうしてもリンク制そのものは継続いたしたいと思いますが、ちようど十月から始めまして、まだ関係業界においてこの制度になれないために、私どもの期待いたしました以上に——輸出申告書と申しておりますが、輸出条件による取引が少し行き過ぎておるのじやなかろうか。その反動が内地物の方に参りまして、輸出申告書を条件としない取引について糸の入手が困難になつて来ておるというよう関係も考えられますので、この点につきましては、先ほど申しましたように来週話合いをいたしまして、リンク制の運用面についても考慮いたしたい。とりあえずのところ、ここしばらく人絹糸の人絹会社と機屋ないしは商社間の取引価格は変動させないという措置をとりたいと考えておるわけでございます。
  25. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 次官もおいでになつておるので、先般私が人絹糸の問題を、おわかりにならないと思うから図解をもつて説明申し上げたのでありますが、これは非常に大きな問題でありまして、しかもあなたが出した日本貿易概況というのを見ただけでも、実に恐るべき日本経済であるということは、あなたは御認識の上に立つておると思うのであります。こういう点を十分考慮して万全を期していただきたい。これは来週とのことでありますが、新聞でありますから先走つたのかもしれませんが、いずれにしても来週決定になるそうであります。私はあれほどこまかく申し上げておりますので、どうしてもそういう線によつて政府は厳とした態度をもつて進まなければ、これはとうてい打開することはできないと思う。現在のままに放任しておいたならば、六箇月後はどうなるであろうということを、私たちは非常に憂慮しておるのでありまして、それを大臣に質問すれば、大臣は、独裁であればあなた方のおつしやるような面、またあなた方の御期待に沿えるけれども、自由放任にしておく関係でできないのだ、こういうことでございます。自由というものの中には、そういう計画があつてはならないのだというような考え方を持つておるようでございます。いずれにしても、御承知のよう大臣だから、それくらいの考えしか持つておらないと思う。あなた方がついておる以上は、大臣の頭を切りかえさして、日本の危機を切り抜けるべく進んでいただきたいということを私は熱望いたします。  それでは中島さんにお聞きいたします。小さい問題でございますが、二、三点拾つて質問を申し上げますから御答弁を願います。  まず開発会社のその後の工事はどれくらいの進歩状況であるか。従つて補償の問題が非常に困難になつておると聞いておりますが、その問題等はどのようなつておるか。そこで五箇年間というこの開発計画の資金計画を含んだところの需給のバランスがどのようなつておるか。もう一つは、二十八年度中に完成の予定であるところの発電力はどのくらいに見積つておるかということ。それから毎年繰返すところの出水状態でございますが、大体目先の出水状態がどうかということ、従つて貯炭状況がどの程度なつておるかということ。もう一つは、近く猿ケ石、胆沢の両発電所が完成する予定であるが、その発電電力の処置をどういうふうにお考えになつておるか。譲渡するのか、卸売するのか。もし卸売というようなことを考える場合には、東北電力だけに売る考えなのか。それともその他の関係で言えば、そういうようなものにどういうような融通を行う考えを持つておるか、以上御質問申し上げます。
  26. 中島征帆

    中島説明員 電源開発会社の開発状況でございますが、この関係資料はただいま調製いたしておりまして、まだ印刷ができ上らないようでございますから、後ほどこの資料を配付いたしまして、それによつて詳細御承知願いたいと思うのでありますが、現存やつております一番大きな工事、佐久間は、これは順調に進んでおります。それから、問題の只見でございます。只見の中に奥只見、田子倉、黒又、この三つの地点がございますが、奥只見と黒又は本年度は大した工事はできませんで、準備的な調査の程度でございます。田子倉につきましては、当初は本年度に締切りまで持つて行きたいというつもりでおつたのでございますが、決定が比較的遅れたのと、その後の準備が進みませんので、若干予定が遅れております。一番の問題は田子倉地点の補償問題でありまして、そのためにいろいろな準備等も予定よりか、若干遅れておるという状況でございますが、現在までのところ準備工事をするための用地等につきましては解決を見まして、あとはダムを構築いたしました後の水没地区についての補償問題等が、まだ最終解決を見ておりません。数字的に見ますと、現在田子倉でダム設置に反対の家が十二戸あるそうであります。これにつきまして補償等が解決すれば、あとは全部工事が進められる段階でございまして、現在この十一戸の解決に全力を注いでおるわけであります。従つて年度の工事は、まず準備工事といたしまして、準備的な工作物をつくり、ある程度の道路をつけるというふうなことは今年中にできる予定でございます。  それから、五箇年計画によりまして将来どうなるかという数字は、これはいずれ表ができると思いますけれども、現在の見通しでは、五箇年後におきましては電力需給は、電力におきましてもアワーにおきましても十分とれる、こういう目標で行つております。ところが、先ほど需給説明をいたしましたときに申し上げましたように、本年度の上期ないしは現在におきましても、需要の伸びが当時の想定よりか相当ふえておりますので、その関係からいたしまして、はたして今持つておりますような五箇年計画で十分であるかどうかという点につきましては、今後問題があるだろうと思うのであります。  それから資金は、これは五箇年計画上の資金の計画はございますが、これにつきましてさしあたり年度どの程度調達ができるかという点につきましては、予算との関係もございまして、まだ決定いたしておりませんで、これにつきましては目下のところなかなか目鼻がつかない状況でございます。  それから、二十八年度の完成の予定がどの程度であるかということでありますが、これはキロワツトにいたしまして、二十八年度に百二十四万キロワツトほどが追加されることになるわけであります。  それから出水見通しでございますが、下期の見通しは測候所でもなかなかできにくいよう状況でございます。現在までのところ、十月以降だんだんに落ちまして、十一月には平水なつておりますし、現在でも、きのうきようの一両日を除きましては常に平水を下まわつております。これがいつ好転するか、ちよつと見込みがございませんけれども、まず下期全体を達観いたしまして、一側以上の渇水になるようなことはないだろう、しかし一〇〇%以上の豊水を期待することもなかなか困難ではないか、従つて平水から一割渇水くらいの間のところで大体終始するのじやないかという感じを持つておりますが、これはほんとうの個人的な予想でありまして、どういう水の状況になるかは今後の問題であります。  それから、貯炭は先ほどの資料にありますが、上期末におきまして予想以上に貯炭を繰越しまして、十一月末現在の貯炭全国で百三十万トンほどございます。石炭につきましては、現在のところ全然懸念を持つておりません。  最後に胆沢、猿ケ石の問題でございますが、できました電力をどう調整するかにつきましては、いずれ法規によりまして電源開発審議会をできるだけ早急に開催いたしまして、そこで決定するわけでございます。現在のところ猿ケ石の方は来年の六月ごろになるようでありますが、さしあたり来年の一月早々から出ます胆沢の電力につきましては、猿ケ石を含めまして東北電力の方に卸すというような考え方で進めております。あとこの設備を譲渡するかせぬかということがございますけれども、これは今後の問題といたしまして、さしあたりはあの地区の電気需用者の東北電力に卸すという方針で、その条件等について現在検討を進めております。
  27. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 東北電力のみが非常に優遇を受けるというようなことにはなりませんか。私はそういう点を心配します。五箇年計画については十分とれるだろうと思うということでございます。けれどもこれは火力を含んでおることであるかどうか、もう一つお聞きいたします。従つて開発会社の着工点、つまりたとえば東日本だとか、あるいは今後電力料金地域差というものについてはいろいろ問題が起つて来ると思います。たとえば西日本水力または火力に非常な重点が置かれるように考えられるし、また大送電幹線を建設して東部へ送電する意思というものがあるかないかというようなこと、それからもう一つは、四国でしたか、何とかいう川の開発についていろいろなことが伝えられておるが、当局はその問題に対してどういうふうに考えられておるか、こういうことであります。それからもう一つは、今あなた方の方で非常に御研究になつておるところの電気及びガス関係、これに対しての法令を改正するために審議会の答申案というものが出ておるわけですが、こういう法案というものをいつ提出するお考えであるか、その時期並びにどういうような考え方をもつてこれを改正するかというその本筋、こまかいことはいずれ法案が出るでしようから、そのときあらためて審議をいたしますから、その目的を大まかに御説明願いたい。
  28. 中島征帆

    中島説明員 第一の東北電力優遇の問題でございますが、胆沢、猿ケ石が新しい東北電力供給力として追加されましたときは、東北電力供給力はそれだけふえますので、それを含めた全体の供給力需用とをにらみ合せて、これをどういうように他地区へ出し入れするかということは将来考えるべき問題だと思いますが、さしあたりのところは、たとえば一月から胆沢の電気がふえるが、その分の何パーセントを他地区に送るかということは考えておりません。ただ現実においてはそれだけのものがふえた場合においては、たとえば関東地区渇水等で非常に需給が困るというときは、そういう応援融通は当然やらされることになると思います。現在開発会社の着工地点が東の方に片寄つておるということは一般に言われておりまして、われわれもそれは認めておるわけであります。たまたま東の方に予定されておりました只見川とか、あるいは御母衣というようなところがいろいろな関係から一時着工が延びそうな形勢にありましたので、そういう場合には、むしろその地点はあとまわしにして、西の方に手をつけるべきだという考え方も当然生れたのでありますけれども、最近只見川も一応解決いたしましたし、御母衣もだんだん解決の方に向つているというよう関係でありますので、現在のところ予定通りに開発するとすれば、資金等の関係から西の方に十分な手が延ばせないうらみがあるわけであります。しかしながら少くともできる範囲内においては、西の方においてもできるだけの開発をやりたいという考えのもとに、今年におきましては、これも最近開かれます。電源開発調整審議会にかけるわけでございますけれども、九州の球磨川の地点を開発会社の開発地点として予定するようなことを考えておるわけであります。それからそれに関連しまして、西部につきましては、お話の四国の奈半利、吉野川、渡川とか、中国におきまして江ノ川、近畿の熊野川とか、大きな地点が大分残されておりますが、そのうちで特に奈半利の地点が割合に手をつけやすいので、第一着工地点としたいという考えを持つておりますけれども、それにつきましては、御承知のように四国電力と住友電力の競合の問題がございます。そこで開発会社の開発地点としてやれるかどうかという点につきましては、まだ関係会社の間で協議をいたしております。開発会社としては、ほかの会社が手をつけない地点を開発するという一応の原則がございますので、住友電力あるいは四国電力が自分でそこの地点を開発するという意思を一応捨てないと、開発会社の着手地点とならないという法律関係になりますので、その点をできるだけ円満に早急に解決いたしまして奈半利に着手したい。これは現在電源開発会社、四国電力、住友電力、それに高知県知事を加えた四者会談を五、六回やつておりますが、その間に話がまとまれば開発される。まとまりませんければ、さらに新しい地点をやるというように考えております。  それから全体の電力融通の問題でございますが、開発会社の開発地点がさらにだんだん西の方に延び、大き地点がだんだん追加されますと、やはりその面で全体の送電連絡をして、ある程度の融通調整をし得るような方向に持つて行くのが適当ではないかと一応われわれとしては考えておりますが、これにつきましては、電源開発会社自体の性格の問題ともからみ合いますので、今ここではつきり意見を申し上げかねますけれども、いずれにしましても、電源開発会社あるいは各電力会社が送電線を持とうとも、全国的にできるだけの応急的な電力融通ができるような送電網を整備しなければならぬ、こういうふうに考えておるのであります。  それから法律の問題でありますが、法律の改正について法令改正審議会が設けられ、今年の二月から八月まで十数回会合を開きまして答申が出されました。その答申につきましてはこちらにも御報告申し上げたかと思うのでありますが、それに基きまして現在法律案を立案いたしております。そのうちで、ガスにつきましては大体脱稿いたしまして、法制局の最終審議が実はほとんど終りかけております。従つてガス事業法は通常国会の劈頭あたりには提案できるのではないか、かように考えております。それから電気の方は、電気事業法と電気施設法の二つの法律にするという考え方でありましたけれども、やはりいずれも関連がありますので、これを一本にいたしまして電気濃というような仮の名称のもとに法律をまとめております。しかしこれは法律の条文が二百条からに上る大きなものでありますし、内容もいろいろございまして、まだ法制局まで持ち込む段階なつておりません。従つて今の予定表によりますと、大体十二月中に法制局の審議を一応終り、その上でいろいろ調整いたしまして、一月一ぱいには国会に出せるようにいたしたい。こういうつもりで着手いたしております。この二つの法律のねらいというものは、現在公共事業令ないしはその前にありましたガス事業法、あるいは旧電気事業法の考え方が一応基礎なつておりまして、それにいろいろな点を考慮いたしておりますが、要するに電気事業法、ガス事業法ともに公益事業でありますから、一般の利用者を保護するための事業の監督という面と、それから一面におきましてはそれぞれ技術的にガス、電気それぞれにある種の危険を伴うものでありますので、保安的な見地から設備上の監督をする。こういう二つの面を持つております。そのいずれの面におきましてもいろいろの問題があるわけでありますけれども、大体の考え方は現在の公共事業令及び廃止されておりますガス、電気事業法の考え方と、そう飛び離れたものではございませんが、若干の改正が行われておりまして、戦後のいわゆる民主的な制度もかなり取入れております。たとえば前にはございませんでしたが、現在取上げられております聴聞制度とか、公聴会制度とか、異議申立てとか、苦情処理というものが加味されております。そういうもの宙加味いたしまして、施設の監督員と、事業の監督の両方の面を考えているわけであります。特に電気につきましては、再編成というものは一つの前提であつて、この際電気法を制定するにあたつては、根本的な考え方には一応触れないという前提でスタートいたしております。従つて現在の電気法は九つの電力会社を予定してはおりませんけれども、今日のような九電力会社で各独自の見解で進むということを前提にいたしての立法でございます。
  29. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 たとえば一つの五箇年計画というよう計画性を持つて発電をやろうという考え方、従つて年度の予算から見て予算が危ぶまれるというようなことは、おそらく一貫した現内閣が担当している以上、その計画に相違があるはずがないのでありますから、その点あなたは十分御折衝をしていただきたいのであります。  もう一つ伺いたいことは、電力不足に見舞われておりますので、自家用発電というものが非常にクローズ・アツプしたような感がございます。こういう点について当局としてどういうような考え方を持つておるかということが一点。それから県営発電力の処置についてどういうような考え方を持つておられるか、これが第二点。それから毎年渇水期になつて来ると、常に電力という問題で頭を悩ましておりますが、今までの水力偏重主義のみで考えずに、火力という点も考えなければならないのではないかと思います。従つてこれらに対してどういう考え方を持つて進む気か、明らかにしていただきたいのであります。
  30. 中島征帆

    中島説明員 第一の自家発の問題でありますが、自家発は、従来電気事業者だけの開発ではとうてい追いつかないということで、自家発としましても、相当な期待を持つて資金等もつけたわけであります。この自家発の計画も今日までに相当進捗いたしまして、全体の電気事業者の計画とあわせまして、電力供給力はかなり増強いたしておりますが、実を申しますと、この時期に至りましては、もう自家発についてそれほど大きなウエートを置かないで、むしろ電力会社あるいは開発会社というふうなものの開発に、どちらかといえば重点を置いて、自家発はその自家発を持つ工場その他の必要においてやつていただくのはけつこうでありますけれども、特にこちらから推進するという必要はないではないかというふうな考えになりつつあります。それから公営につきましては、これは公営の希望は非常に多くありまして、現在着工いたしておる地点もずいぶんたくさんでございますが、これはいずれも他の農業用水あるいは治水等と関連いたしました総合開発計画一環としての電源開発が多いのでございまして、それだけにまた、ほかの方との関連において、この工事がどうしても遅れがちであるというふうなことが多いのでございます。その点は別にいたしましても、経営の今後の行き方といたしましては、やはりそういつたような総合開発の面においては、これは県営の電力というものも必要であろう、そういう面を担当いたしていただくのが適当である。但し総合開発といつても、非常に大きな電源開発を伴うものであつて、その発生電力が非常に大きいという場合には、これはまた別問題でありますけれども、比較的小さな地点あり、ほかのいろいろな目的とからみ合つている場合には、やはり公営でやつて行くのがむしろ適当なものが多いかと思います。従つて今後もそういう面におきましては、公営電気というものも出て来るわけでありますが、それはできるだけわれわれとしても援助はしなければならぬと思つております。それからそのでき上りました電気の扱い方でありますけれども、現在は一般の供給力が足りませんため、原則としてはこれはすべて電力会社に卸売りをするという建前のもとに許可をいたしておりますが、今後需給がだんだん緩和するに従いまして、これは現在でも、県がいろいろな関係から特定の需用家に特定供給する場合には、全体の供給力の三分の一というものを標準にいたしまして許可をする方針をとつておりますけれども、この三分の一とか何とかいうことを将来だんだん緩和いたしまして、県営の電気は県が特別のものに配給をするということは、だんだん認めて行つていいのじやないか。ただ県が一般供給事業として、ある都市あるいはある地区に電燈用まで供給するというようなことは、むしろコストの点から見ましても適当でないので、そういうことは今後といえども、あまり奨励できないかと思いますけれども、公営電気事業として、特定の需用家に対して供給するということは将来は可能になるかと思います。それから御承知のように、渇水期には本年度は多少何とかなるかと思つてつたのでありますが、先ほどお話いたしました通りに、需用の伸びが予想以上であつたために、相かわらずの制限を続けておるというわけでありますが、需用の点の誤算は別といたしましても、やはり将来の計画につきましては、むしろ手取早く火力をもう少し増強する面が必要だということは、十分われわれも認識いたしております。手近かな計画につきましても、早く完成するよう火力につきましては、一層の援助をするというふうな方針を持つております。また長い目で見ましても、これは根本問題でございますが、水力の発電費が、先ほどの資料にもありました通りに、新しい新規発電計画というものは非常に上る。火力はむしろ現在のものよりも下るというふうな状況のもとにおきましては、また一方におきまして、さらに石炭が合理化等によつて値下りをするというようなことを考えます場合、将来の発電計画というものを、現在のよう水力一点ばりで行くというふうなことは、さらに考え直す必要があるのじやないかということを、私個人的には考えております。しかし今の日本の資源の力から申しまして、やはり水力についてはまだ相当開発の余力もあり、絶対額において火力より安いことは明白でありますので、水力重点ということが今後根本からかわるということはないと思いますけれども、少くとも火力につきましても、特に私営火力等がだんだんできて来ます現在におきましては、もう少しこれについて力を入れるべきじやないか、こういうふうな考えを持つております。
  31. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 最後に一点お伺いいたします。従つてその料金の問題になつて来ると思うのですけれども、今やつておるのは水力火力の二重価格制をとつております。従つてじきに来年度から実施されるというような点について、やはり同じような二重価格制をとる考えか、それともこれを統一した価格をもつて料金とする考えか、これをあなたの御意見としてはつきりお聞かせ願いたい。従つて先ほど申し上げたところの、一つの内閣が一つ計画をもつて、たとえば五箇年計画をもつて行おうとするところの電源開発に対して、その資金計画がくずれたということがもしありとするならば、すみやかにこの委員会に提出してもらいたい。現在の内閣が今年は都合が悪いから約束より金額を少くしてくれというような場合があつたら、すぐにこの委員会にその点をはつきりと示してもらいたい。われわれはこの委員会を通じて、いかに電気というものが重要性を持つているかという点について、またこれはあらゆる産業の基幹であるということは申し上げるまでもない。電気そのものは、あるたとえば九分割されたところの電気会社のものではございません。すべからく八千数百万国民のものであるという考えの上に立つて、判断をしなければならないと思うのであります。申し上げた通りそういう面がありましたらば、すぐに知らしていただきたいということを申し上げます。従つて前申し上げた点について、御答弁をお願い申し上げます。
  32. 中島征帆

    中島説明員 料金の将来の問題でありますが、われわれはむろん今度の改訂のときには、できるだけ現在の二段料金制を撤廃して、一本化したいというつもりでおるわけであります。しかし今それについての検討を加えておりますが、今日の見通しでは、かりに来年度に入つてから改訂をいたしましても、一挙に一本料金化するということは、どうも少し無理があるようなふうに考えるわけでありまして、現在までのところでは、一部の地区、たとえば東北北陸といつたよう水力地区におきましては、需給関係もかなり緩和されますので、三段料金制をとる必要もなかろう。しかしその他の地区におきましては、ある程度需給調整という意味も含めまして、また追加電力としての火力電力、あるいは新規水力発電というようなもののコスト増を考えた場合には、ある形の二段料金制もやむを得ぬだろうというふうなところに来ております。しかしこれは今後また検討を重ねまして、どういうふうな結論になるかわかりませんが、現在のところは、そういうふうな姿になるのもやむを得ぬじやないかというふうに考えるのであります。一本料金化することはもちろんでありますが、かりに今のような二段料金制をとりましても、こういうふうな料金制度の改正につきましては、非常に大きな変化が起りますので、問題はあるわけであります。簡単に言えば、現在比較的有利に電気を使つておる、現在の二段料金制のもとに比較的有利な電力料金で使えるというふうなところは、当然高くなりますので、新しい制度に対しては相当な反対があるわけであります。逆の場合はもちろん問題はないかと思いますが、そういうふうな点がございますので、その点をいかにうまく調整しまた移行するかという点につきましての技術の点もございますので、なかなか結論が早急に出ませんが、現在までのところ、そういうふうな段階にあることを御報告申し上げておきます。  それから資金計画につきましては、これはまだはつきりした見通しがついておりませんので、はなはだ容易でないというふうな感じを持つておるわけでありますが、どういうふうになりますか、むろんその状況いかんによつて委員会等に報告はいたすことにいたしたいと思います。
  33. 大西禎夫

    大西委員長 次に山手滿男君。
  34. 山手滿男

    ○山手委員 私は昨日の私の質問に引続いて、実は二十九年度の予算における、主として産業投資の関係について、大臣か官房長から説明をさすという予定の約束をいたしておりましたが、私はこれは単にここで説明を聞くだけでなしに、プリントにでもして配付をして説明を聞く方が適当だろうと思うので、きようは時間もありませんから、明日官房長から、この産業資金について、二十九年度通産省の方から要請をしたいと思つておられ、あるいは折衝を開始しておられるものについて、詳細な御説明を、ひとつこの間の続きをお聞きしたいと思います。ぜひ明日、ひとつできれば書類にして出していただきたいと思います。それをまず第一に要望しておきたいと思います。通商局長、企業局長はエジプトの使節などが来まして、いろいろお忙しいようでありますから、これも明日にいたします。  きようは中小企業庁の振興部長にわざわざおいでをいただいたわけでございますが、要望がてら御質問を振興部長にいたしたいと思います。と申しますのは、今度年末金融そのほかについて五十五億の預託を中小企業関係でされたことについては、その後われわれの方でもいろいろ研究いたしておりますが、必ずしも十分ではないことは、この委員会で先般来いろいろ論議をいたしたところでありますが、ここに共同募金関係の資金が約四億ぐらい集まることになつております。赤い羽根や何かの非常な浄財でありますが、共同募金の資金がどういうふうに預託をされておるか。私はこういうものこそ中小企業などの関係機関に十二分に流れるような方策をとつていただくことが必要だろうと思う。振興部長の本来のお仕事もいろいろお忙しいと思いますが、いろいろ政府の方の予備金あるいは預託の資金なんかも枯渇をしておる際でありますので、中小企業関係にできるだけ拾い上げて、集中的に動かすということをひとつお骨折りを願いたいと思つておりますが、御研究になつておるかどうか、まずお伺いをいたします。
  35. 石井由太郎

    ○石井説明員 御指摘の共同募金の預託等につきましては、はなはだ申訳ないのでございますが、今日まであまりよく研究いたしておりません。と申しますのは、大体これが年末に生活困窮者等にすぐに流れるものであろうというような見解、また主として各地方において行われます地方の年末金融対策とか、あるいは年の瀬助け合い運動、こういうものとの関連において行われておることも考えておりますので、中央におきましては一応考慮の外に置いておつたのでございますが、なおどのよう計画をもつて運用され、またその余裕金等がどのように取扱おれておるかは取急ぎ調査いたしまして御報告いたしたいと思います。
  36. 山手滿男

    ○山手委員 われわれがもう少し早く申し出ればよかつたので、うかつであつたのでありますが、毎日一千万円、二千万円という金がどんどん集まつて来ておるようであります。この共同募金の相当額のもの、ほかにもいろいろあるようでありますが、これがほとんど勧銀、三菱銀行等々二、三の銀行に預託をされておつて、何といいますか、われわれの方から見ると、こういう資金こそ中小企業に集中して、二月でも三月でも利用できるように手配をすべきであつたと思うのであります。これは預け入れる場合にいろいろ証券を買うとか、今のようにすぐ年末に使われるとは限らないので——一部分そういうものもあると思いますが、来年の二月、三月、四月と順次配分が決定をして行くまでには、相当の期間があるようであります。従つて中小企業庁の振興部長の方で早急に奔走をしていただいて、商工中金あるいは金融公庫にこの資金が半分でも流れて行くように御尽力をお願いいたしたい。ところがこの共同募金の場合をとつてみますと、少し定款に難色があるそうです。と申しますのは、共同募金の関係の定款の中には、その保有しておる資金を銀行そのほか証券云々というふうなことが書いてありますが、商工中金なんかも広義の銀行というふうに解釈をして行けば、商工中金に預託をすることは何でもないし、理事会で決定すればすぐできることだそうであります。これは外の方からそういう声が上つて来ておりまして、活用したいという方の、この委員会あるいは中小企業庁の中から声が上らないということでは、まことに片手落ちのわけでありまして、私は振興部長の方の早急な御奔走を願いたいと思います。これは共同募金そのほかあるようでありまして、現在行われておる共同募金だけじやなしに、いろいろこういう関係の資金が気づかれないで方々に散らばつておると思いますが、時局にかんがみて中小企業金融というものは非常に重大であります。この点についてもう一ぺん振興部長の御答弁を願いたいと思います。
  37. 石井由太郎

    ○石井説明員 先ほども申し上げました通り、私ども少しうかつでありましたことを恥じておる次第でありますが、なお中金につきましては、預金を受入れる先は組合からだけに限るという法律上の建前がございまして、組合員外からの預金を受けるということが実は困難なわけであります。信用金庫等につきましても、これは預金を扱いたいところがあります。信用金庫でありますれば組合員外の預金はもちろん受けられるので問題ありません。中金の場合に中金債を買わせますれば最低一年でありますし、若干長過ぎるのじやないかと思います。しかしいずれにいたしましても、歳末の赤い羽根運動のみならず青い羽根もあります。私どもこういつたうつかりしておりました点の資金を中小企業に吸収してこれが活用をはかるという点はまことにごもつともでありますので、この点につきましてはわれわれ今後意を用いまして、至急研究いたしたいと思います。
  38. 山手滿男

    ○山手委員 私今のお話はよく知つておるのであります。預金を集めるのは組合員だけからであることはもちろんのことでありますが、政府からも預託をしますし、商工債券を売り出すというような形のものもありますし、商工中金側からも預金をさせてそれに金を貸すというような規定であることは十分承知をしておりますが、こうした資金のまとまつたものを預託というふうな形式に対する制限は、今のように厳重に解釈する必要はない、義捐金団体その他から受取つてやることは何らさしつかえないと思つております。今振興部長のお話は預金を集めて貸し付ける場合はそういうことであろうと思いますが、その点についてどちらにしても十分御検討の上、これは早くやりませんと今どんどん資金が集中しつつあるようでありますから、一月でも三月でも三月でも——これは政府が何億預託をするのを引揚げる、あるいは預託を新規にするということが資金の関係で非常に困難だというお話でありますが、こういう面から集めて来ればまだまだ相当集まると思いますので、特に共同募金の関係で善処をしていただきたいと思います。きようは振興部長にそのことを特にお願いしたかつたので、ここへ来ていただいたわけであります。  振興部長の方はそれだけにいたしまして、官房長の方に、各委員もいろいろ希望しておりますから、さつき言いました産業投資の関係の構想を、できればプリントにして、明日の午前中の会議で詳細に御説明をしていただくことをお願いをいたしまして、私のきようの質問はこの程度にいたします。
  39. 大西禎夫

    大西委員長 この際お諮りいたします。鉱害に関し参考人といたし、九州鉱害復旧事業団理事長田口良明君、九州山口鉱業関係市町村連盟会長行実重十郎君より意見を求めることに決定いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 大西禎夫

    大西委員長 御異議なければさよう決定いたします。  なお参考人よりの意見聴取の日時は先日の理事会におきましては来る十二月七日月曜日の予定でありましたが、月曜日は昨日決定いたしましたように、中小企業金融に関し参考人より意見を聴取いたしますので、八日火曜日午前十時より行いたいと存じますから、さよう御了承を願います。  本日はこの程度にいたし、次会は後刻理事会を開催いたし、決定後公報をもつてお知らせいたしますから、さよう御了承を願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時四十二分散会