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1953-12-04 第18回国会 衆議院 人事委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十二月四日(金曜日)     午前十一時二十八分開議  出席委員    委員長 川島正次郎君    理事 赤城 宗徳君 理事 田中  好君    理事 永田 亮一君 理事 山口 好一君    理事 舘林三喜男君 理事 加賀田 進君    理事 受田 新吉君       荒舩清十郎君    池田 清志君       石山 權作君    櫻井 奎夫君       森 三樹二君    岡  良一君  出席政府委員         内閣官房副長官 田中不破三君         人事院総裁   浅井  清君         人事院事務官         (事務総局給与         局長)     滝本 忠男君  委員外出席者         大蔵事務官         (主計局給与課         長)      岸本  晋君         文部事務官         (大臣官房人事         課長)     清水 康平君         文部事務官         (初等中等教育         局長)     緒方 信一君         専  門  員 安倍 三郎君         専  門  員 遠山信一郎君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  一般職職員給与に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出第一号)  特別職職員給与に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出第六号)     ―――――――――――――
  2. 川島正次郎

    川島委員長 これより人事委員会を開会いたします。昨日に引続いて質疑を行います。
  3. 櫻井奎夫

    櫻井委員 ちよつとそれより前に……。昨日御要望申し上げておきました給与月額新旧比較表という資料が届きましたが、これは重大な資料でございますので、記録を中止しまして懇談会みたいな形で、資料作成者説明をしていただきたい、こういうことを提案いたします。
  4. 川島正次郎

    川島委員長 櫻井君に申し上げますが、先に池田君の質疑行つてそれからやりましよう。池田清志君。
  5. 池田清志

    池田清志委員 連日の審議によりまして、やや明瞭になつて参りつつありますが、私は極力重複を避けながら、三、四の事柄につきまして簡単にお尋ねをいたします。  まず人事院お尋ねをいたしますが、過去において給与改訂についての勧告をなされましたことが、何回もあるやに伺いまするが、その実施状況がどうなつておるかをお尋ねいたします。
  6. 滝本忠男

    滝本政府委員 お答え申し上げます。昭和二十三年の七月にいわゆる六千三百七円――これは平均給でそうなるようにという俸給表勧告をいたしたのであります。そのときに現実には三千七百九十一円という状況でございまして、これは二十四年の一月から六千三百七円になるように改正に相なつた次第であります。その次に昭和二十四年七月に七千八百三十七円という勧告をいたしたのであります。このときに実際のベースは六千六百二十円、こういうことになつて知ります。二十五年五月に八千五十八円という勧告をいたしたのでありますが、そのときの実際のベースは六千八百三十七円、こういうベースでございます。二十六年一月に改正が行われまして、七千九百八十一円というベースが実現したわけでございます。さらに二十六年の五月に一万一千二百六十三円という勧告をいたしました。そのときの実際のベースは八千四百四十九円ということであります。これが二十六年十月に一万六十二円ということで実施された。こういう状況なつております。二十七年五月に一万三千五百十五円の勧告をいたしました。一万四百五十七円の実際ベースでありまして、二十七年十一月に一万二千八百三十円、こういうことになつております。この当時まではいわゆる五現業というものがみな含まれておりましたので、一万二千八百二十円という数字も、これは五現業を含んだ数事なつておる次第であります。この当時におきまして、五現業を除きまして、ただいまのような非現業一般職だけについてこれを見まするならば、一万三千三百九十円程度の数字なつておる。こういうふうに考えられるわけであります。本年三月基準で一万五千四百八十円という勧告をいたした次第であります。過去の状況はそのようになつております。
  7. 池田清志

    池田清志委員 今のお答えによりますと、必ずしも人事院勧告通りに、あるいはまた人事院の期待せられる期日通りに行われておらないという結果が明らかになつたのでありますが、人事院勧告がその内容と時期において御期待の通り実施されないという場合に対し、過去においては人事院はどういう処置をおとりになつたでありましようか。
  8. 滝本忠男

    滝本政府委員 人事院勧告をいたしまする際には、公務員と同様の職務内容を持つておりまする民間の職員給与状況はどうなつておるかということを研究いたし、さらにその当時において生計費がどういうふうになつておるという状況を調査いたしまして、そういう事柄基本にして勧告をいたすわけでございますから、これはそういうことが実現されることが望ましいのであります。御指摘のように額面通り実現されましたのは六千三百七円という場合だけでございます。人事院勧告をいたす権限があるだけでありますので、それ以上さらに立ち入つてこれをどうしてもらいたいということは、人事院権限としてはなかなか言えないのであります。これは当然国会おきめになることでありますので、われわれは極力われわれの勧告正当性ということを御説明申し上げて、御理解を得るという努力を、国会並び政府並び官公労組の諸君の方にもいたしておる次第であります。しかし国会で一度おきめになりますれば、これはまた別の意味におきまして、人事院はそういうおきめになりました俸給表並びにそれに伴いまするもろもろの制度を運営いたしまする責任がありますのでこれを責任をもつてやる、こういうことであります。
  9. 池田清志

    池田清志委員 今回の勧告につきましても人事院といたされましては、その実施を四月にさかのぼつてというようなお話もだんだん伺つておるのでありますが、先ほど来御説明をいただきましたように人事院といたしましては、法制上の問題といたしましてその実施期日については何ら権限と申しますか、権威を持たないというようなことに相なつておるところからであろうと思いますが、今回の勧告につきましても、その実施の時期についてすみやかに実施せられるよう切望する、こういうことが書いてあるわけでありまして、人事院といたしまして三月の材料であるから四月から実施するということを望まれつつも、政府において今までこれらの措置がとられて来なかつたのでありますが、これに対しまして人事院といたされましては、どういうお気持でありましようか。
  10. 滝本忠男

    滝本政府委員 今回問題となつておりまする人事院勧告算定基礎というものは、御指摘のように本年三月現在になつておるわけであります。給与を既往にさかのぼつて実施するということは困難でありますし、またこれを御審議願う国会の会期が、必ずしも人事院勧告と同時にあるというわけでもありませんので、若干のずれがあつたということはいたし方のないことであろうかと思いますが、しかし人事院はなるべくすみやかに実現されることを希望いたしておるわけでありますから、その希望からいいますれば、これは時期が相当遅れておるということを申さなければならないと思います。なお人事院勧告は、給与水準改訂だけではございませんで、給与体系改訂という問題にも触れておりますし、むしろ重点はそちらにあつたのではなかろうかというように、われわれは考えております。この給与準則の問題が政府でまだいろいろ研究されておりまして、いまただちにこれをすぐ取上げるということになりませんでしたのは、はなはだ遺憾でありますが、両者含めまして人事院希望とは若干の距離があるのであります。これまた何と申しましようか、やはり希望とは遠いということを申し上げざるを得ないのであります。しかしながら少くもただいま提案されましたことは、なるべく早くそういう状況が実現されることが、希望とは遠いとは申しながら、なおかつ人事院としては希望いたすところであります。
  11. 池田清志

    池田清志委員 今回の勧告の一万五千四百八十円というものは、俸給扶養手当及び勤務地手当合計額というふうにお示しをいただいておるのでありますが、改訂してもらいたいという勧告事柄といたしましては、この中の俸給について主張しておられるのでありまして、人事院といたしましては俸給改訂いたしまして一万五千四百八十円になるようにいたしたいこういう御意思と思いますが、いかがでしようか。
  12. 滝本忠男

    滝本政府委員 御指摘通りでございます。今のお言葉の中に、ことさらに地域給が除外されてお話があつたのでありますが、勧告におきましては、地域給の問題はその勧告をいたします当時に、研究が十分完了しておりません関係上、これは別途申し上げるということで、あのときの勧告におきましては俸給表をかえる、これは給与準則体系にかえるわけでありますが、その基本は通し号俸であります。本俸をかえるという点が重点になりまして、一万五千四百八十円という数字が出ておりますことは、御指摘通りでございます。
  13. 池田清志

    池田清志委員 政府の今議会に対する提案によりましては、勤務地手当改訂についても提案されておるのでありますが、人事院勧告としてはなかつた事柄について、突如としてこの御提案をわれわれは伺うわけであります。勤務地手当改訂については、衆議院においても参議院においても、当該人事委員会におきまして、それぞれ検討を重ねておるところでありますし、衆議院のこの人事委員会におきましては、小委員会もできまして、決議そのものもできまして政府にも提示をされておるわけでありますが、これらのことを参考とせられまして御提案なつたと思うのでございますけれども、今まで政府としてこのことについてのお話を伺つていなかつたのに、ここに人事院勧告を解決する一つやり方として、これをお取上げになつた真意を伺いたいと思うのであります。
  14. 田中不破三

    田中政府委員 過半来の勤務地手当に関します論叢等を十分参酌して、この給与号俸改訂の際にこれを織り込むのが適当であると考えまして、そのような措置をとつたわけであります。
  15. 池田清志

    池田清志委員 勤務地手当の問題につきましては、当人事委員会の空気としては、これを全廃するという建前の下にいろいろと話が進められ、その第一段階としての決議がなされているわけでございますが、こういう趣旨をよく体していただいておるとは思いますけれども、この根本的な問題に対する政府のお考えはいかがでしよう。
  16. 田中不破三

    田中政府委員 池田委員お尋ね通りに、勤務地手当の全廃ということが最も望ましいのであります。過去においては勤務地手当はいろいろの意義を持つてつたのでありますが、昨今におきましてはすでにその使命を果しまして、むしろ次第に解消して参る方がよろしいかと存ずるのであります。しかしもとよりそれが相当多数の公務員に、すでに支給されております現状から見ますならば、これを一挙に廃止することにつきましては格段の措置を要するわけでございまして、現在政府としてそこまで踏み切つて措置いたすことは、諸般の情勢から困難でございますので、この際はその一過程として今回のような措置をとつた次第であります。
  17. 池田清志

    池田清志委員 今回の政府のこの提案が通過をいたすと仮定いたしますと、勤務地手当のなくなる町村が相当にふえて参るわけであります。今まで人事委員会において、これを全廃しようという方針の下に考えておりましたところの、ゼロ化してしまつた町村については、それですつかり固めてしまいまして、昇給については厳格にこれを制限しよう、押えようという考えが相当にあつたと、私は了承するのでありますが、政府のこの案が実現いたしました際、ゼロ化してしまいました町村昇給ということについて、どういうふうに政府はお考えでしようか。
  18. 田中不破三

    田中政府委員 地域給がついていたところが今回の措置がつかなくなつた、それが昇給にどういう影響を与えているだろうかという御質問の趣旨かと存じますが、過般来申し述べておりましたし、また本日御配付申し上げました資料もございます、先ほど櫻井委員から議事進行に関する御提案がありまして、後刻これを懇談に移して十分説明を聴取したいというようなお話がございましたが、その席におきまして十分にただいまの資料をごらんいただきまして、御検討いただきたいと思うのでありますがこれは無級地区につきましても、この表に示しております通りりつぱに昇給をいたしておるのでございまして、御安心願いたいと思うのであります。
  19. 池田清志

    池田清志委員 今度の政府提案によりまして、勤勉手当年間を通ずる制度なつて参つたわけでありますが、そういたしますと、その点からいうと期末手当勤勉手当が相当その性質が似通つたものになるかと思いますけれども、法律性質上どういうふうにわければよろしいか伺いたい。
  20. 田中不破三

    田中政府委員 この点も過般来の委員会質疑応答が繰返されたわけでありますが、今年とりました勤勉手当、年末手当あるいは夏季手当、つまり期末手当措置につきましては、これが本年の過渡的措置でありましたために、いろいろと御議論もあつたようでございます。しかし来年度以降について制度を恒久化しておりますが、この点につきましては、期末手当と併行して勤勉手当につきましても、年末の方を幾分夏よりも多くいたしまして、各職員勤務成績に応じて支給をいたしますような措置がやはりあつた方がよろしい、一律平均的な期末手当、それから幾分成績を加味して支給する手当、この両方が相まつて夏と年末の諸手当をぐあいよいよ片づけるのじやないかと思つております。
  21. 池田清志

    池田清志委員 政府予算案によりますと、給与改善費といたしまして百六十八億ということに相なつておりますが、財源におきましては、給与改善によつて当然に租税としてはね返つて参りますところを財源としております。その税金が百三十三億ということに相なつておるわけです。給与改善をいたしておるということには説明をされますけれども、一方租税としてそれだけ国に返つて来るのでありまして、実際公務員方々の手に残るものは三十五億ということになるように拝見いたしますがいかがでございましよう。
  22. 田中不破三

    田中政府委員 お話通り手当を増額いたしまして、その結果税収入としてのはね返りがございます。しかし今御指摘租税収入増加分百三十三億円は、これが全部はね返りではございません。自然増収税収入も、この中に入つております。またただいまのお話はね返りの分、これが国家公務員地方公務員を合せまして、およそ五十億であつたかと記憶しておりまするが、それだけがはね返つて来るわけであります。
  23. 池田清志

    池田清志委員 来年度の予算編成につきましては、政府は着々と準備をしておられまするし、大蔵大臣からその骨格につきましての御報告もあつたのでありますが、政府のこの提案給与改善をそのまま実施いたしました場合におきまして、年間計算と申しますか、予算と申しますか、そういうことになりましたら、二十九年度の予算においてどういうようなことに相なりますか。数字的なお答えをいただきたいと思います。
  24. 田中不破三

    田中政府委員 ごく数字的でございますから、正確な方がよろしいと思いますので、大蔵省の説明員お答えいたさせます。
  25. 岸本晋

    岸本説明員 お答え申し上げます。今回の給与改訂方法通りいたしますると、来年度の一般会計といたしましては、おおむね概算でありますが、四百四、五十億円の金がいる。これは平印度でございますから、もちろん昇給財源等は入つておりませんが、四百四十億ということに相なります。このうち今回の給与改訂方法通り計算いたしておりますので、たとえば義務教育費とか地方財政平衡交付金関係は、都道府県の富裕府県を除いて計算をするということにいたしております。
  26. 池田清志

    池田清志委員 地方公務員関係につきまして、国がめんどうを見ておりますことは従来もやつておりますし、この提案においても行われております。平衡交付金並び義務教育費国庫負担法においてまかなうことになつておりますが、今その点についての数字の御説明がなかつたのですが、私は重ねてそれを明瞭に伺いたいと思います。
  27. 岸本晋

    岸本説明員 四百四、五十億と申しましたのは、つまり概数で計算いたしておりますので、まだ正確に地方がこれくらいであるということは、ちよつと今差控えさせていただきたいと思います。
  28. 池田清志

    池田清志委員 政府はお米の消費価格を十キロ六百八十円の現在から七百六十五円に引上げんとする提案をしておられます。これについての説明もいろいろと記録によつて拝見をいたしておるのでありますが、何と申しましても、お米は日本民族が朝晩欠くことのできないものであります。粉食の奨励等が行われまして、だんだんその方向にも進んで行きまするけれども、この粒食をなくするというわけにはとても行かない日本状態であると思います。すなわちお米は国民の命のかてであつて生計費の大部分を占める重要なものなのであります。従いまして国の政治といたしましては、農村に対しましてはその増産の奨励をしなくちやなりませんとともに、一方消費層の面についての利益も保護しなければならない、こういうことに相なるわけだと思うのであります。二十七年度までのお米の制度につきましては、御承知のように独立採算制ということになつておりまして、農家から買上げますお米の代金引上げれば引上げるほど、これが消費米価に転嫁されておつたわけなのであります。農村といたしましては、米価が高くあることが利益でありますし、国の政治といたしましても、その方向に進んでおることはよく了承いたしております。しかしながら農村利益を保護いたしますということ一点張りで、農家米価引上げ、それが消費層に転嫁されるということに相なりますと、一方消費者利益が踏みにじられることに相なるわけであります。すなわちお米の値段を中心として考えますと、農村一般消費者との利害は相衝突をいたしております。この衝突を解決しなければなりません。その解決の方法として選ばれましたのが、二十八年度から実施されることに相なつて参りましたお米の二重価格制度であるわけです。すなわちこの制度口におきましては、農村から高くお米を十買い上げるようにすると同時に、消費米価は安定せしめる安いところの線に保つ、こういう趣旨であるわけです。今年実施されまする二重米価制度は、まだ私は完全なものであるとは考えておりません。われわれといたしましては、これが完全なところの制度化を目して進まなければならないと思つておるのであります。こういうやさきに、お米の消費米価が、理由はあるにいたしましても高くなるということは、さなきだに困つておりますところの一般消費層方々の不利益なつて現われるわけであります。従いましてそれだけその方々生活影響することに相なるわけであります。これが実施されますというと、一般公務員方々に、給与改訂はあるといたしましても、すぐ消費米価が高くなるということによりまして、給与改善の結果がその方方の生活に潤いをもたらすということになりにくいことになつて参ると思うのであります。従いまして私といたしましては、いな私どもといたしましては、ことにわが改進党といたしましては、二重価格制度をどこまでも強化して行きたいという考えを持つており、この際におきましても、消費米価引上げるというような処置は、極力これを避けなければならないという考え方を持つておるものでありますが、給与の関連からいたしまして、この問題についての政府のお考えを伺います。
  29. 田中不破三

    田中政府委員 池田委員お話通りに、消費者米価の問題は、非常に重要な点であることはもちろんでございます。従いまして政府といたしましても、この価格の決定ということにつきましては、非常な検討を加えましたが、生産者価格あるいは経費という点と、ただいまお話消費者に及ぼす影響考えました結果は、お話通りに七百六十五円が適当ではないかというふうな結論を得ておるわけであります。そうして七百六十五円にいたしますならば、およそそれぞれの家計において、値上り分は吸収され得るのではないかというふうな考えのもとに、お話通りに七百六十五円を適当と一応考えておるわけであります。しかし御承知通り米価の問題はなかなか緊要な問題でございまして、将来に向つても常にこの問題に対しては、注意を怠らずに十分の研究を続けて行かなければならぬことと存じておりますが、今回におきましては、お話のような数字を適当と考えたわけでございます。
  30. 池田清志

    池田清志委員 来年度の予算編成は、なかなかむずかしいことでありますことは了承いたします。ことに財源の少いわが国におきましては、政府はなおさら苦労をされると思うのでありますが、来年の予算の上における収支を一致せしめまするために、政府といたしましては、鉄道運賃引上げとか、郵便、電信料金引上げとか、タバコ代金引上げとか、こういうようなものを考慮しておるやに伺うのでありますが、いかがでございましようか。
  31. 田中不破三

    田中政府委員 ただいま御例示になりましたような運賃料金等につきましては、これまた国民消費生活影響を与える面が非常に多いのでありますので、努めてこれを避けなければならないという点におきましては、政府も同感でございます。ただ諸般の事情、各特別会計あるいは事業会計収支関係等から見まして、あるいはやむを得ずこれらの措置に出なくちやならないかと思うのでありますが、しかしこの点につきましては、特に直接大衆に大きな負担をかけるというふうな点につきましては、十分留意いたしまして、できるだけ軽い負担で済むようにという心がけで善処いたしたいと思つております。
  32. 池田清志

    池田清志委員 消費米価が上りましたり、運賃電信、それらの料金が上つたりいたしますることは、今も御答弁がありましたように、国民生活に重大なる影響を及ぼすわけであります。こういうような世の中の他の条件を、そういう状態にほうつておきますと、給与改訂をしなければならないということは、これは当然なことになつて参ります。しかもそういうような世の中条件が先に進みまして、給与改訂が遅れがちであるというのが、従来の実情であつたやに思うのであります。こういうようなことから考えますと、今回の給与改訂も、人事院勧告に現われましたところの三月というものによつて一万五千四百八十円という計算が出ておるのでありますから、これを今まで実施しなかつたということにおいて、政府あるいは国会はむしろさぼつてつた、こういうように言われても、やむを得ないと考えるわけであります。従いまして、政府といたしましても、これは実施を早くしたいということで提案されたということは、よくわかる次第なのでございます。しかし問題は形式的な賃金と実質的な賃金ということがあるのでありますが、世の中のほかの条件をそのままほつておいて、賃金についてだけ遅ればせながらやるというようなやり方は、いつまでたちましても、いたちごつこになつてしまいまして、いわゆるインフレを助長するところの一つ原因にもなりましようし、国の産業、経済、財政、そういうものに影響するところの大きな原因にもなろうかと思うのであります。わが国といたしましては、占領治下から独立を回復いたしましたこの八年の間において、いまだ国が立ち直るというようなきざしのところまで来ていないのは、まことに残念に思う次第であります。西ドイツを視察勉強して来られました議員の方々報出吉によりますと、西ドイツはりつぱに立ち上るところの下地ができておる、産業が発展するところの基礎ができておる、こういうことを伺うのでありますが、これは一にこの間におけるところの政治の結果であると思うのであります。わが国といたしましては、占領治下におきまして、あまりにイージー・ゴーイングな行き方をしたせいでもありましようが、独立を回復した後におきましても、いまだ日本が再建しなければならぬという気分を振い起して立ち上るというような政治がなかつたせいでもあるかもしれませんけれども、今日のところ、何とか切り返さなければならないという状況なつておるのでありますが、こういうようなことにつきましては、政府はどういうふうにお考えになりましようか。
  33. 田中不破三

    田中政府委員 池田委員から、国政の方向につきまして、政府に対しまして、御鞭撻をいただきまして、ありがたく存じます。お話にありました通りに、日本のただいまの現状をもつて見ますならば、常に大蔵大臣あるいはその他の閣僚からの話にもあります通りに、手放しにいたしまするならば、いわゆるインフレの傾向に向つて行くということは、いなめないと思うのであります。従いまして、かりに給与の例をとりましても、給与は上るが、しかしまた物価が上つて来れば、これは何ら役に立たない。いわゆるお話の中にありますように、いたちごつこという現象が起こりやすいことはお話通りでございます。従いまして、しばしば政府が機会あるごとに説明をいたします通りに、何とかして日本の物価を安定させなくちやならない、そのためには相当思い切つた措置をとうなければならないという点につきましては、お話通り同感でございます。そしてまた過般の予算委員会におきましても、大蔵大臣から来年度予算の構想を述べられて、努めて緊縮予算をもつて来年度の財政を切り抜けて参りたい、このように申された点なのでありまして、政府におきましては、この点に恥いては十分に戒心いたしまして、せつかくのこの給与ベース引上げも、むだに、水泡に終らないような努力を続けて参りたいと思つております。
  34. 川島正次郎

    川島委員長 午後一時半から再開いたします。  暫時休想いなします。     午後零時六分休憩      ――――◇―――――     午後二時二十一分開議
  35. 川島正次郎

    川島委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。岡良一君。
  36. 岡良一

    ○岡委員 昨日、一昨日と政府当局並び人事院総裁に対して、今度の改正に関する原則的な問題で、いろいろただしたのでありますが、私どもの納得できる御答弁を得られなかつたことは非常に遺憾に思つておるのであります。きようは幸い給与局長もお見えでありますので、給与の算定に関する基礎的な問題に触れて、いささか人事院のお考えを承りたいと存じます。私の資料人事院月報第四十号でありますが、標準生計費の算定、この人事院考え方についてお尋ねをしたいと思います。この標準生計費の算定については、昨年五月においては、独身成年男子の勤務地手当を支給しない地域における標準生計費は四千七百であつたものが、本年三月においては五千三百円と計算されておる、こういうふうに相なつております。しかもその食糧費は月額が二千九百三十円となつております。そこで私がお伺いしたいことは、このような食糧費ではエンゲル係数は、一体どれだけなのか、また人事院としては、公務員生活を維持するがためには現状のようなエンゲル係数をもつて妥当と思うかどうか、また将来の構想としてはどの程度までエンゲル係数を引下げる必要があると思われるか、この三点についてまずお伺いしたいと思います。
  37. 滝本忠男

    滝本政府委員 ただいまお示しの人事院月報四十号に、標準生計費計算方法につきましても書いておる次第であります。それで昨年は四千七百円という標準生計費を算定したのでありますが、今年は五千三百円となつております。これはわれわれが標準生計費計算いたしまする際には、理想を追うということでなしに、現実に日本消費事情がどうなつておるかということに着目いたしまして計算することになつております。すなわち食糧費について申しまするならば、成年男子でありますれば、たとえば二千五百カロリーというものが、理想的には、軽労働に従事する際に、必要なカロリーであるというふうにいわれておりますが、現実に一般消費事情において、成年男子がどれくらいなカロリーをとつておるかということを厚生省の栄養調査等の結果から導きまして、われわれは二千四百六十カロリー、こういうふうに計算いたしておるわけでございます。このカロリーは、昨年のカロリーよりいささか増したことになつております。それで食糧費につきましては、このカロリーを基礎にいたしまして、そういうカロリーを攝取するために、どういう食品構成をとつたらいいのか、その食品の割合をどういうふうにとつたらいいかということに相なるのでございますが、この場合におきましても、いろいろ食品の組合せ、またその分量の組合せ等があるわけでありますが、その食品の組み合せ、あるいは分量の割合等におきましても、これまた統計局で行われております消費者価格調査等における、実際消費者消費しております商品の割合、また数量等をもとにいたしまして、なるべくそれに近いような方法で、いわゆるマーケツト・バスケットを組んでおるわけであります。そのマーケツト・バスケットを組みまして、それに価格を当てはめましてその食糧費を計算いたしたわけでありますが、その価格は本年三月現在における消費者が実際に支出いたしました実効価格、そういうものを当てはめて計算する、そういうことになつております。食糧費の方はそういうふうにして計算いたしまするが、食糧費以外の、たとえば被服費でありますとか住居費、光熱費、雑費というようなものにつきまして、マーケツト・バスケツトふ組むと同様の方法によつてやりたいのでありますけれども、現在の統計の整備状況では、なかなかそういうことを期待することがむずかしい状況にかりますので、これは消費者実態調査の方から、いわゆる換算常数を計算いたしまして、消費者実感調査のたとえば平均四・二人の世帯である、そのときに住居費がどのような価格なつているということから、換算乗数を用いまして、一人当りの額に直したならばそれがどういうふうになるという計算をいたしまして、お手元にごらん願つております資料のように、たとえば食糧費は二千九百三十円――これは東京都において計算いたしたのでありますが、被服費、住居費、光熱費等は、それぞれそこに掲げておりますように、消費者実態調査の方から導きまして、六百五十円、九百五十円、千五百四十円というような致字を導いておるわけであります。それを合計いたしまして六千七十円という数字を出しておるのでありますが、この六千七十円の中におきまして、食糧費がどれくらいの割合になつておるかということを計算いたしてみますると、四八%ということに相なつておるのでございます。現在総理府統計局でやつておられます消費者価格調査等におきましては、このパーセントはごく最近の数字でありまするが、五〇%に相なつておると承知いたしておるのであります。このエンゲル係数というものは普通の場合には低い方が、もちろん好ましいことにかわりはございません。でき得れば、正常なる状態におきまして、食糧費が生計費の中において占める割合を三五%ないし四〇%という程度に引下げることができますれば、それはまことに理想的であろうと考えます。またそういうふうになることを希望はいたすのでありますが、現在人事院でやつておりますのは、理想ということよりも、現実にこの消費事情がどうなつておるかという点に着目いたしまして、なるべくそれに近いような計算をいたしておる次第であります。六千七十円というものを東京都において計算いたし、これをさらに勤務地手当のつかない地域に換算いたすわけでございます。勤務地手当のつかない地域において、六千七十円に相当する手取りがあるようにするためには、一体給与総額というものが、どのくらいになつていなければならないかということを計算いたしまして、その逆算の結果、われわれは五千三百円、こういう数字を得ておるわけでございます。従いまして将来に向つて消費事情が好転して参りまするならば、われわれの計算も、またそれに従つてエンゲル係数というものも下る、こういうことになろうかと思います。
  38. 岡良一

    ○岡委員 これは給与局長には申し上げるまでもなく、理想的には、少くともエンゲル係数は四五を越えるべきでないというように、理論的にはいわれておるのでありますが、それはさておきまして、先ほど池田君からも御指摘があつたように、現実に一月一日からは消費者米価も現在の政府の方針によつて、十キロ六百八十円がたしか七百六十五円になるということになつております。電信料金なり、運賃なり、また九電力会社が全部電力料金の値上げを要求していることも御存じの通りであります。そういうわけで、とうとうたるインフレが、しかも物価の王者である米価の具体的な引上げを通じて、料金引上げによつて大衆生活にしわ寄せをして来ようとすることは、これは当然なこととして、われわれは指摘することができるのであるが、そこで最近も東京都内においては、米価のやみ価格のごときも、未曽有の高騰を来しておる。そこでそういう具体的な数字を把握することは、人事院としても困難ではありましようが、さしあたり米価が十キロ六百八十円が七百六十五円に引上げられた場合において、そのはね返りは、数字として一体この五千三百円の標準生計費にどういうふうな影響を持つて来るか、その数字について御調査の結果があつたら、承りたいと思います。
  39. 滝本忠男

    滝本政府委員 われわれも、米価が上りました際に、生計費にどのくらいの影響があるかという計算を、実は試算をいたしてみております。それによりますと、大体標準生計費の一%ないし二%程度影響があるのではなかろうか、このように見ております。
  40. 岡良一

    ○岡委員 そうすると、一昨日給与局長お答えになりました、大体人事院勧告の方針をもつて給与の月額平均を求めるならば、一万六千三十円程度であろうとおつしやいましたが、それは米価の高騰を含めての数字でございましたか。
  41. 滝本忠男

    滝本政府委員 おおむね一万六千円内外に来年一月一日になるであろうと申しました。その数字は本年の三月現在で一万五千四百八十円になるような、いわゆる俸給表でございます。この俸給表を来年一月現在で、公務員に適用いたしてみまするならば、その平均は一万六千円くらいになるであろう、こういうことを申し上げましたので、その三月から来年の一月までの間には、もちろん消費物価等の若干の高騰があるのでありますけれども、それを織り込んでお話申し上げた次第ではないのでありまして、現行給与法によりますれば、公務員は六箇月たてば昇給するという人々もございまするし、九箇月たてば昇給するという人々もありまするし、また一方におきまして、昇格ということもあるわけでございます。そのようにいたしまして、本年三月現在の職務の級別に見ました人員、またその職務の級の中で、俸給号俸別に見ました人員、そういうものの分布状況が、本年の三月現在より来年の一月現在の方がずれて高くなつておる。すなわち一口に申せば、昇給、昇格の結果、各人の給与号俸というものは現実に上つておりますから、その号俸改訂いたしまする結果は、本年三月と同じ俸給表を適用して、平均を出してみますと、本年三月よりも相当上つた一万六千円程度になる、このよなことを申し上げた次第であります。
  42. 岡良一

    ○岡委員 そういたしますと、たとえば人事院としては、その三月一日付のいわゆる一万五千四百八十円ベース以降における物価の値上り等については、いろいろ御調査ではありましようが、結論として最も具体的に台所の経済に響く米価の値上りというものが、一%ほど当然上昇するということはお認めであるわけでございます。そこで……。
  43. 滝本忠男

    滝本政府委員 米価がもしそういうふうにきまりますならば、これはやはりその程度の影響はあろうかというふうに考えております。
  44. 岡良一

    ○岡委員 その次に、先ほども御説明の中にあつたのでございますが、東京都における独身青年男子の一箇月の標準生計費というものが六千四百円でございますか、これは勤務地手当が二五%ついておるから、それに対して、百二十五分の百をかけたものを、一般の標準生計費として算出する、こうおつしやいました。そこで今政府が出しておりまするような、この一級地の全部の分の勤務地手当というものを全部本俸に織り込む、また零級地というものをなくするということにすれば、結局地域給は四段階に相なるわけでありますが、そうしますと、判定の基準として用いられておる百二十五分の百イコール〇・八という数字には移動が多少出て来るわけでございますが、こういう点もやはり十分に考慮しなければなるまいと思います。その点についての局長としてのお考えをお伺いします。
  45. 滝本忠男

    滝本政府委員 御指摘のように、勤務地手当の段階がもしかわるということになりますれば、いわゆる無級地における標準牛計費の計算も違つて来るであろう、このように考えます。しかしわれわれの計算いたしておりますものは、あくまで東京を基準にして計算いたしております。ということは、東京における計算をいたしますることが、資料関係から見ましても、比較的と申しますか、一番いい計算ができる。また公務員も非常に多いわけでございますから、そういう関係上、東京を基礎として計算いたしておるということになりますので、四段階の場合におきましても、五段階の場合におきましても、東京におけるものは、これはかわりはないであろう、このように考えております。ただ無級地におけるものは、御指摘のように違つて来る、このように考えております。
  46. 岡良一

    ○岡委員 それではついでにお伺いをいたしておきたいのでありますが、私どもはいろいろ一万五千円ベースとか、一万六千円ベースとか、いわゆる総体の金額の給与のわくをはめておりますが、実は先般も国政調査に出向きまして、地方の、特にこれは大蔵省関係の出先機関でありますが、出先機関でその地方の報告を求めましたところが、非常に長期の欠勤者が多い、驚くほど欠勤者が多い。それが総体の五%を越えておるというようなところが、実はあるわけ正であります。今こうして飲食物費というものが非常に高く、エンゲル係数というものが非常に高いという事情も相まつておるでありましようが、とにもかくにも、こうして国家公務員が、中央においてはわかりませんが、地方の出先機関においては、長期欠勤者が大蔵省関係では特に多い。これは大蔵省だけであろうかどうかという点についても、私ども非常に心配をしておるわけでありますが、こういう点について、あなたの方で何か統計的なものがあつたらお示しを順いたいと思います。
  47. 滝本忠男

    滝本政府委員 われわれの方で、国家公務員の健康状況につきまして、若干の統計をとつております。これは各省側に相当めんどうをかけることでございますから、控えがちな報告を求めておりますので、必ずしも完全な数字とは申しがたいのでありますが、二十七年度におきまして、結核性疾患によりまして、現在長期療養をいたしておる、また休養を要する者というものがどのくらいあるかということの数字を、一応調べておりますが、それによりますと、被検者いわゆる検査をいたしました者、二十万八千人くらいの中で、三千八百人程度が長期療養を要する者であるということに、統計の結果は相なつておりまするし、さらに郵政省関係職員まで含めまして四十四万八千人中におきまして、その数字を求めてみますると、五千九百人程度の方方が長期療養を要するという結果に相なつております。
  48. 岡良一

    ○岡委員 その長期療養者の中で、結核性疾患の部分は、どの程度のパーセンテージを占めておりますか。
  49. 滝本忠男

    滝本政府委員 ただいま申し上げましたのは、結核性だけについて申し上げたのであります。
  50. 岡良一

    ○岡委員 御存じのように、今日本にも再びまた結核が非常に蔓延しつつある。一時ストマイや外科的療法、そのほか新しい療法が発見されたために、それによつて数字としては発生率なりあるいは死亡率なりが、非常に減少いたしましたが、それらの療法にもすでに結核菌が免疫性を持つて来たという現象から、再び結核の蔓延がここ数年にして、非常に憂うべき結果になりはしないかということを専門家から憂えられております。そこで、特に地方地元民と接触の多い地方出先機関の国家公務員が、この結核によつて長期療養するということは、単に結核によつてその人が自分の生活のもとである健康を虫ばまれるということだけではなく、地方的にも大きな影響があろうと思うのであるが、こういうことについては人事院としては、特別なる厚生施設なり、福祉施設なり、療養施設なりを現在持つておるのかどうか、また持とうという意図があるのかどうか、こういう点、あるいはまたそういう御計画があるならば、その御計画をお漏らし願いたい。
  51. 滝本忠男

    滝本政府委員 人事院といたしましては、そういう結核性疾患にかかつておられます方を早期に発見いたしまして、これに適当な療養をしていただくということが、一番根本ではなかろうかという点に着目いたしまして、定期検診ということを行うことに全力をあげておるのでございますが、そのほかの点につきましても予算上いろいろ困難があるようでございますが、でき得る限りこの施設をして行きたいということで現在やつております。
  52. 岡良一

    ○岡委員 そういうわけで、実は結核が非常に多くて、長期療養者がそこに働いておる人の五%をはるかに越えておるという数年を、はつきりしたことは忘れましたが見ましたので、この発生の実態について、いろいろ関係の部課長を呼んで聞きましたところが、やはり同じ部屋で執務しておつて結核になつて入院しておる。職場によつて感染しておるという事実が発見されておる。これは私が自分で現場でそのデスクのまわりの人に聞いてみて発見したことなんです。こういうことはそのところだけではなく、結核という病気のあり方、伝染の仕方から見ても、接触感染ということが十分あり得るわけなんです。そうしてみますと、今言われた早期発見のための集団検診というものは、よほど強力にやらなければならぬ。一年に二回やるという原則があるとしても、特に結核の浸潤率の濃厚な、あるいはBCGの反応なりマントー氏反応の濃厚なところは、六箇月目と言わないで、三月目でもやり、あるいはBCGの注射を励行する。そしてこういうような集団検診をやつて早期発見して、その人が職場において感染源となつて周囲に病毒を伝播して、周囲の人たちを不幸にすることがないように、よほど計画的な対策をやることが、ベース問題以上に重要な問題であると私どもは思うのであるが、こういう点については、政府人事院も今や結核が再び蔓延しようとしておるということ、そして国家公務員においてもそういう事実があるということ、こういうことから十分に集団検診の問題を専門家と相談されて、しかるべく適切な対策を講じられることを、この機会に心からお願い申し上げて、私の質問を終りたいと思います。
  53. 川島正次郎

    川島委員長 受田新吉君。
  54. 受田新吉

    ○受田委員 この法律改正案に関して、別表の第六に教育職員級別俸給表が掲げられてあるのでありますが、これについて文部省の政府委員お尋ねを申し上げ、しかる後に関係事項について他の政府委員お尋ねいたします。  この別表の第六は、結局先国会で教員給与の三本建法案が通過した結果、こうした形で現われておるものであります。ところがこれがいよいよ実施せられるということになりますと、われわれといたしましては厳重にこの法律影響するところを検討しておかなければなりません。文部省としては、昨年の九月以来この給与三本建に賛意を表せられ、鋭意これが実現に努力を傾注せられたのでありますが、この点につきましては自由党の各位並びに改進党の各位も協調せられまして、法案通過に成功せられたのであります。ところが去る夏の国会でこの法案が通過するときに、これに伴う予算措置として、二十九年一月からの実施として三億六千万円が計上せられました。わにれわれはこの点について非常な関心を寄せておるわけで、この級別俸給表が第一線の都道府県、市町村のそれぞれの関係者にどういう影響を与えておるか。当初全国の都道府県教育委員会、府県知事等は、この点についてあげて三本建反対の要望をしておつた次第でもあるし、特に都道府県の教育委員会がこぞつてこれに反対したということは、結局この国会に基いて都道府県のこれに関する条例をつくる場合に、その勇気をはばむものであると私は思います。府県によつては三本建を実施することに対して躊躇しておるところもあるというし、また反対をしていたというところもあると聞いており、やむなくこれになびいたということも聞いておるが、これに喜んでなびいた府県と、これに対しては遺憾の意を表しながら、やむなくその後協調したという府県と、現になお条例をつくることなくして反対の意思表示をなしつつある府県について、その資料を御提出いただきたいのであります。簡単にその情勢を御報告願いたいのであります。
  55. 緒方信一

    ○緒方説明員 お答え申し上げます。いわゆる三本建給与法が成立いたしまして、それの実施方につきましては、主として今お話がありましたように財源の面からもありますが、府県によりましていろいろの意見のあつたことは事実だろうと思います。しかしながらこの給与法が成立いたしましたあかつきにおきましては、この給与法が完全に実施されますことが必要であると存じますので、文部省といたしましては給与条例の改正案等につきまして、地方に対して通牒を発してただいま指導いたしております。ただいまお話のありましたように、いろいろな事情があつて地方の府児においてまだ給与条例の改正に着手しないというところがあるかと存じますが、しかしながら私どもといたしましては、今後この給与条例の改正が各地方で行われて、そうして三本建の給与法が実施されることを期待しておるわけであります。ただいまいろいろ種類をあげてお話がございましたように、どの府県がどういうふうになつておるかということは、今の段階でははつきり申し上げられないと存じますが、給与法が制定せられました今日におきましては、各府県ともこれを実施することに努力しておられるものだと了解いたしておる次第でございます。従いましてどの府県との府貨というようにあげて資料を提出することは文部省といたしましては資料がございませんのでお許し願いたいと思ひます。
  56. 受田新吉

    ○受田委員 現にこの給与に関する条例が直されておる都道府県と、まだそれがされておらない府県とはおわかりいただけると思います。それははつきり報告がされておるはずです。御指導される上において成功したところと、その指導がまだ徹底しないところとの区別はできると思います。それをお示し願いたい。  もう一つはこの国法に基く条例改正について、これを指導する際に強行規定があるかどうか、府県が条例を改正しなかつた場合に、それに対して制裁を加える規定があるかどうか、その点をお尋ね申し上げたいのであります。
  57. 緒方信一

    ○緒方説明員 条例の改正につきましては、ちようどただいま各地方ともその準備をしている段階ではないかと思います。文部省といたしましても、先般自治庁と協議いたしまして、先ほど申しましたように条例改正案を作成いたしまして、先般これを地方に流したばかりであります。従いましてただいま文部省といたしまして、条例をすでに制定したところと、ただいま準備をいたしておるところとの区別は、ちよとつきかねるわけでございまして、その資料はただいまございませんので御了承願いたいと思います。  それから第二点の強行規定があるかということでございますが、御承知のように条例のある府県におきましては、国立学校一教職員給与基準といたしまして、条例をつくるということになつておりますから、この国立学校の基準に基きましてこれを制定いたしますが、条例のないところにおきましては、国立学校の条例によるのであります。国立学校法にきめられました基準が、そのまま適用に相なつておるわけであります。
  58. 受田新吉

    ○受田委員 その条例を改正しなかつた場合において、制裁を加える道があるかどうかということです。
  59. 緒方信一

    ○緒方説明員 制裁を加える規定はございません。しかしこれは先ほどから繰返し申しますように、国立学校の基準として条例はつくられるわけでございますから、私どもとしましてはこの法律が制定されました以上は、各地方において完全につくられるものだと期待しております。
  60. 受田新吉

    ○受田委員 府県がこれに改正を加えることができない、教会委員会改正を加えないという場合は、政府としては黙視しなければならないことになるわけですが、それとともに大体給与に関する国法がある。この国法に来いて府県もそれぞれ昇給などがなされているわけですが、府県によつては非常に高い教員の平均億を出しているところもあるし、また非常に低い線で取残されている府県もある。それに給与実績に基いて義務教育費の半額国庫負掛がなされているということになつておるのでありまするが、他の地方公務員である都道府県の職員と市町村職員などは、国が国法に基く基準によつて平衡交付金を流しているわけです。そこに教育地方公務員とほかの地方公務員との給与に関する国の援助に差等があるわけです。これは文部省としては地方給与を国法に基いてやつてくれるものと思うたら、国法に基かないでそれと違つたやり方をしているところがあるというようなことと、この条例を国法に準じないで、改正しないというようなことと同じ立場でこれは考えられるべきものではないと思うのですが、文部省としてすでにその権限の上において昔日のような強力なものを持たない場合、そうした地方に対する指導に事を欠くということを、はなはだうらみとしておるかどうか、この点も現状からお答えいただきたいのであります。
  61. 緒方信一

    ○緒方説明員 地方公務員給与におきまして差等ができますことは、現在の地方財政制度の上におきましては、ある程度やむを得ないことであろうと思います。各府県市町村間に、財政能力の上におきまして非常な差がございますので、それに基きまして当然そういうふうな結果が生れて来るかと存ずる次第であります。でこれに対しまして文部省の立場からいたしましては、もちろん各府県とも給与がある一定の合理的な水準に達しますことを希望いたすわけでございますが、現在の地方財政制度地方制度の上におきましては、その差別をなくして行くということは非常に困難でありまして、現状といたしましてはある程度やむを得ない、かように考える次第であります。
  62. 受田新吉

    ○受田委員 その給与と同じような意味で、この中央の法律改正がされておる今日、三本建を実施しない、条例改正しないということに対しても、これはやむを得ないと、いうことが起り得ますかどうか。
  63. 緒方信一

    ○緒方説明員 給与三本建の実施についての財源掛継といたしましては、先ほどお話もございましたように、前回の地方財政計画の上におきまして明らかにされております。このたびこの実施に伴いまして、地方に対しましては、この地方財政計画におきまする財源計画に基きまして、平衡交付金が流れて行くわけでありますから、それに基きまして地方は当然実施されるものだというふうに期待いたしておる次第であります。このたびの実施につきましては、財源の道も確保されておる、かように存じております。
  64. 受田新吉

    ○受田委員 三本建を実施しないで、現状のままで地方教育職員給与を進めた場合に、法律に基いて地方に流した平衡交付金を取り返すというような形になるのかどうか、これもお伺いしておきます。
  65. 緒方信一

    ○緒方説明員 平衡交付金を返還させるかどうかという問題は、これはこの問題だけについては論ぜられないかと思いますが、ほかの一般の場合にも起る問題だと考えます。ただこれを実施しないで、ただちに返還させるということにはこれは相ならぬかと存じますけれども、平衡交付金というものは御承知のように、特定のひもつき財源ではございませんので、地方におきまして、これを総合的に地方財政の上の財源といたしまして使いますことは許されておりますので、ただちに返還させるということには相ならぬかと存ずる次第であります。
  66. 受田新吉

    ○受田委員 地方が三本建の条例改正をしないで、その部分を他のひもつきでない方面に流したつて、国家としてこれに対する制裁を加える規定もないということになれば、府県は独自の立場で、中央の意思は尊重するが、わが県としてはしなかつたということになつてもいいわけですね。
  67. 緒方信一

    ○緒方説明員 この問題は所管が自治庁との関連が深うございますから、自治庁ともよく相談した上で、お話し申し上げたいと思います。
  68. 受田新吉

    ○受田委員 これはきわめて大事な問題でして、府県の条例をつくるときに改正していいか悪いかという判定資料になるので、府県の中にこの三本建に反対して、何とかして現行のままでおきたいという気持を持つているところが相当あるのです。私もいろいろ知つております。そういうところが、そういつた中夫の方の御援助に、大した支障が起らないということになれは、敢然と所信に邁進されるだろうと思うし、こういう点において、もし中央が何らかのわくをはめようということになれば、法律改正ということも起るわけです。文部省としてはそういう場合にどういう考え方を持つて行くかという文部省の立場を私はお聞きしたいと思つたのですが、御相談の結果をお答えいただきます。  次に一月以降、本年度内の第四・四半期に対する三億六千万の予算の配分ですが、当時この法律をつくるときにはいろいろ議論があつて、改進党においては、この三億六千万は高校職員を中心とする学歴差、前歴差というものの不均衡是正に使いたいという意見があつて、それがためだということになつた。これが急に途中から本質的な三本建になり、こぶが出るやり方にかわつたわけなんです。この三億六千万円の予算の内訳ですが、給与三本建を実施して、高校へ特にこぶをつけるために、この該当者が何人おり、それに対する予算が幾らいるのか、すでに文部省では正確な数字を御調査になつているだろうと思いますので、はつきりした数字をここで示していただいて、三億六千万円を全部その三本建に使うのか、あるいは不均衡是正に使う部分があるのかをお答えいただきたいのであります。
  69. 緒方信一

    ○緒方説明員 このたびのいわゆる三本健給与法の実施に要します経費の算定でございますが、総額からいたしまして二億六千六百万円という算定を私の方ではいたしております。内容を申し上げますと、このたびの法律実施の結果、一級昇格に要する部分につきましては三箇月分で二億九百万円を要する。さらにこれに伴いまして人事院規則の改正が行われ、級別資格基準法が改正されたのでございますが、これは御承知のように昇格の年限が短縮されたのであります。これに要します経費といたしまして、五千七百万円、総額といたしまして二億六千六百万円を算定いたしておる次第であります。
  70. 受田新吉

    ○受田委員 そうしますと獲得された三億六千万円という予算は、今の一級上ることと昇格年限短縮とを合せても、まだ約一億に近い余剰ができたわけですね。こういう余剰ができるような予算のとり方をすることは、はなはだ私はずさんであると思うのですが、文部省としてはこの三本建給与実施に対して二億六千万円くらいしかいうぬのにかかわらず、三億六千万円も国費をとつているというこの現状を、いかがお考えなつておりますか。
  71. 緒方信一

    ○緒方説明員 三億六千万円の財源措置が行われました当時には、まだこの三本建の法律も成立いたしていない前でございましたし、さらにこれをいかように具体的に実施するかという人事院規則細則もまだ制定されていない前であつたのでございますので、正確に計算はせられなかつた実情にあつたのであります。法律の制定によりまして、それに伴いさらに人事院規則細則ができまして、初めて所要経費が確定された。ただいま申しました計数は確定したあとにおきまして算定いたしたのであります。
  72. 受田新吉

    ○受田委員 大蔵省の方にちよつと関連して御質問しますが、これは非常に大事なところですから、総括的な政治的な答弁を田中さんにしていただきます。この三億六千万円を、文部省としてはいかに大目に見ても二億六千万円しかいうないというのです。それをこの金のいるとき、三億六千万円と、一億もよけいこれに計算するということは、はなはだ政府としてはずさんではなかつたか。そういうようなよいかげんな予算のとり方というものは、予算編成される上におけるはなはだふまじめな態度ではないかと思うのでありますが、田中さんはいかがお考えになりますか。
  73. 田中不破三

    田中政府委員 ただいまの受田委員の御質問でございますが、もしそういうことでありますればまことに遺憾であります。私自身ごく細部にわたつております数字的な内容を盛つたわけでございませんし、後刻関係者も出て参ると思いますが、十分実情を調査いたしまして、御返答を申し上げたいと思います。
  74. 受田新吉

    ○受田委員 今の場合、非常に遺憾な場合にはどういう責任をおとりになりますか。
  75. 田中不破三

    田中政府委員 十分実情を調査いたしました上で、お答えを申し上げたいと思います。
  76. 受田新吉

    ○受田委員 これははつきりもう一億に近い三本建とは別の金が出ているのです。これは現実に出ているのです。隠すも何もないのですよ。出ている数字が遺憾な場合といつても、もう答えは出てしまつているのです。この点についての責任です。
  77. 田中不破三

    田中政府委員 いろいろそのときの立法の経過、あるいは、そういうふうなものがかりに出ておりますと、どういうふうないきさつで出て参りましたか、これらの諸般の事情をよく精査いたしまして、あらためてお答え申し上げます。
  78. 受田新吉

    ○受田委員 政府予算編成については、はなはだ政治的なにおいが多くて困るのです。大体法律ができて、その法律に基いて幾ら予算がいるかということで予算編成がされるのが本筋であると、われわれは立法技術の上から考えるのです。大体給与法ができて、それから予算委員会が騒ぎ立てるのがほんとうです。予算委員会が騒ぎ立てた途中あるいはあとで、この予算編成をするというのは、これは本筋ではありませんね。そうお考えになりませんか。
  79. 田中不破三

    田中政府委員 いろいろとその間の事情もあることと思いますので、はつきりどういうふうな経過であるかということをいろいろと調べませんと、この際ただちに御答弁もいたしかねる次第であります。
  80. 受田新吉

    ○受田委員 私はこの給与法の三本建以外の、一般の給与法についても今お尋ねしているのですが、原則として予算委員会予算を通す時期と、こちらとにらみ合せて行くということでなくて、これはもう給与法としては基本的な法律なんだから、この法律が通つて予算委員会がこの給与法に基いて、予算が幾らいるというふうに考えるのが、立法技術の上では正しいのではないかということをお尋ねしているのです。
  81. 田中不破三

    田中政府委員 相対論として申しますならば、従来のやり方を見ましても、法律が先に御審議を終りまして、予算があとで審議を終るということもありますし、あるいは並行して審議される場合もありますし、受田委員も過去の経験から十分にその間の事情は御承知のことと思うのであります。いろいろとそのときの事情々々に応じまして、いろいろの法律なり予算の成立の仕方をいたしております。
  82. 受田新吉

    ○受田委員 私もこの六、七年開議員の生活をしておりますので、お言葉の点についての経験的な立場から、そういうふうに感じられる場合もあるのです。いろいろな場合におけるいろいろな技術操作、これはあり得ることでばありますが、私の申し上ぐるのは、正しいあり方としての原則的な立法技術としては、給与法が通つて給与法に基く予算が幾らいるというふうに予算を通すことが筋として正しい。従つてそれに基くならば三億六千万円といういいかげんな予算を組んでおいて、その中で三本建て――いいかげんに組んでおきながら、あとから法律をつくるというようなやり方は筋が通らない。やつぱり三億六千万円というのは、どれだけとどれだけのものがどうなるのだという、はつきりしたものをもつて、これはすぐ法律が出るから、そこでこの三億六千万円が計上されなければならぬというような形をとらなければならぬと思うのです。できた法律は二億六千六百万円、獲得した予算は三億六千万円、そうしてその三億六千万円が、ほかのものが何かあるならいいけれども、ほかのものは何もない。こういう行き方が、国会の中で現にこういう幽霊的な予算が行われておるということになると、国民もはなはだ了解に苦しむことになると思う。それを今お尋ねしておるわけです。それはあとでお答えになるそうですから、留保しておきます。  そこで次にこの国家公務員たる高等学校の教職員、中小学校の教職員というものの中に、高等学校に該当するところの特殊学校があります。盲聾学校のごとき、あるいは中小学校に該当するその特殊学校の中学部、小学部もあるわけです。ここの職員は同じ性格の仕事をしているわけで、高等部と中等部と小学部というようにわかれた仕事をして、対象は違つてつても、職務の内容は同じです。この場合に特殊学校も給与差がつくようになつておるのか、あのときは特殊学校は特殊学校の職員として一本にするというようなお話があつたんですが、どうなつておりますか。
  83. 清水康平

    ○清水説明員 申し上げます。たとえば今のお話は盲学校、聾学校のような特殊の学校のお話かと拝承いたしたのでありますが、御承知のように盲学校、聾学校には、国立といたしましては、高等部と中学部と小学部というふうにわかれておるのでありまして、この人たちに先生の俸給表のどれを通用させるかということにつきましては、相当これは慎重に考え、その他の経緯を考慮いたしたのでございますが、十六国会の際に通過いたしました法律の精神からかんがみまして、高等学校と中学校以下との間には職責差ありというのが、あの法律の精神と解しましたので、特殊学校の高等部の先生には高等学校の俸給表を、中学校以下の先生には中学校の俸給表を適用することになつたのでございます。しかしながら御承知のごとく盲聾学校の先生は、席は一応国立でございますが、中学部に席を置きましても、高等部の授業を担任しておられる人が相当あるのでございます。いずれにいたしましても、中学部の授業を持ち、高等学校の授業を担任している人は、やはり高等学校の先生でありまするので、その特殊学校のそういうような先生は、高等学校の俸給表を適用することに相なつております。
  84. 受田新吉

    ○受田委員 これははなはだけげんなことなんですけれども、特殊学校のうもの盲聾学校のごときものは、これは学校差をうけることが私はおかしいと思います。あの特殊の教育をするものが、中学部、高等学部といつても、これは同じ職務内容になるものであります。その場合に、中学部に席を置いた先生が、ちよつと高等部へ一時間でも教えに行けば、高等部の俸給をくれるというのですか。それじや高等部の先生が、一時間でも中学部に教えに行けば、中学部の俸給をくれるということにもなるのですが、中学部に席があるものが、高等部へ嘱託でちよつと行つた場合でも、ちよつとでも行つたら高等部のをくれる、本質は中学部の職員であるということになれば、これは地方の中学校の先生などで、定時制の高校などの職員ちよつと兼ねて行つておる先生があります。その先生も高等学校の給与をいただけるのでございますか。ここに解釈がはなはだ支離滅裂になるおそれがあるので、念のために地方教育委員会に、中学の先生などでちよつと嘱託などで、特殊の音楽のようなものを担当した高等学校に行つた先生は、中学校の先生であるが全部高等学校の俸給表を適用するというような通達でも出す用意があるのかどうか、これは首尾一貫しなければいけませんので御答弁いただきたいと思います。
  85. 清水康平

    ○清水説明員 申し上げます。国立の特殊学校は、高等部、中等部、小学部一貫した有機的な運営であることは申すまでもないのでありますが、高等部、中学部、小学部というふうにわかれておつて、高等部は教科担任であり、中学部は全科担任であるということもありまして、高等学校の授業だけ持つている先生は、当然高等学校の俸給表の適用を受けますが、中心校の授業のほかに高等学校の教育も施している人は、やはりこの先生も高等学校の先生でありまするので、高等学校の俸給表を適用いたすことになつておるのでございます。それからただいまちよつとかけ持ちというようなお話がございましたのですが、御承知のように特殊学校はそういうかけ持ちというのでなくて、全体としてやつておりますで、そういうことはないと思つております。
  86. 受田新吉

    ○受田委員 全体としてやつておるということになれば、小学部、中学部も高等部と同じように待遇すべきじやないですか。そういう区別ができないと今おつしやるならば、つまり中学部の先生が高等部に行つておる場合には、中学部の方が主体である。主体の方が中心であつて、高等部に行くものは、これは嘱託で行くと解釈すべきであると私は思います。この点において高等学校の先生でもあるという御説が今あつたのですが、中学部の先生がちよつと臨時に高等部に応援に行くような形のものを、高等部の先生だというような解釈は、――これは教育大学の付属高等学校、中学校のような場合におきましては、ちよつと性格が違うので申し上げるのですが、この点教育大学の付属中学校の先生が、付属高等学校の先生を兼ねておる場合と比較検討して、お答えをいただきたいと思います。
  87. 清水康平

    ○清水説明員 たとえば今の付属高等学校、中学校、小学校を持つておりまする学校につきましても同じ考えでございまして、高等学校の授業を持つておる先生は当然高等学校の俸給表、中学校の授業を持つておられる人は中学校の俸給表でありますが、両方の授業を持つておられる先生は、やはり高等学校の教諭でありますので、高等学校の俸給表を適用させるのであります。しかしその場合は決して腰かけ的な兼務的なものではございませんので、併任の先生でございまして、俸給表も付属させておりまする大学からもらつておるのでございまして、決して非常勤職員ではございません。他の学校から参りまして、その高等学校の先生をちよつと一時間持つというような、そういう非常勤職員ではございませんので、併任の両方の先生でございまして、一貫した立場から、中学校、高等学校の両方の授業を持つておられる先生は、高等学校の俸給衣を適用したい、これは盲聾と同じ趣旨でございます。
  88. 受田新吉

    ○受田委員 そうしますると、東京教育大学の教授が、まず付属中学校の方の教諭を兼ねておる、そうして付属中学校の教諭が主体であつて、高等学校の授業をごくわずか担当するというような場合に、付属中学校教諭と付属高等学校教諭の伴任の形になつている職員がどのくらいあり、また付属中学校の教諭であるが、高等学校へもちよちよい授業をやりに行く程度、すなわち高等学校を兼ねた職員はどうなつておるかということも確かめなければなりませんし、それに基いて付属中学校の教諭と付属高等学校の教諭と併任の形の者だけは、高等学校の方の給与を出し、中学校が主体で高等学校が兼務になつているという伴任でない者は中学校だけの給与を出すというようになつておるのですが、これについてもひとつ伺いたい。
  89. 清水康平

    ○清水説明員 申し上げます。国立の高等学校で高等学校の俸給表の適用をされる者は、ただいまの調査によりますと全部で六百八名に相なつております。そのうちには、中学の授業と高等学校の授業を持つておられる先生を百八十名ばかり合んでおります。それから盲学校、聾学校の先生は、ただいま大体八十二、三名になつております。それで学校によつて違いますが、中学の先生でもあり、しかもその先生が高等学校の授業を相当しておられるというのは相当多数に上つております。その理由はいろいろありますが、学級数が少いとか――これは御承知のように大学の教育学部などの実験学校がありまするので、そういう関係もありまして、担任して両方の先生であるという場合が相当多うございます。
  90. 受田新吉

    ○受田委員 付属高等学校の職員定数、付属中学校の職員定数、付属小学校の職員定数というのはさまつておらないのですか。その場合に付属高等学校の職員が何人、中学の職員が何人と定員がきまつておるとするならば、併任という職員の立場は、はなはだおかしいことになるのです。どつちかに籍があるはずです。中学校の方の定員に数えておるのか、高等学校の方の定員に数えておるのか、どつちかのはずなんです。この点国立大学の付属高等学校、中学校、小学校の職員の定員があろのかないのか、そしてあればそれに対して併任という者はどつちに計算されているのか、中学校の方が主体か、高等学校の方が主体かということをお答えいただきたいのであります。
  91. 清水康平

    ○清水説明員 今の六百八名のうち大体百七十名の先生は、一応身分は中学校に属しておりますが、中学の授業をすると同時に高等学校併任しておられます。
  92. 受田新吉

    ○受田委員 これははなはだおかしいことなんです。中学校に身分がある以上は、中学校の方が勤務の主体じやないですか。中学校の方に身分があつて、高等学校へちよつと行うておるような職員は併任じやなくて、法律上どう見ても中学校が主体で、高等学校の方は兼務ということになると私は思うのです。付属中学校教諭という身分が主体であるならば、その主体の方の俸給が出されるべきで、高等学校の方に行くのは腰かけなんだ。その腰かけの方の給与を出すということは、付属学校は全部高等学校に合わせなければいかぬということになるのですが、そういうことについてひとつ伺いたいのであります。
  93. 清水康平

    ○清水説明員 先ほども申し上げたのですが、国立の教育学部その他付属の実験学校の高等学校、中学校あるいは小学校の関係は、普通の学校と違いまして、ちよつと行つて来るというだけじやありません。与えられた一週間四十八時間なら四十八時間、四十四時間なら四十四時間の範囲内において、そのうちたとえば一週間七時間は中学、十時間は高等学校というふうになつておるので、一応形式的には、身分の属しておりますのは中学校になつておりますけれども、中学校と高等学校の両方合一した有機的な教育に従事しておるのであります。たとえば他の学校の先生がそういう学校に参りましたときには、他の学校の教育に支障のない範囲内において、そこへ行つて兼務になつている。いわゆる非常勤職員なつているのでございますが、付属学校の方はそういう非常勤職員じやなくて、その時間の範囲内において、与えられたペイはそれ以上もらわないで、両方の先生をやつておるのであります。他の学校から来て、たとえば東京教育大学の高等学校の先生をやつている先生がもしあるとしたならば、その先生は非常勤講師として、その手当を何がしかもらつておるのでございまして、そういうのと付属高等学校、中学校、小学校の関係は、性質が根本的に違うのでございます。その点御了承順いたいと思います。
  94. 受田新吉

    ○受田委員 その場合併任という言葉ではなくて、やはり中学校が主体で、高等学校が兼務という形になつているのではありませんか。
  95. 清水康平

    ○清水説明員 併任になつております。
  96. 受田新吉

    ○受田委員 その点文部省よりも法制局の関係として、併任という形で、つまり身分が中学校にあるということなんでしよう。本職の存するところがその人の身分なんです。そのところ以外の勤務は併任というか、本職が両方にまたがつているわけです。身分が両方にまたがつているところが併任だ。たとえば大蔵大臣と商工大臣という場合、これは両方に身分がまたがつておるけれども、その際には一方、どちらかが中心になつておるので、これはやはり兼任の大蔵大臣あるいは商工大臣ということになるのですが、その併任という言葉は両方に身分がまたがつて給与をその一方から片寄つてもらわない場合と解釈するのじやないのですか。
  97. 清水康平

    ○清水説明員 一応身分の所属は中学校になつておりますが、職務の内容は、両方の授業を持つておるのでございます。従いまして非常勤講師というような辞令も出しておりませんし、非常勤手当も出しておりません。ところが他の学校から来て、たとえば東京教育大学の高等学校の先生をやられる場合には、他の学校の教授あるいは教諭をやつてつた場合にも、非常勤のその学校の講師になりまして、非常勤講師の手当をもらうのでございまするから、その点大分遣うのでございます。
  98. 受田新吉

    ○受田委員 この問題は、今まで中学校の俸給をもらつてつた立場の人なんでしよう。
  99. 清水康平

    ○清水説明員 今までは、いわゆる三本建の法律の出る前は、高等学校、中学校、小学校、幼稚園の一般職職員の四級以上の俸給表の適用を受けておつたわけでございます。
  100. 受田新吉

    ○受田委員 結局この問題は付属高等学校、中学校のような場合を考え、あるいは盲聾学校のような場合を考えたときに、これは盲聾学校の場合でも付属の場合でも、中学校だけを専任にやつている人はだいへん困りはしませんか。高等学校の授業をやつていない人、つまりその学校の都合で付属だけを中心にやつてもらいたい、こういうようになつた人の場合に、一応高等学校の方に全部兼務させるというような形をとれないのか、そういうような方法俸給を出す道はないか、そういう点について技術的な操作をしているかどうかお尋ねをしたいと思います。
  101. 清水康平

    ○清水説明員 教科の関係で、中学校だけしか教育していない人は中学校の俸給でございます。運営上いろいろありましようが、十六国会に通過いたしました法の精神から申しますと、中学校の授業だけしか持つていない先生は、これはやはり中学校の俸給を適用するよりほかないと思います。
  102. 受田新吉

    ○受田委員 特殊学校ことに盲聾学校のごときは中学部と高等部とは、ほとんど職務の内容は違いません。これは年齢的な差があるだけのものなんです。そういうところで中学部だけ持つておる人は中学だけしかもらえないが、高等部を一時一でもやつてつた者は高等部の待遇をもらえるということになると、はなはだ不均衡になつて来るわけです。こういう点について、こういう特殊学校は一本的な取扱いをして、その学校にある一番上級の学校へ合せる措置をとる道さえ――法律では特殊学校の形で一本に考えても私はいいと考えるのです。それを一本に考えずに、中学部と高等学部とを一本に扱わない、別に考えておるということについては、はなはだ文部省としてもお取扱いに困ると思いますが、この点をお尋ね申し上げます。
  103. 清水康平

    ○清水説明員 お答え申し上げます。いろいろ問題を含んでおるのでございますが、法の精神からこれを律する場合には、高等学校と中学以下とはわける以外にはないと思います。盲聾唖につきましても高等学校は教科であり、小学校は全科というような関係もある。ただ盲聾学校という特殊学校でありますので、俸給表はそうするよりしかたがないのてありますが、特殊学校であるという立場から考えまして、今後調整額その他について、これは別な立場から何とかして努力をいたしたいと思つております。
  104. 受田新吉

    ○受田委員 法律ができたからこれに従わなければならぬ。これは国法ですからしかたがないのです、守らなければいけませんね。しかしあなた方はこの国法は悪法である、悪法であればこれを改正しなければならないのだというほどの熱意を持たなければならないのです。悪法に盲従しておるということは、新しい進歩のない国になつてしまうことですから、これは悪法だ、悪法であるならば政府としてもこれは改正しなければならない。議員が出された法律であつても、実施してみたらたいへん悪法であることがわかつた、従つてこれはこういうふうに改正しようという熱意を持たなければならぬ。今のように非常に困るところがあるという御反省をなさつておるけれども、法律だからしかたがないとおつしやつた。この点において、この法律についてははなはだ困る部面もあるということをお感じであるかどうかを局長さんから御答弁を願いたいと思います。そういう場合の困るか困らぬかという問題ですね。非常によい法伊か悪い法律かということを、ちよつとお答え願いたいと思います。
  105. 緒方信一

    ○緒方説明員 いろいろ問題はあると思いますけれども、現在におきましてはこの法律によつて私どもやつて行きたいと思つております。
  106. 受田新吉

    ○受田委員 改正の意志はないか。
  107. 緒方信一

    ○緒方説明員 ただいまのところ改正の意思はございません。
  108. 永田亮一

    ○永田(亮)委員 関連して……。盲聾学校の教員の俸給表の適用のことでありますが、ただいまの御答弁でも大分困られたようでありますけれども、問題は、高等学校を併設している盲聾学校の小、中学校では、おそらくいろいろなやりくりをして、小、中の先生という人を一人もなくして、多分全部高等学校の職員並の俸給がもらえるようにやるんじやないかという気がするのであります。実際盲聾学校の教育内容を見ましても、先ほど受田君が言われましたように、教育の内容も教科の内容も、小、中と高等学校はそれほどの差がない。普通の小学校、中学校と高等学校の差のような差は見受けられないのであります。それでこの盲聾学校に関する限りは、先ほど申しましたように、小、中と高等学校三つあるところは、おそらくすべて高等学校の俸給表に適用するように持つて来るだろうと思つております。問題は高等学校を併設しておらない、ただ小学校と中学校だけしか持つておらない盲聾学校、ここに勤めておる先生方と、非常に不均衡が出て来るんじやないかということを私は憂えるのでありますが、そういう点に関して一応御説明願いたいと思います。
  109. 清水康平

    ○清水説明員 申し上げます。ただいまの問題は、高等学校のない、付属の中学校と小学校だけある場合にも、問題になるかと思うのであります。地方の多くの大学には教育学部の付属の中学校、小学校の実験学校がございます。この学校の先生方も、そこの大学の付属に一環とした高等学校がございませんので、高等学校の俸給の適用を受けないで、中学校の俸給の適用を受けるわけでございます。それと同じように盲聾学校におきましても、そういう場合でございましたならば、それと右にならうという以外には方法はございません。やはりそういう場合も付属の中学校、小学校と同様、でございます。
  110. 永田亮一

    ○永田(亮)委員 先ほども申しましたように、どうしても高等学校のある学校は法をくぐるようなことをやる心配があるのであります。それでこの際小中学校のみの盲聾学校を一まとめにして、すべて高等学校職員俸給表を適用してはどうか、こういう点に関しては御意見があつたら伺いたいと思います。
  111. 清水康平

    ○清水説明員 申し上げます。先般来いろいろ申し上げておるのでございますが、盲聾学校についてはいろいろ問題がございます。盲学校、聾学校にも高等部、中学部、小学部がございますので、三本建の精神から申しましたならば、やはりその間区別をするのが、法の精神に沿うのじやないかと考えた次第でございます。しかしながら盲聾学校という特殊の学校でございますから、特殊勤務手当と申しますか、特別調整額というような問題、あるいはいわゆる級別資格推定表の年限のきざみとか、その他の方法において盲聾学校の特殊性の問題について考えてみたいと思います。
  112. 永田亮一

    ○永田(亮)委員 もう一つ、今の問題ですが、今度のこの一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案において、もしわれわれの方で但書か何かをつけて盲聾学校はすべて高等学校の教職員俸給表を適用する、こういうふうにやつた場合に、文部省としてはどうお考えになりますか、お伺いいたします。
  113. 清水康平

    ○清水説明員 私から申し上げていいか、率直に申し上げにくいのでございますが、そういうような御意見がございましたならば、御意図のあるところをよく拝聴いたしまして善処いたされることと信じております。
  114. 受田新吉

    ○受田委員 今永田君からも御共鳴の御発言があつて、党派を越えてこの部分に対する改正を要望されていることが、はつきりわかつたでしよう。そこで文部省としては、それを実施される機関として、この法律の中に改正すべき部分があるならば、もつと勇敢にお考えにならなければいかぬでしよう。この法律の三本建の趣旨を尊重して尊重してとおつしやる。それでは進歩のないことになつてしまうのです。だからこの法律は、精神はそれで一応承服するが、この部分はどうしても改正していただかなければならぬ部分である、特殊学校として盲聾学校は、高等学校から小学部まで一本化しなければ、他の部分とは違うので、非常に不都合になることがあるので、どうかこの特殊学校は高等学校の級別俸給表に該当するようにしてもらいたいというような、改正の意図を国会にお示しをいただきたいと私は思うのですが、この点については局長さん政府としての腹がありますかどうか、お示しを願いたい。
  115. 緒方信一

    ○緒方説明員 この法律は制定せられましてまだ実施を見ない段階にあるのでございますが、国会におきまして慎重御審議の上制定されたことでございますので、私どもといたしましてはただいまの段階においては、この法律を誠実に施行いたしたい、かように考えております。
  116. 受田新吉

    ○受田委員 これは慎重審議するひまがなくて八月に大急ぎでやつたんです。従つて結果的に見てここに非常な不備のあることは与党の方も認めておられるのです。そこでやはり法律に不備な点がある場合には、これを政府が勇敢に改正案としてお出しになるということが私は必要であろうと思いますが、もう情勢は実際今御処理をされた人事課長さんがお困りになつておられるという御答弁をお聞きしても、容易でないと私も思つた。これを実施されるのに文部省当局はお困りになつておられる。お困りになつておられる部分だけは、実施がまだ一月からであつても、法律はできてその翌日改正してもいいわけですから、この点についても政府として実施上お困りになつていることを、はつきり暴露されたわけでありますから、これが改正を早急に希望されることを要望いたしておきます。  いま一つ地方平衡交付金に対する例の単位費用の増額に関する改正案、これは今明日とか言うておられたのですが、まだ出たかどうか知らぬけれども、お出しになるような意図があるようですが、高等学校の部分に対しては、地方平衡交付金の単位費用が今までより三本建を実施するためにどれだけ上るようになるか。これは文部省が計算しておられるのでお答えいただきたいと思います。
  117. 緒方信一

    ○緒方説明員 平衡交付金実施につきましては文部省の所管ではございません。自治庁において単位費用の計算をなされまして、実際に平衡交付金を交付されることになりますので、これは自治庁の方から申し上げるのが筋だと考えます。
  118. 受田新吉

    ○受田委員 それでは文部省としては単位費用を幾ら上げるべきであるというふうに算定はされるが、自治庁がこうした高等学校の部分を文部省に相談なしに、かつてにどんどんやれるということになれば、これは自治庁の専管政治なつてしまつて、文部省ははなはだ無視されるわけですが、この点単位費用を計算する場合に、高等学校の分に対してはこれらをどういうふうにしたらよいかという相談なくして、この費用がきめられるのであるかどうか。それと相談があつた場合に文部省としては、どれだけ上げてもらいたいという要望されたかどうか。これをお伺いしたい。
  119. 緒方信一

    ○緒方説明員 文部省といたしましては、先ほど御説明申し上げましたように、この法律実施いたしますにつきまして、いかほどの所要額を要するかということについて算定をいたしまして、自治庁の方に中入れをしてあります。それに基きまして自治庁の方では検討いたしまして、これは地方財政計画の全般にわたる問題と考えますが、自治庁の方で平衡交付金の実際の算定をいたし、これを実施するわけでございます。その操作はまつたく自治庁の方の所管に相なるわけであります。これは地方財政計画の全体にわたる問題でありますので、文部省として申し上げることは所管外だと思つております。
  120. 受田新吉

    ○受田委員 今単位費用が幾ら上るかということを、文部省から自治庁に申し入れた数字を御発表いただきたい。
  121. 緒方信一

    ○緒方説明員 単位費用を幾らにするかという問題は、今申し上げましたように全般の関係でございまして、文部省の方でこれだけ単位費用を上げろという要求には相ならぬのであります。その点御了承いただきたい。
  122. 受田新吉

    ○受田委員 単位費用の算定基礎になるところの文部省の資料が出されるはずです。それを私はお尋ねしている。つまり高等学校の分は幾らか、会国を通じてこれははつきりするわけですから、高等学校の分は幾ら上げてくれという、その文部省の計算に基く高等学校教員の俸給の増額部分の要望がされているはずです。それを今お尋ねしているです。
  123. 緒方信一

    ○緒方説明員 これは先ほど申し上げましたように総額といたしまして二億六千六百万という計数か出しておりますので、それに基いて全体の計画が自治庁で行われるわけであります。
  124. 受田新吉

    ○受田委員 今のは国費に基くものですね。地方公務員である地方の高等学校教職員の分を、私はお尋ねしているのです。
  125. 緒方信一

    ○緒方説明員 今申し上げました額は、地方の公立学校の教職員に対しまして、このたびの法律実施につきます所要額であります。
  126. 受田新吉

    ○受田委員 国家公務員地方公務員の配分ですね。今のは国家公務員を含んだ数字ですね。
  127. 清水康平

    ○清水説明員 国家公務員俸給について申し上げます。法律に基きまして直近上位に切りかわる際に要する費用といたしましては、一月からでございますが、一月約二千万円、三月間で全部で六千万円になります。そのうち一千八百万円は十六国会において切りかえに伴う予算処脚としてなされております。従つて差額の四千二百万円は自治的な関係もあり、国家財政関係もあり既定予算の範囲内において、これを捻出することに相なつております。それから法律そのものの実施による切りかえではございませんが、級別推定表の改正によりましてかわる部分がございます。これは人事院の細則でございますが、それに要する国家公務員の経費は一箇月十万円足らす、一月二月三月で約三十万円、この予算措置も既定予算の範囲内において措置することに相なつております。
  128. 受田新吉

    ○受田委員 一応その内訳がわかりましたので、地方に流される分も見当がつくわけですが、自治庁の方と御相談の結果についての御発表ができれば、この際していただいて、私の文部省に対する質問は一応終りたいと思います。
  129. 川島正次郎

    川島委員長 文部省に対する質問はございませんか。――それでは文部省の方よろしゆうございます。
  130. 石山權作

    ○石山委員 資料をたくさんいただいて御苦労様だつたのですが、資料を見た結果、だんだん判明して来たことは、だんだんうそがはつきりしたということでありまして、はなはだ喜ばしいというような表現は使えないと思います。一日の小笠原蔵相の社会党の細迫氏に対しての答弁の中に、九・三%の率をもつて上昇させた。今の場合は、この数字財政措置上から見ると、最大の努力であるというようなことを言つておるのでありますが、この九・三の中の一という数字は、これは大蔵省から示された数字では百三十八円になつておりますが、この数年はまつたく、地域給の是に来年度か今年度かいつか知らぬけれども勧告されるはずの数字であつて、これは必ずベースの中に含めてはいけない数字を含めて、そうして九・三といつておる。あなたのお出しになつた表から見ると、私たちは今回は八・三の上昇であるというふうに考えているが、その点は私の考え方が間違つているかどうかということを、この資料から見て説明してください。
  131. 岸本晋

    岸本説明員 ただいまの御指摘の、今回の九・三%引上げのうち、一%はまつたベース・アップに関係がないのじやないかというお話でございますが、ベース・アツプに重点を置いて考えますとそう相なりますが、反面、至つて事務的なお答えで恐縮でありますが、勤務地手当の繰入れをいたし、それに伴つて自然にやはり手取り額がふえる部分があるわけであります。その分が百三十八円で、これも広い意味におきまして待遇改善に入るわけであります。九・三%の持出しをして、今回の勤務地手当の繰入れとベース改訂とあわせてやつた、こういうふうに私どもは解釈いたしております。
  132. 石山權作

    ○石山委員 それでは田中さんにお聞きいたしましよう。この資料によつて判明したことは、政府はいかにして巧妙に、人事院勧告を尊重した形をつくろおうとしたにすぎないと思う。百三十八円の金を云々するのは小さいかもしれぬが、これはまつたくこの次に用意さるべき数字なのであります。それをあなたは、これは田中試案と申しますが、あなたはまつた賃金の中に入つておる金をつかみ出して、これをお前の昇給にさせてやるというふうなやり方を、この百三十八円でとつているのですが、これはあなたはやつぱりそうではないというふうに御答弁なさいますかどうか。
  133. 田中不破三

    田中政府委員 ときどき石山委員から、私の考え方について、間違つたことをいかにもほんとうのことのように言つているかのことさお小言をちようだいするのですが、この百三十八円についても、ただいま給与係長が申しました通りに、いずれにいたしましても、そういうふうな地域給関係から操作いたす必要上要します金額であるといたしましても、やはりこれは処遇の改善の一端になつておるわけでありまして、私自身このように表をごらんに入れまして御審議を願つておる以上、黒いものを白いものだと申しているわけでは決してございません。
  134. 石山權作

    ○石山委員 そうしますと、来年になると予想されるところの地域給のアンバランスの是正の場合は、政府はまるまる百三十八円を公務員一人からもうけたという勘定になりませんか。その点はいかがでございますか。
  135. 田中不破三

    田中政府委員 いずれにしましても、今回の改正案によりますと、この通りにやはり百三十八円は、一応改善の一端をになつておると申し上げてけつこうだと思います。来年の地域給改正がどういうふうになりますか、これは先のことでございますので、ただいまの現実の状態から見ますれば、さようお答え申し上げるよりほかないと思います。
  136. 石山權作

    ○石山委員 それはあなたのように答弁すればそうかもしれませんけれども、もらう方の身になつてみれば、零級地、無級地というものは来年当然われわれは是正さるべきものだと考えておるのです。地域給のアンバランスの中で操作さるべきものだと考えておる。われわれはあなたの方に貸しがあると思つているのですよ。それをあなたは先に出して来ている。特にわれわれ問題にしたいのは、この施行される時期というものは非常に政治的な意味があると思う。特に零級地、無級地の問題は、前々から末端から叫ばれて、特に地域給の要素とする問題が今はだんだん縮まつて来ている。昇給とは全然別個に大きく地域給は是正されなければならないのである。それを政府は前もつてこれを上手に、この次の地域給是正に対して、すでにくさびを打ち込んだ形だと思つていますが、この十二月にはたして地域給を是正する意思がほんとうにあるかどうかということを、もう一ぺん確認したいと思います。
  137. 田中不破三

    田中政府委員 いろいろとお考えもありましようが、いずれにしましてもこの百三十八円の問題につきましては、これは一万五千四百八十円の給与水準を基準にいたしまして、その予算総額を考えますときに、これは多過ぎもしなければ少な過ぎもしない、こういうふうな操作を入れまして、その平均が一万五千四百八十円という数字になるわけであります。石山さんのお話のようになりますならば、これはその一万五千四百八十円の外に、それだけ持ち出すという問題が起つて参るであろうと思いますが、私どもしばしば申す通り、一万五千四百八十円の金額ふ基準にいたしまして操作いたしておるのでありまして、この百三十八円そのものを考えますときに、これがために多過ぎることもなければ少な過ぎるともないと、ちやんと私どもが申します平均水準の給与額に、そのまま当ではまるわけであります。  それからなお地域給改正云々についての御質問がございましたが、これまたしばしばここで質疑応答が重ねられておりましたが、人事院勧告等が出ました後に、十分検討を加えたい、このように思つております。
  138. 石山權作

    ○石山委員 いかにも私がこの百三十八円さえとれば、私が満足するととられますと困りますので、私たちはこの提示された百三十八円というものは地域給考えるべき数字であるというふうに一応解釈しております。あとの人事院勧告の分に関しましての質疑応答は、これは別個にあしたもう一ぺんやりたいと思いますから保留しておきます。ただ提出された資料についての見解だけ一応申し述べておきます。
  139. 川島正次郎

    川島委員長 石山君、きよう続けられませんか。大体会期も切迫していますから……。
  140. 石山權作

    ○石山委員 私は百三十八円に集中しているのではなく、人事院勧告政府はなぜ忠実に施行できなかつたかという理由を聞きたい。ただ観念的な意味で財政措置できなかつたという説明だけではあきたらない、給与というものは数字がものをいうのでありますから、政府はほんとうに出せないなら出せないように、りつぱにその計数を示して委員会で堂々と闘うべきだというふうに私は考えるのでございますが、その当時の当面の責任者もきようおりませんし、この前この件に関しては大蔵当局から詳細に説明されるという言質もとつておりますので、田中官房次長との質疑応答は観念的になりやすいし、抽象的になりやすいので、これ以上続けてもむだと思うのでございます。でございますから大蔵当局のその地位にあつて数字に詳しい方、そして答弁に対してまつた責任の持てる方を、当委員会は招致していただきたいし、委員長はそれに努力すべきであると考えております。
  141. 森三樹二

    ○森(三)委員 ちよつと田中さんに承りたいのですが、国家公務員法の第二十八条第二項に「人事院は、毎年、少くとも一回、俸給表が適当であるかどうかについて国会及び内閣に同時に報告しなければならない。給与を決定する諸条件の変化により、俸給表に定める給与を百分の五以上増減する必要が生じたと認められるときは、人事院は、その報告にあわせて、国会及び内閣に適当な勧告をしなければならない。」人事院勧告があつて勤務地手当引上げるということが行われなければならぬ、しかるに今回は政府がかつてに、まだゼロ級地を引上げてこれを本俸に入れるとかなんとかいうような人事院勧告もないのに、先走つてつておられる。私ども基本ベース引上げ勤務地手当引上げというものは基本的に別個なものだ、これはだれしも当然わかり切つておることなんです。それを政府はごつちやにして、しかも勤務地手当勧告がないにかかわらず、ゼロ級地を一級地に引上げて本俸に組み入れるということは、私は国家公務員法の規定に違反するものではないかと思うのです。この点についてお尋ねしたい。
  142. 田中不破三

    田中政府委員 ただいまのお尋ねの件につきましては、過般来の当委員会におきまして、しばしば質疑応答が繰返されたと存じますが、簡潔に申し上げますならば、お話通り地域給地域給、あるいは本俸の改正は本俸の改正というふうに別々にいたしますと、あるいはすつきりいたしまして、御了解をいただくのにも非常に便宜だつたとも思うのであります。しばしば申します通り地域給の段階をできるだけ少くしたいということは、過去数年閥の多数の意見でございまして、なお給与法自体を改正いたしますこの機会に、ちようどこれを一日でも早く調整いたした方がよろしい、このように考えまして、あわせて行つた次第でございます。
  143. 森三樹二

    ○森(三)委員 基本ベース引上げ勧告は、これは七月十八日に人事院が明らかに一三・九の引上げ勧告をなさつている、従つて政府は当然にこれを引上げることは、政府の義務だと思つている。それを今回の国会であなた方がおやりにならなければならぬし、またやることが当然の義務です。しかるにこの勤務地手当勧告というものは、まだ行つていない、にもかかわらずあなたがさつきみずからこれを別々にすればすつきりするのだと言つておられるのであつて、それをなぜすつきりなさらないで、あなたみずからが紛淆を来さしめるようなことをなさるのか、私はやはり政府みずからが遵法精神、法を守るというお考えを堅持しなければならぬと思う。そこで私は勤務地手当引上げ勧告がないにかかわらず、そうしたことを本俸のベース・アップと一緒に混淆しておやりになるということは、明らかに私は法律違反のやり方である、かように考えます。その点はあなた方としてもう少しお考えにならなければならぬと思うが、お答えを願います。
  144. 田中不破三

    田中政府委員 森委員のただいまの御質問、法律違反じやないかというふうな点でございまするが、私ども十分議を練りましたのでございますが、法律違反にはならないというような見解をもちまして、本案を提出いたしているのであります。
  145. 滝本忠男

    滝本政府委員 ただいまの件でございまするが、人事院といたしましては給与法の第二条にも勤務地手当の支給区分、また個々の地域をどういうふうに格付するかということについて、これを勧告いたしますために、絶えず研究しなければならないということが権限であり義務であると規定されておりまして、人事院としましては、もちろんこれはやるわけであります。われわれの希望といたしましては人事院勧告に基いて、政府措置していただくということが好ましいし、またそうなつてもらいたいというふうには考えるのでございますけれども、必ずしもこの規定が政府側を拘束するということには、法律的にはならないのではなかろうか、こういうように考えております。
  146. 森三樹二

    ○森(三)委員 それはどうも給与局長に私お尋ねしたわけでないけれども、給与局長がみずから助け舟を買つて出たような感じを受けるのでありますが、そうしますと二十八条の規定の第二項があるのでありますが、たとえば勤務地手当について人事院勧告がないにかかわらず、政府みずから勤務地手当引上げるというような予算案国会に提出するというようなことは私は不可能だと思う、やはり人事院勧告があつて政府あるいは国会の審議権というものがそれに対して発生するのだ、かように考えている、すなわち給与に関する一つの基準を、国会あるいは政府に提出するというのが人事院の職責でなければならない。それなくしてはみずから予算提案する権限国会にはありません。人事院の具体的な勧告なくしては勤務地手当引上げるというような予算を出すことはできないと考えますが、その点滝本さんに私はお尋ねする。
  147. 滝本忠男

    滝本政府委員 私が申し上げましたことは、ただ法律の解釈の点をごく厳格に申し上げたのでありまして、私先ほども申し上げましたように、人事院といたしましては、これはやはり勤務地手当改正という問題は、よほどデリケートな問題でありますから、誤解を起さないように十分注意してやりたい、そのために前回の勧告におきましては、勤務地手当の調査研究は十分にできておりませんでしたから、とりあえず五段階で、勤務地手当のところには手をつけないで、俸給表改正する、そのほか体系もかえておるのでありますが、それが平均給が一万五十四百八十円になる、このように勧告をいたしたわけであります。それでこの勤務地手当のところにつきましては、別途勧告をいたす所存でありまして、この勧告につきましては、当委員会でもいろいろ御研究なつておるところでもありまするし、われわれもまたその席に出していただきまして、いろいろお話等も伺つておるところでもありますし、また御決議もあるわけでありますから、そういうことに十分こたえてやりたい、このように考えておるわけであります。従つて人事院としましては、人事院勧告いたしたところに従つて政府側がおやりくださるということは、これはもう希望するのは人事院が一番希望しておるのです。ただ厳格な法律の解釈を申しますれば必ずしも人事院勧告がなければ勤務地手当のところがいじれないというものではない。これは非常に厳格な意味で申し上げたのであります。
  148. 森三樹二

    ○森(三)委員 それでは勤務地手当についても、あるいは本俸の給与ベースの問題についても、あなた方の方で何らの勧告ないにかかわらず、政府がかつてに上げたり下げたりすることができるのですか。
  149. 滝本忠男

    滝本政府委員 ただいま私が申し上げておりますのは、勤務地手当に関するところだけに関して申し上げておるのです。この勤務地手当に関しまするところは、給与法の第二条に規定がございまして、人事院権限ということで、規定がございます。これは勧告するために調査研究をする権限があるわけでございます。従いまして、人事院としましては、もちろん調査研究を絶えずいたしまして……。
  150. 森三樹二

    ○森(三)委員 人事院のことを聞いておるのじやないのですよ。あなたがさつき助け船みたいに出て来たからあなたに尋ねる。政府に尋ねておるのに、あなたが出て来たから尋ねるのであつて、あなた方は勧告する権限と義務がありますけれども、あなた方が勧告もしないにかかわらず、政府が本俸の給与ベースを上げ下げしたり、勤務地手当を上げ下げしたりすることが自主的にできるかということを私は聞いておる。あなたの答弁する範囲ではないと思うのだけれども、あなたが出て来たから……。
  151. 滝本忠男

    滝本政府委員 その問題に関しまして、私が特に出ましたゆえんは、委員長から、その法律の解釈は、人事院が解釈権を持つておるのではなかろうか、従つて関連してこの答弁をしろというお話がございましたから、出て参つたのでありまして、そういうところ一は御了承願いたいと思います。
  152. 森三樹二

    ○森(三)委員 そうすると滝本さん、給与ベースの本俸の上げ下げというものは、人事院勧告しなくても政府はやれますか、解釈について……。
  153. 滝本忠男

    滝本政府委員 先ほど申し上げましたように、私は勤務地手当の点につきまして申し上げたのでありまするが、本俸につきましては、これは明らかに今御指摘なつておりまするように、公務員法の第二十八条に基きまして人事院勧告したところに従つて政府措置する、こういうことになつております。
  154. 森三樹二

    ○森(三)委員 人事院勧告しなくてもできるのですか。人事院勧告しなくても、政府がかつてに上げ下げできますかというのです。本俸の給与べースについて……。
  155. 滝本忠男

    滝本政府委員 本俸の俸給表改正につきましては、人事院勧告に基いて、政府側が法律案を提出する、こういうことになつております。
  156. 森三樹二

    ○森(三)委員 そうすると地域給はどうなりますか。地域給人事院勧告がなくても、かつてにやれるというわけですか。
  157. 滝本忠男

    滝本政府委員 先ほど繰返して申し上げておりまするように、これは給与法の第二条の解釈になろうかと思うの、でありまするが、人事院といたしましては、もちろん計画を持ちまして研究調査いたしておるところでありますから、これはもう全面的に尊重してもらいたいし、またその調査研究する権限があるわけであります。ただその条文を法律的に厳格に解釈いたしますれば、この人事院勧告をまたなくても、地域給の改変が政府側で提案できないということにならないのではなかろうか、このように解釈しております。
  158. 森三樹二

    ○森(三)委員 そういう同じ給与について二重解釈は私はできないと思うのです。それではあなた方人事院はまつたく権威がなくなつてしもう。やはり人事院というものは、給与一般に関する勧告の権利と義務とが存在しておつて、そこに自主独立の機関であらねばならぬと私は思う。それを地域給については、政府が自由かつてに裁量してやれるものだと解釈することみずからが、あなた人事院の崩壊ですよ。人事院みずから、あなた方の退却というか、みずから自分の機関をこわそうとしていると同じだと思うのです。これについに田中官房副長官の御見解を承りたい。
  159. 田中不破三

    田中政府委員 先ほども申し上げましたように、もちろんいろいろと検討はいたしたのでありまするが、私ども政府のとりました措置につきましては、これは違法ではないと考えております。
  160. 森三樹二

    ○森(三)委員 ではまあとにかく一応この質問は留保いたしまして、またあらためて……。私は重大な答弁だと思う。
  161. 受田新吉

    ○受田委員 大蔵省給与課長と田中さんとに御答弁いただきます。政府が出した今度の第二次補正予算の中に、このベース・アップに関する経費といたしまして、一般会計に属する職員の分と、補助職員という分がありまして、補助職員の分に一億二千万円を計上されたと私は記憶しておるのですが、この補助職員というものは、どういう性格のものですか。
  162. 岸本晋

    岸本説明員 補助職員と申しますのは、国の事務を地方に委託しているのがございます。国の一部の事務、たとえば統計等の事務でございますが、これを地方庁に委託しております。その委託いたしております事務に関しまして、人件費の一部を補助いたしておるものでございます。全額補助しておるものもございまするし、二分の一あるいは三分の一補助というものもございます。この委託事務に関する補助費でございます。
  163. 受田新吉

    ○受田委員 一般職職員とその他の特別会計あるいは地方公務員というのは、それぞれ正規の職員には期末手当というものが出されておりまするが、臨時職員には期末手当はどうなつておるのですか。そしてその臨時職員の中で、常勤的性格を持つ臨時職員と、非常勤の性格を持つ職員との数が十二月現在でどれだけあつて、その人たちには昨年末期末手当がどれだけ支給されたか、過去の実績と、ことしこの臨時職員に対してことに平素いろいろな点で一般の職員に比べてはなはだしい差別待遇を受けているこの臨時職員に対して、今年度はどういうふうに考えておるのか、お尋ね申し上げます。
  164. 岸本晋

    岸本説明員 ただいまお尋ねの常勤と非常動の数の問題でございますが、ここに資料を持ち合せておりませんので、その点と昨年度の実績については、追つて御報告申し上げたいと存じますが、本年度の取扱いといたしましては、昨年の期末と同様、その名称のいかんにかかわらず、常勤的な性格を有しておる者には、一般の給与法の適用者と同様な金額は行き渡るように措置いたしたいと、かように考えておるわけであります。
  165. 受田新吉

    ○受田委員 そうしますと、常勤的性格を持つ者は、この政府改正した、今年の初めから合計二箇月分を出すということになるわけですか。
  166. 岸本晋

    岸本説明員 つまり常勤的な勤務体系の者については不公平な待遇はいたさないと、こういうことでございます。
  167. 受田新吉

    ○受田委員 非常勤でも常勤的性格をもつものがあるので、解釈ははなはだむずかしいと思うのですが、この臨時職員数字を、明日までにひとつお出しいただいて、それに要する、政府が意図しておる予算とどれだけあてがわれるかもお示しいただきたいと思います。そうしますと、今の課長の御答弁によると、この臨時職員は一般の職員の中へもう入れて、予算が計上されてあるのですか。
  168. 岸本晋

    岸本説明員 一般の職員の中に入れて計上してないのでございます。非常勤職員というものは、実態の実数というものは、なかなかつかめないのでありまして、予算の上で一定の人数をきめて、一定の単価ではじいております。その範囲内で、常勤的なものはできるだけ普通の待遇をして行こう、こういう考えであります。いわゆる定員内の職員とは予算は別個になつております。
  169. 受田新吉

    ○受田委員 この常勤、非常勤の人々に漏れなく期末手当を支給する、しかも一般の職員に準じてお手当を差上げるということが、昨年も非常に問題になつて、政府の意図が十分はつきりしなかつたために、ごたごたもめたことも御承知だろうと思うのですが、ことしはその点事前にそうした紛争が起らないように、政府としてはこれだけの人数にこれだけのものを出すということを、ひとつ明日数字的にお示しいただきたいと思います。  それから田中さんに伺いますが、さつきお尋ね申し上げた中に、三億六千万円を三本建の実施に要する経費として計上してある、ところが文部省は二億六千六百万円しかいうないと言つており、一億円に近い金が余る、その余つた金は、どの方面に使つてもいいのか、文部省に自主性を与えているのかどうか、たとえば不均衡是正などにこれを充ててもいいのか、三本建以外には使つてはいけないのかどうか、そこをお答え願いたい。
  170. 田中不破三

    田中政府委員 先ほどお答え申し上げました通り、その問の事情を十分承知いたしておりませんので、何とも御答弁のいたしようがないわけでありまして、関係省等もよく調査いたしまして、後日お答えいたしたいと思います。
  171. 受田新吉

    ○受田委員 きよう質問を打切るというようなお話もあつたので――この状態では、政府から御答弁いただいた上に、さらに新しい大事な質問がまだ起ると思うのです。そこで、基本的な質問はわれわれは一応これで遠慮してもいいのですが、今ここで残つた幾つかの重要な問題について、政府がはつきりした答弁をしていない部分については明日重ねてお伺いする、きようお尋ねした部分で答弁の残つている分については明日政府委員がこの席へ臨まれるやいなや、私が質問しないでも、政府委員から、すぐ御答弁いただくようにおとりはからい願いたいと思います。
  172. 川島正次郎

    川島委員長 それでは、先ほど理事諸君の申合せもありますので、大蔵大臣に対する櫻井並びに石山君の質問と、それから政府で保留している答弁がありますから、その答弁の関連質問とだけにして、それで大体質問を打切りにいたしたいと思いますが、御了承願いたいと思います。  明日は午前十時から開会いたすことにし、本日はこれにて散会いたします。     午後四時二十八分散会